JPH05194893A - インク組成物 - Google Patents

インク組成物

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JPH05194893A
JPH05194893A JP4253810A JP25381092A JPH05194893A JP H05194893 A JPH05194893 A JP H05194893A JP 4253810 A JP4253810 A JP 4253810A JP 25381092 A JP25381092 A JP 25381092A JP H05194893 A JPH05194893 A JP H05194893A
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water
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks

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  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】プリント品質を劣化させることなく、カラー・
ブリードを軽減を向上させたインク組成物。 【構成】本発明では、両性イオン界面活性剤(pH感応性
又は非pH感応性) 、イオンもしくは非イオン両親媒性物
質を用いることにより、インクジェット・インクの使用
時に生じるカラー・ブリード(プリント媒体の表面で、
あるカラーが他のカラーへ侵入すること)を軽減させる
ことができる。ベヒクルは、低粘度の高沸点溶媒と、そ
れらの臨界ミセル濃度以上の濃度の、1または2つの両
親媒性物質から成り、染料はインクジェット・プリント
に通常用いる染料でよい。界面活性剤の量または両親媒
性物質は、各両親媒性物質に対して単一の値である臨界
ミセル濃度(cmc) で表される。cmc 以上であれば、ミセ
ルが形成されて染料分子を引きつけ、カラー・ブリード
を抑制する。cmc 以下であれば、ミセルが形成されず、
カラー・ブリードは抑制されない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット・プリ
ンティング、特にサーマル・インクジェット・プリンテ
ィングに関し、より詳細には色のブリード(color blee
d)を実質的に減少させるか、あるいは除去するカラーの
インク組成物に関するものである。
【0002】
【従来技術とその問題点】ボンド紙に対する様々なカラ
ーインクの染料供給量が多いとブリードおよび耐水堅牢
性(waterfastness) の低下をもたらす可能性がある。本
願明細書において、「ブリード」とは紙面上で、ある色
が他の色に侵入する(invasion)ことで、これは表面現象
である。単一の色のインクが紙の繊維をたどることをブ
リードと定義する傾向がある従来技術における用語の用
途とは対照的で、これは下層表面現象(sub-surface phe
nomenon)である。
【0003】インクジェット記録インクに使用するた
め、特開昭63-165465 号においては閉塞防止剤(anti-cl
ogging agents)として界面活性剤が使用されている。こ
こで使用される界面活性剤は、20〜50ダイン/cmの範囲
の表面張力を有するものに限定される。界面活性剤の量
は約0.5 〜25重量%の範囲である。開示された特定の実
例は、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリ
ン酸ナトリウムおよびポリエチレングリコールモノオレ
イルエーテルを含む。特開平01-203483 号には、インク
ジェット記録用インク組成物が述べられている。ブリー
ドの軽減は、インクを用いるプリンティングに関連して
記述されている。これらの組成物はおそらく増粘剤(thi
ckener) として使用されるペクチン(0.01 〜2重量%)
を必要とする。しかしながら、ペクチンは熱に対する不
安定性(温度が高くなるとゲル化する)ためにサーマル
・インクジェット・プリンタに用いられるインクとして
有用ではない。
【0004】日本特許1215875 はブリードを起こさず速
乾性で良好な記録を示すインクジェット・プリントに好
適なインクが開示されている。これらの組成物はすべて
トリグリセリドを必要とする。しかしながら、このよう
な化合物は市販のインクに必要とされる長い耐用寿命に
対しては不安定である。
【0005】日本特許1230685 は、汚れやにじみを生じ
ない、普通紙の表面に迅速な吸収性を示すインクジェッ
ト・プリンティングに好適なインクが述べられてる。こ
れらの組成物は着色剤および液体溶媒および/または分
散剤を含み、 HO(C2H4O)a -C3H6O(C2H4O) b なる式で示
されるエチレンオキシドとプロピレンオキシドよりなる
共重合体が存在することを特徴とし、式においてaとb
の和は50を超えない数でありbは0の場合もある。これ
らの共重合体は、「PLURONICS 」(プルロニクス)と呼
ばれている。ほぼ、これらの共重合体はブリードを抑制
しなかった。
【0006】サーマル・インクジェット・プリンタは、
一般に、コンピュータとともに使用される他の種類のプ
リンタに対して、低コスト、高品質で比較的ノイズのな
いオプションを提供する。このようなプリンタは、イン
クがプレナムから入る出口を備えたチャンバ内に抵抗体
素子を備えている。プレナムはインクを貯蔵するための
インク貯めと連結している。複数の抵抗体素子はプリミ
ティブと呼ばれる特定のパターン状にプリントヘッドに
配列される。各抵抗体素子はノズルプレートのノズルと
接続し、このノズルからインクがプリント媒体に向かっ
て噴射される。プリントヘッドとインク貯めよりなるア
センブリがインクジェット・ペンを構成する。動作時に
は、各抵抗体素子は導電トレースを介してマイクロプロ
セッサと接続しており、電流を運ぶ信号が1またはそれ
以上のの選択された素子を加熱させる。この加熱はチャ
ンバ内にバブルを発生させ、このバブルはノズルからプ
リント媒体に向かって噴射される。このようにして、所
与のプリミティブより特定の順序で複数の抵抗体素子の
瞬時加熱(firing)は英数字キャラクタを形成し、ぬりつ
ぶしをおこない、媒体上に他のプリント能力を提供す
る。
【0007】インクジェット・プリントに用いられる記
載されている多くのインクは、通常、ノン・サーマル・
インクジェット・プリンティングに関連するものであ
る。このようなノン・サーマル・インクジェット・プリ
ンティングの一実施例として、圧電素子を用いてインク
の小滴を媒体に噴射する圧電インクジェット・プリンテ
ィングがある。このようなノン・サーマル・アプリケー
ションに適切に用いられるインクは、インク組成物にお
ける熱の影響のためにサーマル・インクジェット・プリ
ンティングにはしばしば使用することができない。イン
クジェット・プリンティング、特にサーマル・インクジ
ェット・プリンティングに使用するためのインク組成物
にとっては、本願明細書で定義されるブリードを示さ
ず、しかも比較的耐用寿命が長く、このようなインクの
望ましい特性を有するインク組成物が依然として残され
ている。
【0008】
【発明の目的】本発明の目的は上述の問題点を解消し、
プリント品質を維持すると共にカラー・ブリードを軽減
するインク組成物を提供することにある。
【0009】
【発明の概要】本発明によれば非イオン性、pH感応性ま
たは非感応性の両性イオン界面活性剤、またはイオン性
界面活性剤(両親媒性物質または洗剤)を使用すること
によってインクジェットによってプリントされた紙媒体
上での色のブリードが軽減(alleviation) される。本発
明に係るインク組成物は(a) 約0.5 〜20重量%の1また
はそれ以上の低蒸気圧溶媒、(b) 1またはそれ以上の水
溶性陽イオン染料、(c)1またはそれ以上の自己凝集性
またはあらかじめ形成されたミセル状、小泡状成分(特
定の例と濃度を以下に示す)、(d) 水、殺生剤、殺菌剤
および/またはスライミサイド(slimicide) などの充填
剤を含む。本願明細書用いられる「低蒸気圧溶媒」は、
水の蒸気圧よりも低い蒸気圧を有する溶媒と定義され、
「水溶性染料」は、水への溶解度の制限が2重量%を超
える染料と定義される。
【0010】低蒸気圧溶媒としては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール、プロピレングリコールなど
のグリコールおよびこれらの誘導体;ブタンジオール、
ペンタンジオール、ヘキサンジオールおよび同族体ジオ
ール;プロピレングリコールラウレート(laurate) など
のグリコールエステル;セロソルブ(Cellosolves) など
モノおよびジグリコールエーテル、ここには、エチレン
グリコール、カルビトール等のモノブチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノエチル、ブチル、ヘキシルエー
テル、プロピレングリコールエーテル、ジプロピレング
リコールエーテルおよびトリエチレングリコールエーテ
ルが含まれる;ブチルアルコール、ペンチルアルコール
等の長鎖状アルコールおよびその同族アルコール;例え
ば、γ−ブチロラクトン等のスルホラン、エステル、ケ
トン、ラクトン類やN −ピロリドンラクタムやN −(2−
ヒドロキシエチル) ピロリドン等のラクタム類(lactam
s) やグリセロールおよびそれらの誘導体の他の溶媒が
あげられるが、これらに限定されるものではない。
【0011】微生物剤は、NUOSEPT(Nudex,Inc.製) 、UC
ARCIDE(Union Carbide製) 、VANCIDE(RT Vanderbilet C
o.製) およびPROXEL(ICI Americas 製) を含むが、これ
らに限定されない。染料は水溶性陽イオン・タイプがあ
り、例えばC.I. Basic Violet 7(#48020)、C.I. Basic
Blue 3(#51004)およびFastusol Yellow 32L およびC
l- 、Br- 、ZnCl4-、NO3-などのそれらの対イオンを含
み、C.I.と表示された数字は染料のカラーインデックス
を意味する。しかし、これらに限定されるものではな
い。染料はインク組成物の約0.1 〜10重量%の範囲で含
まれる。その他の陽イオン染料はC.I. Basic Red 1(#45
160)、C.I. Basic Violet 10(#45170)、C.I. Basic Red
3(#45210)、C.I.Mordant Green 13(#42005)、C.I. Bas
ic Violet 23(#42557)、C.I. Basic Yellow 9(#46040)
、C.I. Basic Yellow 11(#48055)、C.I. Mordant Blue
14(#51050)およびC.I. Basic Blue 9(#52015) が含ま
れている。
【0012】ある成分は二重の機能を有するということ
を認めることは重要である。、例えば、n−ブチルカル
ビトールは低蒸気圧溶媒としても、自己凝集成分として
も機能する。ブリードを軽減する上での凝集および界面
活性剤の濃度の重要な役割に関するさらに詳細な説明は
以下に述べる。本発明によるプリント・サンプルを生成
するのに使用されるドット・オン・ドット・モード(dot
-on-dot mode) プリントにおけるブリードを効果的にし
かも完全に防止するために界面活性剤の臨界濃度が必要
であるということを述べれば十分である。
【0013】
【発明の実施例】本発明により、両性イオン界面活性剤
または非イオン性両親媒性物(non-ionicamphiphiles)
を用いることによって、サーマル・インクジェット・プ
リンタに用いられる結果生じる色のブリードを軽減する
ことができる。本発明の実施例に用られる両性イオン界
面活性剤は、pH感応性であってもpH非感応性であっても
よい。ここで示されるすべての濃度は特に注記しない限
り重量%である。すべての成分の純度は市販されている
サーマル・インクジェット・インクの通常の純度であ
る。
【0014】便宜上、ブリードを軽減する界面活性剤の
実施例は二つの種類に区分される。すなわち、非イオ
ン性および両性界面活性剤とイオン性界面活性剤であ
る。前者の種類はさらに三つの種類、すなわちaPolysc
iences Inc. 製の、ポリエチレンアミンと結合するSTAR
BURST デンドリマー(dendrimers)等の水溶性の両親媒性
ミメティックス(mimetics)、bポリエーテル、例えばエ
チレングリコールn−ブチルエーテル、ジエチレングリ
コールn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールn−
ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールn−ブチル
エーテル、プロピレングリコールイソブチルエーテル、
Rohm & Haas Co. 製のノニルフェニルポリエチレンオキ
シド界面活性剤であるTRITON、BASF製のポリエチレンオ
キシド・ポリプロピレンオキシド共重合体であるPLURON
ICS およびAir Prodcuts & Chemicals, Inc.製のアセチ
レン系ポリエチレンオキシド界面活性剤であるPLURAFAC
Sおよびc例えば、NDAO、NTAO、NHAO、OOAO、NOAOおよ
びSB3-16等の両性分子区分され、これらの化合物に関す
る詳しい情報は以下に示される。太イオン性界面活性剤
と陰イオン性界面活性剤との両方を含むイオン性界面活
性剤も胆汁酸塩(ナトリウム塩、リチウム塩、アンモニ
ウム塩または置換アンモニウムコラート)および水溶性
染料によって示される。
【0015】pH感応性両性イオン界面活性剤の一実施例
は、N,N −ジメチル−N −ドデシルアミンオキシド(NDA
O)であり、この化合物は水中のPKa が約2.3 である。
【化1】 この化合物(式1に示す)は、分子量が229 であり、臨
界ミセル濃度(cmc、後で詳しく述べる)が13mMである。
また、C12H25- 部分の代わりに任意のR部分を用いるこ
ともできる。以下に示す部分、名称、略称、分子量(mw)
および臨界濃度(cmc) は本発明の実施例において有用で
ある。 N,N -ジメチル-N- テトラデシルアミンオキシド(NTAO):
mw=257,cmc=6-8mM N,N -ジメチル-N- ヘキサデシルアミンオキシド(NHAO):
mw=285,cmc=0.8mM N,N -ジメチル-N- オクタデシルアミンオキシド(NOAO):
mw=313,cmc=低い N,N -ジメチル-N-(Z-9-オクタデセニル)-N-アミンオキ
シド(OOAO):mw=311,cmc=低い
【0016】他の実施例では、N-ドデシル-N,N- ジメチ
ルグリシンがあり、この化合物は水中でPKa が約5であ
る。
【化2】 さらに他の実施例は、リン酸塩、亜リン酸塩、ホスキン
酸塩、レシチンなどおよび水中でPKa が約2〜3である
ホスホミエリン(phosphomyelin) などのリン酸エステル
を含む。
【化3】
【0017】他の類似の化合物は、例えばホスファチジ
ルエタノールアミン、ホルファチジルコリン、ホスファ
チジルセリン、ホスファチジルイソシトールおよびB'-O
- リシルホスファチジルグリセロール等のホスホグリセ
リドを含まれる。本発明の実施例に有用な化合物のその
他の例は両性イオンであるが、pH非感応性であるスルホ
ベタイン(sulfobetaines) を含み、nが11のときには化
合物はSB3-12と呼ばれ、nが15のときには化合物はSB3-
16と呼ばれる。
【化4】 本発明の実施例に好適に使用されるイオン性界面活性剤
のー例として、セチルトリメチル臭化アンモニウム(CTA
Br、式5参照)およびドデシル硫酸ナトリウム(SDS、CH
3-(CH2)11- O - SO3 - Na + )やドデシルスルホン酸ナト
リウム(CH3-(CH2)11 - SO3 - Na+ ) 等のアニオン界面活
性剤を含む。
【化5】
【0018】本発明に有用な非イオン性、非両性界面活
性剤の実施例として、Union Carbide から市販されてい
るアルキルポリエチレンオキシドであるTERGITOLなる商
品名で入手可能な化合物およびICI Americasから市販さ
れているやはりアルキルポリエチレンオキシドであるBR
IJを含み、これは式CH3-(CH2)n-(-O-CH2-CH2-)m -OHで
示され、nが3、mが2のときにはこの化合物はn−ブ
チルカルビトール、セロソルブである。この種類には、
以下の式を有するPLURONICS およびPLURAFACS(BASF製)
も含まれる。 HO-(-CH2-CH2-O-) n - (-CH2-CH(CH3)-O-) m - CH2-CH2-OH TRITONS(Rohm & Haas Co. 製) は、一般に、R-Ph-O(C
H2-CH2-O) y R'として示され、R 、R'はアルカン基、ア
ルケン基、アリール基またはアルキニル基あるいは水素
であり、Phはフェニル基、yは1〜50であり、Rはベン
ゼン環のエーテル結合に対してパラの位置である。SURF
YNOLS (Air Products & Chemicals, Inc.製) は式6で
示され、nとmの和は0〜50である。
【化6】
【0019】ブリードを軽減する界面活性剤はすべて界
面活性剤に共通の特徴、即ち、極性の(親水性の)末端
基を有する長鎖炭化水素(疎水性)であるという特徴を
有する。これらの化合物と共通の構造的特徴を有すると
いう条件の下で同様の構造の他の洗剤をブリードを解決
するために配合することができる。これはブリード軽減
挙動があらゆる洗剤にとって固有のものであるというこ
とを意味しない。インクの臨界濃度すなわちミセル化の
開始の検出は幾つかの方法で測定することができる。典
型的には、インク中の界面活性剤濃度に対する表面張力
あるいはインク中の界面活性剤濃度に対する浸透圧のプ
ロットにおける鋭敏な変化が見られる。このような鋭敏
な変化は臨界濃度(cmc) に起因するものである。導電
率、濁度、当量電導度の測定等の他の方法は水性インク
においては除外される。
【0020】ブリードの軽減−可能なメカニズム 図1を参照すると、界面活性剤の仮想濃度に対するブリ
ードとテキスト・プリント品質のスケール・プロファイ
ル(text print quality scle profiles)が示されてい
る。この図に示すプロファイルは、基本的に研究対象の
全ての界面活性剤について観察されるブリードとテキス
ト・プリント品質の応答に基づくものである。図1はイ
ンク・ビヒクルの他の成分と染料の濃度は一定であり、
界面活性剤濃度は従属変数であると仮定している。図1
によれば、少量の界面活性剤を添加してもブリードの抑
制とテキスト・プリント品質の鮮鋭度にはわずかな変化
しかみられない。界面活性剤をさらに添加すると、テキ
スト・プリント品質の劣化が生じ、ブリードはほとんど
あるいは全く改善されない(場合によってはブリード軽
減の僅かな劣化さえ起こる)。界面活性剤濃度は、最後
に、テキストの品質が向上しはじめ、ブリードが減少す
る点に到達する。インク中の界面活性剤濃度が増加する
と、ブリードの減少とテキスト品質の向上がみられる。
【0021】ブリードの軽減とテキスト・プリント品質
の改善が感知できる程度に効果的になる最低の界面活性
剤濃度は、大部分の界面活性剤の臨界ミセル濃度(cmc)
または臨界モノマー濃度の付近であることが分かる。(c
mcは単純な電解質または非電解質化学がコロイド化学に
対する重要性を減少させる。前述の単純な界面活性剤に
おいて、これはミセルまたは凝集した界面活性剤分子が
現れ始める界面活性剤の濃度である。)
【0022】ミセル化はエントロピー抑制によって推進
される、すなわち炭化水素鎖はミセルの内側に押しやら
れ、親水性、水溶性の官能基は外側に押しやられる。結
果生じたドメイン流体(domainal fluid)はそれらの疎水
性に応じて染料、共界面活性剤および共溶媒分子などの
有機溶質を区分することのできる油の含有量の多い領域
と水の含有量の多い領域を提供する。加えて、ミセルは
相互作用し、それらの位置エネルギーが最小になる溶液
中の領域を見出す。荷電した染料分子を含むミセルは同
様に挙動するものと考えられる。表1に本発明の実施例
に有用な幾つかの界面活性剤のcmc を示す。cmc は純粋
に対するものである。表示されたcmc は添加された塩基
と疎水性物質がミセル構造を乱すため、インク中のcmc
とは異なる。
【表1】
【0023】ミセル中に染料を含ませることは、界面活
性剤を含むインクがブリードを抑制する可能な方法であ
る。流動性媒体が蒸発して紙に吸収される速度は、染料
分子のミセルからの脱着速度または染料分子がミセル媒
体中に拡散する速度よりもはるかに速いので、インクジ
ェット・ペンから噴射されたある色の染料を有するミセ
ルは紙媒体上の隣接する他の色の染料と交換されない。
その結果、ブリードが軽減される。
【0024】このブリード軽減の有効性はミセル中への
染料の脱着、インク中のミセルの数濃度および紙表面で
の染料とミセルの拡散に依存する。図2aおよび図2b
には、ミセルに強く吸着している染料分子(図2b)お
よびミセルに弱く吸着している染料分子(図2b)に対
する界面活性剤濃度の関数としてミセル中への染料の吸
着の程度を仮想的に示している。弱く吸着している染料
においては強く吸着している染料の場合よりも同じ量の
染料を結合するのに必要な界面活性剤の濃度がかなり高
いことが注目される。染料がミセルに吸着する傾向は、
存在する染料分子、界面活性剤、共溶媒および共界面活
性剤(もし含まれていれば)の構造(疎水性)および相
互作用の関数であることは明かである。従って、界面活
性剤濃度はブリードの抑制に影響を及ぼす。より高い濃
度のミセルがより多くの染料分子を吸収してその拡散速
度を遅くする。本発明に係るインク組成物は、サーマル
および圧電インクジェット・プリンタに使用されるイン
クジェット・インク、特にある色の他の色へのブリード
が問題になるカラーインクに極めて有益である。
【0025】
【実施例】
a以下の配合を有するインクを調整した。 5.5重量% ジエチレングリコール 約3.0重量% 陽イオン染料(BB3 、BV7 または
FY32L) バランスをとる量 脱イオン水 三つのインク(シアン、マゼンタ、イエロー)よりなる
このセットは、両親媒性物質を含まないときの影響を示
すため、比較の目的で使用した。b以下の配合を有する
インクを調整した。 5.5重量% ジエチレングリコール 0.9重量% OOAO 2重量% SURFYNOL 465 約3重量% 陽イオン染料(BB3、BV7、FY32L) バランスをとる量 脱イオン水
【0026】プリントの結果を図3および図4に示す。
各パイ形のスライスは異なる色を表している。色を表示
することが困難なため、チャートは任意に黒と白のセグ
メントに分割した。しかし、ブリードの程度はカラーの
オリジナルから忠実に複製されている。両方の図に利用
したプリント方式は、ドット・オン・ドット方式であっ
た。使用したプリンタは、ヒューレット・パッカード・
カンパニー製でDeskJet の商標を持つプリンタで、イン
クを供給するペンはシアン、イエロー、マゼンタのイン
クよりなる3-チャンバから成るものである。
【0027】界面活性剤を含まないインクについては実
質的な色のブリード(色同志の侵入)がある(図3)
が、これは第1の色(例えばイエロー)が第2の色(例
えばレッド)に隣接しているときに顕著に現れる。界面
活性剤の添加によって、色のブリードがかなり減少する
ことが見られる(図4)。以上のように、インクジェッ
ト・プリンタに使用され、陽イオン染料を含むインクの
色のブリードを減少させる方法が開示されている自明な
性質の様々な変形や変更が実施でき、このような変形お
よび変更は特許請求の範囲に規定された発明の範囲に含
まれるものであることは、当業者にとっては明らかなこ
とである。
【0028】
【発明の効果】以上説明したようにミセル濃度とほぼ等
しい濃度の界面活性剤を添加することで、カラー・ブリ
ードを軽減させ、カラーのプリント品質を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】界面活性剤濃度とプリント品質及びブリードの
関係を示すグラフ。
【図2a】染料濃度と界面活性剤濃度の関係を示すグラ
フ。
【図2b】染料濃度と界面活性剤濃度の関係を示すグラ
フ。
【図3】ブリードが生じたカラー・プリントの結果を表
す図。
【図4】ブリードが実質的に軽減されたカラー・プリン
トの結果を表す図。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビヒクルと約0.1から10重量%の少な
    くともー種類の水溶性陽イオン染料から成り、前記ビヒ
    クルは両性イオン界面活性剤、非イオン両親媒性を含む
    群から選ばれた少なくとも1つの種類をその臨界ミセル
    濃度と少なくとも等しい量だけ含み、前記ミセルの形成
    を支持する約0.5から20重量%の少なくとも1種類
    の有機溶媒とバランスをとる量の水を含むことを特徴つ
    するインクジェット・プリンタのためのインク組成物。
JP25381092A 1991-08-28 1992-08-28 インク組成物 Expired - Fee Related JP3656126B2 (ja)

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US751369 1991-08-28
US07/751,369 US5106416A (en) 1991-08-28 1991-08-28 Bleed alleviation using zwitterionic surfactants and cationic dyes

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JPH05194893A true JPH05194893A (ja) 1993-08-03
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