JP3656126B2 - インク組成物 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、インクジェット・プリンティング、特にサーマル・インクジェット・プリンティングに関し、より詳細には色のブリード(color bleed)を実質的に減少させるか、あるいは除去するカラーのインク組成物に関するものである。
【0002】
【従来技術とその問題点】
ボンド紙に対する様々なカラーインクの染料供給量が多いとブリードおよび耐水堅牢性(waterfastness) の低下をもたらす可能性がある。本願明細書において、「ブリード」とは紙面上で、ある色が他の色に侵入する(invasion)ことで、これは表面現象である。単一の色のインクが紙の繊維をたどることをブリードと定義する傾向がある従来技術における用語の用途とは対照的で、これは下層表面現象(sub-surface phenomenon)である。
【0003】
インクジェット記録インクに使用するため、特開昭63-165465 号においては閉塞防止剤(anti-clogging agents)として界面活性剤が使用されている。ここで使用される界面活性剤は、20〜50ダイン/cmの範囲の表面張力を有するものに限定される。界面活性剤の量は約0.5 〜25重量%の範囲である。開示された特定の実例は、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウムおよびポリエチレングリコールモノオレイルエーテルを含む。
特開平01-203483 号には、インクジェット記録用インク組成物が述べられている。ブリードの軽減は、インクを用いるプリンティングに関連して記述されている。これらの組成物はおそらく増粘剤(thickener) として使用されるペクチン(0.01 〜2重量%) を必要とする。しかしながら、ペクチンは熱に対する不安定性(温度が高くなるとゲル化する)ためにサーマル・インクジェット・プリンタに用いられるインクとして有用ではない。
【0004】
日本特許1215875 はブリードを起こさず速乾性で良好な記録を示すインクジェット・プリントに好適なインクが開示されている。これらの組成物はすべてトリグリセリドを必要とする。しかしながら、このような化合物は市販のインクに必要とされる長い耐用寿命に対しては不安定である。
【0005】
日本特許1230685 は、汚れやにじみを生じない、普通紙の表面に迅速な吸収性を示すインクジェット・プリンティングに好適なインクが述べられてる。これらの組成物は着色剤および液体溶媒および/または分散剤を含み、 HO(C2H4O)a -C3H6O(C2H4O) b なる式で示されるエチレンオキシドとプロピレンオキシドよりなる共重合体が存在することを特徴とし、式においてaとbの和は50を超えない数でありbは0の場合もある。これらの共重合体は、「PLURONICS 」(プルロニクス)と呼ばれている。ほぼ、これらの共重合体はブリードを抑制しなかった。
【0006】
サーマル・インクジェット・プリンタは、一般に、コンピュータとともに使用される他の種類のプリンタに対して、低コスト、高品質で比較的ノイズのないオプションを提供する。このようなプリンタは、インクがプレナムから入る出口を備えたチャンバ内に抵抗体素子を備えている。プレナムはインクを貯蔵するためのインク貯めと連結している。複数の抵抗体素子はプリミティブと呼ばれる特定のパターン状にプリントヘッドに配列される。各抵抗体素子はノズルプレートのノズルと接続し、このノズルからインクがプリント媒体に向かって噴射される。プリントヘッドとインク貯めよりなるアセンブリがインクジェット・ペンを構成する。
動作時には、各抵抗体素子は導電トレースを介してマイクロプロセッサと接続しており、電流を運ぶ信号が1またはそれ以上のの選択された素子を加熱させる。この加熱はチャンバ内にバブルを発生させ、このバブルはノズルからプリント媒体に向かって噴射される。このようにして、所与のプリミティブより特定の順序で複数の抵抗体素子の瞬時加熱(firing)は英数字キャラクタを形成し、ぬりつぶしをおこない、媒体上に他のプリント能力を提供する。
【0007】
インクジェット・プリントに用いられる記載されている多くのインクは、通常、ノン・サーマル・インクジェット・プリンティングに関連するものである。このようなノン・サーマル・インクジェット・プリンティングの一実施例として、圧電素子を用いてインクの小滴を媒体に噴射する圧電インクジェット・プリンティングがある。このようなノン・サーマル・アプリケーションに適切に用いられるインクは、インク組成物における熱の影響のためにサーマル・インクジェット・プリンティングにはしばしば使用することができない。
インクジェット・プリンティング、特にサーマル・インクジェット・プリンティングに使用するためのインク組成物にとっては、本願明細書で定義されるブリードを示さず、しかも比較的耐用寿命が長く、このようなインクの望ましい特性を有するインク組成物が依然として残されている。
【0008】
【発明の目的】
本発明の目的は上述の問題点を解消し、プリント品質を維持すると共にカラー・ブリードを軽減するインク組成物を提供することにある。
【0009】
【発明の概要】
本発明によれば非イオン性、pH感応性または非感応性の両性イオン界面活性剤、またはイオン性界面活性剤(両親媒性物質または洗剤)を使用することによってインクジェットによってプリントされた紙媒体上での色のブリードが軽減(alleviation)される。本発明に係るインク組成物は(a)約0.5〜20重量%の1またはそれ以上の低蒸気圧溶媒、(b)1またはそれ以上の水溶性陽イオン染料、(c)1またはそれ以上の自己凝集性またはあらかじめ形成されたミセル状、小泡状成分(特定の例と濃度を以下に示す)、(d)水、殺生剤、殺菌剤および/または殺粘液菌剤(slimicide)などの充填剤を含む。本願明細書用いられる「低蒸気圧溶媒」は、水の蒸気圧よりも低い蒸気圧を有する溶媒と定義され、「水溶性染料」は、水への溶解度の制限が2重量%を超える染料と定義される。
【0010】
低蒸気圧溶媒としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコールおよびこれらの誘導体;ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオールおよび同族体ジオール;プロピレングリコールラウレート(laurate) などのグリコールエステル;セロソルブ(Cellosolves) などモノおよびジグリコールエーテル、ここには、エチレングリコール、カルビトール等のモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチル、ブチル、ヘキシルエーテル、プロピレングリコールエーテル、ジプロピレングリコールエーテルおよびトリエチレングリコールエーテルが含まれる;ブチルアルコール、ペンチルアルコール等の長鎖状アルコールおよびその同族アルコール;例えば、γ−ブチロラクトン等のスルホラン、エステル、ケトン、ラクトン類やN −ピロリドンラクタムやN −(2−ヒドロキシエチル) ピロリドン等のラクタム類(lactams) やグリセロールおよびそれらの誘導体の他の溶媒があげられるが、これらに限定されるものではない。
【0011】
微生物剤は、NUOSEPT(Nudex,Inc.製)、UCARCIDE(Union Carbide製)、VANCIDE(RT Vanderbilet Co.製)およびPROXEL(ICI Americas製)を含むが、これらに限定されない。染料は水溶性陽イオン・タイプがあり、例えば、C.I.ベーシック・バイオレット7(番号48020)(C.I.Basic Violet 7(#48020))、C.I.ベーシック・ブルー3(番号51004)(C.I.Basic Blue 3(#51004))およびファースツゾル・イエロー32L(Fastusol Yellow 32L)およびCl−、Br−、ZnCl4−、NO3−などのそれらの対イオンを含み、C.I.と表示された数字は染料のカラーインデックスを意味する。しかし、これらに限定されるものではない。染料はインク組成物の約0.1〜10重量%の範囲で含まれる。その他の陽イオン染料は、C.I.ベーシック・レッド1(番号45160)(C.I.Basic Red 1(#45160))、C.I.ベーシック・バイオレット10(番号45170)(C.I.BasicViolet 10(#45170))、C.I.ベーシック・レッド3(番号45210)(C.I.Basic Red 3(#45210))、C.I.モーダント・グリーン(番号42005)(C.I.Mordant Green 13(#42005))、C.I.ベーシック・バイオレット23(番号42557)(C.I.Basic Violet 23(#42557))、C.I.ベーシック・イエロー9(番号46040)(C.I.Basic Yellow 9(#46040))、C.I.ベーシック・イエロー11(番号48055)(C.I.Basic Yellow 11(#48055))、C.I.モーダント・ブルー14(C.I.Mordant Blue 14(#51050))およびC.I.ベーシック・ブルー9(番号52015)(C.I.Basic Blue 9(#52015))が含まれている。
【0012】
ある成分は二重の機能を有するということを認めることは重要である。、例えば、n−ブチルカルビトールは低蒸気圧溶媒としても、自己凝集成分としても機能する。ブリードを軽減する上での凝集および界面活性剤の濃度の重要な役割に関するさらに詳細な説明は以下に述べる。本発明によるプリント・サンプルを生成するのに使用されるドット・オン・ドット・モード(dot-on-dot mode) プリントにおけるブリードを効果的にしかも完全に防止するために界面活性剤の臨界濃度が必要であるということを述べれば十分である。
【0013】
【発明の実施例】
本発明により、両性イオン界面活性剤または非イオン性両親媒性物(non-ionic amphiphiles) を用いることによって、サーマル・インクジェット・プリンタに用いられる結果生じる色のブリードを軽減することができる。本発明の実施例に用られる両性イオン界面活性剤は、pH感応性であってもpH非感応性であってもよい。
ここで示されるすべての濃度は特に注記しない限り重量%である。すべての成分の純度は市販されているサーマル・インクジェット・インクの通常の純度である。
【0014】
便宜上、ブリードを軽減する界面活性剤の実施例は二つの種類に区分される。すなわち、非イオン性および両性界面活性剤とイオン性界面活性剤である。前者の種類はさらに三つの種類、すなわち、a)Polysciences Inc.製の、ポリエチレンアミンと結合するSTARBURSTデンドリマー(dendrimers)等の水溶性の両親媒性ミメティックス(mimetics)、b)ポリエーテル、例えば、エチレングリコールn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールn−ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールイソブチルエーテル、Rohm & Haas Co.製のノニルフェニルポリエチレンオキシド界面活性剤であるTRITON、BASF製のポリエチレンオキシド・ポリプロピレンオキシド共重合体であるPLURONICSおよびAir Prodcuts & Chemicals,Inc.製のアセチレン系ポリエチレンオキシド界面活性剤であるPLURAFACS、および、c)例えば、NDAO、NTAO、NHAO、OOAO、NOAOおよびSB3−16等の両性分子の種類に区分され、これらの化合物に関する詳しい情報は以下に示される。陽イオン性界面活性剤と陰イオン性界面活性剤との両方を含むイオン性界面活性剤も胆汁酸塩(ナトリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩または置換アンモニウムコラート)および水溶性染料によって示される。
【0015】
pH感応性両性イオン界面活性剤の一実施例は、N,N −ジメチル−N −ドデシルアミンオキシド(NDAO)であり、この化合物は水中のPKa が約2.3 である。
【化1】
この化合物(式1に示す)は、分子量が229 であり、臨界ミセル濃度(cmc、後で詳しく述べる)が13mMである。
また、C12H25- 部分の代わりに任意のR部分を用いることもできる。以下に示す部分、名称、略称、分子量(mw)および臨界濃度(cmc) は本発明の実施例において有用である。
N,N -ジメチル-N- テトラデシルアミンオキシド(NTAO):mw=257,cmc=6-8mM
N,N −ジメチル-N- ヘキサデシルアミンオキシド(NHAO):mw=285,cmc=0.8mM
N,N −ジメチル-N- オクタデシルアミンオキシド(NOAO):mw=313,cmc=低い
N,N -ジメチル-N-(Z-9-オクタデセニル)-N-アミンオキシド(OOAO):mw=311,cmc=低い
【0016】
他の実施例では、N-ドデシル-N,N- ジメチルグリシンがあり、この化合物は水中でPKa が約5である。
【化2】
さらに他の実施例は、リン酸塩、亜リン酸塩、ホスキン酸塩、レシチンなどおよび水中でPKa が約2〜3であるホスホミエリン(phosphomyelin) などのリン酸エステルを含む。
【化3】
【0017】
他の類似の化合物は、例えばホスファチジルエタノールアミン、ホルファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイソシトールおよびB'-O- リシルホスファチジルグリセロール等のホスホグリセリドを含まれる。
本発明の実施例に有用な化合物のその他の例は両性イオンであるが、pH非感応性であるスルホベタイン(sulfobetaines) を含み、nが11のときには化合物はSB3-12と呼ばれ、nが15のときには化合物はSB3-16と呼ばれる。
【化4】
本発明の実施例に好適に使用されるイオン性界面活性剤のー例として、セチルトリメチル臭化アンモニウム(CTABr、式5参照)およびドデシル硫酸ナトリウム(SDS、CH3-(CH2)11- O - SO3 - Na + )やドデシルスルホン酸ナトリウム(CH3-(CH2)11 - SO3 - Na+ ) 等のアニオン界面活性剤を含む。
【化5】
【0018】
本発明に有用な非イオン性、非両性界面活性剤の実施例として、Union Carbide から市販されているアルキルポリエチレンオキシドであるTERGITOLなる商品名で入手可能な化合物およびICI Americasから市販されているやはりアルキルポリエチレンオキシドであるBRIJを含み、これは式CH3-(CH2)n-(-O-CH2-CH2-)m -OH で示され、nが3、mが2のときにはこの化合物はn−ブチルカルビトール、セロソルブである。
この種類には、以下の式を有するPLURONICS およびPLURAFACS(BASF製) も含まれる。
HO-(-CH2-CH2-O-) n - (-CH2-CH(CH3)-O-) m - CH2-CH2-OH
TRITONS(Rohm & Haas Co. 製) は、一般に、R-Ph-O(CH2-CH2-O) y R'として示され、R 、R'はアルカン基、アルケン基、アリール基またはアルキニル基あるいは水素であり、Phはフェニル基、yは1〜50であり、Rはベンゼン環のエーテル結合に対してパラの位置である。
SURFYNOLS (Air Products & Chemicals, Inc.製) は式6で示され、nとmの和は0〜50である。
【化6】
【0019】
ブリードを軽減する界面活性剤はすべて界面活性剤に共通の特徴、即ち、極性の(親水性の)末端基を有する長鎖炭化水素(疎水性)であるという特徴を有する。これらの化合物と共通の構造的特徴を有するという条件の下で同様の構造の他の洗剤をブリードを解決するために配合することができる。これはブリード軽減挙動があらゆる洗剤にとって固有のものであるということを意味しない。
インクの臨界濃度すなわちミセル化の開始の検出は幾つかの方法で測定することができる。典型的には、インク中の界面活性剤濃度に対する表面張力あるいはインク中の界面活性剤濃度に対する浸透圧のプロットにおける鋭敏な変化が見られる。このような鋭敏な変化は臨界濃度(cmc) に起因するものである。導電率、濁度、当量電導度の測定等の他の方法は水性インクにおいては除外される。
【0020】
ブリードの軽減−可能なメカニズム
図1を参照すると、界面活性剤の仮想濃度に対するブリードとテキスト・プリント品質のスケール・プロファイル(text print quality scle profiles)が示されている。この図に示すプロファイルは、基本的に研究対象の全ての界面活性剤について観察されるブリードとテキスト・プリント品質の応答に基づくものである。図1はインク・ビヒクルの他の成分と染料の濃度は一定であり、界面活性剤濃度は従属変数であると仮定している。図1によれば、少量の界面活性剤を添加してもブリードの抑制とテキスト・プリント品質の鮮鋭度にはわずかな変化しかみられない。界面活性剤をさらに添加すると、テキスト・プリント品質の劣化が生じ、ブリードはほとんどあるいは全く改善されない(場合によってはブリード軽減の僅かな劣化さえ起こる)。界面活性剤濃度は、最後に、テキストの品質が向上しはじめ、ブリードが減少する点に到達する。インク中の界面活性剤濃度が増加すると、ブリードの減少とテキスト品質の向上がみられる。
【0021】
ブリードの軽減とテキスト・プリント品質の改善が感知できる程度に効果的になる最低の界面活性剤濃度は、大部分の界面活性剤の臨界ミセル濃度(cmc) または臨界モノマー濃度の付近であることが分かる。(cmcは単純な電解質または非電解質化学がコロイド化学に対する重要性を減少させる。前述の単純な界面活性剤において、これはミセルまたは凝集した界面活性剤分子が現れ始める界面活性剤の濃度である。)
【0022】
ミセル化はエントロピー抑制によって推進される、すなわち炭化水素鎖はミセルの内側に押しやられ、親水性、水溶性の官能基は外側に押しやられる。結果生じたドメイン流体(domainal fluid)はそれらの疎水性に応じて染料、共界面活性剤および共溶媒分子などの有機溶質を区分することのできる油の含有量の多い領域と水の含有量の多い領域を提供する。加えて、ミセルは相互作用し、それらの位置エネルギーが最小になる溶液中の領域を見出す。荷電した染料分子を含むミセルは同様に挙動するものと考えられる。
表1に本発明の実施例に有用な幾つかの界面活性剤のcmc を示す。cmc は純粋に対するものである。表示されたcmc は添加された塩基と疎水性物質がミセル構造を乱すため、インク中のcmc とは異なる。
【表1】
【0023】
ミセル中に染料を含ませることは、界面活性剤を含むインクがブリードを抑制する可能な方法である。流動性媒体が蒸発して紙に吸収される速度は、染料分子のミセルからの脱着速度または染料分子がミセル媒体中に拡散する速度よりもはるかに速いので、インクジェット・ペンから噴射されたある色の染料を有するミセルは紙媒体上の隣接する他の色の染料と交換されない。その結果、ブリードが軽減される。
【0024】
このブリード軽減の有効性はミセル中への染料の脱着、インク中のミセルの数濃度および紙表面での染料とミセルの拡散に依存する。図2aおよび図2bには、ミセルに強く吸着している染料分子(図2b)およびミセルに弱く吸着している染料分子(図2a)に対する界面活性剤濃度の関数としてミセル中への染料の吸着の程度を仮想的に示している。弱く吸着している染料においては強く吸着している染料の場合よりも同じ量の染料を結合するのに必要な界面活性剤の濃度がかなり高いことが注目される。染料がミセルに吸着する傾向は、存在する染料分子、界面活性剤、共溶媒および共界面活性剤(もし含まれていれば)の構造(疎水性)および相互作用の関数であることは明かである。従って、界面活性剤濃度はブリードの抑制に影響を及ぼす。より高い濃度のミセルがより多くの染料分子を吸収してその拡散速度を遅くする。本発明に係るインク組成物は、サーマルおよび圧電インクジェット・プリンタに使用されるインクジェット・インク、特にある色の他の色へのブリードが問題になるカラーインクに極めて有益である。
【0025】
【実施例】
a以下の配合を有するインクを調整した。
5.5重量% ジエチレングリコール
約3.0重量% 陽イオン染料(BB3 、BV7 またはFY32L)
バランスをとる量 脱イオン水
三つのインク(シアン、マゼンタ、イエロー)よりなるこのセットは、両親媒性物質を含まないときの影響を示すため、比較の目的で使用した。
b以下の配合を有するインクを調整した。
5.5重量% ジエチレングリコール
0.9重量% OOAO
2重量% SURFYNOL 465
約3重量% 陽イオン染料(BB3、BV7、FY32L)
バランスをとる量 脱イオン水
【0026】
プリントの結果を図3および図4に示す。各パイ形のスライスは異なる色を表している。色を表示することが困難なため、チャートは任意に黒と白のセグメントに分割した。しかし、ブリードの程度はカラーのオリジナルから忠実に複製されている。
両方の図に利用したプリント方式は、ドット・オン・ドット方式であった。使用したプリンタは、ヒューレット・パッカード・カンパニー製でDeskJet の商標を持つプリンタで、インクを供給するペンはシアン、イエロー、マゼンタのインクよりなる3-チャンバから成るものである。
【0027】
界面活性剤を含まないインクについては実質的な色のブリード(色同志の侵入)がある(図3)が、これは第1の色(例えばイエロー)が第2の色(例えばレッド)に隣接しているときに顕著に現れる。界面活性剤の添加によって、色のブリードがかなり減少することが見られる(図4)。
以上のように、インクジェット・プリンタに使用され、陽イオン染料を含むインクの色のブリードを減少させる方法が開示されている自明な性質の様々な変形や変更が実施でき、このような変形および変更は特許請求の範囲に規定された発明の範囲に含まれるものであることは、当業者にとっては明らかなことである。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したようにミセル濃度とほぼ等しい濃度の界面活性剤を添加することで、カラー・ブリードを軽減させ、カラーのプリント品質を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】界面活性剤濃度とプリント品質及びブリードの関係を示すグラフ。
【図2a】染料濃度と界面活性剤濃度の関係を示すグラフ。
【図2b】染料濃度と界面活性剤濃度の関係を示すグラフ。
【図3】ブリードが生じたカラー・プリントの結果を表す図。
【図4】ブリードが実質的に軽減されたカラー・プリントの結果を表す図。
【産業上の利用分野】
本発明は、インクジェット・プリンティング、特にサーマル・インクジェット・プリンティングに関し、より詳細には色のブリード(color bleed)を実質的に減少させるか、あるいは除去するカラーのインク組成物に関するものである。
【0002】
【従来技術とその問題点】
ボンド紙に対する様々なカラーインクの染料供給量が多いとブリードおよび耐水堅牢性(waterfastness) の低下をもたらす可能性がある。本願明細書において、「ブリード」とは紙面上で、ある色が他の色に侵入する(invasion)ことで、これは表面現象である。単一の色のインクが紙の繊維をたどることをブリードと定義する傾向がある従来技術における用語の用途とは対照的で、これは下層表面現象(sub-surface phenomenon)である。
【0003】
インクジェット記録インクに使用するため、特開昭63-165465 号においては閉塞防止剤(anti-clogging agents)として界面活性剤が使用されている。ここで使用される界面活性剤は、20〜50ダイン/cmの範囲の表面張力を有するものに限定される。界面活性剤の量は約0.5 〜25重量%の範囲である。開示された特定の実例は、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウムおよびポリエチレングリコールモノオレイルエーテルを含む。
特開平01-203483 号には、インクジェット記録用インク組成物が述べられている。ブリードの軽減は、インクを用いるプリンティングに関連して記述されている。これらの組成物はおそらく増粘剤(thickener) として使用されるペクチン(0.01 〜2重量%) を必要とする。しかしながら、ペクチンは熱に対する不安定性(温度が高くなるとゲル化する)ためにサーマル・インクジェット・プリンタに用いられるインクとして有用ではない。
【0004】
日本特許1215875 はブリードを起こさず速乾性で良好な記録を示すインクジェット・プリントに好適なインクが開示されている。これらの組成物はすべてトリグリセリドを必要とする。しかしながら、このような化合物は市販のインクに必要とされる長い耐用寿命に対しては不安定である。
【0005】
日本特許1230685 は、汚れやにじみを生じない、普通紙の表面に迅速な吸収性を示すインクジェット・プリンティングに好適なインクが述べられてる。これらの組成物は着色剤および液体溶媒および/または分散剤を含み、 HO(C2H4O)a -C3H6O(C2H4O) b なる式で示されるエチレンオキシドとプロピレンオキシドよりなる共重合体が存在することを特徴とし、式においてaとbの和は50を超えない数でありbは0の場合もある。これらの共重合体は、「PLURONICS 」(プルロニクス)と呼ばれている。ほぼ、これらの共重合体はブリードを抑制しなかった。
【0006】
サーマル・インクジェット・プリンタは、一般に、コンピュータとともに使用される他の種類のプリンタに対して、低コスト、高品質で比較的ノイズのないオプションを提供する。このようなプリンタは、インクがプレナムから入る出口を備えたチャンバ内に抵抗体素子を備えている。プレナムはインクを貯蔵するためのインク貯めと連結している。複数の抵抗体素子はプリミティブと呼ばれる特定のパターン状にプリントヘッドに配列される。各抵抗体素子はノズルプレートのノズルと接続し、このノズルからインクがプリント媒体に向かって噴射される。プリントヘッドとインク貯めよりなるアセンブリがインクジェット・ペンを構成する。
動作時には、各抵抗体素子は導電トレースを介してマイクロプロセッサと接続しており、電流を運ぶ信号が1またはそれ以上のの選択された素子を加熱させる。この加熱はチャンバ内にバブルを発生させ、このバブルはノズルからプリント媒体に向かって噴射される。このようにして、所与のプリミティブより特定の順序で複数の抵抗体素子の瞬時加熱(firing)は英数字キャラクタを形成し、ぬりつぶしをおこない、媒体上に他のプリント能力を提供する。
【0007】
インクジェット・プリントに用いられる記載されている多くのインクは、通常、ノン・サーマル・インクジェット・プリンティングに関連するものである。このようなノン・サーマル・インクジェット・プリンティングの一実施例として、圧電素子を用いてインクの小滴を媒体に噴射する圧電インクジェット・プリンティングがある。このようなノン・サーマル・アプリケーションに適切に用いられるインクは、インク組成物における熱の影響のためにサーマル・インクジェット・プリンティングにはしばしば使用することができない。
インクジェット・プリンティング、特にサーマル・インクジェット・プリンティングに使用するためのインク組成物にとっては、本願明細書で定義されるブリードを示さず、しかも比較的耐用寿命が長く、このようなインクの望ましい特性を有するインク組成物が依然として残されている。
【0008】
【発明の目的】
本発明の目的は上述の問題点を解消し、プリント品質を維持すると共にカラー・ブリードを軽減するインク組成物を提供することにある。
【0009】
【発明の概要】
本発明によれば非イオン性、pH感応性または非感応性の両性イオン界面活性剤、またはイオン性界面活性剤(両親媒性物質または洗剤)を使用することによってインクジェットによってプリントされた紙媒体上での色のブリードが軽減(alleviation)される。本発明に係るインク組成物は(a)約0.5〜20重量%の1またはそれ以上の低蒸気圧溶媒、(b)1またはそれ以上の水溶性陽イオン染料、(c)1またはそれ以上の自己凝集性またはあらかじめ形成されたミセル状、小泡状成分(特定の例と濃度を以下に示す)、(d)水、殺生剤、殺菌剤および/または殺粘液菌剤(slimicide)などの充填剤を含む。本願明細書用いられる「低蒸気圧溶媒」は、水の蒸気圧よりも低い蒸気圧を有する溶媒と定義され、「水溶性染料」は、水への溶解度の制限が2重量%を超える染料と定義される。
【0010】
低蒸気圧溶媒としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコールおよびこれらの誘導体;ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオールおよび同族体ジオール;プロピレングリコールラウレート(laurate) などのグリコールエステル;セロソルブ(Cellosolves) などモノおよびジグリコールエーテル、ここには、エチレングリコール、カルビトール等のモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチル、ブチル、ヘキシルエーテル、プロピレングリコールエーテル、ジプロピレングリコールエーテルおよびトリエチレングリコールエーテルが含まれる;ブチルアルコール、ペンチルアルコール等の長鎖状アルコールおよびその同族アルコール;例えば、γ−ブチロラクトン等のスルホラン、エステル、ケトン、ラクトン類やN −ピロリドンラクタムやN −(2−ヒドロキシエチル) ピロリドン等のラクタム類(lactams) やグリセロールおよびそれらの誘導体の他の溶媒があげられるが、これらに限定されるものではない。
【0011】
微生物剤は、NUOSEPT(Nudex,Inc.製)、UCARCIDE(Union Carbide製)、VANCIDE(RT Vanderbilet Co.製)およびPROXEL(ICI Americas製)を含むが、これらに限定されない。染料は水溶性陽イオン・タイプがあり、例えば、C.I.ベーシック・バイオレット7(番号48020)(C.I.Basic Violet 7(#48020))、C.I.ベーシック・ブルー3(番号51004)(C.I.Basic Blue 3(#51004))およびファースツゾル・イエロー32L(Fastusol Yellow 32L)およびCl−、Br−、ZnCl4−、NO3−などのそれらの対イオンを含み、C.I.と表示された数字は染料のカラーインデックスを意味する。しかし、これらに限定されるものではない。染料はインク組成物の約0.1〜10重量%の範囲で含まれる。その他の陽イオン染料は、C.I.ベーシック・レッド1(番号45160)(C.I.Basic Red 1(#45160))、C.I.ベーシック・バイオレット10(番号45170)(C.I.BasicViolet 10(#45170))、C.I.ベーシック・レッド3(番号45210)(C.I.Basic Red 3(#45210))、C.I.モーダント・グリーン(番号42005)(C.I.Mordant Green 13(#42005))、C.I.ベーシック・バイオレット23(番号42557)(C.I.Basic Violet 23(#42557))、C.I.ベーシック・イエロー9(番号46040)(C.I.Basic Yellow 9(#46040))、C.I.ベーシック・イエロー11(番号48055)(C.I.Basic Yellow 11(#48055))、C.I.モーダント・ブルー14(C.I.Mordant Blue 14(#51050))およびC.I.ベーシック・ブルー9(番号52015)(C.I.Basic Blue 9(#52015))が含まれている。
【0012】
ある成分は二重の機能を有するということを認めることは重要である。、例えば、n−ブチルカルビトールは低蒸気圧溶媒としても、自己凝集成分としても機能する。ブリードを軽減する上での凝集および界面活性剤の濃度の重要な役割に関するさらに詳細な説明は以下に述べる。本発明によるプリント・サンプルを生成するのに使用されるドット・オン・ドット・モード(dot-on-dot mode) プリントにおけるブリードを効果的にしかも完全に防止するために界面活性剤の臨界濃度が必要であるということを述べれば十分である。
【0013】
【発明の実施例】
本発明により、両性イオン界面活性剤または非イオン性両親媒性物(non-ionic amphiphiles) を用いることによって、サーマル・インクジェット・プリンタに用いられる結果生じる色のブリードを軽減することができる。本発明の実施例に用られる両性イオン界面活性剤は、pH感応性であってもpH非感応性であってもよい。
ここで示されるすべての濃度は特に注記しない限り重量%である。すべての成分の純度は市販されているサーマル・インクジェット・インクの通常の純度である。
【0014】
便宜上、ブリードを軽減する界面活性剤の実施例は二つの種類に区分される。すなわち、非イオン性および両性界面活性剤とイオン性界面活性剤である。前者の種類はさらに三つの種類、すなわち、a)Polysciences Inc.製の、ポリエチレンアミンと結合するSTARBURSTデンドリマー(dendrimers)等の水溶性の両親媒性ミメティックス(mimetics)、b)ポリエーテル、例えば、エチレングリコールn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールn−ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールイソブチルエーテル、Rohm & Haas Co.製のノニルフェニルポリエチレンオキシド界面活性剤であるTRITON、BASF製のポリエチレンオキシド・ポリプロピレンオキシド共重合体であるPLURONICSおよびAir Prodcuts & Chemicals,Inc.製のアセチレン系ポリエチレンオキシド界面活性剤であるPLURAFACS、および、c)例えば、NDAO、NTAO、NHAO、OOAO、NOAOおよびSB3−16等の両性分子の種類に区分され、これらの化合物に関する詳しい情報は以下に示される。陽イオン性界面活性剤と陰イオン性界面活性剤との両方を含むイオン性界面活性剤も胆汁酸塩(ナトリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩または置換アンモニウムコラート)および水溶性染料によって示される。
【0015】
pH感応性両性イオン界面活性剤の一実施例は、N,N −ジメチル−N −ドデシルアミンオキシド(NDAO)であり、この化合物は水中のPKa が約2.3 である。
【化1】
この化合物(式1に示す)は、分子量が229 であり、臨界ミセル濃度(cmc、後で詳しく述べる)が13mMである。
また、C12H25- 部分の代わりに任意のR部分を用いることもできる。以下に示す部分、名称、略称、分子量(mw)および臨界濃度(cmc) は本発明の実施例において有用である。
N,N -ジメチル-N- テトラデシルアミンオキシド(NTAO):mw=257,cmc=6-8mM
N,N −ジメチル-N- ヘキサデシルアミンオキシド(NHAO):mw=285,cmc=0.8mM
N,N −ジメチル-N- オクタデシルアミンオキシド(NOAO):mw=313,cmc=低い
N,N -ジメチル-N-(Z-9-オクタデセニル)-N-アミンオキシド(OOAO):mw=311,cmc=低い
【0016】
他の実施例では、N-ドデシル-N,N- ジメチルグリシンがあり、この化合物は水中でPKa が約5である。
【化2】
さらに他の実施例は、リン酸塩、亜リン酸塩、ホスキン酸塩、レシチンなどおよび水中でPKa が約2〜3であるホスホミエリン(phosphomyelin) などのリン酸エステルを含む。
【化3】
【0017】
他の類似の化合物は、例えばホスファチジルエタノールアミン、ホルファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイソシトールおよびB'-O- リシルホスファチジルグリセロール等のホスホグリセリドを含まれる。
本発明の実施例に有用な化合物のその他の例は両性イオンであるが、pH非感応性であるスルホベタイン(sulfobetaines) を含み、nが11のときには化合物はSB3-12と呼ばれ、nが15のときには化合物はSB3-16と呼ばれる。
【化4】
本発明の実施例に好適に使用されるイオン性界面活性剤のー例として、セチルトリメチル臭化アンモニウム(CTABr、式5参照)およびドデシル硫酸ナトリウム(SDS、CH3-(CH2)11- O - SO3 - Na + )やドデシルスルホン酸ナトリウム(CH3-(CH2)11 - SO3 - Na+ ) 等のアニオン界面活性剤を含む。
【化5】
【0018】
本発明に有用な非イオン性、非両性界面活性剤の実施例として、Union Carbide から市販されているアルキルポリエチレンオキシドであるTERGITOLなる商品名で入手可能な化合物およびICI Americasから市販されているやはりアルキルポリエチレンオキシドであるBRIJを含み、これは式CH3-(CH2)n-(-O-CH2-CH2-)m -OH で示され、nが3、mが2のときにはこの化合物はn−ブチルカルビトール、セロソルブである。
この種類には、以下の式を有するPLURONICS およびPLURAFACS(BASF製) も含まれる。
HO-(-CH2-CH2-O-) n - (-CH2-CH(CH3)-O-) m - CH2-CH2-OH
TRITONS(Rohm & Haas Co. 製) は、一般に、R-Ph-O(CH2-CH2-O) y R'として示され、R 、R'はアルカン基、アルケン基、アリール基またはアルキニル基あるいは水素であり、Phはフェニル基、yは1〜50であり、Rはベンゼン環のエーテル結合に対してパラの位置である。
SURFYNOLS (Air Products & Chemicals, Inc.製) は式6で示され、nとmの和は0〜50である。
【化6】
【0019】
ブリードを軽減する界面活性剤はすべて界面活性剤に共通の特徴、即ち、極性の(親水性の)末端基を有する長鎖炭化水素(疎水性)であるという特徴を有する。これらの化合物と共通の構造的特徴を有するという条件の下で同様の構造の他の洗剤をブリードを解決するために配合することができる。これはブリード軽減挙動があらゆる洗剤にとって固有のものであるということを意味しない。
インクの臨界濃度すなわちミセル化の開始の検出は幾つかの方法で測定することができる。典型的には、インク中の界面活性剤濃度に対する表面張力あるいはインク中の界面活性剤濃度に対する浸透圧のプロットにおける鋭敏な変化が見られる。このような鋭敏な変化は臨界濃度(cmc) に起因するものである。導電率、濁度、当量電導度の測定等の他の方法は水性インクにおいては除外される。
【0020】
ブリードの軽減−可能なメカニズム
図1を参照すると、界面活性剤の仮想濃度に対するブリードとテキスト・プリント品質のスケール・プロファイル(text print quality scle profiles)が示されている。この図に示すプロファイルは、基本的に研究対象の全ての界面活性剤について観察されるブリードとテキスト・プリント品質の応答に基づくものである。図1はインク・ビヒクルの他の成分と染料の濃度は一定であり、界面活性剤濃度は従属変数であると仮定している。図1によれば、少量の界面活性剤を添加してもブリードの抑制とテキスト・プリント品質の鮮鋭度にはわずかな変化しかみられない。界面活性剤をさらに添加すると、テキスト・プリント品質の劣化が生じ、ブリードはほとんどあるいは全く改善されない(場合によってはブリード軽減の僅かな劣化さえ起こる)。界面活性剤濃度は、最後に、テキストの品質が向上しはじめ、ブリードが減少する点に到達する。インク中の界面活性剤濃度が増加すると、ブリードの減少とテキスト品質の向上がみられる。
【0021】
ブリードの軽減とテキスト・プリント品質の改善が感知できる程度に効果的になる最低の界面活性剤濃度は、大部分の界面活性剤の臨界ミセル濃度(cmc) または臨界モノマー濃度の付近であることが分かる。(cmcは単純な電解質または非電解質化学がコロイド化学に対する重要性を減少させる。前述の単純な界面活性剤において、これはミセルまたは凝集した界面活性剤分子が現れ始める界面活性剤の濃度である。)
【0022】
ミセル化はエントロピー抑制によって推進される、すなわち炭化水素鎖はミセルの内側に押しやられ、親水性、水溶性の官能基は外側に押しやられる。結果生じたドメイン流体(domainal fluid)はそれらの疎水性に応じて染料、共界面活性剤および共溶媒分子などの有機溶質を区分することのできる油の含有量の多い領域と水の含有量の多い領域を提供する。加えて、ミセルは相互作用し、それらの位置エネルギーが最小になる溶液中の領域を見出す。荷電した染料分子を含むミセルは同様に挙動するものと考えられる。
表1に本発明の実施例に有用な幾つかの界面活性剤のcmc を示す。cmc は純粋に対するものである。表示されたcmc は添加された塩基と疎水性物質がミセル構造を乱すため、インク中のcmc とは異なる。
【表1】
【0023】
ミセル中に染料を含ませることは、界面活性剤を含むインクがブリードを抑制する可能な方法である。流動性媒体が蒸発して紙に吸収される速度は、染料分子のミセルからの脱着速度または染料分子がミセル媒体中に拡散する速度よりもはるかに速いので、インクジェット・ペンから噴射されたある色の染料を有するミセルは紙媒体上の隣接する他の色の染料と交換されない。その結果、ブリードが軽減される。
【0024】
このブリード軽減の有効性はミセル中への染料の脱着、インク中のミセルの数濃度および紙表面での染料とミセルの拡散に依存する。図2aおよび図2bには、ミセルに強く吸着している染料分子(図2b)およびミセルに弱く吸着している染料分子(図2a)に対する界面活性剤濃度の関数としてミセル中への染料の吸着の程度を仮想的に示している。弱く吸着している染料においては強く吸着している染料の場合よりも同じ量の染料を結合するのに必要な界面活性剤の濃度がかなり高いことが注目される。染料がミセルに吸着する傾向は、存在する染料分子、界面活性剤、共溶媒および共界面活性剤(もし含まれていれば)の構造(疎水性)および相互作用の関数であることは明かである。従って、界面活性剤濃度はブリードの抑制に影響を及ぼす。より高い濃度のミセルがより多くの染料分子を吸収してその拡散速度を遅くする。本発明に係るインク組成物は、サーマルおよび圧電インクジェット・プリンタに使用されるインクジェット・インク、特にある色の他の色へのブリードが問題になるカラーインクに極めて有益である。
【0025】
【実施例】
a以下の配合を有するインクを調整した。
5.5重量% ジエチレングリコール
約3.0重量% 陽イオン染料(BB3 、BV7 またはFY32L)
バランスをとる量 脱イオン水
三つのインク(シアン、マゼンタ、イエロー)よりなるこのセットは、両親媒性物質を含まないときの影響を示すため、比較の目的で使用した。
b以下の配合を有するインクを調整した。
5.5重量% ジエチレングリコール
0.9重量% OOAO
2重量% SURFYNOL 465
約3重量% 陽イオン染料(BB3、BV7、FY32L)
バランスをとる量 脱イオン水
【0026】
プリントの結果を図3および図4に示す。各パイ形のスライスは異なる色を表している。色を表示することが困難なため、チャートは任意に黒と白のセグメントに分割した。しかし、ブリードの程度はカラーのオリジナルから忠実に複製されている。
両方の図に利用したプリント方式は、ドット・オン・ドット方式であった。使用したプリンタは、ヒューレット・パッカード・カンパニー製でDeskJet の商標を持つプリンタで、インクを供給するペンはシアン、イエロー、マゼンタのインクよりなる3-チャンバから成るものである。
【0027】
界面活性剤を含まないインクについては実質的な色のブリード(色同志の侵入)がある(図3)が、これは第1の色(例えばイエロー)が第2の色(例えばレッド)に隣接しているときに顕著に現れる。界面活性剤の添加によって、色のブリードがかなり減少することが見られる(図4)。
以上のように、インクジェット・プリンタに使用され、陽イオン染料を含むインクの色のブリードを減少させる方法が開示されている自明な性質の様々な変形や変更が実施でき、このような変形および変更は特許請求の範囲に規定された発明の範囲に含まれるものであることは、当業者にとっては明らかなことである。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したようにミセル濃度とほぼ等しい濃度の界面活性剤を添加することで、カラー・ブリードを軽減させ、カラーのプリント品質を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】界面活性剤濃度とプリント品質及びブリードの関係を示すグラフ。
【図2a】染料濃度と界面活性剤濃度の関係を示すグラフ。
【図2b】染料濃度と界面活性剤濃度の関係を示すグラフ。
【図3】ブリードが生じたカラー・プリントの結果を表す図。
【図4】ブリードが実質的に軽減されたカラー・プリントの結果を表す図。
Claims (6)
- 0.1から10重量%の少なくとも1種類の水溶性陽イオン染料と、
臨界ミセル濃度以上の1種類以上の界面活性剤と、
0.5から20重量%の少なくとも1種類の有機溶媒と、
水と、
を含有するサーマル・インクジェット・インク組成物であって、前記界面活性剤のうち少なくとも1つが、N、N−ジメチル−N−ドデシルアミンオキシド、N、N−ジメチル−N−テトラデシルアミンオキシド、N、N−ジメチル−N−ヘキサデシルアミンオキシド、N、N−ジメチル−N−オクタデシルアミンオキシド、N、N−ジメチル−N−(Z−9−オクタデセニル)−N−アミンオキシドから成る群から選択される、サーマル・インクジェット・インク組成物。 - 前記界面活性剤が、更に、ポリエチレンアミンの枝分かれ構造を有する水溶性両親媒性物質、エチレングリコール n−ブチルエーテル、ジエチレングリコール n−ブチルエーテル、ジエチレングリコール n−ヘキシルエーテル、トリエチレングリコール n−ブチルエーテル、プロピレングリコールイソブチルエーテル、ポリエチレンオキシド、ノニルポリエチレンオキシド、オクチルポリエチレンオキシド、アセチレン結合を有するポリエチレンオキシド、N−ドデシル−N、N−ジメチルグリシン、レシチン、リン酸エステル、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、B’−O−リシルホスファチジルグリセロール、スルホベタイン、リン酸塩、亜リン酸塩、セチルトリメチル臭化アンモニウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、スルホン酸ナトリウム、セルソルブから成る群から選択される界面活性剤を含む、請求項1記載のサーマル・インクジェット・インク組成物。
- 前記有機溶媒が、グリコール、ジオール、グリコールエステル、モノグリコールエーテル、ジグリコールエーテル、セルソルブ、カルビトール、長鎖アルコール、エステル、ケトン、ラクトン、グリセロールまたはこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1記載のサーマル・インクジェット・インク組成物。
- 前記有機溶媒が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコールおよびそれらの誘導体と、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオールと、プロピレングリコールラウレートと、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、スルホラン、γ−ブチロラクトン、N−ピロリドン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピロリドン、グリセロールおよびそれらの誘導体から成る群から選択される、請求項3記載のサーマル・インクジェット・インク組成物。
- 前記水溶性陽イオン染料が、C.I.ベーシック・バイオレット7、C.I.ベーシック・ブルー3、C.I.ファースツゾル・イエロー32L、C.I.ベーシック・レッド1、C.I.ベーシック・バイオレット10、C.I.ベーシック・レッド3、C.I.モーダント・グリーン13、C.I.ベーシック・バイオレット23、C.I.ベーシック・イエロー9、C.I.ベーシック・イエロー11、C.I.モーダント・ブルー14、C.I.ベーシック・ブルー9から成る群から選択される、請求項1記載のサーマル・インクジェット・インク組成物。
- 前記水溶性陽イオン染料が、Cl−、Br−、ZnCl4 −、NO3 −からなる群から選ばれる対イオンを有することを特徴とする請求項5記載のサーマル・インクジェット・インク組成物。
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