JP2012225224A - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ツインインジェクタを適用したエンジンの運転状態が急変したときに燃焼室に供給される燃料量が不足するのを抑制する。
【解決手段】装置100が、運転状態とインジェクタ41,42の噴射割合との間の対応関係を決めるマップ71を記憶した記憶手段62と、マップ71を参照してインジェクタ41,42の噴射割合を第1設定値INJ1_RSET及び第2設定値INJ2_RSETとして逐次設定する噴射割合設定手段63と、マップ71から逐次読み出される第2インジェクタ42の噴射割合が所定の判断基準よりも大きく増加したとの条件が成立したときに、第1設定値INJ1_RSETをマップ71から求まる第1インジェクタ41の噴射割合(1−INJ2_RMAP)よりも増やすように補正する噴射割合補正手段64と、を備える。
【選択図】図9

Description

本発明は、いわゆるツインインジェクタを制御する燃料噴射制御装置に関する。
従来、いわゆるツインインジェクタを備えたエンジンが知られている(例えば、特許文献1参照)。ツインインジェクタは、第1インジェクタ(一次インジェクタ、下流インジェクタとも称す)と、第1インジェクタよりも吸気流れ方向の上流側に配置された第2インジェクタ(二次インジェクタ、上流インジェクタとも称す)とから構成される。
ツインインジェクタを適用すると、噴射可能な燃料量が大きくなる。また、第2インジェクタは燃焼室から離れて配置されるので、第2インジェクタから噴射された燃料は霧化しやすい。燃料の霧化が促進されると、空気が気化冷却されて空気密度が高くなる。このような理由から、一般に、ツインインジェクタを適用すればエンジンの出力向上を図ることができるとされている。ただし、燃焼室に供給される空気の流量が少なければ、第2インジェクタから噴射された燃料が吸気通路内に溜まりやすくなり、出力向上の効果は小さくなる。
そこで特許文献1のコントローラは、空気流量及びエンジン回転数に応じて、第1インジェクタの噴射割合及び第2インジェクタの噴射割合を設定する制御を実行する。この制御によれば、空気流量が少ないとき又はエンジン回転数が所定数よりも小さいときには、第2インジェクタの噴射割合が第1インジェクタの噴射割合よりも小さい値となる。空気流量が所定量以上になると、第2インジェクタの噴射割合が第1インジェクタの噴射割合よりも大きな一定値となる。
特開2006−132371号公報
従来の制御によれば、運転者からの加速要求に従い空気流量及びエンジン回転数が急増すると、これに伴い、第2インジェクタの噴射割合も急増する。しかし、第2インジェクタは燃焼室から離れて配置されている。よって、第2インジェクタの噴射割合が急増したとき、第2インジェクタから噴射された燃料は燃焼室に到達するのが遅れてしまう。第1インジェクタは燃焼室の近くに配置されているので、第1インジェクタから噴射された燃料は、即座に燃焼室に到達しうるかもしれないが、第1インジェクタの噴射割合は、第2インジェクタの噴射割合の急増に伴って急減する。このため、第2インジェクタの噴射割合の急増直後には、燃焼室に実際に供給される燃料量が、急増直前に供給されていた燃料量よりも小さくなるといった事態も考えられる。
このように、従来の制御によれば、燃焼室に実際に供給される燃料量が、予め想定されているものに対して一時的に大きく不足してしまうおそれがある。すると、高いエンジン出力を必要とする加速時に出力レスポンスが悪くなり、ツインインジェクタを適用することの本来的な目的が十分に達成されなくなる。
そこで本発明は、ツインインジェクタの制御にあたって、第2インジェクタの噴射割合を大きくさせようとするときに、燃焼室に実際に供給される燃料量が不足するのを抑制することを目的としている。
本発明に係る燃料噴射制御装置は、エンジンに燃料を供給するために燃料を噴射する第1インジェクタと、前記エンジンに燃料を供給するために、前記第1インジェクタよりも吸気上流側から燃料を噴射する第2インジェクタと、前記エンジンの運転状態と、前記第1インジェクタ及び前記第2インジェクタの総噴射量に対する前記第1インジェクタ及び前記第2インジェクタの各々の噴射割合との間の対応関係を決めるための噴射割合マップを予め記憶した記憶手段と、前記噴射割合マップを参照し、前記エンジンの運転状態に応じて前記第1インジェクタの噴射割合及び前記第2インジェクタの噴射割合をそれぞれ第1設定値及び第2設定値として逐次設定する噴射割合設定手段と、前記第1設定値及び前記第2設定値に従って、前記第1インジェクタ及び前記第2インジェクタから噴射される燃料の噴射量を制御するインジェクタ制御手段と、前記エンジンの運転状態に応じて前記噴射割合マップから逐次読み出される前記第2インジェクタの噴射割合が所定の判断基準よりも大きく増加したとの条件が成立したとき、前記第1設定値を、前記噴射割合マップから求まる前記第1インジェクタの噴射割合よりも増やすように補正する噴射割合補正手段と、を備えている。
前記構成によれば、エンジンの運転状態が、第2インジェクタの噴射割合が大きくなるような運転状態へと急変していく場合に、第1インジェクタの噴射割合が増加補正されるので、燃焼室に供給される燃料量が不足するのを良好に抑制することができる。
前記条件は、前記エンジンの運転状態に応じて前記噴射割合マップから逐次読み出される前記第2インジェクタの噴射割合の前記第2設定値の過去値に対する増加量が所定の閾値よりも大きいとの条件を有していてもよい。
前記構成によれば、第2インジェクタの噴射割合が大きくなるような運転状態へと急変していくとの状況を良好に判別することができる。
前記記憶手段は、前記エンジンの運転状態と前記総噴射量との間の対応関係を決めるための総噴射量マップを予め記憶しており、前記噴射割合補正手段は、前記条件が成立したとき、前記第1インジェクタ及び前記第2インジェクタから噴射させる燃料の総噴射量を前記総噴射量マップから求まる総噴射量から変えない状態で、前記第2設定値を、前記噴射割合マップから求まる前記第2インジェクタの噴射割合よりも減らすように補正してもよい。
前記構成によれば、第2設定値を減少補正する結果、第1設定値がマップから求まる噴射割合から当該第2設定値の減少補正分だけ増える。このように、総噴射量を変えずに第2設定値を減らすことによって第1設定値を受動的に増やしても、燃焼室に供給される燃料量が不足するのを好適に抑制することができる。
前記噴射割合補正手段は、前記条件が成立したとき、前記第2設定値の増加率を前記閾値と略同一になるように補正してもよい。
前記構成によれば、閾値が第2設定値の増加率のリミッタとして機能する。これにより、第2設定値を減少し且つ第1設定値を増加させる制御を実現することができる。
前記噴射割合設定手段は、前記第2設定値を所定の切替閾値と比較し、前記噴射割合補正手段は、前記第2設定値が前記切替閾値未満であるときには、前記条件の成否判定に用いる前記閾値に第1の増加率閾値を適用し、前記第2設定値が前記切替閾値以上であるときには、前記条件の成否判定に用いる前記閾値に前記第1の増加率閾値よりも大きい第2の増加率閾値を適用してもよい。
前記構成によれば、第2設定値に応じて第2設定値の増加率のリミッタ値を切り替えることができる。第1の増加率閾値が第2の増加率閾値よりも小さいので、マップから求まる第2インジェクタの噴射割合を小さい値から大きい値へ変化させるような運転状態の急変があった場合、この急変当初、第2インジェクタの噴射割合の増加がより強く抑制される。よって、急変当初の燃料不足を良好に抑制することができる。
前記噴射割合補正手段は、前記条件が成立した場合に、前記第2設定値の増加率が徐々に大きくなるようにして、前記第2設定値を設定してもよい。
前記構成によれば、第2設定値の増加率が、時間が経過するに連れて徐々に大きくなるので、このため、運転状態の急変当初は、第1インジェクタの噴射量を好適に増加させることができ、且つ、第2設定値を減少補正している状態が速やかに終了する。
前記記憶手段は、前記エンジンの運転状態と前記総噴射量との間の対応関係を決めるための総噴射量マップを予め記憶しており、前記噴射割合補正手段は、前記条件が成立したとき、前記第1インジェクタ及び前記第2インジェクタから噴射させる燃料の総噴射量を前記総噴射量マップから求まる総噴射量よりも増加させるようにして前記第1設定値を増やすように補正してもよい。
前記構成によれば、総噴射量を増加するようにして第1設定値が増加補正される。このように、第1設定値を積極的に増やしても、燃焼室に供給される燃料量が不足するのを好適に抑制することができる。
前記噴射割合補正手段は、前記条件が成立したとき、前記第2設定値を、前記噴射割合マップから求まる前記第2インジェクタの噴射割合よりも減らすように補正し、且つ、当該第2設定値と前記噴射割合マップから求まる前記第2インジェクタの噴射割合との偏差に応じて前記第1設定値の補正量を決定してもよい。
前記構成によれば、第2設定値を減らす結果として第1設定値が受動的に増え、このように受動的に増やされた第1インジェクタの噴射割合が、第2インジェクタの噴射割合の設定値とマップから求まる値との差分に応じて、更に積極的に増加補正される。これにより、第1インジェクタの燃料噴射量が良好に増やされるので、燃焼室に供給される燃料量が不足するのを良好に抑制することができる。なお、第2インジェクタの噴射割合を減らす手段には、前述の手段を適用してもよい。
前記噴射割合補正手段は、前記条件が成立した場合に、前記第1設定値を、所定期間だけ遅延してから減少させていくようにして設定してもよい。
前記構成によれば、第1設定値が、条件成立時点から所定期間経過するまでの間、条件成立時点の値で維持される。他方、マップから求まる第1インジェクタの噴射割合は、条件成立時点から減少していく。このため、第1設定値は、マップから求まる第1インジェクタの噴射割合よりも増やすように補正され、かつ、第1設定値と第2設定値との和がマップから求まる噴射割合の和よりも増えるように補正される。これにより、第1インジェクタの燃料噴射量が良好に増やされるので、燃焼室に供給される燃料量が不足するのを良好に抑制することができる。
前記噴射割合補正手段は、前記条件が成立したとき、前記第1設定値の遅延設定と共に、前記第2設定値を、前記噴射割合マップから求まる前記第2インジェクタの噴射割合よりも減らすように補正してもよい。
前記構成によれば、第1設定値が、条件成立時点から所定期間経過するまでの間、条件成立時点の値で維持される。その後は、第1設定値が所定期間だけ過去の値に遅延して設定されるところ、この過去の値は、第2設定値が減少補正された結果、マップから求まる第1インジェクタの噴射割合を受動的に増加補正したものとなっている。本発明では、この受動的な増加補正後の噴射割合を、更に積極的に増加補正しており、このため、第1インジェクタの燃料噴射量が良好に増え、燃焼室に供給される燃料量が不足するのを良好に抑制することができる。なお、第2インジェクタの噴射割合を減らす手段には、前述の手段を適用してもよい。
前記噴射割合設定手段は、前記噴射割合マップから逐次読み出される前記第2インジェクタの噴射割合がスロットル開度の閉じ側への変化に応じて減少した場合に、前記第1設定値及び前記第2設定値をそれぞれ、前記噴射割合マップから求まる値に設定してもよい。
前記構成によれば、運転状態が第2インジェクタの噴射割合が小さくなる状態へと変化しているような場合に、噴射割合の補正をせず、設定値がマップから求まる噴射割合どおりに設定される。これにより、第2インジェクタからの燃料がスロットル弁よりも上流側で溜まるのを抑えることができる。
前記噴射割合補正手段は、前記噴射割合マップから逐次読み出される前記第2インジェクタの噴射割合がスロットル開度の閉じ側への変化に応じて減少した場合に、前記第2設定値を、前記スロットル開度の変化量に応じて、前記噴射割合マップから求まる前記第2インジェクタの噴射割合よりも小さい値に補正してもよい。
前記構成によれば、減速開始時及びその直後など、エンジンの運転領域が高いエンジン出力を必要としない運転領域へと変化していく場合に、スロットル開度の変化に敏感に対応して第2設定値を変更することができる。
上記本発明によれば、ツインインジェクタの制御にあたって、第2インジェクタの噴射割合を大きくさせようとするときに、燃焼室に実際に供給される燃料量が不足するのを抑制することができる。
本発明の実施形態に係る燃料噴射制御装置を搭載した乗物の一例として示す自動二輪車を左側から見て示す側面図である。 図1に示すエンジンの構成及び本発明の実施形態に係る燃料噴射制御装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る燃料噴射制御装置の要部構成を示すブロック図である。 図3に示す記憶部に記憶されている検索値算出マップを模式的に示すグラフである。 図3に示すECUにより実行される燃料量設定処理を示すフローチャートである。 図5に示す噴射割合設定処理の一部を示すフローチャートである。 図5に示す噴射割合設定処理の一部を示すフローチャートである。 図5に示す噴射割合設定処理の一部を示すフローチャートである。 図6〜図8に示す噴射割合設定処理を実行した場合における第1インジェクタの噴射割合、第2インジェクタの噴射割合等の時間変化の一例を示すタイムチャートである。 本発明の第2実施形態に係る燃料噴射制御装置の要部構成を示すブロック図である。 図10に示すECUにより実行される噴射割合設定処理の一部を示すフローチャートである。 図6、図8、図11に示す噴射割合設定処理を実行した場合における第1インジェクタの噴射割合、第2インジェクタの噴射割合等の時間変化の一例を示すタイムチャートである。 本発明の第3実施形態に係る燃料噴射制御装置の要部構成を示すブロック図である。 図13に示す記憶部に記憶されている割合増加率マップを模式的に示すグラフである。 図13に示すECUにより実行される噴射割合設定処理の一部を示すフローチャートである。 図6、図8、図15に示す噴射割合設定処理を実行した場合における第1インジェクタの噴射割合、第2インジェクタの噴射割合等の時間変化の一例を示すタイムチャートである。 本発明の第4実施形態に係る燃料噴射制御装置の要部構成を示すブロック図である。 図17に示す記憶部に記憶されているリッチ化係数テーブルの模式図である。 図17に示すECUにより実行される噴射割合設定処理の一部を示すフローチャートである。 図6、図8、図19に示す噴射割合設定処理を実行した場合における第1インジェクタの噴射割合、第2インジェクタの噴射割合等の時間変化の一例を示すタイムチャートである。 本発明の第5実施形態に係る燃料噴射制御装置の要部構成を示すブロック図である。 図21に示すECUにより実行される噴射割合設定処理の一部を示すフローチャートである。 図6、図8、図22に示す噴射割合設定処理を実行した場合における第1インジェクタの噴射割合、第2インジェクタの噴射割合等の時間変化の一例を示すタイムチャートである。 本発明の第6実施形態に係る燃料噴射制御装置の要部構成を示すブロック図である。 図24に示すECUにより実行される噴射割合設定処理の一部を示すフローチャートである。 図6、図8、図25に示す噴射割合設定処理を実行した場合における第1インジェクタの噴射割合、第2インジェクタの噴射割合等の時間変化の一例を示すタイムチャートである。 本発明の第7実施形態に係る燃料噴射制御装置の要部構成を示すブロック図である。 図27に示す記憶部に記憶される減速時割合マップを示す模式図である。 図27に示すECUにより実行される噴射割合設定処理の一部を示すタイムチャートである。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。ここでは、本発明の実施形態に係る燃料噴射制御装置を搭載した乗物として、モトクロッサータイプの自動二輪車を例示する。方向の概念は、自動二輪車に騎乗した運転者が見る方向を基準とする。全ての図を通じて、同一又は相当する要素については同一の符号を付し、その重複する詳細な説明を省略する。
[第1実施形態]
(自動二輪車)
図1は、本発明の第1実施形態に係る燃料噴射制御装置を搭載した乗物の一例として示す自動二輪車1を左側から見て示す側面図である。図1に示す自動二輪車1は、前輪2、車体フレーム3、後輪4及びエンジン10を備えている。
前輪2は、フロントフォーク5の下端部に回転可能に支持されている。フロントフォーク5の上端部は、不図示のステアリングシャフト及びブラケットを介し、ハンドル6と連結されている。車体フレーム3は、ヘッドパイプ3a、左右一対のメインフレーム3b、左右一対のダウンフレーム3c、及び、左右一対のスイングアーム3dを備えている。ヘッドパイプ3aは、ステアリングシャフトを回転可能に支持している。メインフレーム3bは、ヘッドパイプ3aから若干下方に傾斜しながら後方へ延びている。ダウンフレーム3cは、ヘッドパイプ3aから下方に延びてから屈曲して後方へ延びている。ダウンフレーム3cの後端部は、メインフレーム3bの後端部に連結されている。スイングアーム3dは、前後方向に延びている。スイングアーム3dの前端部は、メインフレーム3bの後端部に揺動可能に連結されている。後輪4は、スイングアーム3dの後端部に回転可能に支持されている。
ハンドル6の後方且つメインフレーム3bの上方には、燃料タンク7が配置されている。燃料タンク7の後方且つメインフレーム3bの上方には、シート8が配置されている。ハンドル6の右端には、スロットルグリップ9(図2参照)が設けられている。シート8に着座した運転者は、右手でスロットルグリップ9を操作することで、自動二輪車1の速度及び加速度を変更することができる。
エンジン10は、側面視でメインフレーム3bとダウンフレーム3cとにより囲まれた領域内に配置され、メインフレーム3b及びダウンフレーム3cに支持されている。エンジン10の出力は、変速機11及びチェーン12を介し、後輪4に伝達される。これにより、自動二輪車1が走行可能になる。本実施形態に係るエンジン10は、レシプロ式4ストロークエンジンである。エンジン10は、単気筒を有していてもよいし、多気筒を有していてもよい。
(エンジン,インジェクタ)
図2は、図1に示すエンジン10周辺の構成及び本発明の実施形態に係る燃料噴射制御装置100の全体構成を示すブロック図である。図2に示すように、エンジン10は、シリンダ21、ピストン22、コンロッド23、クランク軸24及び燃焼室25を有している。ピストン22は、シリンダ21内に往復可能に挿入されており、コンロッド23を介してクランク軸24に連結されている。燃焼室25は、ピストン22の上面側に形成されている。燃焼室25は、吸気通路26及び排気通路27それぞれと連通している。吸気通路26は、吸気弁28により開閉され、排気通路27は、排気弁29により開閉される。吸気弁28及び排気弁29は、クランク軸24により駆動される。
エンジン10のシリンダヘッド(不図示)には、吸気管31及びエアクリーナ32がこの順で接続されている。吸気通路26は、シリンダヘッド内の吸気ポート、吸気管31の内部空間及びエアクリーナ32の内部空間により形成されている。エアクリーナ32は、外部から空気を取り入れるための取入れ口33を有している。外部からの空気は、吸気通路26に沿って、燃焼室25まで流れていくことができる。吸気管31の内部には、スロットル弁34が設けられている。本実施形態に係るスロットル弁34の開度(以下、「スロットル開度」と称す)は、スロットルグリップ9の操作位置に応じて機械的に又は電気的に変化する。スロットル開度が変化すると、燃焼室25に供給される空気の流量が変更される。
エンジン10には、第1インジェクタ41と第2インジェクタ42とが設けられている。第1インジェクタ41及び第2インジェクタ42は、燃料通路43を介して燃料タンク7と連通している。燃料タンク7内には、燃料ポンプ44が設けられている。燃料ポンプ44の動作により、燃料タンク7内の燃料は、燃料通路43を介して第1インジェクタ41及び第2インジェクタ42に圧送される。第1インジェクタ41及び第2インジェクタ42は、常閉電磁弁であり、開弁期間中に燃料を噴射する。
第1インジェクタ41及び第2インジェクタ42は、吸気管31に取り付けられており、取付け位置から吸気通路26内へ燃料を噴射する。第1インジェクタ41は、スロットル弁34よりも吸気流れ方向の下流側に配置されている。第2インジェクタ42は、第1インジェクタ41よりも吸気流れ方向の上流側、更にはスロットル弁34よりも吸気流れ方向の上流側に配置されている。ただし、この配置は単なる一例である。第1インジェクタ41は、シリンダヘッドに取り付けられていて気筒内に燃料を直接噴射可能であってもよいし、第2インジェクタ42は、エアクリーナ32のクリーン側に取り付けられていてもよい。なお、エンジン10が多気筒を有する場合には、第1インジェクタ41及び第2インジェクタ42の組が、各気筒に対応して設けられてもよいし、1組の第1インジェクタ41及び第2インジェクタ42が複数の気筒間で共用されてもよい。
吸気行程では、吸気弁28が吸気通路26を開放し、第1インジェクタ41及び第2インジェクタ42の少なくとも一方が燃料を噴射する。これにより、空気と燃料との混合気が、吸気通路26から燃焼室25へと供給される。エンジン10には、点火プラグ46が設けられている。点火プラグ46は、燃焼室25内で火花を発生して混合気を点火燃焼させる。排気行程では、排気弁29が排気通路27を開放する。これにより、燃焼後のガスが、燃焼室25から排気通路27へと排出される。
(燃料噴射制御装置)
本実施形態に係る燃料噴射制御装置100は、第1インジェクタ41、第2インジェクタ42、水温センサ51、エンジン回転数センサ52、吸気温センサ53、吸気圧センサ54、スロットル位置センサ55、及び電子制御ユニット60(以下、「ECU」と称す)を備えている。
水温センサ51は、例えばシリンダ21を規定する壁面に取り付けられ、冷却水温TWを検出する。エンジン回転数センサ52は、クランク軸24の位相角を検出する。ECU60は、エンジン回転数センサ52からの信号に基づき、エンジン回転数Ne(クランク軸24の角速度)を測定可能である。吸気温センサ53は、エアクリーナ32に設けられており、吸気通路26に流入した吸気の温度TAを検出する。吸気圧センサ54は、吸気管31に設けられており、スロットル弁34よりも吸気流れ方向の下流側における吸気圧PMを検出する。スロットル位置センサ55は、スロットル開度THを検出する。
ECU60は、CPU、ROM、RAM及び入出力インターフェースを有するマイクロコンピュータを主体として構成されている。ECU60の入力側は、前述のセンサ51〜55と接続されている。図示省略するが、ECU60の入力側には、第1及び第2インジェクタ41,42を制御するために、主電源電圧も接続される。ギアポジションセンサ及び大気圧センサ等が接続されていてもよい。ECU60の出力側は、第1インジェクタ41、第2インジェクタ42、燃料ポンプ44及び点火プラグ46と接続されている。CPUは、ROMに記憶された制御プログラムを実行し、各種センサ51〜55により検出されるエンジン10の運転状態に応じて、第1インジェクタ41及び第2インジェクタ42の燃料噴射量(すなわち、インジェクタの開弁期間)、燃料ポンプ44の動作、点火プラグ46による混合気の点火時期を制御する。特に、本実施形態に係るECU60は、運転状態が急変しても燃焼室25に実際に供給される燃料が不足するのを抑制するため、運転状態の変化に対応して第1インジェクタ41の噴射割合及び第2インジェクタ42の噴射割合を制御する。
(ECU)
図3は、本発明の第1実施形態に係る燃料噴射制御装置100の要部構成を示すブロック図である。図3に示すように、ECU60は、前述の制御を実行するための機能部として、入力部61、記憶部62、噴射割合設定部63、噴射割合補正部64、燃料量設定部65及びインジェクタ制御部66を有している。
入力部61は、各種センサ51〜55からの検出信号を入力する。記憶部62は、エンジン10の運転状態と、第1インジェクタ41及び第2インジェクタ42の総噴射量に対する第1インジェクタ41及び第2インジェクタ42の各々の噴射割合との間の対応関係を決めるための噴射割合マップ71を予め記憶している。また、記憶部62は、燃料量マップ81、補正係数マップ82及び増加リミッタΔINJ2_RLMTUPを予め記憶している。
図4は、図3に示す記憶部62に記憶されている噴射割合マップ71を模式的に示すグラフである。図4の横軸はエンジン回転数を表し、縦軸は第2インジェクタ42の噴射割合(検索値)INJ2_RMAPを表わしている。直交座標系内で示す複数の線のうち最上位の線は、スロットル開度が全開であるとの運転状態に対応し、最下位の線はスロットル開度が全閉であるとの運転状態に対応している。概ね、エンジン回転数が高いときほど、また、スロットル開度が大きいときほど、検索値INJ2_RMAPは大きい値となる。これにより、運転状態が高回転高負荷域にあるときに、第2インジェクタ42の噴射割合が高くなり、ツインインジェクタの適用によるエンジン10の出力向上の効果が良好に発揮される。
このように記憶部62は、エンジン10の運転状態と、第1インジェクタ41及び第2インジェクタ42の総噴射量に対する第1インジェクタ41及び第2インジェクタ42の各々の噴射割合との間の対応関係を決めるため、単一のマップを記憶している。第1インジェクタ41の噴射割合と第2インジェクタ42の噴射割合との和は原則的に1であるため、いずれか一方の噴射割合が決まれば、他方の噴射割合は、原則的に当該一方の噴射割合を1から減算することにより算出することができる。なお、本実施形態に係る噴射割合マップ71は、エンジン10の運転状態と、第2インジェクタ42の噴射割合との間の対応関係を決めるためのマップとなっているが、記憶部62は、エンジン10の運転状態と、第1インジェクタ41の噴射割合との間の対応関係を決めるためのマップを記憶していてもよい。記憶部62は、第1及び第2インジェクタの噴射割合を求めるためのマップを別個に記憶していてもよい。
図3に戻り、噴射割合設定部63は、噴射割合マップ71を参照し、運転状態に応じて、第1インジェクタ41の噴射割合を第1設定値INJ1_RSETとして設定し、第2インジェクタ42の噴射割合を第2設定値INJ2_RSETとして設定する。
噴射割合補正部64は、噴射割合マップ71を参照して逐次読み出されている第2インジェクタ42の噴射割合INJ2_RMAPが所定の判断基準よりも大きく増加したとの条件が成立したか否かを判定する。本実施形態に係る噴射割合補正部64は、噴射割合マップ71を参照して逐次読み出されている第2インジェクタ42の噴射割合INJ2_RMAPが、第2設定値INJ2_RSETの過去値に対する増加量が所定の閾値よりも大きいとの条件が成立したか否かを判定する。この「閾値」は、ゼロより大きい値である。後述のとおり、本実施形態では、噴射割合補正部64は、第2インジェクタ42の噴射割合の検索値INJ2_RMAPの現在値が、第2設定値INJ2_RSETの前回値に対し、記憶部62に記憶されている増加リミッタΔINJ2_RLMTUP以上であるとの条件が成立するか否かを判定する。噴射割合補正部64は、このような条件が成立すれば、第1設定値INJ1_RSETを、噴射割合マップ71から求まる第1インジェクタ41の噴射割合(1−INJ2_RMAP)よりも増やすように補正する。
燃料量設定部65は、記憶部62に記憶されている燃料量マップ81を参照してベース燃料量TIMAPを求める。また、燃料量設定部65は、記憶部62に記憶されている補正係数マップ82を参照して補正係数MTOTALを求める。燃料量マップ81は、エンジン10の運転状態と第1インジェクタ41及び第2インジェクタ42の総噴射量との対応関係を決めるための総噴射量マップの一種である。ベース燃料量TIMAPは、第1インジェクタ41及び第2インジェクタ42の総噴射量TTOTALOUTのベースとなる値であり、燃料量マップ81により決められた対応関係に従いエンジン回転数及びスロットル開度に応じて算出される。概ね、エンジン回転数が高くスロットル開度が大きいほど、ベース燃料量TIMAPが大きい値となる。補正係数MTOTALは、水温、吸気温、吸気圧及び大気圧等に応じて算出され、ベース燃料量TIMAPを補正するために用いられる。ベース燃料量TIMAP及び補正係数MTOTALは、例えば変速ギヤ位置に応じて算出されるようにしてもよい。
燃料量設定部65は、ベース燃料量TIMAP、補正係数MTOTAL及び第1設定値INJ1_RSET等に基づいて、第1インジェクタ41からの燃料噴射量(第1インジェクタ41の開弁期間)の指令値T1OUT(以下、「第1燃料量指令値」と称す)を設定する。燃料量設定部65は、ベース燃料量TIMAP、補正係数MTOTAL及び第2設定値INJ2_RSET等に基づいて、第2インジェクタ42からの燃料噴射量(第2インジェクタ42の開弁期間)の指令値T2OUT(以下、「第2燃料量指令値」と称す)を設定する。
インジェクタ制御部66は、第1設定値INJ1_RSETに従って設定された第1燃料量指令値T1OUTにより示される量の燃料が第1インジェクタ41から噴射されるように、第1インジェクタ41を制御する。また、インジェクタ制御部66は、第2設定値INJ2_RSETに従って設定された第2燃料量指令値T2OUTにより示される量の燃料が第2インジェクタ42から噴射されるように、第2インジェクタ42を制御する。インジェクタ制御部66は、エンジン回転数センサ52により検出されるクランク軸24の位相角や記憶部62に設定された噴射タイミングマップ(図示せず)等を参照し、インジェクタ41,42の開弁時期及び閉弁時期を制御する。
(燃料量設定処理)
図5は、図3に示すECU60により実行される燃料量設定処理を示すフローチャートである。図5に示す処理は、インジェクタ制御部66に送られる第1燃料量指令値T1OUT及び第2燃料量指令値T2OUTを逐次設定するためのルーチンであり、少なくともエンジン1サイクル毎に繰り返し実行される。なお、以下の説明では、添え字(n)が現在値を表し、添え字(n-1)が、現在値から見て1周期だけ過去に算出又は設定された過去値(以下、「前回値」と称す)を表す。どの時点で取得された値であるのかを特段問わない場合には、添え字なしで説明する場合もある。
各種センサ51〜55により検出されたエンジン10の運転状態が読み込まれる(ステップS1)。次いで、噴射割合設定部63及び噴射割合補正手段64が、後に詳述する噴射割合設定処理を実行し(ステップS2)、第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)及び第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)を設定する。また、燃料量設定部65が、ベース燃料量TIMAP及び補正係数MTOTALを算出する(ステップS3,S4)。
次に、燃料量設定部65は、次式(1)を用いて第1燃料量指令値T1OUTを設定し(ステップS5)、次式(2)を用いて第2燃料量指令値T2OUTを設定する(ステップS6)。
T1OUT=TIMAP×MTOTAL×INJ1_RSET(n) …(1)
T2OUT=TIMAP×MTOTAL×INJ2_RSET(n) …(2)
第1燃料量指令値T1OUTは、補正係数MTOTALを用いてベース燃料量TIMAPを補正した後の値(TIMAP×MTOTAL)に、第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)を乗算した値である。第2燃料量指令値T2OUTは、同補正後の値(TIMAP×MTOTAL)に、第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)を乗算した値である。第1インジェクタ41と第2インジェクタ42の総噴射量TTOTALOUTは、次式(3)のとおり、第1燃料量指令値T1OUTと第2燃料量指令値T2OUTとの和となる。
TTOTALOUT=T1OUT+T2OUT …(3)
(=TIMAP×MTOTAL×(INJ1_RSET(n)+INJ2_RSET(n)))
本実施形態では、第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)と第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)との和が1である。このため、総噴射量TTOTALOUTは、前記補正した後の値(TIMAP×MTOTAL)となる。
(噴射割合設定処理)
図6〜図8は、図5に示す噴射割合設定処理(S2)の一部をそれぞれ示すフローチャートである。噴射割合設定処理(S2)では、検索値INJ2_RMAPが少なくともエンジン1サイクル毎に逐次求められる。
図6を参照すると、まず、設定値の前回値INJ2_RSET(n-1)が読み込まれ(ステップS101)、噴射割合設定部63が、検索値の現在値INJ2_RMAP(n)を算出する(ステップS102)。検索値INJ2_RMAPは、噴射割合マップ71により決められた対応関係に従い、エンジン回転数Ne及びスロットル開度THに応じて算出される。次に、噴射割合設定部63が、次式(4)を用いて検索値の現在値INJ2_RMAP(n)と設定値の前回値INJ2_RSET(n-1)との差分ΔINJ2_RERRを算出する(ステップS103)。
ΔINJ2_RERR=INJ2_RMAP(n)−INJ2_RSET(n-1) …(4)
式(4)が示すとおり、差分ΔINJ2_RERRは、検索値の現在値INJ2_RMAP(n)から設定値の前回値INJ2_RSET(n-1)を減算することにより得られる。概ね、エンジン回転数Neが大きくなるに連れ、また、スロットル開度THが大きくなるに連れ、検索値INJ2_RMAPは増加する(図4参照)。このため、例えばクルーズ走行から加速に転じた直後には、差分ΔINJ2_RERRが正となり、例えばクルーズ走行から減速に転じた直後には、差分ΔINJ2_RERRが負となる。例えば、クルーズ走行中などエンジン10の運転状態の変化が小さい間は、差分ΔINJ2_RERRはゼロとなる。次に、噴射割合設定部63は、差分ΔINJ2_RERRがゼロ以上であるか否かを判断する(ステップS104)。言い換えれば、検索値の現在値INJ2_RMAP(n)が設定値の前回値INJ2_RSET(n-1)以上であるか否かを判断する。差分がゼロ以上であれば(S104:YES)、図7に示す処理に進み、差分がゼロ未満であれば(S104:NO)、図8に示す処理に進む。
(加速時等における噴射割合の設定)
図7を参照すると、差分がゼロ以上であれば、噴射割合補正部64が、差分ΔINJ2_RERRが増加リミッタΔINJ2_RLMTUPより大きいか否かを判断する(ステップS111)。増加リミッタΔINJ2_RLMTUPは、運転状態の変化に伴って検索値INJ2_RMAPが増加したときに第2設定値INJ2_RSETの増加量(増加率)に制限をかけるか否かを判断するための閾値として機能し、また、制限をかける際の第2設定値INJ2_RSETの増加量(増加率)として機能する。
差分が増加リミッタより大きければ(S111:YES)、噴射割合補正部64が次式(5)を用いて第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)を設定し(ステップS112)、次式(6)を用いて第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)を設定する(ステップS113)。
INJ2_RSET(n)=INJ2_RSET(n-1)+ΔINJ2_RLMTUP …(5)
(<INJ2_RSET(n-1)+ΔINJ2_RERR = INJ2_RMAP(n))
INJ1_RSET(n)=1−INJ2_RSET(n) …(6)
(>1−INJ2_RMAP(n))
第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)は、第2設定値の前回値INJ2_RSET(n-1)に、増加リミッタΔINJ2_RLMTUPを加算した値に設定される。増加リミッタΔINJ2_RLMTUPは差分ΔINJ2_RERR未満であるので、第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)は、検索値の現在値INJ2_RMAP(n)未満の値に設定される。第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)は、1から第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)を減算した値に設定される。第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)は検索値の現在値INJ2_RMAP(n)未満であるので、第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)は、噴射割合マップ71から求められる値(1−INJ2_RMAP(n))よりも大きい値に設定される。第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)及び第2設定値の現在値INJ2_RSETが設定されると、図5に示す燃料量設定処理にリターンする(以下も同様)。
差分が増加リミッタ以下であれば(S111:NO)、噴射割合設定部63が、次式(7)を用いて第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)を設定し(ステップS115)、次式(8)を用いて第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)を設定する(ステップS116)。
INJ2_RSET(n)=INJ2_RMAP(n) …(7)
INJ1_RSET(n)=1−INJ2_RSET(n) …(8)
(=1−INJ2_RMAP(n))
第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)は、噴射割合マップ71から求められた検索値の現在値INJ2_RMAP(n)となる。よって、第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)は、増加リミッタが機能する場合と異なり、単に1から検索値の現在値INJ2_RMAP(n)を減算した値、つまり、噴射割合マップ71から求められる第1インジェクタ41の噴射割合と等しくなる。
(減速時等における噴射割合の設定)
図8を参照すると、差分ΔINJ2_RERRがゼロ未満であれば、噴射割合設定部63は、上記式(7)を用いて第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)を設定し(ステップS151)、上記式(8)を用いて第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)を設定する(ステップS152)。つまり、減速に転じた直後などには、検索値の減少量又は減少率に関わらず、第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)及び第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)が、噴射割合マップ71から求められる値に設定される。
(噴射割合の時間変化)
図9は、図6〜図8に示す噴射割合設定処理(S2)を実行した場合における第1インジェクタ41の噴射割合及び第2インジェクタ42の噴射割合の時間変化の一例を示すタイムチャートである。
運転者がスロットルグリップ9を開き側に操作する等して運転状態が高回転側へ急変すると、これに連れて検索値INJ2_RMAPが急増する(時点t11〜t12)。急増開始時点t11において、差分ΔINJ2_RERRはゼロ以上となる。差分ΔINJ2_RERRが増加リミッタΔINJ2_RLMTUPを越える場合には、第2設定値INJ2_RSETが、増加リミッタΔINJ2_RLMTUPにより規定される増加率で緩やかに増加していくこととなる。第1設定値INJ1_RSETは、緩やかな変化率で減少していき、噴射割合マップ71から求まる第1インジェクタの噴射割合(1−INJ2_RMAP)よりも大きい値に設定され続ける。
このように、運転状態が高回転側へ急変して検索値INJ2_RMAPが急増したときには、第2インジェクタ42の噴射割合の増加が制限され、第1インジェクタ41の噴射割合が、これに伴い受動的に増加補正され、当該制限された噴射割合を補償する。第2インジェクタ42から噴射された燃料が配置上の理由で燃焼室25への到達までに遅れが生じるとしても、第1インジェクタ41が遅れる分の燃料を噴射することができる。第1インジェクタ41は燃焼室25の近くに配置されているので、第1インジェクタ41より噴射された燃料は即座に燃焼室25に到達する。したがって、燃焼室25に供給される燃料量が不足するのを抑制することができる。
運転状態の変化が収まれば、検索値INJ2_RMAPの増加も収まる(時点t12)。図9には、検索値の単位時間当たり変化量がゼロ付近で推移した(時点t12〜t13)後に、検索値が減少していく(時点t13〜t15)場合が例示されている。運転状態の変化が開始してから終了するまで増加リミッタΔINJ2_RLMTUPが機能し続けると、運転状態の変化が終了した時点t12で、検索値INJ2_RMAPと第2設定値INJ2_RSETとの間に乖離が生ずる。本実施形態では、差分ΔINJ2_RERRが増加リミッタΔINJ2_RLMTUP以上である間、仮に検索値INJ2_RMAPの増加が小さくなっていたり、更には減少に転じたとしても、第2設定値INJ2_RSETが増加リミッタΔINJ2_RLMTUPにより規定される増加率で増加し続ける(t12〜t14)。したがって、運転状態の変化が終了した直後に、噴射割合が急変するのを抑制することができる。差分ΔINJ2_RERRが増加リミッタΔINJ2_RLMTUP未満になれば(つまり、第2設定値INJ2_RSETが検索値INJ2_RMAPに追い付けば)、第2設定値INJ2_RSETは検索値INJ2_RMAPに設定される(時点t14〜t15)。
運転者がスロットルグリップ9を開き側に操作する等して運転状態が高回転側へ変化したとしても、差分ΔINJ2_RERRが増加リミッタΔINJ2_RLMTUP未満の小さい値であれば、第2設定値INJ2_RSETは検索値INJ2_RMAPに設定される(時点t15〜t16)。
運転者がスロットルグリップ9を閉じ側に操作し始める等して運転状態が低回転側に変化し始めると、検索値INJ2_RMAPがこれに連れて減少し始める(時点t16〜t17)。このとき、第1設定値INJ1_RSET及び第2設定値INJ2_RSETは、差分ΔINJ2_RERRの大小に関わらず、噴射割合マップ71から求められる値に設定される。このようにして設定値を検索値どおりに設定することにより、運転状態の変化を反映して噴射割合を変化させることができ、第2インジェクタ42からの燃料が吸気通路26内で噴き溜まるのを抑えることができる。
[第2実施形態]
図10は、本発明の第2実施形態に係る燃料噴射制御装置200の要部構成を示すブロック図である。図11は、図10に示すECU260により実行される噴射割合設定処理の一部を示すフローチャートである。以下、本発明の第2実施形態に係る燃料噴射制御装置200について、上記実施形態との相違を中心に説明する。
(ECU)
図10に示すように、本実施形態では、記憶部262が、第1実施形態と同様にして噴射割合マップ71、燃料量マップ81及び補正係数マップ82を記憶している。また、記憶部262は、第1増加リミッタΔINJ2_RLMTUP1、第2増加リミッタΔINJ2_RLMTUP2及びリミッタ切替閾値INJ2LMTCHGを予め記憶している。第1増加リミッタΔINJ2_RLMTUP1は、第2増加リミッタΔINJ2_RLMTUP2よりも小さい値である。
噴射割合設定部263及び噴射割合補正部264が、差分ΔINJ2_RERRがゼロ以上である場合の第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)及び第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)の設定処理に、第1増加リミッタΔINJ2_RLMTUP1、第2増加リミッタΔINJ2_RLMTUP2及びリミッタ切替閾値INJ2LMTCHGを用いる。ECU260は、第1実施形態と同様にして図6及び図8に示す処理を実行する一方、図7に示す処理に替えて図11に示す処理を実行する。
(加速時等における噴射割合の設定)
図11を参照すると、差分がゼロ以上であれば、噴射割合設定部263が、第2設定値の前回値INJ2_RSET(n-1)がリミッタ切替閾値未満INJ2LMTCHGであるか否かを判断する(ステップS211)。第2設定値の前回値がリミッタ切替閾値未満であれば(S211:YES)、噴射割合補正部264が、差分ΔINJ2_RERRが第1増加リミッタΔINJ2_RLMTUP1より大きいか否かを判断する(ステップS212)。差分が第1増加リミッタより大きければ(S212:YES)、噴射割合補正部264が、次式(5a)を用いて第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)を設定し(ステップS213)、次式(6a)を用いて第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)を設定する(ステップS214)。
INJ2_RSET(n)=INJ2_RSET(n-1)+ΔINJ2_RLMTUP1 …(5a)
(<INJ2_RSET(n-1)+ΔINJ2_RERR = INJ2_RMAP(n))
INJ1_RSET(n)=1−INJ2_RSET(n) …(6a)
(>1−INJ2_RMAP(n))
式(5a)は、上記式(5)の右辺における増加リミッタΔINJ2_RLMTUPの加算項を、第1増加リミッタΔINJ2_RLMTUP1の加算項に変更したものである。第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)は、第2設定値の前回値INJ2_RSET(n-1)に、第1増加リミッタΔINJ2_RLMTUP1だけを加算した値に設定される。式(6a)は、第1実施形態に係る上記式(6)と同じであり、第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)は、1から第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)を減算した値に設定される。この場合も、第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)は、噴射割合マップ71から求められる検索値の現在値INJ2_RMAP(n)未満の値に設定される。第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)は、噴射割合マップ71から求められる第1インジェクタ41の噴射割合(1−INJ2_RMAP(n))よりも大きい値に設定される。
差分が第1増加リミッタ以下であれば(S212:NO)、噴射割合設定部263が、上記式(7)を用いて第2設定値の設定値INJ2_RSET(n)を設定し(ステップS216)、上記式(8)を用いて第1設定値の設定値INJ1_RSET(n)を設定する(ステップS217)。
第2設定値の前回値がリミッタ切替閾値以上であれば(S211:NO)、噴射割合補正部264が、差分ΔINJ2_RERRが第2増加リミッタΔINJ2_RLMTUP2以上でより大きいか否かを判断する(ステップS218)。差分が第2増加リミッタより大きければ(S218:YES)、噴射割合補正部264が、次式(5b)を用いて第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)を設定し(ステップS219)、次式(6b)を用いて第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)を設定する(ステップS220)。
INJ2_RSET(n)=INJ2_RSET(n-1)+ΔINJ2_RLMTUP2 …(5b)
(<INJ2_RSET(n-1)+ΔINJ2_RERR = INJ2_RMAP(n))
INJ1_RSET(n)=1−INJ2_RSET(n) …(6b)
(>1−INJ2_RMAP(n))
式(5b)は、上記式(5)の右辺の増加リミッタΔINJ2_RLMTUPの加算項を、第2増加リミッタΔINJ2_RLMTUP2の加算項に変更したものである。第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)は、第2設定値の前回値INJ2_RSET(n-1)に、第2増加リミッタΔINJ2_RLMTUP2を加算した値に設定される。式(6b)は、第1実施形態に係る式(6)と同じである。第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)は、1から第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)を減算した値に設定される。この場合も、第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)は、噴射割合マップ71から求められる検索値の現在値INJ2_RMAP(n)未満の値に設定される。第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)は、噴射割合マップ71から求められる第1インジェクタ41の噴射割合(1−INJ2_RMAP(n))よりも大きい値に設定される。
差分が第2増加リミッタ以下であれば(S218:NO)、噴射割合設定部263は、ステップS216,S217に進み、第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)及び第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)が設定される。
(噴射割合の時間変化)
図12は、図6、図8、図11に示す噴射割合設定処理を実行した場合における第1インジェクタ41の噴射割合及び第2インジェクタ42の噴射割合の時間変化の一例を示すタイムチャートである。図12の例示でも、運転状態の変化に連れて検索値INJ2_RMAPが急増している(時点t21〜t22)。検索値INJ2_RMAPの増加開始時点での第2設定値INJ2_RSETがリミッタ切替閾値INJ2LMTCHG未満であり、検索値INJ2_RMAPの増加率は第1増加リミッタΔINJ2_RLMTUP1及び第2増加リミッタΔINJ2_RLMTUP2で規定される増加率よりも大きいものとする。なお、減速開始後(時点t25以降)については、第1実施形態の時点t16以降と同様のため説明を省略する。
この場合、検索値INJ2_RMAPが増加し始めると、第2設定値INJ2_RSETは、検索値どおりに設定されず、第1増加リミッタΔINJ2_RLMTUP1により規定される増加率で緩やかに増加する(時点t21〜t23)。第1設定値INJ1_RSETは、緩やかな変化率で減少していく。検索値INJ2_RMAPの増加が収まった時点t22で、第2設定値INJ2_RSETはリミッタ切替閾値未満である。このため、当該時点t22以降も、第2設定値INJ2_RSETは、第1増加リミッタΔINJ2_RLMTUP1により規定される増加率で緩やかに増加し続けていき、検索値INJ2_RMAPとの間の乖離を徐々に埋めていく(時点t22〜t23)。
第2設定値INJ2_RSETがリミッタ切替閾値INJ2LMTCHGに達した時点t23で、第2設定値INJ2_RSETの増加を制限するリミッタが、第1増加リミッタΔINJ2_RLMTUP1から第2増加リミッタΔINJ2_RLMTUP2に切り替わる。当該時点23以降は、第2設定値INJ2_RSETが、検索値INJ2_RMAPに追い付くまで、第2増加リミッタΔINJ2_RLMTUP2により規定される増加率で増加していく(時点t23〜t24)。第2増加リミッタΔINJ2_RLAMTUP2は、第1増加リミッタΔINJ2_RLMTUP1よりも大きい値であるので、第2設定値INJ2_RSETの増加率が大きくなる。これに伴い、第1設定値INJ1_RSETの減少率も大きくなる。
このように、本実施形態においては、運転状態が高回転側へと急変するような場合に、運転状態の急変当初、第2インジェクタ42の噴射割合の増加を抑えて第1インジェクタ41の噴射割合を大きくしている。これにより、燃焼室25に供給される燃料量の不足を好適に抑制することができ、加速性を向上することができる。
[第3実施形態]
図13は、本発明の第3実施形態に係る燃料噴射制御装置300の要部構成を示すブロック図、図14は、図13に示す記憶部362に記憶されている割合増加率マップ72を模式的に示すグラフ、図15は、図13に示すECU360が実行する噴射割合設定処理の一部を示すフローチャートである。以下、本発明の第3実施形態に係る燃料噴射制御装置300について、第1実施形態との相違を中心に説明する。
(ECU)
図13に示すように、本実施形態では、記憶部362が、上記実施形態と同様にして噴射割合マップ71、燃料量マップ81及び補正係数マップ82を予め記憶している。また、記憶部362は、上記実施形態に係る増加リミッタに替えて割合増加率マップ72を予め記憶している。噴射割合設定部363及び噴射割合補正部364は、差分ΔINJ2_RERRがゼロ以上である場合の第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)及び第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)の設定処理で、割合増加率マップ72を用いる。ECU360は、第1実施形態と同様にして図6及び図8に示す処理を実行する一方、図7に示す処理に替えて図15に示す処理を実行する。
図14に示すように、割合増加率マップ72は、直近の検索値増加開始時点からの経過期間INJ2CNT(以下、「連続増加期間」と称す)と、第2設定値の増加量ΔINJ2_RSETUPとの対応関係を定めている。なお、「検索値増加開始時点」とは、検索値の現在値INJ2_RMAP(n)から第2設定値の前回値INJ2_RSET(n-1)を減算することによって得られる差分ΔINJ2_RERRがゼロ以上に転じた時点である。検索値の連続増加期間INJ2CNTが長くなると、第2設定値の増加量ΔINJ2_RSETUPが大きくなる。
(加速時等における噴射割合の設定)
図15を参照すると、差分がゼロ以上であれば、噴射割合設定部363が、連続増加期間INJ2CNTをカウントアップする(ステップS311)。噴射割合設定部363は、割合増加率マップ72を参照し、連続増加期間INJ2CNTに応じて第2設定値の増加量ΔINJ2_RSETUPを設定する(ステップS312)。次に、噴射割合設定部363は、差分ΔINJ2_RERRが第2設定値の増加量ΔINJ2_RSETUPより大きいか否かを判断する(ステップS313)。差分が増加量より大きければ(S313:YES)、噴射割合補正部364が、次式(9)を用いて第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)を設定し(ステップS314)、次式(10)を用いて第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)を設定する(ステップS315)。
INJ2_RSET(n)=INJ2_RSET(n-1)+ΔINJ2_RSETUP …(9)
INJ1_RSET(n)=1−INJ2_RSET(n) …(10)
差分が第2設定値の増加量以下であれば(S313:NO)、噴射割合設定部363は、上記式(7)を用いて第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)を設定し(ステップS316)、上記式(8)を用いて第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)を設定する(ステップS317)。
(噴射割合の時間変化)
図16は、図6、図8、図15に示す噴射割合設定処理を実行した場合における、第1インジェクタ41の噴射割合、第2インジェクタ42の噴射割合等の時間変化の一例を示すタイムチャートである。図16の例示でも、運転状態の変化に連れて検索値INJ2_RMAPが急増している(時点t31〜t32)。なお、減速開始後(時点t34以降)については、第1実施形態の時点t16と同様のため説明を省略する。
この場合、検索値INJ2_RMAPが増加し始めると、第2設定値が、検索値INJ2_RMAPが増加し始めた時点t31からの連続増加期間INJ2SETが長くなるに連れて増加率がゼロから徐々に大きくなるようにして増加していく。本実施形態では、第2設定値の増加量ΔINJ2_RSETUPが、連続増加期間INJ2CNTに対し線形に増加するので、第2設定値INJ2_RSETは、連続増加期間INJ2CNTが長くなるに連れ、下に凸の二次曲線を描くようにして指数関数的に増加していく。第1設定値INJ1_RSETは、これとは逆に、上に凸の二次曲線を描くようにして指数関数的に減少していく。検索値INJ2_RMAPの増加が収まった後も、第2設定値INJ2_RSETは、検索値INJ2_RMAPに追い付くまで連続増加期間INJ2CNTに応じた増加量ΔINJ2_RSETUPで増加し続けていき、検索値INJ2_RMAPとの間の乖離を埋めていく(時点t32〜t33)。
このように、本実施形態においても、運転状態が低回転低負荷域から高回転高負荷域に急変するような場合において、運転状態の急変当初、第2インジェクタ42の噴射割合の増加を抑え、その分第1インジェクタ41の噴射割合が大きくなる。これにより、燃焼室25に供給される燃料量の不足を好適に抑制することができ、加速性を向上することができる。なお、第2設定値の増加量ΔINJ2_RSETUPは、連続増加期間INJ2CNTの増加に対して非線形に増加してもよい。また、連続増加期間INJ2CNTがゼロであるときに、第2設定値の増加量ΔINJ2_RSETUPがゼロに設定され、第2設定値の増加量がゼロから徐々に増加するようになっているが、これも一例に過ぎず、連続増加期間INJ2CNTがゼロであるときに第2設定値の増加量ΔINJ2_RSETが正の値に設定されていてもよい。
[第4実施形態]
図17は、本発明の第4実施形態に係る燃料噴射制御装置460の要部構成を示すブロック図、図18は、図17に示す記憶部463に記憶されているリッチ化係数テーブル73の模式図、図19は、図17に示すECU460により実行される噴射割合設定処理の一部を示すフローチャートである。以下、本発明の第4実施形態に係る燃料噴射制御装置400について、上記実施形態との相違を中心に説明する。
(ECU)
図17に示すように、本実施形態では、記憶部462が、第1実施形態と同様にして噴射割合マップ71、燃料量マップ81、補正係数マップ82及び増加リミッタΔINJ2_RLMTUPを予め記憶している。また、記憶部462は、リッチ化係数テーブル73を予め記憶している。噴射割合設定部463及び噴射割合補正部464は、変化量ΔINJ2_RMAPがゼロ以上である場合の第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)及び第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)の設定処理で、増加リミッタΔINJ2_RLMTUP及びリッチ化係数テーブル73を用いる。ECU460は、第1実施形態と同様にして図6及び図8に示す処理を実行する一方、図7に示す処理に替えて図19に示す処理を実行する。
図18に示すように、リッチ化係数テーブル73は、偏差INJ2_RDEVと、リッチ化係数INJ1MRICHとの対応関係を定めたものである。偏差INJ2_RDEVは、検索値の現在値INJ2_RMAP(n)から第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)を減算することにより得られる。偏差INJ2_RDEVが大きくなると、リッチ化係数INJ1MRICHの値も大きくなる。なお、図18に示す数値は、このような傾向を表す単なる一例に過ぎず、適宜変更可能である。
(加速時等における噴射割合の設定)
図19を参照すると、差分がゼロ以上であれば、噴射割合設定部463は、差分ΔINJ2_RERRが増加リミッタΔINJ2_RLMTUPより大きいか否かを判断する(ステップS411)。差分が増加リミッタより大きければ(S411:YES)、噴射割合補正部464は、上記式(5)を用いて第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)を設定する(ステップS412)。
次に、噴射割合補正部464は、検索値の現在値INJ2_RMAP(n)から第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)を減算し、これら2つの値の偏差INJ2_RDEVを算出する(ステップS413)。噴射割合補正部464は、リッチ化係数テーブル73を参照し、偏差INJ2_RDEVに応じたリッチ化係数INJ1MRICHを設定する(ステップS414)。リッチ化係数INJ1MRICHを設定するときには、適宜補間処理が行われる。噴射割合設定部463は、次式(6d)を用いて第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)を設定する(ステップS415)。
INJ1_RSET(n)=(1−INJ2_RSET(n))×INJ1MRICH …(6d)
(≧1−INJ2_RSET(n) > 1−INJ2_RMAP(n))
第1実施形態では、増加リミッタΔINJ2_RLMTUPが機能しているか否かに関わらず、第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)は、1から第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)を減算した値に設定されている。これに対し、本実施形態に係るリッチ化係数INJ1MRICHは、この減算値を増加補正するために用いられる。リッチ化係数INJ1MRICHを用いた補正は、第2設定値INJ2_RSETの値の変更を伴わずに実行され、そのため、第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)と第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)との和は1以上の値となる。リッチ化係数IMJ1MRICHを用いた補正を実行したとき、総噴射量TTOTALOUTは、ベース燃料量TIMAPと補正係数MTOTALとの積(TIMAP×MTOTAL)よりも大きい値となり(上記式(3)参照)、総噴射量TTOTALOUTが噴射割合の設定値を用いて増量補正されることとなる。
差分が増加リミッタ以下であれば(S411:NO)、噴射割合設定部463は、上記式(7)を用いて第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)を設定し(ステップS417)、上記式(8)を用いて第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)を設定する(ステップS418)。
(噴射割合の時間変化)
図20は、図6、図8、図19に示す噴射割合設定処理を実行した場合における第1インジェクタ41の噴射割合及び第2インジェクタ42の噴射割合の時間変化の一例を示すタイムチャートである。図20の例示でも、検索値INJ2_RMAPが運転状態の変化に連れて急増している(時点t41〜t42)。このときの検索値INJ2_RMAPの増加率は、増加リミッタΔINJ2_RLMTUPにより規定される増加率よりも大きいものとする。なお、減速開始後(時点t44以降)については、第1実施形態の時点t16以降と同様のため説明を省略する。
検索値INJ2_RMAPが増加し始めると、第2設定値INJ2_RSETが、増加リミッタΔINJ2_RLMTUPにより規定される増加率で緩やかに増加していく(時点t41〜t43)。検索値INJ2_RMAPが増加し続ける間、検索値INJ2_RMAPと第2設定値INJ2_RSETとの偏差INJ2_RDEVは、時間が経過するに連れて拡大していく(時点t41〜t42)。
偏差INJ2_RDEVの拡大により、リッチ化係数INJ1MRICHは、時間が経過するに連れて大きくなる。リッチ化係数INJ1MRICHが増加することにより、第1設定値INJ1_RSETは、1から第2設定値INJ2_RSETを減じて得られる減算値(すなわち、第1実施形態における第1設定値)を増加補正した値に設定される(時点t41〜t42)。
検索値INJ2_RMAPの増加が収まった時点t42以降、第2設定値INJ2_RSETは、検索値INJ2_RMAPとの間の乖離を徐々に埋めるようにして増加リミッタΔINJ2_RLMTUPにより規定される増加率で緩やかに増加し続ける(時点t42〜t43)。よって、偏差INJ2_RDEVが徐々に縮小していき、リッチ化係数INJ1MRICHも1に向かって徐々に小さくなっていく。これにより、第1設定値INJ1_RSETは、1から第2設定値INJ2_RSETを減じて得られる減算値(すなわち、第1実施形態における第1設定値)へと近づいていく。
このように、本実施形態では、運転状態が高回転側へ変化したときに、第2インジェクタ42の噴射割合の増加を抑えることにより第1インジェクタ41の噴射割合をパッシブに大きくしているだけでなく、更に第1インジェクタ41の噴射割合をアクティブに増加補正し、その結果、総噴射量の増量補正をも行っている。これにより、燃焼室25に供給される燃料量が不足するのをより好適に抑制することができ、加速性を向上することができる。なお、本実施形態では偏差に応じてリッチ化係数INJ1MRICHを求めるとしたが、前述の差分ΔINJ2_RERRに応じてリッチ化係数INJ1MRICHを求めてもよい。
[第5実施形態]
図21は、本発明の第5実施形態に係る燃料噴射制御装置500の要部構成を示すブロック図、図22は、図21に示すECU560により実行される噴射割合設定処理の一部を示すフローチャートである。以下、本発明の第5実施形態に係る燃料噴射制御装置500について、上記実施形態との相違を中心に説明する。
(ECU)
図21に示すように、本実施形態では、記憶部562が、第1実施形態と同様にして噴射割合マップ71、燃料量マップ81、補正係数マップ82及び増加リミッタΔINJ2_RLMTUPを予め記憶している。また、記憶部562は、遅延期間XINJ2CNTを予め記憶している。遅延期間XINJ2CNTは、第2インジェクタ42に開弁指令が与えられてから、第2インジェクタ42より噴射された燃料が燃焼室25に到達するまでに要する期間と略等しい値であり、このような値は、実車を用いた走行試験又は数値解析から得ることができる。噴射割合設定部563及び噴射割合補正部564は、差分ΔINJ2_RERRがゼロ以上である場合における第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)及び第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)の設定処理で、増加リミッタΔINJ2_RLMTUP及び遅延期間XINJ2CNTを用いる。ECU560は、第1実施形態と同様にして図6及び図8に示す処理を実行する一方、図7に示す処理に替えて図22に示す処理を実行する。
(加速時等における噴射割合の設定)
図22を参照すると、差分がゼロ以上であれば、噴射割合設定部563が、連続増加期間INJ2CNTをカウントアップする(ステップS511)、次に、噴射割合設定部563は、差分ΔINJ2_RERRが増加リミッタより大きいか否かを判断する(ステップS512)。差分が増加リミッタより大きければ(S512:YES)、噴射割合補正部564は、上記式(5)を用いて第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)を設定する(ステップS513)。
次に、噴射割合補正部564は、連続増加期間INJ2CNTが記憶部562に予め記憶されている所定期間(遅延期間)XINJ2CNTに達したか否かを判断する(ステップS514)。連続増加期間が遅延期間に達していなければ(S514:NO)、噴射割合補正部564は、次式(6e)を用いて第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)を設定する(ステップS515)。連続増加期間が遅延期間に達していれば(S514:YES)、噴射割合補正部563は、次式(6f)を用いて第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)を設定する(ステップS516)。
INJ1_RSET(n)=INJ1_RSET(n-1) …(6e)
INJ1_RSET(n)=1−INJ2_RSET(n-XINJ2CNT) …(6f)
(>1−INJ2_RSET(n) > 1-INJ2_RMAP(n))
このように、連続増加期間INJ2CNTが遅延期間XINJ2CNTに達していない間は、検索値INJ2_RMAPと共に第2設定値INJ2_RSETが増加していても、第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)を検索値INJ2_RMAPの増加が開始した時点の値に維持する。連続増加期間INJ2CNTが遅延期間XINJ2CNTに達すると、第1設定値INJ1_RSETは、現在から見て遅延期間XINJ2CNTだけ過去に設定されていた第2設定値INJ2_RSET(n-XINJ2CNT)を1から減算した値に設定される。つまり、第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)は、第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)が増加し始めた時点から遅延期間XINJ2CNTだけ遅延した後に減少し始める。これにより、第1設定値INJ1_RSETは、噴射割合マップ71から求められる第1インジェクタ41の噴射割合の値(1−INJ2_RMAP(n))よりも大きい値に設定されることは勿論、増加リミッタが機能して設定された第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)を1から減じた値(すなわち、第1実施形態における第1設定値)よりも大きい値に設定される。すると、本実施形態においても、第4実施形態と同様にして、第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)と第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)との和が1を超え、総噴射量TTOTALOUTが増量補正されることとなる。
なお、差分ΔINJ2_RERRが増加リミッタΔINJ2_RLMTUP以下であれば(S512:NO)、噴射割合設定部563が、上記式(7)を用いて第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)を設定し(ステップS518)、上記式(8)を用いて第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)を設定する(ステップS519)。
(噴射割合の時間変化)
図23は、図6、図8、図22に示す噴射割合設定処理が実行された場合における第1インジェクタ41の噴射割合及び第2インジェクタ42の噴射割合の時間変化の一例を示すタイムチャートである。図23の例示でも、運転状態の変化に連れて検索値INJ2_RMAPが急増している(時点t51〜t53)。検索値INJ2_RMAPの増加率は増加リミッタΔINJ2_RLMTUPにより規定される増加率よりも大きいものとしている。なお、減速開始後(時点t56以降)については、第1実施形態の時点t16以降と同様のため説明を省略する。
検索値INJ2_RMAPが増加し始めると、第2設定値INJ2_RSETが、増加リミッタΔINJ2_RLMTUPにより規定される増加率で緩やかに増加していく(時点t51〜t54)。第1設定値INJ1_RSETは、検索値INJ2_RMAPの増加開始時点t51から遅延期間XINJ2CNTが経過するまでの間、当該時点t51に設定されていた値に維持される(時点t51〜t52)。したがって、第1設定値INJ1_RSETと第2設定値INJ2_RSETとの和は、1から徐々に増加していく(時点t51〜52)。連続増加期間INJ2CNTが遅延期間XINJ2CNTを経過した後は、第1設定値INJ1_RSETが、遅延期間XINJ2CNTだけ遅延した値に設定され、時間が経過するに連れて減少していく(時点t52〜t55)。なお、第1設定値INJ1_RSETと第2設定値INJ2_RSETとの和は、第2設定値INJ2_RSETが検索値INJ2_RMAPに追い付いた時点t54から1に向かって徐々に減少していく(時点t54〜t55)。
このように、本実施形態では、運転状態が高回転側に急変するような場合に、運転領域の急変当初、第1インジェクタ41の噴射割合の値を変化させない結果、第1インジェクタ41の燃料噴射量が大きくなる。これにより、燃焼室25に供給される燃料量が不足するのを好適に抑制することができ、加速性を向上することができる。
[第6実施形態]
図24は、本発明の第6実施形態に係る燃料噴射制御装置600の要部構成を示すブロック図、図25は、図24に示すECU660が実行する噴射割合設定処理の一部を示すフローチャートである。以下、本発明の第6実施形態に係る燃料噴射制御装置600について、上記実施形態との相違を中心に説明する。
(ECU)
図24に示すように、本実施形態では、記憶部662が、第5実施形態と同様にして、検索値算出マップ71及び遅延期間XINJ2CNTを予め記憶しているが、増加リミッタは記憶部662に記憶されていない。噴射割合設定部663及び噴射割合補正部664は、差分ΔINJ2_RERRがゼロ以上である場合における第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)及び第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)の設定処理で、遅延期間XINJ2CNTを用いる。ECU660は、第1実施形態と同様にして図6及び図8に示す処理を実行する一方、図7に示す処理に替えて図25に示す処理を実行する。
(加速時等における噴射割合の設定)
図25を参照すると、差分ΔINJ2_RERRがゼロ以上であれば、噴射割合設定部663が、連続増加期間INJ2CNTをカウントアップする(ステップS611)。次に、噴射割合設定部663が、上記式(7)を用いて第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)を設定する(ステップS612)。次に、噴射割合設定部663が、連続増加期間INJ2CNTが記憶部662に予め記憶されている所定期間(遅延期間)XINJ2CNTに達したか否かを判断する(ステップS613)。連続増加期間が遅延期間に達していなければ(S613:NO)、噴射割合補正部664が、上記式(6e)を用いて第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)を設定し(ステップS614)、連続増加期間が遅延期間に達していれば(S613:YES)、噴射割合補正部664が、次式(6f)を用いて第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)を設定する(ステップS615)。つまり、本実施形態では、第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)は検索値の増加率に関わらず検索値の現在値INJ2_RMAP(n)に設定される一方、第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)は第5実施形態と同様にして設定される。
(噴射割合の時間変化)
図26は、図6、図8、図25に示す噴射割合設定処理が実行された場合における第1インジェクタ41の噴射割合及び第2インジェクタ42の噴射割合の時間変化の一例を示すタイムチャートである。図26の例示でも、運転状態の変化に連れて検索値INJ2_RMAPが急増している(時点t61〜t63)。なお、減速開始後(時点t65以降)については、第1実施形態と同様のため説明を省略する。
検索値INJ2_RMAPが増加し始めると、第2設定値INJ2_RSETは検索値INJ2_RMAPに設定される(時点t61〜t63)。第1設定値INJ1_RSETは、第5実施形態と同様にして、検索値INJ2_RMAPの増加が開始した時点t61から遅延期間XINJ2CNTが経過するまで、当該時点t61に設定されていた値に維持される(時点t61〜t62)。したがって、第1設定値INJ1_RSETと第2設定値INJ2_RSETとの和が1から徐々に増加していく(時点t61〜62)。連続増加期間INJ2CNTが遅延期間XINJ2CNTを経過した後は、第1設定値INJ1_RSETが、遅延期間XINJ2CNTだけ遅延した値に設定され、時間が経過していくに連れて減少していく(時点t62〜t64)。第1設定値INJ1_RSETと第2設定値INJ2_RSETとの和は、第2設定値INJ2_RSETが検索値INJ2_RMAPに追い付いた時点t63から1に向かって次第に減少していく(時点t63〜t64)。
このように、本実施形態においては、運転領域が高回転側へ急変するような場合に、第2設定値INJ2_RSETの増加を抑制する増加リミッタを用いていないものの、運転状態の急変当初に、第1インジェクタ41の噴射割合を変化させない結果、第1インジェクタ41の燃料噴射量を大きくしている。これにより、燃焼室25に供給される燃料量が不足するのを抑制することができ、加速性を向上することができる。
[第7実施形態]
図27は、本発明の第7実施形態に係る燃料噴射制御装置700の要部構成を示すブロック図、図28は、図27に示す記憶部762に記憶される減速時割合テーブル74を示す模式図、図29は、図27に示すECU760により実行される噴射割合設定処理の一部を示すフローチャートである。以下、本発明の第7実施形態に係る燃料噴射制御装置700について、上記実施形態との相違を中心に説明する。
(ECU)
図27に示すように、本実施形態では、記憶部762が、第1実施形態と同様にして噴射割合マップ71、燃料量マップ81、補正係数マップ82及び増加リミッタΔINJ2_RLMTUPを予め記憶している。また、記憶部762は、減速時割合テーブル74を予め記憶している。噴射割合設定部763は、差分ΔINJ2_RERRがゼロ未満である場合における第1設定値INJ1_RSET及び第2設定値INJ2_RSETの設定処理において、減速時割合テーブル74を用いる。ECU760は、第1実施形態と同様にして、図6及び図7に示す処理を実行する一方、図8に示す処理に替えて図29に示す処理を実行する。
図28に示すように、減速時割合テーブル74は、スロットル開度の変化量ΔTHと、第2設定値INJ2_RSETとの対応関係を定めている。スロットル開度の変化量ΔTHが小さくなると、第2設定値INJ2_RSETが小さい値に設定される。なお、図28に示された数値は、このような傾向を表した単なる一例に過ぎず、適宜変更可能である。
(減速時等における噴射割合の設定)
図29を参照すると、差分ΔINJ2_RERRがゼロ未満であれば、噴射割合設定部763が、スロットル開度の変化量ΔTHを算出する(ステップS751)。スロットル開度の変化量ΔTHは、スロットル開度THの現在値からスロットル開度THの前回値を減算することで算出可能である。次に、噴射割合設定部763は、減速時割合テーブル74を参照して、スロットル開度の変化量ΔTHに応じた第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)を設定する(ステップS752)。次に、噴射割合設定部763は、上記式(8)を用いて第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)を設定する(ステップS753)。つまり、第1設定値の現在値INJ1_RSET(n)は、1から第2設定値の現在値INJ2_RSET(n)を減算した値に設定される。このような処理を行うことにより、スロットル開度の閉じ側への変化に対して噴射割合を敏感に変更することが可能になる。
[変形例]
これまで本発明に係る実施形態について説明したが、上記実施形態の構成及び処理は本発明の範囲内で適宜変更可能である。加速時等の噴射割合を第2〜第6実施形態に係る処理で設定し、減速時等の噴射割合を第7実施形態に係る処理で設定してもよい。また、第3〜第5実施形態に係る第2設定値の設定処理に、第2実施形態に係る増加リミッタの切替を適用してもよい。
第2実施形態に係る増加リミッタの切替は、リミッタ切替閾値と第2設定値との比較に応じて行うものに限定されず、例えば連続増加期間が所定期間を経過するまでは第1増加リミッタを適用して所定期間を経過した後は第2増加リミッタを適用するものであってもよい。第4実施形態に係るリッチ化係数は、連続増加期間に応じて設定されていてもよい。また、第1設定値INJ1_RSETを噴射割合マップ71から求まる第1インジェクタ41の噴射割合よりも増やすように補正する条件に関しては、上記実施形態のように、検索値の現在値INJ2_RMAP(n)と第2設定値の過去値(前回値)INJ2_RSET(n-1)との差分がゼロより大きい所定閾値を超えるとの条件に限られず、検索値の現在値INJ2_RMAP(n)と検索値の前回値INJ2_RMAP(n-1)との差分がゼロより大きい所定閾値を超えるとの条件であってもよい。この場合、図9の時点t13〜t14に示すように、検索値INJ2_RMAPが減少傾向に転じても第2設定値INJ2_RSETが増加リミッタΔINJ2_RLMTUPにより規定される増加率で緩やかに上昇し続ける状況を確保するために、図7に示すフローにおいてフラグを立てるなどのプログラミング技術を適宜適用してもよい。
また、本発明の実施形態に係る燃料噴射制御装置は、モトクロッサーのみならず、その他のタイプの自動二輪車にも好適に適用されるし、自動二輪車以外の乗物、例えば、不整地走行車や小型滑走艇にも好適に適用される。
本発明は、ツインインジェクタの制御にあたって、第2インジェクタの噴射割合を大きくさせようとするときに、燃焼室に実際に供給される燃料量が不足するのを抑制することができるとの作用効果を奏し、ツインインジェクタが適用されたエンジンに広く利用することができる。特に、本発明は、スロットルグリップの急操作、車輪の空転及び車体のジャンプ等により、エンジンの運転領域が頻繁に急変しがちなオフロード車に搭載されると有益である。
100、200、300、400、500、600、700 燃料噴射制御装置
1 自動二輪車
10 エンジン
25 燃焼室
41 第1インジェクタ
42 第2インジェクタ
60、260、360、460、560、660、760 電子制御ユニット(ECU)
62、262、362、462、562、662、762 記憶部
63、263、363、463、563、663、763 噴射割合設定部
64、264、364、464、564、664、764 噴射割合補正部
65 燃料量設定部
66 インジェクタ制御部
71 検索値算出マップ
72 割合増加率マップ
73 リッチ化係数テーブル
74 減速時割合テーブル
81 燃料量マップ
82 補正係数マップ
T1OUT 第1インジェクタの燃料噴射量の指令値
T2OUT 第2インジェクタの燃料噴射量の指令値
TTOTALOUT 総噴射量
INJ1_RSET 第1インジェクタの噴射割合の設定値
INJ2_RMAP 第2インジェクタの噴射割合の検索値
INJ2_RSET 第2インジェクタの噴射割合の設定値
ΔINJ2_RERR 検索値の現在値と第2設定値の前回値との差分
ΔINJ2_RMAP 第2インジェクタの噴射割合の検索値の変化率
ΔINJ2_RLMTUP 増加リミッタ
ΔINJ2_RLMTUP1 第1増加リミッタ
ΔINJ2_RLMTUP2 第2増加リミッタ
INJ2LMTCHG リミッタ切替閾値
ΔINJ2_RSETUP 第2設定値の増加率の設定値
INJ1MRICH リッチ化係数
INJ2_RDEV 検索値の現在値と第2設定値の現在値との偏差
INJ2CNT 連続増加期間
XINJ2CNT 遅延期間

Claims (12)

  1. エンジンに燃料を供給するために燃料を噴射する第1インジェクタと、
    前記エンジンに燃料を供給するために、前記第1インジェクタよりも吸気上流側から燃料を噴射する第2インジェクタと、
    前記エンジンの運転状態と、前記第1インジェクタ及び前記第2インジェクタの総噴射量に対する前記第1インジェクタ及び前記第2インジェクタの各々の噴射割合との間の対応関係を決めるための噴射割合マップを予め記憶した記憶手段と、
    前記噴射割合マップを参照し、前記エンジンの運転状態に応じて前記第1インジェクタの噴射割合及び前記第2インジェクタの噴射割合をそれぞれ第1設定値及び第2設定値として逐次設定する噴射割合設定手段と、
    前記第1設定値及び前記第2設定値に従って、前記第1インジェクタ及び前記第2インジェクタから噴射される燃料の噴射量を制御するインジェクタ制御手段と、
    前記エンジンの運転状態に応じて前記噴射割合マップから逐次読み出される前記第2インジェクタの噴射割合が所定の判断基準よりも大きく増加したとの条件が成立したとき、前記第1設定値を、前記噴射割合マップから求まる前記第1インジェクタの噴射割合よりも増やすように補正する噴射割合補正手段と、を備えている、燃料噴射制御装置。
  2. 前記条件は、前記エンジンの運転状態に応じて前記噴射割合マップから逐次読み出される前記第2インジェクタの噴射割合の前記第2設定値の過去値に対する増加量が所定の閾値よりも大きいとの条件を有している、請求項1に記載の燃料噴射制御装置。
  3. 前記記憶手段は、前記エンジンの運転状態と前記総噴射量との間の対応関係を決めるための総噴射量マップを予め記憶しており、
    前記噴射割合補正手段は、前記条件が成立したとき、前記第1インジェクタ及び前記第2インジェクタから噴射させる燃料の総噴射量を前記総噴射量マップから求まる総噴射量から変えない状態で、前記第2設定値を、前記噴射割合マップから求まる前記第2インジェクタの噴射割合よりも減らすように補正する、請求項2に記載の燃料噴射制御装置。
  4. 前記噴射割合補正手段は、前記条件が成立したとき、前記第2設定値の増加率を前記閾値と略同一になるように補正する、請求項3に記載の燃料噴射制御装置。
  5. 前記噴射割合設定手段は、前記第2設定値を所定の切替閾値と比較し、
    前記噴射割合補正手段は、前記第2設定値が前記切替閾値未満であるときには、前記条件の成否判定に用いる前記閾値に第1の増加率閾値を適用し、前記第2設定値が前記切替閾値以上であるときには、前記条件の成否判定に用いる前記閾値に前記第1の増加率閾値よりも大きい第2の増加率閾値を適用する、請求項4に記載の燃料噴射制御装置。
  6. 前記噴射割合補正手段は、前記条件が成立した場合に、前記第2設定値の増加率が徐々に大きくなるようにして、前記第2設定値を設定する、請求項3に記載の燃料噴射制御装置。
  7. 前記記憶手段は、前記エンジンの運転状態と前記総噴射量との間の対応関係を決めるための総噴射量マップを予め記憶しており、
    前記噴射割合補正手段は、前記条件が成立したとき、前記第1インジェクタ及び前記第2インジェクタから噴射させる燃料の総噴射量が前記総噴射量マップから求まる総噴射量よりも増加するように、前記第1設定値を、前記噴射割合マップから求まる噴射割合以下に設定された前記第2設定値に基づく前記第1インジェクタの噴射割合よりも増やすように補正する、請求項1又は2に記載の燃料噴射制御装置。
  8. 前記噴射割合補正手段は、前記条件が成立したとき、前記第2設定値を、前記噴射割合マップから求まる前記第2インジェクタの噴射割合よりも減らすように補正し、且つ、当該第2設定値と前記噴射割合マップから求まる前記第2インジェクタの噴射割合との偏差に応じて、前記第1設定値の補正量を決定する、請求項7に記載の燃料噴射制御装置。
  9. 前記噴射割合補正手段は、前記条件が成立した場合に、前記第1設定値を、所定期間だけ遅延してから減少させていくようにして設定する、請求項7に記載の燃料噴射制御装置。
  10. 前記噴射割合補正手段は、前記条件が成立したとき、前記第1設定値の遅延設定と共に、前記第2設定値を、前記噴射割合マップから求まる前記第2インジェクタの噴射割合よりも減らすように補正する、請求項9に記載の燃料噴射制御装置。
  11. 前記噴射割合設定手段は、前記噴射割合マップから逐次読み出される前記第2インジェクタの噴射割合がスロットル開度の閉じ側への変化に応じて減少した場合に、前記第1設定値及び前記第2設定値をそれぞれ、前記噴射割合マップから求まる値に設定する、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の燃料噴射制御装置。
  12. 前記噴射割合補正手段は、前記噴射割合マップから逐次読み出される前記第2インジェクタの噴射割合がスロットル開度の閉じ側への変化に応じて減少した場合に、前記第2設定値を、前記スロットル開度の変化量に応じて、前記噴射割合マップから求まる前記第2インジェクタの噴射割合よりも小さい値に補正する、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の燃料噴射制御装置。
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