JP2023040545A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ショックの発生を抑制しつつ減速感を確保した内燃機関の制御装置を提供する。【解決手段】筒内噴射弁とポート噴射弁とを備えた内燃機関に適用され、前記筒内噴射弁のみから燃料が噴射される筒内モード、前記ポート噴射弁のみから燃料が噴射されるポートモード、及び前記筒内噴射弁及びポート噴射弁の双方から燃料が噴射されるデュアルモードの何れか一つに噴射モードを切り替えるとともに、必要噴射量に応じて前記モードの比率が決定される内燃機関の制御装置において、アクセルオンからアクセルオフへの切り替えの際に前記必要噴射量を徐々に低下させることにより前記内燃機関のトルクの低下率を制限するガタ詰め制御の実行中において、前記ガタ詰め制御の完了時での前記必要噴射量を噴射可能か否かを予測する予測部と、前記予測部による判定に応じて、前記噴射モードを切り替える切替制御部と、を備えた内燃機関の制御装置。【選択図】図4
Description
本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
筒内噴射弁とポート噴射弁を備えた内燃機関の制御装置が知られている。このような制御装置は、ポート噴射弁のみから燃料が噴射されるポートモード、筒内噴射弁のみから燃料が噴射される筒内モード、及びポート噴射弁及び筒内噴射弁の双方から燃料が噴射されるデュアルモードの何れかに噴射モードを切り替える。必要噴射量に応じて、筒内噴射弁とポート噴射弁の噴射比率が決定され、必要噴射量が少ないほどポート噴射弁からの噴射量の比率を高め、必要噴射量が多いほど筒内噴射弁からの噴射量の比率が高くなるように制御される(例えば特許文献1参照)。
アクセルオンからアクセルオフへの切り替え時には内燃機関のトルクが低下するが、この際の内燃機関のトルクの低下率が大きいとショックが発生するおそれがある。このようなショックを抑制するために、必要噴射量を徐々に低下させることによりトルクの低下率を制限するガタ詰め制御が実行される場合がある。
ガタ詰め制御の実行中に噴射モードが切り替えられると、トルクが変動してショックが発生するおそれがある。一方で、ガタ詰め制御中に噴射モードを切り替えずに維持すると、その噴射モードでは必要噴射量に対応できずに、結果的にトルクを低下させることができずに減速感を確保することができないおそれがある。
そこで本発明は、ショックの発生を抑制しつつ減速感を確保した内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的は、筒内噴射弁とポート噴射弁とを備えた内燃機関に適用され、前記筒内噴射弁のみから燃料が噴射される筒内モード、前記ポート噴射弁のみから燃料が噴射されるポートモード、及び前記筒内噴射弁及びポート噴射弁の双方から燃料が噴射されるデュアルモードの何れか一つに噴射モードを切り替えるとともに、必要噴射量に応じて、前記筒内噴射弁と前記ポート噴射弁の噴射比率が決定され、前記必要噴射量が少ないほど前記ポート噴射弁からの噴射量の比率を高め、前記必要噴射量が多いほど前記筒内噴射弁からの噴射量の比率を高めるように制御する内燃機関の制御装置において、アクセルオンからアクセルオフへの切り替えの際に前記必要噴射量を徐々に低下させることにより前記内燃機関のトルクの低下率を制限するガタ詰め制御の実行中において、前記噴射モードが前記筒内モード又は前記デュアルモードである場合には、前記噴射モードを維持したまま前記ガタ詰め制御の完了時での前記必要噴射量を噴射可能か否かを予測する予測部と、前記予測部により肯定判定がなされた場合には前記噴射モードのまま前記ガタ詰め制御を継続し、前記予測部により否定判定がなされた場合には、前記噴射モードが前記筒内モードの場合には前記デュアルモードに切り替え、前記噴射モードが前記デュアルモードの場合には前記ポートモードに切り替える切替制御部と、を備えた内燃機関の制御装置によって達成できる。
本発明によれば、ショックの発生を抑制しつつ減速感を確保した内燃機関の制御装置を提供できる。
[車両の概略構成]
図1は、本実施例の車両1の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、車両1は、エンジン2、動力伝達装置3、駆動輪4、ECU(Electronic Control Unit)30を含む。
図1は、本実施例の車両1の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、車両1は、エンジン2、動力伝達装置3、駆動輪4、ECU(Electronic Control Unit)30を含む。
エンジン2は車両1の駆動力源である。エンジン2は、例えばガソリンを燃料とするガソリンエンジンであり、内燃機関の一例である。エンジン2のトルクは、動力伝達装置3を通じて駆動輪4に伝達される。
動力伝達装置3は、エンジン2のトルクを駆動輪4に伝達する。動力伝達装置3には、例えば変速機、ディファレンシャル、ドライブシャフト等が含まれる。トランスミッションは、例えば手動変速機であってもよいし、トルクコンバータを含む自動変速機である。動力伝達装置3には、例えばトランスファやプロペラシャフトが含まれてもよい。
駆動輪4は、動力伝達装置3から伝達されるエンジン2の動力で路面に駆動力を発生させて、車両1を走行させる。駆動輪4は左右の前輪であってもよいし、左右の後輪であってもよいし、その両方であってもよい。
ECU30は、車両1に関する制御処理を行う電子制御ユニットである。ECU30は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の揮発性や不揮発性のメモリを含むコンピュータを中心に構成される。ECU30は、メモリにインストールされるプログラムをCPU上で実行することにより車両1に関する各種の制御処理を実現する。ECU30には詳しくは後述するが、各種センサが接続されている。ECU30は、内燃機関の制御装置の一例であり、詳しくは後述する予測部及び切替制御部を機能的に実現する。
[エンジンの概略構成]
図2は、エンジンの概略構成図である。エンジン2の各気筒12内にはピストン13が備えられている。ピストン13は、エンジン2の出力軸であるクランク軸15にコネクティングロッド14を介して連結されている。ピストン13の往復運動は、コネクティングロッド14によりクランク軸15の回転運動に変換される。
図2は、エンジンの概略構成図である。エンジン2の各気筒12内にはピストン13が備えられている。ピストン13は、エンジン2の出力軸であるクランク軸15にコネクティングロッド14を介して連結されている。ピストン13の往復運動は、コネクティングロッド14によりクランク軸15の回転運動に変換される。
各気筒12内にあってピストン13の上方には燃焼室16が区画形成されており、この燃焼室16には、燃料及び空気の混合気に対して点火を行う点火プラグ18が取り付けられている。この点火プラグ18による混合気への点火タイミングは、点火プラグ18の上方に設けられたイグナイタ19によって調整される。
燃焼室16には、吸気通路20及び排気通路21が連通されている。吸気通路20には燃焼室16に導入される空気量を調量するスロットルバルブ(図示略)が設けられており、排気通路21には混合気の空燃比が所定範囲内の値となっているときに排気を浄化する触媒50が設けられている。より詳細には、混合気の空燃比が理論空燃比となっているときに、触媒50では排気中の有害成分(主にHC、CO、NOx)が効果的に浄化される。
吸気通路20の一部を構成する各吸気ポート20aには、吸気ポート20a内に燃料を噴射するポート噴射弁22が気筒12毎に設けられている。このポート噴射弁22は低圧デリバリパイプ42に接続されており、低圧デリバリパイプ42には、フィードポンプ41がくみ上げた燃料タンク40内の燃料が送油される。低圧デリバリパイプ42内は比較的低い燃圧に維持されているため、ポート噴射弁22は比較的少ない噴射量で燃料を噴射する。
エンジン2には、各燃焼室16内に燃料をそれぞれ噴射する筒内噴射弁17が設けられている。この筒内噴射弁17は、高圧デリバリパイプ44に接続されており、高圧デリバリパイプ44には、フィードポンプ41が燃料タンク40からくみ上げた燃料を昇圧する高圧ポンプ43からの高圧燃料が圧送される。高圧デリバリパイプ44内は比較的高い燃圧に維持されているため、筒内噴射弁17は比較的多い噴射量で燃料を噴射する。
ECU30には、アクセル開度センサ31、シフトレンジセンサ32、エアフロメータ33、クランク角センサ34、空燃比センサ35、燃圧センサ36、及び燃料温度センサ37が接続されており、それら各種センサからの出力信号が入力される。アクセル開度センサ31は、アクセル開度を検出する。シフトレンジセンサ32は、自動変速機の変速段を検出する。エアフロメータ33は、吸入空気量を検出する。クランク角センサ34は、クランク軸15の回転角を検出する。空燃比センサ35は、触媒50よりも上流の排気通路21に設けられて空燃比を検出する。燃圧センサ36は、高圧デリバリパイプ44内の燃圧を検出する。燃料温度センサ37は、高圧デリバリパイプ44内の燃料温度を検出する。
ECU30は、クランク角センサ34の出力信号に基づいてエンジン2の回転速度を演算する。ECU30は、回転速度及び吸入空気量に基づいてトルクを演算する。また、ECU30は、アクセル開度や変速段に基づいて、エンジン2の目標トルク及び目標回転速度を算出し、エンジン2のトルク及び回転速度がそれぞれ目標トルク及び目標回転速度になるように制御される。エンジン2のトルクや回転速度は、燃料噴射量や吸入空気量、点火時期を調整することにより制御される。
ECU30は、エンジン2の運転状態に応じて噴射モードを、筒内モード、ポートモード、及びデュアルモードの何れかに切り替える。筒内モードは、筒内噴射弁17のみから燃料が噴射される噴射モードである。ポートモードは、ポート噴射弁22のみから燃料が噴射される噴射モードである。デュアルモードは、筒内噴射弁17とポート噴射弁22との双方から燃料が噴射される噴射モードである。
図3は、回転速度及びトルクに応じて切り替えられる噴射モードを規定したマップの一例である。要求される必要噴射量は、筒内モード、デュアルモード、及びポートモードの順に少なくなる。従って、必要噴射量が多い高負荷領域や高回転領域では、噴射モードは筒内モードに切り替えられる。必要噴射量が少ない低回転且つ低負荷領域では、噴射モードはポートモードに切り替えられる。その他の機関運転領域では、噴射モードはデュアルモードに切り替えられる。噴射モードの切り替えは、具体的には機関運転状態に基づいて設定される必要噴射量のうちでポート噴射弁22から噴射させる噴射量の割合を示すポート噴射割合Rpを変更することにより実行される。尚、本明細書では、筒内モードでの噴射量やポートモードでの噴射量についても、必要噴射量として説明する。
ポート噴射割合Rpは、機関運転状態に基づき「0≦Rp≦1」の範囲内で可変設定される。従って必要噴射量に対してポート噴射割合Rpを乗算して得られる噴射量が、ポート噴射弁22の噴射量として設定される。一方、「1」からポート噴射割合Rpを減じた値が、必要噴射量のうちで筒内噴射弁17から噴射させる燃料量の割合を示す筒内噴射割合Rdである(Rd=1-Rp)。従って必要噴射量に対して筒内噴射割合Rdを乗算して得られる噴射量が、筒内噴射弁17の噴射量として設定される。
アイドル運転時などのような低負荷且つ低回転領域では、ポート噴射割合Rpは「1」に設定され、筒内噴射割合Rdは「0」に設定される。高負荷領域や高回転領域では、ポート噴射割合Rpは「0」に設定され、筒内噴射割合Rdは「1」に設定される。その他の機関運転領域では、ポート噴射割合Rpは「0<Rp<1」の範囲内で可変設定され、これに伴い筒内噴射割合Rdも可変設定される。
[ガタ詰め制御]
ECU30は、アクセル開度センサ31によりアクセルオンからアクセルオフに切り替わったことが検出された際でのエンジン2の目標トルクの低下量が閾値以上であった場合に、ガタ詰め制御を実行する。ガタ詰め制御とは、動力伝達装置3が駆動状態から被駆動状態へ移行する際における動力伝達装置3のギヤのバックラッシュに起因するショックを抑制するために、エンジン2のトルク低下率(単位時間当たりのトルクの低下量)を制限する制御である。具体的には、ECU30は吸入空気量を最小吸入空気量になるまで徐々に低下しつつ点火時期を徐々に遅角すると共に、必要噴射量を徐々に低下させる。これによりトルク低下率が大きくなりすぎないように制限しつつ、エンジン2のトルクを低下させることができ、ショックの発生を抑制できる。最小吸入空気量とは、ガタ詰め制御が実行される際のエンジン2の回転速度でのエンジン2がストールしない吸入空気量の最小値である。ガタ詰め制御は、上述した目標トルクの低下量の分だけ実際のトルクが低下した場合に終了する。
ECU30は、アクセル開度センサ31によりアクセルオンからアクセルオフに切り替わったことが検出された際でのエンジン2の目標トルクの低下量が閾値以上であった場合に、ガタ詰め制御を実行する。ガタ詰め制御とは、動力伝達装置3が駆動状態から被駆動状態へ移行する際における動力伝達装置3のギヤのバックラッシュに起因するショックを抑制するために、エンジン2のトルク低下率(単位時間当たりのトルクの低下量)を制限する制御である。具体的には、ECU30は吸入空気量を最小吸入空気量になるまで徐々に低下しつつ点火時期を徐々に遅角すると共に、必要噴射量を徐々に低下させる。これによりトルク低下率が大きくなりすぎないように制限しつつ、エンジン2のトルクを低下させることができ、ショックの発生を抑制できる。最小吸入空気量とは、ガタ詰め制御が実行される際のエンジン2の回転速度でのエンジン2がストールしない吸入空気量の最小値である。ガタ詰め制御は、上述した目標トルクの低下量の分だけ実際のトルクが低下した場合に終了する。
ガタ詰め制御の実行中に図3のマップに従って噴射モードを切り替えるとショックが発生するおそれがある。一方、ガタ詰め制御の実行中に噴射モードを切り替えずに維持すると、減速感を確保することができないおそれがある。そこでECU30は、ガタ詰め制御中は図3に示したマップによらずに以下のように噴射モードの切り替えを制御する噴射切替制御を実行する。
[噴射切替制御]
次にECU30が実行する噴射切替制御について説明する。図4は、噴射切替制御の一例を示したフローチャートである。本制御はイグニッションオンの状態で繰り返し実行される。ECU30はガタ詰め制御の実行中であるか否かを判定する(ステップS1)。具体的には、アクセルオンからアクセルオフに切り替わった際のエンジン2の目標トルクの低下量が閾値以上であった場合に、ガタ詰め制御の実行中であると判定される。ステップS1でNoの場合には本制御は終了する。
次にECU30が実行する噴射切替制御について説明する。図4は、噴射切替制御の一例を示したフローチャートである。本制御はイグニッションオンの状態で繰り返し実行される。ECU30はガタ詰め制御の実行中であるか否かを判定する(ステップS1)。具体的には、アクセルオンからアクセルオフに切り替わった際のエンジン2の目標トルクの低下量が閾値以上であった場合に、ガタ詰め制御の実行中であると判定される。ステップS1でNoの場合には本制御は終了する。
ステップS1でYesの場合には、噴射モードが筒内モード又はデュアルモードであるか否かを判定する(ステップS2)。
ステップS2でYesの場合に、ECU30は現状の噴射モードを維持したままガタ詰め制御を完了可能か否かを予測する(ステップS3)。具体的には、現状の噴射モードで筒内噴射弁17の噴射量を、ガタ詰め制御の完了時での必要噴射量に筒内噴射割合Rdを乗算して得られた噴射量にまで低下させることができるか否かを予測する。ガタ詰め制御では必要噴射量を徐々に低下させるため、ガタ詰め制御中での必要噴射量のうち、ガタ詰め制御の完了時での必要噴射量が最小である。ここで上述したように、筒内噴射弁17には高圧デリバリパイプ44内から高圧の燃料が供給されるため、筒内噴射弁17はポート噴射弁22と比較して噴射量を少なくすることができない。このため、筒内噴射弁17の開弁期間を最小にしても、現状の噴射モードでは筒内噴射弁17の噴射量を上述した噴射量にまで低下することができないおそれがある。現状の噴射モードで筒内噴射弁17の噴射量を上述した噴射量にまで低下することができると予測される場合には、ステップS3でYesと判定される。現状の噴射モードでは筒内噴射弁17の噴射量を上述した噴射量にまで低下することができない予測される場合には、ステップS3でNoと判定される。ステップS3の処理は予測部が実行する処理の一例である。ステップS3の詳細な予測方法については詳しくは後述する。
ステップS3でYesの場合、ECU30は図3に示したマップによらずに現状の噴射モードを維持する(ステップS4)。これにより、現状の噴射モードを維持してガタ詰め制御が継続され、ショックの発生を抑制できる。ステップS4の処理は切替制御部が実行する処理の一例である。
次にECU30は、ガタ詰め制御が完了したか否かを判定する(ステップS5)。ガタ詰め制御が開始されてからのエンジン2の実際のトルクの低下量が上述した目標トルク以上になった場合に、ガタ詰め制御は完了したものと判定される。ステップS5でNoの場合には、再度ステップS2以降の処理が実行される。
ステップS2でNoの場合、ステップS4以降の処理が実行される。この場合、噴射モードはポートモードに維持され、ガタ詰め制御が継続される。現状の噴射モードがポートモードの場合には、噴射量を十分に低下させることができ、ガタ詰め制御の完了時での必要噴射量を実現することができるからである。
ステップS3でNoの場合、ECU30は噴射モードを切り替える(ステップS6)。具体的には、現状の噴射モードが筒内モードの場合には、デュアルモードに切り替えられる。現状の噴射モードがデュアルモードの場合には、ポートモードに切り替えられる。次にECU30はその噴射モードを維持する(ステップS4)。このように現状の噴射モードから噴射量がより少ない噴射に適した噴射モードに切り替えることにより、減速感を確保することができる。ステップS6の処理は、切替制御部が実行する処理の一例である。次にステップS5の処理が実行される。
[ガタ詰め制御を完了可能か否かの予測制御]
次に、ステップS3でのガタ詰め制御を完了可能か否かの予測制御の詳細について説明する。上述したように本制御では、現状の噴射モードで筒内噴射弁17の噴射量を、ガタ詰め制御の完了時での必要噴射量に筒内噴射割合Rdを乗算して得られた噴射量にまで低下させることができるか否かを予測する。ここで、ポート噴射弁22は上述したように比較的少ない噴射量であるため、噴射モードがデュアルモードの場合でのポート噴射弁22の噴射量については、このような予測は行われない。
次に、ステップS3でのガタ詰め制御を完了可能か否かの予測制御の詳細について説明する。上述したように本制御では、現状の噴射モードで筒内噴射弁17の噴射量を、ガタ詰め制御の完了時での必要噴射量に筒内噴射割合Rdを乗算して得られた噴射量にまで低下させることができるか否かを予測する。ここで、ポート噴射弁22は上述したように比較的少ない噴射量であるため、噴射モードがデュアルモードの場合でのポート噴射弁22の噴射量については、このような予測は行われない。
図5は、ガタ詰め制御を完了可能か否かの予測制御の一例を示したフローチャートである。ECU30は、ガタ詰め制御の完了時間を算出する(ステップS11)。ガタ詰め制御は吸入空気量が最小吸入空気量に到達すると完了するため、ガタ詰め制御での目標トルク低下率と現在の吸入空気量と最小吸入空気量とに基づいて、ガタ詰め制御の完了時間が算出される。現在の吸入空気量は、エアフロメータ33により検出される。最小吸入空気量とは、上述したようにガタ詰め制御が実行される際の回転速度でエンジン2がストールしない吸入空気量の最小値である。最小吸入空気量は、エンジン2の回転速度毎に規定されたマップに基づいて算出される。エンジン2の回転速度は、クランク角センサ34の検出値に基づいて算出される。目標トルク低下率は、ガタ詰め制御におけるエンジン2のトルクの単位時間当たりの低下量であり、現在の変速段と回転速度とに応じて規定されたマップに基づいて算出される。現在の変速段は、シフトレンジセンサ32によって検出される。目標トルク低下率は、ショックが発生しないトルク低下率に規定されている。尚、目標トルク低下率は、上記のマップに基づいて、変速段が低い方が小さい値として算出され、回転速度が遅いほど小さい値として算出される。
次にECU30は、ガタ詰め制御の実行中での吸入空気量の平均値と現在の回転速度と現在の目標空燃比とにより、ガタ詰め制御が完了するまでに噴射される噴射量の積算値である積算噴射量を算出する(ステップS12)。吸入空気量の平均値は、現在の吸入空気量に最小吸入空気量を加算して2で除算することにより算出できる。
次にECU30は、ガタ詰め制御の完了時での予測される高圧デリバリパイプ44内の燃圧である予測燃圧を算出する(ステップS13)。予測燃圧は、燃圧センサ36により検出される現在の燃圧から、ガタ詰め制御の完了時での燃圧の低下分を減算することにより算出される。燃圧の低下分は、以下の式により算出される。
燃圧の低下分[MPa]=体積弾性率[MPa]×燃料容積低下分[cc]/高圧デリバリパイプ44の容積[cc]
体積弾性率は、燃料温度センサ37によって検出された燃料の温度に基づいて算出される。燃料容積低下分は、ステップS12で算出された積算噴射量に筒内噴射割合Rdを乗算して得られた噴射量が相当する。燃料容積低下分の算出の際にも、噴射モードが筒内モードの場合には筒内噴射割合Rdは「1」であり、噴射モードがデュアルモードの場合には筒内噴射割合Rdは「0<Rd<1」を満たす値である。高圧デリバリパイプ44の容積は、予めECU30のメモリに記憶されている。
燃圧の低下分[MPa]=体積弾性率[MPa]×燃料容積低下分[cc]/高圧デリバリパイプ44の容積[cc]
体積弾性率は、燃料温度センサ37によって検出された燃料の温度に基づいて算出される。燃料容積低下分は、ステップS12で算出された積算噴射量に筒内噴射割合Rdを乗算して得られた噴射量が相当する。燃料容積低下分の算出の際にも、噴射モードが筒内モードの場合には筒内噴射割合Rdは「1」であり、噴射モードがデュアルモードの場合には筒内噴射割合Rdは「0<Rd<1」を満たす値である。高圧デリバリパイプ44の容積は、予めECU30のメモリに記憶されている。
次に、ECU30は予測燃圧に基づいて、筒内噴射弁17の噴射可能量の最小値である最小噴射量を算出する(ステップS14)。最小噴射量は、高圧デリバリパイプ44の燃圧が予測燃圧であり筒内噴射弁17の開弁期間が最小値であると仮定した場合での筒内噴射弁17の噴射量である。筒内噴射弁17の開弁期間の最小値は予めECU30のメモリに記憶されている。
次にECU30は、目標空燃比と最小吸入空気量とに基づいて、ガタ詰め制御の完了時に要求される筒内噴射弁17の噴射量である完了時噴射量を算出する(ステップS15)。完了時噴射量は、吸入空気量が最小吸入空気量の場合に目標空燃比を実現するための必要噴射量に筒内噴射割合Rdを乗算して得られた噴射量に相当する。完了時噴射量の算出の際にも、噴射モードが筒内モードの場合には筒内噴射割合Rdは「1」であり、噴射モードがデュアルモードの場合には筒内噴射割合Rdは「0<Rd<1」を満たす値である。
次にECU30は、完了時噴射量が最小噴射量以上であるか否かを判定する(ステップS16)。ステップS16でYesの場合、ECU30はガタ詰め制御の完了が可能であると判定する(ステップS17)。この場合、筒内噴射弁17の開弁期間を調整することにより完了時噴射量相当の燃料噴射を実現できるからである。ステップS16でNoの場合、現状の噴射モードではガタ詰め制御の完了は不可能であるとして、ECU30は噴射モードの切り替えが必要であると判定する(ステップS18)。この場合、筒内噴射弁17の開弁期間を最小にしても筒内噴射弁17の噴射量が完了時噴射量よりも多くなるからである。
このように、ガタ詰め制御の完了時での高圧デリバリパイプ44内の予測燃圧等に基づいて、筒内噴射弁17の完了時噴射量及び最小噴射量を精度よく算出することができる。これにより、現状の噴射モードを維持したままガタ詰め制御を完了可能か否かを、精度よく予測することができる。
上記実施例では車両1の走行動力源であるエンジン2に適用されたECU30を例に説明したが、これに限定されない。例えば、動力源としてエンジンに加えてモータを用いるハイブリッド車両に搭載されるエンジンの制御装置や、自動二輪車等に搭載されるエンジンの制御装置、船舶や建設機械等のように車両以外のものに搭載されるエンジンの制御装置にも上記実施例の内容を適用することができる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
2 エンジン
17 筒内噴射弁
22 ポート噴射弁
30 ECU(制御装置)
44 高圧デリバリパイプ
17 筒内噴射弁
22 ポート噴射弁
30 ECU(制御装置)
44 高圧デリバリパイプ
Claims (1)
- 筒内噴射弁とポート噴射弁とを備えた内燃機関に適用され、前記筒内噴射弁のみから燃料が噴射される筒内モード、前記ポート噴射弁のみから燃料が噴射されるポートモード、及び前記筒内噴射弁及びポート噴射弁の双方から燃料が噴射されるデュアルモードの何れか一つに噴射モードを切り替えるとともに、必要噴射量に応じて、前記筒内噴射弁と前記ポート噴射弁の噴射比率が決定され、前記必要噴射量が少ないほど前記ポート噴射弁からの噴射量の比率を高め、前記必要噴射量が多いほど前記筒内噴射弁からの噴射量の比率を高めるように制御する内燃機関の制御装置において、
アクセルオンからアクセルオフへの切り替えの際に前記必要噴射量を徐々に低下させることにより前記内燃機関のトルクの低下率を制限するガタ詰め制御の実行中において、前記噴射モードが前記筒内モード又は前記デュアルモードである場合には、前記噴射モードを維持したまま前記ガタ詰め制御の完了時での前記必要噴射量を噴射可能か否かを予測する予測部と、
前記予測部により肯定判定がなされた場合には前記噴射モードのまま前記ガタ詰め制御を継続し、前記予測部により否定判定がなされた場合には、前記噴射モードが前記筒内モードの場合には前記デュアルモードに切り替え、前記噴射モードが前記デュアルモードの場合には前記ポートモードに切り替える切替制御部と、を備えた内燃機関の制御装置。
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