JP4492489B2 - エンジンの制御装置 - Google Patents

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本発明は、エンジンの制御装置に関し、特に、エンジン回転数が低下した場合に、エンジンに吸入される空気量を大きくする技術に関する。
従来より、エンジンとトランスミッションとを連結するクラッチを、運転者が自ら操作することにより解放させたり係合させたりするMT(Manual Transmission)車がある。このようなMT車においては、たとえば車両を発進させる際、クラッチペダル操作とは別に、アクセルペダルを操作して、エンジン回転数を上昇させる。そのため、クラッチペダル操作とアクセルペダル操作とのタイミングが合わず、アクセルペダル操作が遅れた場合には、クラッチが係合することによりエンジンの負荷が高くなり、エンジン回転数が低下し得る。この場合、エンジンがストールしたり、振動が過大になったりし得る。そこで、MT車における発進時操作を補助する技術がある。
特開昭60−35146号公報(特許文献1)に記載の手動変速機付自動車の発進制御装置は、自動車を円滑に発進させることができる発進制御装置を開示する。この公報に記載の発進制御装置は、クラッチペダルによりクラッチを操作するクラッチ操作機構および手動変速機を備えた手動変速機付自動車の発進制御装置である。この発進制御装置は、自動車の発進状態を検出し、発進情報を出力する発進状態検出部と、エンジン回転数に対応した出力を発生する回転センサと、発進状態検出部から発進情報が出力された場合、回転センサによって検出されたエンジン回転数が円滑な発進に対応して予め設定されたエンジン回転数以下のときにエンジン回転数を上昇させるエンジン回転数上昇部と、クラッチ操作機構とは別に設けられ、クラッチを断続させるクラッチ制御機構と、エンジン回転数上昇部が作動したにも関わらず、回転センサによって検出されたエンジン回転数が設定されたエンジン回転数以下のときには、クラッチ制御機構によりクラッチを半クラッチ状態に制御する制御部とを含む。エンジン回転数が設定されたエンジン回転数より高くなると、エンジン回転数は、設定されたエンジン回転数まで下げられる。
この公報に記載の手動変速機付自動車の発進制御装置によれば、発進時にエンジン回転数を検出すると共に、発進時のエンジン回転数が下がった場合、まず、エンジン回転数上昇部によりエンジン回転数を上昇させる。そして、エンジン回転数上昇部が作動したにも関わらず、負荷が大きすぎてエンジン回転数が上がらない場合にだけ、制御部により現在のペダル操作に関係なくクラッチを半クラッチ状態に制御してエンジン回転数を上げるようにしている。これにより、発進操作の上手、下手に関係なく、発進時のエンジン回転数の上昇を円滑に行なうことができる。そのため、発進時にエンジンストールが発生したり、エンジン回転数が低下して不快な発進時振動が発生したりすることを防止することができる。
特開昭60−35146号公報(特公平5−19028号公報)
しかしながら、特開昭60−35146号公報に記載の手動変速機付自動車の発進制御装置においては、クラッチが係合状態である場合にエンジン回転数が上昇され、エンジン回転数が設定されたエンジン回転数より高くなると、エンジン回転数は、設定されたエンジン回転数まで下げられる。そのため、エンジン回転数が急に増減され、エンジン回転数のハンチングが生じ得る。ハンチングを防止するために、エンジン回転数を緩やかに上昇させるということが考えられる。しかしながら、エンジン回転数を緩やかに上昇させると、エンジン回転数が急低下した場合に対応することができない。
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、ハンチングを抑制しつつ、エンジン回転数を速やかに上昇させることができるエンジンの制御装置を提供することである。
第1の発明に係るエンジンの制御装置は、エンジンに吸入される空気量を調整するための調整手段と、空気量の目標値を設定するための設定手段と、空気量が目標値になるように、調整手段を制御するための制御手段とを含む。設定手段は、エンジンの回転数が予め定められた回転数よりも低い場合、目標値に応じた変化率で目標値を大きくするように、目標値を設定するための手段を含む。
第1の発明によれば、空気量の目標値が設定され、空気量が目標値になるように、調整手段が制御される。目標値は、エンジンの回転数が予め定められた回転数よりも低い場合、目標値に応じた変化率で大きくされる。たとえば、目標値が大きい場合は小さい場合に比べて、小さい変化率で目標値が大きくされる。これにより、目標値を大きくし始めてから十分に時間が経過し、空気量の目標値が大きくなった後は、目標値が急に大きくなることを抑制することができる。そのため、エンジン回転数が予め定められた回転数に近づいた状態で、エンジン回転数が急上昇することを抑制することができる。その結果、エンジン回転数が頻繁に増減されることを抑制し、ハンチングを抑制することができる。逆に、目標値が小さい場合は大きい場合に比べて、大きい変化率で目標値が大きくされることになる。これにより、目標値を増大し始めた直後において、空気量が不十分である可能性が高い状態では、空気量を速やかに増大し、エンジン回転数を速やかに上昇させることができる。その結果、ハンチングを抑制しつつ、エンジン回転数を速やかに上昇させることができるエンジンの制御装置を提供することができる。
第2の発明に係るエンジンの制御装置においては、第1の発明の構成に加え、設定手段は、目標値が大きい場合は小さい場合に比べて、小さい変化率で目標値を大きくするように、目標値を設定するための手段を含む。
第2の発明によれば、目標値が大きい場合は小さい場合に比べて、小さい変化率で目標値が大きくされる。これにより、目標値の大きくし始めてから十分に時間が経過し、空気量の目標値が大きくなった後は、目標値が急に大きくなることを抑制することができる。そのため、エンジン回転数が予め定められた回転数に近づいた状態で、エンジン回転数が急上昇することを抑制することができる。その結果、エンジン回転数が頻繁に増減されることを抑制し、ハンチングを抑制することができる。逆に、目標値が小さい場合は大きい場合に比べて、大きい変化率で目標値が大きくされることになる。これにより、目標値を増大し始めた直後において、空気量が不十分である可能性が高い状態では、空気量を速やかに増大し、エンジン回転数を速やかに上昇させることができる。その結果、ハンチングを抑制しつつ、エンジン回転数を速やかに上昇させることができる。
第3の発明に係るエンジンの制御装置は、クラッチを介して車輪に駆動力を伝達するエンジンを制御する。この制御装置は、エンジンに吸入される空気量を調整するための調整手段と、空気量の目標値を設定するための設定手段と、空気量が目標値になるように、調整手段を制御するための制御手段とを含む。設定手段は、クラッチの係合時においてエンジンの回転数が予め定められた回転数よりも低く、かつ目標値が予め定められた値以上の場合、目標値のなまし処理を行なうことにより目標値を大きくするように、空気量の目標値を設定するための手段と、クラッチの係合時においてエンジンの回転数が予め定められた回転数よりも低く、かつ目標値が予め定められた値よりも小さい場合、目標値のなまし処理を行なわずに目標値を大きくするように、空気量の目標値を設定するための手段とを含む。
第3の発明によれば、空気量の目標値が設定され、空気量が目標値になるように、調整手段が制御される。クラッチの係合時においてエンジンの回転数が予め定められた回転数よりも低く、かつ目標値が予め定められた値以上の場合、目標値のなまし処理を行なうことにより目標値が大きくされる。これにより、目標値を大きくし始めてから十分に時間が経過し、空気量の目標値が大きくなった後は、目標値が急に大きくなることを抑制することができる。そのため、エンジン回転数が予め定められた回転数に近づいた状態で、エンジン回転数が急上昇することを抑制することができる。その結果、エンジン回転数が頻繁に増減されることを抑制し、ハンチングを抑制することができる。また、クラッチの係合時においてエンジンの回転数が予め定められた回転数よりも低く、かつ目標値が予め定められた値よりも小さい場合、目標値のなまし処理を行なわずに目標値が大きくされる。これにより、目標値を増大し始めた直後において、空気量が不十分である可能性が高い状態では、空気量を速やかに増大することができる。その結果、ハンチングを抑制しつつ、エンジン回転数を速やかに上昇させることができるエンジンの制御装置を提供することができる。
第4の発明に係るエンジンの制御装置においては、第3の発明の構成に加え、設定手段は、エンジンの回転数および回転数の変化量に応じて目標値を設定するための手段を含む。
第4の発明によれば、エンジンの回転数および回転数の変化量に応じて目標値が設定される。たとえばエンジン回転数が同じであっても、回転数の変化量が大きい場合は小さい場合に比べて目標値が大きく設定される。これにより、エンジン回転数が大きく低下している場合には、空気量を大きくして、速やかに回転数を上昇させることができる。逆に、エンジン回転数の低下量が小さい場合には、空気量を抑制して、エンジン回転数が急上昇することを抑制することができる。
第5の発明に係るエンジンの制御装置は、第3または4のいずれかの発明の構成に加え、目標値が大きくされた後においてクラッチが係合状態から解放状態にされた場合、点火時期を遅角するための手段をさらに含む。
第5の発明によれば、目標値が大きくされることにより空気量が大きくされ、エンジン回転数が上昇している場合にクラッチが係合状態から解放状態にされると、エンジンの負荷が急に低減し、エンジン回転数が急上昇するため、点火時期が遅角される。これにより、エンジンの出力を抑制し、エンジン回転数の急上昇を抑制することができる。
第6の発明に係るエンジンの制御装置は、第5の発明の構成に加え、点火時期が遅角された後においてエンジンの回転数が予め定められた回転数よりも高い場合、エンジンへの燃料噴射を中止するための手段をさらに含む。
第6の発明によれば、点火時期を遅角しても、エンジン回転数の上昇が止まらない場合は、エンジンへの燃料噴射が中止される。これにより、エンジンの出力をさらに抑制し、エンジン回転数の急上昇をさらに抑制することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1に、本発明の制御装置で制御される直噴エンジンの全体構成図を示す。
エンジン本体10は、シリンダブロック100の上方にシリンダヘッド110が覆着されてなり、シリンダブロック100に形成されたシリンダ100A内にピストン120が摺動自在に保持されている。シリンダ100A内におけるピストン120の上下往復動がクランク軸130の回転運動に変換され、トランスミッション300等へと伝達されるようになっている。クランク軸130は、エンジン始動時にはフライホイール140を介してスタータ30と接続される。フライホイール140とトランスミッション300との間には、クラッチ310が設けられる。
本実施の形態において、トランスミッション300は、運転者の手動操作により変速されるマニュアルトランスミッションである。クラッチ310は、運転者の操作により係合されたり解放されたりする。
ピストン120の上方にはシリンダブロック100、シリンダヘッド110を室壁として燃焼室1000が形成され、燃焼室1000において燃料と空気との混合気の燃焼が行なわれ、その爆発力によりピストン120を上下往復動せしめる。混合気への点火はシリンダヘッド110を貫通し燃焼室1000内に突出して設けられた点火プラグ150により行なわれる。
混合気を構成する空気の供給は、シリンダヘッド110およびこれと接続された吸気管内部に形成された吸気通路1010により行なわれる。また、燃焼室1000からの排気は排気通路1020により行なわれる。シリンダヘッド110には、吸気通路1010と燃焼室1000との間の連通と遮断とを切り換える吸気バルブ160、排気通路1020と燃焼室1000との間の連通と遮断とを切り換える排気バルブ170が取り付けられている。
吸気管内にはフラップ状のスロットルバルブ190が設けられ、その開度に応じて吸気通路1010内の空気流、すなわちエンジンに吸入される空気量を調整する。なお、吸気バルブ160のリフト量により吸入空気量を調整するようにしてもよい。
混合気を構成する燃料の供給は、電磁式のインジェクタ210により行なわれる。インジェクタ210はシリンダヘッド110を貫通して設けられ、先端ノズル部から燃焼室1000内(筒内)に燃料を噴射するようになっている。なお、インジェクタ210の代わりにあるいは加えて、吸気ポート内もしくは吸気通路1010内に燃料を噴射するインジェクタを設けるようにしてもよい。
インジェクタ210への燃料供給は、燃料タンク250から吸い上げた燃料を低圧ポンプ240および高圧ポンプ230により2段階に昇圧して供給される。高圧ポンプ230はエンジン本体10のクランク軸130からベルト等を介して伝達される動力で駆動される。一方、低圧ポンプ240は電動駆動のもので、始動時には、インジェクタ210も低圧ポンプ240から燃料が供給される。
また、点火プラグ150、スロットルバルブ190、インジェクタ210等のエンジン各部を制御するエンジンコントロールコンピュータ(以下、エンジンECU(Electronic Control Unit)と記載する)60が設けられている。エンジンECU60は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等からなる一般的な構成のもので、各種センサからの検知信号等に基づいて、点火プラグ150を作動せしめ、スロットルバルブ190に制御信号を出力してスロットルバルブ190の開度(スロットル開度)を調整し、インジェクタ210に、制御信号により通電し所定のタイミングで所定時間、インジェクタ210のノズルを開く。
エンジンECU60に入力するセンサには、エアフローメータ510、クランク角センサ520、A/Fセンサ530、スロットル開度センサ540、アクセル開度センサ550、車速センサ560、冷却水温センサ等がある。
エアフローメータ510は、吸気通路1010内を流通する空気流量を測定する。クランク角センサ520は、エンジン回転数NEを検知するためのパルス信号を出力する、A/Fセンサ530は、排気通路1020内の空燃比を測定する。スロットル開度センサ540は、スロットルバルブ190の開度を検知する。アクセル開度センサ550は、アクセルペダル420の開度(踏込み量)を検知する。車速センサ560は、車速(車輪の回転)を検出するためのパルス信号を出力する。冷却水温センサは、エンジン温度を代表するエンジン冷却水温を検出する。
また、エンジンECU60には、始動時に運転者がキーを操作すると、そのイグニッション(IG)オン信号およびスタータオン信号が入力される。クラッチペダル430のストローク量が最大になった場合は、ニュートラルスタートスイッチ570がオンになり、エンジンECU60にオン信号が入力される。
エンジンECU60は、エアフローメータ510等によって検知された吸入空気量に基づいて燃焼噴射量を制御する。このとき、エンジンECU60は、各センサからの信号に基づいて、最適な燃焼状態になるように、エンジン回転数およびエンジン負荷に応じた噴射量と噴射時期とを制御する。このエンジン本体10においては、燃料を筒内に直接噴射するため、噴射時期制御と噴射量制御とを同時に行なう。また、エンジンECU60は、クランク角センサ520やカムポジションセンサ等によって検知された信号(ノッキングセンサ等も含む)に基づいて、最適な点火時期になるように点火時期制御が行なわれる。このような制御により、エンジン本体10の高出力化および低エミッション化の両立を実現している。
また、本実施の形態において、エンジンECU60は、エンジンがアイドル状態である場合、ISC(Idle Speed Control)を実行することにより、予め定められた空気量がエンジンに吸入されるように、スロットルバルブ190を制御する。
ISCの実行中、すなわちアイドル中にエンジン回転数NEが低下した場合は、空気量の増量補正値を設定し、空気量が増量補正値だけ増量されるように、スロットルバルブ190を制御する。すなわち、ISCにおいて予め定められた値と増量補正値との和が、空気量の目標値として設定され、空気量がこの目標値になるようにスロットルバルブ190が制御される。
エンジンECU60は、空気量の増量補正中、すなわち増量補正値>0である場合にクリアされるオートインクリメントカウンタ(図示せず)を含む。オートインクリメントカウンタにより、増量補正が行なわれない時間(増量補正が終了してからの経過時間)が計測される。
図2および図3を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるエンジンECU60により実行されるプログラムの制御構造について説明する。なお、以下に説明するプログラムは、予め定められた周期で繰り返し実行される。
ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、エンジンECU60は、エンジン回転数NEがしきい値NE(1)未満であるか否かを判別する。エンジン回転数NEが、しきい値NE(1)未満であると(S100にてYES)、処理はS110に移される。もしそうでないと(S100にてNO)、処理は図3のS200に移される。
図2に戻って、S110にて、エンジンECU60は、エンジンがアイドル状態であり、車両が停車中であり、かつエンジン回転数NEがしきい値NE(2)(NE(2)<NE(1))未満であるか否かを判別する。
エンジンがアイドル状態であるか否かは、たとえばアクセル開度が「0」であるか否かにより判別される。車両が停車中であるか否かは、車速Vがしきい値V(1)未満であるか否かにより判別される。
エンジンがアイドル状態であり、車両が停車中であり、かつエンジン回転数NEがしきい値NE(2)未満であると(S110にてYES)、処理はS120に移される。もしそうでないと(S110にてNO)、処理はS160に移される。
S120にて、エンジンECU60は、エンジン回転数NEおよびエンジン回転数NEの変化量ΔNEに基づいて、エンジンに吸入される空気量の増量補正値のベース値QBを算出する。ベース値QBは、エンジン回転数NEおよび変化量ΔNEをパラメータとして実験などにより予め作成されたマップを用いて算出される。エンジン回転数NEが同じでも、エンジン回転数NEの低下量が大きい場合は小さい場合に比べて、ベース値QBは大きく算出される。
S130にて、エンジンECU60は、現在の増量補正値(前回設定された増量補正値)QT(N−1)(Nは自然数)が、しきい値QTH(1)以上であるか否かを判別する。なお、しきい値QTH(1)には、ヒステリシスが設けられる。また、増量補正値QTの初期値(すなわちQT(0))は、「0」である。
前回設定された増量補正値QT(N−1)が、しきい値QTH(1)以上である場合(S130にてYES)、処理はS140に移される。もしそうでないと(S130にてNO)、処理はS140に移される。
S140にて、エンジンECU60は、増量補正値をなまし処理することにより、今回の増量補正値QT(N)を設定する。時定数をT(T>1)とおくと、
QT(N)=QT(N−1)+(QB−QT(N−1))/T・・・(1)
となる。その後、この処理は終了する。
S150にて、エンジンECU60は、ベース値QBを今回の増量補正値QT(N)に設定する。すなわち、QT(N)=QBとなる。なお、ベース値QBを今回の増量補正値QT(N)に設定することは、(1)式において、時定数Tを「1」に変更することと同じである。その後、この処理は終了する。
S160にて、エンジンECU60は、前回の増量補正値QT(N−1)から、予め定められた値だけ減算した値を、今回の増量補正値QT(N)に設定する。
図3を参照して、S200にて、エンジンECU60は、吸入空気量の増量補正を禁止する。すなわち、増量補正値QTを「0」に設定する。
S210にて、エンジンECU60は、エンジンがアイドル状態であり、吸入空気量の増量補正が禁止されてからの経過時間がしきい値未満であり、かつエンジン回転数NEがしきい値NE(3)(NE(3)>NE(1))以上であるか否かを判別する。エンジンがアイドル状態であり、吸入空気量の増量補正が禁止されてからの経過時間がしきい値未満であり、かつエンジン回転数NEがしきい値NE(3)以上であると(S210にてYES)、処理はS220に移される。もしそうでないと(S210にてNO)、この処理は終了する。
S220にて、エンジンECU60は、エンジン回転数NEおよび変化量ΔNEに基づいて、点火時期の遅角量を算出する。エンジン回転数NEが高い場合は低い場合に比べて、遅角量は大きく算出される。また、エンジン回転数NEの上昇量が大きい場合は小さい場合に比べて、遅角量は大きく算出される。S230にて、エンジンECU60は、点火時期を遅角する。
S240にて、エンジンECU60は、エンジンがアイドル状態であり、吸入空気量の増量補正が禁止されてからの経過時間がしきい値未満であり、かつエンジン回転数NEがしきい値NE(4)(NE(4)>NE(3))以上であるか否かを判別する。エンジンがアイドル状態であり、吸入空気量の増量補正が禁止されてからの経過時間がしきい値未満であり、かつエンジン回転数NEがしきい値NE(4)以上であると(S240にてYES)、処理はS250に移される。もしそうでないと(S240にてNO)、処理はS260に移される。
S250にて、エンジンECU60は、インジェクタ210からの燃料噴射を停止するフューエルカットを実行する。その後、この処理は終了する。S260にて、エンジンECU60は、フューエルカットの実行を禁止する。その後、この処理は終了する。
以上のような構造、およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置であるエンジンECU60の動作について説明する。
エンジンがアイドル状態であり車両が停車中の場合に、車両を発進させるために運転者がクラッチペダル430を操作してクラッチ310を係合することにより、エンジン回転数NEがしきい値NE(2)未満まで低下すると(S110にてYES)、エンジン回転数NEを上昇させて発進性を向上させるため、吸入空気量の増量補正が行なわれる。吸入空気量の増量補正においては、エンジン回転数NEおよびエンジン回転数NEの変化量ΔNEに基づいて、空気量の増量補正値のベース値QBが算出される(S120)。
増量補正の開始直後である場合等、増量補正値QTがしきい値QTH(1)未満である場合(S130にてNO)には、空気量を速やかに増大して、エンジン回転数NEを速やかに増大させるため、ベース値QBがそのまま増量補正値QTに設定される(S160)。
これにより、図4に示すように、吸入空気量の増量補正開始直後は、エンジン回転数NEを上昇させるために必要な空気量を速やかに確保することができる。そのため、車両を円滑に発進させることができる。
その後、吸入空気量の増量補正値QTが、しきい値QTH(1)以上まで増大すると(S130にてYES)、増量補正値QTをなまし処理することにより、増量補正値QTが設定される(S140)。
これにより、エンジン回転数NEを上昇させるために必要なだけの空気量を確保した後は、図4に示すように、増量補正値QTを緩やかに増大させることができる。そのため、吸入空気量の急増を抑制することができる。その結果、エンジン回転数NEの急上昇を抑制し、エンジン回転数NEのハンチングを抑制することができる。
吸入空気量の増量補正により、エンジン回転数NEが上昇し、しきい値NE(1)未満であるが(S100にてYES)、しきい値NE(2)以上になると(S110にてNO)、エンジン回転数NEが低下しなくなったといえる。
この場合、前回の増量補正値QT(N−1)から、予め定められた値だけ減算した値が今回の増量補正値QT(N)に設定され、増量補正値QTが低下される(S160)。さらにエンジン回転数NEが上昇して、しきい値NE(1)以上になると(S100にてYES)、増量補正が禁止される(S200)これにより、必要以上にエンジン回転数NEが上昇することを抑制することができる。
ところで、吸入空気量の増量補正中もしくは増量補正の終了(禁止)(S200)直後において、クラッチ310が係合状態から解放状態にされると、エンジンの負荷が急減してエンジン回転数NEが急上昇する。このとき、吸入空気量の増量補正が禁止(S200)されても、吸入空気量の変化は応答性が悪いため、エンジン回転数NEの急上昇を速やかに抑制することができない。
そこで、エンジンがアイドル状態であり、吸入空気量の増量補正が禁止されてからの経過時間がしきい値未満である間に、クラッチ310の解放によりエンジン回転数NEがしきい値NE(3)以上まで急上昇すると(S210にてYES)、エンジン回転数NEおよび変化量ΔNEに応じた遅角量で点火時期が遅角される(S220、S230)。これにより、エンジンの出力を低減し、エンジン回転数NEの上昇を抑制することができる。
点火遅角を実行してもエンジン回転数NEが上昇し続け、エンジンがアイドル状態であり、吸入空気量の増量補正が禁止されてからの経過時間がしきい値未満である間に、エンジン回転数NEがしきい値NE(4)以上まで上昇すると(S240にてYES)、フューエルカットが実行される(S250)。これにより、エンジンの出力をさらに低減し、エンジン回転数NEの上昇をさらに抑制することができる。
エンジン回転数NEがしきい値NE(4)以上まで上昇しなければ(S240にてNO)、フューエルカットの実行は禁止される(S250)。
以上のように、本実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUによれば、増量補正値QTがしきい値QTH(1)未満である場合には、なまし処理を行なわず、ベース値QBがそのまま増量補正値QTに設定される。これにより、吸入空気量の増量補正開始直後において、吸入空気量を速やかに増大することができる。そのため、エンジン回転数を速やかに上昇させ、車両を円滑に発進させることができる。一方、吸入空気量の増量補正値QTが、しきい値QTH(1)以上であると、増量補正値QTをなまし処理することにより、増量補正値QTが設定される。これにより、エンジン回転数NEを上昇させるだけの空気量を確保した後は、増量補正値QTを緩やかに増大させることができる。そのため、エンジン回転数NEの急上昇を抑制し、エンジン回転数NEのハンチングを抑制することができる。
なお、吸入空気量の増量補正の実行開始後、予め定められた時間内は、なまし処理を行なわずに増量補正値QTを設定し、予め定められた時間が経過した後は、なまし処理を行なって増量補正値QTを設定するようにしてもよい。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に係る制御装置で制御されるエンジンの全体構成図である。 本発明の実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャート(その1)である。 本発明の実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャート(その2)である。 エンジン回転数NEおよび増量補正値QTの推移を示すタイミングチャートである。
符号の説明
10 エンジン本体、30 スタータ、60 エンジンECU、150 点火プラグ、160 吸気バルブ、170 排気バルブ、190 スロットルバルブ、210 インジェクタ、300 トランスミッション、310 クラッチ、420 アクセルペダル、430 クラッチペダル、520 クランク角センサ、530 A/Fセンサ、540 スロットル開度センサ、550 アクセル開度センサ、560 ニュートラルスタートスイッチ、570 車速センサ、1000 燃焼室、1010 吸気通路、1020 排気通路。

Claims (4)

  1. クラッチを介して車輪に駆動力を伝達するエンジンの制御装置であって、
    前記エンジンに吸入される空気量を調整するための調整手段と、
    前記空気量の目標値を設定するための設定手段と、
    前記空気量が目標値になるように、前記調整手段を制御するための制御手段とを含み、
    前記設定手段は、
    前記クラッチの係合時において前記エンジンの回転数が予め定められた回転数よりも低く、かつ前記目標値が予め定められた値以上の場合、前記目標値のなまし処理を行なうことにより前記目標値を大きくするように、前記空気量の目標値を設定するための手段と、
    前記クラッチの係合時において前記エンジンの回転数が予め定められた回転数よりも低く、かつ前記目標値が予め定められた値よりも小さい場合、目標値のなまし処理を行なわずに前記目標値を大きくするように、前記空気量の目標値を設定するための手段とを含む、エンジンの制御装置。
  2. 前記設定手段は、前記エンジンの回転数および回転数の変化量に応じて前記目標値を設定するための手段を含む、請求項に記載のエンジンの制御装置。
  3. 前記制御装置は、前記目標値が大きくされた後において前記クラッチが係合状態から解放状態にされた場合、点火時期を遅角するための手段をさらに含む、請求項またはのいずれかに記載のエンジンの制御装置。
  4. 前記制御装置は、点火時期が遅角された後において前記エンジンの回転数が予め定められた回転数よりも高い場合、前記エンジンへの燃料噴射を中止するための手段をさらに含む、請求項に記載のエンジンの制御装置。
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