JP6398654B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は内燃機関の制御装置に関する。
一般に、駆動源として内燃機関を備えた車両においては、ドライバ(運転者)によるアクセルペダルの踏み込み量が「0」になるなどして所定の燃料カット実行条件が成立した際、内燃機関への燃料供給を停止する所謂燃料カットが実行される。これにより、燃料消費量の削減を図っている。ところが、内燃機関の発生トルクが比較的大きい状態から燃料カットを開始した場合には、この発生トルクが短時間のうちに大幅に低下することになり、トルク段差に起因したトルクショックが発生してしまう。
このトルクショックの軽減を目的とした内燃機関の制御として、燃料カット実行条件が成立した際、点火時期を徐々に遅角させることにより内燃機関の発生トルクを減少(以下、減衰という場合もある)させ、その後に、燃料カットを開始することが知られている(例えば、特許文献1を参照)。この内燃機関の制御によれば、燃料カットを開始した際のトルク段差が小さくなり、トルクショックを軽減できる。
ところで、前述の如く点火時期を徐々に遅角させることにより内燃機関の発生トルクを減少させていく際、ある時点で、内燃機関が駆動状態(内燃機関の発生トルクによって駆動輪を駆動する状態)から被駆動状態(駆動輪から入力されたトルクによって内燃機関が駆動される状態)へ切り替わることになる。この駆動状態から被駆動状態への切り替わりに際し、動力伝達系に備えられたギヤ同士のバックラッシに起因するガタ詰め方向が反転してショック(所謂歯打ちによるショック)が生じてしまうといった課題がある。
特開2013−142307号公報
内燃機関が駆動状態から被駆動状態へ切り替わる際におけるショックの軽減を目的とした制御として、前記内燃機関の発生トルクを減少させていく期間のうち、駆動状態から被駆動状態への切り替わりタイミングを含む所定期間において、内燃機関の発生トルクの単位時間当たりの減少量を特に小さくすることが行われている。以下、この期間をトルク保持制御期間と呼ぶ。また、このトルク保持制御期間の前後の期間では内燃機関の発生トルクの単位時間当たりの減少量を大きくしている。これにより、燃料カット実行条件が成立してから燃料カットが開始されるまでの期間の短縮化を図っている。
そして、前記トルク保持制御期間における制御として、所定の処理タイミング毎(例えばエンジンの各サイクル毎)に現時点での実トルクに基づいて次回の処理タイミングにおける要求トルクを指示する(例えば要求トルクが得られるように点火時期を指示する)ことが挙げられる。つまり、現時点での実トルクと、トルク保持制御期間の終了時点の目標トルクとを繋ぐように(現時点での実トルクと目標トルクとの間でのトルク減少速度が一定となるように)次回の処理タイミングにおける要求トルクを求め、この要求トルクが得られるように次回の処理タイミングでの制御を行うものである。
しかしながら、前記トルク保持制御期間において、前記アクセルペダルの踏み込み量が「0」になったことに伴うVVT(Variable Valve Timing)機構の制御やスロットルバルブ開度の制御によって吸気量が大幅に減少した場合には、その吸気量の減少分だけ、要求トルクよりも実トルクが低くなってしまうことがある。このような状況では、要求トルクよりも低下した実トルクに基づいて次回の処理タイミングでの要求トルクが求められることになるので、前記実トルクが適正なトルク(前記要求トルク)として得られている場合に比べて、次回の処理タイミングでの要求トルクが低い値として求められてしまうことになる。
図6は、この場合における、目標トルクTt、各処理タイミングにおける実トルクTnおよび要求トルクTrの一例を示している。吸気量が大幅に減少したことに起因してタイミングtbでの実トルクTnbが要求トルクTrbに対して低下した場合(図中の矢印Iを参照)、このタイミングtbでの実トルクTnbと目標トルクTtとを繋ぐように次回の処理タイミング(タイミングtc)での要求トルクTrcが求められることになる。ここで求められるタイミングtcでの要求トルクTrcは、タイミングtbでの実トルクが適正に得られた場合(要求トルクTrbが得られた場合)に求められる要求トルクTrc’に比べて低くなってしまう。吸気量が大幅に減少する状況が継続すると、このような動作が処理タイミング毎に繰り返されることになり(要求トルクTrを求める度に、前回処理タイミングにおいて低くなっている実トルクTnの影響を受けることで要求トルクTrが低い値として求められてしまい)、前記要求トルクTrと実トルクTnとの差分の積み重ねが増大することになって、内燃機関の出力トルクの減少速度が極端に高くなってしまう。その結果、内燃機関が駆動状態から被駆動状態へ切り替わるタイミングでのトルク変化が大きくなって、前述したギヤ同士のバックラッシに起因するガタ詰め方向の反転によるショックが大きくなってしまう可能性がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料カット実行条件の成立に伴って内燃機関の発生トルクを減少させていく際、内燃機関が駆動状態から被駆動状態へ切り替わるタイミングにおけるショックを軽減できる内燃機関の制御装置を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の解決手段は、所定の燃料カット実行条件が成立した際、内燃機関の出力トルクを減少させた後に前記内燃機関に対する燃料供給を停止する内燃機関の制御装置を前提とする。この内燃機関の制御装置に対し、前記内燃機関の出力トルクを減少させる期間のうち、前記内燃機関が駆動状態から被駆動状態に切り替わるタイミングを含む所定期間を求め、この所定期間の開始時における内燃機関の出力トルクと、この所定期間の終了時における内燃機関の目標トルクとに応じて、この所定期間中における内燃機関の各サイクル毎の要求トルクを、各サイクル毎に内燃機関の出力トルクが一定の偏差で減少していくように算出して各サイクル毎に割り当てて記憶し、各サイクル毎に、そのサイクルに対応して割り当てて記憶された前記要求トルクを読み出し、該要求トルクが得られるように内燃機関の制御パラメータの制御値を指示する構成としている。
この特定事項により、燃料カット実行条件が成立した場合の制御として、内燃機関が駆動状態から被駆動状態に切り替わるタイミングを含む所定期間の開始時における内燃機関の出力トルクと、この所定期間の終了時における内燃機関の目標トルクとに応じて、この所定期間中における内燃機関の各サイクル毎の要求トルクを設定する。そして、各サイクル毎に、そのサイクルに対応して設定された要求トルクが得られるように内燃機関の制御パラメータの制御値を指示する。この制御により、前記所定期間中に、吸気量が大幅に減少するなどして要求トルクに対して実トルクが低くなったとしても、次回のサイクル(例えば次回燃焼行程を迎えるサイクル)では、前記所定期間の開始時における内燃機関の出力トルクと、この所定期間の終了時における内燃機関の目標トルクとに応じて設定された要求トルクが得られるように指示された制御パラメータの制御値による制御が行われることになる。このように、前記実トルクが低くなったことの影響を受けることなく設定された次回のサイクルでの要求トルクが得られるように制御パラメータの制御値が指示されることになる。従って、要求トルクと実トルクとの差分の積み重ねが増大するといったことは回避され、内燃機関の出力トルクの減少速度が極端に高くなってしまうことはない。その結果、内燃機関が駆動状態から被駆動状態へ切り替わるタイミングでのトルク変化が大きくなってしまうことを回避でき、ショックの軽減を図ることができる。
本発明では、内燃機関が駆動状態から被駆動状態に切り替わるタイミングを含む所定期間の開始時における内燃機関の出力トルクと、この所定期間の終了時における内燃機関の目標トルクとに応じて設定された各サイクル毎の要求トルクが得られるように内燃機関の制御パラメータの制御値を指示するようにしている。このため、要求トルクと実トルクとの差分の積み重ねが増大するといったことは回避され、内燃機関の出力トルクの減少速度が極端に高くなってしまうことがなく、内燃機関が駆動状態から被駆動状態へ切り替わるタイミングでのショックを軽減できる。
実施形態に係る車両の概略構成を示す図である。 エンジンの概略構成を示す図である。 燃料カット実行時における吸入空気量、点火タイミング、エンジン出力トルクの変化の一例を示すタイミングチャート図である。 トルク保持制御の手順を示すフローチャート図である。 トルク保持制御期間における目標トルク、各サイクルにおける実トルクおよび要求トルクの一例を示す図である。 従来技術における目標トルク、各サイクルにおける実トルクおよび要求トルクの一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明においては、自動変速機を備えたFR(Front engine Rear drive)車両に本発明に係る内燃機関の制御装置を適用した場合について説明する。
−車両の構成−
図1に示すように、本実施の形態における車両1は、内燃機関で成るエンジン2と、エンジン2から出力された出力トルクを増幅させるトルクコンバータ3と、トルクコンバータ3の出力軸の回転速度を変速した回転速度で出力軸4を回転させる変速機構5と、変速機構5の出力軸4の回転力をドライブシャフト6L、6Rに伝達するディファレンシャルギヤ7と、ドライブシャフト6L、6Rが回転させられることにより駆動する駆動輪8L、8Rとを備えている。前記トルクコンバータ3および変速機構5によって自動変速機9が構成されている。
また、車両1は、エンジン2を制御するエンジン用電子制御ユニット(以下、「EG−ECU」という)10と、自動変速機9を油圧によって制御する油圧制御回路11と、油圧制御回路11を電気的に制御する自動変速機用電子制御ユニット(以下、「TM−ECU」という)12とを備えている。
図2に示すように、エンジン2は、シリンダブロック20と、このシリンダブロック20の上部に取り付けられたシリンダヘッド21と、潤滑油を貯留するオイルパン22とを備え、シリンダブロック20と、シリンダヘッド21とによって複数の気筒が形成されている。
なお、本実施形態に係るエンジン2は直列4気筒エンジンであるが、本発明は、直列6気筒エンジン、V型6気筒エンジン、V型12気筒エンジンおよび水平対向6気筒エンジン等、種々の型式のエンジンに適用可能である。なお、図2は、直列に配置された4つの気筒のうちの1つの気筒を示している。
各気筒には、ピストン24が往復動可能に収納され、シリンダブロック20、シリンダヘッド21およびピストン24によって、各気筒の燃焼室25が形成されている。本実施形態に係るエンジン2は、ピストン24が2往復する間に吸気行程、圧縮行程、燃焼行程および排気行程からなる一連の4行程を行う4ストローク1サイクルエンジンによって構成されている。
各気筒に収納されたピストン24は、コネクティングロッド26を介してクランクシャフト27に連結されている。コネクティングロッド26は、ピストン24の往復動をクランクシャフト27の回転運動に変換する。
従って、エンジン2は、燃焼室25で燃料と空気との混合気を燃焼させることによりピストン24を往復動させ、コネクティングロッド26を介してクランクシャフト27を回転させることにより、トルクコンバータ3に動力を伝達するようになっている。
なお、エンジン2に用いられる燃料はガソリンとするが、ガソリンに代えて、エタノール等のアルコールとガソリンとを混合したアルコール燃料であってもよい。
エンジン2には、空気を燃焼室25に導入するためにシリンダヘッド21に連結された吸気管30が設けられている。吸気管30には、車外から流入した空気を清浄するエアクリーナ31と、燃焼室25に導入される空気の流量すなわち吸入空気量を検出するエアフローセンサ32と、吸入空気量を調整するためのスロットルバルブ33とが設けられている。
エアフローセンサ32は、スロットルバルブ33の上流側に設けられ、吸入空気量を表す検出信号をEG−ECU10に出力する。
スロットルバルブ33は、スロットルバルブアクチュエータ34が設けられ、EG−ECU10からの指令信号に応じて吸入空気量を調整する。
また、エンジン2には、燃焼室25での混合気の燃焼によって発生した排気ガスを排出するためにシリンダヘッド21に連結された排気管35が設けられている。排気管35には、排気ガス中の有害物質を浄化するための触媒(三元触媒)36が設けられている。
シリンダブロック20には、冷却水が循環するウォータジャケット37が形成され、ウォータジャケット37内を循環する冷却水の水温を検知する水温センサ38が設けられている。シリンダヘッド21には、吸気管30と燃焼室25とを連通させる吸気ポート40と、燃焼室25と排気管35とを連通させる排気ポート41とが形成されている。
また、シリンダヘッド21には、吸気管30から燃焼室25への吸気の導入を制御するための吸気バルブ42と、燃焼室25から排気管35への排気ガスの排出を制御するための排気バルブ43と、燃焼室25に向けて燃料を噴射するためのインジェクタ44と、燃焼室25内の混合気に点火するための点火プラグ45とが設けられている。
インジェクタ44は、EG−ECU10によってソレノイドコイルが通電されると、ニードルバルブを開いて、燃焼室25に向けて燃料を噴射するようになっている。
点火プラグ45は、EG−ECU10によって電極が通電されることにより放電し、燃焼室25内の混合気に点火するようになっている。
図1に示すように、EG−ECU10の入力側には、エンジン2の機関回転数を算出するためのクランク角センサ61、エアフローセンサ32、水温センサ38に加えて、アクセルペダル90の開度を表すアクセル開度を検出するアクセル開度センサ91と、車速を検出する車速センサ92とが接続されている。
アクセル開度センサ91は、例えば、ホール素子を用いた電子式のポジションセンサにより構成されている。アクセルペダル90が運転者により操作されると、アクセル開度センサ91は、アクセルペダル90の開度を示すアクセル開度を表す信号をEG−ECU10に出力するようになっている。車速センサ92は、ドライブシャフト6L、6Rの回転角を検出し、検出したドライブシャフト6L、6Rの回転角を平均化してEG−ECU10に出力するようになっている。
EG−ECU10は、TM−ECU12等の他のECUと高速CANを介して通信するようになっており、TM−ECU12等の他のECUと各種制御信号やデータのやりとりを行うようになっている。
例えば、EG−ECU10は、エンジン2の運転状態を検出する各種センサから入力される検出信号等に基づいて、インジェクタ44に対する燃料噴射制御、点火プラグ45に対する点火制御およびスロットルバルブアクチュエータ34に対する吸入空気量調節制御等のエンジン2の運転制御を行うとともに、必要に応じてエンジン2の運転状態に関するデータをTM−ECU12に出力するようになっている。
また、本実施形態のエンジン2は、吸気バルブ42および排気バルブ43の開閉タイミングを調整するためのVVT機構(図示省略)が設けられており、EG−ECU10は、エンジン2の運転状態に応じてVVT機構を制御して吸気バルブ42および排気バルブ43の開閉タイミングを調整する。
TM−ECU12の入力側には、シフトレバー93によって選択されたシフトポジションを検出するシフトポジションセンサ94が接続されている。
TM−ECU12は、EG−ECU10等の他のECUと高速CANを介して通信するようになっており、EG−ECU10等の他のECUと各種制御信号やデータのやりとりを行うようになっている。
例えば、TM−ECU12は、シフトポジションセンサ94によって検出されたシフトポジションとEG−ECU10から出力されたエンジン2の運転状態に基づいて、油圧制御回路11を制御することによって、変速機構5にいずれかの変速段を成立させるとともに、変速機構5で成立している変速段を表す情報をEG−ECU10に出力するようになっている。
−燃料カット制御−
以下、前記EG−ECU10によって実行される燃料カット制御について説明する。EG−ECU10は、燃料カット実行条件が成立した際、エンジン2の出力トルクを減少させた後に、エンジン2に対する燃料供給を停止する燃料カットを実行するようになっている。
具体的には、図3に示すように、EG−ECU10は、時刻t0でアクセル開度センサ91によってアクセルペダル90の開度が「0」、すなわち、アクセルOFFになったことを検出すると、エンジン2の機関回転数が所定回転数以上であることを条件に、予め定められたディレー区間、例えば、100ms〜200ms程度経過した時刻t1において、エンジン2の出力トルクを推定する。
EG−ECU10のROMには、エンジン2の機関回転数と、吸入空気量と、点火プラグ45に対する点火タイミングとに対して、エンジン2の出力トルクが予め実験により対応付けられたマップが格納されている。
EG−ECU10は、クランク角センサ61から出力された信号から得られるエンジン2の機関回転数と、エアフローセンサ32から得られる吸入空気量と、点火プラグ45に指示されている点火タイミングとに対して、前記マップに対応付けられたエンジン2の出力トルクを特定することにより、エンジン2の出力トルクを推定する。
また、EG−ECU10は、エンジン2の出力トルクを減少させていくことによって、エンジン2の運転状態が、駆動力を発生する駆動状態(エンジン2の発生トルクによって駆動輪8L、8Rを駆動する状態)から、車両1の慣性力等による駆動力を受ける被駆動状態(駆動輪8L、8Rから入力されたトルクによってエンジン2が駆動される状態)に切り替わるエンジン2の出力トルク(以下、「駆動切替トルクTQex」という)を推定するようになっている。
ここで、EG−ECU10のROMには、車速と、変速機構5で成立している変速段と、ディファレンシャルギヤ7のデフ比と、エアーコンディショナ、オルタネータおよびオイルポンプ等の補機負荷と、走行抵抗と、エンジントルクと、エンジン2の冷却水の水温とに対して、駆動切替トルクTQexが予め実験により対応付けられたマップが格納されている。
EG−ECU10は、車速センサ92から得られる車両1の車速と、TM−ECU12から得られる変速機構5の変速段と、予め設定されているデフ比と、各補機の作動状態に応じた補機負荷と、車両走行状態(指令トルク値、車体前後加速度、路面の傾斜等)に基づいて求められる走行抵抗と、エンジン2の作動状態に基づいて求められるエンジントルクと、水温センサ38から得られる水温とに対して、前記マップに対応付けられた駆動切替トルクTQexを特定することにより、駆動切替トルクTQexを推定するようになっている。
図3における時刻t1において、EG−ECU10は、エンジン2の出力トルクを、駆動切替トルクTQexより予め定められた数N・m程度の微小トルクTQm分だけ高いトルクTQex+TQmを目標トルク(トルク保持制御開始トルク)としてエンジン2の出力トルクを減少させるようになっている。
具体的には、EG−ECU10は、予め定められた減衰率θより低い減衰率ΔTQで、エンジン2と駆動輪8L、8Rとの間に介在する動力伝達系の固有振動周期の自然数倍の時間をかけて、エンジン2の出力トルクを目標トルク(トルク保持制御開始トルク)まで減少(減衰)させる出力トルク減衰制御を実行するようになっている。
ここで、減衰率θは、エンジン2の出力トルクの減衰率が大幅に低下したときに、車両1にショックが発生し始める減衰率であり、予め実験により定められている。また、エンジン2と駆動輪8L、8Rとの間に介在する動力伝達系の固有振動周期は、変速機構5で成立する変速段毎に予め実験により定められている。
本実施の形態において、EG−ECU10は、図3に示すように、エンジン2に対する吸入空気量および点火タイミングを変動させることにより、エンジン2の出力トルクを減少させるようになっている。
また、EG−ECU10は、時刻t1で出力トルク減衰制御を開始し、エンジン2の出力トルクが時刻t2でトルク保持制御開始トルク(TQex+TQm)になると、予め定められたトルク保持制御期間(時刻t2から時刻t3までの期間)において、エンジン2の出力トルクの減衰率を負にならない程度まで低下させるようになっている。以下、時刻t1から時刻t2までの期間を第1出力トルク減衰期間と呼ぶ。
ここで、トルク保持制御期間は、エンジン2の運転状態が、駆動力を発生する駆動状態から車両1の慣性力等による駆動力を受ける被駆動状態に切り替わる期間を含んでいる。つまり、このトルク保持制御期間が、本発明でいう「内燃機関が駆動状態から被駆動状態に切り替わるタイミングを含む所定期間」に相当する。トルク保持制御期間において、EG−ECU10は、駆動切替トルクTQexより微小トルクTQm分だけ高いトルクTQex+TQmから、駆動切替トルクTQexより微小トルクTQm分だけ低いトルクTQex−TQmまで、エンジン2の出力トルクを減少させるようになっている。
このトルク保持制御期間の長さは、変速機構5において成立している変速段等に応じて設定される。例えば、変速段がローギヤ側であるほど(変速比が大きいほど)トルク保持制御期間の長さとしては長く設定される。また、前記微小トルクTQmは、前記設定されたトルク保持制御期間の間にTQex+TQmからTQex−TQmまで一定割合でエンジン2の出力トルクを減少させていった場合に、エンジン2が駆動状態から被駆動状態へ切り替わるタイミングにおいてギヤ同士のバックラッシに起因するガタ詰め方向の反転によるショックが発生しない、または、このショックが許容範囲内となるように、予め実験またはシミュレーションによって設定されている。この微小トルクTQmとして具体的には2.5N・mが挙げられる。この値はこれに限定されるものではなく、前述した如く適宜設定される。
また、EG−ECU10は、時刻t2からエンジン2の出力トルクを減少させ、エンジン2の出力トルクが時刻t3でトルクTQex−TQm(トルク保持制御終了トルク)になると、エンジン2に対する燃料供給を停止するときのエンジン2のトルクTQfcを目標トルク(燃料カット実行トルク)として、出力トルク減衰制御を実行するようになっている。
また、EG−ECU10は、時刻t3で出力トルク減衰制御を開始し、エンジン2の出力トルクが時刻t4で目標トルク(燃料カット実行トルク)になると、燃料を噴射させないようにインジェクタ44を制御するようになっている。以下、時刻t3から時刻t4までの期間を第2出力トルク減衰期間と呼ぶ。
このように、EG−ECU10は、時刻t1から時刻t2までの第1出力トルク減衰期間では前記出力トルク減衰制御(エンジン2と駆動輪8L、8Rとの間に介在する動力伝達系の固有振動周期の自然数倍の時間をかけて、エンジン2の出力トルクを減少させる制御)を実行する。これにより、時刻t2から時刻t3までのトルク保持制御期間においてエンジン2の出力トルクの減衰率が大幅に低下したことに起因して発生するしゃくり(車両の前後方向の振動)を車両1にショックを生じさせずに抑制するように構成されている。
また、EG−ECU10は、時刻t2から時刻t3までのトルク保持制御期間において、エンジン2の出力トルクの減衰率を大幅に低下させることにより、エンジン2の運転状態が駆動状態から被駆動状態に切り替わるときに動力伝達系に発生するショックを軽減するように構成されている。このトルク保持制御期間における出力トルクの制御の詳細については後述する。
また、EG−ECU10は、時刻t3から時刻t4までの第2出力トルク減衰期間では前記出力トルク減衰制御(エンジン2と駆動輪8L、8Rとの間に介在する動力伝達系の固有振動周期の自然数倍の時間をかけて、エンジン2の出力トルクを減少させる制御)を実行する。これにより、時刻t4でインジェクタ44による燃料の噴射を停止させることに起因して発生するしゃくりを車両1にショックを生じさせずに抑制するように構成されている。
前述したように、第1出力トルク減衰期間および第2出力トルク減衰期間では、エンジン2と駆動輪8L、8Rとの間に介在する動力伝達系の固有振動周期の自然数倍の時間をかけて、エンジン2の出力トルクを目標トルクまで減少させる出力トルク減衰制御を実行している。このような出力トルク減衰制御を行うことによって前記しゃくりを抑制できる理由としては、例えば特開2013−151900号公報に開示されているとおりである。
−トルク保持制御期間でのトルク制御−
次に、本実施形態の特徴である前記トルク保持制御期間(時刻t2から時刻t3までの期間)に実施されるトルク制御(トルク保持制御)について説明する。先ず、このトルク保持制御の概要について説明する。
前記トルク保持制御期間において、現時点での実トルクと、トルク保持制御期間の終了時点の目標トルクとを繋ぐように次回の処理タイミングにおける要求トルクを求め、この要求トルクが得られるように次回の処理タイミングでの制御を行うようにした従来の制御の場合、以下の課題がある。
つまり、アクセルペダルの踏み込み量が「0」になったことに伴うVVT機構の制御やスロットルバルブ開度の制御によって吸気量が大幅に減少した場合には、その吸気量の減少分だけ、要求トルクよりも実トルクが低くなってしまうことがある。このような状況で、要求トルクよりも低下した実トルクに基づいて次回の処理タイミングでの要求トルクを求めてしまうと、図6を用いて前述したように、実トルクが適正なトルク(前記要求トルク)として得られている場合に比べて、次回の処理タイミングでの要求トルクが低い値として求められてしまうことになる。そして、吸気量が大幅に減少する状況が継続すると、このような動作が処理タイミング毎に繰り返されることになり、前記要求トルクと実トルクとの差分の積み重ねが増大することになって、エンジンの出力トルクの減少速度が極端に高くなってしまう。その結果、エンジンが駆動状態から被駆動状態へ切り替わるタイミングでのトルク変化が大きくなってショックが発生してしまう可能性がある。特に、吸気ボリュームが比較的小さいエンジン(過給機付きエンジンやハイブリッド車に搭載されるエンジン等)では、吸気量の減少速度が高くなりやすいため、このような状況が顕著に発生する。
この点に鑑み、本実施形態では、前記トルク保持制御期間の開始時におけるエンジン2の出力トルク(前記トルク保持制御開始トルク)と、このトルク保持制御期間の終了時におけるエンジン2の目標トルク(前記トルク保持制御終了トルク)とに応じて、このトルク保持制御期間中におけるエンジン2の各サイクル毎の要求トルクを設定し、各サイクル毎に、そのサイクルに対応して設定された要求トルクが得られるように点火プラグ45の点火時期(内燃機関の制御パラメータの制御値)を指示するようにしている。
これにより、トルク保持制御期間中に、吸気量が大幅に減少するなどして要求トルクに対して実トルクが低くなったとしても、次回のサイクル(次回燃焼行程を迎えるサイクル)では、トルク保持制御期間の開始時におけるエンジン2の出力トルクと、このトルク保持制御期間の終了時におけるエンジン2の目標トルク(前記トルク保持制御終了トルク)とに応じて設定された要求トルクが得られるように指示された点火時期による制御が行われることになる。このように、前記実トルクが低くなったことの影響を受けることなく設定された次回のサイクルでの要求トルクが得られるように点火時期が指示されることになる。従って、要求トルクと実トルクとの差分の積み重ねが増大するといったことは回避され、エンジン2の出力トルクの減少速度が極端に高くなってしまうことはない。その結果、エンジン2が駆動状態から被駆動状態へ切り替わるタイミングでのトルク変化が大きくなってしまうことを回避でき、ショックの軽減を図ることができる。
以下、このトルク保持制御期間におけるトルク保持制御の具体的な手順について図4のフローチャートに沿って説明する。このフローチャートに示すトルク保持制御は、前記燃料カット実行条件が成立した時点からEG−ECU10において実行される。
先ず、ステップST1において、トルク保持制御期間が開始されるタイミングとなったか否かを判定する。この判定は、エンジン2の出力トルクが、前記トルク保持制御開始トルク(TQex+TQm)まで低下したか否かを判定するものである。
エンジン2の出力トルクがトルク保持制御期間開始トルク(TQex+TQm)まで低下しておらず、ステップST1でNO判定された場合には、未だ前記第1出力トルク減衰期間にあるとして、エンジン2の出力トルクがトルク保持制御期間開始トルク(TQex+TQm)まで低下するのを待つ。
一方、エンジン2の出力トルクが、前記トルク保持制御期間開始トルク(TQex+TQm)まで低下し、ステップST1でYES判定された場合には、ステップST2に移り、現在の実トルク(トルク保持制御開始トルク;TQex+TQm)、および、前記トルク保持制御終了トルク(TQex−TQm)から、このトルク保持制御期間におけるトルクラインを設定する。このトルクラインは、トルク保持制御期間の開始時点から終了時点までの要求トルクの推移を規定するためのラインであって、トルク保持制御期間の開始時点から終了時点までの間でのトルク減少速度が一定となるように設定される。
図5は、このトルク保持制御期間における目標トルク、各サイクルにおける実トルクおよび要求トルクの一例を示す図である。この図5におけるタイミングT1〜T7はそれぞれ各サイクルでの要求トルクを規定するタイミングであって、例えば各サイクルの燃焼行程においてトルクが最大になるタイミング(または、ピストン24が圧縮上死点にある時期から所定期間(例えばクランク角度で30°)だけ遅角側のタイミング)である。具体的には、例えば、第1番気筒→第3番気筒→第4番気筒→第2番気筒の順で燃焼行程を迎えるエンジン2では、トルク保持制御期間において最初に燃焼行程を迎える気筒が第1番気筒であった場合、タイミングT1,T5が第1番気筒の燃焼行程でトルクが最大になるタイミングであり、タイミングT2,T6が第3番気筒の燃焼行程でトルクが最大になるタイミングであり、タイミングT3,T7が第4番気筒の燃焼行程でトルクが最大になるタイミングであり、タイミングT4,t3が第2番気筒の燃焼行程でトルクが最大になるタイミングである。また、この図5では、8つのサイクルが実施される長さとしてトルク保持制御期間が設定された場合を示している。つまり、トルク保持制御期間中にクランクシャフト27が4回転するものとしてトルク保持制御期間が設定された場合を示している。
この図5における直線Lが前記トルクライン(トルク保持制御期間の開始時点から終了時点までの要求トルクの推移を規定するためのライン)となっている。このようにしてトルクラインLが設定されることにより、各サイクル毎に、要求トルクTr1〜Tr7が規定されることになる。
ここで規定される要求トルクTr1〜Tr7は、前述した如くトルク保持制御期間の開始時点から終了時点までの間でのトルク減少速度が一定となるように設定されるものである。このため、各サイクル同士の間の要求トルクの偏差dTQは以下の式(1)によって算出されることになる。
dTQ=2TQm/Ns …(1)
ここで、dTQは前回サイクルの要求トルクに対するトルク偏差、Nsはトルク保持制御期間中におけるサイクル数である。
例えば、図5のタイミングT1に対して設定される要求トルクTr1は、トルク保持制御期間開始トルク(TQex+TQm)からトルク偏差dTQを減算することにより求められる。また、タイミングT2に対して設定される要求トルクTr2は、タイミングT1に対して設定されている要求トルクTr1からトルク偏差dTQを減算することにより求められる。その他のタイミングT3〜T7に対して設定される要求トルクTr3〜Tr7も同様にして求められる。
このようにして規定された各要求トルクTr1〜Tr7は、各サイクルに割り当てられてEG−ECU10のRAMに記憶される。
このようにしてトルクラインLを設定した後、ステップST3に移り、次回サイクル(次回燃焼行程を迎えるサイクル)に割り当てられている要求トルクを読み出す。例えば、現在がトルク保持制御期間の開始時点(タイミングt2)である場合、次回サイクルに対応するタイミングは図5におけるタイミングT1であるので、次回サイクル(次回燃焼行程を迎えるサイクル)の要求トルクとしてタイミングT1での要求トルクTr1が読み出されることになる。
その後、ステップST4に移り、次回サイクルにおける要求トルクが得られる点火時期を算出する。例えば、現在のエンジン運転状態において点火時期以外の制御パラメータを一定とした場合におけるエンジン2の出力トルクと点火時期との関係を規定した点火時期マップがEG−ECU10のROMに格納されており、この点火時期マップから、次回サイクルにおける要求トルクが得られる点火時期が求められることになる。
このようにして点火時期が算出された後、ステップST5に移り、この設定された点火時期のタイミングに達したか否かを判定する。つまり、次回サイクルにおける点火時期のタイミングに達したか否かを判定する。この判定は、クランク角センサ61から出力された信号に基づいてクランクシャフト27の回転角度位置を検出し、この回転角度位置が、次回サイクルにおける点火時期のタイミングに一致したか否かを判定するものである。
そして、点火時期のタイミングに達するまで、ステップST5ではNO判定され、点火時期のタイミングに達するのを待機する。そして、点火時期のタイミングに達してステップST5でYES判定された場合には、ステップST6に移り、点火プラグ45の点火を実行する。これにより、前記要求トルクが得られる点火時期での点火が実行されたことになる。
その後、ステップST7に移り、前記要求トルク(ステップST3で読み出されていた要求トルク)は前記トルク保持制御終了トルク(TQex−TQm)に一致したものであったか否かを判定する。つまり、要求トルクがトルク保持制御終了トルクに一致した場合、トルク保持制御期間は終了し、前記第2出力トルク減衰期間が開始されることになるので、このステップST7では、トルク保持制御を終了すべきタイミングとなったか否かを判定するものとなっている。
要求トルクが未だトルク保持制御終了トルクに一致しておらず、ステップST7でNO判定された場合にはステップST3に戻り、再び、次回サイクルの要求トルクを読み出す。例えば、今回のサイクルが図5におけるタイミングT1でトルクが最大になるサイクルであった場合には、次回サイクルの要求トルクとして、タイミングT2でトルクが最大になるサイクルでの要求トルクTr2が読み出されることになる。そして、前述した場合と同様に、次回サイクルにおける要求トルクが得られる点火時期を算出し(ステップST4)、その点火時期に達した時点(ステップST5でYES判定)で点火プラグ45の点火を実行する(ステップST6)。
このような動作が繰り返され、図5におけるタイミングT1〜T7それぞれにおいて各タイミングに対応して設定された要求トルクTr1〜Tr7が得られるように点火時期制御が行われる。その後、ステップST7では、要求トルク(ステップST3で読み出されていた要求トルク)がトルク保持制御終了トルク(TQex−TQm)に一致することになり、このステップST7でYES判定されることで、本トルク保持制御が終了する。その後は、前記第2出力トルク減衰期間においてエンジン2の出力トルクが減少されていき、出力トルクが前記燃料カット実行トルクTQfcになると、インジェクタ44からの燃料噴射が停止されることになる。
このようなトルク保持制御が行われるため、前記EG−ECU10によって本発明に係る内燃機関の制御装置が構成される。この制御装置は、エンジン2の出力トルクを推定するためのセンシング値(エンジン2の機関回転数や吸入空気量等)、および、駆動切替トルクTQexを推定するためのセンシング値(車速や、変速段や、補機負荷等)の各信号を入力信号として受信する構成となっている。また、この制御装置は、点火プラグ45の点火時期指令信号を出力信号として出力する構成となっている。
以上説明したように、本実施形態では、燃料カット実行条件が成立した場合における前記トルク保持制御期間でのトルク保持制御として、トルク保持制御期間の開始時におけるエンジン2の出力トルクと、このトルク保持制御期間の終了時におけるエンジン2の目標トルク(トルク保持制御終了トルク)とに応じて、このトルク保持制御期間中におけるエンジン2の各サイクル毎の要求トルクを設定し、各サイクル毎に、そのサイクルに対応して設定された要求トルクが得られるように点火プラグ45の点火時期を指示するようにしている。この制御により、前記トルク保持制御期間中に、吸気量が大幅に減少するなどして要求トルクに対して実トルクが低くなったとしても(図5における矢印IIを参照)、次回のサイクル(次回燃焼行程を迎えるサイクル)では、トルク保持制御期間の開始時におけるエンジン2の出力トルクと、このトルク保持制御期間の終了時におけるエンジン2の目標トルク(トルク保持制御終了トルク)とに応じて設定された要求トルク(図5における要求トルクTr3参照)が得られるように指示された点火プラグ45の点火時期による制御が行われることになる。このように、前記実トルクが低くなったことの影響を受けることなく設定された次回のサイクルでの要求トルクが得られるように点火時期が指示されることになる。従って、要求トルクと実トルクとの差分の積み重ねが増大するといったことは回避され、エンジン2の出力トルクの減少速度が極端に高くなってしまうことはない。その結果、エンジン2が駆動状態から被駆動状態へ切り替わるタイミングでのトルク変化が大きくなってしまうことを回避でき、ショックの軽減を図ることができる。
−他の実施形態−
以上説明した実施形態では、トルク保持制御期間におけるエンジン2の制御パラメータの制御値としては点火プラグ45の点火時期としていた。本発明はこれに限らず、他の制御パラメータを制御するようにしてもよいし、複数の制御パラメータを制御するようにしてもよい。例えば、本発明をディーゼルエンジンに適用した場合、燃料噴射量を変動させることにより、エンジンの出力トルクを減少させることになる。
また、前記実施形態では、有段式の自動変速機9を備えた車両1に本発明に係る内燃機関の制御装置を適用した例を説明したが、本発明に係る内燃機関の制御装置は、手動変速機を備えた車両に適用してもよく、無段変速機を備えた車両に適用してもよい。
また、前記実施形態では、FR車両に本発明に係る内燃機関の制御装置を適用した例を説明したが、本発明に係る内燃機関の制御装置は、FF(Front engine Front drive)車両に適用してもよく、四輪駆動車両に適用してもよい。
また、本発明に係る内燃機関の制御装置は、動力分割式のハイブリッド車両に適用してもよい。この場合には、エンジンによって発生された動力が分配される回転電機によって消費される動力を変動させることにより、エンジンの出力トルクを減少させるように構成する。
また、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であってこの実施の形態に制限されるものではない。本発明の範囲は、上記した実施の形態のみの説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
本発明は、燃料カット実行条件が成立した際に、内燃機関の出力トルクを減少させた後に燃料カットを実行する内燃機関の制御装置に適用可能である。
2 エンジン(内燃機関)
10 EG−ECU
44 インジェクタ
45 点火プラグ

Claims (1)

  1. 所定の燃料カット実行条件が成立した際、内燃機関の出力トルクを減少させた後に前記内燃機関に対する燃料供給を停止する内燃機関の制御装置において、
    前記内燃機関の出力トルクを減少させる期間のうち、前記内燃機関が駆動状態から被駆動状態に切り替わるタイミングを含む所定期間を求め、この所定期間の開始時における内燃機関の出力トルクと、この所定期間の終了時における内燃機関の目標トルクとに応じて、この所定期間中における内燃機関の各サイクル毎の要求トルクを、各サイクル毎に内燃機関の出力トルクが一定の偏差で減少していくように算出して各サイクル毎に割り当てて記憶し、各サイクル毎に、そのサイクルに対応して割り当てて記憶された前記要求トルクを読み出し、該要求トルクが得られるように内燃機関の制御パラメータの制御値を指示する構成とされていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
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