JP5018311B2 - 車両用内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用内燃機関の制御装置、詳しくは、排気浄化用の触媒コンバータの急速暖機制御実行時に点火時期や吸入空気量等の運転パラメータを補正して機関回転数を目標値に収束させる制御を実行する車両用内燃機関の制御装置に関する。
自動車等に搭載される内燃機関においては、近年の燃費や排気浄化性能に対する要求の高度化に対して、燃費を抑えるべくアイドリング時の機関回転数(アイドル回転数)を極力低い回転数とする制御や、活性化温度領域で良好な排気浄化性能を発揮する触媒コンバータを始動時に急速に昇温させる制御が採用されている。
そのような制御を実行する車両用内燃機関の制御装置では、通常、ストールを起こすことなくアイドリング可能な低い回転数として目標アイドル回転数を予め設定し、アイドル回転数をその目標アイドル回転数に維持するようにアイドリング時の吸入空気量をフィードバック制御する、いわゆるアイドルスピードコントロール(以下、ISC制御という)が実行される場合があり、内燃機関の燃焼と排気性状に大きく影響する点火時期を冷間始動時に遅角側に制御することで冷間始動時の排気温度を上昇させ、触媒コンバータを早期に昇温させる場合がある。
ISC制御を実行する従来の車両用内燃機関の制御装置としては、例えば通常のアイドリング時は目標アイドル回転数と現在の回転数との偏差に応じた比例補正量Pと積分補正量Iを特定する比例積分制御信号を生成して、この制御信号により、絞り弁をバイパスする補助空気弁の開度を制御することで、機関回転数を目標値にフィードバック制御するものがあり、半クラッチ操作時にはアイドル回転の低下に対して積分補正量Iの更新を停止するとともに比例補正量Pを通常より増加させるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
点火時期制御を実行する従来の車両用内燃機関の制御装置としては、例えば機関回転数が目標回転数以上の場合は点火時期を遅角させ、機関回転数が目標回転数を下回る場合は点火時期を通常点火時期側に進角させることで、標準燃料のみならず重質燃料を使用するときでも燃焼状態を安定化させるようにしたもの(例えば、特許文献2参照)、あるいは、始動過程での吹き上がり回転を抑えて機関回転数を目標アイドル回転数に収束させるべく、点火時期のフィードバック制御を実行し、その制御によっても機関回転数が目標アイドル回転数を超える場合に、点火時期のフィードバック制御に代えて、機関回転数を目標アイドル回転数に収束させるべく吸気量のフィードバック制御を実行するようにしたものも知られている(例えば、特許文献3参照)。
さらに、変速時の機関回転数制御のために半クラッチ操作の有無を検知するスイッチを設けたもの(例えば、特許文献4参照)、変速時のトルク低減期間に点火時期を遅角させるもの(例えば、特許文献5参照)等も知られている。
特開平05−312076号公報 特開平10−047039号公報 特開2003−254141号公報 特開2006−233851号公報 特開2006−169966号公報
しかしながら、上述のような従来の車両用内燃機関の制御装置にあっては、点火時期の遅角側への補正と共に圧縮行程での燃料噴射を実行して、いわゆる後燃えを促進する弱成層の燃焼を得ようとするような場合、触媒コンバータの急速暖機制御中において点火プラグ周りに燃料が来ているときに点火しなければならないため、点火時期の感度が高くなってしまい、燃焼状態が悪化し易かった。
すなわち、冷間の触媒急速暖機制御時に、超希薄な成層ではなくある程度の燃料噴射量で圧縮行程後期に燃料噴射(吸気行程でも噴射)し、点火プラグ周りを着火し易い燃料濃度として後燃えを促進する場合には、点火時期を補正すると、エンジン発生トルクの変動や失火率の変化あるいは燃焼状態の変化が顕著に現われ、燃焼状態が悪化し易かった。
また、ISCバルブの開度補正による機関回転数のフィードバック制御の場合でも、通常、吸入空気量の増加に対して空燃比(A/F)を維持するように燃料が増加されることから、フィードバック制御が発散傾向になると、点火プラグ周りで燃料濃度が高いリッチ状態となり、燃焼状態が悪化し易かった。
特に、内燃機関が筒内噴射(筒内直接噴射)を行う直噴エンジン、あるいは、筒内噴射とポート噴射を行うデュアル噴射エンジンであって、手動変速装置(マニュアルトランスミッション)と共に車両に搭載される場合、半クラッチ操作によってエンジン負荷が増大し触媒コンバータの急速暖機制御中にアイドル回転数が低下してしまうと、点火時期や吸入空気量によるアイドル回転数のフィードバック制御が実行されてもアイドル回転数を目標アイドル回転数に回復させることができない発散状態となり、点火時期の過補正や点火プラグ周りの燃料濃度が着火に適さない程度までリッチ状態となることで燃焼状態が悪化し易かった。したがって、触媒急速暖機制御中の点火時期補正や吸入空気量の補正による回転数フィードバック制御が容易でないという問題があった。
本発明は、上述のような従来技術の未解決の課題に鑑みてなされたもので、機関回転数に影響する運転パラメータの補正が機関回転数のフィードバック制御を発散させることがなく、確実かつ容易に回転数フィードバック制御を実行することのできる車両用内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る車両用内燃機関の制御装置は、上記目的達成のため、(1)触媒コンバータ付の内燃機関の触媒暖機制御を実行するとともに、該触媒暖機制御中に前記内燃機関の回転数に影響する運転パラメータを補正することによって前記内燃機関の回転数を目標回転数に収束させるようフィードバック制御する制御手段と、手動操作入力に応じて前記内燃機関からの動力伝達経路を断接するよう前記内燃機関と共に車両に搭載されるクラッチの半クラッチ状態を検出する半クラッチ状態検出手段と、を備え、前記運転パラメータが、前記内燃機関の点火時期および吸入空気量を含むとともに、前記触媒暖機制御が、前記内燃機関の圧縮行程における筒内直接燃料噴射と前記内燃機関の点火時期の遅角補正とを含み、前記制御手段が、前記運転パラメータを補正するための、前記内燃機関の回転数と前記目標回転数との偏差に応じた比例補正量と、前記偏差の一定期間毎の積分値に応じた積分補正量とを演算して、該比例補正量および積分補正量分だけ前記内燃機関の点火時期を補正するとともに、該積分補正量分だけ前記内燃機関の吸入空気量を補正し、前記触媒暖機制御中に前記偏差が増大傾向となる有意の機関回転数の低下が生じた場合であって前記半クラッチ状態検出手段により前記クラッチが半クラッチ状態であることが検出されたときには、該検出直前の積分補正量を限界値として該検出後の積分補正量を前記限界値以下に保持することにより、前記検出直前の積分補正量からの積分補正量の増加を規制することを特徴とする。
この構成により、本発明では、触媒暖機制御中の半クラッチ操作により機関回転数が低下し、回転数フィードバック制御における偏差が小さくならない有意の回転数低下状況になったときには、それ以降の積分補正による運転パラメータの不必要な補正が規制される。したがって、フィードバック制御を発散させることなく確実かつ容易に回転数フィードバック制御を実行することができる。また、弱成層燃焼となり、触媒急速暖機のための排気昇温を可能にしつつ、均質燃焼に比べて燃費を向上させることができる。ここで、点火時期の補正範囲が比較的狭い範囲になるが、点火時期の積分補正量の過補正を抑制し、的確な触媒暖機制御を実行することができる。
本発明では、さらに、点火時期の遅角制御による触媒暖機制御がなされる場合であって回転数フィードバック制御における偏差が小さくならないときに、点火時期の積分補正量の過補正を抑制し、比例補正量により所要の応答性を確保することができる。
加えて、吸入空気量の増量(ISC開)による触媒暖機制御がなされる場合であって回転数フィードバック制御における偏差が小さくならないときに、吸入空気量の積分補正量の過補正を抑制することができ、回転数フィードバック制御における偏差が小さくならない場合に大きな出力増大を要求する要求操作がなされたときには、それに対する所要の応答性を確保することができる。
本発明の車両用内燃機関の制御装置においては、(2)前記触媒暖機制御が、前記内燃機関に装着されたアイドル回転数制御バルブの開度を吸気量の増大側に制御することを含むのがよい。
アイドル回転数制御バルブの開度が吸気量増大側に制御されるとともに、空燃比を適正化するよう燃料噴射量が若干増量されることから、燃料がきわめて希薄な成層燃焼に比べて触媒急速暖機のための排気昇温が可能になる。この場合も、偏差が増加する発散状態で半クラッチ操作状態からクラッチが切れた状態に移行したとしても、機関回転数の吹き上がりが確実に抑えられる。
上記(1)、(2)のいずれに記載の車両用内燃機関の制御装置においても、(3)前記半クラッチ状態検出手段がクラッチペダル操作に応じてオン・オフするクラッチスイッチを前記動力伝達経路の切断側と接続側のそれぞれに有するのが望ましい。
この構成により、クラッチスイッチを利用して半クラッチ操作を確実に検出することができる。
また、上記(1)〜(3)のいずれに記載の車両用内燃機関の制御装置においても、(4)前記触媒暖機制御中に、前記内燃機関によって、前記圧縮行程中の燃料噴射と、前記内燃機関の吸気行程中の燃料噴射とが実行されるようにしているのが好ましい。
この構成により、内燃機関内の後燃えが促進される。
なお、前記半クラッチ状態検出手段は、検出精度はクラッチスイッチほど期待できないが、内燃機関に作用する負荷の大きさによって半クラッチ状態を検出するものとすることもできる。
本発明によれば、触媒暖機制御中に半クラッチ操作がなされて機関回転数が低下し、回転数フィードバック制御における偏差が減少しない発散状態になっても、積分補正による運転パラメータの不必要な補正をなくすようにしているので、偏差が増加する発散状態で半クラッチ操作状態からクラッチが切れた状態に移行したとしても、機関回転数の吹き上がりを確実に抑えることができ、機関回転数に影響する運転パラメータの補正が機関回転数のフィードバック制御を発散させることがなく、確実かつ容易に回転数フィードバック制御を実行することのできる車両用内燃機関の制御装置を提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
図1から図3は本発明の第1の実施形態に係る車両用内燃機関の制御装置を示す図であり、図1は第1の実施形態の内燃機関の要部断面を含むブロック構成図、図2は第1の実施形態の内燃機関、変速装置およびクラッチ操作系を含む概略全体構成図である。
まず、その構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態の車両用内燃機関の制御装置は、自動車に搭載される多気筒エンジン(多気筒の内燃機関)、例えば4気筒の4サイクルガソリンエンジン(図1中には1気筒のみ図示、以下単にエンジンという)1に装備されるもので、そのエンジン1の各気筒1aにはピストン2で仕切られた燃焼室3が形成され、吸気弁4と排気弁5が図示しない動弁機構により開閉駆動可能に装備されるとともに、燃焼室3内に露出するよう点火プラグ6が配置されている。また、吸気管7内には電子制御式スロットルバルブユニット8が設けられており、このスロットルバルブユニット8より燃焼室3側には吸気管7と一体に吸気通路を形成するとともに所定の容積を有するサージタンク9が設けられている。
ここで、電子制御式スロットルバルブユニット8は、アクセル開度に応じて開閉するスロットルバルブ8aおよびこれをバイパスする補助空気通路を開閉するISCバルブ8bの機能を併有するもので、エンジン1の運転状態やドライバからの何らかの要求操作入力に応じて従来のスロットルバルブ8aおよびアイドル制御バルブ(以下、ISCバルブという)8bにそれぞれ要求される開度が設定されたときの総合した吸入空気量に相当する吸入空気量が達成されるように、電子制御式スロットルバルブユニット8の開度がきめ細かに電子制御されるようになっている。
エンジン1の複数の気筒1aにはそれぞれ筒内噴射用のインジェクタ11(燃料噴射弁)が設けられており、これらのインジェクタ11は複数の気筒1aに燃料を供給するデリバリパイプ12に接続されている。このデリバリパイプ12には、車両に搭載された燃料タンク15から燃料ポンプ16により汲み出された燃料(例えばガソリン)が、燃料通路Lを通して供給されるようになっている。なお、エンジン1は、筒内直接噴射してその噴射時期及び噴射量を電子制御するものあれば、筒内噴射型のエンジンでも、ポート噴射と筒内噴射を組み合わせて実行するデュアル噴射式のエンジンでもよい。また、ガソリンのみならず、エタノールやガス燃料(LPGまたはLNG)等のように異なる燃料を用いるエンジンであってもよい。エンジン1の排気管18には排気浄化用の触媒コンバータ19(例えば3元触媒を内蔵する触媒装置)が装着されている。
インジェクタ11および点火プラグ6は、それぞれ対応する燃焼室3の近傍に配置されており、これらインジェクタ11および点火プラグ6の作動は、エンジン1を電子制御するエンジンECU30(エンジン制御ユニット;制御手段)からの燃料噴射信号Pa及び点火時期制御信号Pbによってそれぞれ制御されるようになっている。
エンジンECU30は、詳細なハードウェア構成を図示しないが、例えばCPU(Central Processing Unit)31、ROM(Read Only Memory)32、RAM(Random Access Memory)33、不揮発性メモリからなるバックアップ用メモリ(図1中ではB−RAMと記す)34に加えて、A/D変換器等を含む入力インターフェース回路35及びドライバ回路を含む出力インターフェース回路36等を含んで構成されている。なお、エンジンECU30にはキースイッチ37のon/off信号が取り込まれると共に、図示しないバッテリからの電源供給がなされる。
また、このエンジンECU30の入力インターフェース回路35には、エアフローメータ41、クランク角センサ42(エンジン回転数センサ)、上側クラッチスイッチ43、下側クラッチスイッチ44および水温センサ45と、図示しないスロットルセンサ、車速センサ、カムポジションセンサ(気筒判別センサ)、吸気温センサ、酸素センサ等のセンサ群が接続されており、これらセンサ群からのセンサ情報がエンジンECU30に取り込まれるようになっている。また、エンジンECU30の出力インターフェース回路36には、インジェクタ11の他に、図示しないディストリビュータを介して各点火プラグ6を駆動する図示しないイグナイタと、燃料ポンプ16をon/offさせる図示しないリレースイッチ回路等が接続されている。
エンジンECU30のCPU31は、主としてROM32に格納された制御プログラムに従って、RAM33およびB−RAM34との間でデータを授受しながら、入力インターフェース回路35から取り込んだセンサ情報や予め設定された設定値情報、マップデータ等に基づいて所定の演算処理を実行し、その結果に応じて出力インターフェース回路36からの制御信号出力を行うことで、エンジン1の電子制御を実行するとともに、通常運転時の制御に加え、後述する始動時の触媒急速暖機制御等を実行するようになっている。
また、エンジンECU30は、通常運転時には、例えばエアフローメータ41及びクランク角センサ42のセンサ情報から得られるエンジン1の1回転当りの吸入空気量に基づいて、予め設定された目標空燃比となる燃料噴射量に相当するインジェクタ11の基本燃料噴射時間を演算し、この基本燃料噴射時間に最適空燃比となるよう各センサ信号に基づく補正処理を加え、適正な燃料噴射量で噴射時期として設定されたクランク角に達する時点でインジェクタ11からの燃料噴射を実行するために、複数の制御値を算出する。また、エンジンECU30は、エンジン1の運転状態に応じて、適正な点火時期やスロットル開度の制御等を実行するための複数の制御値をそれぞれ算出する。そして、エンジンECU30の出力インターフェース回路36からインジェクタ11を駆動し、エンジン1内での燃料噴射量を目標噴射量に制御するための燃料噴射信号Paや、イグナイタを介して所定の点火時期に点火プラグ6を点火させる点火時期制御信号Pb、あるいは燃料ポンプ16をon/offさせる前記リレースイッチの切替信号等をそれぞれ出力する。
本実施形態では、燃料噴射は、吸気行程中の筒内噴射と、圧縮行程中の筒内噴射とが実行される2回噴射であり、触媒急速暖機制御中における吸気行程中の噴射量と圧縮行程中の燃料噴射量との比は例えば8:2、触媒急速暖機制御後における吸気行程中の噴射量と圧縮行程中の燃料噴射量との比は例えば5:5である。
ここにいう触媒急速暖機制御は、ある程度の燃料噴射量で吸気行程に加えて圧縮行程後期にも燃料噴射を実行し、点火プラグ6の周りを着火し易い燃料濃度として後燃えを促進するものであり、例えば点火プラグ6の周りを着火し易い燃料濃度とするがその周辺では燃料濃度が薄い、いわゆる弱成層の燃焼状態で、点火時期の大幅な遅角補正がなされる。また、スロットルバルブ8aは絞られるがISCバルブ8bの開度が大きくなるように、バルブ開度補正がなされて吸入空気量が増加されるとともに、その吸入空気量の増加に対して空燃比(A/F)を維持するように燃料がある程度増加され、上述の弱成層の燃焼状態となる。
一方、図2に示すように、本実施形態では、エンジン1に、エンジン1から出力される動力の伝達経路を断接するクラッチ50と、このクラッチ50を介してエンジン1からの動力が選択的に伝達される手動式の変速装置60とが装着されており、これらエンジン1、クラッチ50および変速装置60からなるパワーユニットが図示しない車両に搭載されている。
ここで、クラッチ50は、手動操作入力、例えばクラッチペダル51の踏込みに応じてエンジン1と変速装置60の入力軸(図示せず)の間の動力伝達経路を切断し、クラッチペダル51がその初期の位置に復帰した状態ではその動力伝達経路を接続する公知のものである。また、手動式の変速装置60は、クラッチペダル51の踏込みによりエンジン1と変速装置60の間の動力伝達経路を切断した状態で、シフトレバー61を手動選択操作することにより、内部の変速ギヤ段を切り換えることができる公知のものである。
また、エンジンECU30は、図1および図2に示すように、機能的には、冷間始動時の触媒急速暖機制御実行中か否かをその制御実行フラグ等から判定する触媒急速暖機判定手段71と、触媒急速暖機中および触媒急速暖機後のそれぞれについて予め設定された目標アイドル回転数を記憶保持するとともに、エンジン1の運転状態に応じてエンジン1のアイドリング時に目標アイドル回転数を設定する目標アイドル回転数設定手段72と、エンジン回転数ne(rpm)を検出するとともにそのエンジン回転数neと目標アイドル回転数との偏差eを算出する回転偏差算出手段73と、触媒急速暖機制御時に回転偏差算出手段73からの偏差eに応じてエンジン1の回転数neに影響する運転パラメータ、例えば点火時期(点火時期および吸入空気量のうち少なくとも一方であればよい)を補正する補正量を算出する触媒急速暖機時補正量算出手段74と、クラッチ50の半クラッチ状態を検出するための半クラッチ状態検出手段75とを備えている。すなわち、エンジンECU30は、エンジン1の運転パラメータを補正するための、エンジン回転数neと目標回転数(目標アイドル回転数)との偏差eに応じた比例補正量と、偏差eの一定期間(1回の点火から次点火までの期間)毎の積分値に応じた積分補正量とのうち少なくとも一方の補正量を演算して、その少なくとも一方の補正量分だけ運転パラメータを補正するようになっている。
ここで、触媒急速暖機判定手段71が参照する触媒急速暖機制御実行フラグは、例えば水温センサ45で検出される冷却水温thwに基づいて冷間始動時か否かを判定し、エアフローメータ41で検出される吸入空気流量に基づいて冷間始動後の吸入空気量の積算値を算出して、その積算値が所定積算量に達していないことを1つの条件として有効(制御有りを示すフラグ値、例えば1)となる。そして、触媒急速暖機判定手段71は、その制御フラグが有効か無効かの判別を実行するためのプログラムと作業メモリ領域を含んで構成されている。
目標アイドル回転数設定手段72は、予めの運転試験等から得られた設定値のメモリ情報等を基に、公知の方法で、触媒急速暖機制御中の目標アイドル回転数と、触媒急速暖機制御後の目標アイドル回転数とを、それぞれ設定するものである。
回転偏差算出手段73は、クランク角センサ42からの所定クランク回転角度毎の回転信号に基づいてエンジン回転数neを算出するプログラムと、その算出値と目標アイドル回転数との偏差eを算出するプログラムと、それらの算出のための作業メモリ領域を含んで構成されている。
触媒急速暖機時補正量算出手段74は、予めの運転試験等から得られたマップデータに基づいて、偏差eに対応するエンジン回転数neの収束方向の変化と、その変化を生じさせるための補正対象の運転パラメータ、例えば点火時期の変化量(点火時期および吸入空気量のうち少なくとも一方の変化量)について必要な操作量をフィードバック補正量(点火フィードバック補正量あるいはISC開度フィードバック補正量のうち少なくとも一方の意)として算出するようになっており、その算出プログラムおよび作業メモリ領域と前記マップデータとで構成されている。
また、触媒急速暖機時補正量算出手段74は、点火フィードバック補正量を、検出されるエンジン回転数neと目標アイドル回転数との偏差eに応じた比例項Pの補正量(以下、比例補正量という)[°CA(CAはクランク回転角度)]と、検出されるエンジン回転数neと目標アイドル回転数との偏差eに応じた補正量相当値を点火毎に積算した積分項Iの補正量(以下、積分補正量という)[°CA]との和として算出するようになっている。
具体的には、触媒急速暖機時補正量算出手段74は、触媒急速暖機制御中に、検出されるエンジン回転数neと目標アイドル回転数との偏差eが有意のエンジン負荷による低下回転数、例えば−200rpm程度に達するまでは、比例項Pの補正量、積分項Iの補正量共に算出せず、予め設定された初期値を維持する。そして、偏差eがその低下回転数に達すると、そのときの偏差eに応じた比例補正量と積分補正量との和として運転パラメータの補正量を算出し、点火時期/吸入空気量制御手段78に出力するようになっている。
点火時期/吸入空気量制御手段78は、エンジン1の運転状態に応じた目標点火時期、あるいは更に目標吸入空気量を、点火時期マップ等のデータで記憶する目標点火時期/吸入空気量設定手段79の記憶情報に基づいて設定するとともに、その設定値を触媒急速暖機時補正量算出手段74で算出された補正量に応じて変更するようになっている。なお、点火時期/吸入空気量制御手段78および目標点火時期/吸入空気量設定手段79は公知のものと同様であり、運転パラメータ、例えば点火時期による回転数フィードバック(以下、点火時期フィードバックという)が点火時期/吸入空気量制御手段78により実行される際には、点火時期は、触媒急速暖機時補正なしの場合の点火時期(例えば、上死点前16°)に比べ、偏差eに応じて算出されるフィードバック補正量kfbだけ遅角側(上死点側)にずれるように補正される。これにより、点火時期/吸入空気量制御手段78は、回転偏差算出手段73および触媒急速暖機時補正量算出手段74と協働してエンジン1の回転数neを触媒急速暖機中の目標アイドル回転数に収束させるよう回転数フィードバック制御を実行するようになっている。
さらに、触媒急速暖機時補正量算出手段74は、触媒急速暖機制御中に半クラッチ状態検出手段75によってクラッチ50の半クラッチ状態であることが検出されたときには、積分補正量の演算を無効化し、半クラッチ状態検出の直前の積分補正量を一定に保持することで、それ以降の積分補正量の増加を防止するようになっている。
半クラッチ状態検出手段75は、クラッチペダル51が復帰位置(非操作時の位置)からの踏込み操作されたときにONとなる上側クラッチスイッチ43と、クラッチペダル51が復帰位置から動力伝達経路の切断に十分な特定の踏込み位置まで踏込み操作されたときにONとなる下側クラッチスイッチ44とを含んで構成され、上側クラッチスイッチ43がONとなり、かつ、下側クラッチスイッチ44がOFFとなるときに半クラッチ状態であると判定して、半クラッチ状態を検出するようになっている。
なお、クラッチスイッチ43、44によりクラッチペダル51が復帰位置から若干踏み込まれてもその半クラッチ状態が検出され、半クラッチ状態検出直前の積分補正量が大きくなることはないので、半クラッチ状態検出の直前の積分補正量を一定に保持するのが好ましいが、点火時期補正量が例えばプラス5度に進角補正された状態で半クラッチ状態となり、時間の経過に伴ってその進角量が減少していくような運転状態、あるいは、燃料が重質でエンジン1の暖機進行により燃料のリーン度合いが軽減されていく状態といったような場合に、触媒急速暖機時補正量算出手段74は、半クラッチ状態検出の直前の積分補正量を回転数が急に変化しない程度に漸減させるようにすることもできる。もっとも、そのような特定の運転状態を検出する手段を設ける必要がある。
一方、エンジンECU30は、エンジン1の暖機が完了したか否かを判定するアイドル判定手段76と、触媒急速暖機の完了後に回転偏差算出手段73からの偏差eに応じてエンジン1の回転数neに影響する運転パラメータ、例えば点火時期(点火時期および吸入空気量のうち少なくとも一方であればよい)を補正することにより、回転偏差算出手段73と協働してエンジン1の回転数neを触媒急速暖機後の目標アイドル回転数に収束させるよう回転数フィードバック制御を実行する触媒急速暖機後補正量算出手段77とを備えている。
アイドル判定手段76は、例えばエンジン1の冷却水温thwに基づいてエンジン1の暖機が完了したか否かを判定するようになっている。
触媒急速暖機後補正量算出手段77は、触媒急速暖機判定手段71により触媒急速暖機中と判定されないときであってアイドル判定手段76によってアイドル判定がなされたときに、予めの運転試験等から得られたマップデータに基づいて、偏差eに対応するエンジン回転数neの収束方向の変化と、その変化を生じさせるための補正対象の運転パラメータ、例えば点火時期あるいは吸入空気量等についての必要な操作量をフィードバック補正量(触媒急速暖機時の補正量よりも十分に広レンジで補正される)を算出するようになっており、その算出プログラムおよび作業メモリ領域と前記マップデータとで構成されている。
このようなエンジンECU30(車両用内燃機関の制御装置)は、手動変速可能なクラッチ50付の変速装置60と共に車両に搭載される触媒コンバータ19付のエンジン1の触媒急速暖機制御を実行するとともに、その触媒急速暖機制御中にエンジン回転数neに影響する運転パラメータ、例えば点火時期および吸入空気量のうち少なくとも一方を補正することによってエンジン回転数neを目標回転数に収束させるようフィードバック制御することができ、クラッチ50が半クラッチ状態であることを半クラッチ状態検出手段75により検出することができる。そして、このエンジンECU30が、運転パラメータを補正するための、エンジン回転数neと目標回転数との偏差eに応じた比例補正量と、偏差eの一定期間毎の積分値に応じた積分補正量とのうち少なくとも一方の補正量を演算して、その少なくとも一方の補正量分だけ前記運転パラメータを補正するとともに、半クラッチ状態検出手段75によりクラッチ50が半クラッチ状態であることが検出されたときには、積分補正量の演算を停止して、積分補正量を予め設定された制限値に保持することで、積分補正量の増加を規制することができる。
次に、動作について説明する。
上述のように構成された本実施形態では、水温センサ45で検出される冷却水温thwに基づいて冷間始動か否かが判定され、エンジン1の冷間始動の場合には、エアフローメータ41で検出される吸入空気流量に基づいて冷間始動後の吸入空気量の積算値が算出され、その積算値が所定積算量に達していないことを1つの条件として触媒急速暖機制御の制御実行フラグが有効になると、触媒急速暖機制御が実行される。
すなわち、ISCバルブ8bの開度の増大補正下で、ある程度の燃料噴射量とされ、吸気行程に加えて圧縮行程後期にも燃料噴射が実行されることで、点火プラグ6の周りが着火し易い燃料濃度とされ、点火時期の大幅な遅角補正がなされて、後燃えを促進するような弱成層の燃焼状態が生じ、排気の昇温による触媒コンバータ19の急速な暖機がなされる。
このような触媒急速暖機制御時には、ピストン2により燃焼室3内の燃料が点火プラグの近傍に制限されているときに点火される必要があるから、半クラッチ操作等による回転数の低下に対して点火時期が過補正となると、それが燃焼状態に大きく影響する。また、回転数フィードバック制御が少しでも発散傾向になると、点火プラグ周りで燃料濃度が高いリッチ状態となり、燃焼状態が悪化してしまう。
これに対し、本実施形態では、触媒急速暖機制御中に半クラッチ操作がなされてエンジン回転数neが低下し、回転数フィードバック制御における偏差eが小さくならずに増加してしまう発散状態に陥ったとしても、積分補正による運転パラメータの不必要な補正がなされないことから、偏差eが増加する発散状態で半クラッチ操作状態からクラッチ50が切れた状態に移行したとしても、エンジン回転数neの吹き上がりが確実に抑えられることになる。
また、発散状態を抑制するように積分補正量Iの増加が防止されるものの、回転数フィードバック制御を発散させない程度の補正量は確保されるので、回転数フィードバック制御における偏差eが小さくならない状態のまま出力増大を要求する要求操作がなされたときには、それに対する所要の応答性を確保することができる。
さらに、弱成層燃焼により、触媒急速暖機のための排気昇温を可能にしながらも、点火時期の遅角補正範囲を確保し、かつ、均質燃焼に比べて燃費を向上させることができる。
また、上側クラッチスイッチ43および下側クラッチスイッチ44を利用して半クラッチ操作を確実に検出することができる。
図3は、本実施形態における触媒急速暖機時の運転パラメータの補正を実行する制御プログラムのフローチャートである。
同図において、まず、触媒急速暖機制御中か否かがその制御実行フラグから判別され(ステップS11)、触媒急速暖機制御中であると判別されると、次ステップの処理が実行される。
次ステップでは、エンジン回転数neが目標回転数(目標アイドル回転数)から有意の低下回転数、例えば200rmpを差し引いた回転数を下回るか否かが判別される(ステップS12)。すなわち、触媒急速暖機制御中に、検出されるエンジン回転数neと目標アイドル回転数との偏差eがフリクションの増大や重質燃料等による燃焼悪化等とは区別し得る有意の増加(エンジン回転数neの低下)を示しているか否かが判別される。
ステップS12での判別の結果がyesの場合、次いで、クラッチ50が半クラッチ状態になっているか否かが、クラッチペダル51が踏込み操作されたときにONとなる上側クラッチスイッチ43がONとなり、かつ、クラッチペダル51が復帰位置から動力伝達経路の切断に十分な特定の踏込み位置まで踏込み操作されたときにONとなる下側クラッチスイッチ44がOFFとなっているか否かで判定される(ステップS13)。
ステップS13での判別の結果がnoの場合、すなわち半クラッチ状態でなければ、次いで、偏差eに応じた比例補正量Pが偏差eと予め設定された比例補正係数kpとの積として算出されるとともに、積分補正量Iが前回の積分補正量(I)に偏差eと積分補正係数ki(比例補正係数kpよりも十分小さい)との積を加算して算出され、これら比例補正量Pおよび積分補正量Iの和として運転パラメータの補正量が算出される(ステップS14)。
一方、ステップS13での判別の結果、半クラッチ状態であれば(ステップS13でyesの場合)、次いで、偏差eに応じた比例補正量Pが偏差eと予め設定された比例補正係数kpとの積として算出されるが、積分補正量Iの更新値の計算はなされず、前回の積分補正量(I)の値が保持される(ステップS15)。
なお、ステップS12での判別結果がnoの場合、すなわち、触媒急速暖機制御中であって有意のエンジン負荷によるエンジン回転数neの低下が進んでいる状態にないときにも、比例項Pの補正量、積分項Iの補正量共に算出されず、現在の補正量が保持されることになる。
このように、本実施形態では、触媒急速暖機制御中にクラッチペダル51による運転者からの半クラッチ操作がなされてエンジン回転数neが低下し、回転数フィードバック制御における偏差eが減少しない状態に陥ったとしても、積分補正による点火時期(運転パラメータ)の不必要な補正をなくすようにしているので、偏差が増加する発散状態で半クラッチ操作状態からクラッチが切れた状態に移行したとしても、エンジン回転数neの吹き上がりを確実に抑えることができ、エンジン回転数neに影響する点火時期の補正がエンジン回転数neのフィードバック制御を発散させることがなく、確実かつ容易に回転数フィードバック制御を実行することのできる車両用内燃機関の制御装置を提供することができる。また、積分補正の規制の要否を目標回転数からの有意の回転数低下(例えば200rpm)で判定しているので、処理が簡単で、しかも、必要時には回転数フィードバックの発散を確実に防止することができる。
(第2の実施の形態)
図4は、本発明の第2の実施形態に係る車両用内燃機関の制御装置を示すブロック構成図であり、本発明をデュアル噴射式エンジンに適用した場合を示している。
なお、以下に説明する各実施形態の車両用内燃機関の制御装置は、上述の第1の実施の形態と類似する構成を有しているので、上述の第1の実施の形態と同一またはそれに相当する構成については図1、図2中のそれらの符号を用い、相違点についてのみ詳述する。
第2の実施の形態の車両用内燃機関の制御装置は、その多気筒エンジン(多気筒の内燃機関)101がデュアル噴射式である点において、第1の実施の形態とは相違する。
本実施形態においては、エンジン101の複数の気筒1aに対し、それぞれ筒内噴射用のインジェクタ11とは別に、ポート噴射用のインジェクタ91(燃料噴射弁)が設けられている。また、複数の気筒1aに対応する複数のインジェクタ91はデリバリパイプ102にそれぞれ接続しており、このデリバリパイプ102には燃料ポンプ92から吐出されプレッシャレギュレータ93によりポート噴射用の燃圧に調整された後の燃料が高圧燃料ポンプ96および逆止弁97により高圧で供給される。さらに、高圧燃料ポンプ96から吐出され溢流(いつりゅう)となる燃料の一部が、電磁スピル弁98を通し高圧燃料ポンプ96の吸入側に戻るようになっている。
このエンジン101では、インジェクタ91によるポート噴射(吸気通路噴射)とインジェクタ11による筒内噴射とを組み合わせて、例えば吸気行程においてインジェクタ91によるポート噴射がなされ、圧縮行程後期にインジェクタ11による筒内噴射がなされる。
この場合、触媒急速暖機時には、各気筒1a内での燃焼は、ポート噴射用インジェクタ91を吸気行程で燃料噴射して燃焼室3内全体にリーンで均質な混合気を生成するのに加えて、筒内噴射用インジェクタ11を圧縮行程で燃料噴射して、点火プラグ6周りに着火に適したある程度リッチな混合気を生成する弱成層燃焼となるようにしている。また、高温の燃焼ガスを触媒に到達させるために点火時期を遅角させ、かつ良好な燃焼状態を維持するためにある程度の燃料量で燃料が供給されるようになっている。
本実施形態においても、エンジン101の冷間始動時に、水温センサ45で検出される冷却水温thwに基づいて冷間始動時か否かが判定され、エアフローメータ41で検出される吸入空気流量に基づいて冷間始動後の吸入空気量の積算値が算出され、その積算値が所定積算量に達していないことを1つの条件として触媒急速暖機制御の制御実行フラグが有効となると、触媒急速暖機制御が実行される。そして、ISCバルブ8bの開度の増大補正下である程度の燃料噴射量とされ、吸気行程のポート噴射に加えて圧縮行程後期の筒内噴射が実行されることで、点火プラグ6の周りが着火し易い燃料濃度とされ、点火時期の大幅な遅角補正がなされて、後燃えを促進するような弱成層の燃焼状態が生じ、排気の昇温による触媒コンバータ19の急速な暖機がなされる。
また、本実施形態でも、上述の第1の実施の形態と同様に、触媒急速暖機制御中に半クラッチ操作がなされてエンジン回転数neが低下し、回転数フィードバック制御における偏差eが小さくならずに増加してしまう発散状態に陥ったとしても、積分補正による運転パラメータの不必要な補正がなされないことから、偏差eが増加する発散状態で半クラッチ操作状態からクラッチ50が切れた状態に移行したとしても、エンジン回転数neの吹き上がりが確実に抑えられることになる。
また、発散状態を抑制するように積分補正量Iの増加が防止されるものの、回転数フィードバック制御を発散させない程度の補正量は確保されるので、回転数フィードバック制御における偏差eが小さくならない状態のまま出力増大を要求する要求操作がなされたときには、それに対する所要の応答性を確保することができる。
さらに、弱成層燃焼により、触媒急速暖機のための排気昇温を可能にしながらも、点火時期の遅角補正範囲を確保し、かつ、均質燃焼に比べて燃費を向上させることができる。
なお、上述の各実施形態においては、内燃機関の回転数に影響する運転パラメータとして点火時期を例示しているが、ISCバルブ8bを介した補助空気量の増・減補正(それに伴う燃料の増減)によって触媒急速暖機制御を実行するものであってもよい。
(第3の実施の形態)
図5は、本発明の第3の実施形態に係る車両用内燃機関の制御装置を示す図であり、その触媒急速暖機時の運転パラメータの補正を実行する制御プログラムのフローチャートである。
本実施形態の車両用内燃機関の制御装置は、上述の第1の実施の形態と類似する構成を有しているが、そのECU30が点火時期でなく触媒急速暖機時にISCバルブ8bを開度の増大に補正するようになっている。
図5において、まず、触媒急速暖機制御中か否かがその制御実行フラグから判別され(ステップS21)、触媒急速暖機制御中であると判別されると、次ステップでは、エンジン回転数neが目標回転数(目標アイドル回転数)から有意の低下回転数200rmpを差し引いた値の回転数を下回るか否かが判別される(ステップS22)。
このステップS22での判別の結果がyesの場合、次いで、クラッチ50が半クラッチ状態になっているか否かが、上側クラッチスイッチ43がONとなり、かつ、下側クラッチスイッチ44がOFFとなっているか否かで判定される(ステップS23)。
ステップS23での判別の結果がnoの場合、すなわち半クラッチ状態でなければ、次いで、電子制御式スロットルバルブユニット8のISC開度(ISCバルブ8bの開度に相当する)の拡大方向の積分補正量Iが前回の積分補正量(I)に偏差eと積分補正係数kiとの積を加算して算出される(ステップS24)。
一方、ステップS23での判別の結果、半クラッチ状態であれば(ステップS23でyesの場合)、積分補正量Iの更新値の計算はなされず、前回の積分補正量(I)の値が保持される(ステップS25)。
ステップS22での判別結果がnoの場合、すなわち、触媒急速暖機制御中であって有意のエンジン負荷によりエンジン回転数neの低下が進んでいる状態にないときにも、積分項Iの補正量共に算出されず、現在の補正量が保持されることになる。電子制御式スロットルバルブユニット8のバルブ応答性の面から、比例項Pの補正量は、算出せず、積分項Iの補正量のみとする。
このように、本実施形態では、触媒急速暖機制御中にクラッチペダル51による運転者からの半クラッチ操作がなされてエンジン回転数neが低下し、回転数フィードバック制御における偏差eが減少しない状態に陥ったとしても、積分補正によるISC開度(運転パラメータ)の不必要な拡大補正をなくすようにしているので、偏差が増加する発散状態で半クラッチ操作状態からクラッチが切れた状態に移行したとしても、エンジン回転数neの吹き上がりを確実に抑えることができ、エンジン回転数neに影響するISC開度の補正がエンジン回転数neのフィードバック制御を発散させることがなく、確実かつ容易に車両用内燃機関の制御装置を提供することができる。
以上説明したように、本発明は、触媒暖機制御中に半クラッチ操作がなされて機関回転数が低下し、回転数フィードバック制御における偏差が減少しない状態になっても、積分補正による運転パラメータの不必要な補正をなくすようにしているので、偏差が増加する発散状態で半クラッチ操作状態からクラッチが切れた状態に移行したとしても、機関回転数の吹き上がりを確実に抑えることができ、機関回転数に影響する運転パラメータの補正が機関回転数のフィードバック制御を発散させることがなく、確実かつ容易に回転数フィードバック制御を実行することのできる車両用内燃機関の制御装置を提供することができるという効果を奏するものであり、車両用内燃機関の制御装置、特に排気浄化用の触媒コンバータの急速暖機制御時に点火時期や吸入空気量等の運転パラメータを補正して機関回転数を目標値に収束させるフィードバック制御を実行する車両用内燃機関の制御装置全般に有用である。
本発明の第1の実施形態に係る車両用内燃機関の制御装置を示す図で、第1の実施形態の内燃機関の要部断面を含むブロック構成図である。 第1の実施形態の内燃機関、変速装置およびクラッチ操作系を含む概略全体構成図である。 第1の実施形態における触媒急速暖機時の運転パラメータの補正を実行する制御プログラムのフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る車両用内燃機関の制御装置を示すブロック構成図で、本発明をデュアル噴射式エンジンに適用した場合を示している。 本発明の第3の実施形態に係る車両用内燃機関の制御装置における触媒急速暖機時の運転パラメータの補正を実行する制御プログラムのフローチャートである。
符号の説明
1 エンジン
1a 気筒
2 ピストン
3 燃焼室
4 吸気弁
5 排気弁
6 点火プラグ
7 吸気管
8 電子制御式スロットルバルブ
8a スロットルバルブ
8b ISCバルブ(アイドル回転数制御バルブ)
9 サージタンク
11 筒内噴射用インジェクタ
12 デリバリパイプ
15 燃料タンク
16 燃料ポンプ
18 排気管
19 触媒コンバータ
30 エンジンECU(制御手段)
31 CPU
32 ROM
33 RAM
34 B−RAM
35 入力インターフェース回路
36 出力インターフェース回路
37 キースイッチ
41 エアフローメータ
42 クランク角センサ
43 上側クラッチスイッチ
44 下側クラッチスイッチ
45 水温センサ
50 クラッチ
51 クラッチペダル
60 変速装置
61 シフトレバー
71 触媒急速暖機判定手段
72 目標アイドル回転数設定手段
73 回転偏差算出手段
74 触媒急速暖機時補正量算出手段
75 半クラッチ状態検出手段
76 アイドル判定手段
77 触媒急速暖機後補正量算出手段
78 点火時期/吸入空気量制御手段
79 目標点火時期/吸入空気量設定手段
91 ポート噴射用インジェクタ
92 燃料ポンプ
93 プレッシャレギュレータ
96 高圧燃料ポンプ
97 逆止弁
98 電磁スピル弁
101 エンジン
102 デリバリパイプ

Claims (4)

  1. 触媒コンバータ付の内燃機関の触媒暖機制御を実行するとともに、該触媒暖機制御中に前記内燃機関の回転数に影響する運転パラメータを補正することによって前記内燃機関の回転数を目標回転数に収束させるようフィードバック制御する制御手段と、
    手動操作入力に応じて前記内燃機関からの動力伝達経路を断接するよう前記内燃機関と共に車両に搭載されるクラッチの半クラッチ状態を検出する半クラッチ状態検出手段と、を備え、
    前記運転パラメータが、前記内燃機関の点火時期および吸入空気量を含むとともに、
    前記触媒暖機制御が、前記内燃機関の圧縮行程における筒内直接燃料噴射と前記内燃機関の点火時期の遅角補正とを含み、
    前記制御手段が、前記運転パラメータを補正するための、前記内燃機関の回転数と前記目標回転数との偏差に応じた比例補正量と、前記偏差の一定期間毎の積分値に応じた積分補正量とを演算して、該比例補正量および積分補正量分だけ前記内燃機関の点火時期を補正するとともに、該積分補正量分だけ前記内燃機関の吸入空気量を補正し、
    前記触媒暖機制御中に前記偏差が増大傾向となる有意の機関回転数の低下が生じた場合であって前記半クラッチ状態検出手段により前記クラッチが半クラッチ状態であることが検出されたときには、該検出直前の積分補正量を限界値として該検出後の積分補正量を前記限界値以下に保持することにより、前記検出直前の積分補正量からの積分補正量の増加を規制することを特徴とする車両用内燃機関の制御装置。
  2. 前記触媒暖機制御が、前記内燃機関に装着されたアイドル回転数制御バルブの開度を前記内燃機関の吸入空気量の増大側に制御することを含むことを特徴とする請求項1に記載の車両用内燃機関の制御装置。
  3. 前記半クラッチ状態検出手段がクラッチペダル操作に応じてオン・オフするクラッチスイッチを前記動力伝達経路の切断側と接続側のそれぞれに有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用内燃機関の制御装置。
  4. 前記触媒暖機制御中に、前記内燃機関によって、前記圧縮行程中の燃料噴射と、前記内燃機関の吸気行程中の燃料噴射とが実行されるようにしたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1の請求項に記載の車両用内燃機関の制御装置。
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