JP2012210560A - 揮発性有機化合物吸着剤の製造方法 - Google Patents
揮発性有機化合物吸着剤の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012210560A JP2012210560A JP2011076651A JP2011076651A JP2012210560A JP 2012210560 A JP2012210560 A JP 2012210560A JP 2011076651 A JP2011076651 A JP 2011076651A JP 2011076651 A JP2011076651 A JP 2011076651A JP 2012210560 A JP2012210560 A JP 2012210560A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- organic compound
- volatile organic
- compound adsorbent
- aluminum
- concentration
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)
- Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
Abstract
【解決手段】揮発性有機化合物吸着剤を、ケイ酸イオンを含む溶液及びアルミニウムイオンを含む溶液を混合して反応生成物を得る工程と、前記反応生成物を、脱塩及び固体分離する工程と、前記固体分離されたものを水性媒体中、酸の存在下、ケイ素原子濃度が100mmol/L以上且つアルミニウム原子濃度が100mmol/L以上となる濃度条件で加熱処理する工程と、前記加熱処理して得られたものを、脱塩及び固体分離する工程とを有する製造方法で製造する。
【選択図】なし
Description
本発明はこれらの知見に基づいて完成に至ったものであり、本発明によれば、以下の発明が提供される。
また本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を示す。
さらに本明細書において固体分離されたものの重量濃度は、固体分離されたものを110℃で24時間乾燥して得られる固体の質量を基準とする。
本発明の揮発性有機化合物吸着剤の製造方法は、(a)ケイ酸イオンを含む溶液及びアルミニウムイオンを含む溶液を混合して反応生成物を得る工程と、(b)前記反応生成物を、脱塩及び固体分離する工程と、(c)前記工程(b)で固体分離されたものを水性媒体中、酸の存在下、ケイ素原子濃度が100mmol/L以上且つアルミニウム原子濃度が100mmol/L以上となる濃度条件で加熱処理する工程と、(d)前記工程(c)で加熱処理して得られたものを、脱塩及び固体分離する工程と、を有し、必要に応じてその他の工程を有して構成される。
本発明の製造方法で製造されたVOC吸着剤は優れたVOC吸脱着能を有する。これは例えば以下のように考えることができる。一般に、アルミニウムケイ酸塩の酸の存在下での加熱処理を希薄溶液で実施すると、規則的な構造が連続している管状のアルミニウムケイ酸塩が形成される。しかし、本発明の製造方法のような高濃度条件下では、規則的な部分構造に加えて粘土構造及び非晶質構造を有するアルミニウムケイ酸塩が形成されると考えられる。VOC吸着剤を構成するアルミニウムケイ酸塩がこのような多様な構造を有することで、優れたVOC吸脱着能を発揮することができると考えられる。
反応生成物を得る工程では、ケイ酸イオンを含む溶液と、アルミニウムイオンを含む溶液とを混合して反応生成物であるアルミニウムケイ酸塩及び共存イオンを含む混合溶液を得る。
アルミニウムケイ酸塩を合成する際、原料には、ケイ酸イオン及びアルミニウムイオンが必要となる。ケイ酸イオンを含む溶液を構成するケイ酸源としては、溶媒和した際にケイ酸イオンが生じるものであれば特に制限されない。例えば、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、テトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシランなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、アルミニウムイオンを含む溶液を構成するアルミニウム源は、溶媒和した際にアルミニウムイオンが生じるものであれば特に制限されない。例えば、塩化アルミニウム、過塩素酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、アルミニウムsec−ブトキシド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの原料をそれぞれ溶媒に溶解させて原料溶液(ケイ酸溶液及びアルミニウム溶液)を調製した後、原料溶液を互いに混合して混合溶液を得る。混合溶液中のSi/Alモル比は、任意の値となるように調整し得る。中でもVOC吸脱着能の観点から、Si/Alモル比で0.3〜1.0であることが好ましく、0.4〜0.6であることがより好ましく、0.45〜0.55であることが更に好ましい。
Si/Alモル比を0.4〜1.0とすることで、所望の構造を有するアルミニウムケイ酸塩が合成され易くなる。
また、原料溶液の混合の際には、アルミニウム溶液に対してケイ酸溶液を徐々に加えることが好ましい。このようにすることで、所望のアルミニウムケイ酸塩の形成阻害要因となりうる、ケイ酸の重合を抑えることができる。
ケイ酸溶液のケイ素原子濃度が100mmol/L以上であると、生産性が向上し、効率よくアルミニウムケイ酸塩を製造することができる。またケイ素原子濃度が1000mmol/L以下であると、ケイ素原子濃度に応じて生産性がより向上する。
アルミニウム溶液のアルミニウム原子濃度が100mmol/L以上であると、生産性が向上し、効率よくアルミニウムケイ酸塩を製造することができる。またアルミニウム原子濃度が1000mmol/L以下であると、アルミニウム原子濃度に応じて生産性がより向上する。
ケイ酸イオンを含む溶液とアルミニウムイオンを含む溶液とを混合して反応生成物である共存イオンを含むアルミニウムケイ酸塩を生成させた後、生成した共存イオンを含むアルミニウムケイ酸塩を脱塩及び固体分離する第一洗浄工程を行う。第一洗浄工程では、混合溶液中から共存イオンの少なくとも一部を除去して混合溶液中の共存イオン濃度を低下させる。第一洗浄工程を行うことで、合成工程において所望のアルミニウムケイ酸塩を形成し易くなる。
分散液の電気伝導率が4.0S/m以下であると、合成工程において所望のアルミニウムケイ酸塩がより形成しやすくなる傾向がある。
尚、電気伝導率は、HORIBA社製:F−55及び同社の一般的な電気伝導率セル:9382−10Dを用いて、常温(25℃)で測定される。
例えば第一洗浄工程を、遠心分離を用いて行なう場合、以下のようにして行うことができる。混合溶液にアルカリ等を加えてpHを5〜7に調整する。pHを調整した溶液を遠心分離した後、上澄み溶液を排出してゲル状沈殿物として固体分離する。固体分離されたものを溶媒に再分散させる。その際、遠心分離前の容積に戻すことが好ましい。再分散させた分散液を同様にして遠心分離して脱塩及び固体分離する操作を繰り返すことで、共存イオンの濃度を所定の濃度以下にすることができる。
第一洗浄工程においてはpHを例えば5〜7に調整するが、5.5〜6.8であることが好ましく、5.8〜6.5であることがより好ましい。
pH調整に用いるアルカリは特に制限されない。例えば水酸化ナトリウム、アンモニア等が好ましい。
また遠心分離の条件は製造規模や使用する容器等に応じて適宜選択される。例えば、室温下、1200G以上で1〜30分間とすることができる。具体的には例えば、遠心分離装置としてTOMY社製:Suprema23、及び同社のスタンダードロータNA−16を用いる場合、室温下、3000rpm(1450G)以上で5〜10分間とすることができる。
合成工程では、第一洗浄工程で固体分離されたものを水性媒体中、酸の存在下、ケイ素原子濃度が100mmol/L以上且つアルミニウム原子濃度が100mmol/L以上となる濃度条件で加熱処理を行う。
従来の製造方法においては、加熱処理を希薄溶液で行うことでアルミニウムケイ酸塩を管状に成長させる。このような従来の製造方法では、希薄溶液で加熱処理を行うため生産性の向上に限界がある。しかしながら、本発明の製造方法のようにケイ素原子及びアルミニウム原子の濃度を特定の濃度以上の条件下で加熱処理を行うことで、VOC吸脱着能に優れ、管状とは異なる構造を有するアルミニムケイ酸塩を、生産性よく製造することができる。
本発明においてはケイ素原子濃度が100mmol/L以上且つアルミニウム原子濃度が100mmol/L以上である。好ましくはケイ素原子濃度が120mmol/L以上2000mmol/L以下且つアルミニウム原子濃度が120mmol/L以上2000mmol/L以下であり、より好ましくはケイ素原子濃度が150mmol/L以上1500mmol/L以下且つアルミニウム原子濃度が150mmol/L以上1500mmol/L以下である。
ケイ素原子濃度が100mmol/L未満又はアルミニウム原子濃度が100mmol/L未満の場合には、所望のアルミニウムケイ酸塩が得られにくくなる場合がある。またアルミニウムケイ酸塩の生産性が低下する傾向にある
また、ケイ素原子濃度及びアルミニウム原子濃度は、ICP発光分光装置(例えば、日立製作所社製ICP発光分光装置:P−4010)を用いて、常法により測定される。
加熱温度は特に制限されない。所望のアルミニウムケイ酸塩を効率よく得る観点から、80℃〜160℃であることが好ましい。
加熱温度が160℃以下であると、ベーマイト(水酸化アルミニウム)が析出することを抑制することができる傾向がある。また加熱温度が80℃以上であると、所望のアルミニウムケイ酸塩の合成速度が向上し、より効率よく所望のアルミニウムケイ酸塩を製造できる傾向がある。
加熱時間が96時間以下であると、より効率的に所望のアルミニウムケイ酸塩を製造することができる。
合成工程において加熱処理して得られたものは、第二洗浄工程において脱塩及び固体分離される。これにより優れたVOC吸着能を有する揮発性有機化合物吸着剤を得ることができる。これは例えば以下のように考えることができる。すなわち合成工程において加熱処理して得られたものは、アルミニウムケイ酸塩の吸着サイトが共存イオンで塞がれている場合があり、期待する程のVOC吸着能は得られない場合がある。そのため、合成工程で得られたアルミニウムケイ酸塩から共存イオンの少なくとも一部を除去する第二洗浄工程によって、脱塩及び固体分離することで優れたVOC吸着能を有する揮発性有機化合物吸着剤を得ることができると考えることができる。
第二洗浄工程は、共存イオンの濃度が所定の濃度以下になるように行うことが好ましい。具体的には例えば第二洗浄工程で得られる固体分離されたものを、重量濃度が60g/kgとなるように純水に分散させた場合に、その分散液の電気伝導率が4.0S/m以下となるように行なうことが好ましく、1.0mS/m以上3.0S/m以下となるように行なうことがより好ましく、1.0mS/m以上2.0S/m以下となるように行なうことが更に好ましい。
分散液の電気伝導率が4.0S/m以下であると、より優れたVOC吸着能を有する揮発性有機化合物吸着剤を得られやすくなる傾向がある。
第二洗浄工程においてはpHを例えば5〜10に調整するが、8〜10であることが好ましい。
pH調整に用いるアルカリは特に制限されない。例えば水酸化ナトリウム、アンモニア等が好ましい。
また遠心分離の条件は製造規模や使用する容器等に応じて適宜選択される。例えば、室温下、1200G以上で1〜30分間とすることができる。具体的には例えば、遠心分離装置としてTOMY社製:Suprema23、及び同社のスタンダードロータNA−16を用いる場合、室温下、3000rpm(1450G)以上で5〜10分間とすることができる。
尚、塩化物イオン濃度及びナトリウムイオン濃度は、イオンクロマトグラフィー(例えば、ダイオネクス社製DX−320及びDX−100)により通常の条件で測定される。
また、揮発性有機化合物吸着剤の分散物の濃度は、固体分離されたものを110℃、24時間乾燥して得られる固体の質量を基準とする。
Si/Alモル比は、原料溶液の混合比率を適宜選択することで調整することができる。
またSi/Alモル比は、ICP発光分光装置(例えば、日立製作所社製ICP発光分光装置:P−4010)を用いて、常法により測定できる。
前記前処理では、0.05gの測定試料を投入した測定用セルを、真空ポンプで10Pa以下に減圧した後、110℃で加熱し、3時間以上保持した後、減圧した状態を保ったまま常温(25℃)まで自然冷却する。この前処理を行った後、評価温度を77Kとし、評価圧力範囲を相対圧(飽和蒸気圧に対する平衡圧力)にて1未満として測定する。
揮発性有機化合物吸着剤の全細孔容積は、前記BET比表面積に基づき、相対圧が0.95以上1未満の範囲で得られたデータの中、相対圧1に最も近いガス吸着量を液体に換算して求める。
揮発性有機化合物吸着剤の平均細孔直径は、前記BET比表面積及び全細孔容積に基づき、全細孔を1つの円筒形細孔で構成されていると仮定して求める。
またさらに揮発性有機化合物吸着剤は、粉末X線回折スペクトルにおいて2θ=18.8°近辺、20.3°近辺、27.8°近辺、40.6°近辺及び53.3°近辺にピークをそれぞれ有することが好ましい。これらのピークは水酸化アルミニウム(バイヤライト)に対応する推定され、シャープなピークとして観測される。
尚、粉末X線回折スペクトルは、例えば粉末X線回折装置として、リガク社製:Geigerflex RAD−2X(商品名)を用い、CuKα線をX線源として測定される。
(a)反応生成物を得る工程
濃度:700mmol/Lの塩化アルミニウム水溶液(500mL)に、濃度:350mmol/Lのオルトケイ酸ナトリウム水溶液(500mL)を加え、30分間攪拌した。この溶液に、濃度:1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を330mL加え、pH=6.1に調整した。
pH調整した溶液を30分間攪拌後、遠心分離装置としてTOMY社製:Suprema23及びスタンダードロータNA−16を用い、回転速度:3,000回転/分で、5分間の遠心分離を行った。遠心分離後、上澄み溶液を排出し、ゲル状沈殿物を純水に再分散させ、遠心分離前の容積に戻した。このような遠心分離による脱塩処理を3回行った。
脱塩処理3回目の上澄み排出後に得たゲル状沈殿物に、濃度:1mol/Lの塩酸を135mL加えてpH=3.5に調整し、30分間攪拌した。
このときの溶液中のケイ素原子濃度及びアルミニウム原子濃度を、ICP発光分光装置:P−4010(日立製作所社製)を用いて、常法により測定したところ、ケイ素原子濃度は213mmol/Lであり、アルミニウム原子濃度は426mmol/Lであった。
次に、この溶液を乾燥器に入れ、98℃で48時間(2日間)加熱した。
加熱後溶液(アルミニウムケイ酸塩濃度47g/L)に、濃度:1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を188mL添加し、pH=9.1に調整した。pH調整により溶液中のアルミニウムケイ酸塩を凝集させ、第一洗浄工程と同様の遠心分離でこの凝集体を沈殿させることで、上澄み液を排出した。これに純水を添加して遠心分離前の容積に戻すという脱塩処理を3回行った。
(構造評価)
試料Aの構造評価は、BET比表面積、全細孔容積、平均細孔直径、粉末X線回折によって行った。
また粉末X線回折は、リガク社製:Geigerflex RAD−2X(商品名)を用い、X線源としてCuKα線を用いて行なった。
本実施例では、0.05gの試料Aを投入した測定用セルに、真空ポンプで脱気及び加熱を自動制御で行い、試料Aを前処理した。この処理の詳細条件は、10Pa以下に減圧した後、110℃で加熱し、3時間以上保持した後、減圧した状態を保ったまま常温(25℃)まで自然冷却するという設定とした。
試料Aの粉末X線回折スペクトルにおいて、2θ=26.9°、そして40.3°にブロードなピークが観測された。さらに2θ=18.8°、20.3°、27.8°、40.6°、そして53.3°にシャープなピークが観測された。
VOC吸脱着能評価には、日本ベル株式会社製:BELSORP−18(商品名)を用いた。VOC吸脱着能評価をする際は、後述する試料の前処理を行った後、評価温度を20℃とし、評価圧力範囲を相対圧(飽和蒸気圧に対する平衡圧力)にて1未満としている。
尚、VOC吸脱着能の評価に当たり、試料表面及び構造中に吸着している水分が、VOC吸脱着能に影響を及ぼすと考えられることから、加熱による水分除去の前処理を上記と同様にして行った。
吸脱着等温線の測定は自動制御で5回連続測定した(図1参照)。尚、連続測定では、同一試料を用いているが、吸着脱着の1サイクル測定が終了する毎に、20℃、10Paにて1時間脱気し、それから次の測定を行うようにした。
これは、圧力変化のみではメタノールを脱着できない(110℃を超えるように更に加熱しなければ脱着しない)吸着サイトが33%存在するということを示している。
−従来合成法−
濃度:180mmol/Lの塩化アルミニウム水溶液(500mL)に、濃度:74mmol/Lのオルトケイ酸ナトリウム水溶液(500mL)を加え、30分間攪拌した。この溶液に、濃度:1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を滴下速度2mL/分で93mL加え、pH=7.0に調整した。
次に、この溶液を乾燥器に入れ、98℃で96時間(4日間)加熱した。
(構造評価)
試料BのBET比表面積は323m2/g、全細孔容積は0.22cm3/g、そして平均細孔直径は2.7nmとなった。
試料Bの粉末X線回折スペクトルにおいては、2θ=4.8°、9.7°、14.0°、18.3、27.3°、そして40.8°にブロードなピークが観測された。
VOCとしてメタノールを使用して、実施例1と同様にして、吸脱着等温線の連続測定を行なった。結果を図2に示す。
次にVOCとして、メタノール、エタノール、アセトン及びメチルエチルケトンを使用して、それぞれのVOCに対する真空乾燥直後の吸着等温線を測定した。結果を図4に示す。
これは、圧力変化のみではメタノールを脱着できない(110℃を超えるように更に加熱しなければ脱着しない)吸着サイトが23%存在するということを示している。
市販品のゼオライト(和光純薬工業株式会社製、商品名:モレキュラーシーブス13X)を試料Cとした。試料Cを用いて実施例1と同様にして、VOC吸脱着能を評価した。結果を図3に示す。
またVOCとして、メタノール、エタノール、アセトン及びメチルエチルケトンを使用して、それぞれのVOCに対する真空乾燥直後の吸着等温線を測定した。結果を図5に示す。
これは、圧力変化のみではメタノールを脱着できない(110℃を超えるように更に加熱しなければ脱着しない)吸着サイトが63%存在するということを示している。
また、本発明の揮発性有機化合物吸着剤の製造方法によって製造されたアルミニウムケイ酸塩は、従来法で製造されたアルミニウムケイ酸塩と同様に、種々のVOCに対して優れた吸着能を示すことが予想される。
Claims (7)
- (a)ケイ酸イオンを含む溶液及びアルミニウムイオンを含む溶液を混合して反応生成物を得る工程と、
(b)前記反応生成物を、脱塩及び固体分離する工程と、
(c)前記工程(b)で固体分離されたものを水性媒体中、酸の存在下、ケイ素原子濃度が100mmol/L以上且つアルミニウム原子濃度が100mmol/L以上となる濃度条件で加熱処理する工程と、
(d)前記工程(c)で加熱処理して得られたものを、脱塩及び固体分離する工程と、を有する揮発性有機化合物吸着剤の製造方法。 - 前記(b)工程で固体分離されたものは、重量濃度が60g/kgとなるように水に分散させた場合の電気伝導率が4.0S/m以下である、請求項1に記載の揮発性有機化合物吸着剤の製造方法。
- 前記(c)工程は、pHを3以上7未満に調整し、温度80℃〜160℃で、96時間以内の間、加熱処理する工程である、請求項1又は請求項2に記載の揮発性有機化合物吸着剤の製造方法。
- 前記(a)工程は、前記ケイ酸イオンを含む溶液のケイ素原子濃度が100mmol/L以上であり、前記アルミニウムイオンを含む溶液のアルミニウム原子濃度が100mmol/L以上であり、アルミニウム原子に対するケイ素原子の比Si/Alがモル比で0.3〜1.0となるように、前記ケイ酸イオンを含む溶液及びアルミニウムイオンを含む溶液を混合する工程である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の揮発性有機化合物吸着剤の製造方法。
- 前記(b)工程は、前記反応生成物を水性媒体に分散して分散物を得る工程と、前記分散物のpHを5〜7に調整して反応生成物を析出させる工程と、を含む、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の揮発性有機化合物吸着剤の製造方法。
- 前記揮発性有機化合物吸着剤は、BET比表面積が250m2/g以上であり、全細孔容積が0.1cm3/g以上であり、平均細孔直径が1.5nm以上であり、CuKα線による粉末X線回折スペクトルが2θ=26.9°近辺及び40.3°近辺にピークを有するものである、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の揮発性有機化合物吸着剤の製造方法。
- 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の揮発性有機化合物吸着剤の製造方法により製造される、揮発性有機化合物吸着剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011076651A JP5679317B2 (ja) | 2011-03-30 | 2011-03-30 | 揮発性有機化合物吸着剤の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011076651A JP5679317B2 (ja) | 2011-03-30 | 2011-03-30 | 揮発性有機化合物吸着剤の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012210560A true JP2012210560A (ja) | 2012-11-01 |
JP5679317B2 JP5679317B2 (ja) | 2015-03-04 |
Family
ID=47265004
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011076651A Expired - Fee Related JP5679317B2 (ja) | 2011-03-30 | 2011-03-30 | 揮発性有機化合物吸着剤の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5679317B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015117148A (ja) * | 2013-12-18 | 2015-06-25 | コニカミノルタ株式会社 | チューブ状アルミニウムケイ酸塩及びアルミニウムケイ酸塩の製造方法 |
JP2018172238A (ja) * | 2017-03-31 | 2018-11-08 | 戸田工業株式会社 | 非晶質アルミノケイ酸塩粒子粉末及びその製造方法、スラリー並びに成形体 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62191417A (ja) * | 1986-02-19 | 1987-08-21 | Kao Corp | アモルフアスアルミノシリケ−トの製造方法 |
JP2004345892A (ja) * | 2003-05-21 | 2004-12-09 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | アルミニウムケイ酸塩の管状構造体の製造方法 |
JP2006240956A (ja) * | 2005-03-07 | 2006-09-14 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 非晶質アルミニウムケイ酸塩、及び非晶質アルミニウムケイ酸塩を有する吸着剤、除湿ロータ及び空調装置 |
JP2011056494A (ja) * | 2009-08-10 | 2011-03-24 | National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology | 水溶性揮発性有機化合物吸着剤 |
-
2011
- 2011-03-30 JP JP2011076651A patent/JP5679317B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62191417A (ja) * | 1986-02-19 | 1987-08-21 | Kao Corp | アモルフアスアルミノシリケ−トの製造方法 |
JP2004345892A (ja) * | 2003-05-21 | 2004-12-09 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | アルミニウムケイ酸塩の管状構造体の製造方法 |
JP2006240956A (ja) * | 2005-03-07 | 2006-09-14 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 非晶質アルミニウムケイ酸塩、及び非晶質アルミニウムケイ酸塩を有する吸着剤、除湿ロータ及び空調装置 |
JP2011056494A (ja) * | 2009-08-10 | 2011-03-24 | National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology | 水溶性揮発性有機化合物吸着剤 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015117148A (ja) * | 2013-12-18 | 2015-06-25 | コニカミノルタ株式会社 | チューブ状アルミニウムケイ酸塩及びアルミニウムケイ酸塩の製造方法 |
JP2018172238A (ja) * | 2017-03-31 | 2018-11-08 | 戸田工業株式会社 | 非晶質アルミノケイ酸塩粒子粉末及びその製造方法、スラリー並びに成形体 |
JP7039853B2 (ja) | 2017-03-31 | 2022-03-23 | 戸田工業株式会社 | 非晶質アルミノケイ酸塩粒子粉末及びその製造方法、スラリー並びに成形体 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5679317B2 (ja) | 2015-03-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101907048B1 (ko) | 알루미늄 규산염, 금속 이온 흡착제 및 이들의 제조 방법 | |
EP2138227B1 (en) | Method for producing carbon dioxide adsorbent and method of adsorbing and desorbing carbon dioxide | |
KR20140116050A (ko) | 제올라이트 및 제올라이트를 포함하는 복합물 | |
JPWO2010026975A1 (ja) | 非晶質アルミニウムケイ酸塩の製造方法、及びその方法により得られた非晶質アルミニウムケイ酸塩、並びにそれを用いた吸着剤 | |
Wang et al. | Surface hydroxylation of SBA-15 via alkaline for efficient amidoxime-functionalization and enhanced uranium adsorption | |
TW201438807A (zh) | 具有穩定吸附活性的ddr型沸石 | |
JP2008179533A (ja) | 中湿度領域において優れた水蒸気吸放湿特性を有する非晶質アルミニウムケイ酸塩 | |
Wang et al. | Mesoporous hollow silicon spheres modified with manganese ion sieve: Preparation and its application for adsorption of lithium and rubidium ions | |
JP5679317B2 (ja) | 揮発性有機化合物吸着剤の製造方法 | |
JP6426213B2 (ja) | 非晶質アルミニウムケイ酸塩及びその製造方法 | |
JP2019042639A (ja) | 二酸化炭素吸着剤、二酸化炭素吸着剤の再生方法、および、脱離型の層状金属水酸化物の製造方法 | |
JP7110792B2 (ja) | 銀イオン交換ゼオライトの製造方法 | |
JP2020138169A (ja) | 二酸化炭素の吸着方法、および二酸化炭素の脱離方法 | |
JP5665118B2 (ja) | 揮発性有機化合物吸着剤の製造方法及びその方法により製造される揮発性有機化合物吸着剤 | |
JP2008184368A (ja) | 結晶性リン酸アルミニウム多孔質構造体およびその製造方法 | |
JP2005219955A (ja) | 結晶性無機多孔質材料およびその製造方法 | |
JP6890947B2 (ja) | アルミニウムケイ酸塩複合体 | |
JP6303791B2 (ja) | ストロンチウム型クリノプチロライトの製造方法 | |
Eskandari et al. | Investigation of the use of various silica source on NaX zeolite properties | |
JP7086342B2 (ja) | Co2分離材及びその製造方法 | |
JP5324369B2 (ja) | アルケン吸脱着剤の製造方法 | |
JP2015017032A (ja) | アルミニウムケイ酸塩複合体 | |
JP2005219956A (ja) | 結晶性無機多孔質材料およびその製造方法 | |
WO2001080991A1 (fr) | Adsorbant selectif pour l'azote et procede de separation d'air faisant appel a cet adsorbant | |
Masoumifard et al. | Synthesis of microporous/mesoporous core–shell materials with crystalline zeolitic shell and supported metal oxide silica core |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 Effective date: 20130426 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20130426 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130807 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20130807 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130905 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140317 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140401 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140602 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140729 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140926 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20141125 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20141225 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5679317 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |