JP2011056494A - 水溶性揮発性有機化合物吸着剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水溶性の揮発性有機化合物において、吸着が可能でかつ100〜150℃の温度で脱離が可能である、無機化合物からなる水溶性揮発性有機化合物吸着剤を提供する。
【解決手段】 低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩からなる複合体及び/又はその前駆体を有効成分とする水溶性揮発性有機化合物吸着剤であって、前記前駆体は、高温で加熱あるいは長時間加熱することにより前記複合体となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水溶性な揮発性有機化合物の吸着剤に関するものである。
揮発性有機化合物とは、常温常圧で蒸発し空気中に容易に揮発する有機化合物質のことである。難分解性であることが多いため浸透して土壌や地下水の汚染や、大気中に放出されると光化学反応によってオキシダントや浮遊粒子状物質の発生源として関与していると考えられており、人体に及ぼす影響が懸念されている。水溶性の揮発性有機化合物において、IPA(イソプロピルアルコール)は半導体製造ラインの洗浄工程で、ウエーハ洗浄装置から揮発により大気中に放出され、またNMP(N−メチル−ピロリドン)もエレクトロニクス洗浄剤として広く用いられているが、最近NMPが妊婦の皮膚に接触すると、胎児に危険をもたらす生殖毒性を有することが明らかになっている。
揮発性有機化合物は、人体に影響を及ぼす影響が懸念されているため、大気中に放出されることがないよう、これまでにいくつかの処理および回収方法が開発されている。揮発性有機化合物を燃焼させその際に発生する廃熱を利用しようとする方法(燃焼処理廃熱回収型)、揮発性有機化合物を吸着剤により回収し液化したものを再生溶剤として精製リサイクルする方法(溶剤リサイクル型)、同じく吸着剤を用いて回収し液化したものを燃料とする方法(燃料リサイクル型)がある。中でも、揮発性有機化合物が高価でかつ濃縮が可能な場合には、コスト的な面からも溶剤リサイクル型が求められている。
揮発性有機化合物を回収するためには、揮発性有機化合物を吸着しかつ脱離させることができる吸着剤が必要となる。現在この吸着剤としては、活性炭やゼオライトが使用されている。活性炭やゼオライトに吸着させた揮発性有機化合物を脱離させるには、一般的に熱をかけることによって行っているが、活性炭は高温で燃焼してしまう可能性があり、ゼオライトは脱離温度が180℃程度と非常に高いため、安全性およびエネルギー的な面で満足できるものではなかった。そこで、燃焼の可能性がない無機材料であり、かつ低温で脱離できる、低温再生可能な揮発性有機化合物吸着剤が求められている。
一般的に揮発性有機化合物は、親水性の吸着剤にほとんど吸着されないことが知られている。それゆえゼオライトにおいては、揮発性有機化合物用吸着剤として疎水性のゼオライトが開発されている。
その一方で、親水性の例として水蒸気の吸着に非常に優れた材料が開発されている。高性能な水蒸気吸着性を有する物質として、粉末X線回折図形において低結晶性粘土と非晶質含水アルミニウムケイ酸塩の複合体(以下「ハスクレイ」とする)という物質がある(特許文献1)。またハスクレイの前駆体は、粉末X線回折図形においては非晶質なアルミニウムケイ酸塩のピークのみを示すが、加熱温度を高くするあるいは反応時間を長くすることによりハスクレイになることからハスクレイ前駆体と定義している。このハスクレイ前駆体は工業的な大量合成が可能でありかつ水蒸気吸着性能にも優れている(特許文献2,3)。また特許文献1〜3記載のアルミニウムケイ酸塩においては、二酸化炭素の吸着剤としても大気圧以上で高性能な吸着剤であることが示されている(特許文献1、4)。
このように、特許文献1および2に記載のアルミニウムケイ酸塩は、デシカント空調などの水蒸気や二酸化炭素吸着剤として用いることは検討されていたが、親水性の材料であることから有機溶剤用吸着剤としての効果はないと推測され検討は全く行われていなかった。
国際公開第2009/084632号 特開2008−179533号公報 特願2008−224574号 国際公開第2008/129968号
本発明の課題は、水溶性の揮発性有機化合物(以下「水溶性VOC」ということもある)の吸着量が多く、また100〜150℃程度の温度でそれらを脱離することが可能な、無機系水溶性VOC回収剤および濃縮剤を提供することにある。
このような課題に鑑み、発明者らは水溶性の揮発性有機化合物を吸着し、かつ低温で脱離させることが可能な材料の探索および開発を行った。その結果、低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩の複合体(ハスクレイ)および低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩の複合体の前駆体(ハスクレイ前駆体)からなる物質を用いることにより、親水性の材料であっても、水溶性の揮発性有機化合物の吸着に優れているという知見を得、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1]吸着した水溶性揮発性有機化合物を脱離可能な吸着剤であって、低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩からなる複合体及び/又はその前駆体を有効性成分とすることを特徴とする、水溶性揮発性有機化合物吸着剤。
[2]前記前駆体は、高温で加熱あるいは長時間加熱することにより前記複合体となることを特徴とする、上記[1]の水溶性揮発性有機化合物吸着剤。
[3]前記複合体は、X線源としてCuを用いた粉末X線回折図形において、2θ=20、26、35、39°付近に4つのブロードなピークを有することを特徴とする、上記[1]の水溶性揮発性有機化合物吸着剤。
[4]前記前駆体は、X線源としてCuを用いた粉末X線回折図形において、2θ=26、39°付近に2つのブロードなピークを有し、29Si固体NMR測定において、−78ppm、−87ppm付近に2つのピークを有することを特徴とする、上記[1]の水溶性揮発性有機化合物吸着剤。
[5]前記複合体は、イソプロピルアルコールの吸脱着評価において、25℃50ppmで吸着後、100℃500ppmの脱離の条件で吸脱着量が0.045kg/kg、150℃500ppmの脱離の条件で吸脱着量が0.095kg/kg以上であることを特徴とする、上記[1]又は[3]の水溶性揮発性有機化合物吸着剤。
[6]前記前駆体は、イソプロピルアルコールの吸脱着評価において、25℃50ppmで吸着後、100℃500ppmの脱離の条件で吸脱着量が0.035kg/kg、150℃500ppmの脱離の条件で吸脱着量が0.060kg/kg以上であることを特徴とする、上記[1]又は[4]に記載の水溶性揮発性有機化合物吸着剤
[7]上記[1]〜[6]のいずれかの水溶性揮発性有機化合物吸着剤を用いる、水溶性揮発性有機化合物の回収方法。
本発明の水溶性VOC吸着剤は、粉末X線回折図形において低結晶性粘土と非晶質含水アルミニウムケイ酸塩由来のピークを示す複合体からなる物質(ハスクレイ)およびハスクレイ前駆体によるものである。上記アルミニウムケイ酸塩は、表面に水酸化アルミニウム由来の水酸基が存在するため、高い親水性を示している。
本発明の吸着剤は、高い親水性を有しているばかりでなく低温での脱離が可能であり、水溶性VOC吸着剤として優れた性能を有している。
実施例1であるハスクレイの平衡吸着量の測定結果を示す図 実施例2であるハスクレイ前駆体の平衡吸着量の測定結果を示す図、 比較例1であるY型ゼオライトの平衡吸着量の測定結果を示す図 比較例2であるZSM−5の平衡吸着量の測定結果を示す図
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明に係わるハスクレイおよびハスクレイ前駆体と称する吸着剤は、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、酸素(O)及び水素(H)を主構成元素とし、多数のSi−O−Al結合で組み立てられた含水アルミニウムケイ酸塩である。ハスクレイは粉末X線回折図形において低結晶性粘土と非晶質含水アルミニウムケイ酸塩のピークを示す複合体からなる物質であり、ハスクレイ前駆体は粉末X線回折図形においては非晶質アルミニウムケイ酸塩のピークを示すが、高温で加熱を行うあるいは反応時間を長くすることによってハスクレイとなることからハスクレイ前駆体としている。
これらのハスクレイ及び/又はハスクレイ前駆体からなる水溶性VOC吸着剤は、無機ケイ素化合物溶液と無機アルミニウム化合物溶液からなる溶液を混合し、ケイ素とアルミニウムの重合化後、条件によっては脱塩処理を施し、加熱熟成により人工的に得ることが可能である。
本発明では、低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩との複合体であるハスクレイおよびその前駆体が、水溶性VOCを低濃度でも効率的に吸着し、150℃程度の温度でその大半を脱離することができる吸着剤であって、その一例としてイソプロピルアルコールにおいて、25℃50ppmにおける吸着量と、150℃500ppmにおける吸着量の差から吸脱着可能量を検討したところ、ハスクレイは0.095kg/kg以上、ハスクレイ前駆体は0.065kg/kg以上であることを見出した。
また従来用いられていたゼオライトと異なりハスクレイおよびハスクレイ前駆体は100℃でも再生が可能であることから、低温再生用水溶性VOC吸着剤として用いることが可能であることを見出した。
すなわち、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、ハスクレイおよびハスクレイ前駆体の吸着特性を解明することにより、その結果、従来では得られなかった、優れた水溶性VOC回収・濃縮剤の提供が可能となったものである。
本発明において、ハスクレイおよびハスクレイ前駆体の調製には、原料として、通常、ケイ素源であるケイ素化合物とアルミニウム源であるアルミニウム化合物が用いられる。ケイ素化合物としては、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、無定形コロイド状二酸化ケイ素(エアロジル等)、水ガラス等が好適なものとして挙げられる。また、アルミニウム化合物としては、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウムおよび硫酸アルミニウム等が好適なものとして挙げられる。これらのケイ素源及びアルミニウム源は、上記の化合物に限定されるものではなく、それらと同等のものであれば同様に使用することができる。
粉末X線回折図形において低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩のピークを示す複合体のハスクレイおよびハスクレイ前駆体は、以下のようにして合成される。
上記の原料を適切な水溶液に溶解させ、所定の濃度の溶液を調製する。本目的を満たす優れた吸着挙動を示す複合体を合成するには、ケイ素/アルミニウムモル比は0.7〜1.0となるように混合することが必要である。溶液中のケイ素化合物の濃度は1〜500mmol/Lで、アルミニウム化合物の溶液の濃度は1〜1000mmol/Lであるが、好適な濃度としては1〜200mmol/Lのケイ素化合物溶液と、1〜500mmol/Lのアルミニウム化合物溶液を混合することが好ましい。これらの比率及び濃度に基づいて、アルミニウム化合物溶液にケイ素化合物溶液を混合し、酸又はアルカリを添加してpHを6〜8に調整して、前駆体を形成した後、遠心分離、濾過、膜分離等により、溶液中の共存イオンを取り除き、その後、回収した前駆体を弱酸性〜弱アルカリ性水溶液に分散させたものが、低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩との複合体となる前駆体物質を含む懸濁液である。この前駆体物質を含む懸濁液を、95℃以上で加熱することにより、低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩との複合体を生成することができ、目的の水溶性VOC吸着特性において優れた吸着剤を得ることができる。
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
<実施例1 ハスクレイの合成>
Si源として0.38mol/Lのオルトケイ酸ナトリウム水溶液100mLと、Al源として0.45mol/Lの塩化アルミニウム水溶液100mLを用いた。塩化アルミニウム水溶液にオルトケイ酸ナトリウム水溶液を加え、約10分間攪拌を行った。このときのSi/Al比は0.84である。攪拌後、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を1mL/分の速さで滴下し、pHが6.5程度になるまで添加した。水酸化ナトリウム水溶液の滴下量は6mLであった。このようにして生成させた前駆体懸濁液を遠心分離にて1回脱塩処理を行った。脱塩処理は遠心分離機を用いて、回転速度3000rpm、時間10分で行った。脱塩処理後前駆体を純水に分散させ全体で1Lとなるようにし、10分攪拌を行い前駆体懸濁液を作成した。
調整した1Lのイモゴライト前駆体懸濁液を、100mL用テフロン(登録商標)製容器に80mL測り取った後、ステンレス製反応容器に設置し、180℃で1日間加熱を行った。反応後、遠心分離にて3回洗浄し、60℃で1日乾燥させた。
得られた生成物については、粉末X線回折測定を行った。図1に得られた生成物の粉末X線回折図形を示す。図1に見られるように、2θ=20、26、35、39°付近にブロードなピークが見られる。このうち20および35°に見られるピークは層状粘土鉱物のhk0面の反射から得られるものであり、層状粘土鉱物に一般的に見られる00l反射が見られないことから、積層方向の厚さがほとんどない低結晶性の層状粘土鉱物であると推定される。また2θ=26、39°付近のブロードなピークは非晶質なアルミニウムケイ酸塩に特徴的なピークである。
以上の結果から実施例1の物質は低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩からなることが確認された。
<実施例2 ハスクレイ前駆体の合成>
Si濃度が0.80mol/Lになるように、純水で希釈したオルトケイ酸ナトリウム水溶液2000mlを調製した。また、これとは別に、塩化アルミニウムを純水に溶解させ、Al濃度が0.94mol/Lの水溶液2000mlを調製した。次に、塩化アルミニウム水溶液にオルトケイ酸ナトリウム水溶液を混合し、マグネティックスターラーで撹拌した。このときのSi/Al比は0.85であった。さらに、この混合溶液に1N水酸化ナトリウム水溶液135mlを滴下し、pHを7とした。室温下で1時間攪拌した後、4Lの密閉容器に移し替え、恒温槽にて98℃で1日間加熱を行った。冷却後、遠心分離により3回洗浄後、60℃で乾燥を行い、実施例2のハスクレイ前駆体を得た。
実施例2の29Si固体NMR測定において、−78ppm、−87ppm付近にピークが確認された。また、粉末X線回折測定では、2θ=26°と39°付近にブロードなピークが確認された。
<実施例3 ハスクレイ前駆体の合成その2>
Si濃度が0.80mol/Lになるように、純水で希釈した水ガラス溶液2000mLを調製した。また、これとは別に、硫酸アルミニウムを純水に溶解させ、Al濃度が0.94mol/Lの水溶液2000mLを調製した。次に、水ガラス溶液に硫酸アルミニウム水溶液を混合し、攪拌機にて撹拌した。このときのSi/Al比は0.85であった。さらに、この混合溶液に5N水酸化ナトリウム水溶液600mLを滴下し、pHを7とした。室温下で30分攪拌した後、5Lの密閉容器に移し替え、恒温槽にて95℃で1日間加熱を行った。冷却後、遠心分離により4回洗浄後、60℃で乾燥を行い、実施例3のハスクレイ前駆体を得た。
実施例3の29Si固体NMR測定において、−78ppm、−87ppm付近にピークが確認された。また、粉末X線回折測定では、2θ=26°と39°付近にブロードなピークが確認された。
(イソプロピルアルコール吸着・脱離評価)
イソプロピルアルコール(以下「IPA」)の吸着・脱離評価には、実施例1で得られたハスクレイおよび実施例2で得られたハスクレイ前駆体、そして比較例1及び2として、市販のゼオライトであるY型ゼオライト及びVOC吸着用ゼオライトであるZSM−5)を用いた。
一定温度、一定IPA濃度の供試空気をハスクレイもしくはゼオライトの試料に供給し、一定条件下での各々の試料に対するIPAの平衡吸着量を、熱重量測定装置を用いて測定した。供試空気については、標準ガス発生装置を用い、純空気ガスを希釈ガスとして供給して所定のIPA濃度の供試空気を生成させた。各試料における平衡吸着量測定の温度条件は25℃〜180℃の範囲で6水準、IPA濃度条件は、50ppm〜500ppmで6水準行った。
実施例1で得られたハスクレイの測定結果を図1に、実施例2で得られたハスクレイ前駆体の測定結果を図2に、比較例1のY型ゼオライトの測定結果を図3に、比較例2のZSM−5の測定結果を図4に示す。
図1に示すように、ハスクレイの25℃50ppmにおけるIPAの吸着量は、0.116kg/kgで、100℃500ppmにおける吸着量は0.068kg/kg、150℃500ppmにおける吸着量は0.020kg/kgであった。それゆえ25℃吸着100℃脱離の条件では吸脱着量は0.048kg/kg、25℃吸着150℃脱離の条件では吸脱着量は0.096kg/kgであった。
図2に示すように、ハスクレイ前駆体の25℃50ppmにおけるIPAの吸着量は、0.084kg/kgで、100℃500ppmにおける吸着量は0.047kg/kg、150℃500ppmにおける吸着量は0.020kg/kgであった。それゆえ25℃吸着100℃脱離の条件では吸脱着量は0.037kg/kg、25℃吸着150℃脱離の条件では吸脱着量は0.064kg/kgであった。
図3に示すように、Y型ゼオライトの25℃50ppmにおけるIPAの吸着量は、0.010kg/kgで、100℃500ppmにおける吸着量は0.009kg/kg、150℃500ppmにおける吸着量は0.006kg/kgであった。それゆえ25℃吸着100℃脱離の条件では吸脱着量は0.001kg/kg、25℃吸着150℃脱離の条件では吸脱着量は0.004kg/kgであった。
図4に示すように、ゼオライトZSM−5の25℃50ppmにおけるIPAの吸着量は、0.054kg/kgで、100℃500ppmにおける吸着量は0.060kg/kg、150℃500ppmにおける吸着量は0.007kg/kgであった。それゆえ25℃吸着100℃脱離の条件では吸脱着量は−0.006kg/kg、25℃吸着150℃脱離の条件では吸脱着量は0.047kg/kgであった。
以上のように、吸着温度25℃・脱離温度150℃にて吸脱着量が、ハスクレイは0.096kg/kg、ハスクレイ前駆体は0.064kg/kgと、市販のゼオライト0.047kg/kg比較して1.4〜2.0倍程度多いことが示された。また市販のゼオライトでは脱離温度が100℃では、吸着したVOCをほとんど離脱しないのに対して、ハスクレイでは0.048kg/kg、ハスクレイ前駆体では0.037kg/kgと、100℃でも再生が可能であることが示された。
また実施例2とは原料が異なる実施例3のハスクレイ前駆体その2において、IPAの吸着試験を行ったところ、実施例2と同等の性能を有することが確認された。
本発明は、低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩からなる複合体を用いることによって、イソプロピルアルコールやNMP(N-メチル-ピロリドン)などの、水溶性VOC回収および濃縮剤等に利用することができる。

Claims (7)

  1. 吸着した水溶性揮発性有機化合物を脱離可能な吸着剤であって、低結晶性層状粘土鉱物と非晶質アルミニウムケイ酸塩からなる複合体及び/又はその前駆体を有効性成分とすることを特徴とする水溶性揮発性有機化合物吸着剤。
  2. 前記前駆体は、高温で加熱あるいは長時間加熱することにより前記複合体となることを特徴とする、請求項1に記載の水溶性揮発性有機化合物吸着剤。
  3. 前記複合体は、X線源としてCuを用いた粉末X線回折図形において、2θ=20、26、35、39°付近に4つのブロードなピークを有することを特徴とする、請求項1記載の水溶性揮発性有機化合物吸着剤。
  4. 前記前駆体は、X線源としてCuを用いた粉末X線回折図形において、2θ=26、39°付近に2つのブロードなピークを有し、29Si固体NMR測定において、−78ppm、−87ppm付近に2つのピークを有することを特徴とする、請求項1に記載の水溶性揮発性有機化合物吸着剤。
  5. 前記複合体は、イソプロピルアルコールの吸脱着評価において、25℃50ppmで吸着後、100℃500ppmの脱離の条件で吸脱着量が0.045kg/kg、150℃500ppmの脱離の条件で吸脱着量が0.095kg/kg以上であることを特徴とする、請求項1又は3に記載の水溶性揮発性有機化合物吸着剤。
  6. 前記前駆体は、イソプロピルアルコールの吸脱着評価において、25℃50ppmで吸着後、100℃500ppmの脱離の条件で吸脱着量が0.035kg/kg、150℃500ppmの脱離の条件で吸脱着量が0.060kg/kg以上であることを特徴とする、請求項1又は4に記載の水溶性揮発性有機化合物吸着剤
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の水溶性揮発性有機化合物吸着剤を用いる、水溶性揮発性有機化合物の回収方法。
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