JP2000140549A - 二酸化炭酸の除去方法 - Google Patents

二酸化炭酸の除去方法

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JP2000140549A
JP2000140549A JP10317537A JP31753798A JP2000140549A JP 2000140549 A JP2000140549 A JP 2000140549A JP 10317537 A JP10317537 A JP 10317537A JP 31753798 A JP31753798 A JP 31753798A JP 2000140549 A JP2000140549 A JP 2000140549A
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ion
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adsorbent
ions
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Yukio Miyamoto
裕貴夫 宮本
Senji Kasahara
泉司 笠原
Atsushi Harada
敦 原田
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    • Y02C20/40Capture or disposal of greenhouse gases of CO2

Abstract

(57)【要約】 【課題】二酸化炭素を吸着する性能に優れる吸着剤を用
いた二酸化炭素を含む混合ガスから二酸化炭酸を吸着し
て分離する方法を提供する。 【解決の手段】二酸化炭素を含む2種以上の成分からな
る混合ガスを吸着剤に接触させて二酸化炭素を混合ガス
より除去する方法において、吸着剤と混合ガスを接触さ
せるときの圧力が5〜20atmであって、そして骨格
Si/Al原子比が実質的に1.0であり、ゼオライト
に含まれるイオン交換可能なカチオンの70当量%以上
がアルカリ金属イオンの内の1種のイオンであり、かつ
25℃、3mmHgの圧力における二酸化炭素の吸着容
量が35Ncc/g以上のX型ゼオライトを吸着剤とし
て使用することを特徴とする二酸化炭素の除去方法を用
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二酸化炭素を含む
2種以上の成分からなる混合ガスのガス流から二酸化炭
素を吸着除去する方法に関する。さらに詳しくは、たと
えば、空気を液化するまで圧縮、冷却した後、ガス成分
を窒素、酸素、アルゴン等の成分に分離する深冷分離法
において、前処理として不純物あるいは工程上の不都合
な成分として除去されるべき二酸化炭素を原料となる空
気などの混合ガスから吸着除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】二酸化炭素は、燃焼排ガス中をはじめ、
工業的な工程ガスや、天然ガス、あるいは微量ながら空
気中にも含まれている。工業排ガス中の二酸化炭素は、
地球温暖化の原因ともなる温室効果ガスであって近年注
目されているばかりではなく、たとえば前述の深冷分離
法においては冷却により固体となることからたとえ微量
であっても熱交換器を閉塞させるなどのトラブルの原因
となっていた。
【0003】二酸化炭素の分離除去方法は、化学的吸着
法としてアルカリやアミンの溶液に吸収させる方法や、
吸着剤に物理的に吸着させて除去する方法が提案され、
実施されていた。吸着剤としては、活性炭、ゼオライト
が使用される。ゼオライトを吸着剤として使用する場合
は、温度、圧力スイング法(PTSA法)あるいは圧力
のみを変動させるPSA法により主に行われる。一般的
には、低い温度及び高い圧力でゼオライト吸着剤に二酸
化炭素を吸着させた後、それよりも高い温度及び低い圧
力で二酸化炭素を脱着させて吸着剤を再生する。このと
き、二酸化炭素を含まないガスを加温して流通し、パー
ジを行うこともある。
【0004】これまでに空気等の混合ガスより二酸化炭
素を除去するための吸着剤として使用されてきたゼオラ
イトは、A型ゼオライトあるいは、Si/Al原子比
1.25以上のX型ゼオライトであった。しかしなが
ら、脱二酸化炭素プロセスにおいても、装置のコンパク
ト化また電力原単位の低減から、より二酸化炭素吸着性
能の高い吸着剤が求められている。特に原料ガスが空気
である場合、その二酸化炭素の濃度は300ppm程度
であり、10〜15気圧の圧力で吸着剤と接触させる場
合、その分圧は約3mmHgであり、このような低圧で
の吸着容量の増加が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、二酸
化炭素を吸着する性能に優れる吸着剤を用いた二酸化炭
素を含む混合ガスから二酸化炭酸を吸着して分離する方
法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について鋭意検討した結果、少なくとも二酸化炭素を含
む2種以上の成分からなる混合ガスのガス流をゼオライ
トに接触させて混合ガスに含まれる二酸化炭酸を5〜2
0atmの圧力条件で吸着除去する際に、Si/Al原
子比が実質的に1.0であり、ゼオライトに含まれるイ
オン交換可能なカチオンとしてNaイオン、Kイオン、
Liイオン等のアルカリ金属イオンの内の1種のカチオ
ンを70当量%以上含むX型ゼオライトを吸着剤として
用いることにより飛躍的に二酸化炭素を除去する性能が
向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】本発明で使用される吸着剤としては、骨格
のSi/Al原子比が実質的に1.0であるX型ゼオラ
イトであることが必須である。
【0009】ここで、ゼオライトの骨格Si/Al原子
比は1.0以上であって、1.0未満にはならないこと
が知られている。また、X型ゼオライトの骨格Si/A
l原子比が1.0に近づくにしたがって、そのSi/A
l原子比から予測されるよりも二酸化炭素を吸着する容
量が極端に増加し、実際の使用面において、装置のコン
パクト化、電力原単位の低減が可能となる。この理由は
不明であるが、X型ゼオライト中の二酸化炭素を吸着す
る能力の強いカチオン交換サイトが急激に増加するため
と推定される。
【0010】一方、X型ゼオライト以外の、例えば、S
i/Al原子比が1.0の代表的なゼオライトであるA
型ゼオライトではX型ゼオライトに比べ細孔の径が小さ
いため、十分な二酸化炭素の吸着容量や、動的な特性が
得られず、本発明の目的には適しない。
【0011】本発明で使用されるX型ゼオライトに含ま
れるイオン交換可能なカチオンとしては、アルカリ金属
イオンの内の1種のイオンが大部分を占めることが好ま
しく、さらには、これらのアルカリ金属イオンの内で
も、Naイオン、Kイオン又はLiイオンが、特にLi
イオンが好ましい。この理由は、例えばPSA法による
使用では混合ガスより二酸化炭素を吸着した後、二酸化
炭素を脱着してゼオライトを再生するという繰返しが行
われるため、二酸化炭素を吸着するのみならず脱着する
能力がより優れるようにするためである。
【0012】以下、本発明で使用されるX型ゼオライト
に含まれるイオン交換可能なカチオンであり、X型ゼオ
ライトに主成分として含まれる1種のカチオンを「主成
分イオン」という。この主成分イオンは、本発明に用い
られるX型ゼオライトを製造した際に主成分となってい
るものであっても、また、X型ゼオライト製造後イオン
交換によりX型ゼオライトに導入されたカチオンであっ
てもよい。
【0013】そして残りのカチオンは、この主成分イオ
ン以外のアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属及
び希土類元素からなる群より選ばれる1種又は2種以上
のイオンであればよい。
【0014】また、本発明で用いられるX型ゼオライト
に含まれる主成分イオンの量としては、X型ゼオライト
に含まれるイオン交換可能なカチオンの全量に対して7
0当量%以上が好ましく、さらに80当量%以上が、特
にイオン交換可能なカチオンがLiイオンの場合には9
0当量%以上であることが好ましい。これは、このよう
に主成分イオンがX型ゼオライトに含まれることで二酸
化炭素の吸着容量が極端に増加し、さらにその含有量が
増加するに応じて二酸化炭素の吸着容量も増加するため
である。
【0015】本発明で使用されるX型ゼオライトは、粉
末にて使用することもできるが、取り扱いの容易さ等か
ら、ペレット、ビーズ等の成形体として好ましく使用さ
れる。
【0016】成形体を用いる場合は、ゼオライトの粉末
に、カオリンやセピオライトに代表される粘土やシリカ
ゾル等の無機系、あるいは有機系のバインダーを加え、
押出し成形、撹拌造粒、転動造粒等の通常用いられる方
法により成形して使用される。用いられるバインダーの
量としてはゼオライト全量に対して5〜30重量%程度
添加されるが、より高性能な吸着剤とするにはバインダ
ーの添加量は少ない方がよい。また、用いられるバイン
ダーは成形体の製造中にX型ゼオライトに変化させう
る、バインダーレス成形体とするものであってもよい。
【0017】成形体の大きさとしては、より高性能な吸
着剤とするには小さいほどよいが、成形体の強度の低
下、充填した時の圧損の増大を避けるために、平均粒径
として0.5〜3mmの範囲が好ましく、さらに0.5
〜2mmの範囲が好ましい。
【0018】本発明で使用されるゼオライトは、前記し
たようにX型ゼオライト中のイオン交換可能なカチオン
の70当量%以上がNaイオン、Kイオン、Liイオン
などのアルカリ金属イオンの内の1種のカチオンとなっ
ており、必要に応じて、イオン交換することでゼオライ
トへ所望のカチオンを導入することができる。
【0019】イオン交換によりゼオライトに所望のアル
カリ金属イオンを導入する場合は、通常用いられるゼオ
ライトのイオン交換の方法で実施することができる。例
えば、Liイオンをゼオライトへ導入するにはLiイオ
ンを含む水溶液などの溶液をゼオライトと接触させるこ
とでよい。さらに、1種のイオンを導入するのみなら
ず、2種以上のイオンをゼオライトへ導入する場合に
は、Na、K、Liなどのアルカリ金属の主成分イオン
と、主成分イオン以外のアルカリ金属のイオン、カルシ
ウムなどのアルカリ土類金属イオン、鉄などの遷移金属
イオン、ランタンなどの希土類元素のイオンとを共存さ
せてイオン交換しても目的の吸着剤を得ることは可能で
あるし、それぞれのイオンを個別の溶液としてイオン交
換することもできる。
【0020】イオン交換に使用する塩類としては、塩化
物をはじめ硝酸塩、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩などのあ
る程度の水溶性を示す塩類が好ましく用いられる。イオ
ン交換に使用する所望のアルカリ金属のイオンを含む溶
液の濃度も特に限定されず、通常0.1〜7モル/リッ
トルの濃度で行われるが、水溶性の低い塩を用いる場合
には適宜必要な溶液を調製すればよい。
【0021】イオン交換する際の温度としては、イオン
交換するための溶液の凝固点以上沸騰点以下の温度で実
施されるが、イオン交換反応が吸熱反応である場合には
できるだけ高い温度でイオン交換することが効率的であ
ると想像され、好ましい。
【0022】イオン交換はゼオライト粉末をイオン交換
に供してもよいし、ゼオライトを成形体に成形した後に
行うこともできる。また、イオン交換反応をゼオライト
をカラムに充填してカラム内においても行ってもよい
し、ゼオライト及びイオン交換するための溶液を適当な
容器に入れた後に行うバッチ法で行ってもよく、特に限
定されない。
【0023】また、イオン交換の回数は、得られるゼオ
ライト中の主成分イオン含有量にもよるが、1回であっ
ても、複数回反復して実施してもよい。
【0024】イオン交換によりゼオライト中のイオン交
換可能なカチオンを所望のイオンに交換した後、ゼオラ
イトは洗浄される。洗浄方法としては通常の方法でよ
く、洗浄に用いられる液としては、水、温水、または弱
アルカリ性の水、温水などで洗浄すればよい。
【0025】その後、洗浄されたゼオライトは乾燥され
るが、乾燥は比較的低い温度で行うことが好ましく、例
えば、120℃以下の温度で行なうとよい。ゼオライト
を乾燥してその表面に付着した水分が十分乾燥された
ら、ゼオライトが粉末の場合は上記のように成形体に成
形した後活性化し、成形体にてイオン交換された場合は
そのまま活性化される。
【0026】活性化は上記のゼオライトを二酸化炭素の
吸着剤として使用するために通常実施されるが、この活
性化によりゼオライトはその吸着サイトに吸着した水分
子を脱着させることができ、ゼオライトへの二酸化炭素
の吸着に対して活性な状態とすることができる。
【0027】活性化の温度としては、ゼオライトの劣化
等が起こらない温度で実施すればよく、例えば、350
℃以上600℃以下の範囲で実施するとよい。また、活
性化に際にしては、脱着した水蒸気により自己破壊を起
こさないように十分に水蒸気を追い出すことのできる条
件で実施すればよく、例えば、除湿した空気を送り込み
ながら過熱して活性化する方法、あるいは除湿した空気
を活性化の温度に加熱する方法などが好ましく用いられ
る。
【0028】本発明の方法に用いられるゼオライトはこ
のような上記記載の方法により製造されたものであり、
二酸化炭素を含む混合ガス中より二酸化炭素を吸着する
のに適したゼオライトである。ゼオライトの二酸化炭素
に対する吸着容量としては大きい方が好ましいが、上記
記載のゼオライトであって、かつ25℃、3mmHgの
圧力における二酸化炭素の吸着容量が35Ncc/g以
上のゼオライトであれば本発明の目的に好適に使用でき
る。
【0029】本発明の対象となる、二酸化炭素を含む混
合ガスとしては、二酸化炭素が含まれていれば特に限定
されず、二酸化炭素よりもゼオライトへの吸着力の弱
い、すなわち、極性の低いガスが含まれている場合に
は、本発明の方法により優れた効果を発揮できる。この
ような二酸化炭素を含む混合ガスとしては、二酸化炭素
以外の成分として、水素、炭化水素、一酸化炭素、窒
素、酸素、アンモニア、アルゴン、水、等が挙げられ
る。
【0030】また、混合ガスに水やアンモニア等のよう
な極性の強いガスが共存していても、これらのガス成分
の含有量に応じて用いるゼオライト吸着剤の量を増減さ
せることで、極性の強い順に吸着剤に吸着させ、除去す
ることができ、あるいは、前処理としてこれらのガスを
従来の吸着剤等で予め除去することもできる。
【0031】二酸化炭素を含む混合ガスのガス流から二
酸化炭酸を吸着除去する本発明の方法は、混合ガスと吸
着剤であるゼオライトとを接触させるときの圧力が5〜
20atmの条件で実現される。特に、このような圧力
条件で空気を原料とするガス中の二酸化炭素を吸着分離
する方法においては、通常、PTSA法が用いられる。
【0032】PTSA法では、本発明で使用される吸着
剤を塔に充填し、上記の条件で原料となる混合ガスを流
通し二酸化炭素が吸着される。吸着された二酸化炭素を
脱着する条件については特に限定されるものではなく、
例えば、圧力を吸着する際の圧力よりも減圧すると同時
に、精製ガスや、場合によっては他の二酸化炭素を含ま
ないガスなどを加熱し、流通することで吸着されている
二酸化炭素を除去することができる。
【0033】このような吸脱着処理を行った後に再度二
酸化炭素の除去を行う場合には、脱着後、吸着剤にその
まま混合ガスを流通してもよいが、必要に応じて、前記
したように吸着剤を活性化して再生した後に二酸化炭素
の除去を行ってもよい。
【0034】また、一段のPTSA法による装置で処理
の対象となる混合ガス中の二酸化炭素、炭化水素等を同
時に除去することも可能であるが、活性炭等の吸着剤を
充填したPSA装置で予めアンモニアや水分を除去した
後、本発明の方法で二酸化炭素を除去することもでき
る。
【0035】本発明は、二酸化炭素を含む2種以上の成
分からなる混合ガスのガス流から二酸化炭素を吸着除去
する方法であり、例えば、空気を液化するまで圧縮、冷
却した後、ガス成分を窒素、酸素、アルゴン等の成分に
分離する深冷分離や、化学合成原料、燃焼ガスなどの中
の不純物としてのに酸化炭素の除去などといった用途に
好適に用いられる。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、これらに実施例により本発明はなんら限定さ
れるものでない。尚、実施例の中のイオン交換率、吸着
容量は以下の方法で測定した。
【0037】<イオン交換率>試料を弗化水素酸と硝酸
の1:1混合溶液で溶解した後、所定の濃度になるよう
に蒸留水を用いて希釈した。その後、パーキンエルマー
社製ICP測定装置(Optima 3000)によ
り、各金属イオンの濃度を同定し、イオンの当量比、例
えば、Liイオン、Naイオン、Kイオンが含まれるゼ
オライト中のLiイオンの当量比を求める場合は、Li
/(Li+Na+K)として算出した。
【0038】<吸着容量>日本ベル社製、BELSOR
P 28SAにより25℃の温度における二酸化炭素の
吸着容量を0〜約15mmHgの範囲で測定を行い、3
mmHgの二酸化炭素吸着容量を算出した。吸着容量は
吸着剤1gあたりに吸着する二酸化炭素の体積を0℃、
1気圧の標準状態に換算して表示した。
【0039】実施例1 骨格のSi/Al比が1.0であるシリカ比の低いX型
ゼオライトを特公平5−25527号公報に開示される
方法によって合成した。すなわち、水1000g中にK
OHペレット(純度85重量%)287gを溶解し、こ
れにAl(OH)3 208gを50重量%のNaOH
水溶液267gに溶解したものを添加し、4℃に冷却し
た(溶液1)。次いで、珪酸ナトリウム(Na2O:
9.6重量%、SiO2:30.9重量%)453.2
5gを水1131.7gで希釈して、先の冷却された溶
液1を加えた。その後36℃で3日間熟成し、70℃に
昇温して16時間結晶化を行った。得られた結晶を濾
過、洗浄した後、乾燥した。
【0040】得られたゼオライト粉末に関してX線回折
で確認されたピークは全てフォージャサイトに起因する
ものであり、そのほかのゼオライトによるピークは見出
せなかった。また、ICP分析による化学組成はSi/
Al比が1.0であった。ほぼ結晶化度100%のLS
X型ゼオライト粉末が合成できた。
【0041】得られたゼオライト粉末100gを、60
℃の温度に保った、1NのNaCl水溶液3リットル中
に分散して、3時間撹拌しながらバッチ法でイオン交換
をした。イオン交換の後、濾過洗浄した。このゼオライ
ト粉末を上記方法で再度イオン交換し、合計5回イオン
交換を繰り返した。
【0042】このイオン交換により、ゼオライト中のイ
オン交換可能なカチオンの98当量%をNaイオンにイ
オン交換した。残りのイオンは、Kイオンが2当量%で
あった。イオン交換したゼオライト粉末に、乾燥重量基
準でゼオライト100重量部に対して約20重量部とな
るような比率でバインダー成分としてのセピオライトを
添加して、平均粒径が直径1.6mmの大きさの球状に
なるように成形した。成形した、ゼオライト成形体を5
50℃の乾燥熱風により加熱して、バインダーを燒結す
るとともにゼオライトの水分を脱着させて活性化した。
活性化終了後のゼオライト成形体は、空気を遮断した金
属容器中で保存し冷却の後、吸着容量測定装置内で再度
真空下、350℃で2時間活性化して吸着容量の測定を
行った。試験の結果を表1に示した。
【0043】
【表1】
【0044】実施例2 実施例1と同様にして、結晶化度ほぼ100%の骨格の
Si/Al比が1.0であるシリカ比の低いX型ゼオラ
イトを合成した。得られたゼオライトを、NaCl水溶
液の代わりにKClを用いた以外は実施例1と同様にし
てイオン交換し、イオン交換可能なカチオンの96当量
%をKイオンにイオン交換した。残りのイオンはNaイ
オンが4当量%であった。イオン交換したゼオライト粉
末を実施例1と同様の方法で成形し、活性化した。活性
化終了後のゼオライト成形体は、空気を遮断した金属容
器中で保存し冷却の後、試験に供した。試験の結果を表
1に示した。
【0045】実施例3 実施例1と同様にして、結晶化度ほぼ100%の骨格の
Si/Al比が1.0であるシリカ比の低いX型ゼオラ
イトを合成した。得られたゼオライトを、NaCl水溶
液の代わりにLiClを用い、イオン交換を7回実施し
た以外は実施例1と同様にしてイオン交換し、イオン交
換可能なカチオンの96当量%をLiイオンにイオン交
換した。残りのイオンは、Naイオンが3当量%、Kイ
オンが1当量%であった。イオン交換したゼオライト粉
末を実施例1と同様の方法で成形し、活性化した。活性
化終了後のゼオライト成形体は、空気を遮断した金属容
器中で保存し冷却の後、試験に供した。試験の結果を表
1に示した。
【0046】実施例4 実施例1と同様にして、結晶化度ほぼ100%の骨格の
Si/Al比が1.0であるシリカ比の低いX型ゼオラ
イトを合成した。得られたゼオライトを、NaCl水溶
液の代わりにLiClを用い、イオン交換を3回実施し
た以外は実施例1と同様にしてイオン交換し、イオン交
換可能なカチオンの86当量%をLiイオンにイオン交
換した。残りのイオンは、Naイオンが11当量%、K
イオンが3当量%であった。イオン交換したゼオライト
粉末を実施例1と同様の方法で成形し、活性化した。活
性化終了後のゼオライト成形体は、空気を遮断した金属
容器中で保存し冷却の後、試験に供した。試験の結果を
表1に示した。
【0047】比較例1 市販のNa−X(骨格のSi/Al比は1.25)ゼオ
ライト粉末(東ソー株式会社製)をICPで化学分析し
たところ、イオン交換可能なイオンはほぼ100当量%
がNaイオンであった。ゼオライト粉末を実施例1と同
様の方法で成形し、活性化した。活性化終了後のゼオラ
イト成形体は、空気を遮断した金属容器中で保存し冷却
の後、試験に供した。試験の結果を表1に示した。
【0048】比較例2 市販のNa−X型(骨格のSi/Al比は1.25)ゼ
オライト粉末(東ソー株式会社製)を実施例2と同様に
してイオン交換し、イオン交換可能なカチオンの95当
量%をKイオンにイオン交換した。残りのイオンは、N
aイオンが5当量%であった。イオン交換したゼオライ
ト粉末を実施例1と同様の方法で成形し、活性化した。
活性化終了後のゼオライト成形体は、空気を遮断した金
属容器中で保存し冷却の後、試験に供した。試験の結果
を表1に示した。
【0049】
【発明の効果】本発明の方法によれば、二酸化炭素を吸
着する性能に優れる吸着剤を用いることで、二酸化炭素
を含む混合ガスから二酸化炭酸を効率よく吸着分離する
ことができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二酸化炭素を含む2種以上の成分からなる
    混合ガスを吸着剤に接触させて二酸化炭素を混合ガスよ
    り除去する方法において、前記吸着剤と前記混合ガスを
    接触させるときの圧力が5〜20atmであって、そし
    て骨格Si/Al原子比が実質的に1.0であり、ゼオ
    ライトに含まれるイオン交換可能なカチオンの70当量
    %以上がアルカリ金属イオンの内の1種のイオンであ
    り、かつ25℃、3mmHgの圧力における二酸化炭素
    の吸着容量が35Ncc/g以上のX型ゼオライトを吸
    着剤として使用することを特徴とする二酸化炭素の除去
    方法。
  2. 【請求項2】ゼオライトに含まれるイオン交換可能なカ
    チオンの70当量%以上がNaイオン、Kイオン又はL
    iイオンであり、残りのカチオンがアルカリ金属、アル
    カリ土類金属、遷移金属及び希土類元素からなる群より
    選ばれる1種又は2種以上のイオンであるX型ゼオライ
    トを吸着剤として使用することを特徴とする請求項1に
    記載の二酸化炭素の除去方法。
  3. 【請求項3】ゼオライトに含まれるイオン交換可能なカ
    チオンの80当量%以上がNaイオン、Kイオン又はL
    iイオンであることを特徴とする請求項1又は請求項2
    に記載の二酸化炭素の除去方法。
  4. 【請求項4】ゼオライトに含まれるイオン交換可能なカ
    チオンの90当量%以上がLiイオンであることを特徴
    とする請求項3に記載の二酸化炭素の除去方法。
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