JPH10128106A - 酸素psa用吸着剤、その製造法並びにそれを用いた酸素製造方法 - Google Patents
酸素psa用吸着剤、その製造法並びにそれを用いた酸素製造方法Info
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- JPH10128106A JPH10128106A JP8289751A JP28975196A JPH10128106A JP H10128106 A JPH10128106 A JP H10128106A JP 8289751 A JP8289751 A JP 8289751A JP 28975196 A JP28975196 A JP 28975196A JP H10128106 A JPH10128106 A JP H10128106A
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Abstract
かつ窒素の選択吸着性に優れるコストパーフォーマンス
に優れた吸着剤を提供する。 【解決手段】3.0より大でないSiO2/Al2O3モ
ル比を有する結晶性ゼオライトXのAlO2四面体単位
に会合しているカチオンの90%以上をリチウムカチオ
ンでイオン交換した後、ナトリウムカチオンを必須と
し、セシウム、ルビジウム、カリウム、タリウム、銀カ
チオンのいずれかのカチオン及び/又はこれらの混合カ
チオンを含む混合塩水溶液で再イオン交換し、AlO2
四面体単位に会合しているリチウムカチオンを80%以
上88%未満とした後、洗浄、乾燥並びに活性化するこ
とを特徴とする結晶性ゼオライトX吸着剤を製造する方
法、さらにその吸着剤を用い、空気中の窒素を選択的に
吸着させて酸素を分離回収する、圧力揺動吸着による空
気分離方法。
Description
essure Swing Adsorption 略
してPSAと称される)により空気から酸素を分離回収
するために用いる吸着剤、及びその製法並びにそれを用
いた空気分離法に関するものである。
スの一つであり、製鉄、パルプ漂白等を中心に広く用い
られている。
分野においてNOx発生低減を目的として酸素富化燃焼
が採用され始めており、地球環境保護の立場からも酸素
ガスの重要性が益々増大している。
法、深冷分離法等があるが、最近では高濃度の酸素ガス
が低コストで得られるPSA法の比率が年々増大してい
る。
ガスを選択的に吸着するゼオライト吸着剤が用いられ、
これまでは主にカルシウムカチオンでイオン交換した結
晶性ゼオライトX又はAの吸着剤が用いられてきた。
リチウムカチオンでイオン交換した結晶性ゼオライトX
が空気の分離特性に優れていることが公知となってお
り、最近になってリチウム交換結晶性ゼオライトXの吸
着剤が見直されている。 米国特許3140933号で
は結晶性ゼオライトXはリチウム交換率が高いほど高性
能であることが示されており、特公平5ー25527
号、米国特許5268023号においてその事実が再確
認されている。
ム塩を含有する水溶液を用いて結晶性ゼオライトXをイ
オン交換することによって得られる。しかし希少金属で
あるリチウムは高価であるため、リチウム交換率の高い
結晶性ゼオライトX吸着剤は非常に高価なものとなって
いた。
実質的に15%〜30%のアルカリ土類カチオンを混合
し、高価なリチウムカチオンの比率を低減した混合カチ
オン交換ゼオライトX吸着剤も提案されている(米国特
許5174979号,5152813号他)。
含有する結晶性ゼオライトXでは、窒素の吸着量は大き
いものの、酸素の共吸着も大きく、結果的に窒素の選択
吸着性が低いため、空気分離用の吸着剤としての性能は
不十分なものであった。
オン交換した結晶性ゼオライトX吸着剤は、優れた窒素
の選択吸着特性を有しているにも拘らず、リチウム交換
率が高い吸着剤では、吸着剤コスト及びその様な吸着剤
を用いて製造した酸素ガスコストが著しく高いものとな
っていた。
抑え、なおかつ窒素の選択吸着性に優れるコストパーフ
ォーマンスに優れた吸着剤の開発が強く望まれていた。
カチオンでイオン交換した結晶性ゼオライトX吸着剤に
関して詳細に検討した結果、リチウムカチオンが88%
未満であっても、イオン交換における自由エネルギーに
差のある混合一価カチオン水溶液でイオン交換すること
により高い空気分離性能が得られ、特に結晶性ゼオライ
トXをまずリチウムカチオンがAlO2四面体単位の会
合比率で90%以上となるまでイオン交換することによ
り窒素の吸着に重要な役割をするイオン交換サイトであ
るサイトIII にリチウムカチオンを導入した後、ナトリ
ウムカチオンを必須のカチオンとし、セシウムカチオ
ン、ルビジウムカチオン、カリウムカチオン、タリウム
カチオン、銀カチオンのいずれかの一価カチオン及び/
又はこれらの混合カチオンを含む混合塩水溶液で再交換
することにより、窒素吸着能に関与しないイオン交換サ
イトであるサイトI及びサイトIIのリチウムカチオンを
抜き取ることにより特に優れた性能が得られることを見
出し、本発明を完成するに至ったものである。本発明の
吸着剤は高価なリチウムの含有量が少なくてすみ、高性
能な吸着剤をより安価に提供することが可能である。
は3.0より大でないSiO2/Al2O3モル比を有す
る結晶性ゼオライトXであり、特にSiO2/Al2O3
モル比が1.8〜2.5の結晶性ゼオライトXであるこ
とが好ましい。
ジャサイト型(以降FAU型と略記する)に分類され、
以下の化学式で表される。
O (m=2〜3,M:2/n 価のカチオン,l=0〜
8) ここで吸着剤のゼオライト種が結晶性ゼオライトXでな
ければならない理由を説明する。
吸着であり、特に窒素及び酸素の極性(四重極子)によ
る静電的な吸着が主な吸着駆動力である。窒素は酸素に
比べ高い四重極子モーメントを有するため、ゼオライト
への吸着が静電的な引力だけであれば窒素吸着は酸素吸
着に比べ高い選択性が得られ、比揮発度として定義され
る窒素と酸素の選択性(ここでは分離係数と表現する)
に高い値が期待できる。
分散力(分子間力)によっても吸着される。分散力によ
る吸着は吸着分子の極性に関係なく、窒素吸着と酸素吸
着の選択性はないため、分離係数は1に近付く。分散力
はゼオライト結晶と吸着分子との相互作用であるため、
ゼオライト内の吸着空間が小さいほど分散力の影響が大
きくなり、窒素吸着と酸素吸着の選択性は低下する。
は母ゼオライト結晶の吸着空間は大きくなくてはなら
ず、細孔の大きい結晶性ゼオライトXが空気分離には最
も適したゼオライト種である。
晶性ゼオライトXと同じFAUに属することが知られて
いる。しかし、結晶性ゼオライトYは窒素吸着にとって
重要なイオン交換サイトIII にリチウムカチオンが交換
されないという特異的な性質を有するため、本発明の母
ゼオライトには用いることができない。
結晶が3.0より大でないSiO2/Al2O3モル比を
有する結晶性ゼオライトXでなければならない理由を説
明する。
ゼオライトはYとなり、先に述べた理由により用いるこ
とができない。
カチオンによって形成されるため、カチオン数は多い方
が好ましい。ゼオライトのカチオンはゼオライトのAl
O2四面体に対し電荷2価分が存在し得るが、単位重量
当りのAlO2比率の高いゼオライト、即ちSiO2/A
l2O3比の小さいゼオライトほど吸着サイトが多くな
る。
モル比が3未満を取り得るが、本発明では特にSiO2
/Al2O3モル比が小さい1.8〜2.5において高い
性能が得られる。
イト結晶は結晶中のミクロ細孔が大きく、かつSiO2
/Al2O3比の小さい結晶性ゼオライトX、すなわちS
iO2/Al2O3モル比が3より大でない、特に1.8
〜2.5の結晶性ゼオライトXであることが好ましい。
て説明する。
はAlO2四面体単位に会合しているリチウムカチオン
が全カチオンの80%以上88%未満であり、特に85
%以上88%未満であることが好ましい。
以上、特に90%以上ではリチウムが高価であるため吸
着剤コストが高くなるため好ましくない。一方リチウム
交換率が80%未満では、目的のイオン交換サイトIII
に十分なリチウムカチオンが残存できないために好まし
くない。
として、セシウムカチオン、ルビジウムカチオン、カリ
ウムカチオン、タリウムカチオン、銀カチオンのいずれ
かの一価カチオン及び/又はこれらの混合カチオンを含
むが、これらの一価カチオンの含有量は1%以上5%未
満、特に2%から4%の範囲が好ましい。これら一価カ
チオンの含有量が5%以上ではサイトIII のLiを10
%以上維持することはできず、空気分離特性が著しく低
減する。カチオンの存在位置(サイト)に関しては後に
詳述する。リチウムカチオンとこれら一価カチオン以外
のカチオンは、ナトリウムカチオンである。
カチオン交換サイトIII に位置するリチウムカチオンが
10%以上20%未満である。
サイト(サイトI、サイトII、サイトIII と称する)が
存在することは良く知られている。結晶性ゼオライトX
のサイト位置を図1に示した。
その周辺に静電場を形成し、極性物質を吸着する。サイ
トIII に位置するリチウムカチオンは結晶表面に裸で存
在し、強い静電場が形成できるため、窒素吸着にとって
好都合なサイトである。
オンが全カチオンの80%未満ではリチウムカチオンは
熱力学的に安定なサイトであるサイトI及びサイトIIに
全て位置してしまう。そのためリチウム交換率が80%
以下では窒素吸着能が低く、交換率が80%以上で初め
てリチウムカチオンがサイトIII に位置し、交換率が高
くなるにつれて窒素吸着性能が向上していた。
率が低いが、ゼオライトXの交換サイトIII に存在する
有効なリチウムカチオンを10%以上とすることによ
り、交換率が90%以上の場合と同等の窒素の選択吸着
性能が発揮することができる。一方、結晶性ゼオライト
XのサイトIII に存在し得るカチオンは全カチオンの2
0%までであり、20%以上のリチウムカチオンをサイ
トIII に位置させることは不可能である。
比率は化学分析(ICP等)により正確に求めることが
できる。イオン交換サイトIII に存在するリチウムカチ
オンの比率は、エックス線結晶構造解析、又は中性子線
解析によっても求めることができるが、より簡便には窒
素の吸着特性から見積もることができる。
晶性ゼオライトXは、リチウムカチオン交換率が80%
から交換サイトIII に位置し始めるため、リチウム交換
率が80%以上の結晶性ゼオライトXでは、サイトIII
に位置するリチウムカチオンと窒素吸着性能が比例関係
にあり、結晶性ゼオライトXのリチウム交換率とサイト
III に存在するリチウムの比率は窒素吸着特性(窒素吸
着量、分離係数)から見積もることができる。
製造方法について説明する。
より大でないSiO2/Al2O3モル比を有する結晶性
ゼオライトXであるが、結晶性ゼオライトXの製造方法
は特に限定されず、公知の方法で合成することができ
る。例えばSiO2/Al2O3モル比が小さい結晶性ゼ
オライトXの製造方法は米国特許2882244号他に
開示されている。
いが、バインダー成分をゼオライト化したもの(バイン
ダレス)でもかまわない。バインダー種は限定されず、
シリカバインダー、アルミナバインダー、珪酸アルミニ
ウムバインダー、粘土バインダー等が例示できる。バイ
ンダーは吸着性能を有しないためバインダーの比率は少
ないことが好ましい。
ず、例えば径が1.0〜2.0mmのビーズ形状、ペレ
ット形状が例示できる。
Xをリチウムカチオンで90%以上イオン交換し、結晶
性ゼオライトXのイオン交換サイトのIII にリチウムカ
チオンを十分に交換しておくことが好ましい。この段階
におけるリチウムカチオンの交換率は全カチオンの90
%以上、特に95%から100%であることが好まし
い。
えば結晶性ゼオライトXを水酸化リチウムでpH10〜
11に調整したリチウム塩水溶液(例えば塩化リチウム
水溶液)と接触させる方法が例示できる。イオン交換は
バッチ式でも流通式でも良いが、流通式のイオン交換が
効率的である。イオン交換の温度も特に限定されない
が、温度は高い方が効率的であり40℃〜100℃、特
に60℃〜90℃で実施することが好ましい。
ン交換した結晶性ゼオライトXから、窒素の吸着に関与
しない交換サイトI及びサイトIIのリチウムカチオンを
他のカチオンで再イオン交換する。
列の一部を例示した。出発原料であるナトリウムカチオ
ンの状態が基準となるためナトリウム型ゼオライトのエ
ネルギー準位を0とした。
オンからセシウムカチオン、ルビジウムカチオン、カリ
ウムカチオン、タリウムカチオン、銀カチオンへのイオ
ン交換する△Gは負の値であり、反応は進みやすい。
チオンへのイオン交換の△Gは正の値で、反応は起りに
くく、さらにイオン交換の△GはサイトI、サイトII、
サイトIII の順で大きくなり、サイトIII >サイトII>
サイトIの順番で交換しにくい。リチウムでのイオン交
換においてサイトIII >サイトII>サイトIの順番で△
Gが大きいことは、イオン交換平衡定数から求められ
る。
ン交換した結晶性ゼオライトXから、窒素の吸着に関与
しない交換サイトI及びサイトIIのリチウムカチオンを
他のカチオンで再イオン交換する。しかしリチウムカチ
オンでイオン交換した結晶性ゼオライトXをナトリウム
カチオン単独のイオン交換液で再交換すると、サイトII
I のリチウムカチオンの交換が最も大きな負の△Gを有
するため、窒素吸着に重要なカチオンであるサイトIII
のリチウムカチオンが優先的にイオン交換されてしま
う。
とセシウムカチオン、ルビジウムカチオン、カリウムカ
チオン、タリウムカチオン、銀カチオンのいずれかの一
価カチオン及び/又はこれらの混合カチオンを含む混合
イオン交換溶液の再交換においてはサイトIII のリチウ
ムカチオンがナトリウムカチオンにイオン交換されるよ
りサイトI及びサイトIIのリチウムカチオンがセシウム
カチオン、ルビジウムカチオン、カリウムカチオン、タ
リウムカチオン、銀カチオンのいずれかの一価カチオン
とイオン交換する△Gの方が大きいことを見出し、ナト
リウムカチオンとセシウムカチオン、ルビジウムカチオ
ン、カリウムカチオン、タリウムカチオン、銀カチオン
のいずれかの一価カチオン及び/又はこれらの混合カチ
オンを含むカチオンの混合塩系の再イオン交換ではサイ
トI及びサイトIIのリチウムカチオンを抜き取れること
を見出した。
溶液はナトリウムカチオンと、セシウムカチオン、ルビ
ジウムカチオン、カリウムカチオン、タリウムカチオ
ン、銀カチオンのいずれかの一価カチオン及び/又はこ
れらの混合カチオンの両方を含有しなければならない。
カリウムカチオン、タリウムカチオン、銀カチオンのい
ずれかの一価カチオン及び/又はこれらの混合カチオン
の使用量は、再イオン交換された後の結晶性ゼオライト
Xの全交換カチオンの5%未満でなければならず、特に
2%から4%の範囲が好ましい。これらの一価カチオン
が結晶性ゼオライトXの全交換カチオンの5%以上では
窒素の選択吸着性能が損なわれる。
イオン交換液の濃度は0.1N以下であり、特に0.0
1N以下であることが好ましい。再イオン交換液のイオ
ン強度が強い(即ち濃度が高い)と、△Gの大きいサイ
トIII のリチウムカチオンが抜ける反応が進行しやすく
なるため好ましくない。
い方が好ましく、60℃以下で行うことが好ましく、好
都合なことに室温(25℃)で実施すれば良い。
い。再交換時間が長いと、イオン交換サイトがエネルギ
ー的に安定な状態に移行し、サイトIII のリチウムカチ
オンがサイトI及びサイトIIと再交換してしまう。再イ
オン交換時間は5時間以内、特に2時間以内が好まし
い。
サイトI及びサイトIIから回収されたリチウムは、イオ
ン交換、化学沈殿法等により分離回収し、有効に再利用
できる。リチウムカチオンの回収、再利用方法には各種
公知の手法が適用出来るが、その方法は限定されるもの
ではない。
の後、洗浄、乾燥及び熱処理(活性化)を施し初めて目
的の吸着剤として用いる。
ないが、洗浄は純水、又は微量の水酸化リチウムでpH
を弱アルカリに調整した水を用いることが例示できる。
ら100℃、特に30℃〜60℃で行うことが好まし
い。
る水分を加熱により除去する処理であるが、なるべく低
温の水蒸気分圧の低い状態で行うことが好ましい。例え
ば、真空中300℃〜600℃における真空加熱処理
や、加熱した低露点の空気、純窒素又は純酸素等を供給
する内熱式の熱処理が例示できる。
lO2四面体に会合しているリチウムカチオンが88%
未満であるため、先に提案されているAlO2四面体に
会合しているリチウムカチオンが88%以上の吸着剤
(米国特許4859217号,特公平5ー25527)
とは異なるものである。
ルカリ土類金属カチオンを全く用いておらず、従来提案
されていたアルカリ土類金属カチオンが5%以上の結晶
性ゼオライトX吸着剤(米国特許5174979号,5
152813号他)とは全く異なるものである。
チウム以外の元素が一価カチオンであるため、二価又は
三価のカチオンを添加することを提案している既報特許
(特公平8ー4707号、特開平7ー256094号)
とは異なるものである。
換率は米国特許5268023号と重複しているが、米
国特許5268023号の方法ではサイトIII のリチウ
ムカチオンは最大で8%までしか入り得ないため、サイ
トIII のリチウムカチオンが10%以上の本発明の吸着
剤は米国特許5268023号の吸着剤とは異なるもの
である。
能を有するため、空気から窒素を選択的に吸着させ、製
品として酸素ガスを得る圧力揺動吸着法(PSA法)に
用いる吸着剤として極めて優れた性能を有するものであ
る。
は、圧力を変動させながら空気中の窒素を選択的に吸着
させ、製品として酸素ガスを得る酸素PSA法であれば
その運転条件等には特に限定はなく、4塔式から3、2
塔式のPSA法、VSA法、VPSA法等、揺動吸着の
稼働圧力範囲に依らず高い性能が発揮できるものであ
る。
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
リチウムでpH〜11に調整)を用いリチウム交換率を
95%とし、純水で洗浄した。次に塩濃度が0.01N
以下のナトリウムと、ルビジウム、セシウム、タリウ
ム、銀、カリウムの混合塩化物水溶液を用い、室温(2
5℃)、1時間再イオン交換した。再イオン交換した結
晶性ゼオライトXは、純水で洗浄後、40℃で一晩乾燥
し、350℃の真空状態で1時間活性化した。活性化時
の圧力は5torr以下で行った。
ある結晶性ゼオライトXのSiO2/Al2O3モル比
(Si/Al2)、Li/Al比、カチオン交換率、7
00torrにおける窒素吸着量(QN2)、窒素分圧7
00torrにおける空気の分離係数(α)を示した。
分離係数(α:比揮発度)は以下の数1で算出した。
ゼオライトの性能も併せて示した。本発明の方法ではリ
チウムカチオン交換率が80%台で、従来技術を用いた
場合より高い窒素吸着量、分離係数が得られた。
リンバインダー10重量%よりなる直径1.5mmφの
成型体を造粒し、実施例1〜10の組成となる様にイオ
ン交換した吸着剤を用いて、実際のPSA操作を行っ
た。
2本からなる2塔式とし、吸着サイクルは、吸着1分、
脱着30秒、複圧30秒とした。圧力スイング範囲は、
吸着圧力890torr(窒素分圧700torr)、
脱着圧力180torrとし、吸着塔の温度は0℃及び
10℃の2点で行った。
いても高い性能を示し、特に実プラントにおいて問題と
なる低温特性(0℃)においても高い性能が発揮され
た。
リチウムでpH〜11に調整)を用いリチウム交換率を
87%及び95%とした。リチウム交換率95%の成形
体は塩濃度が0.01N以下の塩化ナトリウム単独水溶
液で、室温(25℃)、1時間再イオン交換し、リチウ
ム交換率を87%とした。
実施例と同様に純水で洗浄後、40℃で一晩乾燥し、3
50℃の真空状態で1時間活性化した。活性化時の圧力
は5torr以下で行った。
〜6示したが、本発明の方法に比べ低い性能しか得られ
なかった。
る様にイオン交換した吸着剤を用いて、実際のPSA操
作を行った。PSA操作は、実施例と同様の装置、条件
で行った。結果を表3、表4に示した。
て、劣る結果しか得られなかった。
において窒素の選択吸着に役に立たないサイト(サイト
I、サイトII)に位置するリチウムカチオンの含有率が
少なく、かつ高い窒素の吸着能を有するサイト(サイト
III )に位置するリチウムカチオンの含有率が多いた
め、圧力揺動吸着法(PSA法)によって酸素ガスを得
るために用いる吸着剤として優れたコストパフォーマン
スを有するものである。
換サイト(サイトI、サイトII、サイトIII と称する)
の位置を示す図である。
る。
〜5及び比較例1〜2におけるLi交換率による窒素吸
着量及びサイトIII のLi交換率の変化を示す図であ
る。
〜5及び比較例1〜2におけるLi交換率による分離係
数及びサイトIII のLi交換率の変化を示す図である。
〜10及び比較例3〜4におけるLi交換率による窒素
吸着量及びサイトIII のLi交換率の変化を示す図であ
る。
〜10及び比較例3〜4におけるLi交換率による分離
係数及びサイトIII のLi交換率の変化を示す図であ
る。
Claims (5)
- 【請求項1】3.0より大でないSiO2/Al2O3モ
ル比を有する結晶性ゼオライトXであり、なおかつAl
O2四面体単位に会合しているリチウムカチオンが全カ
チオンの80%以上88%未満であり、セシウムカチオ
ン、ルビジウムカチオン、カリウムカチオン、タリウム
カチオン、銀カチオンのいずれかのカチオン及び/又は
これらの混合カチオンが1%以上5%未満である結晶性
ゼオライトX吸着剤。 - 【請求項2】請求項1に記載の結晶性ゼオライトX吸着
剤において、結晶性ゼオライトXのカチオン交換サイト
III に位置するリチウムカチオンが全カチオンの10%
以上20%未満であるlことを特徴とする結晶性ゼオラ
イトX吸着剤。 - 【請求項3】3.0より大でないSiO2/Al2O3モ
ル比を有する結晶性ゼオライトXのAlO2四面体単位
に会合しているチオンの90%以上をリチウムカチオン
でイオン交換した後、ナトリウムカチオンを必須のカチ
オンとし、セシウムカチオン、ルビジウムカチオン、カ
リウムカチオン、タリウムカチオン、銀カチオンのいず
れかの一価カチオン及び/又はこれらの混合カチオンを
含む混合塩水溶液で再イオン交換し、AlO2四面体単
位に会合しているリチウムカチオンを80%以上88%
未満とした後、洗浄、乾燥並びに活性化することを特徴
とする請求項1及び請求項2に記載の結晶性ゼオライト
X吸着剤を製造する方法。 - 【請求項4】請求項3に記載の結晶性ゼオライトX吸着
剤の製造方法において、当該混合塩水溶液の全カチオン
濃度が0.1N以下であり、温度60℃以下、5時間以
内で再イオン交換し、AlO2四面体単位に会合してい
るリチウムカチオンを80%以上88%未満とした後、
洗浄、乾燥並びに活性化することを特徴とする結晶性ゼ
オライトX吸着剤の製造法。 - 【請求項5】請求項1又は請求項2に記載の結晶性ゼオ
ライトX吸着剤を用い、該吸着剤に空気中の窒素を選択
的に吸着させて酸素を分離回収する、圧力揺動吸着によ
る空気分離方法。
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