JPH1085589A - 空気分離用吸着剤、及びそれを用いた酸素ガス製造方法 - Google Patents

空気分離用吸着剤、及びそれを用いた酸素ガス製造方法

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JPH1085589A
JPH1085589A JP8246126A JP24612696A JPH1085589A JP H1085589 A JPH1085589 A JP H1085589A JP 8246126 A JP8246126 A JP 8246126A JP 24612696 A JP24612696 A JP 24612696A JP H1085589 A JPH1085589 A JP H1085589A
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JP
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adsorbent
cation
less
exchange
adsorption
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JP8246126A
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Shigeru Hirano
茂 平野
Kazuaki Yamamoto
和明 山本
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Tosoh Corp
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Tosoh Corp
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  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明の目的は、低コストで、なおかつ窒素ガ
スの吸着特性に優れた濃縮酸素ガスが製造可能である新
規な吸着剤及びその吸着剤を使用する空気分離方法、特
に、PSA法による空気分離方法を提供することにあ
る。 【解決手段】SiO2/Al23モル比が2.0以上
5.0以下の結晶性フォージャサイト型ゼオライトであ
り、必須のカチオン種としてマグネシウムカチオン及び
/又はバリウムカチオンを1%以上10%未満、ナトリ
ウムカチオンを1%以上10%未満有し、その他の交換
カチオンとしてリチウムカチオンを5%以上95%未
満、ストロンチウムカチオン及び/又はカルシウムカチ
オンを5%以上95%未満有する結晶性フォージャサイ
ト型ゼオライトから成る空気分離用吸着剤、及びその吸
着剤に空気を接触させて、空気中の窒素ガスを選択的に
吸着させ、濃縮酸素ガスを得ることを特徴とする空気分
離方法、特に、圧力揺動吸着法により空気中の窒素ガス
を選択的に吸着させ、濃縮酸素ガスを得ることを特徴と
する空気分離方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は空気分離方法によっ
て空気から濃縮酸素ガスを得るために用いる吸着剤、及
びそれを用いた空気分離方法、特に、圧力揺動吸着法
(PSA法:Pressure Swing Adso
rption 法、以降PSA法と略す)に関するもの
である。
【0002】酸素ガスは工業ガスの中でも特に重要なガ
スの一つであり、製鉄、パルプ漂白等を中心に広く用い
られている。特に最近では空気中での燃焼では避けられ
ないNOx発生の低減を目的に、ゴミ焼却、ガラス溶融
等の分野で、酸素富化燃焼が実用化されており、環境問
題の点からも酸素ガスの重要性が増大している。
【0003】酸素ガスの工業的製法としては、PSA
法、深冷分離法、膜分離法が知られているが、酸素ガス
の純度及びコストにおいて有利なPSA法の比率が増大
している。
【0004】PSA法による酸素ガス製造は、空気中の
窒素ガスを吸着剤に吸着させ、残った濃縮酸素ガスを製
品として取り出す方法である。そのために用いる吸着剤
としては窒素ガスを選択的に吸着できる吸着剤が用いら
れる。
【0005】
【従来の技術】従来、空気分離のPSA法に用いる吸着
剤は、一般に窒素ガスを選択的に吸着するゼオライト吸
着剤が用いられ、これまで主にカルシウムカチオン交換
結晶性ゼオライトX又はAの吸着剤が用いられてきた。
一方、米国特許3140933号において空気分離特性
に優れたリチウム交換結晶性ゼオライトXが提案されて
おり、特公平5−25527号においてその性能が再確
認されるに至っている。従来一般に用いられてきたカル
シウムカチオン交換結晶性ゼオライトX又はゼオライト
Aの吸着剤は高価な原料を用いずに得られるため、吸着
剤コストが安い反面、吸着性能は十分とは言えなかっ
た。またリチウム交換結晶性ゼオライトX吸着剤は優れ
た性能を有する反面、リチウムが非常に高価な金属であ
り、なおかつゼオライトとイオン交換されくいため、従
来のリチウムカチオン交換結晶性ゼオライトX吸着剤は
極めて高価なものであり、その結果、その様な吸着剤を
用いて製造した酸素ガスの製造コストも高いものとなっ
ていた。
【0006】一方、リチウムカチオンと他の金属カチオ
ンの混合カチオン結晶性ゼオライトX吸着剤もいくつか
提案されている。例えば、リチウムカチオンとアルカリ
土類カチオンのみをカチオンとして含む結晶性ゼオライ
トX吸着剤(USP5174979)、リチウムカチオ
ン以外のカチオンとしてアルカリ土類金属カチオンとし
てカルシウムカチオン、ストロンチウムカチオンを限定
した結晶性ゼオライトX吸着剤(USP515281
3)、リチウムカチオンとアルカリ土類以外の2価金属
カチオンを混合カチオンとして有する結晶性ゼオライト
X吸着剤(USP5258058)、リチウムカチオン
とアルカリ土類金属カチオンと希土類金属カチオンを主
なカチオンとして有する結晶性ゼオライトX吸着剤(特
開平7ー256094)等が例示できる。
【0007】しかし、いずれの吸着剤も空気分離用の吸
着剤としては十分な性能とは言えなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来一般的に用いられ
てきたカルシウム交換結晶性ゼオライトX又はゼオライ
トXA、及びリチウム交換結晶性ゼオライトX、あるい
はリチウムを含む混合イオン交換結晶性ゼオライトX吸
着剤は、その性能、又はコストにおいて満足のいくもの
ではなく、より低コストで、なおかつ窒素ガスの吸着特
性に優れた吸着剤の開発が望まれていた。
【0009】本発明の目的は、低コストで、なおかつ窒
素ガスの吸着特性に優れた濃縮酸素ガスが製造可能であ
る新規な吸着剤及びその吸着剤を使用する空気分離方
法、特に、PSA法による空気分離方法を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、結晶性フ
ォージャサイト型ゼオライト(以降、FAU型ゼオライ
トと略記す)のカチオン種と窒素の吸着特性に関して鋭
意検討をした結果、マグネシウムカチオン及び/又はバ
リウムカチオン、及びナトリウムカチオンを必須のカチ
オン種として有し、その他のカチオンとしてストロンチ
ウムカチオン及び/又はカルシウムカチオンとリチウム
カチオンを有する結晶性FAU型ゼオライトでは、窒素
の吸着特性に著しく優れていることを見出し、本発明を
完成するに至ったものである。
【0011】以下に、本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明の吸着剤の母ゼオライトは、SiO
2/Al23モル比が2.0から5.0の結晶性FAU
型ゼオライトであり、特にSiO2/Al23モル比が
2.0〜3.0、特にSiO2/Al23モル比が2.
0〜2.3の低シリカ結晶性ゼオライトXであることが
好ましい。結晶性FAU型ゼオライトは大きなミクロ細
孔を有するため、吸着速度が速く、吸脱着を繰返すPS
A法にとって有利である。また低SiO2/Al23
ル比が小さいことは単位重量当りの吸着サイトが多いた
め好ましい。
【0013】SiO2/Al23モル比が2.0から
5.0の結晶性FAU型ゼオライトは公知であり、例え
ばSiO2/Al23モル比の小さい結晶性ゼオライト
Xの製造方法は米国特許2882244号等に開示され
ている。
【0014】本発明の吸着剤は、カチオン種としてマグ
ネシウム及び/又はバリウムカチオンが1%以上10%
未満、ナトリウムカチオンを1%以上10%未満有し、
その他の交換カチオンとしてリチウムカチオンを5%以
上95%未満、ストロンチウムカチオン及び/又はカル
シウムカチオンを5%以上95%未満を有する結晶性F
AU型ゼオライトから成る。
【0015】本発明でいうカチオンの比率はゼオライト
中のカチオン/アルミニウムのモル比、即ちゼオライト
中のAlO4四面体単位へのカチオン会合割合で示され
る。カチオン/アルミニウムモル比はICP法により正
確に分析できる。
【0016】本発明者等はマグネシウムカチオン、バリ
ウムカチオン、ナトリウムカチオンが、ある組成範囲に
おいて結晶性FAU型ゼオライトの窒素の吸着等温線を
圧力に対して一次関数であるヘンリー型の吸着特性に接
近させる効果があること、及び圧力揺動によって窒素を
吸着除去するPSA法にとって極めて有利であることを
見出した。
【0017】一方、マグネシウムカチオン又はバリウム
カチオンが主交換カチオン種である結晶性FAU型ゼオ
ライトは米国特許3140932号他で公知であるが、
これらのカチオンが10%以上では、結晶性FAU型ゼ
オライトの窒素の吸着量が低減するため好ましくない。
【0018】窒素吸着特性が圧力に対して一次関数に接
近させた本発明の吸着剤において、高い吸着容量を有す
るためには、マグネシウム、バリウム、ナトリウム以外
のカチオン種としてリチウム及びストロンチウム及び/
又はカルシウムを有しなければならない。
【0019】リチウムの含有量は5%以上95%未満、
好ましくは10%以上90%未満である。リチウムは高
価であるため95%以上では得られる性能に対して吸着
剤コストが高くなりすぎる。一方、リチウムが5%未満
では十分な吸着容量が得られない。
【0020】ストロンチウム及び/又はカルシウムの含
有量は5%以上95%未満、好ましくは10%以上90
%未満である。ストロンチウム及び/又はカルシウムが
95%以上では圧力に対する窒素吸着特性が一次関数か
らずれるため好ましくない。一方、ストロンチウム及び
/又はカルシウムが5%未満では十分な吸着容量が得ら
れない。
【0021】マグネシウム及び/又はバリウムの含有量
は1%以上10%未満の範囲内で、より傾きの大きいヘ
ンリー型(一次関数)の吸着等温線となる組成を選択す
る。ナトリウムの含有量は1%以上10%未満である
が、高い吸着容量を得るためには出来るだけ少なくする
ことが好ましい前記カチオンの交換については、典型例
として、回分法で連続的に行うことが出来る。例えば、
リチウム交換したFAU型ゼオライトをストロンチウム
及び/又はカルシウム交換し、さらにマグネシウム及び
/又はバリウム交換を行うことにより、所望の吸着剤を
得ることが出来る。イオン交換方法は他の方法が考えら
れ、本発明に利用できる。
【0022】本発明の吸着剤は高い窒素吸着能を示す
が、必須のカチオン種としてマグネシウムあるいはバリ
ウムカチオンを1%以上10%未満含有するため特公平
7−57300号に提案されている吸着剤とは異なるも
のである。
【0023】また本発明の吸着剤は、必須のカチオン種
としてマグネシウム及び/又はバリウムとナトリウムを
有し、その他のカチオンとしてストロンチウム及び/又
はカルシウム、リチウムを有するため、米国特許314
0932号の吸着剤とは異なるものである。
【0024】さらに本発明の吸着剤は、窒素吸着の圧力
特性改善のためマグネシウム及び/又はバリウムとナト
リウムを必須のカチオンとして有し、リチウムとアルカ
リ土類のみをカチオンとして含む結晶性ゼオライトX吸
着剤(USP5174979)や、リチウムカチオン以
外のカチオンとしてアルカリ土類金属カチオンとしてカ
ルシウムカチオン、ストロンチウムカチオンを限定した
結晶性ゼオライトX(USP5152813)、リチウ
ムカチオンとアルカリ土類以外の2価金属カチオンを混
合カチオンとして有する結晶性ゼオライトX吸着剤(U
SP5258058)、リチウムカチオンとアルカリ土
類金属カチオンと希土類金属カチオンを主なカチオンと
して有する結晶性ゼオライトX吸着剤(特開平7−25
6094)等とも異なる吸着剤である。
【0025】以上説明した本発明の吸着剤は、高い窒素
吸着能を有するため、空気から窒素を選択的に吸着さ
せ、製品として酸素ガスを得る圧力揺動法(酸素PSA
法)の吸着剤として極めて優れた性能を有するものであ
る。
【0026】本発明でいう圧力揺動法(酸素PSA法)
は、圧力を変動させながら空気中の窒素を選択的に吸着
剤に吸着させ、製品として酸素ガスを得る酸素PSA法
であればその運転条件には特に限定はなく、例えば3塔
式PSA法や、最近実用化が進んでいる2塔式PSA法
等が挙げられる。
【0027】本発明の吸着剤は、かつ高い窒素吸着能を
有するため、PSA法によって低コストで酸素を製造す
るのに用いる吸着剤として優れた性能を有する。
【0028】
【実施例】次に本発明を具体的な実施例により説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0029】実施例1 SiO2/Al23モル比が2.5のナトリウムカチオ
ン型結晶性FAU型ゼオライトX粉末(そのX線回折図
を図1に示し、図中の括弧内の数字はFAU型結晶の面
指数を示す)を、6倍当量の1規定の塩化リチウム水溶
液を3回用い、70℃で約6時間撹拌することによりリ
チウム交換を行った。この時のリチウム/アルミニウム
モル比は85%であった。前記イオン交換により得られ
た粉末を0.4倍当量の1規定の塩化カルシウム水溶液
を1回用い、70℃で約6時間撹拌することによりカル
シウム交換を行った。さらに続いて0.1倍当量の0.
1規定の塩化マグネシウム水溶液を1回用い、70℃で
約6時間撹拌することによりマグネシウム交換を行っ
た。
【0030】該吸着剤を水洗、濾過、40℃で乾燥した
後、350℃で2h真空活性化し容量法により窒素吸着
量を測定した。窒素吸着量は室温(25℃)、700T
orrにおける平衡吸着量(Q)、及びPSAによる圧
力揺動を前提に室温(25℃)おける700Torrと
200Torrの平衡吸着量の差で表される有効吸着量
(ΔQ)を評価した。イオン交換および窒素吸着量の結
果を表1に示した。
【0031】
【表1】
【0032】本実施例の組成では、700Torrでの
吸着量は飛び抜けて大きくないが、200Torrにお
ける吸着量が小さいため、有効吸着量(ΔQ)において
高い性能向上が得られた。
【0033】実施例2 SiO2/Al23モル比が2.5のナトリウムカチオ
ン型結晶性FAU型ゼオライト粉末(そのX線回折図は
図1と同じであった)を、実施例1と同様にリチウム交
換を行った。前記イオン交換により得られた粉末を3倍
当量の1規定の塩化カルシウム水溶液を1回用い、70
℃で約6時間撹拌することによりカルシウム交換を行っ
た。さらに続いて0.1倍当量の0.1規定の塩化バリ
ウム水溶液を1回用い、70℃で約6時間撹拌すること
によりバリウム交換を行った。該吸着剤を実施例1と同
様の処理を施し、容量法により窒素吸着量を測定した。
イオン交換および窒素吸着量の結果を表1に示した。
【0034】本実施例の組成では、700Torrでの
吸着量は飛び抜けて大きくないが、200Torrにお
ける吸着量が小さいため、有効吸着量(ΔQ)において
高い性能向上が得られた。
【0035】実施例3 SiO2/Al23モル比が2.5のナトリウムカチオ
ン型結晶性FAU型ゼオライト粉末(そのX線回折図は
図1と同じであった)を、実施例1と同様にリチウム交
換を行った。前記イオン交換により得られた粉末を0.
6倍当量の1規定の塩化ストロンチウム水溶液を1回用
い、70℃で約6時間撹拌することによりストロンチウ
ム交換を行った。さらに続いて0.1倍当量の0.1規
定の塩化マグネシウム水溶液を1回用い、70℃で約6
時間撹拌することによりマグネシウム交換を行った。
【0036】該吸着剤を実施例1と同様の処理を施し、
容量法により窒素吸着量を測定した。イオン交換および
窒素吸着量の結果を表1に示した。
【0037】本実施例の組成では、700Torrでの
吸着量は飛び抜けて大きくないが、200Torrにお
ける吸着量が小さいため、有効吸着量(ΔQ)において
高い性能向上が得られた。
【0038】実施例4 SiO2/Al23モル比が2.5のナトリウムカチオ
ン型結晶性FAU型ゼオライト粉末(そのX線回折図は
図1と同じであった)を、実施例1と同様にリチウム交
換を行った。前記イオン交換により得られた粉末を0.
8倍当量の1規定の塩化ストロンチウム水溶液を1回用
い、70℃で約6時間撹拌することによりストロンチウ
ム交換を行った。さらに続いて0.1倍当量の0.01
規定の塩化バリウム水溶液を1回用い、70℃で約6時
間撹拌することによりバリウム交換を行った。
【0039】該吸着剤を実施例1と同様の処理を施し、
容量法により窒素吸着量を測定した。イオン交換および
窒素吸着量の結果を表1に示した。
【0040】本実施例の組成では、700Torrでの
吸着量は飛び抜けて大きくないが、200Torrにお
ける吸着量が小さいため、有効吸着量(ΔQ)において
高い性能向上が得られた。
【0041】比較例1 SiO2/Al23モル比が2.5のナトリウムカチオ
ン型結晶性FAU型ゼオライト粉末(そのX線回折図は
図1と同じであった)を、4倍当量の1規定の塩化マグ
ネシウム水溶液を2回用い、70℃で約6時間撹拌する
ことによりマグネシウム交換を行った。
【0042】該吸着剤を実施例1と同様の処理を施し、
容量法により窒素吸着量を測定した。イオン交換および
窒素吸着量の結果を表1に示した。
【0043】マグネシウムのみでイオン交換した吸着剤
では、窒素吸着量(Q)および有効吸着量(ΔQ)のい
ずれも低かった。
【0044】比較例2 SiO2/Al23モル比が2.5のナトリウムカチオ
ン型結晶性FAU型ゼオライト粉末(そのX線回折図は
図1と同じであった)を、5倍当量の1規定の塩化バリ
ウム水溶液を1回用い、70℃で約6時間撹拌すること
によりバリウム交換を行った。
【0045】該吸着剤を実施例1と同様の処理を施し、
容量法により窒素吸着量を測定した。イオン交換および
窒素吸着量の結果を表1に示した。
【0046】バリウムのみでイオン交換した吸着剤で
は、窒素吸着量(Q)および有効吸着量(ΔQ)のいず
れも低かった。
【0047】比較例3 SiO2/Al23モル比が2.5のナトリウムカチオ
ン型結晶性FAU型ゼオライト粉末(そのX線回折図は
図1と同じであった)を、実施例1と同様にリチウム交
換を行った。前記イオン交換により得られた粉末を3倍
当量の1規定の塩化カルシウム水溶液を1回用い、70
℃で約6時間撹拌することによりカルシウム交換を行っ
た。
【0048】該吸着剤を実施例1と同様の処理を施し、
容量法により窒素吸着量を測定した。イオン交換および
窒素吸着量の結果を表1に示した。
【0049】リチウムとカルシウムでイオン交換した吸
着剤では、700Torrでの窒素吸着量(Q)は高い
ものの、200Torrの吸着量も高いため有効吸着量
(ΔQ)が低く、PSA法に用いた場合、窒素の吸着容
量が低いことが示される。
【0050】比較例4 SiO2/Al23モル比が2.5のナトリウムカチオ
ン型結晶性FAU型ゼオライト粉末(そのX線回折図は
図1と同じであった)を、実施例1と同様にリチウム交
換を行った。前記イオン交換により得られた粉末を0.
3倍当量の1規定の塩化ストロンチウム水溶液を1回用
い、70℃で約6時間撹拌することによりストロンチウ
ム交換を行った。
【0051】該吸着剤を実施例1と同様の処理を施し、
容量法により窒素吸着量を測定した。イオン交換および
窒素吸着量の結果を表1に示した。
【0052】リチウムとカルシウムでイオン交換した吸
着剤では、700Torrでの窒素吸着量(Q)は高い
ものの、200Torrの吸着量も高いため有効吸着量
(ΔQ)が低く、PSA法に用いた場合、窒素の吸着容
量が低いことが示される。
【0053】実施例5 SiO2/Al23モル比が2.0のナトリウム、カリ
ウムカチオン型結晶性FAU型ゼオライトX粉末(その
X線回折図を図2に示し、図中の括弧内の数字はFAU
型結晶の面指数を示す)を、1規定の塩化ナトリウム水
溶液を用いてICPによる組成分析でカリウムが検出さ
れなくなるまでナトリウム交換を行った。さらに6倍当
量の塩化リチウム水溶液を2回用い、70℃で約6時間
撹拌することによりリチウム交換を行った。この時のリ
チウム/アルミニウムモル比は88%であった。前記イ
オン交換により得られた粉末を0.4倍当量の1規定の
塩化カルシウム水溶液を1回用い、70℃で約6時間撹
拌することによりカルシウム交換を行った。さらに続い
て0.1倍当量の0.1規定の塩化マグネシウム水溶液
を1回用い、70℃で約6時間撹拌することによりマグ
ネシウム交換を行った。
【0054】該吸着剤を実施例1と同様の処理を施し、
容量法により窒素吸着量を測定した。窒素吸着量は室温
(25℃)、700Torrにおける平衡吸着量
(Q)、及びPSAによる圧力揺動を前提に室温(25
℃)における700Torrと200Torrの平衡吸
着量の差で表される有効吸着量(ΔQ)を評価した。イ
オン交換および窒素吸着量の結果を表2に示した。
【0055】
【表2】
【0056】本実施例の組成では、700Torrでの
吸着量は飛び抜けて大きくないが、200Torrにお
ける吸着量が小さいため、有効吸着量(ΔQ)において
高い性能向上が得られた。
【0057】実施例6 SiO2/Al23モル比が2.0のナトリウム、カリ
ウムカチオン型結晶性FAU型ゼオライト粉末(そのX
線回折図は図2と同じであった)を、実施例5と同様に
ナトリウム交換およびリチウム交換を行った。前記イオ
ン交換により得られた粉末を1.5倍当量の1規定の塩
化カルシウム水溶液を1回用い、70℃で約6時間撹拌
することによりカルシウム交換を行った。さらに続いて
0.1倍当量の0.1規定の塩化バリウム水溶液を1回
用い、70℃で約6時間撹拌することによりバリウム交
換を行った。
【0058】該吸着剤を実施例1と同様の処理を施し、
容量法により窒素吸着量を測定した。イオン交換および
窒素吸着量の結果を表2に示した。
【0059】本実施例の組成では、700Torrでの
吸着量は飛び抜けて大きくないが、200Torrにお
ける吸着量が小さいため、有効吸着量(ΔQ)において
高い性能向上が得られた。
【0060】実施例7 SiO2/Al23モル比が2.0のナトリウム、カリ
ウムカチオン型結晶性FAU型ゼオライト粉末(そのX
線回折図は図2と同じであった)を、実施例5と同様に
ナトリウム交換およびリチウム交換を行った。前記イオ
ン交換により得られた粉末を0.8倍当量の1規定の塩
化ストロンチウム水溶液を1回用い、70℃で約6時間
撹拌することによりストロンチウム交換を行った。さら
に続いて0.1倍当量の0.1規定の塩化マグネシウム
水溶液を1回用い、70℃で約6時間撹拌することによ
りマグネシウム交換を行った。
【0061】該吸着剤を実施例1と同様の処理を施し、
容量法により窒素吸着量を測定した。イオン交換および
窒素吸着量の結果を表2に示した。
【0062】本実施例の組成では、700Torrでの
吸着量は飛び抜けて大きくないが、200Torrにお
ける吸着量が小さいため、有効吸着量(ΔQ)において
高い性能向上が得られた。
【0063】実施例8 SiO2/Al23モル比が2.0のナトリウム、カリ
ウムカチオン型結晶性FAU型ゼオライト粉末(そのX
線回折図は図2と同じであった)を、実施例5と同様に
ナトリウム交換およびリチウム交換を行った。前記イオ
ン交換により得られた粉末を0.5倍当量の1規定の塩
化ストロンチウム水溶液を1回用い、70℃で約6時間
撹拌することによりストロンチウム交換を行った。さら
に続いて0.1倍当量の0.01規定の塩化バリウム水
溶液を1回用い、70℃で約6時間撹拌することにより
バリウム交換を行った。該吸着剤を実施例1と同様の処
理を施し、容量法により窒素吸着量を測定した。イオン
交換および窒素吸着量の結果を表2に示した。
【0064】本実施例の組成では、700Torrでの
吸着量は飛び抜けて大きくないが、200Torrにお
ける吸着量が小さいため、有効吸着量(ΔQ)において
高い性能向上が得られた。
【0065】比較例5 SiO2/Al23モル比が2.0のナトリウム、カリ
ウムカチオン型結晶性FAU型ゼオライト粉末(そのX
線回折図は図2と同じであった)を、実施例5都道要の
処理によりナトリウム交換を行った。さらに4倍当量の
1規定の塩化マグネシウム水溶液を1回用い、70℃で
約6時間撹拌することによりマグネシウム交換を行っ
た。
【0066】該吸着剤を実施例1と同様の処理を施し、
容量法により窒素吸着量を測定した。イオン交換および
窒素吸着量の結果を表2に示した。
【0067】マグネシウムのみでイオン交換した吸着剤
では、窒素吸着量(Q)および有効吸着量(ΔQ)のい
ずれも低かった。
【0068】比較例6 SiO2/Al23モル比が2.0のナトリウム、カリ
ウムカチオン型結晶性FAU型ゼオライト粉末(そのX
線回折図は図2と同じであった)を、実施例5と同様に
ナトリウム交換を行った。さらに5倍当量の1規定の塩
化バリウム水溶液を1回用い、70℃で約6時間撹拌す
ることによりバリウム交換を行った。該吸着剤を実施例
1と同様の処理を施し、容量法により窒素吸着量を測定
した。イオン交換および窒素吸着量の結果を表2に示し
た。
【0069】バリウムのみでイオン交換した吸着剤で
は、窒素吸着量(Q)および有効吸着量(ΔQ)のいず
れも低かった。
【0070】比較例7 SiO2/Al23モル比が2.0のナトリウム、カリ
ウムカチオン型結晶性FAU型ゼオライト粉末(そのX
線回折図は図2と同じであった)を、実施例5と同様に
ナトリウム交換及びリチウム交換を行った。前記イオン
交換により得られた粉末を3倍当量の1規定の塩化カル
シウム水溶液を1回用い、70℃で約6時間撹拌するこ
とによりカルシウム交換を行った。
【0071】該吸着剤を実施例1と同様の処理を施し、
容量法により窒素吸着量を測定した。イオン交換および
窒素吸着量の結果を表2に示した。
【0072】リチウムとカルシウムでイオン交換した吸
着剤では、700Torrでの窒素吸着量(Q)は高い
ものの、200Torrの吸着量も高いため有効吸着量
(ΔQ)が低く、PSA法に用いた場合、窒素の吸着容
量が低いことが示される。
【0073】比較例8 SiO2/Al23モル比が2.0のナトリウム、カリ
ウムカチオン型結晶性FAU型ゼオライト粉末(そのX
線回折図は図2と同じであった)を、実施例5と同様に
ナトリウム交換及びリチウム交換を行った。前記イオン
交換により得られた粉末を0.3倍当量の1規定の塩化
ストロンチウム水溶液を1回用い、70℃で約6時間撹
拌することによりストロンチウム交換を行った。
【0074】該吸着剤を実施例1と同様の処理を施し、
容量法により窒素吸着量を測定した。イオン交換および
窒素吸着量の結果を表2に示した。
【0075】リチウムとカルシウムでイオン交換した吸
着剤では、700Torrでの窒素吸着量(Q)は高い
ものの、200Torrの吸着量も高いため有効吸着量
(ΔQ)が低く、PSA法に用いた場合、窒素の吸着容
量が低いことが示される。
【0076】
【発明の効果】本発明の吸着剤を使用して空気分離方
法、特に、PSA法により、低コストで、濃縮酸素ガス
が製造可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で使用した結晶性FAU型ゼオライト
のX線回折図を示す。
【図2】実施例5で使用した結晶性FAU型ゼオライト
のX線回折図を示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SiO2/Al23モル比が2.0以上
    5.0以下の結晶性フォージャサイト型ゼオライトであ
    り、必須のカチオン種としてマグネシウムカチオン及び
    /又はバリウムカチオンを1%以上10%未満、ナトリ
    ウムカチオンを1%以上10%未満有し、その他の交換
    カチオンとしてリチウムカチオンを5%以上95%未
    満、ストロンチウムカチオン及び/又はカルシウムカチ
    オンを5%以上95%未満有する結晶性フォージャサイ
    ト型ゼオライトから成る空気分離用吸着剤。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の空気分離用吸着剤に空気
    を接触させて、空気中の窒素ガスを選択的に吸着させ、
    濃縮酸素ガスを得ることを特徴とする空気分離方法。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の空気分離方法において、
    圧力揺動吸着法により空気中の窒素ガスを選択的に吸着
    させ、濃縮酸素ガスを得ることを特徴とする空気分離方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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