JP2012206507A - ガスバリア性フィルム - Google Patents
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Abstract
本発明は、透明性及びガスバリア性が高く、かつ耐屈曲性に優れたガスバリア性フィルムを提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明のガスバリア性フィルムは、透明基材の少なくとも片面に、以下の[A]層と[B]層を含む複合層が配されたことを特徴とするガスバリア性フィルムである。
[A]層:酸化亜鉛−二酸化ケイ素−酸化アルミニウムの共存相からなる層
[B]層:硫化亜鉛と二酸化ケイ素の共存相からなる層
【選択図】なし
Description
(1)透明基材の少なくとも片面に、以下の[A]層と[B]層を含む複合層が配された、ガスバリア性フィルムである。
[A]層:酸化亜鉛−二酸化ケイ素−酸化アルミニウムの共存相からなる層
[B]層:硫化亜鉛と二酸化ケイ素の共存相からなる層
(2)前記[A]層は、ICP発光分光分析法により測定される亜鉛(Zn)原子濃度が20.0〜40.0atom%、ケイ素(Si)原子濃度が5.0〜20.0atom%、アルミニウム(Al)原子濃度が0.5〜5.0atom%、酸素(O)原子濃度が35.0〜70.0atom%であること
(3)前記[B]層は、硫化亜鉛と二酸化ケイ素の合計に対する硫化亜鉛のモル分率が0.7〜0.9であること
(4)前記[A]層の屈折率が波長550nmにおいて、1.5〜1.8の範囲であり、かつ、前記[B]層の屈折率が波長550nmにおいて、2.0〜2.4の範囲であること
(5)前記複合層が、前記[A]層および/または前記[B]層に接するように以下の[C]層を有する層であること
[C]層:酸化ケイ素層
(6)前記[C]層の厚みが、前記[A]層、前記[B]層および前記[C]層の厚みの合計の5〜40%であること
(7)前記[C]層の厚みが、5〜300nmであること
(8)前記[C]層の屈折率が、波長550nmにおいて、1.43〜1.50の範囲であること
(9)前記透明基材が少なくとも前記複合層を有する側に樹脂層を有するものであること
(10)前記複合層が、透明基材と接しない側の表面に、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、アルミニウム含有酸化亜鉛(Al/ZnO)のいずれかを含む透明導電層を形成したものであることを好ましい態様とする。
[ガスバリア性フィルム]
本発明のガスバリア性フィルムは、透明基材の少なくとも片面上に[A]層と[B]層を含む複合層がガスバリア層として配置されたガスバリア性フィルムである。また、本発明のガスバリア性フィルムは前記ガスバリア層が、前記[A]層および/または前記[B]層に接するように酸化ケイ素層([C]層)を有する複合層であることが好ましい。
[透明基材]
本発明に使用する透明基材としては、有機高分子化合物からなるフィルムであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートあるいはポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル共重合体のケン化物、ポリアクリロニトリル、ポリアセタール等の各種ポリマーからなるフィルムなどを使用することができる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートからなるフィルムであることが好ましい。透明基材を構成するポリマーは、ホモポリマー、コポリマーのいずれでもよいし、また、単独のポリマーであっても良いし複数のポリマーをブレンドして用いても良い。
[酸化亜鉛−二酸化ケイ素−酸化アルミニウムの共存相からなる層]
次に、酸化亜鉛−二酸化ケイ素−酸化アルミニウムの共存相からなる層(以降[A]層と略記する)について詳細を説明する。なお、「酸化亜鉛−二酸化ケイ素−酸化アルミニウムの共存相」を「ZnO−SiO2−Al2O3」と略記することもある。また、二酸化ケイ素(SiO2)は、生成時の条件によって、左記組成式のケイ素と酸素の組成比率から若干ずれたもの(SiO〜SiO2)が生成することがあるが、本明細書においては二酸化ケイ素あるいはSiO2と表記することとする。かかる組成比の化学式からのずれに関しては、酸化亜鉛、酸化アルミニウムについても同様の扱いとし、それぞれ、本明細書においては、生成時の条件に依存する組成比のずれに関わらず、酸化亜鉛またはZnO、酸化アルミニウムまたはAl2O3と表記することとする。
本発明のガスバリア性フィルムにおいて[A]層を適用することによりガスバリア性が良好となる理由は、酸化亜鉛−二酸化ケイ素−酸化アルミニウム共存相においては酸化亜鉛に含まれる結晶質成分と二酸化ケイ素のガラス質成分とを共存させることによって、微結晶を生成しやすい酸化亜鉛の結晶成長が抑制され粒子径が小さくなるため層が緻密化し、酸素および水蒸気の透過が抑制されるためと推測している。
[硫化亜鉛と二酸化ケイ素の共存相からなる層]
次に、硫化亜鉛と二酸化ケイ素の共存相からなる層(以降[B]層と略記する)について詳細を説明する。[B]層において、硫化亜鉛と二酸化ケイ素の合計に対する硫化亜鉛のモル分率は、0.7〜0.9であることが好ましい。なお、「硫化亜鉛−二酸化ケイ素共存相」を、「ZnS−SiO2」と略記することもある。また、二酸化ケイ素(SiO2)は、その生成時の条件によって、左記組成式のケイ素と酸素の組成比率から若干ずれたもの(SiO〜SiO2)が生成することがあるが、本明細書においては二酸化ケイ素あるいはSiO2と表記する。
本発明の透明導電積層体において[B]層を適用することによりガスバリア性が良好となる理由は、硫化亜鉛−二酸化ケイ素共存相においては硫化亜鉛に含まれる結晶質成分と二酸化ケイ素のガラス質成分とを共存させることによって、微結晶を生成しやすい硫化亜鉛の結晶成長が抑制され粒子径が小さくなるため層が緻密化し、酸素および水蒸気の透過が抑制されるためと推測している。また、結晶成長が抑制された硫化亜鉛を含む硫化亜鉛−二酸化ケイ素共存相は、無機酸化物または金属酸化物だけで形成された層よりも柔軟性が優れるため、熱や外部からの応力に対してクラックが生じにくいため、かかる[B]層を適用することによりクラックの生成に起因するガスバリア性低下が抑制できたものと考えられる。
[酸化ケイ素層]
次に、酸化ケイ素層(以降[C]層と略記する)について詳細を説明する。[A]層および/または[B]層に接するように[C]層を積層することによって、複合層の柔軟性を確保しつつ飛躍的にガスバリア性を向上させることができる。ガスバリア性が向上する理由は明確ではないが、おそらく、[C]層を形成する際に、[C]層の下にある[A]層または[B]層に存在する欠陥部分にケイ素化合物が充填されるため、[C]層の下にある[A]層または[B]層の表層部分が緻密化し、結果としてガスバリア性が向上するものと考えられる。
本発明に使用される[C]層の屈折率は形成方法、条件によって変化するが、光反射を低減し、ガスバリアフィルム全体の光線透過性を向上させる観点から、[A]層および[B]層より低い屈折率が好ましい。波長550nmにおける屈折率は1.43〜1.50が好ましく、より好ましくは1.45〜1.47である。屈折率が1.43より小さくなると、[C]層の成分の粒子の粒界が大きい膜質となるため、ガス及び水蒸気が透過しやすい構造となり、ガスバリア性が低下する場合がある。また、屈折率が1.50より大きくなると、波長400nm付近における光吸収が大きくなり、ガスバリアフィルムの色調が悪化する場合がある。
[A〜Cの各層の境界がTEMのみで視認できない場合の層構成の確認方法]
本発明のガスバリア性フィルムの複合層において、[A]層、[B]層、[C]層の各層の境界領域の組成が傾斜的に変化している等の理由によりTEMで明確な界面が視認できない場合には、まず、厚み方向の組成分析を行い厚み方向の元素の濃度分布を求めた上で、濃度分布の情報を基に層の境界および、層の厚さを求めるものとする。厚み方向の組成分析の手順および各層の層の境界ならびに層の厚さの定義を以下に記す。
まず、透過型電子顕微鏡によりガスバリア性フィルムの断面を観察し、複合層の総厚みを測定する。次いで、深さ方向に元素の組成分析が可能な以下の測定を適用して、複合層の厚み位置に対応する元素の濃度の分布(厚み方向の濃度プロファイル)をえる。このときに適用する組成分析方法としては、電子エネルギー損失分光法(以降EELS分析と記す)、エネルギー分散型X線分光法(以降EDX分析と記す)、二次イオン質量分析法(以降SIMS分析と記す)、X線光電子分光法(XPS分析と記す)、オージェ電子分光法(以降AES分析分析と記す)、が挙げられるが、感度および精度の観点から、EELS分析がもっとも好ましい。従って、まず、EELS分析を行い、以降先にあげた順(EELS分析→SIMS分析→AES分析→XPS分析→EDX分析)で分析を行って、より上位の分析で特定できない成分について、下位の分析のデータを適用するようにする。
(2−1)[A]層と[B]層の境界
[A]層の成分として含まれるAl原子の濃度と、[B]層の成分として含まれるS原子の濃度とのそれぞれの濃度の厚み方向の濃度プロファイルから、Al原子の濃度とS原子の濃度とが等しくなる位置を層の境界と定義する。
(2−2)[A]層または[B]層と[C]層の境界
[A]層または[B]層の成分として含まれるZn原子の厚み方向の濃度プロファイルにおいて、[A]層中または[B]層中のZn原子の濃度の最大の濃度に対して10%以下となる位置を層の境界と定義する。
(2)各層の境界で求めた各層の境界の間の距離を厚さとする。
[評価方法]
まず、各実施例および比較例における評価方法を説明する。評価n数は、特に断らない限り、n=5とし平均値を求めた。
断面観察用サンプルをマイクロサンプリングシステム(日立製FB−2000A)を使用してFIB法により(具体的には「高分子表面加工学」(岩森暁著)p.118〜119に記載の方法に基づいて)作製した。透過型電子顕微鏡(日立製H−9000UHRII)により、加速電圧300kVとして、観察用サンプルの断面を観察し、カスバリア層の[A]層及び[B]層、[C]層の厚みを測定した。
分光光度計UV―3150((株)島津製作所製)を用いて、光線透過率を波長380〜780nmの範囲で5nm毎に測定し、得られた値の平均値を平均光線透過率とした。
CIE規格(1976年)に基づき、分光測色計CM−2600d(コニカミノルタセンシング(株)製)を用いて反射色のb*値を測定した。光源はD65を使用し、角度2°の条件で測定した。
シリコンウエハーまたは石英ガラス上にコーターにて形成された塗層について、高速分光メーターM−2000(J.A.Woollam 社製)を用い、塗層の反射光の偏光状態の変化を入射角度60度、65度、70度で測定、解析ソフトWVASE32にて、波長550nmの屈折率を算出した。
温度40℃、湿度90%RH、測定面積50cm2の条件で、英国、テクノロックス(Technolox)社製の水蒸気透過率透過率測定装置(機種名:DELTAPERM(登録商標) )を使用して測定した。サンプル数は水準当たり2検体とし、測定回数は同一サンプルについて各10回とし、その平均値を水蒸気透過率とした。
[A]層の組成分析はICP発光分光分析(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、SPS4000)により行った。試料中の亜鉛原子、ケイ素原子、アルミニウム原子の含有量を測定し、原子数比に換算した。なお、酸素原子は亜鉛原子、ケイ素原子、アルミニウム原子が、それぞれ酸化亜鉛(ZnO)、ニ酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)として存在する仮定で求めた計算値とした。
[B]層の組成分析はICP発光分光分析(セイコー電子工業(株)製、SPS4000)により行い、この値をもとにさらにラザフォード後方散乱法(日新ハイボルテージ(株)製AN−2500)を使用して、各元素を定量分析し硫化亜鉛と二酸化ケイ素の組成比を求めた
(8)[C]層および酸化アルミニウム層の組成
X線光電子分光法(XPS法)を用いることにより、[C]層はケイ素原子に対する酸素原子の原子数比(O/Si比率)、酸化アルミニウム層(比較例)はアルミニウム原子に対する酸素原子の原子数比(O/Al比率)を測定した。
・励起X線:monochromatic AlKα1,2
・X線径100μm ・光電子脱出角度:10°
(9)耐屈曲性
図6参照。ガスバリア性フィルムを100mm×140mmにサンプリングし、ガスバリア性フィルム6のガスバリア層を形成した面上の中央部に直径30mmの金属円柱5を固定し、この円柱に沿って、円柱の抱き角0°(サンプルが平面の状態)から、円柱への抱き角が180°(円柱で折り返した状態)となる範囲で、100回折り曲げ動作を行った。耐屈曲性は、曲げ動作前後の水蒸気透過率を指標とした。水蒸気透過率は、曲げ動作前後について(5)に示す方法で評価を行った。
[[A]〜[C]層の形成]
([A]層)
図7に示す構造の巻き取り式のスパッタリング装置を使用し、ポリエチレンレテフタレートフィルム7の面(ポリエチレンテレフタレートが露出している面、または、[B]層もしくは[C]層の形成された面)上に、酸化亜鉛と二酸化ケイ素と酸化アルミニウムで形成された混合焼結材であるスパッタターゲットを用いて、アルゴンガスおよび酸素ガスによるスパッタリングを実施し表1に示す[A]層を設けた。
図7に示す構造の巻き取り式のスパッタリング装置を使用し、ポリエチレンレテフタレートフィルム7の面(ポリエチレンテレフタレートが露出している面、または、[A]層もしくは[C]層の形成された面)上に、硫化亜鉛および二酸化ケイ素で形成された混合焼結材であるスパッタターゲットを用いて、アルゴンガスプラズマによるスパッタリングを実施し表2に示す[B]層を設けた。
図7に示すのと同様の構造の巻き取り式の化学気相蒸着(以降CVDと略す)装置を使用し、ポリエチレンレテフタレートフィルム7の面([A]層または[B]層の形成された面)上に、ヘキサメチルジシロキサンを原料とした化学気相蒸着を実施し表3に示す[C]層を設けた。(以下図7の装置をCVD装置と読み替えて説明する。ただしスパッタターゲットは設置しない。)
具体的な操作は以下のとおりである。巻き取り式CVD装置8の巻き取り室9の中で、巻き出しロール10に前記ポリエチレンテレフタレートフィルム7をセットし、巻き出し、ガイドロール11,12,13を介して、クーリングドラム14に通した。真空度2×10−1Paとなるようにアルゴンガス0.5L/minとヘキサメチルジシロキサン70cc/minを導入し、高周波電源により投入電力500Wを印加することにより、プラズマを発生させ、CVDにより前記ポリエチレンテレフタレートフィルム7の表面上に[C]層を形成した。厚みは、フィルム搬送速度により調整した。その後、ガイドロール16,17,18を介して巻き取りロール19に巻き取った。
透明基材として、厚み188μmのポリエチレンレテフタレートフィルム7(東レ株式会社製“ルミラー(登録商標)”U35:一方の面に易接着層が形成され、もう一方の面はポリエチレンテレフタレートが露出している)を用い、該透明基材のポリエチレンテレフタレートが露出している面に、硫化亜鉛のモル分率が0.85であるB(a)層を設けた(B(a)層の厚み:200nmとした)。
B(a)層に代えてB(b)層を形成した以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
B(a)層に代えてA(b)層を形成(A(b)層の厚み:240nmとした)し、A(a)層に代えてB(a)を形成(B(a)層の厚み:120nmとした)した以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
A(a)層に代えてA(b)層を形成(A(b)層の厚み:270nmとした)した以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
A(a)層に代えてA(b)層を形成(A(b)層の厚み:280nmとした)した以外は、実施例2と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
A(a)層の厚みを270nmから120nmに変更し、次いで、C層をA(a)層上に1層積層(C層の厚み:40nmとした)した以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。SiO2層の組成(O/Si比率)は、1.6であった。
B(a)層の厚みを200nmから135nmに変更し、次いで、C層をA(a)層上に1層積層(C層の厚み:45nmとした)し、さらに、A(b)層を第2層のC層上に1層積層(A(b)層:120nmとした)し、次いで、第4層としてC層をA(b)層上に1層積層(C層の厚み:30nmとした)した以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
(比較例1)
B(a)層の厚みを200nmから680nmに変更し、A(a)層を形成しない以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
(比較例2)
B(a)層に代えてA(a)層を形成(A(a)層の厚み:690nmとした)し、A(a)層を形成しない以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
(比較例3)
B(a)層に代えてC層を形成(C層の厚み:750nmとした)し、A(a)層形成しない以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
(比較例4)
酸化亜鉛/二酸化ケイ素/酸化アルミニウムの組成質量比が77.0/20.0/3.0(表1のA(a))で焼結されたスパッタターゲットに代えて、酸化亜鉛/酸化アルミニウムの組成質量比が97.0/3.0(表1のA(a))で焼結されたスパッタターゲットを用い形成する層の厚みを640nmとした以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。スパッタにより得られた膜の組成(原子濃度)は、Zn原子濃度が46.5atom%、Al原子濃度が2.8atom%、O原子濃度が50.7atom%であった。
(比較例5)
A(a)層に代えてC層を形成(C層の厚み:350nmとした)した以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
(比較例6)
B(a)層に代えてA(a)層を形成(A(a)層の厚み:200nmとした)し、A(a)層に代えてC層を形成(C層の厚み:150nmとした)した以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
(比較例7)
硫化亜鉛/二酸化ケイ素のモル組成比が85/15(表2のB(a))で焼結されたスパッタターゲットに代えて、純度99.99質量%の酸化アルミニウム(Al2O3)スパッタターゲットを用い形成する層の厚みを200nmとした以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。酸化アルミニウム層の組成(O/Al比率)は、1.45であった。
(比較例8)
硫化亜鉛/二酸化ケイ素のモル組成比が85/15(表2のB(a))で焼結されたスパッタターゲットに代えて、純度99.99質量%の酸化アルミニウム(Al2O3)スパッタターゲットを用い形成する層の厚みを200nmとした以外は実施例3と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。酸化アルミニウム層の組成(O/Al比率)は、1.45であった。
2 [A]層
3 [B]層
4 [C]層
5 金属円柱
6 ガスバリア性フィルム
8 巻き取り式スパッタリング装置
9 巻き取り室
10 巻き出しロール
11 12、13 巻き出し側ガイドロール
14 クーリングドラム
15 スパッタ電極
16、17、18 巻き取り側ガイドロール
19 巻き取りロール
Claims (10)
- 透明基材の少なくとも片面に、以下の[A]層と[B]層を含む複合層が配された、ガスバリア性フィルム。
[A]層:酸化亜鉛−二酸化ケイ素−酸化アルミニウムの共存相からなる層
[B]層:硫化亜鉛と二酸化ケイ素の共存相からなる層 - 前記[A]層は、ICP発光分光分析法により測定される亜鉛(Zn)原子濃度が20.0〜40.0atom%、ケイ素(Si)原子濃度が5.0〜20.0atom%、アルミニウム(Al)原子濃度が0.5〜5.0atom%、酸素(O)原子濃度が35.0〜70.0atom%である請求項1に記載のガスバリア性フィルム。
- 前記[B]層は、硫化亜鉛と二酸化ケイ素の合計に対する硫化亜鉛のモル分率が0.7〜0.9である請求項1または2に記載のガスバリア性フィルム。
- 前記[A]層の屈折率が波長550nmにおいて、1.5〜1.8の範囲であり、かつ、前記[B]層の屈折率が波長550nmにおいて、2.0〜2.4の範囲である請求項1〜3のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
- 前記複合層が、前記[A]層および/または前記[B]層に接するように以下の[C]層を有する層である請求項1〜4のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
[C]層:酸化ケイ素層 - 前記[C]層の厚みが、前記[A]層、前記[B]層および前記[C]層の厚みの合計の5〜40%である請求項5に記載のガスバリア性フィルム。
- 前記[C]層の厚みが、5〜300nmである請求項5または6に記載のガスバリア性フィルム。
- 前記[C]層の屈折率が、波長550nmにおいて、1.43〜1.50の範囲である請求項5〜7のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
- 前記透明基材が少なくとも前記複合層を有する側に樹脂層を有するものである請求項1〜8のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
- 前記複合層が、透明基材と接しない側の表面に、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、アルミニウム含有酸化亜鉛(Al/ZnO)のいずれかを含む透明導電層を有するものである請求項1〜9のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
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