JP2012174596A - 色素増感太陽電池および色素増感太陽電池の製造方法、ならびに色素増感太陽電池モジュール - Google Patents

色素増感太陽電池および色素増感太陽電池の製造方法、ならびに色素増感太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】より簡便で安価に製造することができるとともに、集電効果に優れた色素増感太陽電池および色素増感太陽電池の製造方法、ならびに色素増感太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】色素増感太陽電池は、透明導電層と、透明導電層上に設けられ、増感色素が担持された半導体電極と、半導体電極と対向して設けられた対極基板と、対極基板の半導体電極に対向する主面上に設けられた対電極と、対極基板上に複数個設けられた封止材と、半導体電極と対電極との間に設けられた電解質層と、対極基板の対電極が設けられた面とは反対側の主面上に設けられた集電電極とを備える。対極基板および複数個の封止材に形成された孔部を介して、透明導電層と集電電極とが、電気的に接続される。
【選択図】図1

Description

本技術は、色素増感太陽電池および色素増感太陽電池の製造方法、ならびに色素増感太陽電池モジュールに関する。特に、開口率を低下させることなく、多孔質半導体層が設けられる透明導電層側の集電効率を高めた色素増感太陽電池および色素増感太陽電池の製造方法、ならびに色素増感太陽電池モジュールに関する。
製造に膨大なエネルギーを必要とし、かつ高価なシリコン系太陽電池にかわる太陽電池として、近年では、色素増感太陽電池の研究開発が盛んに行われている。
色素増感太陽電池は、透明導電層上に設けられ、ルテニウム錯体等の増感色素によって分光増感された酸化チタン多孔質層(半導体電極)と、ヨウ素を主体とする電解質と、対電極とを備えている。この電池の第1の利点は、酸化チタン等の安価な酸化物半導体を用いるため、安価な光電変換素子を提供できる点である。第2の利点は、用いられるルテニウム錯体が可視光域に幅広く吸収を有していることから比較的高い変換効率が得られる点である。
下記の非特許文献1および特許文献1には、色素によって増感された多孔質半導体層を用いた光電変換用電極および色素増感太陽電池、ならびにこれを作製するための材料および製造技術が開示されている。下記の特許文献2には、複数の色素増感光電変換素子を直列に接続した色素増感光電変換素子モジュールおよびその製造方法が開示されている。
作用電極と対電極との間に電解質層を有する色素増感太陽電池においては、光吸収によって励起された増感色素の電子は、酸化チタン多孔質層を介して外部へ取り出される。励起された増感色素の電子を電極から効率よく集電するために、各々の電極に集電電極が設けられることも多いが、電解質層に使用される電解液は腐食性が高く、銀等からなる集電電極の場合には、電解液との接触により集電電極が腐食してしまう。
そのため、集電電極の保護を目的として、集電電極の全面を樹脂等で覆うことが行われるが、樹脂等で保護した集電電極を透明導電層の表面に形成してしまうと、酸化チタン多孔質層を形成する面積が減少する。すなわち、光吸収に寄与する領域の割合(以下、開口率と適宜称する。)が低下することになり、色素増感太陽電池の発電効率の低下を招く。
集電電極の耐腐食性と優れた集電効率とを両立させるために、例えば、下記の特許文献3〜5には、樹脂による対極基板を複層構造とし、負極側および正極側の各々の集電電極を対極基板の内部に設けることが提案されている。
B.O'Regan,M.Graetzel,Nature,353,p.737-740(1991)
米国特許4927721号明細書 特開2009−110797号公報 特開2008−257991号公報 特開2008−258028号公報 特開2008−262837号公報
しかしながら、特許文献3〜5に記載された技術では、複数層からなる樹脂層内に集電電極を形成する等、製造工程が複雑となり、工程数、製造コストが共に増加してしまう。また、複数層からなる構造では、その積層界面へ電解液が浸入することによる集電配線の腐食や、層自体の崩壊の懸念がある。そのため、貫通集電電極を通す基板が単層であることが望ましく、また、集電電極を同一の素材で一度に形成できることが望ましい。
したがって、本技術の目的は、より簡便で安価に製造することができるとともに、集電効果に優れた色素増感太陽電池および色素増感太陽電池の製造方法、ならびに色素増感太陽電池モジュールを提供することにある。
上述した課題を解決するために、第1の技術は、
透明導電層と、
透明導電層上に設けられ、増感色素が担持された半導体電極と、
半導体電極と対向して設けられた対極基板と、
対極基板の半導体電極に対向する主面上に設けられた対電極と、
対基板上に複数個設けられた封止材と、
半導体電極と対電極との間に設けられた電解質層と、
対極基板の対電極が設けられた面とは反対側の主面上に設けられた集電電極と
を備え、
対極基板および複数個の封止材に形成された孔部を介して、透明導電層と集電電極とが、電気的に接続される色素増感太陽電池である。
第2の技術は、
増感色素が担持された半導体電極と、多孔質金属電極とを含む光電極と、
光電極と対向して設けられた対極基板と、
対極基板の光電極に対向する主面上に設けられた対電極と、
対基板上に複数個設けられた封止材と、
光電極と対電極との間に設けられた電解質層と、
対極基板の対電極が設けられた面とは反対側の主面上に設けられた集電電極と
を備え、
対極基板および複数個の封止材に形成された孔部を介して、多孔質金属電極と集電電極とが、電気的に接続される色素増感太陽電池である。
第3の技術は、
透明導電層の一主面上の少なくとも一部に多孔質半導体層を形成する工程と、
多孔質半導体層に増感色素を担持させ、半導体電極を形成する工程と、
対極基板の一主面上の少なくとも一部に対電極を設ける工程と、
半導体電極と、対電極とを対向配置するとともに、半導体電極と、対電極との間に複数個の封止材を介在させる工程と、
半導体電極と、対電極との間に電解質層を設ける工程と、
対極基板および複数個の封止材のそれぞれに連通するようにして対極基板および複数個の封止材のそれぞれに形成された孔部と、対極基板の対電極が設けられた面とは反対側の主面上とに一体的に集電電極を形成する工程と
を備え、
透明導電層と集電電極とが、電気的に接続される色素増感太陽電池の製造方法である。
本技術では、対極基板および一以上の封止材のそれぞれに連通する孔部を設けたうえで、孔部および対極基板の対電極が設けられた面とは反対側の主面上に一体的に集電電極を形成する。したがって、貫通集電電極を含む集電電極が、同一の素材で一度に形成される。
本技術によれば、最終的に集電電極を一枚の対極基板上に形成することになるので、集電効果の高い色素増感太陽電池をより簡便で安価に製造することができる。
図1は、本技術の第1の実施形態に係る色素増感太陽電池の構成の一例を示す模式的断面図である。 図2A〜図2Cは、本技術の第1の実施形態に係る色素増感太陽電池の製造方法の一例を説明するための工程図である。図2Dは、図2CにおけるA矢視図である。 図3A〜図3Cは、本技術の第1の実施形態に係る色素増感太陽電池の製造方法の一例を説明するための工程図である。図3Dは、図3CにおけるA矢視図である。 図4Aは、本技術の第1の実施形態に係る色素増感太陽電池の製造方法の一例を説明するための工程図である。図4Bは、図4Aにおいて破線Pで囲まれた部分のA矢視図である。図4Cおよび図4Dは、本技術の第1の実施形態に係る色素増感太陽電池の製造方法の一例を説明するための工程図である。 図5Aおよび図5Bは、本技術の第1の実施形態に係る色素増感太陽電池の製造方法の一例を説明するための工程図である。 図6は、本技術の第2の実施形態に係る色素増感太陽電池の構成の一例を示す模式的断面図である。 図7A〜図7Cは、本技術の第2の実施形態に係る色素増感太陽電池の製造方法の一例を説明するための工程図である。図7Dは、図7CにおけるA矢視図である。 図8A〜図8Cは、本技術の第2の実施形態に係る色素増感太陽電池の製造方法の一例を説明するための工程図である。 図9は、本技術の第3の実施形態に係る色素増感太陽電池モジュールの構成の一例を示す模式的断面図である。
本技術の実施形態について図面を参照しながら以下の順序で説明する。
1.第1の実施形態(集電電極が透明導電層に接続された色素増感太陽電池の例)
2.第2の実施形態(集電電極が多孔質金属電極に接続された色素増感太陽電池の例)
3.第3の実施形態(色素増感太陽電池モジュールの例)
<第1の実施形態>
[色素増感太陽電池の構成]
図1は、本技術の第1の実施形態に係る色素増感太陽電池の構成の一例を示す模式的断面図である。図1に示すように、この色素増感太陽電池1は、透明基板11の一主面に形成された透明導電層13と、半導体電極15と、対極基板21と、対電極23と、封止材25mおよび25pと、電解質層27と、集電電極29とを備える。
透明基板11と対極基板21とが対向配置される。透明基板11における対極基板21と対向する側の主面上に、透明導電層13が設けられる。透明導電層13上に、増感色素が担持された半導体電極15が設けられる。なお、透明基板11における透明導電層13が設けられた一主面とは反対側の他主面は、例えば、太陽光の照射SLに対する受光面となる。
対極基板21における透明基板11と対向する側の主面上に、対電極23が設けられる。半導体電極15と対電極23との間に、封止材25mおよび複数個の封止材25pが設けられる。封止材25mは、色素増感太陽電池1の外縁領域に設けられ、電解質層27を封止する。すなわち、半導体電極15と対電極23との間は、電解質層27によって介在される。対極基板21における対電極23が設けられた一主面とは反対側の主面上に、集電電極29が設けられる。集電電極29は、対極基板21および封止材25pに形成された孔部を介して、透明導電層13と電気的に接続される。
以下、この色素増感型太陽電池1を構成する透明導電層13、半導体電極15、対極基板21、対電極23、封止材25mおよび封止材25p、電解質層27、ならびに集電電極29について順次説明する。
(透明導電層)
透明導電層13は、例えば、透明基板11の一主面上に設けられる。透明導電層13は、太陽光の可視から近赤外領域に対して光吸収が少ないことが好ましい。透明導電層13の材料としては、例えば、導電性の良好な金属酸化物や炭素等を用いることが好ましい。金属酸化物としては、例えば、インジウム−スズ複合酸化物(ITO)、フッ素ドープSnO(FTO)、アンチモンドープSnO(ATO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、インジウム−亜鉛複合酸化物(IZO)、アルミニウム−亜鉛複合酸化物(AZO)、およびガリウム−亜鉛複合酸化物(GZO)からなる群より選択される1種以上を用いることができる。
なお、透明基板11としては、透明性を有する基材であればよく、特に限定されるものではない。透明性を有する基材としては、例えば、透明無機基板または透明有機基板を用いることができ、太陽光の可視から近赤外領域に対して光吸収が少ないものが好ましい。透明無機基板としては、例えば、ガラス基板、サファイア基板、石英基板等を挙げることができ、ガラス基板としては、例えば、青板、BK7、鉛ガラス等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。透明有機基板としては、例えば、樹脂基板を挙げることができ、樹脂基板としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリエステル、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリビニルブチラート、ポリプロピレン(PP)、ポリフッ化ビニリデン、テトラアセチルセルロース、シンジオクタチックポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリスルフォン、ポリエステルスルフォン、ポリエーテルイミド、環状ポリオレフィン、ブロム化フェノキシ、塩化ビニル等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、例えば、透明基板11として、フィルム、シート、基板等を用いることができるが、これに限定されるものではない。
(半導体電極)
半導体電極15は、半導体微粒子を含む層であり、透明導電層13上に設けられる。後述するように、半導体電極15は、周縁部A1mおよび開口部A1pを有している。周縁部A1mおよび開口部A1pは、透明基板11の一主面に形成される透明導電層13の表面において、半導体電極15の形成されていない領域である。すなわち、周縁部A1mおよび開口部A1pでは、透明導電層13が露出している。周縁部A1mは、色素増感太陽電池1の外縁領域に設けられ、この周縁部A1mを介して、透明導電層13と封止材25mとが密着させられる。開口部A1pは、封止材25mで規定される領域の内部に複数個設けられ、この開口部A1pを介して、透明導電層13と封止材25pとが密着させられる。図1に示す開口部A1pの数および配置は、一例を模式的に示したものにすぎず、特にこれに限定されるものではない。
半導体電極15は、典型的には、増感色素が担持された半導体微粒子を含む。半導体電極15は、金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質半導体層であることが好ましい。金属酸化物半導体微粒子は、チタン、亜鉛、スズおよびニオブの少なくとも1種を含む金属酸化物を含むことが好ましい。このような金属酸化物を含むことで、吸着させる増感色素と金属酸化物間にて適切なエネルギーバンドを形成し、その後、光照射により増感色素にて発生した電子が金属酸化物に円滑に伝達し、その後のヨウ素の酸化還元による発電に寄与することができるからである。具体的には、金属酸化物半導体微粒子の材料としては、酸化チタン、酸化スズ、酸化タングステン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化ニオブ、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化ストロンチウム、酸化タンタル、酸化アンチモン、酸化ランタノイド、酸化イットリウム、および酸化バナジウム等なる群より選ばれる1種以上を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
半導体微粒子を含む多孔質層の表面が増感色素によって増感されるためには、半導体微粒子を含む多孔質層の伝導帯が、増感色素の光励起準位から電子を受け取りやすい位置に存在することが好ましい。この観点からすると、上述した金属酸化物半導体微粒子の材料の中でも、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、および酸化ニオブからなる群より選ばれる1種以上が特に好ましい。さらに、価格や環境衛生性等の観点から、酸化チタンが最も好ましい。金属酸化物半導体微粒子は、アナターゼ型またはブリュッカイト型の結晶構造を有する酸化チタンを含むことが特に好ましい。このような酸化チタンを含むことで、吸着させる増感色素と金属酸化物間にて適切なエネルギーバンドを形成し、その後、光照射により増感色素にて発生した電子が金属酸化物に円滑に伝達し、その後のヨウ素の酸化還元による発電に寄与することができるからである。なお、透明導電層13と半導体電極15との間に、結着の促進、電子伝達の改善、または逆電子過程の防止等を目的とした層をさらに設けるようにしてもよい。
金属酸化物半導体微粒子の平均一次粒子径は、5nm以上500nm以下であることが好ましい。5nm未満であると、結晶性が極端に劣化し、アナターゼ構造を維持できずにアモルファス構造となる傾向がある。一方、500nmを超えると、比表面積が著しく低下し、酸化チタン層に吸着して発電に寄与する増感色素の総量が減少する傾向がある。ここで、平均一次粒子径は以下のようにして測定したものである。平均一次粒子径は、一次粒子が分散できる溶媒系を用いて、所望な分散剤を添加して一次粒子まで分散処理した希薄溶液を用いて、光散乱法により測定する方法や、XRD測定により求めることができる。
半導体微粒子に担持させる増感色素としては、増感作用を示すものであれば特に限定はないが、通常、可視光領域付近の光を吸収できる物質、例えば、ビピリジン錯体、テルピリジン錯体、メロシアニン色素、ポルフィリン、およびフタロシアニン等が用いられる。
単独で用いる増感色素としては、例えば、ビピリジン錯体の1種であるシス−ビス(イソチオシアナト)ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボン酸)ルテニウム(II)二テトラブチルアンモニウム錯体(通称N719)が、増感色素としての性能に優れており、一般的に用いられている。その他、ビピリジン錯体の1種であるシス−ビス(イソチオシアナト)ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボン酸)ルテニウム(II)(通称:N3)や、テルピリジン錯体の1種であるトリス(イソチオシアナト)(2,2’:6’,2”−テルピリジル−4,4’,4”−トリカルボン酸)ルテニウム(II)三テトラブチルアンモニウム錯体(通称ブラックダイ)が一般的に用いられる。
特にN3やブラックダイを用いる場合には、共吸着剤もよく用いられる。共吸着剤は半導体電極15上で色素分子が会合するのを防止するために添加される分子であり、代表的な共吸着剤としては、例えば、ケノデオキシコール酸、タウロデオキシコール酸塩、および1−デクリルホスホン酸等が挙げられる。これらの分子の構造的特徴としては、半導体電極15を構成する酸化チタンに吸着されやすい官能基として、カルボキシル基やホスホノ基等をもつことや、色素分子間に介在して色素分子間の干渉を防止するために、σ結合で形成されていること等が挙げられる。
その他の増感色素としては、例えば、アゾ系色素、キナクリドン系色素、ジケトピロロピロール系色素、スクワリリウム系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポルフィン系色素、クロロフィル系色素、ルテニウム錯体系色素、インジゴ系色素、ペリレン系色素、オキサジン系色素、アントラキノン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素等、およびその誘導体が挙げられるが、光を吸収し、半導体微粒子を含む多孔質層の伝導帯に励起電子を注入できる増感色素であればこれらに限定されない。これらの増感色素はその構造中に連結基を1個以上有する場合は、半導体微粒子を含む多孔質層の表面に連結することができ、光励起された増感色素の励起電子を、半導体微粒子を含む多孔質層の伝導帯に迅速に伝えることができるので望ましい。
半導体電極15の厚さは、0.5μm以上200μm以下であることが好ましい。半導体電極15の厚さが0.5μm未満であると、有効な変換効率が得られなくなる傾向がある。一方、半導体電極15の厚さが200μmを超えると、半導体電極15の形成時に割れや剥がれが生じる等、半導体電極15の形成が困難になる傾向がある。また、半導体電極15における電解質層27側の表面と、透明導電層13における半導体電極15側の表面との距離が大きくなるため、発生電荷が透明導電層13に有効に伝えられなくなり、良好な変換効率が得られにくくなる傾向がある。
(対極基板)
対極基板21は、対電極23および集電電極29の支持基板である。対極基板21としては、例えば、透明基板11と同様の基材を用いることができるが、透明性は必須ではない。対極基板21としては、例えば、ガラス基板、石英基板、樹脂基板等を用いることができる。
(対電極)
対電極23は、色素増感太陽電池1の正極として機能する。後述するように、対電極23は、開口部A2pを有している。開口部A2pは、対極基板21の一主面において、対電極23の形成されていない領域であり、開口部A2pは、半導体電極15の開口部A1pとほぼ対向するように配置される。
対電極23に用いる導電性の材料としては、任意の材料を用いることができる。対電極23に用いる導電性の材料としては、具体的には例えば、金属、金属酸化物、または炭素等が挙げられるが、これに限定されるものではない。金属としては、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム等を用いることができるが、これに限定されるものではない。金属酸化物としては、例えば、インジウム−スズ複合酸化物、酸化スズ(フッ素等がドープされた物を含む)、酸化亜鉛等を用いることができるが、これに限定されるものではない。そのほか、半導体電極15に対向する側に導電性の触媒層が設置されていれば、絶縁性の物質も使用可能である。対電極23の厚さは、特に制限はないが、5nm以上100μm以下であることが好ましい。
(封止材)
封止材25mおよび複数個の封止材25pは、半導体電極15と対電極23との間に設けられる。
封止材25mは、電解質の漏れや揮発を防ぐために、色素増感太陽電池1の外縁領域に連続的に設けられる。すなわち、電解質層27が、半導体電極15、封止材25mおよび対電極23により形成される空間に封止される。なお、半導体電極15と対電極23との間隔は、好ましくは1〜100μm、より好ましくは1〜40μmである。
一方、封止材25pは、連続的に設けられた封止材25mにより規定される領域の内部に、対電極23の開口部A2pに対応して複数個設けられる。すなわち、封止材25pは、一端が透明導電層13と密着し、他の一端が対極基板21と密着する。
後述するように、封止材25pの内部には、例えば、集電電極29の一部が貫通しており、集電電極29のうち、封止材25pの内部を貫通する部分は、透明導電層13と接続するためのビアプラグとして機能する。封止材25pは、集電電極29のうち、封止材25pの内部を貫通する部分を電解質から保護する保護層として機能する。
封止材25mおよび封止材25pの材料としては、例えば、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂、ガラスフリット等を用いることができるが、これに限定されるものではない。
(電解質層)
電解質層27は、電解質、媒体、および添加物から構成されることが好ましい。電解質は、Iとヨウ化物(例としてLiI、NaI、KI、CsI、MgI、CaI、CuI、テトラアルキルアンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等)の混合物、Brと臭化物(例としてLiBr等)の混合物、この中でもIとヨウ化物の組み合わせとしてLiI、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等を混合した電解質が好ましいがこの組み合わせに限定されるものではない。
媒体に対する電解質の濃度は、0.05〜10Mが好ましく、0.05〜5Mがより好ましく、0.2〜3Mがさらに好ましい。IやBrの濃度は0.0005〜1Mが好ましく、0.001〜0.5Mがより好ましく、0.001〜0.3Mがさらに好ましい。また、色素増感太陽電池1の開放電圧を向上させる目的で、4−tert−ブチルピリジンやベンズイミダゾリウム類等の各種添加剤を加えることもできる。
電解質層27に用いられる媒体は、良好なイオン電導性を発現できる化合物であることが好ましい。溶液状の媒体としては、例えば、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル化合物、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等の鎖状エーテル類、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル化合物、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物、3−メチル−2−オキサゾリジノン等の複素環化合物、ジメチルスルホキシド、スルホラン等非プロトン極性物質等を用いることができる。
また、固体状(ゲル状を含む)の媒体を用いる目的で、ポリマーを含ませることもできる。この場合、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン等のポリマーを前記溶液状媒体中に添加することで、エチレン性不飽和基を有した多官能性モノマーを前記溶液状媒体中で重合させて媒体を固体状にする。または、無機セラミック粒子を分散させてゲル状電解質とすることも可能である。
電解質層27としてはこの他、CuI、CuSCN媒体を必要としない電解質および、2,2’,7,7’−テトラキス(N,N−ジ−p−メトキシフェニルアミン)9,9’−スピロビフルオレンのような正孔輸送材料を用いることができる。
(集電電極)
集電電極29は、光吸収によって励起された増感色素の電子を透明導電層13から効率よく集電するための電極である。集電電極29は、例えば、対極基板21における対電極23が設けられた一主面とは反対側の主面上に全面にわたって設けられる主面部29sと、該主面部の一主面上に2次元配列された柱状部29vとからなる。図1に示すように、集電電極29の一部をなす柱状部29vは、対極基板21および封止材25pに形成された孔部を介して、透明導電層13にまで達する。したがって、集電電極29と透明導電層13とが電気的に接続されるので、光吸収によって励起された増感色素の電子を色素増感太陽電池1の背面から取り出すことができる。
集電電極29は、好ましくは、対極基板21における対電極23が設けられた一主面とは反対側の主面上の全面と、対極基板21および封止材25pに形成された孔部の内部とに一体的に形成される。集電電極29を低抵抗として、ジュール熱によるエネルギー損失を少なくすることができ、有効な集電設計を行えるからである。対極基板21および封止材25pに形成される孔部の形状、数および配置は、例えば、対極基板21と透明導電層13との間の距離をもとにして、設計することが可能である。言い換えれば、集電電極29の柱状部29vの形状、数および配置は、例えば、対極基板21と透明導電層13との間の距離をもとにして、設計することが可能である。
集電電極29としては、導電性の材料、または導電性の材料と樹脂材料の混合物等を用いることができる。導電性の材料としては、例えば、金属材料、導電性高分子、カーボンナノチューブ等を挙げることができる。
金属材料としては、例えば、金、銀、銅、白金、錫、亜鉛、インジウム、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、パラジウム、コバルト、ケイ素、タンタル、タングステン、モリブデン、ゲルマニウム、チタン等の単体もしくは酸化物、またはこれらの単体もしくはその酸化物を2種以上含む合金を挙げることができる。導電性高分子としては、例えば、ポリチオフェン系、ポリアニリン系、ポリピロール系等の導電性高分子材料を用いることができる。ポリチオフェン系の導電性高分子材料としては、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)にポリスチレンスルホン酸(PSS)をドーピングしたPEDOT/PSS系の材料を用いることができる。
導電性の材料と樹脂材料の混合物としては、例えば、いわゆる導電性ペーストを固化させた導電体を挙げることができる。導電性ペーストに含有される導電性材料としては、無機系または有機系の導電性材料を用いることができる。無機系の導電性材料としては、金属ナノ粒子、透明酸化物半導体またはカーボンナノチューブ等を挙げることができる。金属材料としては、例えば、金、銀、銅、パラジウム、白金、ニッケル、アルミニウム、クロム、ニオブ、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、およびオスミウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属微粒子またはこれらの合金を挙げることができ、高電気導電性を有することから、金、銀、銅が好ましい。これらの金属は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。金属ナノ粒子は金属化合物微粒子であってもよい。金属化合物微粒子としては、酸化銀、酸化銅、酸化パラジウム、酸化白金等の酸化金属微粒子が好ましく、中でも酸化銀、酸化銅微粒子が好ましい。
樹脂材料としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂またはエネルギー線照射型樹脂を用いることができ、具体的には、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂やポリフッ化ビニリデン(PVDF)、アルカリ樹脂等を挙げることができる。または、これらの内の2種以上の混合系で使用することもできる。エネルギー線としては、例えば、電子線、紫外線、可視光線、ガンマ線、電子線等を用いることができる。樹脂材料は、結着剤(バインダー)として機能する。
[色素増感太陽電池の製造方法]
次に、本技術の第1の実施形態に係る色素増感太陽電池の製造方法の一例について説明する。
(多孔質半導体層の形成)
まず、図2Aに示すように、例えば、樹脂材料から、板状やフィルム状の透明基板11を成形する。成形方法としては、例えば溶融押出法、射出成形法等を用いることができるが、これに限定されるものではない。次に、図2Bに示すように、例えば、ITOやFTOをターゲットとして、スパッタリング法等の薄膜作製技術により透明導電層13を透明基板11上に形成する。
次に、図2Cに示すように、透明基板11の透明導電層13上に多孔質半導体層を形成し、該多孔質半導体層に増感色素を担持させて半導体電極15を形成する。このとき、透明導電層13の表面上における外縁領域と、該外縁領域により規定される領域の内部の少なくとも一部については、半導体電極15を形成しないようにする。
図2Dに、図2CにおけるA矢視図を示す。図2Dは、半導体電極15の形成後の状態を示す上面図であり、図2Cおよび図2Dに示すように、半導体電極15は、周縁部A1mを有している。周縁部A1mは、透明基板11の一主面に形成される透明導電層13の表面において、半導体電極15の形成されていない領域である。また、半導体電極15は、図2Cおよび図2Dに示すように、透明基板11の一主面に形成される透明導電層13の表面において、複数個の開口部A1pを有している。開口部A1pは、透明基板11の一主面に形成される透明導電層13の表面において、半導体電極15の形成されていない領域である。
図2Cおよび図2Dに示す開口部A1pの形状、数および配置は、一例を模式的に示したものにすぎず、特にこれに限定されるものではない。例えば、開口部A1pの形状は、定形および不定形のいずれであってもよい。開口部A1pの形状、数および配置は、集電設計に応じて適宜選択することができる。
(半導体電極の形成)
以下、半導体電極15の形成工程の詳細について説明する。
まず、金属酸化物半導体微粒子を溶剤中に分散させて、半導体電極形成用組成物であるペーストを調製する。必要に応じて、バインダーを溶媒中さらに分散させるようにしもよい。ペースト作製の際には、必要に応じて、水熱合成から得られた単分散コロイド粒子を利用してもよい。溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール等の炭素数が4以下の低級アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール(1,3−プロパンジオール)、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール等の脂肪族グリコール、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチルエチルアミン等のアミン類等を単独または2種以上混合して用いることができるが、特にこれに限定されるものではない。分散方法としては、例えば、公知の方法を用いることができ、具体的には例えば、攪拌処理、超音波分散処理、ビーズ分散処理、混錬処理、ホモジナイザー処理等を用いることができるが、特にこれに限定されるものではない。
次に、調製された分散液を透明導電層13上に塗布または印刷した後、乾燥させることにより、溶媒を揮発させる。これにより、半導体微粒子を含む多孔質半導体層が透明導電層13上に形成される。乾燥条件は特に限定されるものではなく、自然乾燥であっても、乾燥温度や乾燥時間等を調整する人工的乾燥であってもよい。人工的に乾燥させる場合には、乾燥温度や乾燥時間は、透明基板11の耐熱性を配慮し、透明基板11を変質させない範囲で設定することが好ましい。塗布または印刷の方法としては、簡便で量産性に適した方法を用いることが好ましい。塗布方法としては、例えば、マイクログラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ダイレクトグラビアコート法、ダイコート法、ディップ法、スプレーコート法、リバースロールコート法、カーテンコート法、コンマコート法、ナイフコート法、スピンコート法等を用いることができるが、特にこれに限定されるものではない。また、印刷方法としては、例えば、凸版印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法、凹版印刷法、ゴム版印刷法、スクリーン印刷法等を用いることができるが、特にこれに限定されるものではない。
なお、周縁部A1mおよび開口部A1pは、あらかじめ透明導電層13上にマスクパターンまたは撥水パターンを形成するといったことや、パターンを有する原版の使用等により形成することができる。
次に、上述のようにして作製した半導体微粒子を含む多孔質半導体層を焼成し、半導体微粒子を含む多孔質半導体層における金属酸化物半導体微粒子間の電子的な接続を向上させる。焼成温度は、好ましくは40〜1000℃であり、より好ましくは40〜600℃程度であるが、特にこの温度範囲に限定されるものではない。また、焼成時間は、好ましくは30秒間〜10時間程度であるが、特にこの時間範囲に制限されるものではない。
次に、増感色素を溶媒に溶解させて、溶液を調製する。増感色素を溶解させるために必要に応じて、加熱、溶解助剤の添加および不溶分のろ過を行ってもよい。溶媒としては、増感色素を溶解可能であり、かつ、半導体微粒子を含む多孔質半導体層に色素吸着の仲立ちを行えるものであることが好ましく、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶剤、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶剤、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、炭酸ジエチル、炭酸プロピレン等の炭酸エステル系溶剤、ヘキサン、オクタン、トルエン、キシレン等の炭水化物系位溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチルイミダゾリノン、Nメチルピロリドン、水等を単独または2種以上混合して用いることができるが、これに限定されるものではない。
次に、例えば、増感色素を含む溶液中に半導体微粒子を含む多孔質半導体層を浸すことにより、増感色素が半導体微粒子に担持される。多孔質半導体層の半導体微粒子に増感色素が担持されることにより、半導体電極15が形成される。以下、透明基板11、透明導電層13および半導体電極15の積層体を、半導体電極側基材10と適宜称する。
(対電極の形成)
次に、図3Aに示すように、対電極23および集電電極29の支持基板となる対極基板21を準備する。例えば、樹脂材料から、板状やフィルム状の対極基板21を成形することができる。成形方法としては、透明基板11の場合同様に、例えば、溶融押出法、射出成形法等を用いることができる。
ここで、対極基板21には、図3Bに示すように、複数個の孔部h1が形成される。後述するように、複数個の孔部h1は、半導体電極側基材10の開口部A1pに対応する位置に形成される。孔部h1の形成には、具体的には例えば、レーザ加工、パンチング加工、ドリル加工、熱加工、エッチング加工等の公知の加工方法を用いることができる。樹脂材料により対極基板21を成形する場合には、型に孔部h1形成用のピンをあらかじめ設けるようにしてもよい。
(対電極の形成)
次に、図3Cに示すように、対極基板21の一主面上に、対電極23を形成する。このとき、対極基板21の孔部h1の近傍には、対電極23を形成しないようにする。
図3Dに、図3CにおけるA矢視図を示す。図3Dは、対電極23の形成後の状態を示す上面図であり、図3Cおよび図3Dに示すように、対電極23は、孔部h1の近傍に開口部A2pを有している。開口部A2pは、対極基板21の表面において、対電極23の形成されていない領域である。
複数個の孔部h1が、半導体電極側基材10の開口部A1pに対応する位置に形成されるため、開口部A2pの数および配置は、半導体電極側基材10の開口部A1pの数および配置に対応する。個々の開口部A2pの形状は、特定の形状に限定されるものではないが、それぞれ対応する開口部A1pの形状と略同一とすると便宜である。
対電極23は、例えば、蒸着法、スパッタリング法、スプレー法、印刷法等により形成することができるが、特にこれに限定されるものではない。
なお、開口部A2pは、例えば、対極基板21の一主面上の全面に対電極23を形成したのち、エッチングにより、開口部A2pに対応する部分を除去して形成することができる。または、あらかじめ対極基板21上にマスクパターンまたは撥水パターンを形成するといったことや、パターンを有する原版の使用等により形成することができる。以下、対極基板21および対電極23の積層体を、基材20aと適宜称する。
(封止材の配置)
次に、図4Aに示すように、基材20aの外縁領域に、封止材25mが連続的に配置される。封止材25mは、周縁部A1mに対応して、対電極23上に連続的に配置される。
以下、本技術の実施形態に係る色素増感太陽電池において、連続的に配置された封止材25mにより規定される領域を含む一単位をセルと適宜称する。
また、図4Aに示すように、基材20aに形成された個々の開口部A2pには、封止材25pがそれぞれ配置される。封止材25pは、孔部h2を有し、孔部h1と孔部h2とが対応した位置となるように、封止材25pが基材20aに形成された個々の開口部A2pに配置される。
封止材25mおよび封止材25pは、例えば、ディスペンサ、印刷法等により形成することができる。封止材25mおよび封止材25pは、具体的には例えば、紫外線硬化型接着剤である。封止材25mおよび封止材25pの形成に際しては、対極基板21の一主面を基準として測ったときの封止材25mの高さおよび対電極23の厚さの和と、個々の封止材25pの高さとが略等しくなるようにする。以下、封止材25mおよび複数個の封止材25pが配置された基材20aを、対電極側基材20と適宜称する。
(ビアホールの形成)
図4Bに、図4Aにおいて破線Pで囲まれた部分のA矢視図を示す。図4Bでは、封止材25mおよび封止材25pを網掛け部分として図示している。図4Bに示すように、封止材25pは、例えば円筒形状とされ、対極基板21に形成された孔部h1および封止材25pに形成された孔部h2により、対極基板21および封止材25p連通するビアホールvhが形成される。
(電解質の充填)
次に、半導体電極15と、対電極23とが対向するようにして、半導体電極側基材10と、対電極側基材20とを、封止材25mおよび封止材25pを介して貼り合わせる。このとき、図4Cに示すように、封止材25mが、半導体電極側基材10に形成された周縁部A1mに対応する位置となり、封止材25pが、半導体電極側基材10に形成された開口部A1pに対応する位置となるようにする。
封止材25mおよび封止材25pが、例えば、紫外線硬化型接着剤から構成される場合には、半導体電極側基材10を介して、封止材25mおよび封止材25pに紫外線が照射される。封止材25mおよび封止材25pが紫外線の照射Uにより硬化することで、半導体電極側基材10と、対電極側基材20とが一体的に接合され、半導体電極側基材10、対電極側基材20および封止材25mにより、電解質が充填される空間が形成される。紫外線の照射に際しては、半導体電極15に紫外線が当たらないように、遮光マスク等を用いることが好ましい。封止材25mおよび封止材25pの材料として、熱硬化型接着剤を用いる場合には、紫外線の照射Uにかえて、封止材25mおよび封止材25pには、半導体電極側基材10または対極基板21を介して加熱が行われる。
次に、この空間に、例えば対電極側基材20にあらかじめ形成された注入口から電解質を注入して空間内に電解質を充填することにより、図4Dに示すように、半導体電極15と、対電極23との間に電解質層27を形成する。なお、対電極側基材20に配置された封止材25mおよび複数個の封止材25pは、一方の端面が透明導電層13に接するようにして貼り合わせが行われるため、ビアホールvhの内部には電解質は浸入しない。電解質層27の形成後に、電解質の注入口を塞ぐ。
(集電電極の形成)
次に、対極基板21における対電極23が設けられた一主面とは反対側の主面上に、集電電極29を形成する。以下では、ビアホールvhの内部に柱状部29vを形成した後、対極基板21における対電極23が設けられた一主面とは反対側の主面上に、集電電極29の残部にあたる主面部29sをさらに形成する例を示しているが、集電電極29の全体を一度に形成してもよい。
以下、集電電極29の形成工程の詳細について説明する。
まず、対極基板21における対電極23が設けられた一主面とは反対側の面から、スパッタリング法、印刷法、蒸着法、スプレー法等の薄膜形成技術を用い、図5Aに示すように、ビアホールvhの内部に柱状部29vを形成する。
アスペクト比の高い孔部にスパッタリング法を適用する場合には、例えば、垂直方向へのスパッタリングに優れるバイアススパッタ、イオン化スパッタ、コリメートスパッタ等が有効である。印刷法を適用する場合には、ディスペンサ等を用い、集電電極29の構成材料である導電性ペーストをビアホールvhの内部に充填しておく。
次に、対極基板21における対電極23が設けられた一主面とは反対側の主面の全面に対して、図5Bに示すように、集電電極29の主面部29sを形成する。主面部29sの形成には、上述したスパッタリング法、印刷法、蒸着法、スプレー法等の薄膜形成技術を用いることができる。なお、ビアホールvhの内部への柱状部29vの形成と、対極基板21に対する主面部29sの形成とで、上述したスパッタリング法、印刷法、蒸着法、スプレー法等を組み合わせて用いるようにしてもよい。
以上説明した工程を経て、目的とする色素増感太陽電池1を得ることができる。
以上説明したように、第1の実施形態では、集電電極29が、対極基板21および封止材25pに形成された孔部を介して、透明導電層13と電気的に接続される。対極基板21および封止材25pに形成された孔部を介して集電電極29を透明導電層13に電気的に接続させて色素増感太陽電池1の背面で集電する事により、半導体電極15の面積を大きく設計することができる。したがって、本技術によれば、複雑な工程を経る事なく、容易な工程にて、優れた発電効率および集電効率を有する色素増感太陽電池の作製が可能である。特に、色素増感太陽電池を大型としたときに、優れた発電効率および集電効率を有する色素増感太陽電池とすることができる。
ビアホールvhの内部に形成される柱状部29vは、透明導電層13との接続のためのビアプラグとして機能するが、柱状部29vの断面形状および高さ、数ならびに配置は、シミュレーションや実験等により最適化が可能である。
例えば、抵抗率:3.7×10−8Ωmの導電性材料を用い、幅:0.5mm、長さ:10mm、高さ:30μmの直方体形状の電極を集電電極として透明導電層上に形成したとすると、該集電電極の抵抗値は、およそ2.5×10−2Ωである。一方、同様の導電性材料を用いて、直径:0.5mm、高さ:30μmの円柱形状の柱状部29vを形成したとすると、該柱状部29vの抵抗値は、およそ5.7×10−6Ωとなる。ここで、直方体形状の電極の形成による、光吸収に寄与する領域の減少分は5.0mmであり、これは、円柱形状の柱状部29vを25本設置した場合に相当する。仮に、円柱形状の柱状部29vを25本設置したとすると、このときの抵抗値の総和はおよそ2.3×10−7Ωとなり、直方体形状の電極を形成した場合の抵抗値である2.5×10−2Ωよりも低い。
すなわち、直方体形状の電極を集電電極として透明導電層上に形成する場合と同等の開口率でありながらも、低抵抗の配線が設計できる。ジュール熱の発生によるエネルギー損失を小さくすることができ、有効な集電設計を行えるため、効率のよい色素増感太陽電池を作製することができる。開口率と集電効率のバランスは、シミュレーションや実験等から最適な値を求めることができる。したがって、本技術によれば、優れた発電効率および集電効率を有する色素増感太陽電池をより容易で安価に作製することができる。
<第2の実施形態>
[色素増感太陽電池の構成]
図6は、本技術の第2の実施形態に係る色素増感太陽電池の構成の一例を示す模式的断面図である。第2の実施形態において、第1の実施形態と同一または対応する箇所には同一の符号を付してある。
図6に示すように、この色素増感太陽電池51は、透明基板11の一主面に順次形成された半導体電極55および多孔質金属電極57を備え、対極基板21と、対電極23と、封止材25mおよび25pと、電解質層27と、集電電極29とを備える。
第2の実施形態に係る色素増感太陽電池51は、透明基板11の一主面に透明導電層13を備えず、半導体電極55が、透明基板11の一主面の外縁領域を除いた部分に形成される。第2の実施形態に係る色素増感太陽電池51は、透明基板11の一主面上に形成された半導体電極55上に、多孔質金属電極57を備える。また、対極基板21および封止材25pに形成された孔部を介して、多孔質金属電極57と集電電極29とが電気的に接続される。これらの点において、第2の実施形態は、第1の実施形態とは異なっている。図6に示す色素増感太陽電池51は、受光面側に電極がない、いわゆるバックコンタクト型色素増感太陽電池である。
第2の実施形態では、増感色素が担持された半導体電極と、多孔質金属電極とから、光電極が構成される。この色素増感型太陽電池51を構成する対極基板21、対電極23、封止材25mおよび封止材25p、電解質層27、ならびに集電電極29については第1の実施形態と同様であるので、以下では、半導体電極55および多孔質金属電極57について説明する。
(半導体電極)
第2の実施形態では、半導体電極55は、図6に示すように、透明基板11の一主面上に設けられる。半導体電極55は、周縁部A1mを有している。周縁部A1mは、透明基板11の一主面に形成される透明基板11の表面において、半導体電極55の形成されていない領域である。第1の実施形態とは異なり、半導体電極55に開口部A1pを形成する必要はない。周縁部A1mは、色素増感太陽電池51の外縁領域に設けられ、透明基板11と封止材25mとが密着させられる。
(多孔質金属電極)
多孔質金属電極57の材料としては、多孔質であり導電性に優れた材料を用いることが好ましく、例えば、金属を用いることができるが、これに限定されるものではない。金属としては、例えば、チタン、タングステン、モリブデン、タンタル、ニオブ、ジルコニウム、亜鉛、ニッケル、クロムおよび鉄からなる群より選択される1種以上を用いることができる。具体的には例えば、金属としては、例えば、チタン、タングステン、モリブデン、タンタル、ニオブ、ジルコニウム、亜鉛、ニッケル、クロム、鉄などの単体、またはこれらを2種以上含む合金を挙げることができる。合金としては、ステンレス鋼(Stainless Used Steel:SUS)、NiCu合金、NiCr合金などのニッケル合金などを用いることが好ましい。ステンレス鋼としては、SUS304、SUS304L、SUS310S、SUS316、SUS316L、SUS317L、SUS321、SUS347などを用いることが好ましい。
多孔質金属電極57の構造としては、例えば、電解液を多孔質金属電極57の表面に垂らしたとき、電解液が電極深さ方向に浸透して、裏面側まで到達することが可能な構造が好ましく、例えば、穴の開いたフィルム、シート、箔、基板などを用いることができる。より具体的には、メッシュ(例えば、平織、綾織、平畳織、綾畳織など)、多孔質体、不織布、繊維焼結体、エキスパンドメタル、パンチングメタル、エッチング加工などで穴を開けた箔などを用いることができるが、これらに限定されるものではない。多孔質金属電極53としては、プラスチック材料などからなる基材の表面を金属などの導電材料で被覆したものを用いるようにしてもよい。多孔質金属電極57の厚みは、例えば、電解液中のイオンが効率的に移動し、これに伴う電子の移動が阻害されないようにすることを考慮すると、薄いほど好ましく、具体的には0.5mm以下であることが好ましい。
[色素増感太陽電池の製造方法]
次に、図7A〜図7Dおよび図8A〜図8Cを参照しながら、本技術の第2の実施形態に係る色素増感太陽電池の製造方法の一例について説明する。なお、以下の説明においては、第1の実施形態と共通する工程については、図示を省略した。
(光電極の形成)
まず、図7Aに示すように、例えば、樹脂材料から、板状やフィルム状の透明基板11を成形する。
次に、図7Bに示すように、透明基板11上に多孔質半導体層65を形成する。このとき、透明基板11の表面上における外縁領域については、多孔質半導体層65を形成しないようにする。
次に、図7Cに示すように、例えば、多孔質金属電極57を、多孔質半導体層65が形成された透明基板11の一方の面に対して圧着する。次に、得られた積層体を焼成した後、多孔質半導体層65に増感色素を担持させ、半導体電極55および多孔質金属電極57を含む光電極53が得られる。必要に応じて、金属酸化物微粒子の分散液を、多孔質金属電極57上にさらに塗布または印刷した後、乾燥させることにより溶媒を揮発させ、多孔質金属電極57上に多孔質絶縁層を形成してもよい。または、多孔質金属電極57と半導体電極55との間に中間層を設けるようにしてもよい。
図7Dに、図7CにおけるA矢視図を示す。図7Dは、光電極53の形成後の状態を示す上面図であり、図7Cおよび図7Dに示すように、光電極53は、周縁部A1mを有している。周縁部A1mは、透明基板11の一主面上において、光電極53の形成されていない領域である。なお、第1の実施形態とは異なり、半導体電極55または多孔質金属電極57に、開口部を形成する必要はない。以下透明基板11、半導体電極55および多孔質金属電極57の積層体を、半導体電極側基材50と適宜称する。
(対電極側基材)
次に、第1の実施形態と同様にして、対電極側基材20を作製する。封止材25mおよび封止材25pの形成に際しては、図8Aに示すように、対極基板21の一主面を基準として測ったときの封止材25pの高さを、対極基板21の一主面を基準として測ったときの封止材25mの高さよりも小さくしておく。このとき、対極基板21の一主面を基準として測ったときの封止材25pの高さと、対極基板21の一主面を基準として測ったときの封止材25mの高さとの差は、半導体電極55および多孔質金属電極57の厚みの和である。
(電解質の充填)
次に、図8Bに示すように、多孔質金属電極57と、対電極23とが対向するようにして、半導体電極側基材50と、対電極側基材20とを、封止材25mおよび封止材25pを介して貼り合わせる。このとき、封止材25mが、半導体電極側基材50に形成された周縁部A1mに対応する位置となるようにする。
次に、図7Cに示すように、半導体電極側基材50、対電極側基材20および封止材25mにより形成される空間に、電解質を充填する。なお、対電極側基材20に配置された複数個の封止材25pは、一方の端面が多孔質金属電極57に接するようにして貼り合わせが行われるため、ビアホールvhの内部には電解質は浸入しない。
(集電電極の形成)
次に、対極基板21における対電極23が設けられた一主面とは反対側の主面上に、集電電極29を形成する。
以上説明した工程を経て、目的とする色素増感太陽電池51を得ることができる。第2の実施形態によれば、構造上、電極が透明である必要がないため、光電極の電極材料として金属を使用でき、低コスト化が可能となる。また、金属が低抵抗であるため、セルの大型化が可能となる。
<第3の実施形態>
図9は、本技術の第3の実施形態に係る色素増感太陽電池モジュールの構成の一例を示す模式的断面図である。図9に示す色素増感太陽電池モジュール101の構成例では、透明基板11および対極基板21を共通とする色素増感太陽電池のセル1aおよび1bが電気的に接続される。図9においては、色素増感太陽電池セル1aおよび1bの接続部分のみを図示しており、必要に応じて設けられる外装材等の図示は省略している。
図9に示す色素増感太陽電池セル1aおよび1bは、例えば、第1の実施形態にかかる色素増感太陽電池であるが、この例に限定されるものではない。例えば、第2の実施形態にかかる色素増感太陽電池を電気的に接続してもよいし、第1の実施形態にかかる色素増感太陽電池および第2の実施形態にかかる色素増感太陽電池の組み合わせを適用してもよい。
図9に示すように、色素増感太陽電池セル1aは、透明導電層13aと、半導体電極15aと、対電極23aと、封止材25maおよび25paと、電解質層27aと、集電電極29aとを備える。同様に、色素増感太陽電池セル1bは、透明導電層13bと、半導体電極15bと、対電極23bと、封止材25mbおよび25pbと、電解質層27bと、集電電極29bとを備える。
上述したように、色素増感太陽電池のセル1aおよび1bにおいては、透明基板11および対極基板21が、共通とされる。透明基板11における対極基板21と対向する主面上には、透明導電層13aおよび13bが形成されている。透明導電層13aと透明導電層13bとの間には、間隙V13が形成されており、透明導電層13aと透明導電層13bとが絶縁されている。
対極基板21における透明基板11と対向する主面上には、対電極23aおよび23bが形成されている。対電極23aと対電極23bとの間には、間隙V23が形成されており、対電極23aと対電極23bとが絶縁されている。また、対極基板21において、対電極23aおよび23bが形成された一主面とは反対側の他主面上には、集電電極29aおよび29bが形成されている。集電電極29aと集電電極29bとの間には、間隙V29が形成されており、集電電極29aと集電電極29bとが絶縁されている。例えば、スパッタリング法により集電電極を形成する場合には、マスク等を用いることで間隙V29を形成することができ、したがって、集電電極29aおよび集電電極29bは、同時に形成することも可能である。
色素増感太陽電池のセル1aおよび1bは、電気的に接続される。例えば、色素増感太陽電池セル1aの対電極23a、色素増感太陽電池セル1aと色素増感太陽電池セル1bとの間で共通とされた対極基板21、および色素増感太陽電池セル1bの集電電極29bに、連通する孔部Hが形成される。孔部Hには、例えば、ビアプラグ39が設けられ、色素増感太陽電池セル1aの対電極23aと色素増感太陽電池セル1bの集電電極29bとが、電気的に接続される。したがって、色素増感太陽電池のセル1aおよび1bが電気的に接続され、いわゆるZ型モジュールと同様の効果を得ることができる。
ビアプラグ39を構成する材料としては、導電性を有していれば特に限定されず、例えば、導電性の材料、または導電性の材料と樹脂材料の混合物等を用いることができる。図9に示す構成例においては、一方のセルの対電極と、他方のセルの集電電極との間の導通がとれればよいので、例えば、導電性の材料からなるボルトとナットにより、ビアプラグ39を構成することもできる。なお、図9に示す構成例においては、ビアプラグ39と電解質とが接触しないので、ビアプラグ39に対する電解質による腐蝕の影響もない。
第3の実施形態によれば、構造上、耐腐食性のインターコネクト等を使用する必要なく、複数の色素増感太陽電池を電気的に直列および/または並列に接続することができ、例えば、直列に組み合わせた場合には高い起電圧を得ることができる。セルの数、配置は特に限定されず、また、孔部Hの形状、数および配置も任意に設定することができる。さらに、セル間の接続の態様についても、ビアプラグ39を設けることに限定されず、例えば、リード線によりセル間を接続するようにしてもよい。したがって、優れた発電効率および集電効率を有する色素増感太陽電池モジュールをより容易で安価に作製することができる。
以上、本技術の実施形態について具体的に説明したが、本技術は、上述した本技術の実施形態に限定されるものでは無く、本技術の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
例えば、上述の実施形態および実施例において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値等はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値等を用いてもよい。
また、上述の実施形態の構成、方法、工程、形状、材料および数値等は、本技術の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
1 色素増感太陽電池
13 透明導電層
15 半導体電極
21 対極基板
23 対電極
25m、25p 封止材
27 電解質層
29 集電電極
29s 主面部
29v 柱状部
51 色素増感太陽電池
53 光電極
55 半導体電極
57 多孔質金属電極
65 多孔質半導体層
101 色素増感太陽電池モジュール
1a、1b 色素増感太陽電池のセル
vh ビアホール

Claims (9)

  1. 透明導電層と、
    上記透明導電層上に設けられ、増感色素が担持された半導体電極と、
    上記半導体電極と対向して設けられた対極基板と、
    上記対極基板の上記半導体電極に対向する主面上に設けられた対電極と、
    上記対極基板上に複数個設けられた封止材と、
    上記半導体電極と上記対電極との間に設けられた電解質層と、
    上記対極基板の上記対電極が設けられた面とは反対側の主面上に設けられた集電電極と
    を備え、
    上記対極基板および上記複数個の封止材に形成された孔部を介して、上記透明導電層と上記集電電極とが、電気的に接続される色素増感太陽電池。
  2. 上記集電電極が、上記対極基板の上記対電極が設けられた面とは反対側の主面上の全面と、上記対極基板および上記複数個の封止材に形成された孔部の内部とに一体的に形成される請求項1に記載の色素増感太陽電池。
  3. 上記集電電極が、主面部および上記主面部の一主面上に2次元配列された柱状部からなる請求項1または2に記載の色素増感太陽電池。
  4. 上記半導体電極は、半導体微粒子を主成分として含み、
    上記半導体微粒子は、チタン、亜鉛、スズおよびニオブの少なくとも1種を含む金属酸化物を含む請求項3に記載の色素増感太陽電池。
  5. 上記半導体微粒子の平均一次粒子径は、5nm以上500nm以下である請求項4に記載の色素増感太陽電池。
  6. 上記半導体微粒子は、アナターゼ型またはブリュッカイト型の結晶構造を有する酸化チタンを含む請求項4に記載の色素増感太陽電池。
  7. 増感色素が担持された半導体電極と、多孔質金属電極とを含む光電極と、
    上記光電極と対向して設けられた対極基板と、
    上記対極基板の上記光電極に対向する主面上に設けられた対電極と、
    上記対基板上に複数個設けられた封止材と、
    上記光電極と上記対電極との間に設けられた電解質層と、
    上記対極基板の上記対電極が設けられた面とは反対側の主面上に設けられた集電電極と
    を備え、
    上記対極基板および上記複数個の封止材に形成された孔部を介して、上記多孔質金属電極と上記集電電極とが、電気的に接続される色素増感太陽電池。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池の複数個が、電気的に接続された色素増感太陽電池モジュール。
  9. 透明導電層の一主面上の少なくとも一部に多孔質半導体層を形成する工程と、
    上記多孔質半導体層に増感色素を担持させ、半導体電極を形成する工程と、
    対極基板の一主面上の少なくとも一部に対電極を設ける工程と、
    上記半導体電極と、上記対電極とを対向配置するとともに、上記半導体電極と、上記対電極との間に複数個の封止材を介在させる工程と、
    上記半導体電極と、上記対電極との間に電解質層を設ける工程と、
    上記対極基板および上記複数個の封止材のそれぞれに連通するようにして対極基板および上記複数個の封止材のそれぞれに形成された孔部と、上記対極基板の上記対電極が設けられた面とは反対側の主面上とに一体的に集電電極を形成する工程と
    を備え、
    上記透明導電層と上記集電電極とが、電気的に接続される色素増感太陽電池の製造方法。
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