JP2005141996A - 色素増感型太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 実用的に十分な光電変換効率を有する色素増感型太陽電池を提供する。
【解決手段】 本発明の色素増感型太陽電池201は、透光性基板1(ガラス基板等)、その一面に設けられた透光性導電層21(FTO等からなる。)及びその表面に設けられた増感色素(金属錯体色素等)を有する半導体電極3(チタニア等からなる。)を備える第1基体101と、基板4及びその一面に設けられた触媒層51を備える第2基体102と、半導体電極3と触媒層51との間に配設された電解質層6(Iと、LiI等とを組み合わせた電解質などを含有する。)と、透光性基板1の他面に設けられた第1集電電極71及び第1集電電極71と透光性導電層21とを接続するスルーホール導体11とを有する。また、色素増感型太陽電池203のように、基板4の他面に設けられた第2集電電極72及び第2集電電極72と触媒層51とを接続するスルーホール導体41を有していてもよい。
【選択図】 図5

Description

本発明は、光エネルギーを電気エネルギーに直接変換する色素増感型太陽電池に関する。更に詳しくは、集電電極を設けることにより半導体電極において発生した電子を効率よく集めることができ、その結果、光電変換効率を向上させることができる色素増感型太陽電池に関する。
現在、太陽光発電では、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン及びこれらを組み合わせたHIT(Heterojunction with Intrinsic Thin−layer)等を用いた太陽電池が実用化され、主力技術となっている。これらの太陽電池のなかで、特に単結晶シリコンを用いた場合は、光電変換の効率も20%に近く優れているが、高価であるという問題がある。更に、シリコン系太陽電池は一般に素材製造にかかるエネルギーコストが高く、環境負荷などの面でも課題が多く、材料供給等における制限もあり、高価であるうえに多くの課題を有している。
近年、Gratzel等により提案された色素増感型太陽電池が安価な太陽電池として注目されている(例えば、非特許文献1及び特許文献1参照。)。この太陽電池は、増感色素を担持させたチタニア多孔質電極と対極との間に電解質体を介在させた構造を有し、現行のシリコン系太陽電池に比べて光電変換効率は低いものの、材料、製法等の面で大幅なコストダウンが可能である。
この色素増感型太陽電池の光電変換効率を高めるためには、光照射により発生した電子を効率よく集めることが重要であり、そのためには導電性部材の内部抵抗を低減する必要がある。特に、十分な透光性が必要であるため極薄に形成される透光性導電層等では、内部抵抗の増大がより問題であり、透光性導電層等の面積、即ち、太陽電池の面積が大きくなるほど、抵抗増大による光電変換効率の低下が顕著となる。そこで、電子を効率よく集めるための種々の形態の集電電極が提案されている。この集電電極としては、透明基板と透明導電膜との間、又は透明導電膜の表面に、透明基板を所定の領域に分割するように配置され、電極部の内部抵抗を低減して光電変換効率を高める形態のものが知られている(例えば、特許文献2参照。)。また、透明導電性基板上に、アルミニウム、銅、銀等の金属からなり、平行線状、格子状等のパターン、並びに特定の線幅、厚さ及びピッチを有する金属リード(集電電極)が設けられた光電変換素子も知られている(例えば、特許文献3参照。)。
特開平1−220380号公報 Nature誌(第353巻、pp.737−740、1991年) 特開2000−231942号公報 特開2000−285977号公報
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、特定の集電電極を配設することにより、実用的に十分な光電変換効率を有する色素増感型太陽電池を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
1.透光性基板1、該透光性基板1の一面に設けられた透光性導電層21及び該透光性導電層21の表面に設けられた増感色素31を有する半導体電極3を備える第1基体101と、基板4及び該基板4の一面に設けられた触媒層51を備え、且つ該触媒層51が該半導体電極3に対向するように配置された第2基体102と、上記半導体電極3と上記触媒層51との間に設けられた電解質層6と、上記透光性基板1の他面に設けられた第1集電電極71及び該第1集電電極71と上記透光性導電層21とを接続するスルーホール導体11と、を有することを特徴とする色素増感型太陽電池。
2.上記基板4と上記触媒層51との間に更に導電層22を有する上記1.に記載の色素増感型太陽電池。
3.上記基板4の他面に設けられた第2集電電極72及び該第2集電電極72と上記触媒層51とを接続するスルーホール導体41を有する上記1.に記載の色素増感型太陽電池。
4.上記基板4の他面に設けられた第2集電電極72及び該第2集電電極72と上記導電層22とを接続するスルーホール導体41を有する上記2.に記載の色素増感型太陽電池。
5.上記第1集電電極71の平面形状が、格子状、櫛歯状又は放射状である上記1.又は2.に記載の色素増感型太陽電池。
6.上記第1集電電極71及び上記第2集電電極72の各々の平面形状が、それぞれ格子状、櫛歯状又は放射状である上記3.又は4.に記載の色素増感型太陽電池。
7.上記第1集電電極71の平面形状が格子状、櫛歯状又は放射状であり、上記第2集電電極72の平面形状が面状である上記3.又は4.に記載の色素増感型太陽電池。
8.上記第1集電電極71が金属からなる上記1.又は2.に記載の色素増感型太陽電池。
9.上記第1集電電極71及び上記第2集電電極72の各々が、それぞれ金属からなる上記3.又は4.に記載の色素増感型太陽電池。
10.上記スルーホール導体11は、貴金属、銅、タングステン、ニッケル及びチタンのうちの少なくとも1種を含有する上記1.又は2.に記載の色素増感型太陽電池。
11.上記スルーホール導体11及び上記スルーホール導体41の各々は、それぞれ貴金属、銅、タングステン、ニッケル及びチタンのうちの少なくとも1種を含有する上記3.又は4.に記載の色素増感型太陽電池。
12.上記スルーホール導体11を形成するため上記透光性基板1に設けられたスルーホールの径方向の最大寸法は0.05〜1mmであり、隣り合う各々のスルーホールのそれぞれの縁部間の距離が1〜10mmである上記1.又は2.に記載の色素増感型太陽電池。
13.上記スルーホール導体11を形成するため上記透光性基板1に設けられたスルーホール及び上記スルーホール導体41を形成するため上記基板4に設けられたスルーホールの各々の径方向の最大寸法は0.05〜1mmであり、隣り合うそれぞれのスルーホールの各々の縁部間の距離が1〜10mmである上記3.又は4.に記載の色素増感型太陽電池。
14.上記触媒層51は、触媒活性を有する物質からなる、又は触媒活性を有する物質を含有する、金属、導電性酸化物及び導電性樹脂のうちの少なくとも1種からなる上記1.乃至13.のうちのいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池。
15.上記透光性基板1又は上記透光性導電層21と、上記基板4又は上記触媒層51との間が、上記半導体電極3の周囲において樹脂若しくはガラスにより封着されている請求項1.乃至14.のうちのいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池。
16.上記透光性基板1又は上記透光性導電層21と、上記基板4、上記触媒層51又は上記導電層22との間が、上記半導体電極3の周囲において樹脂若しくはガラスにより封着されている上記4.に記載の色素増感型太陽電池。
17.透光性基板1、該透光性基板1の一面に設けられた透光性導電層21及び該透光性導電層21の表面に設けられた増感色素31を有する半導体電極3を備える第1基体101と、基板4及び該基板4の一面に設けられた触媒層51を備え、且つ該触媒層51が該半導体電極3に対向するように配置された第2基体102と、上記半導体電極3と上記触媒層51との間に設けられた電解質層6と、上記透光性基板1と上記透光性導電層21との間又は該透光性導電層22の表面に設けられた第3集電電極73、該透光性基板1の他面に設けられた第1取り出し電極91及び該第3集電電極73と該第1取り出し電極91とを接続するスルーホール導体12と、を有することを特徴とする色素増感型太陽電池。
18.上記基板4と上記触媒層51との間に更に導電層22を有する上記17.に記載の色素増感型太陽電池。
19.上記基板4と上記触媒層51との間に設けられた第4集電電極74、該基板4の他面に設けられた取り出し電極92及び該第4集電電極74と該取り出し電極92とを接続するスルーホール導体42を有する上記17.記載の色素増感型太陽電池。
20.上記基板4と上記導電層22との間、又は該導電層22の表面に設けられた第4集電電極74、該基板4の他面に設けられた取り出し電極92及び該第4集電電極74と該取り出し電極92とを接続するスルーホール導体42を有する上記18.に記載の色素増感型太陽電池。
本発明の色素増感型太陽電池では、発生した電子が内部抵抗の大きい透光性導電層等を通過するのが抑えられ、透光性導電層等とスルーホール導体により接続された集電電極によって効率よく集められるため、光電変換効率が向上する。この場合、集電電極により半導体電極に照射される光量が多少なりとも減少するが、内部抵抗の減少効果のほうが大きく、結果として変換効率は向上する。尚、透光性基板1、基板4の各々の他面に第1集電電極71、第2集電電極72を設けた場合、電解質等による集電電極の腐食及び半導体電極3と集電電極との間の反応等が防止され、光電変換の作用が安定して維持される。また、集電電極が基板と導電層との間のように内部に設けられるときに比べて取り出し電極等の配設が容易となる。
また、基板4と触媒層51との間に更に導電層22を有する場合は、内部抵抗がより低下し、光電変換効率が向上する。
更に、基板4の他面に設けられた第2集電電極72及び第2集電電極72と触媒層51又は導電層22とを接続するスルーホール導体41を有する場合は、内部抵抗の低下によって光電変換効率がより向上する。
また、第1集電電極71、第2集電電極72の平面形状が、格子状、櫛歯状又は放射状である場合は、十分な透光性が保持されるとともに、内部抵抗を十分に低下させることができ、優れた光電変換効率を有する色素増感型太陽電池とすることができる。
更に、第1集電電極71の平面形状が格子状、櫛歯状又は放射状であり、第2集電電極72の平面形状が面状である場合は、十分な透光性が保持されるとともに、内部抵抗をより低下させることができる。
また、第1集電電極71、第2集電電極72が、金属からなる場合は、内部抵抗を更に十分に低下させることができる。
更に、スルーホール導体11、スルーホール導体41が、貴金属、銅、タングステン、ニッケル及びチタンのうちの少なくとも1種を含有する場合は、第1集電電極71、第2集電電極72により集電効率をより向上させることができる。
また、スルーホール導体11を形成するため透光性基板1に設けられたスルーホール、スルーホール導体41を形成するため基板4に設けられたスルーホールの各々の径方向の最大寸法が0.05〜1mmであり、隣り合う各々のスルーホールのそれぞれの縁部間の距離が1〜10mmである場合は、集電効率が向上するとともに、半導体電極3に照射される光量を十分に保持することができる。
また、触媒層51が、触媒活性を有する物質からなる、又は触媒活性を有する物質を含有する、金属、導電性酸化物及び導電性樹脂のうちの少なくとも1種からなる場合は、光電変換効率をより向上させることができる。
また、透光性基板1又は透光性導電層21と、基板4又は触媒層51との間が、半導体電極3の周囲において樹脂若しくはガラスにより封着されている場合、及び透光性基板1又は透光性導電層21と、基板4、触媒層51又は導電層22との間が、半導体電極3の周囲において樹脂若しくはガラスにより封着されている場合は、色素増感型太陽電池の使用環境及びこの太陽電池が組み込まれる製品の種類等によって封着に用いる材料を選定することで、半導体電極及び電解質層等を十分に保護することができ、耐久性の高い色素増感型太陽電池とすることができる。
本発明の他の色素増感型太陽電池では、発生した電子が集電電極によって効率よく集められるため、光電変換効率が向上し、且つ取り出し電極の配設も容易となる。
更に、基板4と触媒層51との間に更に導電層22を有する場合は、内部抵抗がより低下し、光電変換効率が向上する。
また、基板4と導電層22との間、又は導電層22の表面に設けられた第4集電電極74、基板4の他面に設けられた取り出し電極92及び第4集電電極74と取り出し電極92とを接続するスルーホール導体42を有する場合は、内部抵抗の低下によって光電変換効率がより向上する。
以下、本発明を詳細に説明する。
図1、図2、図4及び図5のように、本発明の色素増感型太陽電池201、202、203は、第1基体101と、第2基体102と、電解質層6と、透光性基板1の他面に設けられた第1集電電極71及びスルーホール導体11とを有する。
また、図8、図9及び図10のように、本発明の他の色素増感型太陽電池204、205、206は、第1基体101と、第2基体102と、電解質層6と、透光性基板1と透光性導電層21との間又は透光性導電層21の表面に設けられた第3集電電極73、取り出し電極91及びスルーホール導体12とを有する。
上記「第1基体101」は、透光性基板1と、透光性基板1の一面に設けられた透光性導電層21と、透光性導電層21の表面に設けられた増感色素31を有する半導体電極3(図3参照)とを備える。更に、上記「第2基体102」は、基板4と、基板4の一面に設けられた触媒層51とを備える。この第2基体102は、全体として透光性を有していてもよく、透光性を有していなくてもよい。従って、基板4及び触媒層51もそれぞれ透光性を有していてもよく、透光性を有していなくてもよい。透光性を有していない基板4は、セラミック等により形成することができる。また、第2基体102は、図1、図5、図8及び図10のように、基板4と触媒層51との間に更に導電層22を有していてもよい。この導電層22も、透光性を有していてもよく、透光性を有していなくてもよい。
尚、この透光性とは、波長400〜900nmの可視光の透過率が10%以上であることを意味する。以下、透光性の意味及び好ましい透過率はすべて同様である。この透過率は60%以上、特に85%以上であることが好ましい。
透過率(%)=(透光性基板を透過した光量/透光性基板に入射した光量)×100
上記「透光性基板1」としては、ガラス、樹脂シート等からなる基板が挙げられる。樹脂シートは特に限定されず、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリエチリデンノルボルネン等からなる樹脂シートが挙げられる。この透光性基板1の厚さは材質によっても異なり、特に限定されないが、上記の透過率が60〜99%、特に80〜99%となる厚さであることが好ましい。
上記「透光性導電層21」は、透光性及び導電性を有しておればよい。この透光性導電層21は特に限定されず、導電性酸化物からなる薄膜、金属薄膜、炭素薄膜等が挙げられる。導電性酸化物としては、酸化スズ、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化インジウム、スズドープ酸化インジウム(ITO)、酸化亜鉛等が挙げられる。また、金属としては、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム等が挙げられる。この透光性導電層21の厚さは材質によっても異なり、特に限定されないが、表面抵抗が100Ω/□以下、特に1〜10Ω/□となる厚さであることが好ましい。更に、透光性導電層21の形成方法は特に限定されないが、金属、導電性酸化物等の微粒子を含有するペーストを、透光性基板1の表面に塗布して形成することができる。この塗布方法としては、ドクターブレード法、スキージ法、スピンコート法等の各種の方法が挙げられる。他に、透光性導電層21は、金属、導電性酸化物等を用いたスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等により形成することもできる。
上記「増感色素31」としては、光電変換の作用を向上させる錯体色素及び有機色素を用いることができる。この錯体色素としてはルテニウム錯体色素及びオスミウム錯体色素等の金属錯体色素が挙げられ、ルテニウム錯体色素が特に好ましい。有機色素としてはポリメチン色素、メロシアニン色素、クマリン色素等が挙げられる。更に、光電変換がなされる波長域を拡大し、変換効率を向上させるため、増感作用が発現される波長域の異なる2種以上の増感色素を併用することもできる。この場合、照射される光の波長域と強度分布とによって併用する増感色素の種類及びそれらの量比を設定することが好ましい。また、増感色素は半導体電極に結合するための官能基を有することが好ましい。この官能基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、シアノ基等が挙げられる。
上記「半導体電極3」の電極基体は金属酸化物、金属硫化物等により形成することができる。金属酸化物としては、チタニア、酸化スズ、酸化亜鉛、五酸化二ニオブ等の酸化ニオブ、酸化タンタル、ジルコニア等が挙げられる。また、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム等の複酸化物を用いることもできる。更に、金属硫化物としては、硫化亜鉛、硫化鉛、硫化ビスマス等が挙げられる。電極基体の作製方法は特に限定されず、例えば、金属酸化物、金属硫化物等の微粒子を含有するペーストを第1基体101の透光性導電層21の表面に塗布し、焼成することにより作製することができる。ペーストの塗布方法も特に限定されず、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、スキージ法、スピンコート法等が挙げられる。このようにして作製された電極基体は微粒子が集合してなる集合体の形態で形成される。
電極基体は、第1基体101の透光性導電層21の表面に、金属酸化物、金属硫化物等の微粒子及び少量の有機高分子等が分散されたコロイド溶液を塗布し、その後、乾燥し、次いで、加熱して有機高分子を分解させて除去することにより作製することもできる。このコロイド溶液も、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、スキージ法、スピンコート法等の各種の方法により塗布することができる。この方法により作製した電極基体も微粒子が集合してなる集合体の形態で形成される。
半導体電極3の厚さは特に限定されないが、0.1〜100μmとすることができ、1〜50μm、特に2〜40μm、更に5〜30μmとすることが好ましい。半導体電極の厚さが0.1〜100μmであれば、光電変換が十分になされ、発電効率が向上する。また、半導体電極3は、その強度及び透光性導電層21との密着性を向上させるため熱処理することが好ましい。熱処理の温度及び時間は特に限定されないが、熱処理温度は40〜700℃、特に100〜500℃、熱処理時間は10分〜10時間、特に20分〜5時間とすることが好ましい。尚、透光性基板として樹脂シートを用いる場合は、樹脂が熱劣化しないように低温で熱処理することが好ましい。
電極基体に増感色素を付着させる方法は特に限定されず、例えば、増感色素を有機溶媒に溶解させた溶液に電極基体を浸漬し、溶液を含侵させ、その後、有機溶媒を除去することにより付着させることができる。また、この溶液を、電極基体に塗布し、その後、有機溶媒を除去することにより付着させることもできる。この塗布方法としては、ワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテンコート法、スピンコート法、スプレーコート法等が挙げられる。更に、この溶液は、オフセット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷等の印刷法により塗布することもできる。
電極基体に多くの増感色素を付着させるためには、電極基体を加熱して、浸漬、塗布等の処理を行うことが好ましい。この場合、電極基体の表面に水が吸着するのを避けるため、加熱後、常温に降温させることなく40〜100℃で速やかに処理することが好ましい。
上記「基板4」の材質は特に限定されない。基板4は、透光性基板1の場合と同様にガラス、樹脂シート等からなる透光性基板とすることができる。樹脂シートである場合、透光性基板1の場合と同様に、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリエチリデンノルボルネン等の熱可塑性樹脂を用いることができる。この基板4の厚さは材質によっても異なり、特に限定されないが、ガラス、樹脂シート等からなる透光性基板である場合、前記の透過率が60〜99%、特に80〜99%となる厚さであることが好ましい。
上記「触媒層51」は、触媒活性を有する物質、又は触媒活性を有する物質を含有する、金属、前記の透光性導電層の形成に用いられる導電性酸化物及び導電性高分子のうちの少なくとも1種、により形成することができる。触媒活性を有する物質としては、白金、金、銀、ロジウム等の貴金属、カーボンブラック等が挙げられ、これらは併せて導電性を有する。触媒層は、触媒活性を有し、且つ電気化学的に安定な貴金属により形成することが好ましく、触媒活性が高く、電解質溶液に腐食され難い白金を用いることが特に好ましい。
触媒活性を有さない、金属、導電性酸化物及び導電性高分子等を用いる場合、触媒層に混合されて用いられる金属としては、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、タングステン等が挙げられる。更に、触媒層に混合されて用いられる導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等が挙げられる。また、この導電性高分子としては、導電性を有さない樹脂に各種の導電性物質を配合して調製したものが挙げられる。この樹脂は特に限定されず、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよい。熱可塑性樹脂としては、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。更に、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。導電性物質も特に限定されず、カーボンブラック、銅、銀、アルミニウム、ニッケル、クロム、タングステン等の金属、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマーなどが挙げられる。導電性物質としては、導電性と触媒活性とを併せて有する貴金属及びカーボンブラックが特に好ましい。導電性物質は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
このように、触媒層は、触媒活性及び導電性を有する物質により形成することができる。また、触媒活性を有する物質を含有する、金属、導電性酸化物及び導電性高分子のうちの少なくとも1種により形成することもできる。更に、触媒層は、1種の材料のみからなる層でもよく、2種以上の材料からなる混合層でもよい。また、触媒層は、単層でもよく、金属層、導電性酸化物層、導電性高分子層、並びに金属、導電性酸化物及び導電性高分子のうちの2種以上からなる混合層のうちの2層以上からなる多層の触媒層でもよい。この触媒層の厚さは特に限定されないが、単層及び多層のいずれの場合も、3nm〜10μm、特に3nm〜1μmとすることができる。触媒層の厚さが3nm〜10μmであれば、十分に抵抗の低い触媒層とすることができる。
触媒活性を有する物質からなる触媒層51は、触媒活性を有する物質の微粒子を含有するペーストを、基板4の表面、又は下記のように導電層22を有する場合は、この導電層22の表面に塗布して形成することができる。また、触媒活性を有する物質を含有する金属、導電性酸化物からなる触媒層51も、触媒活性を有する物質の場合と同様の方法により形成することができる。この塗布方法としては、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、スキージ法、スピンコート法等の各種の方法が挙げられる。更に、これらの触媒層51は、スパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法等により、基板4等の表面に金属等を堆積させて形成することもできる。また、触媒活性を有する物質を含有する導電性高分子からなる触媒層51は、導電性高分子と、粉末状又は繊維状等の触媒活性を有する物質とを、バンバリーミキサ、インターナルミキサー、オープンロール等の装置により混練して調製した樹脂組成物をフィルムに成形し、このフィルムをセラミック基板4等の表面に接合して形成することができる。更に、樹脂組成物を溶媒に溶解又は分散させて調製した溶液又は分散液を基板4等の表面に塗布し、乾燥して、溶媒を除去し、必要に応じて加熱して形成することもできる。尚、触媒層51が混合層であるときは、含有される材料の種類に応じて、上記の各種の方法等のうちの適宜の方法により形成することができる。
第2基体102は、基板4と触媒層51との間に更に導電層22を有していてもよい。上記「導電層22」は、透光性を有していても、透光性を有していなくてもよい。この導電層22は、透光性導電層21と同様の材料等を用いて形成することができる。導電層22は、透光性を有している必要がないこともあって、その厚さは特に限定されないが、コストの面からは薄膜とすることが好ましい。尚、薄膜とすれば透光性となるが、内部抵抗は高くなる。従って、導電層22の厚さは透光性と内部抵抗とを勘案して設定することが好ましく、通常、表面抵抗が100Ω/□以下、特に1〜10Ω/□となる厚さとすることができる。導電層22の形成方法も特に限定されないが、金属、導電性酸化物等の微粒子を含有するペーストを、基板4の表面に塗布して形成することができる。この塗布方法としては、ドクターブレード法、スキージ法、スピンコート法等の各種の方法が挙げられる。更に、この導電層22は、スパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法等により、基板4の表面に金属等を堆積させて形成することもできる。
本発明の色素増感型太陽電池は、色素増感型太陽電池201、202のように、透光性基板1の他面に設けられた第1集電電極71及び透光性基板1に設けられ、且つ第1集電電極71と透光性導電層21とを接続するスルーホール導体11を有する。これにより、半導体電極3において発生した電子が効率よく集められ、光電変換効率が向上する。また、色素増感型太陽電池203のように、基板4の他面に設けられた第2集電電極72及び基板4に設けられ、且つ第2集電電極72と触媒層51とを接続するスルーホール導体41を有していてもよい。更に、第2基体102が、基板4と触媒層51との間に更に導電層22を有している場合は、導電層22と第2集電電極72とがスルーホール導体41により接続される。これによって、光電変換効率をより向上させることができる。
第1集電電極71は、透光性基板1の他面に半導体電極3を投影した場合に、第1集電電極71により半導体電極3が取り囲まれるような位置に配設することができる。更に、透光性基板1の他面に半導体電極3を投影した場合に、第1集電電極71が半導体電極3を所定の領域に分割するような形状で配設することもできる。この所定の領域に分割するように配設するとは、完全に連続した第1集電電極71により分割されている場合のみでなく、第1集電電極71の一部に不連続な部分がある場合も意味する。より具体的には、第1集電電極71の平面形状は、図2のように、格子状の第1集電電極71、図6のように、櫛歯状の第1集電電極71又は図7のように、放射状の第1集電電極71等とすることができる。また、この第1集電電極71の幅及び厚さは特に限定されず、電気抵抗及びコスト等を勘案して設定することが好ましい。更に、第1集電電極71が格子状、櫛歯状又は放射状等の平面形状である場合、第1集電電極71の全面積は、半導体電極3の全面積に対して1〜50%、特に3〜30%、更に5〜20%であることが好ましい。第1集電電極71の全面積が半導体電極3の全面積に対して1〜50%、特に5〜20%であれば、半導体電極3に照射される光量を十分に保持することができる。
第2集電電極72は、基板4の他面に半導体電極3を投影した場合に、第2集電電極72により半導体電極3が取り囲まれるような位置に配設することができる。また、基板4の他面に半導体電極3を投影した場合に、第2集電電極72が半導体電極3を所定の領域に分割するような形状で配設することもでき、第1集電電極71の場合と同様に、格子状、櫛歯状又は放射状等とすることができる。この第2集電電極72の幅及び厚さも特に限定されず、電気抵抗及びコスト等を勘案して設定することが好ましい。また、第2基体102の側では透光性は必須でないため、第2集電電極72は面状とすることもできる。この場合、特に抵抗の低い第2集電電極72とするためには、触媒層51と類似の平面形状であり、且つ触媒層51に対して50%以上、特に65%以上、更に80%以上(同面積でもよい。)の面積の面状の電極であることが好ましい。また、触媒層51と相似形に配設されることがより好ましい。
尚、第1基体101の側では第1集電電極電極71と接続された取り出し電極が設けられるが、この取り出し電極は、通常、透光性基板1の他面、即ち、第1集電電極71が形成された面と同じ面に設けられる。また、第2基体102の側では第2集電電極72と接続された取り出し電極が設けられるが、この取り出し電極は、通常、基板4の他面、即ち、第2集電電極72が形成された面と同じ面に設けられる。このように、取り出し電極を各々の基板の外表面に設ける場合は、この電極を容易に配設することができ、好ましい。
本発明の他の色素増感型太陽電池は、色素増感型太陽電池204、205のように、透光性基板1と透光性導電層21との間又は透光性導電層21の表面に設けられた第3集電電73、透光性基板1の他面に設けられた第1取り出し電極91及び透光性基板1に設けられ、且つ第3集電電極73と取り出し電極91とを接続するスルーホール導体12を有する。これにより、半導体電極3において発生した電子が効率よく集められ、光電変換効率が向上する。尚、第3集電電極73が透光性導電層21の表面に設けられたときは、スルーホール導体12は、透光性基板1及び透光性導電層21を貫通して設けられることになる。
また、本発明の他の色素増感型太陽電池は、色素増感型太陽電池206のように、基板4と触媒層51との間に設けられた第4集電電極74、基板4の他面に設けられた第2取り出し電極92及び基板4に設けられ、且つ第4集電電極74と第2取り出し電極92とを接続するスルーホール導体42を有していてもよい。更に、第2基体102が、基板4と触媒層51との間に更に導電層22を有している場合は、第4集電電極74が、基板4と導電層22との間又は導電層22の表面に設けられ、第4集電電極74と第2取り出し電極92とがスルーホール導体42により接続されていてもよい。これによって、光電変換効率をより向上させることができる。尚、第4集電電極74が導電層22の表面に設けられときは、スルーホール導体42は、基板4及び導電層22を貫通して設けられることになる。
第3集電電極73は、半導体電極3を取り囲むような位置に配設することができる。更に、第3集電電極73が半導体電極3を所定の領域に分割するような形状で配設することもできる。この所定の領域に分割するように配設するとは、完全に連続した第3集電電極73により分割されている場合のみでなく、第3集電電極73の一部に不連続な部分がある場合も意味する。より具体的には、第3集電電極73の平面形状は、第1集電電極71の場合と同様に、図2のように、格子状の第3集電電極73、図6のように、櫛歯状の第3集電電極73又は図7のように、放射状の第3集電電極73等の他、帯状の集電電極などとすることができる。また、この第3集電電極73の幅及び厚さは特に限定されず、電気抵抗及びコスト等を勘案して設定することが好ましい。更に、第3集電電極73が格子状、櫛歯状、放射状又は帯状等の平面形状である場合、第3集電電極73の全面積は、半導体電極3の全面積に対して1〜50%、特に3〜30%、更に5〜20%であることが好ましい。第3集電電極73の全面積が半導体電極3の全面積に対して1〜50%、特に5〜20%であれば、半導体電極3に照射される光量を十分に保持することができる。
第4集電電極74は、基板4の表面に半導体電極3を投影した場合に、第4集電電極74により半導体電極3が取り囲まれるような位置に配設することができる。また、基板4の表面に半導体電極3を投影した場合に、第4集電電極74が半導体電極3を所定の領域に分割するような形状で配設することもでき、第3集電電極73の場合と同様に、格子状、櫛歯状、放射状、帯状等とすることができる。この第4集電電極74の幅及び厚さも特に限定されず、電気抵抗及びコスト等を勘案して設定することが好ましい。また、第2基体102の側では透光性は必須でないため、第4集電電極74は面状とすることもできる。この場合、特に抵抗の低い第4集電電極74とするためには、触媒層51と類似の平面形状であり、且つ触媒層51に対して50%以上、特に65%以上、更に80%以上(同面積でもよい。)の面積の面状の電極であることが好ましい。また、触媒層51と相似形に配設されることがより好ましい。
第1集電電極71、第2集電電極72、第3集電電極73及び第4集電電極74、並びに第1取り出し電極91及び第2取り出し電極92は、白金、金、銀等の貴金属、銀−白金合金、銀−パラジウム合金等の合金、並びにアルミニウム、銅、クロム、ニッケル、タングステン、チタンなどの金属により形成することができる。また、この集電電極及び取り出し電極は、所定のパターンが形成されたマスクを用いて、マグネトロンスパッタ法及び電子ビ−ム蒸着法等の物理的蒸着法などで金属等を堆積させ、その後、フォトリソグラフィー等によりパターニングする方法、及び上記の各種の金属等の粉末を含有するペーストを用いてスクリーン印刷法等によりパターニングし、その後、焼成する方法などにより形成することができる。
第2基板102は透光性を必須としないため、触媒層51は薄層とする必要はない。更に、導電層22を有する場合は、この導電層22も薄層とする必要はない。従って、特に、触媒層51を、白金、金等の導電性に優れる貴金属からなり、且つ0.1μm以上、特に1μm以上(通常、5μm以下)と厚くした場合は、導電性の観点からは第2集電電極72及び第4集電電極74を設ける必要はないが、コストの面では設けることが好ましい。即ち、白金等は高価であるため、触媒層51をできるだけ薄層とすることが好ましいが、薄層であると抵抗が高くなる。そのため、導電性及び耐食性に優れ、且つ安価なタングステン、チタン、ニッケル等からなる第2集電電極72及び第4集電電極74を設けることで、集電効率を向上させるとともに、コストを低減することができる。更に、触媒層51を前記の導電性酸化物に触媒活性を有する物質を配合した組成物等により形成したとき、及び導電層22を前記の導電性酸化物等により形成したときは、触媒層51又は導電層22の抵抗はより高くなるため、第2集電電極72及び第4集電電極74を設け、集電効率を高めることが特に好ましい。
上記「スルーホール導体11」及び上記「スルーホール導体12」は、透光性基板1の表裏を貫通して設けられたスルーホールに導体を充填することにより設けることができる。また、スルーホールの壁面に導体層を形成することにより設けることができる。更に、スルーホール導体12の場合、第3集電電極73が透光性導電層21の表面に設けられたときは、透光性基板1及び透光性導電層21を貫通するスルーホールを設け、このスルーホールに導体を充填することにより設けることができる。又はこのスルーホールの壁面に導体層を形成することにより設けることができる。一方、上記「スルーホール導体41」及び上記「スルーホール導体42」は、基板4の表裏を貫通して設けられたスルーホールに導体を充填することにより設けることができる。また、スルーホールの壁面に導体層を形成することにより設けることができる。更に、スルーホール導体42の場合、第4集電電極74が導電層22の表面に設けられたときは、基板4及び導電層22を貫通するスルーホールを設け、このスルーホールに導体を充填することにより設けることができる。又はこのスルーホールの壁面に導体層を形成することにより設けることができる。透光性基板21及び基板4等に設けられるスルーホールは、YAGレーザー、炭酸ガスレーザー等のレーザー光の照射、ドリル加工、穴開けパンチを用いたパンチングなど各種の方法により形成することができる。尚、基板4がセラミック基板である場合は、未焼成シートに穴開けパンチ等を用いて容易にスルーホールを形成することができる。
スルーホールへの導体の充填は、導体用ペーストを穴埋め印刷法等によりスルーホールの少なくとも一方の開口から充填し、その後、焼成して行うことができる。この導体用ペーストは特に限定されないが、金属粉末、有機バインダ、有機溶剤及び水等の溶媒などを混合して調製したものを用いることができる。金属粉末は特に限定されず、銀、金、白金、パラジウム、銅、タングステン、ニッケル、チタン等の金属の粉末、及び銀−白金合金、銀−パラジウム合金等の合金の粉末が挙げられる。また、導体用ペーストにはガラス成分を含有させることもできる。ガラス成分を含有する場合は、より低温で焼成することができるため好ましい。更に、スルーホール壁面への導体層の形成は、無電解めっき法等により行うことができる。
スルーホール導体11、12及び41、42を形成するため、透光性基板1及び基板4等を貫通する貫通孔として形成されるスルーホールの断面形状は特に限定されず、円形、楕円形及び三角形、四角形等の方形などとすることができる。この断面形状は円形であることが多い。また、スルーホールの径方向の寸法も特に限定されず、断面円形である場合は、直径が0.05〜1mm、特に0.1〜0.8mmの貫通孔とすることができる。更に、断面円形でない場合は、面積が断面円形の場合と同等となる開口寸法を有する貫通孔とすることができる。また、スルーホールの個数は、スルーホール導体11及び41の場合、集電効率を十分に向上させることができる限り特に限定されないが、第1基体101の側では半導体電極3に照射される光量を勘案して個数を設定することが好ましい。このスルーホールは、隣り合うスルーホールのそれぞれの縁部間の距離が1〜10mm、特に3〜8mmとなる間隔で所要個数を設けることができる。更に、透光性基板1及び基板4等に等間隔に設けることが好ましい。一方、スルーホール導体12及び42の場合は、第3集電電極73と取り出し電極91及び第4集電電極74と第2取り出し電極92が、それぞれ確実に導通されておればよく、スルーホールの個数等は各々の集電電極の平面形状などにより適宜設定することができる。
上記「電解質層6」は、電解質溶液を用いて設けることができる。この電解質溶液には、電解質の他、通常、溶媒及び各種の添加剤等が含有される。電解質としては、(1)Iとヨウ化物、(2)Brと臭化物、(3)フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩、フェロセン−フェリシニウムイオン等の金属錯体、(4)ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフィド等のイオウ化合物、(5)ビオロゲン色素、(6)ヒドロキノン−キノン、などを含有する電解質が挙げられる。(1)におけるヨウ化物としては、LiI、NaI、KI、CsI、CaI等の金属ヨウ化物、及びテトラアルキルアンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等の4級アンモニウム化合物のヨウ素塩などが挙げられる。また、(2)における臭化物としては、LiBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBr等の金属臭化物、及びテトラアルキルアンモニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイド等の4級アンモニウム化合物の臭素塩などが挙げられる。これらの電解質のうちでは、Iと、LiI及びピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等の4級アンモニウム化合物のヨウ素塩とを組み合わせてなる電解質が特に好ましい。これらの電解質は1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
電解質層6に含有される溶媒は、粘度が低く、イオン易動度が高く、十分なイオン伝導性を有する溶媒であることが好ましい。このような溶媒としては、(1)エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート類、(2)3−メチル−2−オキサゾリジノン等の複素環化合物、(3)ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類、(4)エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等の鎖状エーテル類、(5)メタノール、エタノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等のモノアルコール類、(6)エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、(7)アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル類のニトリル類、(8)ジメチルスルフォキシド、スルフォラン等の非プロトン極性物質などが挙げられる。
この電解質層6の厚さは特に限定されないが、電解質溶液を用いて設けられた電解質層6の場合、200μm以下、特に100μm以下、更に50μm以下(通常、1μm以上)とすることができる。この厚さが200μm以下であれば、変換効率を十分に高くすることができる。
電解質層6は、半導体電極3と触媒層51との間に設けられる。電解質層6を設ける方法は特に限定されないが、電解質層6が電解質溶液を用いて設けられる場合、透光性導電層21と基板4又は触媒層51との間、導電層22が設けられるときは、透光性導電層21と基板4、触媒層51又は導電層22との間を、半導体電極3の周囲において樹脂又はガラスにより封着し、形成される密閉空間に電解質溶液を注入し、設けることができる。この密閉空間への電解質溶液の注入は、第1基体101又は第2基体102に設けられた注入口から行うことができる。注入口は、第1基体101及び第2基体102のいずれの側に設けてもよいが、穿孔し易い側に設けることが好ましい。例えば、透光性基板1がガラス基板である場合は穿孔が容易ではなく、一方、基板4がセラミック基板である場合はガラス基板等に比べて穿孔し易い。特に、セラミック基板では、未焼成シートに穴開けパンチ等を用いて極めて容易に穿孔することもできる。そのため、基板4がセラミック基板であるときは、第2基板102の側に注入口を設けることが好ましい。尚、注入口は1個でよいが、空気抜きのため更に他の孔を設けることもできる。このように空気抜きのための孔を設けることで、電解質溶液をより容易に注入することができる。
半導体電極3の周囲の封着に用いられる樹脂としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、熱硬化性ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。更に、この封着はガラスにより行うこともでき、特に長期の耐久性を必要とする太陽電池では、ガラスにより封着することが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1
以下のようにして図1及び図2に示す色素増感型太陽電池201を作製した。
(1)第1基体の作製
縦100mm、横100mm、厚さが1mmのガラス基板1の全面に、ドリル加工により、直径0.5mmのスルーホールを5mm間隔で形成した。その後、ガラス成分を含有する銀ペースト(銀粉末の含有量20質量%)を穴埋め印刷によりスルーホール内に充填した。次いで、スルーホールに銀ペーストが充填されたガラス基板1の一方の表面(他面)に、銀ペースト(銀粉末の含有量75質量%)を用いてスクリーン印刷により第1集電電極71となるパターンを形成した。このパターンは、幅0.5mmであり、銀ペーストが充填された各々のスルーホールを繋ぐ格子状のパターンとした。その後、500℃で1時間保持して焼成し、第1集電電極71及びスルーホール導体11を形成した。次いで、透光性基板1の他方の表面(一面)の全面に、RFスパッタリングにより、厚さ500nmのフッ素ドープ酸化スズからなる透光性導電層21を形成した。その後、透光性導電層21の表面に、粒径が10〜20nmのチタニア粒子を含有するペースト(Solaronix社製、商品名「Ti−Nonoxide D/SP」)をスクリーン印刷法により塗布し、120℃で1時間乾燥し、次いで、480℃で30分焼成して、縦90mm、横90mm、厚さ10μmのチタニア焼結層(電極基体)を形成した。その後、この積層体を、ルテニウム錯体(Solaronix社製、商品名「Ruthenium 535bis−TBA」)のエタノール溶液に10時間浸漬して、図3に一部を拡大して示すように、チタニア焼結粒子に増感色素31であるルテニウム錯体を付着させて半導体電極3を形成し、第1基体101を作製した。尚、第1集電電極71の一端部に銀からなる取り出し電極91を付設した。
(2)第2基体の作製
上記(1)における透光性導電層21の場合と同様にして、基板4(第1基体の場合と同じガラス基板を用いた。)の全面に厚さ500nmの導電層22を形成した。尚、導電層22は透光性導電層21と同じ材質であり、同様に透光性導電層である。その後、導電層22の表面に、白金成分を含有するペースト(Solaronix社製、商品名「Pt−Catalyst T/SP」)をスクリーン印刷法により塗布し、100℃で10分間乾燥し、その後、400℃で30分焼成して、縦90mm、横90mm、厚さ50nmの触媒層51を形成し、第2基体102を作製した。尚、導電層22の一端部に銀からなる取り出し電極を付設した。
(3)色素増感型太陽電池の作製
第2基体102の導電層22の触媒層51が形成されていない部分に、熱可塑性樹脂からなる厚さ60μmの接着剤シート(Solaronix社製、商品名「SX1170−60」)を配設し、その後、第1基体101を、その半導体電極3が第2基体102の触媒層51と対向するように配置し、次いで、基板4の側を下にして80℃に調温されたホットプレートに載せ、5分加熱して第1基体101の透光性導電層21と第2基体102の導電層22とを接合し、接合部8を形成した。その後、第1基体101の所定の位置に設けられた電解質溶液の注入口からヨウ素電解液(Solaronix社製、商品名「Iodolyte PN−50」)を注入し、半導体電極3と触媒層51との間に電解質層6を形成し、次いで、注入口は上記の接着剤を用いて封止し、図1及び図2に示す色素増感型太陽電池201を作製した。
(4)色素増感型太陽電池の性能評価
上記(1)〜(3)により作製した色素増感型太陽電池201に、AM1.5にスペクトル調整したソーラーシミュレータによって、照射強度100mW/cmの擬似太陽光を照射したところ、1cm当たりの開放電流約10mA、開放電圧0.55V、変換効率3.8%の特性を有していた。
実施例2
基板4の全面に、ドリル加工により、直径0.5mmのスルーホールを5mm間隔で形成し、その後、実施例1の場合と同じガラス成分を含有する銀ペースト(銀粉末の含有量20質量%)を穴埋め印刷によりスルーホールに充填し、次いで、スルーホールに銀ペーストが充填された基板4の一方の表面(他面)に、実施例1の場合と同じ銀ペースト(銀粉末の含有量75質量%)を用いてスクリーン印刷法により第2集電電極72となるパターンを形成した。このパターンは、幅0.5mmであり、銀ペーストが充填された各々のスルーホールを繋ぐ格子状のパターンとした。その後、500℃で1時間保持して焼成し、第2集電電極72及びスルーホール導体41を形成した。その他は実施例1と同様にして、図5及び図2に示すような、色素増感型太陽電池203を作製した。尚、第2集電電極72の一端部に銀からなる取り出し電極を付設した。
この色素増感型太陽電池203の性能を実施例1の場合と同様にして評価したところ、1cm当たりの開放電流約11mA、開放電圧0.55V、変換効率4.0%の特性を有しており、第1集電電極71と併せて第2集電電極72を設けることで性能が向上していることが分かる。
比較例1
第1集電電極71を設けなかった以外は実施例1と同様にして色素増感型太陽電池を作製し、その性能を実施例1の場合と同様にして評価したところ、1cm当たりの開放電流約2mA、開放電圧0.5V、変換効率0.25%の特性であり、実施例1と比べてすべての特性が劣っていることが分かる。
実施例3
以下のようにして図8に示す色素増感型太陽電池204を作製した。
(1)第1基体の作製
縦100mm、横100mm、厚さが1mmのガラス基板1の一辺側に、ドリル加工により、直径0.5mmのスルーホールを20mm間隔で4個形成した。その後、ガラス成分を含有する銀ペースト(銀粉末の含有量20質量%)を穴埋め印刷によりスルーホール内に充填した。次いで、スルーホールに銀ペーストが充填されたガラス基板1の一方の表面(他面)に、銀ペースト(銀粉末の含有量75質量%)を用いてスクリーン印刷により第1取り出し電極91となるパターンを形成した。このパターンは、幅5mmであり、銀ペーストが充填された各々のスルーホールを繋ぐ帯状のパターンとした。その後、ガラス基板1の他方の表面(一面)に、銀ペースト(銀粉末の含有量75質量%)を用いて、スクリーン印刷法により、幅2mm、厚さ5μmの第3集電電極73となる帯状の導電塗膜を4本形成した。尚、各々の導電塗膜の一端部が、それぞれ上記の4個のスルーホールに充填された銀ペーストと接触するようにした。次いで、100℃で30分乾燥し、各々の導電塗膜の表面を0.2MPaの圧力でプレスし、平滑性を向上させた。その後、500℃で1時間保持して焼成し、第1取り出し電極91、第3集電電極73及びスルーホール導体12を形成した。次いで、ガラス基板1の第3集電電極73が形成された面に、RFスパッタリングにより、厚さ500nmのフッ素ドープ酸化スズからなる透光性導電層21を形成した。その後、透光性導電層21の表面に、粒径が10〜20nmのチタニア粒子を含有するペースト(Solaronix社製、商品名「Ti−Nonoxide D/SP」)をスクリーン印刷法により塗布し、120℃で1時間乾燥し、次いで、480℃で30分焼成して、縦90mm、横90mm、厚さ20μmのチタニア電極層(電極基体)を形成した。次いで、この積層体を、ルテニウム錯体(Solaronix社製、商品名「Ruthenium 535bis−TBA」)のエタノール溶液に10時間浸漬して、図3に一部を拡大して示すように、チタニア焼結粒子に増感色素31であるルテニウム錯体を付着させて半導体電極3を形成し、第1基体101を作製した。
(2)第2基体の作製
上記(1)における透光性導電層21の場合と同様にして、基板4(第1基体の場合と同じガラス基板を用いた。)の全面に厚さ500nmの導電層22を形成した。尚、導電層22は透光性導電層21と同じ材質であり、同様に透光性導電層である。その後、導電層22の表面に、白金成分を含有するペースト(Solaronix社製、商品名「Pt−Catalyst T/SP」)をスクリーン印刷法により塗布し、100℃で10分間乾燥し、その後、400℃で30分焼成して、縦90mm、横90mm、厚さ50nmの触媒層51を形成し、第2基体102を作製した。尚、導電層22の一端部にタングステンからなる取り出し電極を付設した。
(3)色素増感型太陽電池の作製
第2基体102の導電層22の触媒層51が形成されていない部分に、熱可塑性樹脂からなる厚さ60μmの接着剤シート(Solaronix社製、商品名「SX1170−60」)を配設し、その後、第1基体101を、その半導体電極3が第2基体102の触媒層51と対向するように配置し、次いで、基板4の側を下にして80℃に調温されたホットプレートに載せ、5分加熱して第1基体101の透光性導電層21と第2基体102の導電層22とを接合し、接合部8を形成した。その後、第1基体101の所定の位置に設けられた電解質溶液の注入口からヨウ素電解液(Solaronix社製、商品名「Iodolyte PN−50」)を注入し、半導体電極3と触媒層51との間に電解質層6を形成し、次いで、注入口を上記の接着剤を用いて封止し、図8に示す色素増感型太陽電池204を作製した。
この色素増感型太陽電池204の性能を実施例1の場合と同様にして評価したところ、1cm当たりの開放電流約10mA、開放電圧0.53V、変換効率3.7%の特性を有していた。
実施例4
縦100mm、横100mm、厚さが1mmのガラス基板4の一辺側に、ドリル加工により、直径0.5mmのスルーホールを20mm間隔で4個形成した。その後、実施例3と同じガラス成分を含有する銀ペースト(銀粉末の含有量20質量%)を穴埋め印刷によりスルーホール内に充填した。次いで、スルーホールに銀ペーストが充填されたガラス基板4の一方の表面(他面)に、実施例3の場合と同じ銀ペースト(銀粉末の含有量75質量%)を用いてスクリーン印刷により第2取り出し電極92となるパターンを形成した。このパターンは、幅5mmであり、銀ペーストが充填された各々のスルーホールを繋ぐ帯状のパターンとした。その後、ガラス基板4の他方の表面(一面)に、実施例3と同じ銀ペースト(銀粉末の含有量75質量%)を用いて、スクリーン印刷法により、縦90mm、横90mm、厚さ5μmの第4集電電極74となる面状の導電塗膜を形成した。尚、この導電塗膜の一端部側が、上記の4個のスルーホールに充填された銀ペーストと接触するようにした。次いで、100℃で30分乾燥し、各々の導電塗膜の表面を0.2MPaの圧力でプレスし、平滑性を向上させた。その後、500℃で1時間保持して焼成し、第2取り出し電極92、第4集電電極74及びスルーホール導体42を形成した。その他は実施例3と同様にして、図10に示すような、色素増感型太陽電池206を作製した。
この色素増感型太陽電池206の性能を実施例1の場合と同様にして評価したところ、1cm当たりの開放電流約10.5mA、開放電圧0.55V、変換効率3.9%の特性を有しており、第3集電電極73と併せて第4集電電極74を設けることで性能が向上していることが分かる。
尚、本発明では、上記の実施例の記載に限られず、本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。例えば、基板4は、セラミック等からなる透光性を有さない基板とすることもできる。このセラミックとしては、酸化物系セラミック、窒化物系セラミック、炭化物系セラミック等の各種のセラミックを用いることができる。酸化物系セラミックとしては、アルミナ、ムライト、ジルコニア等が挙げられる。また、窒化物系セラミックとしては、窒化ケイ素、サイアロン、窒化チタン、窒化アルミニウム等が挙げられる。更に、炭化物系セラミックとしては、炭化ケイ素、炭化チタン、炭化アルミニウム等が挙げられる。セラミックとしては、アルミナ、窒化ケイ素、ジルコニア等が好ましく、アルミナが特に好ましい。
基板4がセラミックからなる場合、その厚さは特に限定されないが、100μm〜5mm、特に500μm〜5mm、更に1〜5mmとすることができ、500μm〜2mmとすることもできる。セラミック基板の厚さが100μm〜5mm、特に1〜5mmであれば、この強度の大きい基板が支持基板となり、優れた耐久性を有する色素増感型太陽電池とすることができる。
更に、基板4がセラミックからなる場合、図11に示すように、半導体電極3を基板4の側に設けることができる。この色素増感型太陽電池207は、第3基体103と、第4基体104と、電解質層6とを有する。第3基体103は、透光性基板1と、透光性基板1の一面に設けられた透光性導電層21と、透光性導電層21の表面に設けられた透光性触媒層52とを備える。また、透光性基板1の他面には第1集電電極71が設けられ、第1集電電極71と透光性導電層21とは、透光性基板1に設けられたスルーホール導体11により接続されている。一方、第4基体104は、基板4と、基板4の表面に設けられた導電層22と、導電層22の表面に設けられた増感色素31を有する半導体電極3とを備える。更に、図12のように、セラミック基板4の他面に更に第2集電電極72が設けられていてもよく、この色素増感型太陽電池208の場合、第2集電電極72と導電層22とは、セラミック基板4に設けられたスルーホール導体41により接続される。
色素増感型太陽電池207及び208の場合、各々の構成部材である透光性基板1、半導体電極3、導電層22及び電解質層6は、いずれも色素増感型太陽電池201及び203と同様のものとすることができる。更に、透光性触媒層52は、色素増感型太陽電池201及び203における触媒層51と同様の材質等からなり、透光性を有しておればよい。色素増感型太陽電池207は、色素増感型太陽電池201と半導体電極3の配置位置は異なるものの同様の方法で作製することができる。また、色素増感型太陽電池208は、色素増感型太陽電池203と半導体電極3の配置位置は異なるものの同様の方法で作製することができる。
更に、電解質層6は、不揮発性のイミダゾリウム塩等のイオン性液体及びこのイオン性液体をゲル化させたもの、並びにヨウ化銅、チオシアン化銅等の固体により設けることもできる。また、電解質層6の厚さは特に限定されないが、電解質溶液を用いた場合と同様に、200μm以下、特に100μm以下、更に50μm以下(通常、1μm以上)とすることができる。各々の場合の厚さの上限が所定値以下であれば、変換効率を十分に高くすることができる。
実施例1の色素増感型太陽電池201の断面を示す模式図である。 実施例1の色素増感型太陽電池201を第1基体101のガラス基板1の側からみた説明図である。 実施例1の色素増感型太陽電池201の半導体電極3、増感色素31及び電解質層6の一部を拡大して示す模式図である。 第2基体102の導電層22が設けられていない色素増感型太陽電池202の断面を示す模式図である。 実施例2の色素増感型太陽電池203の断面を示す模式図である。 櫛歯状の第1集電電極71の平面形状を示す説明図である。 放射状の第1集電電極71の平面形状を示す説明図である。 実施例3の色素増感型太陽電池204の断面を示す模式図である。 第2基体102の導電層22が設けられていない色素増感型太陽電池205の断面を示す模式図である。 実施例4の色素増感型太陽電池206の断面を示す模式図である。 基板4がセラミックからなり、この基板4の側に半導体電極3が設けられた色素増感型太陽電池207の断面を示す模式図である。 図11の色素増感型太陽電池において、基板4の側に第2集電電極72が設けられた色素増感型太陽電池208の断面を示す模式図である。
符号の説明
101;第1基体、102;第2基体、103;第3基体、104;第4基体、1;透光性基板(ガラス基板)、11、12;スルーホール導体、21;透光性導電層、22;導電層、3;半導体電極、31;増感色素、4;基板、41、42;スルーホール導体、51;触媒層、52;透光性触媒層、6;電解質層、71;第1集電電極、72;第2集電電極、73、第3集電電極、74;第4集電電極、8;接合部、91;第1取り出し電極、92;第2取り出し電極、201、202、203、204、205、206、207、208;色素増感型太陽電池。

Claims (20)

  1. 透光性基板1、該透光性基板1の一面に設けられた透光性導電層21及び該透光性導電層21の表面に設けられた増感色素31を有する半導体電極3を備える第1基体101と、
    基板4及び該基板4の一面に設けられた触媒層51を備え、且つ該触媒層51が該半導体電極3に対向するように配置された第2基体102と、
    上記半導体電極3と上記触媒層51との間に設けられた電解質層6と、
    上記透光性基板1の他面に設けられた第1集電電極71及び該第1集電電極71と上記透光性導電層21とを接続するスルーホール導体11と、を有することを特徴とする色素増感型太陽電池。
  2. 上記基板4と上記触媒層51との間に更に導電層22を有する請求項1に記載の色素増感型太陽電池。
  3. 上記基板4の他面に設けられた第2集電電極72及び該第2集電電極72と上記触媒層51とを接続するスルーホール導体41を有する請求項1に記載の色素増感型太陽電池。
  4. 上記基板4の他面に設けられた第2集電電極72及び該第2集電電極72と上記導電層22とを接続するスルーホール導体41を有する請求項2に記載の色素増感型太陽電池。
  5. 上記第1集電電極71の平面形状が、格子状、櫛歯状又は放射状である請求項1又は2に記載の色素増感型太陽電池。
  6. 上記第1集電電極71及び上記第2集電電極72の各々の平面形状が、それぞれ格子状、櫛歯状又は放射状である請求項3又は4に記載の色素増感型太陽電池。
  7. 上記第1集電電極71の平面形状が格子状、櫛歯状又は放射状であり、上記第2集電電極72の平面形状が面状である請求項3又は4に記載の色素増感型太陽電池。
  8. 上記第1集電電極71が金属からなる請求項1又は2に記載の色素増感型太陽電池。
  9. 上記第1集電電極71及び上記第2集電電極72の各々が、それぞれ金属からなる請求項3又は4に記載の色素増感型太陽電池。
  10. 上記スルーホール導体11は、貴金属、銅、タングステン、ニッケル及びチタンのうちの少なくとも1種を含有する請求項1又は2に記載の色素増感型太陽電池。
  11. 上記スルーホール導体11及び上記スルーホール導体41の各々は、それぞれ貴金属、銅、タングステン、ニッケル及びチタンのうちの少なくとも1種を含有する請求項3又は4に記載の色素増感型太陽電池。
  12. 上記スルーホール導体11を形成するため上記透光性基板1に設けられたスルーホールの径方向の最大寸法は0.05〜1mmであり、隣り合う各々のスルーホールのそれぞれの縁部間の距離が1〜10mmである請求項1又は2に記載の色素増感型太陽電池。
  13. 上記スルーホール導体11を形成するため上記透光性基板1に設けられたスルーホール及び上記スルーホール導体41を形成するため上記基板4に設けられたスルーホールの各々の径方向の最大寸法は0.05〜1mmであり、隣り合うそれぞれのスルーホールの各々の縁部間の距離が1〜10mmである請求項3又は4に記載の色素増感型太陽電池。
  14. 上記触媒層51は、触媒活性を有する物質からなる、又は触媒活性を有する物質を含有する、金属、導電性酸化物及び導電性樹脂のうちの少なくとも1種からなる請求項1乃至13のうちのいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池。
  15. 上記透光性基板1又は上記透光性導電層21と、上記基板4又は上記触媒層51との間が、上記半導体電極3の周囲において樹脂若しくはガラスにより封着されている請求項1乃至14のうちのいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池。
  16. 上記透光性基板1又は上記透光性導電層21と、上記基板4、上記触媒層51又は上記導電層22との間が、上記半導体電極3の周囲において樹脂若しくはガラスにより封着されている請求項4に記載の色素増感型太陽電池。
  17. 透光性基板1、該透光性基板1の一面に設けられた透光性導電層21及び該透光性導電層21の表面に設けられた増感色素31を有する半導体電極3を備える第1基体101と、
    基板4及び該基板4の一面に設けられた触媒層51を備え、且つ該触媒層51が該半導体電極3に対向するように配置された第2基体102と、
    上記半導体電極3と上記触媒層51との間に設けられた電解質層6と、
    上記透光性基板1と上記透光性導電層21との間又は該透光性導電層22の表面に設けられた第3集電電極73、該透光性基板1の他面に設けられた第1取り出し電極91及び該第3集電電極73と該第1取り出し電極91とを接続するスルーホール導体12と、を有することを特徴とする色素増感型太陽電池。
  18. 上記基板4と上記触媒層51との間に更に導電層22を有する請求項17に記載の色素増感型太陽電池。
  19. 上記基板4と上記触媒層51との間に設けられた第4集電電極74、該基板4の他面に設けられた取り出し電極92及び該第4集電電極74と該取り出し電極92とを接続するスルーホール導体42を有する請求項17記載の色素増感型太陽電池。
  20. 上記基板4と上記導電層22との間、又は該導電層22の表面に設けられた第4集電電極74、該基板4の他面に設けられた取り出し電極92及び該第4集電電極74と該取り出し電極92とを接続するスルーホール導体42を有する請求項18に記載の色素増感型太陽電池。
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