JP2005197097A - 色素増感型太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 半導体電極の対極の触媒等の剥がれを防止し、耐久性を向上することができる色素増感型太陽電池を提供することを課題とする。
【解決手段】 本色素増感型太陽電池は、透光性基板2と、該透光性基板2に配置された増感色素31を有する半導体電極3と、一面が該半導体電極3に対向するように配置されており、導電材料41及び触媒42を含有する触媒導電電極4と、該触媒導電電極4の他の面に設けられる基板5と、該半導体電極3の少なくとも一部に含まれ、且つ少なくとも該半導体電極3と該触媒導電電極4との間に充填される電解質6とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光エネルギーを電気エネルギーに直接変換する色素増感型太陽電池に関する。更に詳しくは、半導体電極の対極の触媒等の剥がれを防止し、耐久性を向上することができる色素増感型太陽電池に関する。
現在、太陽光発電では、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン及びこれらを組み合わせたHIT(Heterojunction with Intrinsic Thin-layer)等を用いた太陽電池が実用化され、主力技術となっている。これらの太陽電池では変換効率も20%に近く優れている。しかし、シリコン系太陽電池は素材製造にかかるエネルギーコストが高く、環境負荷などの面でも課題が多く、価格及び材料供給等における制限もある。一方、Gratzel等により提案された色素増感型太陽電池が安価な太陽電池として注目されている(例えば、非特許文献1及び特許文献1参照。)。
この色素増感型太陽電池1bは図10に示すように、増感色素31を担持させたチタニア多孔質等の半導体電極3とその対極91との間に電解質6を介在させた構造を有し、現行のシリコン系太陽電池に比べて変換効率は低いものの、材料、製法等の面で大幅なコストダウンが可能である。また、図10に示すように、対極91には電解質6と対極91間の電子の受け渡しを容易にするために触媒層92が設けられている。
特開平1−220380号公報 Nature誌(第353巻、pp.737−740、1991年)
しかし、対極91上に触媒層92が形成されているため、触媒層92の一部が対極91から剥がれ、色素増感型太陽電池の出力が低下する場合があった。基板5から対極91がまれに剥がれ、出力低下が起きる場合があった。
また、触媒層92を形成すると通常10μm程度の厚さになるが、触媒として機能する部分は電解質6と接触する部分であるため、残りの部分は触媒として機能しなかった。
本発明は、上記問題点を解決するものであり、半導体電極の対極の触媒等の剥がれを防止し、耐久性を向上することができる色素増感型太陽電池を提供することを目的とする。
本発明の色素増感型太陽電池は、以下の通りである。
1.透光性基板2と、該透光性基板2に配置された増感色素31を有する半導体電極3と、一面が該半導体電極3に対向するように配置されており、導電物質及び触媒を含有する触媒導電電極4と、該触媒導電電極4の他の面に設けられる基板5と、該半導体電極3の少なくとも一部に含まれ、且つ少なくとも該半導体電極3と該触媒導電電極4との間に充填される電解質6とを備えることを特徴とする色素増感型太陽電池。
2.上記触媒導電電極4は、上記導電物質を含有する導電物質層41中に上記触媒42が分散する上記1.記載の色素増感型太陽電池。
3.上記導電物質及び上記触媒は金属であり、上記触媒導電電極4は、該導電物質及び該触媒からなる合金を含有する上記1.記載の色素増感型太陽電池。
4.上記触媒導電電極4は、多孔質である上記1.乃至上記3.のいずれかに記載の色素増感型太陽電池。
5.上記基板5は、少なくとも上記触媒導電電極4側と対面する表層部が多孔質である上記1.乃至上記4.のいずれかに記載の色素増感型太陽電池。
6.上記触媒導電電極4は、該基板5を構成する物質と同物質である基板物質43を更に含有する上記1.乃至上記5.のいずれかに記載の記載の色素増感型太陽電池。
本発明の色素増感型太陽電池によれば、従来の対極91及び触媒層92を一体とした対極である触媒導電電極4を備えるため、対極から触媒が剥がれることを抑制し、長期にわたって安定した出力を得ることができる。
導電物質層41中に触媒42を分散する触媒導電電極4である場合は、少量の触媒であっても十分な触媒による効果を得ることができる。
導電物質及び触媒からなる合金を含有する触媒導電電極4である場合は、耐久性が高く長期にわたって更に安定した出力を得ることができる。
触媒導電電極4を多孔質とする場合は、電解質6との接触面積を大きくすることができ、対極によって出力電流の制限がされにくくなる。
基板5の触媒導電電極4側の面を多孔質とする場合は、電解質6との接触面積を大きくすることができ、対極によって出力電流の制限がされにくくなる。
触媒導電電極4中に基板5と同物質の基板物質43を含有する場合は、基板5との密着性が向上し、触媒導電電極4がより剥がれにくくなる。
以下、本発明の色素増感型太陽電池を図1〜10を用いて詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の色素増感型太陽電池1は、透光性基板2と、半導体電極3と、触媒導電電極4と、基板5と、電解質6とを備える。また、透光性基板2及び半導体電極3の間には透光性電極80を更に具備することができる。更に、透光性基板2又は透光性電極80と半導体電極3との間(図6を参照)や、触媒導電電極4及び基板5の間には集電電極81を更に具備することができる。
上記「透光性基板2」は、光発電を行うことができる波長帯において透光性を備える基板であればよく、任意の材質を選択することができる。この例として、ガラス、樹脂及びセラミックス等からなる基板を挙げることができる。
ガラスの種類は特に限定されず、ソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸、シリカガラス及びソーダ石灰ガラス等を例示することができる。また、樹脂の種類は特に限定されず、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリスルフォン及びポリエチリデンノルボルネン等からなる樹脂シートを例示することができる。更に、セラミックスの種類も特に限定されず、高純度アルミナ等を例示することができる。
透光性基板2の厚さは材質によっても異なり、特に限定されないが、透光性を維持できる厚さであることが好ましい。
尚、上記透光性とは、波長400〜900nmの可視光の透過率が10%以上であることを意味する。また、この透過率は60%以上、特に85%以上であることが好ましい。以下、透光性の意味及び好ましい透過率は全て同様である。
透過率(%)=(透過した光量/入射した光量)×100
上記「増感色素31」は、光発電の作用を向上させる錯体色素及び有機色素を用いることができる。この錯体色素としては金属錯体色素が挙げられ、有機色素としてはポリメチン色素、メロシアニン色素等が挙げられる。金属錯体色素としてはルテニウム錯体色素及びオスミウム錯体色素等が挙げられ、ルテニウム錯体色素が特に好ましい。
更に、光起電力効果が得られる波長域を拡大し、変換効率を向上させるため、増感作用が発現される波長域の異なる2種以上の増感色素を併用することもできる。この場合、照射される光の波長域と強度分布とによって併用する増感色素の種類及びそれらの量比を設定することが好ましい。また、増感色素は半導体電極に結合するための官能基を有することが好ましい。この官能基としては、カルボキシル基、スルホン酸基及びシアノ基等が挙げられる。
上記「半導体電極3」は、図2に示すように、増感色素31と、半導体からなる電極基体32とから構成される。また、半導体電極3は、図2に示すように透光性電極80と接していてもよいし、透光性基板2等と接していてもよい。
この電極基体32は、金属酸化物及び金属硫化物等により形成することができる。金属酸化物としては、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛及び五酸化二ニオブ等の酸化ニオブや、酸化タンタル及びジルコニア等が挙げられる。また、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム及びチタン酸バリウム等の複酸化物を用いることもできる。更に、金属硫化物としては、硫化亜鉛、硫化鉛及び硫化ビスマス等が挙げられる。これらのうち、酸化チタンが特に好ましい。
電極基体32の作製方法は特に限定されず、例えば、金属酸化物、金属硫化物等の微粒子を含有するペーストを、透光性基板2及び透光性電極80の表面に塗布した後、焼成することにより作製することができる。ペーストの塗布方法は特に限定されず、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、スキージ法、スピンコート法等が挙げられる。このようにして作製された電極基体32は微粒子が集合してなる集合体の形態で形成される。
また、電極基体32は、透光性基板2及び透光性電極80の表面に、金属酸化物及び金属硫化物等の微粒子及び少量の有機高分子等が分散されたコロイド溶液を塗布し、次いで、加熱して有機高分子を分解させて除去することにより作製することもできる。このコロイド溶液も、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、スキージ法及びスピンコート法等の各種の方法により塗布することができる。この方法により作製した電極基体32も微粒子が集合してなる集合体の形態で形成される。
このように、電極基体32は、通常、微粒子が集合してなる集合体の形態で形成される。この微粒子のX線回折により測定した平均粒径は特に限定されないが、5〜100nm、特に10〜50nmであることが好ましい。
半導体電極3の厚さは特に限定されないが、0.1〜100μmとすることができ、1〜50μm、特に2〜40μm、更に5〜30μmとすることが好ましい。半導体電極3の厚さが0.1〜100μmであれば、半導体電極3の略全域に光が届き、変換効率が向上する。また、半導体電極3は、その強度並びに透光性基板2及び透光性電極80との密着性を向上させるため、熱処理することが好ましい。熱処理の温度及び時間は特に限定されないが、熱処理温度は40〜700℃、特に100〜500℃、熱処理時間は10分〜10時間、特に20分〜5時間とすることが好ましい。
電極基体32に増感色素31を付着させる方法は特に限定されず、例えば、増感色素31を有機溶媒に溶解させた溶液に電極基体32を浸漬し、溶液を含侵させ、その後、有機溶媒を除去することにより付着させることができる。また、この溶液を、電極基体32に塗布し、その後、有機溶媒を除去することにより付着させることもできる。この塗布方法としては、ワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテンコート法、スピンコート法及びスプレーコート法等が挙げられる。更に、この溶液は、オフセット印刷、グラビア印刷及びスクリーン印刷等の印刷法により塗布することもできる。
増感色素31の付着量は半導体電極3の電極基体32の1gに対して0.01〜1ミリモル、特に0.5〜1ミリモルであることが好ましい。付着量が0.01〜1ミリモルであれば、高い変換効率を得ることができる。また、電極基体32に付着しなかった増感色素が電極周辺に遊離していると、変換効率が低下することがある。そのため、増感色素31を付着させる処理の後、電極基体32を洗浄して余剰の増感色素を除去することが好ましい。この除去は、洗浄槽を用いてアセトニトリル等の極性溶媒及びアルコール系溶媒などの有機溶媒で洗浄することにより行うことができる。また、電極基体32に多くの増感色素31を付着させるためには、電極基体32を加熱して、浸漬、塗布等の処理を行うことが好ましい。この場合、電極基体32の表面に水が吸着するのを避けるため、加熱後、常温に降温させることなく40〜80℃で速やかに処理することが好ましい。
上記「触媒導電電極4」は、少なくとも導電物質及び触媒を含有する電極である。これら導電物質及び触媒が触媒導電電極4に含有する形態は任意に選択することができ、例えば、導電物質層41中に触媒42が分散する(図3に参照。)、触媒を含有する層中に導電物質が分散する、導電物質及び触媒が合金等の形態で混成する等を挙げることができる。更に、導電物質又は触媒の大部分が分散し、一部分が合金である形態であっても良いし、導電物質及び触媒の大部分が合金であり、一部分が分散する形態であっても良い。
このうち、図3に示すように導電物質層41中に触媒42が分散する触媒導電電極4は、必要な触媒42が少量で良い点で好ましい。また、この分散する触媒42の粒径は、任意に選択することができるが、例えば、0.1〜30μm(好ましくは、1〜20μm、特に好ましくは2〜10μm)とすることができる。
更に、導電物質層41及び触媒42の合金を含有する触媒導電電極4は、触媒42の耐久性が高い点で好ましい。また、この合金は任意に選択することができ、導電物質層41及び触媒42の比率及び組織の種類等を任意に設定することができる。
また、触媒導電電極4は、導電物質及び触媒以外のものを含有することができる。例えば、触媒導電電極4が形成される基板5の同物質である基板物質43を含有することができる。基板5は、ガラス、セラミックス、プラスチック及び金属等から構成されるが、これらを基板物質43として触媒導電電極4に含有することで、触媒導電電極4及び基板5の親和性が高まり、触媒導電電極4が剥がれにくくすることができる。更に、基板5が複数の物質から構成される場合は、少なくとも1種類の物質を基板物質43として含有することができる。また、基板物質43を含有する場合、導電物質及び基板物質43からなる層中に触媒42が分散する形態が好ましい。
更に、図4に示すように、触媒導電電極4を多孔質にして、孔40内に電解質6が入り込むことができるようにすることができる。このような触媒導電電極4は、電解質6との接触面積が増大し、より多くの電子の受け渡しができ、大電流を流すことができる。このような多孔質の触媒導電電極4は、任意の方法で形成することができる。例えば触媒導電電極4を焼成によって形成する場合、焼成温度や焼成時間等の焼成条件を調節する、焼成後消失して空孔となる樹脂を含有させる、並びに焼成時の収縮が他の材料よりも特に小さく焼成後空孔を生じさせる材料を含有させる等の方法によって多孔質にすることができる。
上記「導電物質」は、任意の導電性物質を用いることができ、例えば金属、導電性酸化物及びカーボン等を挙げることができる。また、導電性高分子を用いることもできる。
上記金属としては、タングステン、チタン、銅、アルミニウム及びインジウム等が挙げられる。また、導電性酸化物としては、酸化スズ、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化インジウム、スズドープ酸化インジウム(ITO)及び酸化亜鉛等を挙げることができる。更に、導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリピロール及びポリアセチレン等が挙げることができる。また、この導電性高分子としては、導電性を有さない樹脂に各種の導電性物質を配合して調製したものも用いることができる。
上記「触媒」は、触媒活性を有する物質、又は触媒活性を有する物質を含有する、金属、導電性酸化物及び導電性高分子のうちの少なくとも1種、により形成することができる。触媒活性を有する物質としては、白金、金及びロジウム等の貴金属(ただし、銀は電解質等に対する耐腐食性が低いため好ましくない。以下、電解質等が接触し得る部分には同様に銀は好ましくない。)、ニッケル及びカーボンブラック等が挙げられ、これらは併せて導電性を有する。触媒42は、触媒活性を有し、且つ電気化学的に安定な貴金属により形成することが好ましく、触媒活性が高く、電解質溶液に溶解され難い白金を用いることが特に好ましい。
触媒活性が上記触媒42より小さい又は有さない、金属、導電性酸化物及び導電性高分子等を用いる場合、触媒42に混合されて用いられる金属としては、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル及びタングステン等が挙げられる。更に、触媒42に混合されて用いられる導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリピロール及びポリアセチレン等が挙げられる。
この樹脂は特に限定されず、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよい。熱可塑性樹脂としては、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド、ポリオレフィン及びポリ塩化ビニル等が挙げられる。更に、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリエステル樹脂及びフェノール樹脂等が挙げられる。導電性物質も特に限定されず、カーボンブラック、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム及びタングステン等の金属、ポリアニリン、ポリピロール及びポリアセチレン等の導電性ポリマーなどが挙げられる。導電性物質としては、導電性と触媒活性とを併せて有する貴金属及びカーボンブラックが特に好ましい。導電性物質は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
触媒活性を有さない、金属、導電性酸化物及び導電性高分子等を用いる場合、上記の触媒活性を有する物質の含有量は、金属、導電性酸化物及び導電性高分子等を100質量部とした場合に、1〜99質量部、特に50〜99質量部であることが好ましい。
触媒導電電極4は、触媒42となる微粒子を含有するペーストを、基板5の表面、又は集電電極81を有する場合は、この集電電極81の表面に塗布して形成することができる。この塗布方法としては、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、スキージ法及びスピンコート法等の各種の方法が挙げられる。
更に、この触媒導電電極4は、スパッタリング法、蒸着法及びイオンプレーティング法等により、基板5等の表面に金属等を堆積させて形成することもできる。また、触媒42として触媒活性を有する物質を含有する導電性高分子を含有する触媒導電電極4は、導電性高分子と、粉末状又は繊維状等の触媒活性を有する物質とを、バンバリーミキサ、インターナルミキサー及びオープンロール等の装置により混練して調製した樹脂組成物をフィルムに成形し、このフィルムを基板5等の表面に接合して形成することができる。
上記「基板5」は、透光性を有していてもよいし、透光性を有していなくてもよい。また、透光性を有していない基板5はセラミックス、金属、樹脂及びガラス等により形成することができる。
セラミックスを用いた基板5は強度が大きく、この基板5が支持基板となって優れた耐久性を有する色素増感型太陽電池とすることができる。セラミック基板の形成に用いるセラミックスは特に限定されず、酸化物系セラミックス、窒化物系セラミックス、炭化物系セラミックス等の各種のセラミックスを用いることができる。酸化物系セラミックスとしては、アルミナ、ムライト及びジルコニア等が挙げられる。また、窒化物系セラミックスとしては、窒化ケイ素、サイアロン、窒化チタン及び窒化アルミニウム等が挙げられる。更に、炭化物系セラミックスとしては、炭化ケイ素、炭化チタン及び炭化アルミニウム等が挙げられる。セラミックスとしては、アルミナ、窒化ケイ素及びジルコニア等が好ましく、アルミナが特に好ましい。
金属を用いた基板5は強度が大きく、この基板が支持基板となって優れた耐久性を有する色素増感型太陽電池とすることができる。また、集電電極81を有しなくても、基板5自体の伝導性によって集電性を高め、内部抵抗の低い色素増感型太陽電池とすることができる。この金属は任意に選択することができ、タングステン、チタン、ニッケルの他、白金等の貴金属等を例示することができる。
透光性を有していない基板5の場合、その厚さは特に限定されないが、100μm〜5mm、特に500μm〜5mm、更に800μm〜5mmとすることができ、500μm〜2mmとすることもできる。基板5の厚さが100μm〜5mm、特に800μm〜5mmであれば、この強度の大きい基板5が支持基板となり、優れた耐久性を有する色素増感型太陽電池とすることができる。
透光性を有する基板5は、透光性基板2の場合と同様にガラス、樹脂シート等を用いて設けることができる。樹脂シートである場合、このシートの形成に用いる樹脂としては、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリエチリデンノルボルネン等の熱可塑性樹脂などが挙げられる。この基板5が透光性を有する基板である場合、その厚さは材質によっても異なり、特に限定されないが、前記の透過率が60〜99%、特に85〜99%となる厚さであることが好ましい。
また、図5に示すように、基板5の触媒導電電極4の形成面を多孔質にして、触媒導電電極4の表面積を増大させることができる。触媒導電電極4の表面積の増大によって、触媒42が電解質6とより多くの電子の受け渡しができるようになり、導電物質層41を介して大電流を流すことができる。
上記「電解質6」は、半導体電極3及び触媒導電電極4間のイオン伝導ができるように色素増感型太陽電池内に配設される。また、半導体電極3及び触媒導電電極4の孔内まで行き渡り、これらに含まれた状態となっている。更に、電解質6は、通常、半導体電極3の全体に含有され、また、半導体電極3と触媒導電電極4との間に形成された空間の全体に充填される。
この電解質6は通常電解質溶液により形成することができる。この電解質溶液には、電解質の他、通常、溶媒及び各種の添加剤等が含有される。電解質としては、(1)Iとヨウ化物、(2)Brと臭化物、(3)フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩、フェロセン−フェリシニウムイオン等の金属錯体、(4)ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフィド等のイオウ化合物、(5)ビオロゲン色素、(6)ヒドロキノン−キノン、などを含有する電解質が挙げられる。
(1)におけるヨウ化物としては、LiI、NaI、KI、CsI及びCaI等の金属ヨウ化物、及びテトラアルキルアンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド及びイミダゾリウムヨーダイド等の4級アンモニウム化合物のヨウ素塩などが挙げられる。また、(2)における臭化物としては、LiBr、NaBr、KBr、CsBr及びCaBr等の金属臭化物、及びテトラアルキルアンモニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイド等の4級アンモニウム化合物の臭素塩などが挙げられる。これらの電解質のうちでは、Iと、LiI及びピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等の4級アンモニウム化合物のヨウ素塩を組み合わせてなる電解質が特に好ましい。これらの電解質は1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
また、溶媒は、粘度が低く、イオン易動度が高く、十分なイオン伝導性を有する溶媒であることが好ましい。このような溶媒としては、(1)エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート類、(2)3−メチル−2−オキサゾリジノン等の複素環化合物、(3)ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類、(4)エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等の鎖状エーテル類、(5)メタノール、エタノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等のモノアルコール類、(6)エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、(7)アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類、(8)ジメチルスルフォキシド、スルフォラン等の非プロトン極性物質などが挙げられる。
上記「透光性電極80」は、透光性及び導電性を有しておればよい。この透光性電極80は特に限定されず、導電性酸化物からなる薄膜、金属薄膜、炭素薄膜等が挙げられる。導電性酸化物としては、酸化スズ、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化インジウム、スズドープ酸化インジウム(ITO)、酸化亜鉛等が挙げられる。また、金属としては、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム及びインジウム等が挙げられる。この透光性電極80の厚さは材質によっても異なり、特に限定されないが、表面抵抗が100Ω/□以下、特に1〜10Ω/□となる厚さであることが好ましい。更に、透光性電極80の形成方法は特に限定されないが、金属、導電性酸化物等の微粒子を含有するペーストを、透光性基板2の表面に塗布して形成することができる。この塗布方法としては、ドクターブレード法、スキージ法、スピンコート法等の各種の方法が挙げられる。透光性電極80は、金属、導電性酸化物等を用いたスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等により形成することもできる。
上記「集電電極81」は、半導体電極3、触媒導電電極4及び透光性電極80の伝導率が低い場合に、その伝導度を補うために用いる電極である。集電電極81の材質は、任意に選択することができ、例えば、金属、導電性酸化物及び炭素等を挙げることができる。
上記金属としては、タングステン、チタン、ニッケル、白金、金、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム等が挙げられる。このうち、タングステンが好ましい。また、導電性酸化物としては、酸化スズ、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化インジウム、スズドープ酸化インジウム(ITO)、酸化亜鉛等を挙げることができる。
また、集電電極81の形状は、半導体電極3等全体から集電することができればよく、任意に選択することができる。例えば、平板形状、所定のパターンに形成した線状物(帯状物及び棒状物であってもよい)、及び平板形状と線状物を組み合わせた形状等を挙げることができる。更に、半導体電極3等の他面側以外の場所である、反対面及び側面に設けられていてもよい。また、集電電極81は、その一部又は全てが半導体電極3に埋設していてもよい。更に、集電電極81も触媒導電電極4及び透光性電極80にその一部又は全てが半導体電極3に埋設していてもよい。
線状物等である集電電極81は、そのパターンを任意に選択することができ、通常板状体や面状体等から集電に用いられるパターンを挙げることができる。この具体的な形状として格子状(図7参照。)、櫛歯状(図8参照。)又は放射状(図9参照。)等を例示することができる。更に、1種類のパターンのみで集電電極81を構成してもよいし、同種類及び/又は複数種類のパターンを複数組み合わせて集電電極81を構成してもよい。
また、上記格子形状としては、その格子の升目の形状として、三角形(正三角形及び正三角形以外も含む)、四角形(正四角形及び正四角形以外も含む)、五角形(正五角形及び正五角形以外も含む)、六角形(正六角形及び正六角形以外も含む)、円形(楕円形、その他ゆがんだ円形も含む)等を例示することができる。
線状物等である集電電極81の幅及び厚さは特に限定されず、その電気抵抗及びコスト等を勘案し設定することが好ましい。
線状物等である集電電極81を設ける方法は特に限定されないが、例えば、所定のパターンが形成されたマスクを用いて、マグネトロンスパッタ法及び電子ビーム蒸着法等の物理的蒸着法などでタングステン、チタン、ニッケル等の金属を堆積させ、その後、フォトリソグラフィー等によりパターニングする方法が挙げられる。また、各々の金属成分を含有するペーストを用いてスクリーン印刷法等によりパターニングし、その後、焼成する方法などにより形成することができる。
物理的蒸着法などに用いる金属としては、タングステン、チタン、ニッケルの他、銅等を用いることもできる。この金属としては、耐腐食性に優れるタングステン、チタン、ニッケル等を用いることが好ましい。更に、ペーストに含有される金属としても、タングステン、チタン、ニッケル、銅等を用いることができる。この金属としては、耐腐食性に優れるタングステン、チタン、ニッケル等を用いることが好ましい。
集電電極81は、通常透光性を有する必要がないが、透光性があってもよい。透光性を有する集電電極の場合は、金属(ただし、薄膜にできるものに限る)、導電性酸化物及び炭素等からなる薄膜を用いることができる。また、所定のパターンに形成した線状物を用いることができる。更に、薄膜及び線状物を組み合わせたものであってもよい。
本色素増感型太陽電池は、半導体電極3及び触媒導電電極4間が接するように配設されていていてもよいし、間隔が設けられていてもよい。間隔が設けられていてもその間が電解質6によって満たされていれば太陽電池として機能するからである。また、間隙部分が電解質6で全て満たされていてもよいし、大部分が満たされ一部が気泡等として残っていてもよい。
本色素増感型太陽電池は、透光性基板2及び基板5間の周面を接合部7で封止し、電解質6等の損失がないようにすることができる。この接合部7は樹脂等を用いることができ、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂及び熱硬化性ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂を挙げることができる。更に、この接合部7はガラスを用いることもでき、特に長期の耐久性を必要とする太陽電池では、ガラスにより封着することが好ましい。
以下、実施例により本発明の色素増感型太陽電池を具体的に説明する。
1.実施例1
本実施例1の色素増感型太陽電池は以下のように作製した。
(1)積層焼成体の作製
純度99.9質量%のアルミナ粉末100質量部に、焼結助剤として5質量部のマグネシア、カルシア及びシリカの混合粉末及び2質量部のバインダ並びに溶媒を配合してスラリーを調製し、このスラリーを用いてドクターブレード法により縦100mm、横100mm、厚さ2mmの基板5となるアルミナグリーンシートを作製した。
次いで、このアルミナグリーンシートの表面に、平均粒径が2μmの白金粒子を分散させたタングステンメタライズインクを用いて導電塗膜の表面にスクリーン印刷法により厚さ20μmの触媒導電電極4となる導電塗膜を積層形成した。
このような未焼成積層体を還元雰囲気にて1500℃で一体焼成し、図3に示すような触媒導電電極4を備える積層焼成体を得た。
(2)半導体電極の形成
縦100mm、横100mm、厚さが1mmのソーダガラス板(透光性基板2)の一全面に、RFスパッタリングにより、厚さ500nmのフッ素ドープ酸化スズからなる透光性電極80となる透光性導電層を形成した。その後、透光性導電層の表面に、粒径が10〜20nmのチタニア粒子を含有するペースト(Solaronix社製、商品名「Ti-Nonoxide D/SP」)をスクリーン印刷法により塗布し、120℃で1時間乾燥し、次いで、480℃で30分焼成して、縦90mm、横90mm、厚さ10μmのチタニア焼結層(電極基体32)を形成した。その後、この積層体を、ルテニウム錯体(Solaronix社製、商品名「535bis-TBA」)のエタノール溶液に10時間浸漬して、図2に一部を拡大して示すように、チタニア焼結粒子に増感色素31であるルテニウム錯体を付着させて半導体電極3を形成した。
(3)電解質6の封止
基板5となる積層焼成体の触媒導電電極4が形成された面であり、触媒導電電極4の周囲に、接合部7となる熱可塑性樹脂からなる厚さ60μmの接着剤シート(Solaronix社製、商品名「SX1170-60」)を配設した。その後、積層焼成体とガラス基板とを、触媒導電電極4と半導体電極3とが対向するように配置し、次いで、積層焼成体の側を下にして100℃に調温されたホットプレートに載せ、5分加熱した。加熱によって積層焼成体とガラス基板との間が接合され、接合部7を形成した。
未接合の部分である電解質溶液の注入口からヨウ素電解質(Solaronix社製、商品名「Iodolyte PN-50」)を注入し、半導体電極3に電解質6を含ませた。尚、注入したヨウ素電解質は触媒導電電極4と半導体電極の構造の隙間に充填される。その後、注入口は上記の接着剤を用いて封止し、図1に示す色素増感型太陽電池1を得た。
(4)色素増感型太陽電池の性能評価
上記(1)〜(3)により作製した色素増感型太陽電池1に、AM1.5にスペクトル調整したソーラーシミュレータによって、照射強度100mW/cmの擬似太陽光を照射したところ、変換効率7.0%の特性を有していた。
このように色素増感型太陽電池1は、従来の対極91及び触媒層92を一体とした対極である触媒導電電極4を備えるため、対極から触媒が剥がれることを抑制し、長期にわたって安定した出力を得ることができる。
2.実施例2
本実施例2は、図6に示すように、格子形状の集電電極81を透光性基板2及び透光性電極80の間に備えた色素増感型太陽電池1aである。また、対向する半導体電極3及び触媒導電電極4は接している。この色素増感型太陽電池1aは以下のように作製した。
(1)積層焼成体の作製
実施例1と同じ方法を用いて縦100mm、横100mm、厚さ2mmの基板5となるアルミナグリーンシートを作製した。
次いで、導電塗膜の表面に、平均粒径が2μmの白金粒子、及び多孔質にするための樹脂を分散させたタングステンメタライズインクを用いて導電塗膜の表面にスクリーン印刷法により厚さ20μmの触媒導電電極4となる導電塗膜を積層形成した。
このような未焼成積層体を還元雰囲気にて1500℃で一体焼成し、図4に示すような多孔質の触媒導電電極4を備える積層焼成体を得た。尚、図4に示す触媒導電電極4の孔40は、上記樹脂が焼失して形成された孔である。
(2)半導体電極の形成
縦100mm、横100mm、厚さが1mmのソーダガラス板(透光性基板2)の一全面に、銀ペースト(銀粉末の含有量75質量%)を用いてスクリーン印刷により集電電極81となるパターンを形成した。このパターンは図7に示すように、幅0.5mmの格子状パターンとした。その後、500℃で1時間保持して焼成し、集電電極81を形成した。次いで、ガラス板の集電電極81形成面の全面に、RFスパッタリングにより、厚さ500nmのフッ素ドープ酸化スズからなる透光性電極80となる透光性導電層を形成した。
その後、透光性導電層の表面に、実施例1と同様の方法を用いて半導体電極3を形成した。
(3)電解質6の封止
上記実施例1と同様に接合部7を形成した後、電解質6を封止し、色素増感型太陽電池1aを得た。
(4)色素増感型太陽電池の性能評価
上記(1)〜(3)により作製した色素増感型太陽電池1aに、AM1.5にスペクトル調整したソーラーシミュレータによって、照射強度100mW/cmの擬似太陽光を照射したところ、変換効率8.1%の特性を有し、実施例1と同様の結果を得た。
このように色素増感型太陽電池1aは、半導体電極3及び触媒導電電極4が接していても電流を出力することができる。また、図4に示すように孔40を多数備える多孔質の触媒導電電極4と、更に半導体電極3により低抵抗の集電電極81を具備するため、更に高い変換効率となった。
3.比較例
図10に示す、対極91上に触媒層92を設けた比較例の色素増感型太陽電池1bを作製した。
(1)積層焼成体の作製
上記アルミナスラリーを用いてドクターブレード法により縦100mm、横100mm、厚さ2mmの基板5となるアルミナグリーンシートを作製した。次いで、このアルミナグリーンシートの表面に、上記タングステンペーストをスクリーン印刷法により塗布し、対極91となる導電塗膜を積層形成した。また、白金成分を含有するメタライズインクを用いて導電塗膜の表面にスクリーン印刷法により厚さ500nmの触媒層92となる導電塗膜を積層形成した。
このような未焼成積層体を還元雰囲気にて1500℃で一体焼成し、積層焼成体を得た。
(2)半導体電極の作製
縦100mm、横100mm、厚さが1mmのガラス基板の表面に、RFスパッタリングにより、厚さ500nmのフッ素ドープ酸化スズからなる透光性電極80となる透光性導電層を形成した。次いで、この透光性導電層の表面に、上記チタニアペーストをスクリーン印刷法により塗布し、120℃で1時間乾燥し、その後、480℃で30分焼成して、縦90mm、横90mm、厚さ20μmのチタニア電極層(電極基体32)を形成した。更に、上記ルテニウム錯体のエタノール溶液に10時間浸漬して、増感色素31であるルテニウム錯体を付着させて半導体電極3を形成した。
(3)色素増感型太陽電池の作製
積層焼成体の積層焼成体の触媒層92周囲に、上記接着剤シートを配設し、その後、透光性基板2となるガラス基板体を、その半導体電極3と触媒層92とが対向するように配置した。次いで、積層焼成体の側を下にして100℃に調温されたホットプレートに載せ、5分加熱して接合部7を形成した。その後、未接合の部分から上記ヨウ素電解液を注入した。その後、注入口は上記の接着剤を用いて封止し、図7に示す色素増感型太陽電池を得た。
(4)実施例との比較
この比較例の性能を実施例1の場合と同様にして評価したところ、変換効率6.2%の特性であり、実施例1及び実施例2と比べて特性が劣っていることが分かる。
尚、本発明では、上記の実施例の記載に限られず、本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。例えば、触媒導電電極4に基板5と同物質の基板物質43を含めることができる。また、触媒導電電極4を構成する導電物質及び触媒の一部又は大部分が合金であってもよい。
更に、実施例1、2に用いた基板5はいずれもセラミックスであるが、これに限らず、金属、樹脂及びガラス等により形成することができる。また、電解質6は、不揮発性のイミダゾリウム塩等のイオン性液体及びこのイオン性液体をゲル化させたもの、並びにヨウ化銅、チオシアン化銅等の固体により設けることもできる。
本実施例の色素増感型太陽電池の断面を示す模式図である。 本実施例の色素増感型太陽電池の半導体電極を説明するための一部を拡大して示す模式図である。 本実施例の色素増感型太陽電池の触媒導電電極を説明するための一部を拡大して示す模式図である。 本実施例の色素増感型太陽電池の触媒導電電極を説明するための一部を拡大して示す模式図である。 本実施例の色素増感型太陽電池の触媒導電電極を説明するための一部を拡大して示す模式図である。 集電電極を具備する色素増感型太陽電池の断面を示す模式図である。 格子状の集電電極を説明するための模式図である。 櫛歯状の集電電極を説明するための模式図である。 放射状の集電電極を説明するための模式図である。 従来の色素増感型太陽電池の断面を示す模式図である。
符号の説明
1、1a、1b;色素増感型太陽電池、2;透光性基板、3;半導体電極、31;増感色素、32;電極基体、4;触媒導電電極、40;孔、41;導電物質、42;触媒、43;基板物質、5;基板、6;電解質、7;接合部、80;透光性電極、81;集電電極、91;対極、92;触媒層。

Claims (6)

  1. 透光性基板2と、
    該透光性基板2に配置された増感色素31を有する半導体電極3と、
    一面が該半導体電極3に対向するように配置されており、導電物質及び触媒を含有する触媒導電電極4と、
    該触媒導電電極4の他の面に設けられる基板5と、
    該半導体電極3の少なくとも一部に含まれ、且つ少なくとも該半導体電極3と該触媒導電電極4との間に充填される電解質6とを備えることを特徴とする色素増感型太陽電池。
  2. 上記触媒導電電極4は、上記導電物質を含有する導電物質層41中に上記触媒42が分散する請求項1記載の色素増感型太陽電池。
  3. 上記導電物質及び上記触媒は金属であり、上記触媒導電電極4は、該導電物質及び該触媒からなる合金を含有する請求項1記載の色素増感型太陽電池。
  4. 上記触媒導電電極4は、多孔質である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池。
  5. 上記基板5は、少なくとも上記触媒導電電極4側と対面する表層部が多孔質である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池。
  6. 上記触媒導電電極4は、該基板5を構成する物質と同物質である基板物質43を更に含有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の記載の色素増感型太陽電池。
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