JP2007123092A - 色素増感型太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】揮発による問題点を解決でき、適度な粘性を有し注液が容易であり、実用的に十分な発電効率を有する色素増感型太陽電池を提供すること。
【解決手段】色素増感型太陽電池1は、第1基板3と、第1基板3と平行に配置された第2基板5と、第1基板3と第2基板5との間に形成された電極室7と、電極室7内に充填された液体電解液(即ちイオン液体に有機溶媒を加えた液体電解液)からなる電解質層9とを備えている。第1基板3は、透光性基板13と透光性導電層15と半導体電極17とを備えている。第2基体5は、対向基板21と対向導電層23と対向電極25とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、光エネルギーを電気エネルギーに直接変換する色素増感型太陽電池に関する。詳しくは、発電効率が高く、色素増感型太陽電池の製造が容易な色素増感型太陽電池に関する。
現在、太陽光発電では、主にシリコン系(単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン)や、これらを組み合わせたHIT(Heterojunction with Intrinsic Thin-layer)等を用いた太陽電池が実用化され、主力技術となっており、これらの太陽電池では光電変換の効率も20%に迫る勢いである。
しかし、上述した技術では、素材製造にかかるエネルギーコストが高く、環境負荷などの面に課題が多く、価格や材料供給等の制限から、大量普及へは今一歩の状態である。
こうした状況の中で、下記特許文献1及び非特許文献1においてGratzel等により提案された色素増感型太陽電池が安価な太陽電池として注目されている。また、近年では、色素増感型太陽電池の発電効率等を向上させた各種の技術が提案されている(特許文献2参照)。
この太陽電池は、例えば増感色素を担持させた酸化チタン多孔質電極と対極との間の空間内に、電解液(例えばアセトニトリル等の溶媒にヨウ化物等の電解質を含む液体)を介在させた構造を有しており、現行のシリコン系太陽電池に比べて、ある程度高い光電変換効率を確保しながらも、材料的、製法的に大幅にコストダウンできる可能性がある。
特開平1−220380号公報 特開2005−135902号公報 Nature誌(第353巻、pp.737-740、1991年)
しかしながら、両電極間の空間内に電解液を充填した構造では、基本的に、電解液の揮発という問題がある。
この対策として、電解液としてイオン液体を用いるという手法が考えられるが、イオン液体は、そのままでは粘性が高く、太陽電池を大型モジュール化した際に注液が困難という問題がある。また、イオン液体のみを用いた場合には、従来の(有機溶媒からなる)電解液を用いた場合に比べて、変換効率が悪いという問題もある。
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、揮発による問題点を解決でき、注液が容易であり、しかも、実用的に十分な発電効率を有する色素増感型太陽電池を提供することを目的とする。
(1)請求項1の発明は、透光性基板と、前記透光性基板に対して間隙をあけて対向して配置された対向基板と、前記透光性基板の前記間隙側に設けられ、増感色素を有する半導体電極と、前記対向基板の前記間隙側にて前記半導体電極と対向して設けられた対向電極と、を備え、前記半導体電極と前記対向電極との間に液体電解液を充填した色素増感型太陽電池において、前記液体電解液として、イオン液体に有機溶媒を加えた液体電解液を用いたことを特徴とする。
本発明では、液体電解液として、イオン液体に有機溶媒を加えた液体電解液(以下調整液体電解液ともいう)を用いる。
そのため、従来の(有機溶媒からなる)電解液を用いた場合と比べて、調整液体電解液が蒸発しにくいという効果がある。また、従来のイオン液体を用いた場合と比べて、粘性が小さいので、太陽電池を大型モジュール化した際にも、注液が容易であるという利点がある。更に、イオン液体のみを用いた場合に比べて、光エネルギーから電気エネルギーへの変換効率が良いという効果がある。
(2)請求項2の発明は、前記液体電解液は、イオン液体に対して前記有機溶媒を1〜80体積%を加えたもの(外体積%)であることを特徴とする。
本発明では、イオン液体に対して有機溶媒を1〜80体積%加えたので、蒸発しにくく、注液が容易で、変換効率も高いという効果がある。
(3)請求項3の発明は、前記液体電解液は、イオン液体に対して前記有機溶媒を5〜30体積%を加えたもの(外体積%)であることを特徴とする。
本発明では、イオン液体に対して有機溶媒を5〜30体積%加えたので、蒸発しにくく、注液が容易で、変換効率も高いという効果のバランスが好適である。
(4)請求項4の発明は、前記調整液体電解液の粘度が、1〜100mPasであることを特徴とする。
本発明では、調整液体電解液の粘度が適度であるので、注液が容易であるという利点がある。
尚、前記各請求項の発明においては、半導体電極と対向電極との間に密閉空間を形成し、その密閉空間内に調整液体電解液を充填することができる。例えば、密閉空間を形成するように、半導体電極と対向電極との間、従って、半導体電極を備えた透光性基板である第1基体と対向電極を備えた対向基板である第2基体との間を所定間隙に保つスペーサを用いることができる。このスペーサを用いることにより、容易に(区画された空間である)密閉空間を形成することができる。
また、調整液体電解液は、密閉空間内に充填されて半導体電極と対向電極とに接触するが、前記各電極が浸透性を有する場合(例えば多孔質の場合)には、電極内にも調整液体電解液が浸入する。
次に、本発明の最良の形態の例(実施形態)について説明する。
<1>まず、本発明の各実施形態について説明する。尚、各実施形態で同様な構成には同じ番号を付した。
[第1実施形態]
図1に示す様に、第1実施形態の色素増感型太陽電池1は、平板状の第1基板3と、第1基板3と平行に配置された平板状の第2基板5と、第1基板3と第2基板5との間に形成された板状の密閉空間(電極室)7と、電極室7内に充填された液体電解液からなる電解質層9と、電極室7を形成するために第1基板3と第2基板5との間に配置されたスペーサ11とを備えている。
前記第1基板3は、透光性基板13と、透光性基体13の一面側の表面(同図下方の第2基体5側の表面)に形成された透光性導電層15と、透光性導電層15の一面側の表面(第2基体5側の表面)に形成された半導体電極17とを備えている。尚、この半導体電極17には、増感色素19(図5参照)が添加されている。
一方、前記第2基体5は、透光性基板13に対向する対向基板21と、対向基板21の一面側の表面(同図上方の第1基体3側の表面)に形成された対向導電層23と、対向導電層21の一面側の表面(第1基体3側の表面)にて半導体電極17と対向して形成された対向電極25とを備えている。この対向電極25は、触媒機能を有する触媒電極である。
また、スペーサ11は、第1基板3と第2基板5との間の空間を区分して電極室7を形成するように、上下の透光性導電層15と対向導電層25の表面に接触して、第1基板3と第2基板5とに対して垂直に立設されている。
特に、本実施形態では、後に詳述する様に、液体電解液としては、色素増感型太陽電池1の光電変換効率等の高い性能を維持するとともに、適度な粘性を確保するために、イオン液体に有機溶媒を加えた溶液を用いている(他の実施形態も同様)。
尚、ここでは、透光性基板13及び対向基板21はガラス基板であり、対向導電層23は透光性導電層15と同様な透光性を有する導電層である。
[第2実施形態]
図2に示す様に、第2実施形態の色素増感型太陽電池31は、基本的に第1実施形態と同様であるが、透光性基板13と透光性導電層15との間に、透光性導電層15の抵抗を下げるために、集電電極33を備えていることを特徴としている。
この集電電極33は、半導体電極17を取り囲むように、透光性導電層15の表面に配設する。尚、集電電極33の平面形状は、例えば、格子状、網目状、櫛歯状、放射状等とすることができる。
また、集電電極33には、図3に示す様に、取り出し電極35を連設することもでき、この取り出し電極35から電力を取り出すことができる。
[第3実施形態]
図4に示す様に、第3実施形態の色素増感型太陽電池41は、基本的に第2実施形態と同様であるが、対向基板43としてセラミック基板を用いるとともに、対向電極層45として非透光性の導電材料を用いることを特徴としている。
<2>次に、上述した色素増感型太陽電池の各構成について説明する。
・前記「透光性基板」としては、ガラス、樹脂シート等からなる基板が挙げられる。この樹脂シートとしては、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリエチリデンノルボルネン等を用いて作製された樹脂シートが挙げられる。透光性基板の厚さは、材質によっても異なり、下記の透光性により表される可視光透過率が60〜99%、特に85〜99%となる厚さであることが好ましい。
尚、この透光性とは、波長400〜900nmの可視光の透過率が10%以上であることを意味する。この可視光透過率は60%以上、特に85%以上であることが好ましい。 透光性(%)=(透光性基板を透過した光量/透光性基板に入射した光量)×100
・前記「半導体電極」は、図5に例示する様に、多孔質電極基体(51)と、多孔質電極基体(25)に付着した増感色素(19)とを有する。
半導体電極の厚さとしては、0.1〜100μmとすることができ、1〜30μm、特に2〜25μmとすることが好ましい。半導体電極の厚さが0.1〜100μmであれば、光電変換が十分になされ、発電効率が向上する。
・前記「多孔質電極基体」は、金属酸化物、金属硫化物等により形成することができる。金属酸化物としては、チタニア、酸化スズ、酸化亜鉛、五酸化二ニオブ等の酸化ニオブ、酸化タンタル及びジルコニア等が挙げられる。更に、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム等の複酸化物を用いることもできる。また、金属硫化物としては、硫化亜鉛、硫化鉛、硫化ビスマス等が挙げられる。
・前記「増感色素」は、光電変換の効率を向上させる作用を有する。この増感色素としては、錯体色素及び有機色素を用いることができる。錯体色素としては金属錯体色素が挙げられ、有機色素としてはポリメチン色素、メロシアニン色素等が挙げられる。金属錯体色素としてはルテニウム錯体色素及びオスミウム錯体色素等が挙げられ、ルテニウム錯体色素が特に好ましい。
また、光電変換がなされる波長域を拡大し、変換効率を向上させるため、光電変換がなされる波長域の異なる2種以上の増感色素を併用することもできる。この場合、照射される光の波長域と強度分布とによって併用する増感色素の種類及びそれらの量比を設定することが好ましい。更に、増感色素は半導体電極に結合するための官能基を有することが好ましい。この官能基としては、カルボキシル基、スルホン酸基及びシアノ基等が挙げられる。
尚、増感色素の付着量は、多孔質電極基体1gに対して0.01〜1ミリモル、特に0.5〜1ミリモルであることが好ましい。付着量が0.01〜1ミリモルであれば、半導体電極における光電変換が効率よくなされる。
・前記「対向基板」としては、透光性を有している対向基板や、透光性を有していない対向基板が挙げられる。
透光性を有している対向基板としては、ガラス、樹脂シート等からなる基板が挙げられる。この樹脂シートとしては、前記の透光性基板の場合と同様の樹脂を用いて作製されたシートが挙げられる。
透光性を有していない対向基板としては、金属基板及びセラミック基板等が挙げられる。このうち、太陽電池の耐久性を向上させることができるセラミック基板が好ましい。セラミック基板を作製するためのセラミックとしては、酸化物系セラミック、窒化物系セラミック、炭化物系セラミック等の各種のセラミックを用いることができる。酸化物系セラミックとしては、アルミナ、ムライト、ジルコニア等が挙げられる。また、窒化物系セラミックとしては、窒化ケイ素、サイアロン、窒化チタン、窒化アルミニウム等が挙げられる。更に、炭化物系セラミックとしては、炭化ケイ素、炭化チタン、炭化アルミニウム等が挙げられる。
セラミックとしては、アルミナ、窒化ケイ素、ジルコニア等が好ましく、アルミナが特に好ましい。アルミナは耐食性が高く、強度が大きく、電気絶縁性にも優れ、このアルミナからなる基板とすることで、より優れた耐久性を有する色素増感型太陽電池とすることができる。尚、アルミナを含有するセラミック基板の場合、この基板に含まれるセラミックの全量を100質量%とした場合に、アルミナが80質量%以上、特に90質量%以上、更に95質量%以上(100質量%であってもよい。)であることが好ましい。
このセラミック基板は緻密化されていることが好ましく、例えば、アルミナの場合、その相対密度が90%以上、特に93%以上、更に95%以上であることが好ましい。
また、セラミック基板の厚さは特に限定されないが、100μm〜5mm、特に500μm〜5mm、更に1〜5mmとすることができ、300μm〜3mmとすることが好ましい。
・「対向電極」としては、触媒電極を採用できる。この触媒電極は、触媒活性を有し、且つ電気化学的に安定な物質(以下、「触媒活性を有する物質」という。)、又はそのものは触媒活性を有さず、且つ触媒活性を有する物質を含有する、金属、導電性酸化物及び導電性高分子のうちの少なくとも1種、により形成することができる。
触媒活性を有する物質としては、白金、ロジウム、カーボンブラック等が挙げられ、これらは併せて導電性を有する。触媒電極は、触媒活性が高く、且つ電気化学的に安定な白金及びロジウムにより形成することが好ましく、触媒活性が高く、且つ電気化学的により安定で電解質溶液に溶解され難い白金を用いることが特に好ましい。
触媒活性を有さない、金属、導電性酸化物、導電性高分子等を用いる場合、触媒活性を有する物質の含有量は、触媒活性を有さない、金属、導電性酸化物、導電性高分子等を100質量部とした場合に、1〜99質量部、特に50〜99質量部であることが好ましい。尚、この金属としては、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム等が挙げられる。
更に、触媒電極としては、樹脂に、触媒活性を有する物質及びその他の各種の導電性物質を配合して調製した樹脂組成物を用いて形成したものが挙げられる。
このように、触媒電極は、触媒活性及び導電性を有する物質により形成することができる。また、そのものは触媒活性を有さず、且つ触媒活性を有する物質を含有する、金属、導電性酸化物及び導電性高分子のうちの少なくとも1種により形成することもできる。
更に、触媒電極は、1種の材料のみからなる電極でもよく、2種以上の材料からなる混合電極でもよい。また、触媒電極は、単層でもよく、金属層、導電性酸化物層、導電性高分子層、並びに金属、導電性酸化物及び導電性高分子のうちの2種以上からなる混合層のうちの2層以上からなる多層の触媒電極でもよい。
また、触媒電極には、取り出し電極を連設することもでき、この取り出し電極から電力を取り出すことができる。この取り出し電極は、触媒電極の形成時に同時に一体に形成することができる。
・「電解質層」は、電極室内に液体電解液が充填された層、即ち、イオン液体に有機溶媒を加えた調整液体電解液が充填された層である。
このイオン液体としては、ヨウ化物の常温溶融塩を用いることができる。このヨウ化物の常温溶融塩としては、イミダゾリウム塩、ピリジニウム塩、ピロリジニウム塩、ピラゾリジウム塩、イソチアゾリジニウム塩及びイソオキサゾリジニウム塩等の各種の常温溶融塩が挙げられる。ヨウ化物の常温溶融塩のうちではイミダゾリウム塩が好ましい。これらの常温溶融塩は種類の異なる2種以上を併用することもできる。
イミダゾリウム塩としては、例えば、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムアイオダイド、1−メチル−3−n−プロピルイミダゾリウムアイオダイド、1−メチル−3−iso−プロピルイミダゾリウムアイオダイド、1−メチル−3−ブチルイミダゾリウムアイオダイド、1−メチル−3−iso−ブチルイミダゾリウムアイオダイド、1−メチル−3−sec−ブチルイミダゾリウムアイオダイド、1−メチル−3−ペンチルイミダゾリウムアイオダイド、1−メチル−3−iso−ペンチルイミダゾリウムアイオダイド、1−メチル−3−ヘキシルイミダゾリウムアイオダイド、1−メチル−3−iso−ヘキシルイミダゾリウムアイオダイド、1,1−ジメチルイミダゾリウムアイオダイド、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾールアイオダイド、1−エチル−3−iso−プロピルイミダゾリウムアイオダイド及び1−プロピル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイド等のイミダゾリウム塩が挙げられる。このイミダゾリウム塩は1種のみ含有されていてもよく、2種以上が含有されていてもよい。
液体電解液には、更にヨウ素が含有されることが好ましい。ヨウ素の含有量はイオン液体1リットル当たり0.01〜10モル、特に0.05〜0.5モルであることが好ましい。このヨウ素は、電解液においてヨウ化物と混合されて可逆的な酸化還元対として作用し、これによって半導体電極と触媒電極との間の電荷輸送の速度が大きくなり、変換効率の高い色素増感型太陽電池とすることができる。
液体電解液には、この他、ヨウ化リチウム及び4−tert−ブチルピリジン等が含有されていてもよい。
また、有機溶媒としては、例えばアセトニトリル等のニトリル系、プロピレンカーボネート等のカーボネート系、ガンマブチロラクトン系のラクトン系、エタノール等のアルコール系などを用いることができる。
更に、イオン液体と有機溶媒との使用割合としては、イオン液体に対する有機溶媒の混合量が、外体積%で、1〜80体積%(好ましくは5〜30体積%)を採用できる。
調整液体電解液の粘度としては、1〜100mPasの範囲を採用できる。
・前記「透光性導電層」は、透光性及び導電性を有しておればよい。この透光性導電層は特に限定されず、導電性酸化物からなる薄膜、炭素薄膜等が挙げられる。
導電性酸化物としては、酸化インジウム、スズドープ酸化インジウム(ITO)、酸化スズ、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)等が挙げられる。この透光性導電層15の厚さは材質によっても異なり、特に限定されないが、表面抵抗が100Ω/cm2以下、特に1〜10Ω/cm2となる厚さであることが好ましい。
この透光性導電層の透光性の意味及び好ましい可視光透過率は、透光性基板の場合と同じである。
・前記「対向導電層」は、対向基板の一面に設けることもできる。この場合、対向基板がガラス基板等の透光性を有する基板であるときは、透光性基板の側に設けられる透光性導電層と同様の材料を用いて、同様の方法により対向基板の一面に形成することができる。一方、対向基板がセラミック基板等の透光性を有さない基板であるときは、透光性を有さない導電層とすることができる。この対向導電層は、透光性を有していなくてもよいこともあって、その厚さは特に限定されず、基板抵抗は可能な限り低くできる方が好ましい。特に表面抵抗が10Ω/cm2以下、更に0.01Ω/cm2以下となる厚さであることが好ましい。
・前記「集電電極」は、白金、金等の貴金属、タングステン、チタン、ニッケルなどの金属により形成することができる。
また、この集電電極が、透光性基板と透光性導電層との間に設けられたとき、及び透光性導電層の表面に設けられ、且つ樹脂、ガラス等で保護されるときは、集電電極とイオン液体等とは直接接触しない。一方、集電電極が、透光性導電層の表面に設けられ、樹脂、ガラス等で保護されないときは、集電電極とイオン液体等とは直接接触することになる。
このように集電電極が液体電解液と直接接触するときとしないときとがあるが、いずれの場合も、耐食性に優れ、且つ安価なタングステン、チタン及びニッケルを用いることができ、特に耐食性に優れるタングステンがより好ましい。
・また、前記色素増感型太陽電池では、例えば、微粒子が集合してなる集合体の形態を有する半導体電極の空孔内にイオン液体を主成分とする液体電解液が含浸されて含有され、且つ半導体電極と触媒電極との間に液体電解液が充填されている。
このように半導体電極と触媒電極との間に液体電解液を充填させる方法は特に限定されないが、例えば、透光性導電層と対向基板又は触媒電極との間を、半導体電極の周囲において樹脂又はガラスにより封着し、形成される密閉空間に電解液を注入することで形成することができる。
液体電解液は、透光性基板又は対向基板に設けられた注入口(図示せず)から注入することができる。この注入口は、透光性基板又は対向基板のいずれの側に設けてもよいが、例えば、透光性基板がガラス基板である場合は穿孔が容易ではない。一方、対向基板がセラミック基板である場合、このセラミック基板はガラス基板に比べて穿孔し易く、特に、未焼成シートのうちに孔開けパンチ等を用いて極めて容易に穿孔することもできる。そのため、特に、対向基板がセラミック基板であるときは、このセラミック基板に注入口を設けることが好ましい。
更に、液体電解液は、上記のように透光性導電層と対向基板又は触媒電極との間を封着するために設けられたスペーサと透光性導電層との隙間、及びスペーサに設けられた注入口等から注入することもできる。尚、注入口は1個でよいが、空気抜きのため更に他の孔を設けることもできる。このように空気抜きのための孔を設けることで、液体電解液をより容易に注入することができる。
半導体電極の周囲の封着に用いられる樹脂としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、熱硬化性ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。更に、この封着はガラスにより行うこともでき、特に長期の耐久性を必要とする太陽電池では、ガラスにより封着することが好ましい。
ここでは、透光性基板及び対向基板にガラス基板を用いた第1実施形態を例を挙げて説明する。
(1)第1基体3の作製
まず、縦25mm×横15mm×厚さ1mmのガラス基板上に厚さ300nmのフッ素ドープ酸化スズからなる透光性導電層15が形成された透光性基板13を用い、その透光性導電層15の表面に、粒径が10〜20nmのチタニア粒子を含有するペースト(Solaronix社製、商品名「Ti-Nonoxide D/SP」)を、5mm角にスクリーン印刷法により塗布した。
次に、このペーストを塗布した透光性基板13を、120℃で1時間乾燥し、500℃で30分焼成した。これにより、半導体電極17の多孔質電極基体51を形成した。
また、ルテニウム色素であるルテニウム錯体(小島化学社製、商品名「N−719」)を、t−ブタノールとアセトニトリルの1:1の混合溶液に溶解させ、5×10-4モル/リットル濃度のアセトニトリル/t−ブタノール溶液を調整した。
次いで、このルテニウム錯体溶液に、多孔質電極基体51及び透光性基板13を24時間浸漬して、色素吸着を行わせ、チタニア電極である縦5mm×横5mm×厚さ20μmの半導体電極17を形成した。これにより、第1基体3を作製した。
(2)第2基体5の作製
前記第1基板3とは別に、前記(1)の作業手順に沿って、フッ素ドープ酸化チタン付きガラス基板、即ち対向導電層23を有する対向基板21を作成した。
そして、このフッ素ドープ酸化チタン付きガラス基板に、スパッタ法によって白金をコートして、触媒電極である対向電極25を形成し、第2基板5を作成した。
(3)色素増感型太陽電池の作製
第1基板3の透光性導電層15と第2基板5の対向導電層23との間に、両導電層15、23の枠部分に沿ってスペーサ11を形成した。
詳しくは、対向基板21の対向電極25が形成されていない部分に、スペーサ11として、熱可塑性樹脂からなる厚さ50μmの熱融着フィルム(三井デュポンポリケミカル社製、商品名「ハイミラン1702」)を配設し、熱圧着を行い封止した。
その後、対向基板21上に開けられた注入穴より、電極室7内に注射器にて液体電解液を注入した。
この液体電解液は、イオン液体であるメチルプロピルイミダゾリウムアイオダイド(MPII)と有機溶媒であるプロピレンカーボネート(PC)とを、7:3の容量比で混ぜたものに、I2を0.3M、LiIを0.5M、4tertブチルピリジン(TBP)を0.58M加えた液体電解液である。
そして、この液体電解液を電極室7内に注入後、注入穴をUV硬化樹脂にて封止し、色素増感型太陽電池1を製造した。
(4)性能評価
・上記(1)〜(3)で製造した色素増感太陽電池(試料1)に、ソーラーシュミレーターを用いて100mW/cm2の疑似太陽光を照射し、IVトレーサー(英弘精機社製、型式「MP−160」)を用いて、電流−電圧曲線を測定し、また、開放電圧(Voc)、短絡電流密度(Jsc)、フィルファクター(FF)、及び光電変換効率(η)を求めた。その結果を、図6及び下記表1に記す。
ここで、開放電圧(Voc)は、電流値0mAのときの電圧値である。短絡電流密度( Jsc)は、電圧値0Vのときの電流値を半導体電極の面積で除したものである。フィルファクター(FF)は、曲線因子ともいわれるものであり、(Jmax×Vmax)/(Jsc×Voc)で表される(Jmax、Vmaxは電流−電圧曲線において電力値が最大となる点の電流密度値及び電圧値である。)。光電変換効率(η)は、入射光から電気エネルギーへの変換効率であり、100×(Voc×Jsc×FF)/Poで計算される(Poは入射光強度である。)。
・また、比較例1として、I2:0.3M、LiI:0.5M、TBP:0.58Mを、MPIIに混ぜ、それに水を5重量%添加して液体電解液を調整し、他は試料1と同様にして試料2を作成した。その結果を、同じく図6及び下記表1に示す。
・更に、比較例2として、I2:0.3M、LiI:0.5M、TBP:0.58Mを、MPIIに混ぜて電解液を調整し、他は試料1と同様にして試料3を作成した。その結果を、同じく図6及び下記表1に示す。
・また、各試料の粘性(粘度)も、粘度計にて測定した。その結果も、同じく下記表1に記す
Figure 2007123092
この表1から明かな様に、本発明の範囲の実施例の試料1は、液体電解液として、イオン液体に有機溶媒を加えた液体を主成分としているので、光電変換率ηを始め、他の特性も十分に高く、液体電解液として優れた特性を有していることが分かる。また、粘性に関しても、有機溶媒を添加しているので十分に低く、太陽電池モジュールが大型化しても、注液をスムーズに行うことが可能であることがわかる。
それに対して、本発明の範囲外の比較例の試料2、3では、光電変換率ηを始め、電気的な特性に関しては、ある程度高い特性が得られるが、液体電解液中に有機溶媒を添加していないので粘性が高く、前記実施例に比べると、注液がスムーズにいかないことが予想され、好ましくない。
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
第1実施形態の色素増感型太陽電池の断面を示す模式図である。 第2実施形態の色素増感型太陽電池の断面を示す模式図である。 第2実施形態の色素増感型太陽電池をガラス基板の側からみた説明図である。 第3実施形態の色素増感型太陽電池の断面を示す模式図である。 半導体電極の構造を拡大して模式的に示す説明図である。 評価試験による電流−電圧曲線を示すグラフである。
符号の説明
1…色素増感型太陽電池
3…第1基板
5…第2基板
7…電極室
9…電解質層(液体電解液)
11…スペーサ
13…透光性基板
15…透光性導電層
17…半導体電極
19…増感色素
21…対向基板
25…対向電極

Claims (4)

  1. 透光性基板と、
    前記透光性基板に対して間隙をあけて対向して配置された対向基板と、
    前記透光性基板の前記間隙側に設けられ、増感色素を有する半導体電極と、
    前記対向基板の前記間隙側にて前記半導体電極と対向して設けられた対向電極と、
    を備え、
    前記半導体電極と前記対向電極との間に液体電解液を充填した色素増感型太陽電池において、
    前記液体電解液として、イオン液体に有機溶媒を加えた液体電解液を用いたことを特徴とする色素増感型太陽電池。
  2. 前記液体電解液は、イオン液体に対して前記有機溶媒を1〜80体積%を加えたものであることを特徴とする前記請求項1に記載の色素増感型太陽電池。
  3. 前記液体電解液は、イオン液体に対して前記有機溶媒を5〜30体積%を加えたものであることを特徴とする前記請求項2に記載の色素増感型太陽電池。
  4. 前記イオン液体に有機溶媒を加えた液体電解液の粘度が、1〜100mPasであることを特徴とする前記請求項1〜3のいずれかに記載の色素増感型太陽電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010251298A (ja) * 2009-04-17 2010-11-04 National Cheng Kung Univ 電解質ゲル化剤及びそれを用いて調製されるゲル状電解質
WO2014092081A1 (ja) * 2012-12-13 2014-06-19 国際先端技術総合研究所株式会社 色素増感タンデム2酸化ケイ素ソーラーセル

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