JP2012172031A - インク組成物、およびこれを用いたインクジェット記録方法 - Google Patents

インク組成物、およびこれを用いたインクジェット記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発色性および色相のバランスに優れ、耐光性および耐ガス性に優れ、かつ、保存安定性に優れたインク組成物を提供する。
【解決手段】インク組成物は、水と、下記一般式(1)で表される化合物またはその塩と、他のアゾ化合物またはその塩と、を含有するインク組成物。
Figure 2012172031

(式(1)中、nは、0または1であり、基Aは、置換複素環基であり、基Bは、置換されていてもよいフェニル基またはナフチル基であり、Rは、アルキル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、フェニル基等を示し、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、塩素原子、ヒドロキシ基、スルホ基、カルボキシ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキル基等を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、インク組成物およびこれを用いたインクジェット記録方法に関する。
従来から、色材として染料を含有するインク組成物が知られている。色材として染料を含有するインク組成物は、多様な分野に用いられており、その分野によっては、発色濃度および色相のバランスに優れた画像を記録できるものであることが要求される。このようなインク組成物を用いて記録される画像の発色性や色相は、インク組成物に含まれる染料に起因することが多い。そのため、インク組成物に含有される染料は、記録される画像の発色性を優れたものにでき、所望の色相の画像を得るために色相のバランスに優れたものであることが求められる。
一方、インク組成物は、種々の用途に用いられ、例えば、インクジェット記録方法で使用される場合がある。インクジェット記録方法は、インクジェット記録ヘッド等からインク組成物の液滴を吐出させて、該液滴を被記録媒体に付着させて画像の記録を行うものである。
このようなインクジェット記録方法により得られた画像は、多様な環境下で用いられる。例えば、屋外に設置された画像は、太陽光等の照射を受けたり、大気中のガス(例えば、オゾン、窒素酸化物、硫黄酸化物等)に晒されたりする。このような環境下に置かれた画像は、画像の形成に用いられたインク組成物に含まれる染料等の分解によって、経時的に色濃度が低下する場合がある。そのため、引用文献1には、耐光性および耐ガス性等の良好な染料をインク組成物に添加することが記載されている。
特開2006−176585号公報
しかしながら、上述のインク組成物を用いて記録された画像は、発色性および色相のバランスに優れない場合や、耐光性および耐ガス性が低下する場合があった。また、上述のインク組成物を貯蔵した場合に、インク組成物中で染料が分解することにより、インク組成物の保存安定性が低下する場合があった。
本発明のいくつかの態様にかかる目的は、上述の課題の少なくとも一部を解決することであり、特に発色性、色相のバランスおよび耐ガス性に優れたインク組成物を提供することにある。
本発明は、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係るインク組成物の一態様は、
水と、
下記一般式(1)で表される化合物またはその塩と、
下記一般式(21)で表される化合物またはその塩と、を含有する。
Figure 2012172031
(式(1)中、nは、0または1であり、
は、カルボキシ基;C1−C8アルコキシカルボニル基;C1−C8アルコキシカルボニル基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルキル基;またはヒドロキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいフェニル基を表し、
、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子;塩素原子;ヒドロキシ基;スルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;カルバモイル基;C1−C4アルキル基;ヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、ヒドロキシC1−C4アルコキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基;ヒドロキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいモノもしくはジC1−C4アルキルアミノ基;ヒドロキシ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルキルカルボニルアミノ基;ヒドロキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいN’−C1−C4アルキルウレイド基;ベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいフェニルアミノ基;ベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいベンゾイルアミノ基;またはベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいフェニルスルホニルアミノ基;をそれぞれ表し、
基Aは、下記一般式(2)または下記一般式(3)で表される置換複素環基であり、
Figure 2012172031
(式(2)中、Rは、メルカプト基;またはヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、ヒドロキシC1−C4アルコキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルキルチオ基を表す。)
Figure 2012172031
(式(3)中、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子;塩素原子;カルボキシ基;スルホ基;ニトロ基;ヒドロキシ基;カルバモイル基;スルファモイル基;C1−C4アルキル基;ヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基;ヒドロキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルキルスルホニル基;またはベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいフェニルスルホニル基;をそれぞれ表す。)
基Bは、置換されていてもよいフェニル基またはナフチル基であり、
基Bが置換フェニル基の場合は、ヒドロキシ基;スルホ基;カルボキシ基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;アミノ基;モノもしくはジC1−C4アルキルアミノ基;アセチルアミノ基;およびベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいベンゾイルアミノ基;よりなる群から選択される置換基を有し、
基Bが置換ナフチル基の場合は、ヒドロキシ基;スルホ基;C1−C4アルコキシ基;およびベンゼン環がメチル基、ニトロ基または塩素原子で置換されていてもよいフェニルスルホニルオキシ基;よりなる群から選択される置換基を有する。)
Figure 2012172031
(式(21)中、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27およびR28は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;スルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;カルバモイル基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;置換基として、ヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、ヒドロキシC1−C4アルコキシ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたC1−C4アルコキシ基;C1−C4アルキルカルボニルアミノ基;カルボキシ基で置換されたC1−C4アルキルカルボニルアミノ基;ウレイド基;モノC1−C4アルキルウレイド基;ジC1−C4アルキルウレイド基;置換基として、ヒドロキシ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたモノC1−C4アルキルウレイド基;置換基として、ヒドロキシ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたジC1−C4アルキルウレイド基;ベンゾイルアミノ基;ベンゼン環が、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたベンゾイルアミノ基;ベンゼンスルホニルアミノ基;または、ベンゼン環が、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたフェニルスルホニルアミノ基;を表し、
Xは、2価の架橋基を表す。)
適用例1に記載のインク組成物によれば、発色性および色相のバランスに優れ、耐光性および耐光性に優れた画像を記録できると共に、保存安定性に優れている。なお、本発明において「画像」とは、ドット群から形成される印字パターンを示し、テキスト印字、ベタ印字も含める。
[適用例2]
適用例1において、
さらに、下記一般式(51)で表される化合物を含有することができる。
Figure 2012172031
(式(51)中、R51は、ハロゲン原子;水素原子;SOM;またはCOOM;を表し、
52およびR53は、それぞれ独立に、水素原子;SOM;またはCOOM;を表し、
Mは、それぞれ独立に、LiおよびNaの少なくとも一方を表す。
ただし、R52およびR53がいずれも水素原子である場合はない。)
[適用例3]
適用例1または適用例2において、
前記一般式(21)中の前記Xで表される2価の架橋基は、C1−C8アルキレンジアミノ基;ヒドロキシ基またはカルボキシ基で置換されたC1−C8アルキレンジアミノ基;N−C1−C4アルキル−C1−C6アルキレンジアミノ基;アルキル部分がヒドロキシ基またはカルボキシ基で置換されたN−C1−C4アルキル−C1−C6アルキレンジアミノ基;アミノC1−C6アルコキシC1−C6アルキルアミノ基;アミノC1−C4アルコキシC1−C4アルコキシC1−C4アルキルアミノ基;キシリレンジアミノ基;ピペラジン−1,4−ジイル基;C1−C4アルキル基またはC1−C4アルコキシ基で置換されたピペラジン−1,4−ジイル基;またはフェニレンジアミノ基;よりなる群から選択されるいずれかの基であることができる。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれか1例において、
前記一般式(21)中の前記R21、前記R22、前記R23、前記R24、前記R25、前記R26、前記R27および前記R28は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたC1−C4アルコキシ基;またはC1−C4アルキルカルボニルアミノ基;であることができる。
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれか1例において、
前記一般式(21)で表される化合物またはその塩は、下記式(41)で表される化合物またはその塩であることができる。
Figure 2012172031
[適用例6]
適用例1ない適用例5のいずれか1例において、
前記一般式(1)で表される化合物またはその塩は、下記式(14)で表される化合物またはその塩であることができる。
Figure 2012172031
[適用例7]
適用例2ないし適用例6のいずれか1例において、
前記一般式(51)で表される化合物は、下記一般式(52)で表される化合物であることができる。
Figure 2012172031
(式(52)中、Mは、それぞれ独立に、LiおよびNaの少なくとも一方を表す。)
[適用例8]
適用例1ないし適用例7のいずれか1例において、
さらに、有機酸および有機塩基の少なくとも一方を含有し、
前記有機酸は、アジピン酸、クエン酸およびコハク酸から選択される少なくとも1種であり、
前記有機塩基は、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミンおよびトリイソプロパノールアミンから選択される少なくとも1種であることができる。
[適用例9]
適用例1ないし適用例8のいずれか1例において、
前記一般式(1)で表される化合物またはその塩の含有量[MA(質量%)]と、前記一般式(21)で表される化合物またはその塩の含有量[MB(質量%)]と、の比率(MB/MA)は、0.4以上1以下であることができる。
[適用例10]
適用例2ないし適用例9のいずれか1例において、
前記一般式(1)で表される化合物またはその塩の含有量[MA(質量%)]と、前記一般式(51)で表される化合物の含有量[MC(質量%)]と、の比率(MC/MA)は、0.5以上1.5以下であることができる。
[適用例11]
適用例1ないし適用例10のいずれか1例において、
20℃におけるpHが、7以上7.5以下であることができる。
[適用例12]
本発明に係るインクジェット記録方法の一態様は、
適用例1ないし適用例11のいずれか1例に記載のインク組成物の液滴を吐出する工程を有する。
以下に本発明の好適な実施の形態について説明する。以下に説明する実施の形態は、本発明の一例を説明するものである。また、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。
なお、本発明において、スルホ基、カルボキシ基等の酸性官能基は、特に断りがない限り、遊離酸の形態で表す。
本発明において、「Cv−Cwアルキル(基)」(vおよびwは、それぞれ整数である。)とは、v〜w個の炭素原子を含むアルキル基を意味する。例えば、C1−C4アルキルは、1〜4個の炭素原子を含むアルキル基のことをいう。アルキル基は、特に断りがない限り、直鎖または分岐鎖のいずれの構造であってもよい。
また、「Cv−Cwアルコキシ(基)」(vおよびwは、それぞれ整数である。)は、v〜w個の炭素原子を含むアルコキシ基を意味する。例えば、C1−C4アルコキシは、1〜4個の炭素原子を含むアルコキシ基のことをいう。アルコキシ基は、特に断りがない限り、直鎖または分岐鎖のいずれの構造であってもよい。
また、「Cv−Cwアルキレン(基)」(vおよびwは、それぞれ整数である。)は、v〜w個の炭素原子を含むアルキレン基を意味する。例えば、C1−C4アルキレンは、1〜4個の炭素原子を含むアルキレン基のことをいう。アルキレン基は、特に断りがない限り、直鎖または分岐鎖のいずれの構造であってもよい。
1.インク組成物
本発明の一実施形態に係るインク組成物は、水と、下記一般式(1)で表される化合物またはその塩(以下、「第1染料」ともいう。)と、下記一般式(21)で表される化合物またはその塩(以下、「第2染料」ともいう。)と、を含有する。以下、本実施形態に係るインク組成物に含まれる各成分について、詳細に説明する。
1.1.第1染料
(a)第1染料
本実施形態に係るインク組成物は、第1染料を含む。第1染料は、上述した通り、下記一般式(1)で表される化合物またはその塩である。第1染料は、インク組成物の色材として機能する染料である。
第1染料は、光の照射を受けたり、大気中のガス(特に、オゾン)に晒されたりしても、分解しにくい性質を備えている。そのため、本実施形態に係るインク組成物を用いて形成された画像は、耐光性、耐ガス性(特に、耐オゾン性)に優れ、光や大気の影響による変色や退色を起こしにくい。
また、第1染料は、インク組成物中で分解しにくい性質を備える。そのため、本実施形態に係るインク組成物は、保存安定性に優れたものとなる。なお、本明細書においては、保存安定性の指標として、インク組成物の希釈液の最大吸収波長における吸光度の変化を用いる。より詳細には、調製直後の上記希釈液の最大吸収波長における吸光度(Aa)と、密閉した容器内において70℃で6日間保存した後の上記希釈液の最大吸収波長における吸光度(Ab)と、の比率(Ab/Aa)を指標とする。当該比率が1に近い程、インク組成物中の染料等の色材が経時的に分解されにくいこと示し、保存安定性に優れているといえる。なお、インク組成物の最大吸収波長における吸光度の測定は、JIS K0115に準じ、分光光度計を用いて行うことができる。また、上記希釈液は、インク組成物の染料の含有量に応じて適宜決定すればよく、後述の実施例では、純水を用いて、体積基準で2000倍に希釈を行ったもので保存安定性試験を行った。
第1染料の含有量は、インク組成物の全質量に対して、1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、1質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。第1染料の含有量が上記範囲内にあると、記録される画像の発色濃度を向上させたり、耐光性および耐ガス性を向上させたりすることができる。一方、第1染料の含有量が上記範囲を超えると、記録される画像の耐光性や発色濃度が低下する場合がある。また、第1染料の含有量が上記範囲未満であると、記録される画像の耐ガス性や発色濃度が低下する場合がある。
Figure 2012172031
上記一般式(1)中、nは、0または1であり、Rは、カルボキシ基;C1−C8アルコキシカルボニル基;C1−C8アルコキシカルボニル基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルキル基;またはヒドロキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいフェニル基を表す。
また、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子;塩素原子;ヒドロキシ基;スルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;カルバモイル基;C1−C4アルキル基;ヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、ヒドロキシC1−C4アルコキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基;ヒドロキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいモノもしくはジC1−C4アルキルアミノ基;ヒドロキシ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルキルカルボニルアミノ基;ヒドロキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいN’−C1−C4アルキルウレイド基;ベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいフェニルアミノ基;ベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいベンゾイルアミノ基;またはベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいフェニルスルホニルアミノ基;をそれぞれ表す。
また、基Aは、下記一般式(2)または下記一般式(3)で表される置換複素環基である。
Figure 2012172031
上記一般式(2)中、Rは、メルカプト基;またはヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、ヒドロキシC1−C4アルコキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルキルチオ基を表す。
Figure 2012172031
上記一般式(3)中、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子;塩素原子;カルボキシ基;スルホ基;ニトロ基;ヒドロキシ基;カルバモイル基;スルファモイル基;C1−C4アルキル基;ヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基;ヒドロキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルキルスルホニル基;またはベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいフェニルスルホニル基;をそれぞれ表す。
また、基Bは、置換されていてもよいフェニル基またはナフチル基である。なお、基Bが置換フェニル基の場合は、ヒドロキシ基;スルホ基;カルボキシ基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;アミノ基;モノもしくはジC1−C4アルキルアミノ基;アセチルアミノ基;およびベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいベンゾイルアミノ基;よりなる群から選択される置換基を有する。一方、基Bが置換ナフチル基の場合は、ヒドロキシ基;スルホ基;C1−C4アルコキシ基;およびベンゼン環がメチル基、ニトロ基または塩素原子で置換されていてもよいフェニルスルホニルオキシ基;よりなる群から選択される置換基を有する。
第1染料は、互変異性体を有する化合物である。互変異性体としては、下記一般式(4)〜(6)等の化合物が挙げられ、これらの互変異性体も本実施形態に係る第1染料として用いることができる。
Figure 2012172031
Figure 2012172031
Figure 2012172031
上記一般式(4)〜(6)におけるn、R、R、R、R、基Aおよび基Bは、上記一般式(1)におけるものと同じ意味を表す。
上記一般式(1)において、Rはカルボキシ基;C1−C8アルコキシカルボニル基;C1−C8アルコキシカルボニル基またはカルボキシ基で置換されていても良いC1−C4アルキル基;またはヒドロキシ基、スルホ基またはカルボキシ基で置換されていても良いフェニル基を表す。
一般式(1)におけるRがC1−C8アルコキシカルボニル基である場合、該アルコキシカルボニル基は、直鎖、分岐鎖及びアルキル部分が環状の構造を有するもののいずれでもよいが、直鎖及び分岐鎖のアルコキシカルボニル基が好ましい。具体例としては例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、n−ペンチルオキシカルボニル、n−ヘキシルオキシカルボニル、n−ヘプチルオキシカルボニル、n−オクチルオキシカルボニル等の直鎖;イソプロポキシカルボニル、イソブチルオキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、2,2−ジメチルプロポキシカルボニル、イソペンチルオキシカルボニル、sec−ペンチルオキシカルボニル、2−メチルブチルオキシカルボニル等の分岐鎖;シクロプロピルメチルオキシカルボニル、シクロブチルメチルオキシカルボニル、シクロペンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル等のアルキル部分が環状の構造を有するもの;等が挙げられる。これらの中でも、より好ましくは直鎖C1−C6アルコキシカルボニル基であり、さらに好ましくは直鎖C1−C4アルコキシカルボニル基である。
一般式(1)におけるRがC1−C8アルコキシカルボニル基またはカルボキシ基で置換されても良いC1−C4アルキル基であり、該C1−C4アルキル基が無置換C1−C4アルキル基である場合、該アルキル基としては、直鎖、分岐鎖のいずれでもよいが、直鎖が好ましい。C1−C4アルキル基の具体例としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル等の直鎖;イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等の分岐鎖;が挙げられる。また、該C1−C4アルキル基が置換基を有する場合も、該アルキル基は、該C1−C4アルキル基が無置換C1−C4アルキル基である場合で例示したものと、好ましいものを含めてと同じでよい。該C1−C4アルキル基の置換基がC1−C8アルコキシカルボニル基である場合、該アルコキシカルボニル基は、RがC1−C8アルコキシカルボニル基である場合と、好ましいものを含めて同じでよい。RがC1−C8アルコキシカルボニル基で置換されたC1−C4アルキル基の場合、好ましい具体例としては、メトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルエチル、n−ブトキシカルボニルメチル、n−オクチルオキシカルボキシエチル等が挙げられる。Rがカルボキシ基で置換されても良いC1−C4アルキル基の場合、好ましい具体例としてはカルボキシメチル、2−カルボキシエチル、3−カルボキシプロピル、等が挙げられる。
一般式(1)におけるR1が、ヒドロキシ基、スルホ基またはカルボキシ基で置換されていても良いフェニル基である場合の具体例としては、例えば、無置換フェニル;2−ヒドロキシフェニル、4−ヒドロキシフェニル等のヒドロキシ置換フェニル;2−スルホフェニル、4−スルホフェニル、2,4−ジスルホフェニル、3,5−ジスルホフェニル等のスルホ置換フェニル;2−カルボキシフェニル、4−カルボキシフェニル、3,5−ジカルボキシフェニル等のカルボキシ置換フェニル;および、2−ヒドロキシ−5−スルホフェニル等の複数種類の基で置換されたフェニル;等が挙げられる。
一般式(1)におけるRは、上記の中でも、カルボキシ基;C1−C4アルコキシカルボニル基;無置換C1−C4アルキル基;カルボキシ基置換C1−C4アルキル基;または無置換フェニル基がさらに好ましい。一般式(1)における好ましいRの具体例としては、メチル、エチル、tert−ブチル、カルボキシメチル、3−カルボキシプロピル、メトキシカルボニルメチル、カルボキシ、メトキシカルボキシ、エトキシカルボキシ、n−オクチルオキシカルボキシ、フェニル、2−ヒドロキシフェニル、4−スルホフェニルメチルであり、より好ましくはメチル、カルボキシメチル、カルボキシ、フェニルであり、さらに好ましくはメチル、カルボキシである。
一般式(1)において、R、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子;塩素原子;ヒドロキシ基;スルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;カルバモイル基;C1−C4アルキル基;ヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、ヒドロキシC1−C4アルコキシ基、スルホ基またはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基;ヒドロキシ基、スルホ基またはカルボキシ基で置換されていてもよいモノまたはジC1−C4アルキルアミノ基;ヒドロキシ基またはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルキルカルボニルアミノ基;ヒドロキシ基、スルホ基またはカルボキシ基で置換されていてもよいN’−C1−C4アルキルウレイド基;ベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基またはカルボキシ基で置換されていてもよいフェニルアミノ基;ベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基またはカルボキシ基で置換されていてもよいベンゾイルアミノ基;またはベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基またはカルボキシ基で置換されていていてもよいフェニルスルホニルアミノ基;をそれぞれ表す。
一般式(1)におけるR〜Rが、無置換のC1−C4アルコキシ基である場合、該アルコキシ基は、直鎖または分岐鎖のいずれでもよい。無置換のC1−C4アルコキシ基の具体例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ等が挙げられる。該アルコキシ基がヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、ヒドロキシC1−C4アルコキシ基、スルホ基またはカルボキシ基で置換されている場合、その具体例としては、例えば、2−ヒドロキシエトキシ、2−ヒドロキシプロポキシ、3−ヒドロキシプロポキシ等のヒドロキシC1−C4アルコキシ基;メトキシエトキシ、エトキシエトキシ、n−プロポキシエトキシ、イソプロポキシエトキシ、n−ブトキシエトキシ、メトキシプロポキシ、エトキシプロポキシ、n−プロポキシプロポキシ、イソプロポキシブトキシ、n−プロポキシブトキシ等のC1−C4アルコキシC1−C4アルコキシ基;2−ヒドロキシエトキシエトキシ等のヒドロキシC1−C4アルコキシC1−C4アルコキシ基;3−スルホプロポキシ、4−スルホブトキシ等のスルホC1−C4アルコキシ基;カルボキシメトキシ、2−カルボキシエトキシ、3−カルボキシプロポキシ等のカルボキシC1−C4アルコキシ基;等が挙げられる。
一般式(1)におけるR〜Rが、無置換のモノまたはジC1−C4アルキルアミノ基である場合、該C1−C4アルキル部分は、直鎖または分岐鎖のいずれでもよい。無置換のモノまたはジC1−C4アルキルアミノ基の具体例としては、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n−ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ−n−プロピルアミノ、ジ−n−ブチルアミノ等の直鎖;sec−ブチルアミノ、tert−ブチルアミノ、ジイソプロピルアミノ等の分岐鎖;等が挙げられる。該モノまたはジC1−C4アルキルアミノ基が、ヒドロキシ基、スルホ基またはカルボキシ基で置換されている場合、その具体例としては、例えば、2−ヒドロキシエチルアミノ、2−ヒドロキシプロピルアミノ、2,2’−ジヒドロキシジエチルアミノ等のヒドロキシ置換モノまたはジC1−C4アルキルアミノ基;2−スルホエチルアミノ、3−スルホプロピルアミノ、4−スルホブチルアミノ、3,3’−ジスルホジプロピルアミノ等のスルホ置換モノまたはジC1−C4アルキルアミノ基;カルボキシメチルアミノ、2−カルボキシエチルアミノ、3−カルボキシプロピルアミノ、2,2’−ジカルボキシジエチルアミノ等のカルボキシ置換モノまたはジC1−C4アルキルアミノ基;等が挙げられる。
一般式(1)におけるR〜Rが、無置換C1−C4アルキルカルボニルアミノ基である場合、該C1−C4アルキル部分は、直鎖又は分岐鎖のいずれでもよいが、直鎖であるものが好ましい。無置換C1−C4アルキルカルボニルアミノ基の具体例としては、アセチルアミノ、プロパノイルアミノ、ブタノイルアミノ等が挙げられる。該C1−C4アルキルカルボニルアミノ基が、ヒドロキシ基またはカルボキシ基で置換されている場合、該C1−C4アルキルカルボニルアミノ基の具体例としては、例えば、ヒドロキシエタノイルアミノ、2−ヒドロキシプロパノイルアミノ、4−ヒドロキシブタノイルアミノ等のヒドロキシC1−C4アルキルカルボニルアミノ基;3−カルボキシプロパノイルアミノ等のカルボキシC1−C4アルキルカルボニルアミノ基;等が挙げられる。
一般式(1)におけるR〜Rが、N’−C1−C4アルキルウレイド基である場合、無置換のものより、置換基を有するものである方が好ましい。該N’−C1−C4アルキルウレイド基が、ヒドロキシ基、スルホ基またはカルボキシ基で置換されている場合、その具体例としては例えば、N’−2−ヒドロキシエチルウレイド、N’−3−ヒドロキシエチルウレイド等のN’−ヒドロキシC1−C4アルキルウレイド基;N’−2−スルホエチルウレイド、N’−3−スルホプロピルウレイド等のN’−スルホC1−C4アルキルウレイド基;N’−カルボキシメチルウレイド、N’−2−カルボキシエチルウレイド、N’−3−カルボキシプロピルウレイド、N’−4−カルボキシブチルウレイド等のN’−カルボキシC1−C4アルキルウレイド基;等が挙げられる。
一般式(1)におけるR〜Rが、塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基でベンゼン環が置換されても良いフェニルアミノ基の具体例としては、例えば、無置換フェニルアミノ;2−クロロフェニルアミノ、4−クロロフェニルアミノ、2,4−ジクロロフェニルアミノ等の塩素原子置換フェニルアミノ基;2−メチルフェニルアミノ、4−メチルフェニルアミノ、4−tert−ブチルフェニルアミノ等のC1−C4アルキル置換フェニルアミノ基;2−ニトロフェニルアミノ、4−ニトロフェニルアミノ等のニトロ置換フェニルアミノ基;3−スルホフェニルアミノ、4−スルホフェニルアミノ、2,4−ジスルホフェニルアミノ、3,5−ジスルホフェニルアミノ等のスルホ置換フェニルアミノ基;2−カルボキシフェニルアミノ、4−カルボキシフェニルアミノ、2,5−ジカルボキシフェニルアミノ、3,5−ジカルボキシフェニルアミノ等のカルボキシ置換フェニルアミノ基;等が挙げられる。
一般式(1)におけるR〜Rが、置換基を有するフェニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基またはフェニルスルホニルアミノ基であり、それぞれの基に含まれるベンゼン環の置換基がC1−C4アルキル基である場合、該アルキル基は直鎖、分岐鎖又は環状のいずれでもよいが、直鎖または分岐鎖であるものが好ましい。該アルキル基の具体例としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル等の直鎖;イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等の分岐鎖;が挙げられる。
一般式(1)におけるR〜Rが、塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基でベンゼン環が置換されても良いベンゾイルアミノ基の具体例としては、例えば、無置換ベンゾイルアミノ;2−クロロベンゾイルアミノ、4−クロロベンゾイルアミノ、2,4−ジクロロフェニルアミノ等の塩素原子置換ベンゾイルアミノ基;2−メチルベンゾイルアミノ、3−メチルベンゾイルアミノ、4−メチルベンゾイルアミノ等のC1−C4アルキル置換ベンゾイルアミノ基;2−ニトロベンゾイルアミノ、4−ニトロベンゾイルアミノ、3,5−ジニトロベンゾイルアミノ等のニトロ置換ベンゾイルアミノ基;2−スルホベンゾイルアミノ、4−スルホベンゾイルアミノ等のスルホ置換ベンゾイルアミノ基;2−カルボキシベンゾイルアミノ、4−カルボキシベンゾイルアミノ、3,5−ジカルボキシベンゾイルアミノ等のカルボキシ置換ベンゾイルアミノ基;等が挙げられる。
一般式(1)におけるR〜Rが、塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基またはカルボキシ基でベンゼン環が置換されても良いフェニルスルホニルアミノ基の具体例としては、例えば、無置換フェニルスルホニルアミノ;2−クロロフェニルスルホニルアミノ、4−クロロフェニルスルホニルアミノ等の塩素原子置換フェニルスルホニルアミノ基;2−メチルフェニルスルホニルアミノ、4−メチルフェニルスルホニルアミノ、4−tert−ブチルフェニルスルホニルアミノ等のC1−C4アルキル置換フェニルスルホニルアミノ基;2−ニトロフェニルスルホニルアミノ、3−ニトロフェニルスルホニルアミノ、4−ニトロフェニルスルホニルアミノ等のニトロ置換フェニルスルホニルアミノ基;3−スルホフェニルスルホニルアミノ、4−スルホフェニルスルホニルアミノ等のスルホ置換フェニルスルホニルアミノ基;3−カルボキシフェニルスルホニルアミノ、4−カルボキシフェニルスルホニルアミノ等のカルボキシ置換フェニルスルホニルアミノ基;等が挙げられる。
一般式(1)における好ましいR〜Rの具体例は、水素原子、カルボキシ、スルホ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、2−スルホエトキシ、3−スルホプロポキシ、4−スルホブトキシ、カルボキシメトキシ、2−カルボキシエトキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、2−ヒドロキシエチルアミノ、2−スルホエチルアミノ、3−スルホプロピルアミノ、2−カルボキシエチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、2,2’−ジヒドロキシジエチルアミノ、2,2’−ジカルボキシジエチルアミノ、3,3’−ジスルホジプロピルアミノ、アセチルアミノ、3−カルボキシプロパノイルアミノ、4−ヒドロキシブタノイルアミノ、N’−カルボキシメチルウレイド、N’−2−スルホエチルウレイド、4−スルホフェニルアミノ、2,4−ジスルホフェニルアミノ、2,5−ジカルボキシフェニルアミノ、ベンゾイルアミノ、3−スルホベンゾイルアミノ、2−カルボキシベンゾイルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、4−メチルフェニルスルホニルアミノ、4−ニトロフェニルスルホニルアミノ、3−スルホフェニルスルホニルアミノ、4−カルボキシフェニルスルホニルアミノ等であり、より好ましくは、水素原子、スルホ、メチル、メトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、2−スルホエトキシ、3−スルホプロポキシ、4−スルホブトキシ、ジメチルアミノ、3,3’−ジスルホジプロピルアミノ、アセチルアミノ、3−カルボキシプロパノイルアミノ、N’−2−スルホエチルウレイド、2,4−ジスルホフェニルアミノ、ベンゾイルアミノ、4−メチルフェニルスルホニルアミノであり、さらに好ましくは、水素原子、スルホ、メチル、メトキシ、3−スルホプロポキシである。
一般式(1)における好ましいR〜Rの組み合わせは、Rが3−スルホプロポキシまたは4−スルホブトキシ、Rが水素原子、Rがメチルである。
一般式(2)におけるRがC1−C4アルキルチオ基の場合、該C1−C4アルキル部分は直鎖又は分岐鎖のいずれも好ましいが、直鎖がより好ましい。C1−C4アルキルチオ基の具体例としては、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ等が挙げられる。また、一般式(2)におけるRが置換基を有するC1−C4アルキルチオ基の場合、該置換基は、ヒドロキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基であることが好ましく、スルホ基もしくはカルボキシ基であることがより好ましい。置換基を有するC1−C4アルキルチオ基の具体例としては、例えば、2−ヒドロキシエチルチオ、2−ヒドロキシプロポキシ、3−ヒドロキシプロポキシチオ等のヒドロキシC1−C4アルキルチオ基;メトキシエチルチオ、エトキシエチルチオ、n−プロポキシエチルチオ、イソプロポキシエチルチオ、n−ブトキシエチルチオ、メトキシプロピルチオ、エトキシプロピルチオ、n−プロポキシプロピルチオ、イソプロポキシブチルチオ、n−プロポキシプロピルチオ等のC1−C4アルコキシC1−C4アルキルチオ基;2−ヒドロキシエトキシエチルチオ等のヒドロキシC1−C4アルコキシC1−C4アルキルチオ基;3−スルホプロピルチオ、4−スルホブチルチオ等のスルホC1−C4アルキルチオ基;カルボキシメチルチオ、2−カルボキシエチルチオ、3−カルボキシプロピルチオ等のカルボキシC1−C4アルキルチオ基;等が挙げられる。
一般式(2)における好ましいRの具体例はメルカプト(−SH)、メチルチオ、エチルチオ、2−ヒドロキシエチルチオ、メトキシエチルチオ、エトキシエチルチオ、2−スルホエチルチオ3−スルホプロピルチオ、4−スルホブチルチオ、カルボキシメチルチオ、2−カルボキシエチルチオ、3−カルボキシプロピルチオ等であり、より好ましくは、メチルチオ、2−スルホプロピルチオ、カルボキシメチルチオ、2−カルボキシエチルチオであり、さらに好ましくは2−スルホプロピルチオ、2−カルボキシエチルチオである。
一般式(3)におけるR〜Rが、C1−C4アルキル基である場合、該アルキル基は、直鎖、分岐鎖もしくは環状のいずれであってもよいが、直鎖もしくは分岐鎖であることが好ましく、直鎖であることがさらに好ましい。C1−C4アルキル基の具体例としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル等の直鎖;イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等の分岐鎖;が挙げられる。
一般式(3)におけるR〜Rが、ヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、スルホ基またはカルボキシ基で置換されても良いC1−C4アルコキシ基である場合、該置換基としては、好ましいものも含めて、一般式(1)のR〜RがC1−C4アルコキシ基である場合と同じでよい。
一般式(3)におけるR〜Rが、ヒドロキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されてもよいC1−C4アルキルスルホニル基の具体例としては、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、n−ブチルスルホニル、sec−ブチルスルホニル、tert−ブチルスルホニル等の直鎖もしくは分岐鎖のC1−C4アルキルスルホニル基;2−ヒドロキシエチルスルホニル、3−ヒドロキシプロピルスルホニル等のヒドロキシC1−C4アルキルスルホニル基;2−スルホプロピルスルホニル、3−スルホプロピルスルホニル、4−スルホブチルスルホニル等のスルホC1−C4アルキルスルホニル基;カルボキシメチルスルホニル、2−カルボキシエチルスルホニル、3−カルボキシプロピルスルホニル等のカルボキシC1−C4アルキルスルホニル基;等が挙げられる。
一般式(3)におけるR〜Rが、塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基またはカルボキシ基でベンゼン環が置換されても良いフェニルスルホニル基の具体例としては、例えば、無置換フェニルスルホニル;2−クロロフェニルスルホニル、4−クロロフェニルスルホニル等の塩素原子置換フェニルスルホニル基;2−メチルフェニルスルホニル、4−メチルフェニルスルホニル、2,4−ジメチルフェニルスルホニル、4−tert−ブチルフェニルスルホニル等のC1−C4アルキル置換フェニルスルホニル基;2−ニトロフェニルスルホニル、4−ニトロフェニルスルホニル等のニトロ置換フェニルスルホニル基;3−スルホフェニルスルホニル、4−スルホフェニルスルホニル、3,5−ジスルホフェニルスルホニル等のスルホ置換フェニルスルホニル基;2−カルボキシフェニルスルホニル、4−カルボキシフェニルスルホニル、3,5−ジカルボキシフェニルスルホニル等のカルボキシ置換フェニルスルホニル基;等が挙げられる。
一般式(3)における好ましいR〜Rの具体例は、水素原子、塩素原子、カルボキシ、スルホ、ニトロ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、2−スルホエトキシ、3−スルホプロポキシ、4−スルホブトキシ、カルボキシメトキシ、2−カルボキシエトキシ、メチルスルホニル、エチルスルホニル、tert−ブチルスルホニル、2−ヒドロキシエチルスルホニル、3−スルホプロピルスルホニル、2−カルボキシエチルスルホニル、フェニルスルホニル、4−クロロフェニルスルホニル、4−メチルフェニルスルホニル、2,4−ジメチルフェニルスルホニル、4−ニトロフェニルスルホニル、4−スルホフェニルスルホニル、2−カルボキシフェニルスルホニル、4−カルボキシフェニルスルホニル等であり、より好ましくは、水素原子、塩素原子、カルボキシ、スルホ、ニトロ、メチル、メトキシ、メチルスルホニル、2−カルボキシフェニルスルホニルであり、さらに好ましくは、水素原子、スルホ、メトキシである。また、R〜Rのうち、少なくとも1つが水素原子であることが好ましく、少なくとも1つが水素原子以外の置換基であることが好ましい。
一般式(3)における好ましいR、R、Rの組み合わせは、水素原子、メトキシおよびスルホ、または一つがスルホで他方二つが水素原子である。一つがスルホで他方二つが水素原子である場合は、スルホの置換位置がベンゾチアゾール環の6位の場合がより好ましい。
一般式(1)において、基Bは置換されていてもよいフェニル基またはナフチル基であり、基Bが置換フェニル基の場合は、ヒドロキシ基;スルホ基;カルボキシ基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;アミノ基;モノまたはジC1−C4アルキルアミノ基;アセチルアミノ基;ベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基またはカルボキシ基で置換されていてもよいベンゾイルアミノ基;よりなる群から選択される置換基を有し、置換ナフチル基の場合はヒドロキシ基;スルホ基;C1−C4アルコキシ基;ベンゼン環がメチル基、ニトロ基または塩素原子で置換されていてもよいフェニルスルホニルオキシ基;よりなる群から選択される置換基を有する。
一般式(1)における基Bが置換基を有するフェニル基又はナフチル基であり、該置換基がC1−C4アルコキシ基である場合、該アルコキシ基は、好ましいものも含めて、一般式(1)のR〜Rが無置換のC1−C4アルコキシ基である場合と同じでよい。
一般式(1)における基BがモノまたはジC1−C4アルキルアミノ基置換フェニル基である場合、該モノまたはジC1−C4アルキルアミノ基は、好ましいものも含めて一般式(1)のR〜Rが無置換のモノまたはジC1−C4アルキルアミノ基である場合と同じでよい。
一般式(1)における基Bが置換ナフチル基であり、該置換基がベンゼン環がメチル基、ニトロ基または塩素原子で置換されても良いフェニルスルホニルオキシ基である場合、その具体例としては、例えば、無置換フェニルスルホニルオキシ;4−メチルフェニルスルホニルオキシ、2,4−ジメチルフェニルスルホニルオキシ等のメチル置換フェニルスルホニルオキシ基;2−ニトロフェニルスルホニルオキシ、4−ニトロスルホニルオキシ等のニトロ置換フェニルスルホニルオキシ基;4−クロロフェニルスルホニルオキシ、2,4−ジクロロフェニルスルホニルオキシ、3,5−ジクロロフェニルスルホニルオキシ等の塩素原子置換フェニルスルホニルオキシ基;等が挙げられる。
一般式(1)においてnは1の場合が好ましい。
一般式(1)における基Bが置換フェニル基である場合の好ましい置換基の具体例は、水素原子、ヒドロキシ、スルホ、カルボキシ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、ジメチルアミノ、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、4−スルホベンゾイルアミノ、4−カルボキシベンゾイルアミノ等であり、より好ましくは水素原子、ヒドロキシ、スルホ、カルボキシ、メチル、アセチルアミノであり、さらに好ましくは、水素原子、スルホ、カルボキシである。
一般式(1)における基Bが置換ナフチル基である場合の好ましい置換基の具体例は、水素原子、ヒドロキシ、スルホ、メトキシ、エトキシ、フェニルスルホニルオキシ、4−メチルフェニルスルホニルオキシ、2−ニトロフェニル等であり、より好ましくは、水素原子、ヒドロキシ、スルホ、メトキシであり、されに好ましくは、水素原子、スルホである。
一般式(1)における好ましい基Bの具体例は、フェニル、2−スルホフェニル、4−スルホフェニル、2,4−ジスルホフェニル、3,5−ジスルホフェニル、4−カルボキシフェニル、3,5−カルボキシフェニル、4−メチルフェニル、3−メチルフェニル、3−ヒドロキシ−4−カルボキシフェニル、5−スルホ−3−カルボキシ−2−ヒドロキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−アセチルアミノフェニル、ナフチル、ナフト−2−イル、6−スルホナフチル、7−スルホナフチル、4,7−ジスルホナフチル、5,7−ジスルホナフト−2−イル、6,8−ジスルホナフト−2−イル、4,8−ジスルホナフト−2−イル、4,6,8−トリスルホナフト−2−イル等であり、より好ましくは、フェニル、4−スルホフェニル、2,4−ジスルホフェニル、4−カルボキシフェニル、3,5−カルボキシフェニル、5,7−ジスルホナフト−2−イル、4,8−ジスルホナフト−2−イルであり、されに好ましくは、フェニル、4−スルホフェニル、4−カルボキシフェニル、3,5−カルボキシフェニルである。
一般式(1)〜(6)の置換基について記載した好ましいもの同士を組み合わせた化合物は、より好ましく、より好ましいもの同士を組み合わせた化合物は、さらに好ましい。なお、さらに好ましいもの同士を組み合わせた場合等についても同様である。なお、上記の通り、一般式(4)〜(6)中のn、R〜R、基Aおよび基Bは、一般式(1)におけるものと同じ意味を示す。
一般式(1)で表される化合物の塩は、無機または有機の陽イオンの塩である。無機塩の具体例としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩等が挙げられる。これらの中でも好ましい無機塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウムの塩およびアンモニウム塩である。また、有機の陽イオンの塩としては、例えば、一般式(7)で示される4級アンモニウムイオンがあげられるが、これらに限定されるものではない。
また、本実施形態に係る第1染料の遊離酸、その互変異性体、およびそれらの各種の塩は、混合物であってもよい。例えば、第1染料のナトリウム塩と第1染料のアンモニウム塩との混合物、第1染料の遊離酸と第1染料のナトリウム塩との混合物、第1染料のリチウム塩、第1染料のナトリウム塩および第1染料のアンモニウム塩の混合物など、いずれの組み合わせを用いてもよい。塩の種類によっては溶解性などの物性値が異なる場合があるので、必要に応じて適宜塩の種類を選択したり、複数の塩などを含む場合にその比率を変化させたりすることにより、目的に合った物性を有する混合物を得ることができる。
Figure 2012172031
上記一般式(7)においてZ、Z、Z、Zは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基およびヒドロキシアルコキシアルキル基よりなる群から選択される基を表す。
一般式(7)におけるZ、Z、Z、Zのアルキル基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどが挙げられる。また、ヒドロキシアルキル基の具体例としては、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル等のヒドロキシC1−C4アルキル基が挙げられる。また、ヒドロキシアルコキシアルキル基の例としては、ヒドロキシエトキシメチル、2−ヒドロキシエトキシエチル、3−ヒドロキシエトキシプロピル、2−ヒドロキシエトキシプロピル、4−ヒドロキシエトキシブチル、3−ヒドロキシエトキシブチル、2−ヒドロキシエトキシブチル等ヒドロキシC1−C4アルコキシC1−C4アルキル基が挙げられる。これらの中でも、水素原子、メチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、ヒドロキシエトキシメチル、2−ヒドロキシエトキシエチル、3−ヒドロキシエトキシプロピル、2−ヒドロキシエトキシプロピル、4−ヒドロキシエトキシブチル、3−ヒドロキシエトキシブチル、2−ヒドロキシエトキシブチル等を好ましく用いることができる。
式(7)で表される4級アンモニウムイオンについて、Z、Z、ZおよびZの好ましい組み合わせの具体例を表1に示す。
Figure 2012172031
第1染料の好適な具体例として、特に限定されるものではないが、表2〜表7に示す構造式で表される化合物などが挙げられる。各表においてスルホ基及びカルボキシ基などの官能基は、便宜上、遊離酸の形で記載するものとする。
Figure 2012172031
Figure 2012172031
Figure 2012172031
Figure 2012172031
Figure 2012172031
Figure 2012172031
(b)第1染料の合成方法
第1染料は、例えば次のような方法で合成することができる。なお、各工程における化合物の構造式は便宜上、遊離酸の形で表すものとする。
まず、下記一般式(8)で表される化合物を常法によりジアゾ化し、これと下記一般式(9)で表される化合物を常法によりカップリング反応させ下記一般式(10)で表される化合物を得る。次に、得られた一般式(10)の化合物を常法によりジアゾ化した後、これと下記一般式(11)で表される化合物を常法によりカップリング反応させ、下記一般式(12)で表される化合物を得る。そして、得られた一般式(12)の化合物を常法によりジアゾ化した後、これと下記一般式(13)で表される化合物を常法によりカップリング反応させる事により、一般式(1)で表される本実施形態に係る第1染料を得ることができる。なお、一般式(13)で表される化合物は、製品として市販品を購入できるか、又は公知の方法で合成が可能である。
下記一般式(8)の化合物のジアゾ化は、公知の方法で実施される。例えば、下記一般式(8)の化合物のジアゾ化は、硫酸、酢酸もしくは燐酸中、例えば−5℃〜20℃、好ましくは5℃〜10℃の温度でニトロシル硫酸を使用して実施される。また、一般式(8)の化合物のジアゾ化物と一般式(9)の化合物とのカップリングは、公知の条件で実施される。一般式(8)の化合物のジアゾ化物と一般式(9)の化合物とのカップリングは、具体的には、水又は水性有機媒体中、例えば−5℃〜30℃、好ましくは10℃〜30℃の温度で実施される。一般式(8)の化合物と一般式(9)の化合物とは、ほぼ化学量論量で用いることができる。
一般式(10)の化合物のジアゾ化は、公知の方法で実施される。具体的には、一般式(10)の化合物のジアゾ化は、塩酸、硫酸のような無機酸存在下、水又は水性有機媒体(水と水溶性有機溶剤との混合物等)中、例えば−5〜40℃、好ましくは5℃〜30℃の温度で亜硝酸塩、たとえば亜硝酸ナトリウム等の亜硝酸アルカリ金属塩を使用して実施される。また、一般式(10)の化合物のジアゾ化物と一般式(11)の化合物のカップリングは、公知の条件で実施される。具体的には、一般式(10)の化合物のジアゾ化物と一般式(11)の化合物のカップリングは、水又は水性有機媒体中、例えば−5℃〜50℃、好ましくは10℃〜30℃の温度であって、弱酸性からアルカリ性のpH値で行うことが好ましい。一般式(10)の化合物のジアゾ化物と一般式(11)の化合物のカップリングは、より好ましくは弱酸性から弱アルカリ性のpH値、たとえばpH6〜pH10で実施される。なお、ジアゾ化反応液が酸性であるため、カップリング反応の進行により反応系内は、さらに酸性化してしまうため、上記のpH値への調整を塩基の添加によって行うことが好ましい。塩基としては、たとえば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、酢酸ナトリウム等の酢酸塩、アンモニア又は有機アミン等が使用できる。一般式(10)と一般式(11)の化合物は、ほぼ化学量論量で用いることができる。
一般式(12)の化合物のジアゾ化は、公知の方法で実施される。具体的には、一般式(12)の化合物のジアゾ化は、塩酸、硫酸のような無機酸存在下、含む水又は水性有機媒体(水と水溶性有機溶剤との混合物等)中、例えば−5℃〜40℃、好ましくは10℃〜30℃の温度で亜硝酸塩、たとえば亜硝酸ナトリウム等の亜硝酸アルカリ金属塩を使用して実施される。また、一般式(12)の化合物のジアゾ化物と一般式(13)の化合物のカップリングは、公知の条件で実施される。一般式(12)の化合物のジアゾ化物と一般式(13)の化合物のカップリングは、水又は水性有機媒体中、例えば−5℃〜50℃、好ましくは10℃〜30℃の温度であって、弱酸性からアルカリ性のpH値で行うことが好ましい。一般式(12)の化合物のジアゾ化物と一般式(13)の化合物のカップリングは、より好ましくは弱酸性から弱アルカリ性のpH値、たとえばpH6〜pH10で実施され、pH値の調整は塩基の添加によって行うことが好ましい。塩基としては、一般式(10)の化合物のジアゾ化物と一般式(11)の化合物のカップリングで用いたものと同様のものが使用できる。一般式(12)と一般(13)の化合物は、ほぼ化学量論量で用いることができる。
一般式(1)の化合物を所望の塩とするには、カップリング反応後、所望の無機塩または有機の陽イオンの塩を反応液に添加することにより塩析するか、あるいは塩酸など鉱酸の添加により遊離酸の形で単離し、これを水、酸性の水または水性有機媒体などを必要に応じて用い洗浄することにより無機塩を除去後、水性の媒体中で所望の無機の塩基または有機の塩基により中和することで、対応する塩の溶液とすることができる。
例として、一般式(1)の化合物をリチウム塩とする方法を以下に説明する。一般式(12)の化合物と一般式(13)の化合物とのカップリング反応後、塩化ナトリウムを添加して、塩析および濾過分取を行うことで、一般式(1)の化合物のナトリウム塩を得る。次に、ナトリウム塩に水および塩酸を添加し酸析および濾過分取を行うことで、一般式(1)の化合物の遊離酸を得る。さらに、遊離酸に水および水酸化リチウムを添加することで、一般式(1)の化合物のリチウム塩を得ることができる。また、リチウム塩とする異なる方法としては、一般式(1)の化合物のナトリウム塩と、塩化リチウムと、を用いた塩交換反応が挙げられる。
なお、酸性の水とは、例えば硫酸、塩酸などの鉱酸や酢酸などの有機酸を水に溶解し、酸性にしたものをいう。また、水性有機媒体とは、水を含有する水と混和可能な有機物質および水と混和可能ないわゆる有機溶剤などをいう。水性有機媒体の具体例としては、水溶性有機溶剤などが挙げられるが、通常溶剤として分類されない有機物質であっても水と混和可能なものであれば必要に応じて使用することが可能である。
水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、第二ブタノールまたは第三ブタノール等のC1−C4アルカノール;N,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンまたはN−メチルピロリジン−2−オン等のラクタム;1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オンまたは1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の環式尿素類;アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトンまたはケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル;エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、チオジグリコールまたはジチオジグリコール等のC2〜C6アルキレン単位を有するモノ、オリゴまたはポリ−アルキレングリコールまたはチオグリコール;グリセリンまたはヘキサン−1,2,6−トリオール等のポリオール(トリオール);エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)トリエチレングリコールモノメチルエーテルまたはトリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールのC1−C4アルキルエーテル;γ−ブチロラクトンまたはジメチルスルホキシド等があげられる。
また、通常溶剤として分類されない有機物質の例としては、尿素や糖類などを挙げることができる。無機塩としては、例えば塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム等のアンモニウム塩等が挙げられる。また、有機の陽イオンの塩としては、例えば、有機アミンのハロゲン塩等が挙げられる。無機の塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、水酸化アンモニウム、あるいは炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩などが挙げられる。また、有機の塩基としては、有機アミン、例えばジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの一般式(7)で表される4級アンモニウム類等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2012172031
一般式(8)中、基Aは、式(2)および式(3)におけるものと同じ意味を表す。
Figure 2012172031
一般式(9)中、R、RおよびRは、式(1)におけるものと同じ意味を表す。
Figure 2012172031
一般式(10)中、基A、R、RおよびRは、式(1)〜式(3)におけるものと同じ意味を表す。
Figure 2012172031
一般式(11)中、nは、式(1)におけるものと同じ意味を表す。
Figure 2012172031
一般式(12)中、R、RおよびRは、式(1)におけるものと同じ意味を表す。
Figure 2012172031
一般式(13)中、Rおよび基Bは、式(1)におけるものと同じ意味を表す。
本実施形態のインク組成物は、上記の表2〜表7に示す化合物の中でも、化合物No.14に示される化合物またはその塩と、化合物No.22に示される化合物またはその塩と、の混合物である下記一般式(14)で表される化合物またはその塩を好ましく用いることができる。
Figure 2012172031
1.2.第2染料
(a)第2染料
本実施形態に係るインク組成物は、第2染料を含有する。第2染料は、上述したように、下記一般式(21)で表される化合物またはその塩である。第2染料は、インク組成物の色材として機能する染料である。
第2染料は、第1染料の色補正用の染料である。そのため、インク組成物中における第1染料および第2染料の含有量や、これらの染料の含有比率を調整することによって、本実施形態に係るインク組成物を用いて形成される画像の色相を容易に無彩色に近づけることができる。つまり、本実施形態に係るインク組成物を用いて記録される画像の色相は、第1染料および第2染料の相補的な作用よって、目視にて優れた黒色を呈するものにできる。本明細書において、優れた黒色とは、画像のa値が−3以上3以下の範囲内にあり、かつ、b値が−3以上3以下であることを意味する。前記a値およびb値は、L表色系としてCIE(国際照明委員会)で規定されている。
また、第2染料は、第1染料とともにインク組成物に含有されることで、発色性に優れた画像を得ることができる。特に、第1染料および第2染料を含有するインク組成物を用いて高duty値で画像の記録を行った場合であっても、ブロンズ現象が起こり難い。ブロンズ現象とは、高duty値で画像の記録を行った場合に起こりやすい現象であり、本来の色相とは異なる色相を示したり、または、金属光沢を示すことで、発色性や色相が損なわれる現象である。
なお、「duty値」とは、「duty(%)=実吐出ドット数/(縦解像度×横解像度)×100(式中、「実吐出ドット数」は単位面積当たりの実吐出ドット数であり、「縦解像度」および「横解像度」はそれぞれ単位面積当たりの解像度である。)」により算出される値である。
また、第2染料は、第1染料と同様に、インク組成物中で分解しにくい性質を備える。そのため、本実施形態に係るインク組成物は、保存安定性に優れている。また、第2染料は、第1染料と同様に、光の照射を受けたり、大気中のガス(特に、オゾン)に晒されたりしても、分解しにくい性質を備えている。そのため、本実施形態に係るインク組成物を用いて形成された画像は、耐光性、耐ガス性(特に、耐オゾン性)に優れているので、光や大気の影響による変色や退色を起こしにくい。なお、第1染料および第2染料は、インク組成物中において相乗的に作用するので、インク組成物の貯蔵安定性をより向上させたり、インク組成物を用いて記録される画像の発色濃度、耐光性、耐オゾン性等をより向上させる。
本実施形態におけるインク組成物において、第1染料の含有量[MA(質量%)]と、第2染料の含有量[MB(質量%)]と、の比率(MB/MA)は、0.2以上1以下であることが好ましく、0.4以上1以下であることがより好ましい。第1染料と第2染料との含有量の比率が上記範囲内にあると、良好な黒色を呈する(無彩色に近い)画像を得ることができたり、記録される画像の発色濃度を向上させたり、耐光性および耐ガス性を向上させたりすることができる。
Figure 2012172031
上記一般式(21)中、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27およびR28は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;スルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;カルバモイル基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;置換基として、ヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、ヒドロキシC1−C4アルコキシ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたC1−C4アルコキシ基;C1−C4アルキルカルボニルアミノ基;カルボキシ基で置換されたC1−C4アルキルカルボニルアミノ基;ウレイド基;モノC1−C4アルキルウレイド基;ジC1−C4アルキルウレイド基;置換基として、ヒドロキシ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたモノC1−C4アルキルウレイド基;置換基として、ヒドロキシ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたジC1−C4アルキルウレイド基;ベンゾイルアミノ基;ベンゼン環が、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたベンゾイルアミノ基;ベンゼンスルホニルアミノ基;または、ベンゼン環が、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたフェニルスルホニルアミノ基;を表す。
また、Xは、2価の架橋基を表す。
上記一般式(21)中、R21〜R28におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。これらの中では、フッ素原子、塩素原子、および臭素原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。
21〜R28におけるC1−C4アルキル基としては、直鎖、又は分岐鎖のものが挙げられ、直鎖のものが好ましい。C1−C4アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−プチルといった直鎖のもの;イソプロピル、イソプチル、sec−プチル、t−プチルといった分岐鎖のもの;が挙げられる。好ましい具体例としては、メチル、エチルが挙げられ、メチルが特に好ましい。
21からR28におけるC1−C4アルコキシ基としては、直鎖又は分岐鎖のものが挙げられる。具体例としてはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシといった直鎖のもの;イソプロポキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシといった分岐鎖のもの;等が挙げられる。好ましい具体例としてはメトキシ、エトキシが挙げられ、メトキシが特に好ましい。
前記R21〜R28における、置換基として、ヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、ヒドロキシC1−C4アルコキシ基、スルホ基、及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたC1−C4アルコキシ基としては、C1−C4アルコキシ基における任意の炭素原子に、これらの置換基を有するものが挙げられる。該置換基の数は、通常1または2、好ましくは1である。置換基の位置は特に制限されないが、同一の炭素原子に2つ以上の酸素原子が置換しないものが好ましい。具体例としては、2−ヒドロキシエトキシ、2−ヒドロキシプロポキシ、3−ヒドロキシプロポキシ等のヒドロキシC1−C4アルコキシ基;メトキシエトキシ、エトキシエトキシ、n−プロポキシエトキシ、イソプロポキシエトキシ、n−ブトキシエトキシ、メトキシプロポキシ、エトキシプロポキシ、n−プロポキシプロポキシ、イソプロポキシブトキシ、n−プロポキシブトキシ等のC1−C4アルコキシC1−C4アルコキシ基;2−ヒドロキシエトキシエトキシ等のヒドロキシC1−C4アルコキシC1−C4アルコキシ基;カルボキシメトキシ、2−カルボキシエトキシ、3−カルボキシプロポキシ等のカルボキシC1−C4アルコキシ基;2−スルホエトキシ、3−スルホプロポキシ、4−スルホブトキシ等のスルホC1−C4アルコキシ基;等が挙げられる。
21〜R28における、C1−C4アルキルカルボニルアミノ基としては、直鎖又は分岐鎖のものが挙げられ、直鎖のものが好ましい。具体例としては、アセチルアミノ(メチルカルボニルアミノ)、エチルカルボニルアミノ、プロピルカルボニルアミノ、ブチルカルボニルアミノ等の直鎖のもの;イソプロピルカルボニルアミノ、t−ブチルカルボニルアミノ等の分岐鎖のもの;等が挙げられる。
21〜R28における、カルボキシ基で置換されたC1−C4アルキルカルボニルアミノ基の具体例としては例えば、2−カルボキシエチルカルボニルアミノ、3−カルボキシプロピルカルボニルアミノ等のカルボキシC1−C4アルキルカルボニルアミノ基;等が挙げられる。カルボキシ基の置換数は、通常1又は2、好ましくは1である。
21〜R28における、モノC1−C4アルキルウレイド基としては、アルキル部分が直鎖又は分岐鎖のものが挙げられる。該C1−C4アルキルの置換位置は特に制限されないが、「N’」に置換するのが好ましい。本明細書において、「モノC1−C4アルキルウレイド基」とは、「C1−C4アルキルNH−CO−NH−」基または「HN−CO−N(C1−C4アルキル)−」基を意味し、R21〜R28が結合するベンゼン環において、該ベンゼン環に直接結合する窒素原子を「N」、この窒素原子とカルボニル(CO)基を介して結合する窒素原子を「N’」として記載する。したがって、該C1−C4アルキルの置換位置としては前者が「N’」、後者が「N」である。その具体例としては、N’−エチルウレイド、N’−プロピルウレイド、N’−ブチルウレイド等の直鎖のもの;N’−イソプロピルウレイド、N’−イソブチルウレイド、N’−t−ブチルウレイド等の分岐鎖のもの;等が挙げられる。
21〜R28における、ジC1−C4アルキルウレイド基としては、直鎖又は分岐鎖のものが挙げられる。該C1−C4アルキルの置換位置は特に制限されず、前記「モノC1−C4アルキルウレイド基」における置換位置に準じて「N」及び「N’」に1つずつ、又は「N’」に2つ置換しても良いが、後者が好ましい。また2つの該C1−C4アルキルは、同一であっても異なっていてもよいが、同一のものが好ましい。その具体例としては、N’,N’−ジメチルウレイド、N’,N’−ジエチルウレイド、N’,N’−ジプロピルウレイド、N’,N’−ジブチルウレイド等の直鎖のもの;N’,N’−ジイソプロピルウレイド、N’,N’−ジイソブチルウレイド等の分岐のもの;等が挙げられる。
21からR28における、置換基として、ヒドロキシ基、スルホ基、及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたモノC1−C4アルキルウレイド基としては、前記モノC1−C4アルキルウレイド基における任意の炭素原子に、これらの置換基を有するものが挙げられる。該置換基の数は、通常1又は2、好ましくは1である。置換基の位置は特に制限されないが、同一の炭素原子に窒素原子とヒドロキシ基とが置換しないものが好ましい。具体例としては、N’−2−ヒドロキシエチルウレイド、N’−3−ヒドロキシプロピルウレイド等のN’−モノ(ヒドロキシC1−C4アルキル)ウレイド基;N’−2−スルホエチルウレイド、N’−3−スルホプロピルウレイド等のN’−モノ(スルホC1−C4アルキル)ウレイド基;N’−カルボキシメチルウレイド、N’−2−カルボキシエチルウレイド、N’−3−カルボキシプロピルウレイド、N’−4−カルボキシブチルウレイド等のN’−モノ(カルボキシC1−C4アルキル)ウレイド基;等が挙げられる。
21からR28における、置換基として、ヒドロキシ基、スルホ基、及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたジC1−C4アルキルウレイド基としては、前記ジC1−C4アルキルウレイド基における任意の炭素原子に、これらの置換基を有するものが挙げられる。該置換基の数は、通常1又は2、好ましくは2である。置換基の位置は特に制限されないが、同一の炭素原子に窒素原子とヒドロキシ基とが置換しないものが好ましい。また、置換基を複数有するとき、その種類としては同一でも異なっていてもよいが、同一のものが好ましい。具体例としては、N’,N’−ジ(2−ヒドロキシエチル)ウレイド、N’,N’−ジ(2−ヒドロキシプロピル)ウレイド、N’,N’−ジ(3−ヒドロキシプロピル)ウレイド等のN’,N’−ジ(ヒドロキシC1−C4アルキル)ウレイド基;N’,N’−ジ(3−スルホプロピル)ウレイド等のN’,N’−ジ(スルホC1−C4アルキル)ウレイド基;N’,N’−ジ(カルボキシメチル)ウレイド等のN’,N’−ジ(カルボキシC1−C4アルキル)ウレイド基;等が挙げられる。
21からR28における、ベンゼン環が、置換基として、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられ、塩素原子が特に好ましい。)、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたベンゾイルアミノ基としては、これらの置換基を1ないし3つ、好ましくは1または2つ有するものが挙げられる。置換基を複数有するとき、その種類としては同一でも異なっていてもよく、同一であるものが好ましい。その具体例としては、2−クロロベンゾイルアミノ、4−クロロベンゾイルアミノ、2,4−ジクロロベンゾイルアミノ等のハロゲン原子置換ベンゾイルアミノ基;2−メチルベンゾイルアミノ、3−メチルベンゾイルアミノ、4−メチルベンゾイルアミノ等のC1−C4アルキル置換ベンゾイルアミノ基;2−ニトロベンゾイルアミノ、4−ニトロベンゾイルアミノ、3,5−ジニトロベンゾイルアミノ等のニトロ置換ベンゾイルアミノ基;2−スルホベンゾイルアミノ、4−スルホベンゾイルアミノ等のスルホ置換ベンゾイルアミノ基;2−カルボキシベンゾイルアミノ、4−カルボキシベンゾイルアミノ、3,5−ジカルボキシベンゾイルアミノ等のカルボキシ置換ベンゾイルアミノ基;等が挙げられる。
21からR28において、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基でベンゼン環が置換されたフェニルスルホニルアミノ基としては、これらの置換基を1ないし3つ、好ましくは1または2つ、より好ましくは1つ有するものが挙げられる。置換基を複数有するとき、その種類としては同一でも異なっていても良い。その具体例としては、2−クロロフェニルスルホニルアミノ、4−クロロフェニルスルホニルアミノ等のハロゲン原子置換フェニルスルホニルアミノ基;2−メチルフェニルスルホニルアミノ、4−メチルフェニルスルホニルアミノ、4−t−ブチルフェニルスルホニルアミノ等のC1−C4アルキル置換フェニルスルホニルアミノ基;2−ニトロフェニルスルホニルアミノ、3−ニトロフェニルスルホニルアミノ、4−ニトロフェニルスルホニルアミノ等のニトロ置換フェニルスルホニルアミノ基;3−スルホフェニルスルホニルアミノ、4−スルホフェニルスルホニルアミノ等のスルホ置換フェニルスルホニルアミノ基;3−カルボキシフェニルスルホニルアミノ、4−カルボキシフェニルスルホニルアミノ等のカルボキシ置換フェニルスルホニルアミノ基;等が挙げられる。
上記のうち、R21からR28としては、水素原子;ハロゲン原子;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;スルホ基又はカルボキシ基で置換されたCl−C4アルコキシ基;C1−C4アルキルカルボニルアミノ基;が好ましい。これらの中でも、水素原子、メチル、エチル、t−ブチル、2−カルボキシエトキシ、3−カルボキシプロポキシ、2−スルホエトキシ、3−スルホプロポキシ、4−スルホブトキシ;がより好ましい。さらに、これらのなかでも、水素原子、メチル、3−スルホプロポキシが特に好ましい。
一般式(21)において、R21からR28としては、少なくとも1つがスルホ基で置換されたC1−C4アルコキシ基であるのが好ましい。また、R21からR24がそれぞれ独立に、水素原子、C1−C4アルキル基、またはスルホ基で置換されたC1−C4アルコキシ基であり、かつ、R21からR24の少なくとも1つがスルホ基で置換されたC1−C4アルコキシ基であり、R25からR28がそれぞれ独立に、水素原子又はC1−C4アルキル基であるのがより好ましい。また、R21およびR22の少なくとも一方がスルホプロポキシ基であり、R23およびR24の少なくとも一方がスルホプロポキシ基であり、R25からR28がC1−C4アルキル基であるのがさらに好ましい。
21からR28の置換位置は特に制限されないが、これらが置換するそれぞれのベンゼン環において、トリアジン環に結合する窒素原子の置換位置を1位、アゾ基の置換位置を4位として、R21からR24が2位、R25からR28が5位に置換するのが好ましい。
一般式(21)中、Xを表す架橋基としては、一般式(21)で表される化合物が水に対して溶解性を示す範囲で、2価のものであれば特に制限されない。ここで、水に対する一般式(21)で表される化合物の溶解性としては、1リットルの水に対して一般式(21)で表される化合物が通常5g以上、好ましくは10g以上、より好ましくは25g以上、さらに好ましくは50g以上、特に好ましくは100g以上、それぞれ溶解するのが良い。その具体例としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等の2価の原子(好ましくは2価のヘテロ原子);それぞれC1−C8の、アルキレンジアミノ基、アルキレンジオキシ基もしくはアルキレンジチオ基;N,N’−ヒドラジンジイル基;アミノアルコキシアルキルアミノ基といった、酸素原子に2つのアルキルアミノ基が置換したもの;および、アミノアルコキシアルコキシアルキルアミノ基等のエーテル結合を1つ以上含むアルキレンオキシド鎖の末端に、アミノ基及びアルキルアミノ基が1つずつ置換したもの;等が挙げられる。Xを表す2価の架橋基は、炭素原子の置換基として、ヒドロキシ基、カルボキシ基およびアルコキシ基よりなる群から選択される基を;また、窒素原子の置換基として、アルキル部分がヒドロキシ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいアルキル基を;それぞれ有してもよい。
Xを表す2価の架橋基としては、C1−C8アルキレンジアミノ基;ヒドロキシ基もしくはカルボキシ基で置換されたC1−C8アルキレンジアミノ基;N−C1−C4アルキル−C1−C6アルキレンジアミノ基;アルキル部分がヒドロキシ基もしくはカルボキシ基で置換されたN−C1−C4アルキル−C1−C6アルキレンジアミノ基;アミノC1−C6アルコキシC1−C6アルキルアミノ基;アミノC1−C4アルコキシC1−C4アルコキシC1−C4アルキルアミノ基;キシリレンジアミノ基;ピペラジン−1,4−ジイル基;C1−C4アルキル基もしくはC1−C4アルコキシ基で置換されたピペラジン−1,4−ジイル基;またはフェニレンジアミノ基;よりなる群から選択されるいずれかの基が好ましい。なお、これらの2価の架橋基は、いずれもアミノ基を2つ有する「ジアミノ」基である。したがって、該「ジアミノ」は、ピペラジン−1,4−ジイル等の一部の基を除き、いずれか1つの窒素原子で架橋する(すなわち、N,N−ジイルとなる)場合、または異なる2つの窒素原子で架橋する(すなわち、N,N’−ジイルとなる)場合、の両者を含む。これらのうち、「N,N’−ジイル」となる後者の場合が特に好ましい。
Xにおける、C1−C8アルキレンジアミノ基としては、直鎖、又は分岐鎖のものが挙げられ、直鎖のものが好ましい。炭素数の範囲としては通常C1−C8、好ましくはC2−C8、より好ましくはC2−C6、さらに好ましくはC2−C4が挙げられる。その具体例としては例えば、エチレンジアミノ、1,3−プロピレンジアミノ、1,4−ブチレンジアミノ、1,5−ペンチレンジアミノ、1,6−へキシレンジアミノ、1,7−ヘプチレンジアミノ、1,8−オクチレンジアミノといった直鎖のもの;2−メチル−1,3−プロピレンジアミノ、3−メチル−1,4−ブチレンジアミノ、4−メチル−1,6−ヘキシレンジアミノ等の分岐鎖のもの;等が挙げられる。
Xにおける、ヒドロキシ基又はカルボキシ基で置換されたC1−C8アルキレンジアミノ基としては、前記C1−C8アルキレンジアミノ基における任意の炭素原子に、これらの置換基を有するものが挙げられる。該置換基の数は特に制限されないが、好ましくは1又は2である。また、置換基を複数有するとき、その種類としては同一でも異なっていても良く、同一のものが好ましい。その具体例としては例えば、2−ヒドロキシ−1,3−プロピレンジアミノ、2−ヒドロキシ−1,4−ブチレンジアミノ、3−ヒドロキシ−1,6−へキシレンジアミノ等のヒドロキシ置換C1−C8アルキレンジアミノ基;1−カルボキシエチレンジアミノ、1−カルボキシ−1,3−プロピレンジアミノ、1−カルボキシ−1,4−ブチレンジアミノ、1−カルボキシ−1,5−ペンチレンジアミノ、1,5−ジカルボキシ−1,5−ペンチレンジアミノ等のカルボキシ置換C1−C8アルキレンジアミノ基;等が挙げられる。
Xにおける、N−C1−C4アルキル−C1−C6アルキレンジアミノ基としては、C1−C6アルキレンジアミノ基の一方の窒素原子が、C1−C4アルキル基で置換されたものを意味する。本明細書においては、ジアミノ基のうちC1−C4アルキル基で置換された窒素原子を「N」と表記し、必要に応じて他方の窒素原子を「N’」と表記する。アルキレン部分の炭素原子数の範囲としては通常C1−C6、好ましくはC2−C4、特に好ましくはC2又はC3である。該C1−C4アルキル基としては、直鎖又は分岐鎖のものが挙げられ、直鎖のものが好ましい。その具体例としては、N−メチルエチレンジアミノ基、N−エチルエチレンジアミノ基、N−プロピルエチレンジアミノ基、N−プチルエチレンジアミノ基といったN−直鎖C1−C4アルキル−C1−C6アルキレンジアミノ基;N−イソプロピルエチレンジアミノ基、N−イソブチルエチレンジアミノ基、N−sec−ブチルエチレンジアミノ基、N−tert−ブチルエチレンジアミノ基といったN−分岐鎖C1−C4アルキル−C1−C6アルキレンジアミノ基;等が挙げられる。
Xにおける、アルキル部分がヒドロキシ基又はカルボキシ基で置換されたN−C1−C4アルキル−C1−C6アルキレンジアミノ基とは、前記N−C1−C4アルキル−C1−C6アルキレンジアミノ基における、N−C1−C4アルキル基のアルキル部分の任意の炭素原子に、これらの置換基を有するものが挙げられる。置換基の位置は特に制限されないが、窒素原子とヒドロキシ基とが同一の炭素原子に置換しないものが好ましい。アルキレン部分の炭素原子数の範囲としては、好ましいものも含めて前記N−C1−C4アルキル−C1−C6アルキレンジアミノ基におけるのと同じ範囲が挙げられる。また、アルキル部分の炭素数の範囲としては、通常C1−C4、好ましくはC2−C4、より好ましくはC2−C3である。該置換基の数は、通常1又は2、好ましくは1である。また、置換基を複数有するとき、その種類としては同一でも異なっていてもよいが、同一のものが好ましい。その具体例としては、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミノ基、N−(3−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミノ基、N−(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミノ基、N−(4−ヒドロキシブチル)エチレンジアミノ基等のN−ヒドロキシ置換C1−C4アルキル−C1−C6アルキレンジアミノ基;N−(カルボキシメチル)エチレンジアミノ基、N−(2−カルボキシエチル)エチレンジアミノ基、N−(3−カルボキシプロピル)エチレンジアミノ基、N−(4−カルボキシブチル)エチレンジアミノ基等のN−カルボキシ置換C1−C4アルキル−C1−C6アルキレンジアミノ基;等が挙げられる。
Xにおける、アミノC1−C6アルコキシC1−C6アルキルアミノ基としては、直鎖、又は分岐鎖のものが挙げられ、直鎖のものが好ましい。なお、アミノC1−C6アルコキシC1−C6アルキルアミノ基のうち、好ましい炭素数の範囲を有するものとしてアミノC2−C4アルコキシC2−C4アルキルアミノ基が挙げられ、特に好ましい炭素数の範囲を有するものとしてアミノC2−C3アルコキシC2−C3アルキルアミノ基が挙げられる。その具体例としては、アミノエトキシエチルアミノ、アミノエトキシプロピルアミノ、アミノプロポキシプロピルアミノ、アミノエトキシペンチルアミノ等が挙げられる。
Xにおける、アミノC1−C4アルコキシC1−C4アルコキシC1−C4アルキルアミノ基としては、直鎖、または分岐鎖のものが挙げられ、直鎖のものが好ましい。なお、アミノC1−C4アルコキシC1−C4アルコキシC1−C4アルキルアミノ基のうち、好ましい炭素数の範囲を有するものとしてアミノC2−C4アルコキシC2−C4アルコキシC2−C4アルキルアミノ基が挙げられ、特に好ましい炭素数の範囲を有するものとしてアミノC2−C3アルコキシC2−C3アルコキシC2−C3アルキルアミノ基が挙げられる。その具体例としては、アミノエトキシエトキシエチルアミノ、アミノエトキシプロポキシエチルアミノ、アミノエトキシブトキシエチルアミノ等の直鎖のもの;アミノエトキシ(2−メチルエトキシ)エチルアミノ、アミノエトキシ(2−メチルプロポキシ)エチルアミノ等の分岐鎖のもの;等が挙げられる。
Xにおけるキシリレンジアミノ基としては、例えば、o−キシリレンジアミノ基、m−キシリレンジアミノ基、p−キシリレンジアミノ基が挙げられ、m−キシリレンジアミノ基またはp−キシリレンジアミノ基が好ましい。
Xにおける、C1−C4アルキル基またはC1−C4アルコキシ基で置換されたピペラジン−1,4−ジイル基としては、ピペラジン環の環構成原子の任意の炭素原子に、これらの置換基を有するものが挙げられる。該置換基の数は、通常1または2、好ましくは1である。また、置換基を複数有するとき、その種類としては同一でも異なっていてもよく、同一のものが好ましい。その具体例としては、2−メチルピペラジン−1,4−ジイル基、2−エチルピペラジン−1,4−ジイル基、2,5−ジメチルピペラジン−1,4−ジイル基、2,6−ジメチルピペラジン−1,4−ジイル基、2,5−ジエチルピペラジン−1,4−ジイル基、2−メチル−5−エチルピペラジン−1,4−ジイル基;等が挙げられる。
Xにおけるフェニレンジアミノ基としては、o−、m−、及びp−フェニレンジアミノ基が挙げられ、m一又はp−フェニレンジアミノ基が好ましい。
以上のなかでも、Xは、C1−C8アルキレンジアミノ基;カルボキシ基で置換されたC1−C8アルキレンジアミノ基;アルキル部分がヒドロキシで置換されたN−C1−C4アルキル−C1−C6アルキレンジアミノ基;アミノC1−C4アルコキシC1−C4アルコキシC1−C4アルキルアミノ基;キシリレンジアミノ基;またはピペラジン−1,4−ジイル基;であることが好ましい。これらの中でも、Xは、C1−C8アルキレンジアミノ基;キシリレンジアミノ基;またはピペラジン−1,4−ジイル基;であることがより好ましい。これらのうち、好ましい具体例としては、1,2−エチレンジアミノ:1,3−プロピレンジアミノ;1,4−ブチレンジアミノ;1−カルボキシペンチレン−1,5−ジアミノ;N−2−ヒドロキシエチル−エチレンジアミノ;アミノエトキシエトキシエチルアミノ;m−キシリレンジアミノ;又は、ピペラジン−1,4−ジイル;が挙げられる。
上記一般式(21)において、置換位置が特定されていない4つのスルホ基の置換位置は、特に制限されない。1つのアゾ結合を有するベンゼン環に置換したスルホ基は、該アゾ結合の置換位置を1位として、2、3もしくは4位に置換してもよく、4位に置換することが好ましい。
一般式(21)で表される第2染料は、下記一般式(22)で表される化合物であることが好ましく、下記一般式(23)で表される化合物であることがより好ましい。
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上記一般式(22)中、R21〜R28およびXは、式(21)におけるものと同じ意味を表す。
Figure 2012172031
上記一般式(23)中、R21〜R28およびXは、式(21)におけるものと同じ意味を表す。
一般式(21)〜(23)におけるR21からR28、一般式(21)におけるR21〜R28の置換位置、ならびに一般式(21)および一般式(22)における置換位置が特定されていないスルホの置換位置等について、好ましいもの同士を組み合わせた化合物はより好ましく、より好ましいもの同士を組み合わせたものはさらに好ましい。さらに好ましいもの同士、好ましいものとより好ましいものとの組み合わせ等についても同様である。
一般式(21)で表される化合物の塩は、無機または有機の陽イオンの塩であることができる。無機塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、およびアンモニウム塩が挙げられる。これらの中でも好ましい無機塩は、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩およびアンモニウム塩である。また、有機の陽イオンの塩としては、例えば、上記一般式(7)で示される4級アンモニウムイオンが挙げられるが、これに限定されるものではない。
また、本実施形態に係る第2染料の遊離酸およびそれらの各種の塩は、混合物であってもよい。例えば、第2染料のナトリウム塩と第2染料のアンモニウム塩との混合物、第2染料の遊離酸と第2染料のナトリウム塩との混合物、第2染料のリチウム塩、第2染料のナトリウム塩および第2染料のアンモニウム塩の混合物等、いずれの組み合わせを用いてもよい。塩の種類によっては溶解性等の物性が異なる場合も有り、必要に応じて適宜塩の種類を選択したり、複数の塩などを含む場合にその比率を変化させたりすることにより、目的に合った物性を有する混合物を得ることができる。
第2染料の好適な具体例として、特に限定されるものではないが、表8〜表29に示す構造式で表される化合物などが挙げられる。各表においてスルホ基及びカルボキシ基等の官能基は、便宜上、遊離酸の形で記載するものとする。
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(b)第2染料の合成方法
一般式(21)ないし一般式(23)で表されるアゾ化合物は、例えば次のような方法で合成することができる。なお、各工程における化合物の構造式は、遊離酸の形で表すものとし、また下記一般式(24)〜(30)において適宜使用されるR21〜R28およびXは、それぞれ上記一般式(21)におけるものと同じ意味を表す。
まず、下記一般式(24)で表される化合物を常法によりジアゾ化し、これと下記式(25)で表される化合物とを常法によりカップリング反応させ、下記一般式(26)で表される化合物を得る。
なお、一般式(26)で表される化合物の他の合成方法としては、以下の方法が挙げられる。具体的には、一般式(24)で表される化合物を常法によりジアゾ化し、これとアニリンのメチル−ω−スルホン酸誘導体とを常法によりカップリング反応させた後、アルカリ条件下で加水分解して、下記一般式(27)で表される化合物を得る。得られた一般式(27)で表される化合物を発煙硫酸等で処理してスルホ化することにより、一般式(26)で表される化合物を得ることができる。また、一般式(26)で表される化合物の中には、市販品として購入できるもの(例えばC.I.アシッドイエロー9)もある。
次に、得られた一般式(26)で表される化合物を常法によりジアゾ化した後、これと下記一般式(28)で表される化合物とを常法によりカップリング反応させ、下記一般式(29)で表される化合物を得る。
一方、一般式(26)で表される化合物を常法によりジアゾ化した後、これと下記一般式(30)で表される化合物とを常法によりカップリング反応させ、下記一般式(31)で表される化合物を得る。同様にして、一般式(26)で表される化合物を常法によりジアゾ化した後、これと下記一般式(32)で表される化合物とを常法によりカップリング反応させ、下記一般式(33)で表される化合物を得る。同様にして、一般式(26)で表される化合物を常法によりジアゾ化した後、これと下記一般式(34)で表される化合物とを常法によりカップリング反応させ、下記一般式(35)で表される化合物を得る。
次に、得られた一般式(29)で表される化合物とハロゲン化シアヌル(例えば、塩化シアヌル)とを常法により縮合反応させ、下記一般式(36)で表される化合物を得る。
次いで、得られた一般式(36)で表される化合物と一般式(31)で表される化合物とを常法により縮合反応させ、下記一般式(37)で表される化合物を得る。同様にして、得られた一般式(33)で表される化合物とハロゲン化シアヌル(例えば、塩化シアヌル)とを常法により縮合反応させ、下記式(38)で表される化合物を得る。
次いで、得られた一般式(38)で表される化合物と一般式(35)で表される化合物とを常法により縮合反応させ、下記一般式(39)で表される化合物を得る。
次いで、得られた一般式(37)で表される化合物と一般式(39)で表される化合物と下記一般式(40)で表される架橋基Xに対応する化合物とを、常法により縮合反応させることにより、一般式(21)で表される第2染料を得ることができる。
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一般式(24)で表される化合物のジアゾ化は、公知の方法で実施される。具体的には、無機酸媒質中、例えば−5〜30℃、好ましくは0〜20℃の温度で、亜硝酸塩(例えば亜硝酸ナトリウム等の亜硝酸アルカリ金属塩)を使用して実施される。また、一般式(24)で表される化合物のジアゾ化物と式(25)で表される化合物とのカップリング反応は、公知の反応条件で実施される。例えば、水又は水性有機媒体中、0〜30℃(好ましくは5〜25℃)の温度、ならびに酸性から弱酸性のpH値(例えば、pH1〜pH6)で反応を行うことが好ましい。ジアゾ化反応液は酸性であり、カップリング反応の進行により反応系内は更に酸性化してしまうため、塩基の添加によって反応液を上記pH値に調整することが好ましい。塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;酢酸ナトリウム等の酢酸塩;アンモニアもしくは有機アミン;等が使用できる。一般式(24)の化合物と式(25)の化合物とは、ほぼ化学量論量で用いる。
一般式(26)で表される化合物のジアゾ化は、公知の方法で実施される。具体的には、無機酸媒質中、例えば−5〜30℃、好ましくは0〜25℃の温度で、亜硝酸塩(例えば、亜硝酸ナトリウム等の亜硝酸アルカリ金属塩)を使用して実施される。一般式(26)で表される化合物のジアゾ化物と、一般式(28)、一般式(30)、一般式(32)、または一般式(34)で表される化合物とのカップリング反応は、公知の反応条件で実施される。例えば、水または水性有機媒体中、0〜30℃、好ましくは5〜25℃の温度、ならびに酸性から弱酸性のpH値(例えば、pH1〜pH6)で反応を行うことが有利である。ジアゾ化反応液は酸性であり、カップリング反応の進行により反応系内は更に酸性化してしまうため、塩基の添加によって反応液を前記のpH値へ調整するのが好ましい。塩基としては上述したものと同じものが使用できる。一般式(26)の化合物と、一般式(28)、一般式(30)、一般式(32)、または一般式(34)の化合物とは、ほぼ化学量論量で用いる。
一般式(29)または一般式(33)で表される化合物とハロゲン化シアヌル(例えば、塩化シアヌル)との縮合反応は、公知の方法で実施される。例えば、水または水性有機媒体中、0℃〜30℃、好ましくは5℃〜25℃の温度、ならびに弱酸性から中性のpH値(例えば、pH3〜pH8)で反応を行うことが好ましい。反応の進行により反応系内は酸性化してしまうため、塩基の添加によって上記pH値に調整することが好ましい。塩基としては、上述したものと同じものが使用できる。一般式(29)または一般式(33)の化合物とハロゲン化シアヌルとは、ほぼ化学量論量で用いる。
一般式(31)で表される化合物と一般式(36)で表される化合物との縮合反応、または一般式(35)で表される化合物と一般式(38)で表される化合物との縮合反応は、公知の方法で実施される。例えば、水または水性有機媒体中、10〜80℃、好ましくは25〜70℃の温度、ならびに弱酸性から弱アルカリ性のpH値(例えば、pH5〜pH9)で反応を行うことが好ましい。pH値の調整は、塩基の添加によって実施される。塩基としては、上述したものと同じものが使用できる。一般式(31)で表される化合物と一般式(36)で表される化合物、または一般式(35)で表される化合物と一般式(38)で表される化合物とは、ほぼ化学量論量で用いる。
一般式(37)で表される化合物と一般式(39)で表される化合物と一般式(40)で表される化合物との縮合反応は、公知の方法で実施される。具体的には、水または水性有機媒体中、50℃〜100℃、好ましくは60℃〜95℃の温度、ならびに中性から弱アルカリ性のpH値(例えば、pH7〜pH10)で行うことが好ましい。pH値の調整は、塩基の添加によって実施される。塩基としては、上述したものと同じものが使用できる。一般式(37)で表される化合物1当量と一般式(39)で表される化合物1当量に対し、一般式(40)で表される化合物は、0.4当量〜0.6当量、好ましくは0.5当量を用いる。
一般式(21)の化合物を所望の塩とするためには、一般式(21)で表される化合物の合成反応における最終工程の終了後に、一般式(1)の化合物を所望の塩にする方法と同様にして実施されればよい。
本実施形態のインク組成物は、上記の表8〜表29に示す化合物の中でも、化合物No.95で示される下記式(41)の化合物またはその塩を好ましく用いることができる。
Figure 2012172031
1.3.その他の色材
本実施形態に係るインク組成物は、第1染料および第2染料以外の色材を含んでいてもよい。第1染料および第2染料以外の色材としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(51)で表される化合物(以下、「第3染料」ともいう。)が挙げられる。
第3染料は、インク組成物の色相の調整をより一層容易にすることができる。具体的には、本実施形態に係るインク組成物が第3染料を含有していると、インク組成物中に含まれる第1染料、第2染料および第3染料の相補的な作用により、形成される画像の色相を無彩色に近づけることがより一層容易になる。
本実施形態に係るインク組成物が第3染料を含有する場合において、第1染料の含有量[MA(質量%)]と、第3染料の含有量[MC(質量%)]と、の比率(MC/MA)は、0.5以上1.5以下であることが好ましく、0.7以上1.3以下であることがより好ましい。第1染料と第3染料との含有量の比率が上記範囲内にあると、良好な黒色を呈する(無彩色に近い)画像をより一層容易に得ることができたり、記録される画像の発色濃度を向上させたり、耐光性を向上させたりすることができる。
Figure 2012172031
上記一般式(51)中、R51は、ハロゲン原子;水素原子;SOM;またはCOOM;を表す。また、R52およびR53は、それぞれ独立に、水素原子;SOM;またはCOOM;を表す。また、Mは、それぞれ独立に、LiおよびNaの少なくとも一方を表す。ただし、一般式(51)中、R52およびR53がいずれも水素原子である場合はない。
一般式(51)で表される化合物としては、例えば、下記一般式(52)で表される化合物、下記一般式(53)で表される化合物、および下記一般式(54)で表される化合物が挙げられる。なお、これらの一般式(52)〜(54)で表される化合物は、1種類のみ単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよいが、一般式(52)で表される化合物を単独で用いることが好ましい。
Figure 2012172031
一般式(52)中、Mは、それぞれ独立に、LiおよびNaの少なくとも一方を表す。
Figure 2012172031
一般式(53)中、Mは、それぞれ独立に、LiおよびNaの少なくとも一方を表す。
Figure 2012172031
一般式(54)中、Mは、それぞれ独立に、LiおよびNaの少なくとも一方を表す。
1.4.水
本実施形態に係るインク組成物は、水を含有する。水は、インク組成物において上述した色材を分散もしくは溶解させる主溶媒として機能する。
水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水または超純水のようなイオン性不純物を極力除去したものであることが好ましい。また、紫外線照射または過酸化水素添加等により滅菌した水を用いると、顔料分散液およびこれを用いた水性インク組成物を長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができるので好適である。
本実施形態に係るインク組成物に含有される水は、インク組成物の全質量に対して、50質量%以上であることが好ましい。
1.5.その他の成分
本実施形態に係るインク組成物は、界面活性剤を含有することができる。界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
これらの中でも、ノニオン系界面活性剤は、インク組成物の被記録媒体に対する浸透性および定着性を向上できるとともに、インクジェット記録方法によって被記録媒体上に付着させたインク組成物の液滴の形状を真円に近いものとすることができるので、好ましく用いることができる。
また、ノニオン系界面活性剤の中でも、アセチレングリコール系界面活性剤は、表面張力および界面張力を適正に保つ能力に優れており、かつ起泡性がほとんどないという特性を有する点から、より好ましく用いることができる。アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オールおよび2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オールなどが挙げられる。また、アセチレングリコール系界面活性剤は市販品も利用することができ、サーフィノール104、104E、104H、104A、104BC、104DPM、104PA、104PG−50、104S、420、440、465、485、SE、SE−F、504、61、DF37、CT111、CT121、CT131、CT136、TG、GA(以上全て商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)、オルフィンB、Y、P、A、STG、SPC、E1004、E1010、PD−001、PD−002W、PD−003、PD−004、EXP.4001、EXP.4036、EXP.4051、AF−103、AF−104、AK−02、SK−14、AE−3(以上全て商品名、日信化学工業株式会社製)、アセチレノールE00、E00P、E40、E100(以上全て商品名、川研ファインケミカル株式会社製)等が挙げられる。
界面活性剤を含有する場合には、その含有量は、インク組成物の全質量に対して、0.1質量%以上5質量%以下であることが好ましい。
本実施形態に係るインク組成物は、浸透促進剤を含有することができる。浸透促進剤は、被記録媒体に対するインク組成物の濡れ性をさらに向上させて均一に塗らす作用を備える。これにより、形成された画像のインクの濃淡ムラや滲みをさらに低減させることができ、画像の発色濃度を一層向上させることができる。浸透促進剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
浸透促進剤としては、例えば、グリコールエーテル類が挙げられる。グリコールエーテル類は、浸透促進剤としての効果に特に優れる。グリコールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。これらの中でも、本実施形態に係るインク組成物に含まれる成分との相溶性に優れている点から、トリエチレングリコールモノブチルエーテルを好ましく用いることができる。
浸透促進剤を含有する場合には、その含有量は、インク組成物の全質量に対して、5質量%以上15質量%以下であることが好ましい。
本実施形態に係るインク組成物は、保湿剤を含有することができる。保湿剤としては、例えば、1,2−アルカンジオール類、多価アルコール類、ピロリドン誘導体、尿素類等が挙げられる。保湿剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
1,2−アルカンジオール類は、被記録媒体に対するインク組成物の濡れ性を高めて均一に濡らす作用に優れているため、被記録媒体上に優れた画像を形成することができる。1,2−アルカンジオール類としては、例えば、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等が挙げられる。1,2−アルカンジオール類を含有する場合には、その含有量は、インク組成物の全質量に対して、1質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
多価アルコール類は、インク組成物をインクジェット記録装置に用いた場合に、ヘッドのノズル面でのインクの乾燥固化を抑制して目詰まりや吐出不良等を低減できるという観点から好ましく用いることができる。多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン等が挙げられる。多価アルコール類を含有する場合には、その含有量は、インク組成物の全質量に対して、1質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
ピロリドン誘導体は、ヘッドのノズル面でのインクの乾燥固化を抑制して目詰まりや吐出不良等を低減できるという観点から好ましく用いることができる。ピロリドン誘導体としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、N−ブチル−2−ピロリドン、5−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。ピロリドン誘導体を含有する場合には、その含有量は、インク組成物の全質量に対して、1質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
尿素類は、インク組成物をインクジェット記録装置に用いた場合に、ヘッドのノズル面でのインクの乾燥固化を抑制して目詰まりや吐出不良等を低減できるという観点から好ましく用いることができる。尿素類としては、例えば、尿素、チオ尿素、エチレン尿素、1,3−ジメチルイミダゾリジノン類等が挙げられる。尿素類を含有する場合には、その含有量は、インク組成物の全質量に対して、1質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
本実施形態に係るインク組成物は、pH調整剤を含有することができる。pH調整剤は、インク組成物のpH値の調整を容易にすることができる。pH調製剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
pH調整剤としては、無機酸(例えば、硫酸、塩酸、硝酸等)、無機塩基(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等)、有機塩基(トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリ−iso−プロパノールアミン)、有機酸(例えば、アジピン酸、クエン酸、コハク酸等)等が挙げられる。
pH調整剤としては、上記の中でも、有機酸および有機塩基の少なくとも一方を用いることが好ましい。特に、有機酸と有機塩基とを組み合わせて使用する場合には、無機酸と無機塩基、無機酸と有機塩基、有機酸と無機塩基の組み合わせよりもpH緩衝能力が高い。そのため、有機酸と有機塩基とを組み合わせて使用した場合には、pH値の変動を抑制する効果が一層向上して、所望のpHに設定しやすいという効果を奏する。
本実施形態に係るインク組成物は、さらに、防腐剤・防かび剤、防錆剤、キレート化剤等を含有することができる。本実施形態に係るインク組成物は、これらの化合物を含有していると、その特性がさらに向上する場合がある。
防腐剤・防かび剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン等が挙げられる。市販品では、プロキセルXL2、プロキセルGXL(以上商品名、アビシア社製)や、デニサイドCSA、NS−500W(以上商品名、ナガセケムテックス株式会社製)等が挙げられる。
防錆剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
キレート化剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸およびそれらの塩類(エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム塩等)等が挙げられる。
1.6.物性
本実施形態に係るインク組成物をインクジェット記録装置に用いる場合において、インク組成物の20℃における粘度は、2mPa・s以上10mPa・s以下であることが好ましく、3mPa・s以上6mPa・s以下であることがより好ましい。インク組成物は、20℃における粘度が上記範囲内にあると、ノズルから適量吐出され、飛行曲がりを起こすことや飛散することを一層低減できるので、インクジェット記録装置に好適に使用することができる。インク組成物の粘度は、振動式粘度計VM−100AL(山一電機株式会社製)を用いて、インク組成物の温度を20℃に保持することで測定できる。
本実施形態に係るインク組成物の20℃におけるpHは、7以上9以下であることが好ましく、7以上8以下であることがより好ましく、7以上7.5以下であることが特に好ましい。インク組成物は、20℃におけるpHが上記範囲内にあると、保存安定性が一層向上したり、インクジェット記録装置のノズル面の腐食を低減できる。特に、インク組成物のpHは、アルカリ性側から7に近づくにつれて、保存安定性に一層優れたものとなる。インク組成物のpHの測定には、例えば、卓上型pHメータ(株式会社堀場製作所製、型番「F−50」)を使用して、インク組成物の温度を20℃に保持することで測定できる。
2.インクジェット記録方法
本実施形態に係るインクジェット記録方法は、上記のインク組成物の液滴を吐出する工程を有する。本実施形態に係るインクジェット記録方法は、従来公知のインクジェット記録装置を用いて行うことができる。
インクジェット記録装置を用いたインクジェット記録方法は、例えば、次の様に行うことができる。具体的には、インク組成物を液滴として被記録媒体上に吐出して、インク組成物の液滴を被記録媒体に付着させることにより画像を形成することができる。インクジェット吐出方法としては、従来公知の方式はいずれも使用でき、特に圧電素子の振動を利用して液滴を吐出させる方法(電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法)においては優れた画像記録を行うことが可能である。
被記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、紙、厚紙、繊維製品、シートまたはフィルム、プラスチック、ガラス、セラミックス、金属等が挙げられる。
3.実施例
以下、本発明を実施例および比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
3.1.染料の合成
(製造例1)
後述の工程1〜3により、下記式(41)で表される化合物の合成を行った。
(工程1)
水200部に、下記式(42)で表されるモノアゾ化合物35.7部を加え、水酸化ナトリウムでpH6に調整しながら、亜硝酸ナトリウム7.2部を加えて溶液とした。この溶液を、35%塩酸31.3部を水200部で希釈した水溶液中に、0〜10℃に保ちながら30分間かけて滴下した後、20℃以下で1時間撹拌してジアゾ化反応を行った。得られた反応液にスルファミン酸0.4部を添加し5分間撹拌して、最終的なジアゾ反応液とした。
Figure 2012172031
一方、40〜50℃の水300部に、下記式(43)で表される化合物24.0部および25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH5〜6に調整し、水溶液を得た。この水溶液15〜25℃に保ちながら、上記のジアゾ反応液を30分間かけて滴下した。滴下中は炭酸ナトリウム水溶液の添加によりpH5〜6に保持した。次いで、15〜25℃、pH5〜6で2時間撹拌した後、35%塩酸を添加することでpH0〜1に調整した。得られた液を65℃に加熱保持しながら2時間撹拌した後、25℃まで冷却し、析出物を濾過分取することにより下記式(44)で表される化合物を含むウェットケーキ130部を得た。
Figure 2012172031
Figure 2012172031
(工程2)
水250部に上記工程1で得られたウェットケーキ65部を、25%水酸化ナトリウム水溶液の添加により溶液とした。なお、溶液のpHは7〜8とした。この溶液にレオコール TD−90(ライオン社製、界面活性剤)を0.1部添加した後、15〜25℃で塩化シアヌル3.8部を添加した。次に、炭酸ナトリウム水溶液の添加によりpH5〜6に保持しながら15〜25℃で2時間撹拌した。次に、この反応液を60〜65℃に加熱し、炭酸ナトリウム水溶液の添加によりpH6〜7に保持しながら5時間撹拌した。
次に、ピペラジン0.89部を添加し、90〜95℃に加熱し、炭酸ナトリウム水溶液の添加によりpH8〜9に保持しながら16時間撹拌した。得られた反応液を25℃に冷却し、塩化ナトリウムを添加し、析出した固体を濾過分取してウェットケーキを得た。このウェットケーキに水400部を加え、溶液とした。この溶液にメタノール50部、2−プロパノール800部を添加し、析出した固体を濾過分取し、乾燥することにより、下記式(41)で表される化合物のナトリウム塩を得た。
Figure 2012172031
3.2.インク組成物の調製
表30に示す配合量で、各成分を混合攪拌し、孔径1.0μmのメンブレンフィルターにて加圧濾過を行って、実施例1〜8および比較例1〜3の各インク組成物を得た。なお、表30に記載されている単位は、質量%である。また、表30中に示す各インク組成物のpHは、卓上型pHメータ(株式会社堀場製作所製、型番「F−50」)を使用して、インク組成物の温度を20℃に保持して測定したものである。
表30中の各成分は、下記のとおりである。なお、下記Bw−1は、上記製造例1で得られたナトリウム塩を常法により処理し、リチウム塩としたものを用いた。
(1)染料(色材)
・Bk−1(下記式(14)で表される化合物のリチウム塩、本明細書における「第1染料」に相当)
・Bw−1(上記式(41)で表される化合物のリチウム塩、本明細書における「第2染料」に相当)
・Bk−2(下記一般式(52)で表される化合物のリチウム塩、本明細書における「第3染料」に相当)
・Bk−3(下記式(61)で表される化合物のリチウム塩)
・Y−1(C.I.ダイレクトイエロー86、ダイワ化成株式会社製)
(2)保湿剤
・グリセリン
・トリエチレングリコール
・2−ピロリドン
・尿素
(3)浸透促進剤
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル
(4)界面活性剤
・アセチレングリコール系界面活性剤(商品名「オルフィン E1010」、日信化学工業株式会社製)
(5)pH調整剤
・アジピン酸
・トリ−iso−プロパノールアミン
・トリエタノールアミン
(6)水
・純水
Figure 2012172031
Figure 2012172031
Figure 2012172031
3.3.保存安定性の評価
上記のようにして得られたインク組成物を、体積基準で2000倍となるように純水で希釈した。得られた希釈液をサンプル瓶に入れ、完全に密閉した。このサンプル瓶を70℃で6日間保存した後、20℃に戻したときの吸収スペクトルを測定した。保存安定性は、保存前の20℃における最大吸収波長における吸光度(Aa)と、保存後の20℃における最大吸収波長における吸光度(Ab)と、の比率(残存率=Ab/Aa)を求めることにより評価した。吸収スペクトルの測定は、JIS K0115に準じて行った。具体的には、インク組成物をイオン交換水で1000倍希釈して、測定セルとして石英セル(光路長10mm)、測定装置として分光光度計(製品名「U−3000」、日立製作所製)を用いて測定した。
保存安定性の評価基準は、以下の通りである。なお、残存率が高いほど保存安定性に優れていることを示し、評価基準のうち「A」および「B」が実用上許容される基準である。評価結果を表30に併せて示す。
「A」:残存率が95%以上である。
「B」:残存率が90%以上95%未満である。
「C」:残存率が90%未満である。
3.4.発色濃度の評価
(1)評価サンプルの作成
上記の様にして得られたインク組成物をインクジェットプリンター(商品名「PM−G800」、セイコーエプソン株式会社製)の専用カートリッジのインク室にそれぞれ充填した。そして、インクカートリッジを上記プリンターに装着し、写真用紙クリスピア(商品名、型番「KA450SCKR」、セイコーエプソン株式会社製)に対してベタパターン画像の記録を行い、評価サンプルを得た。ベタパターン画像の記録は、解像度2880×1440dpi、100%dutyの条件で行った。
(2)発色濃度の測定
分光測光器Spectrolino(商品名、GretagMacbeth社製)を用いて、評価サンプルに記録された画像のOD値(光学濃度)を測定した。
発色濃度の評価基準は、以下の通りである。なお、OD値が高いほど発色濃度に優れていることを示し、下記の評価基準のうち「A」および「B」が実用上許容される基準である。評価結果を表30に併せて示す。
「A」:OD値が2.3以上である。
「B」:OD値が2.2以上2.3未満である。
「C」:OD値が2.2未満である。
3.5.色相の評価
上記「3.4.発色濃度の評価 (1)評価サンプルの作成」で得られた評価サンプルに記録された画像のa、b(CIE(国際照明委員会)で規定されているL表色系)を、分光測光器Spectrolino(商品名、GretagMacbeth社製)を用いて、JIS Z8729に準じて測定した。
色相の評価基準は、以下の通りである。評価基準のうち「A」であると、無彩色に近く、目視においても良好な黒色を呈する画像が記録できたものと判断できる。評価結果を表30に併せて示す。
「A」:a値が−3以上3以下の範囲内にあり、かつ、b値が−3以上3以下の範囲内にある。
「C」:a値およびb値の少なくとも一方が、−3以上3以下の範囲内にない。
3.6.耐光性の評価
(1)評価サンプルの作成
上記の様にして得られたインク組成物をインクジェットプリンター(商品名「PM−A700」、セイコーエプソン株式会社製)の専用カートリッジのインク室にそれぞれ充填した。そして、インクカートリッジを当該プリンターに装着し、写真用紙クリスピア(商品名、型番「KA450SCKR」、セイコーエプソン株式会社製)に対してベタパターン画像の記録を行い、評価サンプルを得た。ベタパターン画像の記録は、得られた画像のOD(Optical Density)が1.0となるようにDutyを調整して行った。
(2)耐光性の評価試験
上記のようにして得られた評価サンプルを室温下で暗所に1日静置した。その後、評価サンプルをXenon耐光性試験機XL−75s(商品名:(株)スガ試験機製)に設置して、23℃相対湿度50%RH、照度75000luxの条件で、14日間の曝露試験を行った。
そして、分光測光器Spectrolino(商品名、GretagMacbeth社製)を使用して、サンプルに記録された画像の光照射前後のOD値を測定した。OD値の測定は、光源がD50、光源フィルタなし、絶対白を白色標準として、視野角2°で行った。
なお、耐光性の評価は、得られた測定値(OD値)から、光照射後の各記録物の画像の光学濃度残存率(Relict Optical Density:ROD)求めることにより行った。RODの算出方法は、「ROD(%)=(Dn/Do)×100(式中、Dnは光照射試験終了後の画像のOD値、Doは光照射試験開始前の画像のOD値)」である。RODの値が高いほど、光照射による画像の劣化が少ないことを示す。
耐光性の評価基準は、以下の通りである。評価基準のうち「A」および「B」であると、実用上使用できる程度の耐光性を有すると判断できる。評価結果を表30に併せて示す。
「A」:RODが80%以上
「B」:RODが70%以上80%未満
「C」:RODが70%未満
3.7.耐オゾン性の評価
上記「3.6.耐光性の評価 (1)評価サンプルの作成」で得られた評価サンプルの耐オゾン性の評価を行った。具体的には、評価サンプルをオゾンウェザーメーターOMS−L型(商品名、スガ試験機株式会社製)に設置して、温度23℃、湿度50%RH、およびオゾン濃度5ppmの条件下で、40時間オゾンによる曝露試験を行った。
そして、分光測光器Spectrolino(商品名、GretagMacbeth社製)を使用して、サンプルに記録された画像のオゾン曝露前後のOD値を測定した。OD値の測定は、光源がD50、光源フィルタなし、絶対白を白色標準として、視野角2°で行った。
なお、耐オゾン性の評価は、「3.6.耐光性の評価 (2)耐光性の評価試験」と同様の算出方法によって求められるRODにより行った。RODの値が高いほど、オゾン曝露による画像の劣化が少ないことを示す。
耐オゾン性の評価基準は、以下の通りである。評価基準のうち「A」および「B」であると、実用上使用できる程度の耐オゾン性を有すると判断できる。評価結果を表30に併せて示す。
「A」:RODが80%以上
「B」:RODが70%以上80%未満
「C」:RODが70%未満
3.8.評価結果
Figure 2012172031
表30に示すように、実施例1ないし実施例7のインク組成物によれば、色相、発色濃度、耐光性、および耐オゾン性の良好な画像を記録することができた。さらに、pH調整を行うことにより、保存安定性に一層優れたインク組成物を得ることができた。
一方、比較例1および比較例2のインク組成物は、第1染料に相当する化合物を含んでいない。そのため、色相に優れた画像が得られるものの、十分な発色濃度を有する画像は得られなかった。
また、比較例3および比較例4のインク組成物は、第2染料に相当する化合物を含んでいない。そのため、発色濃度および耐オゾン性に優れた画像が得られるものの、青みがかった黒色の色相を備えた画像が得られ、無彩色に近い良好な黒色の画像を得ることができなかった。
また、比較例5および比較例6のインク組成物は、第2染料に相当する化合物を含んでいない。そのため、耐オゾン性に優れる画像が得られるものの、十分な色相および発色濃度を有する画像を得ることができなかった。なお、比較例5および比較例6の評価サンプルではブロンズ現象がみられた。そのため、比較例6のように染料の含有量を調整しても十分な発色濃度を有する画像を得ることができなかった。
また、比較例7のインク組成物は、第1染料および第2染料に相当する化合物を含んでいない。これにより、青みがかった黒色の色相を備えた画像が得られ、無彩色に近い良好な黒色の画像を得ることができなかった。また、記録された画像の耐光性および耐オゾン性に優れていなかった。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。

Claims (12)

  1. 水と、
    下記一般式(1)で表される化合物またはその塩と、
    下記一般式(21)で表される化合物またはその塩と、
    を含有する、インク組成物。
    Figure 2012172031
    (式(1)中、nは、0または1であり、
    は、カルボキシ基;C1−C8アルコキシカルボニル基;C1−C8アルコキシカルボニル基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルキル基;またはヒドロキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいフェニル基を表し、
    、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子;塩素原子;ヒドロキシ基;スルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;カルバモイル基;C1−C4アルキル基;ヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、ヒドロキシC1−C4アルコキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基;ヒドロキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいモノもしくはジC1−C4アルキルアミノ基;ヒドロキシ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルキルカルボニルアミノ基;ヒドロキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいN’−C1−C4アルキルウレイド基;ベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいフェニルアミノ基;ベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいベンゾイルアミノ基;またはベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいフェニルスルホニルアミノ基;をそれぞれ表し、
    基Aは、下記一般式(2)または下記一般式(3)で表される置換複素環基であり、
    Figure 2012172031
    (式(2)中、Rは、メルカプト基;またはヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、ヒドロキシC1−C4アルコキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルキルチオ基を表す。)
    Figure 2012172031
    (式(3)中、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子;塩素原子;カルボキシ基;スルホ基;ニトロ基;ヒドロキシ基;カルバモイル基;スルファモイル基;C1−C4アルキル基;ヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基;ヒドロキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルキルスルホニル基;またはベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいフェニルスルホニル基;をそれぞれ表す。)
    基Bは、置換されていてもよいフェニル基またはナフチル基であり、
    基Bが置換フェニル基の場合は、ヒドロキシ基;スルホ基;カルボキシ基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;アミノ基;モノもしくはジC1−C4アルキルアミノ基;アセチルアミノ基;およびベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されていてもよいベンゾイルアミノ基;よりなる群から選択される置換基を有し、
    基Bが置換ナフチル基の場合は、ヒドロキシ基;スルホ基;C1−C4アルコキシ基;およびベンゼン環がメチル基、ニトロ基または塩素原子で置換されていてもよいフェニルスルホニルオキシ基;よりなる群から選択される置換基を有する。)
    Figure 2012172031
    (式(21)中、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27およびR28は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;スルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;カルバモイル基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;置換基として、ヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、ヒドロキシC1−C4アルコキシ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたC1−C4アルコキシ基;C1−C4アルキルカルボニルアミノ基;カルボキシ基で置換されたC1−C4アルキルカルボニルアミノ基;ウレイド基;モノC1−C4アルキルウレイド基;ジC1−C4アルキルウレイド基;置換基として、ヒドロキシ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたモノC1−C4アルキルウレイド基;置換基として、ヒドロキシ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたジC1−C4アルキルウレイド基;ベンゾイルアミノ基;ベンゼン環が、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたベンゾイルアミノ基;ベンゼンスルホニルアミノ基;または、ベンゼン環が、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたフェニルスルホニルアミノ基;を表し、
    Xは、2価の架橋基を表す。)
  2. 請求項1において、
    さらに、下記一般式(51)で表される化合物を含有する、インク組成物。
    Figure 2012172031
    (式(51)中、R51は、ハロゲン原子;水素原子;SOM;またはCOOM;を表し、
    52およびR53は、それぞれ独立に、水素原子;SOM;またはCOOM;を表し、
    Mは、それぞれ独立に、LiおよびNaの少なくとも一方を表す。
    ただし、R52およびR53がいずれも水素原子である場合はない。)
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記一般式(21)中の前記Xで表される2価の架橋基は、C1−C8アルキレンジアミノ基;ヒドロキシ基またはカルボキシ基で置換されたC1−C8アルキレンジアミノ基;N−C1−C4アルキル−C1−C6アルキレンジアミノ基;アルキル部分がヒドロキシ基またはカルボキシ基で置換されたN−C1−C4アルキル−C1−C6アルキレンジアミノ基;アミノC1−C6アルコキシC1−C6アルキルアミノ基;アミノC1−C4アルコキシC1−C4アルコキシC1−C4アルキルアミノ基;キシリレンジアミノ基;ピペラジン−1,4−ジイル基;C1−C4アルキル基またはC1−C4アルコキシ基で置換されたピペラジン−1,4−ジイル基;またはフェニレンジアミノ基;よりなる群から選択されるいずれかの基である、インク組成物。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、
    前記一般式(21)中の前記R21、前記R22、前記R23、前記R24、前記R25、前記R26、前記R27および前記R28は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたC1−C4アルコキシ基;またはC1−C4アルキルカルボニルアミノ基;である、インク組成物。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、
    前記一般式(21)で表される化合物またはその塩は、下記式(41)で表される化合物またはその塩である、インク組成物。
    Figure 2012172031
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、
    前記一般式(1)で表される化合物またはその塩は、下記式(14)で表される化合物またはその塩である、インク組成物。
    Figure 2012172031
  7. 請求項2ないし請求項6のいずれか1項において、
    前記一般式(51)で表される化合物は、下記一般式(52)で表される化合物である、インク組成物。
    Figure 2012172031
    (式(52)中、Mは、それぞれ独立に、LiおよびNaの少なくとも一方を表す。)
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、
    さらに、有機酸および有機塩基の少なくとも一方を含有し、
    前記有機酸は、アジピン酸、クエン酸およびコハク酸から選択される少なくとも1種であり、
    前記有機塩基は、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミンおよびトリイソプロパノールアミンから選択される少なくとも1種である、インク組成物。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項において、
    前記一般式(1)で表される化合物またはその塩の含有量[MA(質量%)]と、前記一般式(21)で表される化合物またはその塩の含有量[MB(質量%)]と、の比率(MB/MA)は、0.4以上1以下である、インク組成物。
  10. 請求項2ないし請求項9のいずれか1項において、
    前記一般式(1)で表される化合物またはその塩の含有量[MA(質量%)]と、前記一般式(51)で表される化合物の含有量[MC(質量%)]と、の比率(MC/MA)は、0.5以上1.5以下である、インク組成物。
  11. 請求項1ないし請求項10のいずれか1項において、
    20℃におけるpHが、7以上7.5以下である、インク組成物。
  12. 請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載のインク組成物の液滴を吐出する工程を有する、インクジェット記録方法。
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