JP2013124261A - インクジェット記録用インク組成物およびインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録用インク組成物およびインクジェット記録方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013124261A
JP2013124261A JP2011272135A JP2011272135A JP2013124261A JP 2013124261 A JP2013124261 A JP 2013124261A JP 2011272135 A JP2011272135 A JP 2011272135A JP 2011272135 A JP2011272135 A JP 2011272135A JP 2013124261 A JP2013124261 A JP 2013124261A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
substituted
carboxy
sulfo
alkoxy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2011272135A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuaki Teramoto
龍亮 寺本
Kazuhiko Kitamura
和彦 北村
Yasuhiro Oki
康弘 黄木
Shigemi Wakabayashi
繁美 若林
Hiroshige Ikeda
裕成 池田
Hiromi Iseki
寛美 井關
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2011272135A priority Critical patent/JP2013124261A/ja
Publication of JP2013124261A publication Critical patent/JP2013124261A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

【課題】耐オゾン性と発色性に優れたインク組成物を提供する。
【解決手段】前記インク組成物は、着色剤と有機アミンとpH調整剤とを含み、着色剤として、下記一般式(b−1)で表される化合物またはその塩からなる群から選択される少なくとも一種と、トリアジン環を有するオクタアゾ化合物またはその塩からなる群から選択される少なくとも一種と、を含み、前記着色剤と前記有機アミンとの質量比が3.5:5〜5:10であり、前記インク組成物のpHが7−8であることを特徴とするインク組成物。
Figure 2013124261

【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録方法に好適なインク組成物に関する。
インクジェット記録方法は、微細なノズルヘッドからインク液滴を吐出して、文字や図形を紙などの記録媒体の表面に記録する方法である。インクジェット記録方法としては圧電素子を用いて電気信号を機械信号に変換し、ノズルヘッド部分に貯えたインク液滴を断続的に吐出して記録媒体表面に文字や記号を記録する方法などがある。
インクジェット記録用のインクとしては、安全性や印刷特性の面から各種着色剤や水または有機溶剤、あるいはそれらの混合液に溶解させたものが一般的であるが、万年筆やボールペンの様な筆記用具インク組成物に比較し、より厳密な条件が要求される。
例えば、インク組成物を光沢紙等の記録媒体上にベタ印字(100%Dutyの塗りつぶし印刷)など高Dutyで印刷を行った場合、正反射光を見ると通常白色光に見えるところが着色して見える場合や、記録媒体自体(非印刷部)との反射光の相違が起こり、あたかも印刷部が浮いたような印象を与える場合がある。これは一般にブロンズ現象と呼ばれる着色剤の凝集によるもので、印刷された印字や描画が見難くなる要因となる。この現象は、高耐候性に優れる着色剤において発生する場合が多く、耐候性と耐ブロンズ性の両立が望まれている。
特に、黒色インクにおいては、ブロンズ現象により色相の変化と発色の低下とが引き起こされるため、画像のしまりがなくなるという問題があり、この解決が強く望まれている。
問題となる前記ブロンズ現象は、紙の表面でインク組成物が乾燥した際に、着色剤が結晶化することが原因とされており、一般的にはアルコールアミン類を用いて着色剤の溶解性を向上させて前記ブロンズ現象を改善する方法が提案されている。
また、特許文献1に記載されているように、2種の着色剤を併用した黒色インク組成物が提案されている。
特開2006−89571号公報
しかしながら、前記アルコールアミン類を添加する方法では、当該インクpHが11付近まで上昇してしまい、当該インク組成物をインクジェットプリンターに用いると、プリンターのノズルの腐食を引き起こす場合や、インク組成物の保存安定性が悪くなると場合があった。
また、特許文献1に記載の2種の着色剤を用いたインク組成物では、発色性及び耐オゾン性に優れているとは言い難かった。
そこで、本発明は、上記課題を解決すべく考慮してなされたものであって、その目的とするところは、発色性および耐オゾン性に優れるインク組成物を提供することである。
本発明は、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
着色剤と、有機アミンと、pH調整剤と、を含むインクジェット記録用インク組成物であって、前記着色剤は、下記一般式(b−1)で表される化合物またはその塩からなる群から選択される少なくとも一種と、下記一般式(b−2)で表される化合物またはその塩からなる群から選択される少なくとも一種と、を含み、前記着色剤と前記有機アミンとの質量比が3.5:5〜5:10であり、pHが7−8である、インクジェット記録用インク組成物。
Figure 2013124261
(上記式(b−1)中、nは、0または1であり、RB11は、カルボキシ基;C1−C8アルコキシカルボニル基;C1−C4アルキル基;C1−C8アルコキシカルボニル基もしくはカルボキシ基で置換されたC1−C4アルキル基;フェニル基;またはヒドロキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたフェニル基を表し、RB12、RB13およびRB14は、それぞれ独立に、水素原子;塩素原子;ヒドロキシ基;スルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;カルバモイル基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;ヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、ヒドロキシC1−C4アルコキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたC1−C4アルコキシ基;ヒドロキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたモノもしくはジC1−C4アルキルアミノ基;C1−C4アルキルカルボニルアミノ基;ヒドロキシ基もしくはカルボキシ基で置換されたC1−C4アルキルカルボニルアミノ基;ヒドロキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたN’−C1−C4アルキルウレイド基;ベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたフェニルアミノ基;ベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたベンゾイルアミノ基;またはベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたフェニルスルホニルアミノ基;をそれぞれ表し、基AB1は、下記一般式(b−1−1)で表される置換複素環基であり、基BB1は、フェニル基または置換されたフェニル基もしくはナフチル基または置換されたナフチル基であり、基BB1が置換フェニル基の場合は、ヒドロキシ基;スルホ基;カルボキシ基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;C1−C4アルキルスルホニル基;ニトロ基;アミノ基;モノもしくはジC1−C4アルキルアミノ基;アセチルアミノ基;およびベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたベンゾイルアミノ基;よりなる群から選択される置換基を有し、基BB1が置換ナフチル基の場合は、ヒドロキシ基;スルホ基;C1−C4アルコキシ基;およびベンゼン環がメチル基、ニトロ基または塩素原子で置換されたフェニルスルホニルオキシ基;よりなる群から選択される置換基を有する。)
Figure 2013124261
(上記式(b−1−1)中、RB16、RB17およびRB18は、それぞれ独立に、水素原子;塩素原子;カルボキシ基;スルホ基;ニトロ基;ヒドロキシ基;カルバモイル基;スルファモイル基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;ヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたC1−C4アルコキシ基;C1−C4アルキルスルホニル基;ヒドロキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたC1−C4アルキルスルホニル基;またはベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたフェニルスルホニル基;をそれぞれ表す。)
Figure 2013124261
(上記式(b−2)中、RB21、RB22、RB23、RB24、RB25、RB26、RB27およびRB28は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;スルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;カルバモイル基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;置換基として、ヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、ヒドロキシC1−C4アルコキシ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたC1−C4アルコキシ基;C1−C4アルキルカルボニルアミノ基;カルボキシ基で置換されたC1−C4アルキルカルボニルアミノ基;ウレイド基;モノC1−C4アルキルウレイド基;ジC1−C4アルキルウレイド基;置換基として、ヒドロキシ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたモノC1−C4アルキルウレイド基;置換基として、ヒドロキシ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたジC1−C4アルキルウレイド基;ベンゾイルアミノ基;ベンゼン環が、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたベンゾイルアミノ基;ベンゼンスルホニルアミノ基;または、ベンゼン環が、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたフェニルスルホニルアミノ基;を表し、XB2は、2価の架橋基を表す。)
[適用例2]
前記有機アミンが、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、及びトリ−iso−プロパノールアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、適用例1に記載のインクジェット記録用インク組成物。
[適用例3]
さらに、着色剤として下記式(b−3)で表される化合物を含む、適用例1又は2に記載のインクジェット記録用インク組成物。
Figure 2013124261
上記一般式(b−3)中、RB31は、ハロゲン原子;水素原子;SO3M;またはCOOM;を表す。また、RB32およびRB33は、それぞれ独立に、水素原子;SO3M;またはCOOM;を表す。また、MB3は、それぞれ独立に、LiおよびNaの少なくとも一方を表す。ただし、一般式(b−3)中、RB32およびRB33がいずれも水素原子である場合はない。
[適用例4]
前記一般式(b−1)において、
B11が、カルボキシ基;C1−C8アルコキシカルボニル基;C1−C4アルキル基カルボキシ基で置換されたC1−C4アルキル基;またはフェニル基であり、
B12、RB13およびRB14は、それぞれ独立に、水素原子;スルホ基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたC1−C4アルコキシ基;C1−C4アルキルカルボニルアミノ基;またはスルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたN’−C1−C4アルキルウレイド基であり、
前記一般式(b−1−1)において、
B16、RB17およびRB18が、それぞれ独立に、水素原子;塩素原子;カルボキシ基;スルホ基;ニトロ基;C1−C4アルコキシ基;C1−C4アルコキシ基;またはC1−C4アルキルスルホニル基であり、
前記一般式(b−1)中の前記基BB1が、ヒドロキシ基;スルホ基;カルボキシ基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;よりなる群から選択される置換基を有するフェニル基である、適用例1〜3のいずれか一例に記載のインクジェット記録用インク組成物。
[適用例5]
前記一般式(b−2)において、
前記XB2で表される2価の架橋基が、ピペラジン−1,4−ジイル基;またはC1−C4アルキル基もしくはC1−C4アルコキシ基で置換されたピペラジン−1,4−ジイル基である、適用例1〜4のいずれか一例に記載のインクジェット記録用インク組成物。
[適用例6]
適用例1〜5のいずれか1例に記載のインクジェット記録用インク組成物の液滴を吐出する工程を有する、インクジェット記録方法。
以下に本発明の好適な実施の形態について説明する。以下に説明する実施の形態は、本発明の一例を説明するものである。また、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。
本発明において、「Cv−Cw」(vおよびwは、それぞれ整数である。)とは、v〜w個の炭素原子を意味する。例えば、C1−C4アルキルは、1〜4個の炭素原子を含むアルキル基のことをいう。また、「Cv−Cw」は、特に断りがない限り、直鎖または分岐鎖のいずれの構造であってもよい。
1.インクジェット記録用インク組成物
以下、本実施形態に係るインクジェット記録用インク組成物に含まれる成分について説明する。
1.1.着色剤
本実施形態に係るインクジェット記録用インク組成物は、着色剤として、下記一般式(b−1)で表される化合物またはその塩(以下、単に「染料(b−1)」ともいう。)からなる群から選択される少なくとも一種と、下記一般式(b−2)で表される化合物またはその塩(以下、単に「染料(b−2)」ともいう。)からなる群から選択される少なくとも一種と、を含有する。
本実施形態に係るインク組成物は、主としてb−1で表される着色剤とb−2で表される着色剤の存在により、当該インク組成物を用いて形成される画像の耐オゾン性が良好である。また、主として有機アミンとpH調整剤の存在により、前記耐オゾン性を損なうことなく、当該インク組成物を用いて形成される画像の発色性が良好である。
1.1.1.染料(b−1)
染料(b−1)は、下記一般式(b−1)で表される。染料(b−1)は、光の照射を受けたり、大気中のガス(特に、オゾン)に晒されたりしても、分解しにくい性質を備えている。そのため、本実施形態に係るインクを用いて形成された画像は、耐光性、耐ガス性に優れ、光や大気の影響による変色や退色を起こしにくい。
また、染料(b−1)は、耐湿性に優れるという性質を備える。そのため、水分等の影響による画像の滲み等が生じにくい。
染料(b−1)の含有量は、本実施形態に係るインクの全質量に対して、1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、1質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。染料(b−1)の含有量が上記範囲内にあると、記録される画像の発色濃度を向上させたり、耐光性および耐ガス性を向上させたりすることができる。
Figure 2013124261
上記式(b−1)中、nは、0または1であり、RB11は、カルボキシ基;C1−C8アルコキシカルボニル基;C1−C4アルキル基;C1−C8アルコキシカルボニル基もしくはカルボキシ基で置換されたC1−C4アルキル基;フェニル基;またはヒドロキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたフェニル基を表す。
また、RB12、RB13およびRB14は、それぞれ独立に、水素原子;塩素原子;ヒドロキシ基;スルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;カルバモイル基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;ヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、ヒドロキシC1−C4アルコキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたC1−C4アルコキシ基;ヒドロキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたモノもしくはジC1−C4アルキルアミノ基;C1−C4アルキルカルボニルアミノ基;ヒドロキシ基もしくはカルボキシ基で置換されたC1−C4アルキルカルボニルアミノ基;ヒドロキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたN’−C1−C4アルキルウレイド基;ベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたフェニルアミノ基;ベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたベンゾイルアミノ基;またはベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたフェニルスルホニルアミノ基;をそれぞれ表す。
また、基AB1は、下記一般式(b−1−1)で表される置換複素環基である。
Figure 2013124261
上記一般式(b−1−1)中、RB16、RB17およびRB18は、それぞれ独立に、水素原子;塩素原子;カルボキシ基;スルホ基;ニトロ基;ヒドロキシ基;カルバモイル基;スルファモイル基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;ヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたC1−C4アルコキシ基;C1−C4アルキルスルホニル基;ヒドロキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたC1−C4アルキルスルホニル基;またはベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたフェニルスルホニル基;をそれぞれ表す。
また、基BB1は、フェニル基または置換されたフェニル基もしくはナフチル基または置換されたナフチル基である。なお、基BB1が置換フェニル基の場合は、ヒドロキシ基;スルホ基;カルボキシ基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;C1−C4アルキルスルホニル基;ニトロ基;アミノ基;モノもしくはジC1−C4アルキルアミノ基;アセチルアミノ基;およびベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたベンゾイルアミノ基;よりなる群から選択される置換基を有する。一方、基BB1が置換ナフチル基の場合は、ヒドロキシ基;スルホ基;C1−C4アルコキシ基;およびベンゼン環がメチル基、ニトロ基または塩素原子で置換されたフェニルスルホニルオキシ基;よりなる群から選択される置換基を有する。
染料(b−1)は、互変異性体を有する化合物である。互変異性体としては、下記一般式(b−1−2)〜(b−1−4)等の化合物が挙げられ、これらの互変異性体も本実施形態に係る染料(b−1)として用いることができる。
Figure 2013124261
上記一般式(b−1−2)〜(b−1−4)におけるn、RB11、RB12、RB13、RB14、基AB1および基BB1は、式(b−1)におけるものと同じ意味を表す。
式(b−1)におけるRB11は、上記の中でも、カルボキシ基;C1−C4アルコキシカルボニル基;無置換C1−C4アルキル基;カルボキシ基置換C1−C4アルキル基;または無置換フェニル基が好ましい。式(b−1)における好ましいRB11の具体例としては、メチル、エチル、tert−ブチル、カルボキシメチル、3−カルボキシプロピル、カルボキシ、フェニルであり、より好ましくはメチル、カルボキシメチル、カルボキシ、フェニルであり、さらに好ましくはメチル、カルボキシである。
一般式(b−1)におけるRB12〜RB14は、上記の中でも、水素原子;スルホ基;カルボキシ基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;またはスルホ基置換N’−C1−C4アルコキシ基が好ましい。一般式(b−1)における好ましいRB12〜RB14の具体例は、水素原子、スルホ、メチル、メトキシ、2−スルホエトキシ、3−スルホプロポキシ、4−スルホブトキシであり、さらに好ましくは、水素原子、スルホ、メチル、メトキシ、3−スルホプロポキシである。
一般式(b−1)における好ましいRB12〜RB14の組み合わせは、RB12が3−スルホプロポキシまたは4−スルホブトキシ、RB13が水素原子、RB14がメチルである。
一般式(b−1−1)におけるRB16〜RB18は、上記の中でも、水素原子;塩素原子;カルボキシ基;スルホ基;ニトロ基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;C1−C4アルキルスルホニル基が好ましい。一般式(b−1−1)における好ましいRB16〜RB18の具体例は、水素原子、塩素原子、カルボキシ、スルホ、ニトロ、メチル、メトキシ、メチルスルホニルであり、さらに好ましくは、水素原子、スルホ、メトキシである。また、RB16〜RB18のうち、少なくとも1つが水素原子であることが好ましく、少なくとも1つが水素原子以外の置換基であることが好ましい。
一般式(b−1−1)における好ましいRB16、RB17、RB18の組み合わせは、水素原子、メトキシおよびスルホ、または一つがスルホで他方二つが水素原子である。一つがスルホで他方二つが水素原子である場合は、スルホの置換位置がベンゾチアゾール環の6位の場合がより好ましい。
一般式(b−1)において、基BB1はフェニル基または置換されたフェニル基であり、基BB1が置換フェニル基の場合は、ヒドロキシ基;スルホ基;カルボキシ基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;アミノ基;モノまたはジC1−C4アルキルアミノ基;アセチルアミノ基;ベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基またはカルボキシ基で置換されたベンゾイルアミノ基;よりなる群から選択される置換基を有する。
一般式(b−1)における基BB1が置換基を有するフェニル基であり、該置換基がC1−C4アルコキシ基である場合、該アルコキシ基は、好ましいものも含めて、一般式(b−1)のRB12〜RB14が無置換のC1−C4アルコキシ基である場合と同じでよい。
一般式(b−1)における基BB1がモノまたはジC1−C4アルキルアミノ基置換フェニル基である場合、該モノまたはジC1−C4アルキルアミノ基は、好ましいものも含めて一般式(b−1)のRB12〜RB14が無置換のモノまたはジC1−C4アルキルアミノ基である場合と同じでよい。
一般式(b−1)においてnは1の場合が好ましい。
一般式(b−1)における基BB1は、上記の中でも、置換されたフェニル基が好ましく、当該置換基は、ヒドロキシ基;スルホ基;カルボキシ基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基が好ましい。一般式(b−1)における基BB1が置換フェニル基である場合の好ましい置換基の具体例は、ヒドロキシ、スルホ、カルボキシ、メチル、メトキシ、であり、さらに好ましくは、スルホ、カルボキシである。
一般式(b−1)における好ましい基BB1の具体例は、4−スルホフェニル、2,4−ジスルホフェニル、4−カルボキシフェニル、3,5−ジカルボキシフェニル、4−メチルフェニル、5−スルホ−3−カルボキシ−2−ヒドロキシフェニル、4−メトキシフェニルであり、より好ましくは、4−スルホフェニル、4−カルボキシフェニル、3,5−ジカルボキシフェニルである。
一般式(b−1)および(b−1−1)〜(b−1−4)の置換基について記載した好ましいもの同士を組み合わせた化合物は、より好ましく、より好ましいもの同士を組み合わせた化合物は、さらに好ましい。なお、さらに好ましいもの同士を組み合わせた場合等についても同様である。なお、上記の通り、一般式(b−1−2)〜(b−1−4)中のn、RB11〜RB14、基AB1および基BB1は、一般式(b−1)におけるものと同じ意味を示す。
一般式(b−1)で表される化合物の塩は、無機または有機の陽イオンの塩である。無機塩の具体例としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩等が挙げられる。これらの中でも好ましい無機塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウムの塩およびアンモニウム塩である。
また、本実施形態に係る染料(b−1)の遊離酸、その互変異性体、およびそれらの各種の塩は、混合物であってもよい。例えば、染料(b−1)のナトリウム塩と染料(b−1)のアンモニウム塩との混合物、染料(b−1)の遊離酸と染料(b−1)のナトリウム塩との混合物、第1染料のリチウム塩、染料(b−1)のナトリウム塩および染料(b−1)のアンモニウム塩の混合物など、いずれの組み合わせを用いてもよい。塩の種類によっては溶解性などの物性値が異なる場合があるので、必要に応じて適宜塩の種類を選択したり、複数の塩などを含む場合にその比率を変化させたりすることにより、目的に合った物性を有する混合物を得ることができる。
染料(b−1)の好適な具体例として、特に限定されるものではないが、下記表に示す構造式で表される化合物などが挙げられる。各表においてスルホ基及びカルボキシ基などの官能基は、便宜上、遊離酸の形で記載するものとする。
Figure 2013124261
Figure 2013124261
Figure 2013124261
Figure 2013124261
染料(b−1)は、例えば次のような方法で合成することができる。なお、各工程における化合物の構造式は便宜上、遊離酸の形で表すものとする。
まず、下記一般式(b−1−5)で表される化合物を常法によりジアゾ化し、これと下記一般式(b−1−6)で表される化合物を常法によりカップリング反応させ下記一般式(b−1−7)で表される化合物を得る。次に、得られた一般式(b−1−7)の化合物を常法によりジアゾ化した後、これと下記一般式(b−1−8)で表される化合物を常法によりカップリング反応させ、下記一般式(b−1−9)で表される化合物を得る。そして、得られた一般式(b−1−9)の化合物を常法によりジアゾ化した後、これと下記一般式(b−1−10)で表される化合物を常法によりカップリング反応させる事により、一般式(b−1)で表される本実施形態に係る染料(b−1)を得ることができる。なお、一般式(b−1−10)で表される化合物は、製品として市販品を購入できるか、又は公知の方法で合成が可能である。
Figure 2013124261
一般式(b−1−5)中、基AB1は、式(b−1)におけるものと同じ意味を表す。一般式(b−1−6)中、RB12、RB13およびRB14は、式(b−1)におけるものと同じ意味を表す。一般式(b−1−7)中、基AB1、RB12、RB13およびRB14は、式(b−1)と同じ意味を表す。一般式(b−1−8)中、nは、式(b−1)におけるものと同じ意味を表す。一般式(b−1−9)中、RB12、RB13およびRB14は、式(b−1)におけるものと同じ意味を表す。一般式(b−1−10)中、RB11および基BB1は、式(b−1)におけるものと同じ意味を表す。
1.1.2.染料(b−2)
染料(b−2)は、下記式(b−2)で表される。染料(b−2)は、染料(b−1)の色補正用の染料として用いることができる。そのため、本実施形態に係るインク中における染料(b−1)および染料(b−2)の含有量や、これらの染料の含有比率を調整することによって、本実施形態に係るインクを用いて形成される画像の色相を容易に無彩色に近づけることができる。つまり、本実施形態に係るインクを用いて記録される画像の色相は、染料(b−1)および染料(b−2)の相補的な作用よって、目視にて優れた黒色を呈するものにできる。本明細書において、優れた黒色とは、画像のa*値が−3以上3以下の範囲内にあり、かつ、b*値が−3以上3以下であることを意味する。前記a*値およびb*値は、L***表色系としてCIE(国際照明委員会)で規定されている。
また、染料(b−2)は、染料(b−1)とともにインクに含有されることで、発色性に優れた画像を得ることができる。特に、染料(b−1)および染料(b−2)を含有する本実施形態に係るインクを用いて高duty値で画像の記録を行った場合であっても、ブロンズ現象が起こり難い。ブロンズ現象とは、高duty値で画像の記録を行った場合に起こりやすい現象であり、本来の色相とは異なる色相を示したり、または、金属光沢を示すことで、発色性や色相が損なわれる現象である。
なお、「duty値」とは、「duty(%)=実吐出ドット数/(縦解像度×横解像
度)×100(式中、「実吐出ドット数」は単位面積当たりの実吐出ドット数であり、「縦解像度」および「横解像度」はそれぞれ単位面積当たりの解像度である。)」により算出される値である。
本実施形態に係るインクにおいて、染料(b−1)の含有量[MA(質量%)]と、染料(b−2)の含有量[MB(質量%)]と、の比率(MB/MA)は、0.2以上1以下であることが好ましく、0.2以上0.7以下であることがより好ましい。染料(b−1)と染料(b−2)との含有量の比率が上記範囲内にあると、良好な黒色を呈する(無彩色に近い)画像を得ることができたり、記録される画像の発色濃度を向上させたり、耐光性および耐ガス性を向上させたりすることができる。
Figure 2013124261
上記一般式(b−2)中、RB21、RB22、RB23、RB24、RB25、RB26、RB27およびRB28は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;スルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;カルバモイル基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;置換基として、ヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、ヒドロキシC1−C4アルコキシ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたC1−C4アルコキシ基;C1−C4アルキルカルボニルアミノ基;カルボキシ基で置換されたC1−C4アルキルカルボニルアミノ基;ウレイド基;モノC1−C4アルキルウレイド基;ジC1−C4アルキルウレイド基;置換基として、ヒドロキシ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたモノC1−C4アルキルウレイド基;置換基として、ヒドロキシ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたジC1−C4アルキルウレイド基;ベンゾイルアミノ基;ベンゼン環が、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたベンゾイルアミノ基;ベンゼンスルホニルアミノ基;または、ベンゼン環が、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたフェニルスルホニルアミノ基;を表す。
また、XB2は、2価の架橋基を表す。
上記のうち、RB21からRB28としては、水素原子;ハロゲン原子;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;スルホ基又はカルボキシ基で置換されたCl−C4アルコキシ基;C1−C4アルキルカルボニルアミノ基;が好ましい。これらの中でも、水素原子、塩素原子、メチル、エチル、t−ブチル、2−カルボキシエトキシ、3−カルボキシプロポキシ、2−スルホエトキシ、3−スルホプロポキシ、4−スルホブトキシ;がより好ましく、水素原子、メチル、3−スルホプロポキシが特に好ましい。
一般式(b−2)において、RB21からRB28としては、少なくとも1つがスルホ基で置換されたC1−C4アルコキシ基であるのが好ましい。また、RB21からRB24がそれぞれ独立に、水素原子、C1−C4アルキル基、またはスルホ基で置換されたC1−C4アルコキシ基であり、かつ、RB21からRB24の少なくとも1つがスルホ基で置換されたC1−C4アルコキシ基であり、RB25からRB28がそれぞれ独立に、水素原子又はC1−C4アルキル基であるのがより好ましい。また、RB21およびRB22の少なくとも一方がスルホプロポキシ基であり、RB23およびRB24の少なくとも一方がスルホプロポキシ基であり、RB25からRB28がC1−C4アルキル基であるのがさらに好ましい。
B21からRB28の置換位置は特に制限されないが、これらが置換するそれぞれのベンゼン環において、トリアジン環に結合する窒素原子の置換位置を1位、アゾ基の置換位置を4位として、RB21からRB24が2位、RB25からRB28が5位に置換するのが好ましい。
一般式(b−2)中、XB2を表す架橋基としては、一般式(b−2)で表される化合物が水に対して溶解性を示す範囲で、2価のものであれば特に制限されない。ここで、水に対する一般式(b−2)で表される化合物の溶解性としては、1リットルの水に対して一般式(b−2)で表される化合物が通常5g以上、好ましくは10g以上、それぞれ溶解するのが良い。その具体例としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等の2価の原子(好ましくは2価のヘテロ原子);それぞれC1−C8の、アルキレンジアミノ基、アルキレンジオキシ基もしくはアルキレンジチオ基;N,N’−ヒドラジンジイル基;アミノアルコキシアルキルアミノ基といった、酸素原子に2つのアルキルアミノ基が置換したもの;および、アミノアルコキシアルコキシアルキルアミノ基等のエーテル結合を1つ以上含むアルキレンオキシド鎖の末端に、アミノ基及びアルキルアミノ基が1つずつ置換したもの;等が挙げられる。XB2を表す2価の架橋基は、炭素原子の置換基として、ヒドロキシ基、カルボキシ基およびアルコキシ基よりなる群から選択される基を;また、窒素原子の置換基として、アルキル部分がヒドロキシ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいアルキル基を;それぞれ有してもよい。
以上の中でも、XB2を表す2価の架橋基としてはピペラジン−1,4−ジイル基;C1−C4アルキル基もしくはC1−C4アルコキシ基で置換されたピペラジン−1,4−ジイル基よりなる群から選択されるいずれかの基が好ましく、ピペラジン−1,4−ジイル基;であることがより好ましい。
上記一般式(b−2)において、置換位置が特定されていない4つのスルホ基の置換位置は、特に制限されない。1つのアゾ結合を有するベンゼン環に置換したスルホ基は、該アゾ結合の置換位置を1位として、2、3もしくは4位に置換してもよく、4位に置換することが好ましい。
一般式(b−2)で表される第2染料は、下記一般式(b−21)で表される化合物であることが好ましく、下記一般式(b−22)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 2013124261
上記一般式(b−21)中、RB21〜RB28およびXB2は、式(b−2)におけるものと同じ意味を表す。
Figure 2013124261
上記一般式(b−22)中、RB21〜RB28およびXB2は、式(b−2)におけるものと同じ意味を表す。
一般式(b−2)、(b−21)および(b−22)におけるRB21〜RB28、一般式(b−2)におけるRB21〜RB28の置換位置、ならびに一般式(b−2)および一般式(b−21)における置換位置が特定されていないスルホの置換位置等について、好ましいもの同士を組み合わせた化合物はより好ましく、より好ましいもの同士を組み合わせたものはさらに好ましい。さらに好ましいもの同士、好ましいものとより好ましいものとの組み合わせ等についても同様である。
一般式(b−2)で表される化合物の塩は、無機または有機の陽イオンの塩であることができる。無機塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、およびアンモニウム塩が挙げられる。これらの中でも好ましい無機塩は、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩およびアンモニウム塩である。
また、本実施形態に係る染料(b−2)の遊離酸およびそれらの各種の塩は、混合物であってもよい。例えば、染料(b−2)のナトリウム塩と染料(b−2)のアンモニウム塩との混合物、染料(b−2)の遊離酸と染料(b−2)のナトリウム塩との混合物、染料(b−2)のリチウム塩、染料(b−2)のナトリウム塩および染料(b−2)のアンモニウム塩の混合物等、いずれの組み合わせを用いてもよい。塩の種類によっては溶解性等の物性が異なる場合も有り、必要に応じて適宜塩の種類を選択したり、複数の塩などを含む場合にその比率を変化させたりすることにより、目的に合った物性を有する混合物を得ることができる。
染料(b−2)の好適な具体例として、特に限定されるものではないが、下記表に示す構造式で表される化合物などが挙げられる。各表においてスルホ基及びカルボキシ基等の官能基は、便宜上、遊離酸の形で記載するものとする。
Figure 2013124261
Figure 2013124261
Figure 2013124261
Figure 2013124261
Figure 2013124261
本実施形態に係るインクは、上記表に示す化合物の中でも、化合物No.1で示される下記式(b−23)の化合物またはその塩を好ましく用いることができる。
Figure 2013124261
1.1.3.その他の着色剤
本実施形態に係るインクは、さらに、染料(b−1)および染料(b−2)以外の着色剤を含んでいてもよい。染料(b−1)および染料(b−2)以外の色材としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(b−3)で表される化合物(以下、「染料(b−3」ともいう。)が挙げられる。染料(b−3)を含むことにより、インク組成物を用いて形成される画像の発色性がより一層優れたものとなる。
染料(b−3)は、本実施形態に係るインクの色相の調整をより一層容易にすることができる。具体的には、本実施形態に係るインクが染料(b−3)を含有していると、インク中に含まれる染料(b−1)、染料(b−2)および染料(b−3)の相補的な作用により、形成される画像の色相を無彩色に近づけることがより一層容易になる。
本実施形態に係るインクが染料(b−3)を含有する場合において、染料(b−1)の含有量[MA(質量%)]と、染料(b−3)の含有量[MC(質量%)]と、の比率(MC/MA)は、0.5以上1.5以下であることが好ましく、0.7以上1.3以下であることがより好ましい。染料(b−1)と染料(b−3)との含有量の比率が上記範囲内にあると、良好な黒色を呈する(無彩色に近い)画像をより一層容易に得ることができたり、記録される画像の色再現性を向上させたり、耐光性を向上させたりすることができる。
Figure 2013124261
上記一般式(b−3)中、RB31は、ハロゲン原子;水素原子;SO3M;またはCOOM;を表す。また、RB32およびRB33は、それぞれ独立に、水素原子;SO3M;またはCOOM;を表す。また、MB3は、それぞれ独立に、LiおよびNaの少なくとも一方を表す。ただし、一般式(b−3)中、RB32およびRB33がいずれも水素原子である場合はない。
一般式(b−3)で表される化合物としては、例えば、下記一般式(b−31)で表される化合物、下記一般式(b−32)で表される化合物、および下記一般式(b−33)で表される化合物が挙げられる。なお、これらの一般式(b−31)〜(b−33)で表される化合物は、1種類のみ単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよいが、一般式(b−31)で表される化合物を単独で用いることが好ましい。
Figure 2013124261
一般式(b−31)中、MB3は、それぞれ独立に、LiおよびNaの少なくとも一方を表す。
Figure 2013124261
一般式(b−32)中、MB3は、それぞれ独立に、LiおよびNaの少なくとも一方を表す。
Figure 2013124261
一般式(b−33)中、MB3は、それぞれ独立に、LiおよびNaの少なくとも一方を表す。
1.2.有機アミン
本実施形態に係るインク組成物は、有機アミンを含み、インク組成物に含まれる着色剤と有機アミンとの質量比が3.5:5〜5:10である。前記の範囲とすることで耐オゾン性に優れたインク組成物が得られる。
本実施形態に係るインク組成物に用いることができる有機アミンとしては、特に限定されないが、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、及びトリ−iso−プロパノールアミンからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく挙げられる。これらの中でも、安全性、取り扱い易さの点から、トリエタノールアミンまたはトリ−iso−プロパノールアミンがより好ましい。
1.3.pH調整剤
本実施形態に係るインクは、pH調整剤を含む。pH調整剤は、インク組成物のpH値の調整を容易にすることができる。pH調製剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
本実施形態に係るインクの20℃におけるpHは、7以上8以下である。したがって、pH調整剤として、無機酸または有機酸の少なくとも1種を含む。無機酸としては、硫酸、塩酸、硝酸等が挙げられ、有機酸としては、アジピン酸、クエン酸、コハク酸、2−ナフトエ酸等が挙げられる。これらの中でも、pHの緩衝作用を有する有機酸がより好ましい。
また、上記のpH調整剤に加えて、無機塩基(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等)を含んでもよい。
1.4.インク組成物に含まれるその他の成分
上述したインク組成物は、着色剤以外のその他成分を含有することができる。以下、インク組成物に添加可能な成分について説明する。
1.4.1.水
本実施形態に係るインク組成物は、水を含有してもよい。水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水または超純水のようなイオン性不純物を極力除去したものであることが好ましい。
1.4.2.界面活性剤
本実施形態に係るインク組成物は、界面活性剤を含有することができる。界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
これらの中でも、ノニオン系界面活性剤は、インクの記録媒体に対する浸透性および定着性を向上できるとともに、インクジェット記録方法によって記録媒体上に付着させたインクの液滴の形状を真円に近いものとすることができるので、好ましく用いることができる。
また、ノニオン系界面活性剤の中でも、アセチレングリコール系界面活性剤は、表面張力および界面張力を適正に保つ能力に優れており、かつ起泡性がほとんどないという特性を有する点から、より好ましく用いることができる。アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オールおよび2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オールなどが挙げられる。また、アセチレングリコール系界面活性剤は市販品も利用することができ、サーフィノール104、104E、104H、104A、104BC、104DPM、104PA、104PG−50、104S、420、440、465、485、SE、SE−F、504、61、DF37、CT111、CT121、CT131、CT136、TG、GA(以上全て商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)、オルフィンB、Y、P、A、STG、SPC、E1004、E1010、PD−001、PD−002W、PD−003、PD−004、EXP.4001、EXP.4036、EXP.4051、AF−103、AF−104、AK−02、SK−14、AE−3(以上全て商品名、日信化学工業株式会社製)、アセチレノールE00、E00P、E40、E100(以上全て商品名、川研ファインケミカル株式会社製)等が挙げられる。
1.4.3.浸透促進剤
本実施形態に係るインク組成物は、浸透促進剤を含有することができる。浸透促進剤は、記録媒体に対するインクの濡れ性をさらに向上させて均一に塗らす作用を備える。これにより、形成された画像のインクの濃淡ムラや滲みをさらに低減させることができ、画像の発色濃度を一層向上させることができる。浸透促進剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
浸透促進剤としては、例えば、グリコールエーテル類が挙げられる。グリコールエーテル類は、浸透促進剤としての効果に特に優れる。グリコールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。これらの中でも、本実施形態に係るインク組成物に含まれる成分との相溶性に優れている点から、トリエチレングリコールモノブチルエーテルを好ましく用いることができる。
1.4.4.保湿剤
本実施形態に係るインク組成物は、保湿剤を含有することができる。保湿剤としては、例えば、1,2−アルカンジオール類、多価アルコール類、ピロリドン誘導体、尿素類等が挙げられる。保湿剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
1,2−アルカンジオール類は、記録媒体に対するインクの濡れ性を高めて均一に濡らす作用に優れているため、記録媒体上に優れた画像を形成することができる。
1,2−アルカンジオール類としては、例えば、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等が挙げられる。
多価アルコール類は、インクをインクジェット記録装置に用いた場合に、ヘッドのノズル面でのインクの乾燥固化を抑制して目詰まりや吐出不良等を低減できるという観点から好ましく用いることができる。多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
ピロリドン誘導体は、ヘッドのノズル面でのインクの乾燥固化を抑制して目詰まりや吐出不良等を低減できるという観点から好ましく用いることができる。ピロリドン誘導体としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、N−ブチル−2−ピロリドン、5−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
尿素類は、インク組成物をインクジェット記録装置に用いた場合に、ヘッドのノズル面でのインクの乾燥固化を抑制して目詰まりや吐出不良等を低減できるという観点から好ましく用いることができる。尿素類としては、例えば、尿素、チオ尿素、エチレン尿素、1,3−ジメチルイミダゾリジノン類等が挙げられる。
1.4.5.その他の成分
本実施形態に係るインク組成物は、さらに、防腐剤・防かび剤、防錆剤、キレート化剤等を含有することができる。本実施形態に係るインク組成物は、これらの化合物を含有していると、その特性がさらに向上する場合がある。
1.5.物性
本実施形態に係るインク組成物の20℃における粘度は、2mPa・s以上10mPa・s以下であることが好ましく、3mPa・s以上6mPa・s以下であることがより好ましい。インクは、20℃における粘度が上記範囲内にあると、ノズルから適量吐出され、飛行曲がりを起こすことや飛散することを一層低減できるので、インクジェット記録装置に好適に使用することができる。インクの粘度は、振動式粘度計VM−100AL(山一電機株式会社製)を用いて、インクの温度を20℃に保持することで測定できる。
2.インクジェット記録方法
本実施形態に係るインクジェット記録方法は、上記のインク組成物の液滴を吐出する工程を有する。本実施形態に係るインクジェット記録方法は、従来公知のインクジェット記録装置を用いて行うことができる。
インクジェット記録装置を用いたインクジェット記録方法は、例えば、次の様に行うことができる。具体的には、インクを液滴として記録媒体上に吐出して、インクの液滴を記録媒体に付着させることにより画像を形成することができる。インクジェット吐出方法としては、従来公知の方式はいずれも使用でき、特に圧電素子の振動を利用して液滴を吐出させる方法(電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法)においては優れた画像記録を行うことが可能である。
記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、紙、厚紙、繊維製品、皮革、シートまたはフィルム、プラスチック、ガラス、セラミックス、金属等が挙げられる。
3.実施例
以下、本発明を実施例および比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)染料(b−11)
染料(b−11)は、常法により合成が可能であり、本実施形態では上記の「1.1.1.染料(b−1)」に記載の方法にしたがって式(b−11)の化合物を合成して、定法によりリチウム塩としたものである。なお、染料(b−11)は、染料(b−1)の一例である。
Figure 2013124261
(2)染料(b−23)
染料(b−23)は、常法により合成が可能であり、本実施形態では後述の工程1〜2により合成を行った。
(工程1)
水200部に、下記式(b−2−1)で表されるモノアゾ化合物35.7部を加え、水酸化ナトリウムでpH6に調整しながら、亜硝酸ナトリウム7.2部を加えて溶液とした。この溶液を、35%塩酸31.3部を水200部で希釈した水溶液中に、0〜10℃に保ちながら30分間かけて滴下した後、20℃以下で1時間撹拌してジアゾ化反応を行った。得られた反応液にスルファミン酸0.4部を添加し5分間撹拌して、最終的なジアゾ反応液とした。
一方、40〜50℃の水300部に、下記式(b−2−2)で表される化合物24.0部および25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH5〜6に調整し、水溶液を得た。この水溶液15〜25℃に保ちながら、上記のジアゾ反応液を30分間かけて滴下した。滴下中は炭酸ナトリウム水溶液の添加によりpH5〜6に保持した。次いで、15〜25℃、pH5〜6で2時間撹拌した後、35%塩酸を添加することでpH0〜1に調整した。得られた液を65℃に加熱保持しながら2時間撹拌した後、25℃まで冷却し、析出物を濾過分取することにより下記式(b−2−3)で表される化合物を含むウェットケーキ130部を得た。
Figure 2013124261
(工程2)
水250部に上記工程1で得られたウェットケーキ65部を、25%水酸化ナトリウム水溶液の添加により溶液とした。なお、溶液のpHは7〜8とした。この溶液にレオコール TD−90(ライオン社製、界面活性剤)を0.1部添加した後、15〜25℃で塩化シアヌル3.8部を添加した。次に、炭酸ナトリウム水溶液の添加によりpH5〜6に保持しながら15〜25℃で2時間撹拌した。次に、この反応液を60〜65℃に加熱し、炭酸ナトリウム水溶液の添加によりpH6〜7に保持しながら5時間撹拌した。
次に、ピペラジン0.89部を添加し、90〜95℃に加熱し、炭酸ナトリウム水溶液の添加によりpH8〜9に保持しながら16時間撹拌した。得られた反応液を25℃に冷却し、塩化ナトリウムを添加し、析出した固体を濾過分取してウェットケーキを得た。このウェットケーキに水400部を加え、溶液とした。この溶液にメタノール50部、2−プロパノール800部を添加し、析出した固体を濾過分取し、乾燥することにより、下記式(b−23)で表される化合物のナトリウム塩を得た。これを定法によりリチウム塩としたものを、染料(b−23)として用いた。
Figure 2013124261
(3)染料(b−31)
染料(b−31)は、常法により合成した。染料(b−31)は、下記式(b−31)で表される化合物のリチウム塩であり、染料(b−3)の一例である。
Figure 2013124261
3.1.インク組成物の調製
表10、表11に示す配合量で、各成分を混合攪拌し、孔径1.0μmのメンブレンフィルターにて加圧濾過を行って、実施例1〜8および比較例1〜3の各インク組成物を得た。なお、表10、表11に記載されている単位は、質量%である。また、表10、表11中に示す各インク組成物のpHは、卓上型pHメータ(株式会社堀場製作所製、型番「F−50」)を使用して、インク組成物の温度を20℃に保持して測定したものである。
また、表10、表11に記載の成分のうち、商品名で記載したものは、次の通りである。
オルフィンE1010(商品名、日信化学工業株式会社製、アセチレングリコール系界面活性剤)。
Figure 2013124261
Figure 2013124261
3.2.発色濃度の評価
(1)評価サンプルの作成
上記の様にして得られたインク組成物をインクジェットプリンター(商品名「PM−G800」、セイコーエプソン株式会社製)の専用カートリッジのインク室にそれぞれ充填した。そして、インクカートリッジを上記プリンターに装着し、写真用紙クリスピア(商品名、型番「KA450SCKR」、セイコーエプソン株式会社製)に対してベタパターン画像の記録を行い、評価サンプルを得た。ベタパターン画像の記録は、解像度2880×1440dpi、100%dutyの条件で行った。
(2)発色濃度の測定
分光測光器Spectrolino(商品名、GretagMacbeth社製)を用いて、評価サンプルに記録された画像のOD値(光学濃度)を測定した。
発色濃度の評価基準は、以下の通りである。なお、OD値が高いほど発色濃度に優れていることを示し、下記の評価基準のうち「A」および「B」が実用上許容される基準である。評価結果を表10、表11に併せて示す。
「A」:OD値が2.3以上である。
「B」:OD値が2.2以上2.3未満である。
「C」:OD値が2.2未満である。
3.3.耐オゾン性の評価
(1)評価サンプルの作成
上記の様にして得られたインク組成物をインクジェットプリンター(商品名「PM−A700」、セイコーエプソン株式会社製)の専用カートリッジのインク室にそれぞれ充填した。そして、インクカートリッジを当該プリンターに装着し、写真用紙クリスピア(商品名、型番「KA450SCKR」、セイコーエプソン株式会社製)に対してベタパターン画像の記録を行い、評価サンプルを得た。ベタパターン画像の記録は、得られた画像のOD(Optical Density)が1.0となるようにDutyを調整して行った。
(2)耐オゾン性の評価
得られた評価サンプルをオゾンウェザーメーターOMS−L型(商品名、スガ試験機株式会社製)に設置して、温度23℃、湿度50%RH、およびオゾン濃度5ppmの条件下で、40時間オゾンによる曝露試験を行った。
その後、測色器(商品名「Xrite i1」、Xrite社製))を使用して、サンプルに記録された画像のオゾン曝露前後のOD値を測定した。OD値の測定は、光源がD50、視野角2°、フィルターなしで行った。
なお、耐オゾン性の評価は、得られた測定値(OD値)から、曝露試験後の各評価サンプルの画像の光学濃度残存率(Relict Optical Density:ROD)求めることにより行った。RODの算出方法は、「ROD(%)=(Dn/Do)×100(式中、Dnは曝露試験終了後の画像のOD値、Doは曝露試験開始前の画像のOD値)」である。
耐オゾン性の評価基準は、以下の通りである。評価基準のうち「A」および「B」であると、実用上使用できる程度の耐オゾン性を有すると判断できる。評価結果を表10、表11に併せて示す。
「A」:RODが75%以上。
「B」:RODが70%以上75%未満。
「C」:RODが70%未満。
3.4.評価結果
表10、表11に示すように、実施例1ないし実施例3のインク組成物によれば、発色濃度および耐オゾン性の良好な画像を記録することができた。さらに、有機アミンとpH調整剤量を最適化することにより、一層優れたインク組成物を得ることができた。
一方、比較例1および4のインク組成物は、有機アミン量が不足しているため、当該インク組成物を用いて記録したインク記録物の耐オゾン性は良好なものの、ブロンズ発生によって十分な発色濃度を有する画像は得られなかった。
また、比較例2および3のインク組成物は、pH調整剤量が不足しているため、当該インク組成物を用いて記録したインク記録物の発色濃度は良好なものの、十分な耐オゾン性を有する画像は得られなかった。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。

Claims (5)

  1. 着色剤と、有機アミンと、pH調整剤と、を含むインクジェット記録用インク組成物であって、
    前記着色剤は、下記一般式(b−1)で表される化合物またはその塩からなる群から選択される少なくとも一種と、下記一般式(b−2)で表される化合物またはその塩からなる群から選択される少なくとも一種と、を含み、
    前記着色剤と前記有機アミンとの質量比が3.5:5〜5:10であり、
    pHが7−8である、インクジェット記録用インク組成物。
    Figure 2013124261
    (上記式(b−1)中、nは、0または1であり、
    B11は、カルボキシ基;C1−C8アルコキシカルボニル基;C1−C4アルキル基;C1−C8アルコキシカルボニル基もしくはカルボキシ基で置換されたC1−C4アルキル基;フェニル基;またはヒドロキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたフェニル基を表し、
    B12、RB13およびRB14は、それぞれ独立に、水素原子;塩素原子;ヒドロキシ基;スルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;カルバモイル基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;ヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、ヒドロキシC1−C4アルコキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたC1−C4アルコキシ基;ヒドロキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたモノもしくはジC1−C4アルキルアミノ基;C1−C4アルキルカルボニルアミノ基;ヒドロキシ基もしくはカルボキシ基で置換されたC1−C4アルキルカルボニルアミノ基;ヒドロキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたN’−C1−C4アルキルウレイド基;ベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたフェニルアミノ基;ベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたベンゾイルアミノ基;またはベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたフェニルスルホニルアミノ基;をそれぞれ表し、
    基AB1は、下記一般式(b−1−1)で表される置換複素環基であり、
    基BB1は、フェニル基または置換されたフェニル基もしくはナフチル基または置換されたナフチル基であり、基BB1が置換フェニル基の場合は、ヒドロキシ基;スルホ基;カルボキシ基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;C1−C4アルキルスルホニル基;ニトロ基;アミノ基;モノもしくはジC1−C4アルキルアミノ基;アセチルアミノ基;およびベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたベンゾイルアミノ基;よりなる群から選択される置換基を有し、基BB1が置換ナフチル基の場合は、ヒドロキシ基;スルホ基;C1−C4アルコキシ基;およびベンゼン環がメチル基、ニトロ基または塩素原子で置換されたフェニルスルホニルオキシ基;よりなる群から選択される置換基を有する。)
    Figure 2013124261
    (上記式(b−1−1)中、RB16、RB17およびRB18は、それぞれ独立に、水素原子;塩素原子;カルボキシ基;スルホ基;ニトロ基;ヒドロキシ基;カルバモイル基;スルファモイル基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;ヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたC1−C4アルコキシ基;C1−C4アルキルスルホニル基;ヒドロキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたC1−C4アルキルスルホニル基;またはベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたフェニルスルホニル基;をそれぞれ表す。)
    Figure 2013124261

    (上記式(b−2)中、RB21、RB22、RB23、RB24、RB25、RB26、RB27およびRB28は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;スルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;カルバモイル基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;置換基として、ヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、ヒドロキシC1−C4アルコキシ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたC1−C4アルコキシ基;C1−C4アルキルカルボニルアミノ基;カルボキシ基で置換されたC1−C4アルキルカルボニルアミノ基;ウレイド基;モノC1−C4アルキルウレイド基;ジC1−C4アルキルウレイド基;置換基として、ヒドロキシ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたモノC1−C4アルキルウレイド基;置換基として、ヒドロキシ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたジC1−C4アルキルウレイド基;ベンゾイルアミノ基;ベンゼン環が、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたベンゾイルアミノ基;ベンゼンスルホニルアミノ基;または、ベンゼン環が、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたフェニルスルホニルアミノ基;を表し、
    B2は、2価の架橋基を表す。)
  2. 前記有機アミンが、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、及びトリ−iso−プロパノールアミンからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のインクジェット記録用インク組成物。
  3. さらに、着色剤として下記式(b−3)で表される化合物を含む、請求項1又は2に記載のインクジェット記録用インク組成物。
    Figure 2013124261
    (上記一般式(b−3)中、RB31は、ハロゲン原子;水素原子;SO3M;またはCOOM;を表す。また、RB32およびRB33は、それぞれ独立に、水素原子;SO3M;またはCOOM;を表す。また、MB3は、それぞれ独立に、LiおよびNaの少なくとも一方を表す。ただし、一般式(b−3)中、RB32およびRB33がいずれも水素原子である場合はない。)
  4. 前記一般式(b−1)において、
    B11が、カルボキシ基;C1−C8アルコキシカルボニル基;C1−C4アルキル基カルボキシ基で置換されたC1−C4アルキル基;またはフェニル基であり、
    B12、RB13およびRB14は、それぞれ独立に、水素原子;スルホ基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたC1−C4アルコキシ基;C1−C4アルキルカルボニルアミノ基;またはスルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたN’−C1−C4アルキルウレイド基であり、
    前記一般式(b−1−1)において、
    B16、RB17およびRB18が、それぞれ独立に、水素原子;塩素原子;カルボキシ基;スルホ基;ニトロ基;C1−C4アルコキシ基;C1−C4アルコキシ基;またはC1−C4アルキルスルホニル基であり、
    前記一般式(b−1)中の前記基BB1が、ヒドロキシ基;スルホ基;カルボキシ基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;よりなる群から選択される置換基を有するフェニル基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク組成物。
  5. 前記一般式(b−2)において、
    前記XB2で表される2価の架橋基が、ピペラジン−1,4−ジイル基;またはC1−C4アルキル基もしくはC1−C4アルコキシ基で置換されたピペラジン−1,4−ジイル基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク組成物。
JP2011272135A 2011-12-13 2011-12-13 インクジェット記録用インク組成物およびインクジェット記録方法 Withdrawn JP2013124261A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011272135A JP2013124261A (ja) 2011-12-13 2011-12-13 インクジェット記録用インク組成物およびインクジェット記録方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011272135A JP2013124261A (ja) 2011-12-13 2011-12-13 インクジェット記録用インク組成物およびインクジェット記録方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013124261A true JP2013124261A (ja) 2013-06-24

Family

ID=48775732

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011272135A Withdrawn JP2013124261A (ja) 2011-12-13 2011-12-13 インクジェット記録用インク組成物およびインクジェット記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013124261A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016098261A (ja) * 2014-11-18 2016-05-30 セイコーエプソン株式会社 インク組成物及びインクセット

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016098261A (ja) * 2014-11-18 2016-05-30 セイコーエプソン株式会社 インク組成物及びインクセット

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101793761B1 (ko) 수용성 아조 화합물 또는 그 염, 잉크 조성물 및 착색체
JP3903938B2 (ja) インク組成物、それを用いたインクジェット記録方法および記録物
JP5522502B2 (ja) インクジェット記録用インクセット、インクカートリッジおよびインクジェット記録装置
JP5624051B2 (ja) アゾ化合物、インク組成物及び着色体
US5753016A (en) Ink composition excellent in reproduction of black color and ink jet recording method using the same
US10047234B2 (en) Ink set
WO2007132812A1 (ja) マゼンタインク組成物、インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法及び記録物
KR101810271B1 (ko) 잉크 조성물, 잉크젯 기록 방법 및 착색체
JP5776876B2 (ja) インク組成物、およびこれを用いたインクジェット記録方法
US7871465B2 (en) Ink composition, and ink jet recording method and recorded matter using the same
JP6942078B2 (ja) インク組成物、インクジェット記録方法及び着色体
JP2013018849A (ja) 水溶性アゾ化合物又はその塩、インク組成物及び着色体
WO2005030887A1 (ja) インク組成物
JP2004143285A (ja) 黒色水性インク組成物、これを用いたインクジェット記録方法および記録物
JP6673687B2 (ja) インク組成物、インクジェット記録方法及び着色体
JP4367867B2 (ja) 黒色再現性に優れたインク組成物およびそれを用いたインクジェット記録方法
JP4701635B2 (ja) インク組成物、それを用いたインクジェット記録方法および記録物
JP2013124261A (ja) インクジェット記録用インク組成物およびインクジェット記録方法
TW201502217A (zh) 水溶性偶氮化合物或其鹽、墨水組成物及著色體
JPH1036731A (ja) 水性インク及びこれを用いたインクジェット記録方法
JP2021017471A (ja) インク、インクセット、ならびにそれらを用いた印刷方法
JP2013010826A (ja) インクセットおよびこれを用いた液滴吐出装置
WO2011086966A1 (ja) 水溶性アゾ化合物又はその塩、インク組成物及び着色体
JP4526324B2 (ja) 黒色再現性に優れたインク組成物およびそれを用いたインクジェット記録方法
JP2003286422A (ja) 黒色水性インク組成物、それを用いたインクジェット記録方法および記録物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141203

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20150107

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150902

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150908

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20151029