JP4526324B2 - 黒色再現性に優れたインク組成物およびそれを用いたインクジェット記録方法 - Google Patents
黒色再現性に優れたインク組成物およびそれを用いたインクジェット記録方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4526324B2 JP4526324B2 JP2004233664A JP2004233664A JP4526324B2 JP 4526324 B2 JP4526324 B2 JP 4526324B2 JP 2004233664 A JP2004233664 A JP 2004233664A JP 2004233664 A JP2004233664 A JP 2004233664A JP 4526324 B2 JP4526324 B2 JP 4526324B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ink composition
- dye
- group
- composition according
- ink
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Ink Jet (AREA)
- Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
- Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
Description
本発明は黒色再現性に優れたインク組成物およびこれを用いたインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方式に使用されるインクは、各種染料を水または有機溶剤、あるいはこれらの混合液に溶解させたものが一般的であるが、様々な特性において、万年筆やボールペンの様な筆記具用インクに比較し、より厳密な条件が要求される。
第一の染料群と第二の染料群とを少なくとも含んでなるインク組成物であって、
第一の染料群が、下記の式(I)で表される染料であって、R1 がアゾ基に対してm−位のPO(OM)2 を表す染料と、R1 がアゾ基に対してm−位のCOOMを表す染料とを含んでなり、
第二の染料群が、下記の式(II)で表される染料および/または下記の式(III )で表される染料からなるものである。
R1 は−PO(OM)2 または−COOMを表し、XおよびYは独立してそれぞれC1-4 アルコキシを表し、Mは水素原子、アルカリ金属、アンモニア、および有機アミン類からなる群から選択される基の陽イオンを表す。]
R41およびR51は独立してそれぞれ水素原子、C1-4 アルキル、またはC1-4 アルコキシを表し、Aは−SO3 Mまたは−COOMを表し、Mは上で定義したものと同義であり、nは1または2である。)]
また、本発明の第二の態様のインク組成物は、
上記式(I)で表される染料であって、R1 がアゾ基に対してm−位のPO(OM)2 またはCOOMを表す染料と、下記の式(VI)で表される染料とを含んでなるインク組成物。
Mは上で定義したものと同義であり、
mは1または2を表し、
nは0または1を表す。]
更に、本発明の第三の態様のインク組成物は、
染料群Aと染料群Bとを少なくとも含んでなるインク組成物であって、
染料群Aが、上で定義された式(I)で表される染料と、上で定義された式(VI)で表される染料とを含んでなり、
染料群Bが、上で定義された第二の染料群である、インク組成物。
本発明の第一の態様によるインク組成物は第一の染料群と第二の染料群とを含んでなる。
本発明の第二の態様によるインク組成物は、上記式(I)で表される染料であって、R1 がアゾ基に対してm−位のPO(OM)2 またはCOOMを表す染料と、上記式(VI)で表される染料とを含んでなる。
本発明による第三の態様によるインク組成物は染料群Aと染料群Bとの二種類の染料を含んでなる。
また、本態様においても、第一の態様によるインク組成物と同様の理由から、グリコールエーテル類を含んでなるのが好ましい。それらの具体例および添加量は第一の態様によるインク組成物と同様であってよい。
染料(I−1)の合成
m−アミノベンゼンホスホン酸34.62g(0.20mol)を水400mlに撹拌しながら懸濁し、これに35%塩酸30.4g(0.29mol)を加え、0℃に冷却した。この溶液に温度が5℃を越えないように徐々に36%亜硝酸ナトリウム水溶液40.0g(0.21mol)を適下し、50分間撹拌することにより混合アミンをジアゾ化した。その後、得られた水溶液にチオ尿素を加え、過剰な亜硝酸を除去してジアゾ成分含有液を得た。一方、2,5−ジエトキシアニリン36.3g(0.22mol)を水500mlに分散し、35%塩酸21.3g(0.21mol)を加えて、溶解させ、カップリング成分含有液を得た。ここで、カップリング成分含有液を0℃に冷却し、これに温度が5℃を越えないように上記ジアゾ成分含有液を滴下した。次いで、3〜5℃で20時間撹拌してモノアゾ化合物;m−(2,5−ジエトキシ−4−アミノ−フェニルアゾ)ベンゼンホスホン酸を得た。
m−アミノベンゼンカルボン酸27.40g(0.20mol)を用いた他は、染料(I−1)の製造と同様にして、染料(I−9)で示されるジスアゾ染料を約70g得た。
次の表に記載のインク組成物を調製した。具体的には、全成分を混合し、70℃で1時間撹拌した。その後、撹拌を続けながら自然冷却し、温度が40℃以下になったところで、0.8μmのメンブランフィルターで減圧濾過し、所望のインクを得た。
以下の印字評価試験は、インクジェットプリンタ MJ−700V2/C(セイコーエプソン株式会社製)用ブラックインクカートリッジに上記実施例Aおよび比較インク例Aのインクを充填し、以下の試験1〜6について評価を行なった。
(2) Xerox P (富士ゼロックス(株))
(3) Xerox 4024 (Xerox Co.)
(4) Ricopy 6200 (リコー(株))
(5) EPSON ファイン用紙 ( エプソン販売( 株))
前記の試験紙についてグラフィック印刷を行い、ベタ部分の色相(分光特性・L* a* b* )を測定し、「電子写真学会テストチャート No.5 」(1988年)に示される黒色サンプルを標準色とした色差(ΔE)を求めた。
得られたΔEの値から、黒色再現性を次のように評価した。
○:1<ΔE<3
△:3≦ΔE<5
×:ΔE≧5
2−1:画像品質
前記の試験紙について、アルファベット印字およびグラフィック印刷を行い、目視およびベタ部分の光学濃度(OD値)を測定し、次の基準に従い評価した。
○:ややにじみが見られるが画像には影響なく、OD値が1.25以上
△:にじみは少ないが、OD値が1.25未満
×:OD値が1.20未満
インクジェットプリンタ MJ−700V2/C搭載のカラーインクと共にカラー印刷を行い、ブラックインクとカラーインクとの境界のブリードを目視により観察し、その結果を次の基準に従い評価した。
○:ややブリードがあるが、鮮明である
△:ブリードがやや目立つ
×:ブリードがひどい
上記記録紙(1)および(2)にアルファベット印字を行った。その印字サンプルに水滴を滴下し、自然乾燥させた後のサンプルの状態を目視観察し、その結果を次の基準により評価した。
○:わずかに染料が溶け出しているが、文字がはっきりと読み取れる
△:にじみはあるが、文字は読み取れる
×:文字がにじみ読み取れない
プリンターの記録ヘッド内にインクを充填した後、記録ヘッドをキャップ位置からずらした状態で40℃で1カ月間放置した。その後、印字を開始したとき、正常な印字が可能となるまでに要したクリーニング回数を次のように評価した。
○:3〜4回
△:5〜10回
×:10回まで行なって回復せず
印刷の後一定時間経過後に記録媒体と同種の紙の端部で印刷部位を擦り、擦れの有無を観察し、その結果を次のように評価した。
○:印刷より10秒後に擦って、擦れが確認されなかった
×:印刷より10秒後に擦って、擦れが確認された。
プリンターのインクカートリッジにインクを充填し、−30℃および70℃に2週間放置した。放置の前後で、インク物性、色調変化、異物・析出物の発生の有無を観察し、その結果を次のように評価した。
×:物性・色調の変化があるか、異物・析出物の発生がみられた
上記の試験1〜6の評価結果は次の表に示される通りであった。
次の表に記載のインク組成物を実施例Aと同様にして調製した。
上記実施例Bのインク組成物について、上記試験1〜6と同様の印字試験を行った。その結果は次の表に記載の通りであった。
次の表に記載のインク組成物を実施例Aと同様にして調製した。
上記実施例Cのインク組成物について、上記試験1〜6と同様の印字試験を行った。その結果は次の表に記載の通りであった。その結果は次の表に記載の通りであった。
Claims (14)
- 染料群Aと染料群Bとを少なくとも含んでなるインク組成物であって、
染料群Aが、下記式(I):
R1 は−PO(OM)2 または−COOMを表し、XおよびYは独立してそれぞれC1-4 アルコキシを表し、Mは水素原子、アルカリ金属、アンモニア、および有機アミン類からなる群から選択される基の陽イオンを表す。]
で表される染料と、下記式(VI):
Mは上で定義したものと同義であり、
mは1または2を表し、
nは0または1を表す。]
で表される染料とを含んでなり、
染料群Bが、下記の式(III )で表される染料からなるものである、インク組成物。
R41およびR51は独立してそれぞれ水素原子、C1-4 アルキル、またはC1-4アルコキシを表し、Aは−SO3 Mまたは−COOMを表し、Mは上で定義したものと同義であり、nは1または2である。)] - 式(I)で表される染料と、式(VI)で表される染料とを、重量比4:1〜1:10の範囲で含有してなる、請求項1に記載のインク組成物。
- 染料群Aを1〜20重量%含んでなる、請求項1または2に記載のインク組成物。
- 染料群Aと、染料群Bとのインク組成物中の重量比が1:0.1〜1:0.5の範囲にある、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインク組成物。
- 式(I)におけるMが揮発性を有する化合物の陽イオンを表し、式(III )におけるMがアルカリ金属の陽イオンである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のインク組成物。
- 含窒素環状化合物および多価アルコール類を含んでなる、請求項1〜5のいずれか一項記載のインク組成物。
- トリ(ヒドロキシアルキル)アミンによってpHが8.5〜11に調整されてなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のインク組成物。
- 元素周期Ia金属元素からなる群より選択される水酸化物を少なくとも1つ含んでなる、請求項1〜7のいずれか一項記載のインク組成物。
- 前記水酸化物が、LiOH、NaOH、またはKOHである、請求項8に記載のインク組成物。
- グリコールエーテル類を3〜30重量%の範囲を含んでなる、請求項1〜9のいずれか一項に記載のインク組成物。
- ノニオン性アセチレングリコール系界面活性剤を0.1〜5重量%の範囲で含んでなる、請求項1〜10のいずれか一項に記載のインク組成物。
- 表面張力が20〜35mN/mである、請求項1〜8のいずれか一項に記載のインク組成物。
- インク組成物を付着させて記録媒体に印字を行う記録方法であって、インク組成物として請求項1〜12のいずれか一項に記載のインク組成物を用いる、方法。
- インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて印字を行うインクジェット記録方法であって、インク組成物として請求項1〜12のいずれか一項に記載のインク組成物を用いる、インクジェット記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004233664A JP4526324B2 (ja) | 1995-11-02 | 2004-08-10 | 黒色再現性に優れたインク組成物およびそれを用いたインクジェット記録方法 |
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28629395 | 1995-11-02 | ||
JP30172995 | 1995-11-20 | ||
JP721996 | 1996-01-19 | ||
JP2004233664A JP4526324B2 (ja) | 1995-11-02 | 2004-08-10 | 黒色再現性に優れたインク組成物およびそれを用いたインクジェット記録方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29254496A Division JP4367867B2 (ja) | 1995-11-02 | 1996-11-05 | 黒色再現性に優れたインク組成物およびそれを用いたインクジェット記録方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009029984A Division JP2009102662A (ja) | 1995-11-02 | 2009-02-12 | 黒色再現性に優れたインク組成物およびそれを用いたインクジェット記録方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005015812A JP2005015812A (ja) | 2005-01-20 |
JP4526324B2 true JP4526324B2 (ja) | 2010-08-18 |
Family
ID=34199087
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004233664A Expired - Fee Related JP4526324B2 (ja) | 1995-11-02 | 2004-08-10 | 黒色再現性に優れたインク組成物およびそれを用いたインクジェット記録方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4526324B2 (ja) |
-
2004
- 2004-08-10 JP JP2004233664A patent/JP4526324B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2005015812A (ja) | 2005-01-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2009102662A (ja) | 黒色再現性に優れたインク組成物およびそれを用いたインクジェット記録方法 | |
JP3154333B2 (ja) | インクジェット記録用カラーインクセット | |
JP3430512B2 (ja) | 水性インク組成物およびそれを用いた記録方法 | |
JP3178200B2 (ja) | 黒色再現性に優れた黒色インク組成物 | |
JP4702213B2 (ja) | イエローインク組成物、インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法及び記録物 | |
JP2001288392A (ja) | インクセット | |
US5795970A (en) | Mixed disazo-dye composition and black aqueous ink composition containing the same that provides high grade image on print | |
JP4367867B2 (ja) | 黒色再現性に優れたインク組成物およびそれを用いたインクジェット記録方法 | |
EP0716133B1 (en) | Ink composition and ink jet recording method using the same | |
JPH07268255A (ja) | 記録液 | |
JP4526324B2 (ja) | 黒色再現性に優れたインク組成物およびそれを用いたインクジェット記録方法 | |
JP3092258B2 (ja) | 記録液 | |
JP3579191B2 (ja) | ジスアゾ染料組成物およびそれらを含む黒色水性インク組成物 | |
JP4029493B2 (ja) | 記録液及び該記録液を用いたカラー画像の形成方法 | |
JPH0778192B2 (ja) | インク及びインクジェット記録方法 | |
JP3870495B2 (ja) | 記録液 | |
JP3412369B2 (ja) | 記録液 | |
JP3503401B2 (ja) | 記録液 | |
JPH11130997A (ja) | 記録液 | |
JP3412336B2 (ja) | 記録液 | |
JP3504102B2 (ja) | 記録液 | |
JPH08209047A (ja) | 記録液 | |
JP3358349B2 (ja) | 記録液 | |
JP3882261B2 (ja) | 記録液、インクジェット記録方法、及び記録液用色素 | |
JP3467533B2 (ja) | 記録液 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080313 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080916 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20081117 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20081212 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100118 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100601 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130611 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |