JP3579191B2 - ジスアゾ染料組成物およびそれらを含む黒色水性インク組成物 - Google Patents
ジスアゾ染料組成物およびそれらを含む黒色水性インク組成物 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はジスアゾ染料組成物、それらを含む黒色水性インク組成物、及びこれを用いたインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式に使用されるインクは、各種染料を水または有機溶剤、あるいはこれらの混合液に溶解させたものが一般的であるが、様々な特性において、万年筆やボールペンの様な筆記具用インクに比較し、より厳密な条件が要求される。
【0003】
さらに最近の動向として、インクジェットプリンタによるアウトプットには高品質な画像(光学濃度が高く、ブリードがない鮮明な画像)、ハイスピードな印刷、印刷物の耐水性、耐光性に対しての要望が高い。
【0004】
そこで、ハイスピードな印刷を実現するためには、インクの速やかな定着が必要となるため、インクの記録媒体への浸透性を向上させるという試みがなされている。例えば特開平4−183761号公報、米国特許第5,156,675号、米国特許第5,183,502号等には、ジエチレングリコールモノブチルエーテルを添加することや、グリコールエーテル類とノニオン性アセチレングリコール系界面活性剤の両方を添加すること等が開示されている。
【0005】
しかし、これらの浸透インクは、特に表面に特殊な加工を施していない普通紙(オフィス、学校、家庭で使用されるコピー紙、レポート用紙、ポンド紙、便箋、はがき、伝票用紙などがある)に対して、インクが紙の中に浸透するために発色性が悪く、光学濃度が高く、鮮明な画像を得ることは困難であった。これを解決するために染料濃度を増加させると、目詰まり等の信頼性に問題が生じてくるため、浸透インクに用いる染料には極めて高い溶解性が要求されている。
【0006】
一方では、印字物の耐水性に関する要望のため、特公平5−30956号公報にはリン酸基を有する染料、特開平3−91577号公報、特開平5−262998号公報等にはカルボン酸基を有するジスアゾ染料などを含む水性インクなどによって、耐水性の良好なインクの提案が多数されている。
【0007】
しかし、これらのインクは耐水性には優れているが、紙表面のpHが酸性域にある酸性紙に記録した場合、茶色味を帯びた画像になり、画像濃度も低く、高品位な画像は得られない。また、該染料の液媒体に対する溶解性が不十分なため、インクジェットヘッドの微細な吐出口において目詰まりを生じ易いという問題があり、浸透インクには適さないという課題もあった。
【0008】
その他、既存染料や新規構造染料を用いた耐水性に優れたインク組成物の提案が種々なされているが、十分な耐水性を満足し、かつ高品質な画像を満足するものは未だ見受けられない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、普通紙においても高品質な画像(光学濃度が高く、ブリードがない鮮明な画像)、速やかなインクの定着、印刷物の耐水性、耐光性を与える染料組成物及びインク組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、公知の黒色系のジスアゾ染料のうちから、優れた特性を持つ構造類似の2種の水溶性染料を選び出し、これらの染料を一定の割合で配合するか、または直接に染料組成物として合成したものをインクの記録剤として用いることによって、前述の高品質な画像と耐水性を両立できることを見い出した。
【0011】
すなわち、本発明は、少なくとも、下記式Iで表わされるジスアゾ染料と下記式IIで表わされるジスアゾ染料を含む染料組成物において、該染料組成物を液体クロマトグラフィー分析した場合に、式Iで表わされるジスアゾ染料のピーク面積(Sp)と式IIで表わされるジスアゾ染料のピーク面積(Sc)との面積比Sp:Scが1:0.4〜1:2.4、好ましくは1:0.6〜1:1.5であることを特徴とするジスアゾ染料組成物及びそれを用いたインク組成物である。
【0012】
【化8】
【0013】
【化9】
(式中、XおよびYは炭素数1〜4のアルコキシ基を示し、Mは水素、アルカリ金属、NH4、アルキル置換アンモニウム、アルカノールアンモニウム、モルホリニウム、ピペリジニウム等から選択される陽イオンを示す。)
【0014】
本発明に用いられる上記式I及び上記式IIで表わされる染料のX, Yで示される炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基である。アルコキシ基X, Yは同一であっても、異なっていてもよい。
【0015】
Mは水素、アルカリ金属、NH4、アルキル置換アンモニウム、アルカノールアンモニウム、モルホリニウム、ピペリジニウム等から選択される。
【0016】
具体的には次に示すものが挙げられる。
上記式Iについては以下のものが挙げられるが、これに限定されるものではなく、式Iによって挙げられる染料ならばいかなるタイプのものでもよい。
【0017】
【化10】
【0018】
【化11】
【0019】
【化12】
【0020】
【化13】
【0021】
【化14】
【0022】
【化15】
【0023】
【化16】
【0024】
【化17】
【0025】
上記式IIについては以下のものが挙げられるが、これに限定されるものではなく、式IIによって挙げられる染料ならばいかなるタイプのものでもよい。
【0026】
【化18】
【0027】
【化19】
【0028】
【化20】
【0029】
【化21】
【0030】
【化22】
【0031】
【化23】
【0032】
【化24】
【0033】
【化25】
【0034】
Mが、水素のとき、水溶性酸基は、遊離酸の形でリン酸基(PO3H2)、カルボン酸基(COOH)、スルホン酸基(SO3H)を示す。Mがアルカリ金属、NH4、アルキル置換アンモニウム、アルカノールアンモニウム、或いはモルホリニウム、ピペリジニウムのような含窒素環状化合物の陽イオンのときアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アルキル置換アンモニウム塩、アルカノールアミン塩、モルホリニウム塩、ピペリジニウム塩等を形成し、水に溶解する。一般にこの種の酸性染料は、塩基性のpHを示す水を主体とする水性媒体に可溶である。この際、Mは1種であっても、異なってもよい。
【0035】
さらに本発明者らは、紙上での耐水性はMが、NH4、アルキル置換アンモニウム、アルカノールアンモニウム、或いはモルホリニウム、ピペリジニウム等の揮発性のアルカリ塩を形成している場合に特に優れることを発見した。このような塩の形成に使用されるアミンの例には、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ジブチルアミン、アリルアミンのようなアルキル置換アミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、ジエチルエタノールアミンのようなアルカノールアミン、モルホリン、ピペリジンのような含窒素環状化合物及びその混合物が挙げられる。ただし、本発明の染料が完全にアンモニウム塩、アルキル置換アンモニウム塩、アルカノールアミン塩、モルホリニウム塩、ピペリジニウム塩である必要はなく、アルカリ金属塩との混合物であってもよい。その場合、染料全体に対するアルカリ金属塩の比率は50%以下であることが好ましい。
【0036】
前記式Iで表わされるジスアゾ染料は、特公平5−80956号に開示された染料群に包含されるところのリン酸基を有するジスアゾ染料である。この染料の合成は、m−アミノベンゼンホスホン酸を常法によりジアゾ化し、炭素数1〜4の2,5−ジアルコキシ置換アニリンとカップリングすることによりアミノ基を有するモノアゾ化合物を生成する。これを単離し、または引き続き、常法によりジアゾ化して、γ酸(2−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸)とカップリングすることにより、高収率、高純度で容易に得られる。
【0037】
また、式Iで示される染料は、染料構造中にリン酸基を有するため、紙などのセルロース繊維に対する染着性が良好で、耐水性に優れる。また、同時にスルホン酸基のような水溶性の酸基を有するため、水性液媒体に対する溶解性に優れる。水に対する溶解性は水溶媒のpHにより異なるが、pH7.5〜11、好ましくはpH8.5〜10で良好な溶解性を示し、酸性pHでは難溶性となる。
【0038】
しかし、このジスアゾ染料のみを用いて、インクジェット記録用のインクを調製した場合は、画像の光学濃度が不十分であるし、光学濃度を増すために、染料濃度を増加させると目詰まり等の信頼性に問題を生じるといった、染料の溶解安定性にも課題があった。
【0039】
前記式IIで表わされるジスアゾ染料は、特開平5−262998号公報または特開平5−125318号公報に開示されているカルボン酸基を有するジスアゾ染料である。この染料の合成は、m−アミノベンゼンカルボン酸を常法によりジアゾ化し、炭素数1〜4の2,5−ジアルコキシ置換アニリンとカップリングすることによりアミノ基を有するモノアゾ化合物を生成する。これを単離し、または引き続き、常法によりジアゾ化し、γ酸(2−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸)とカップリングすることにより、高収率、高純度で容易に得られる。
【0040】
また、式IIで示される染料は、染料構造中にカルボン酸基を有するため、耐水性が良好である。また、同時にスルホン酸基のような水溶性の酸基を有するため、アルカリ金属塩やアンモニウム塩の形で水性液媒体に溶解する。pH6以下では不溶となるため、好ましくはpH8.0〜10である。
【0041】
しかし、このジスアゾ染料のみを用いて、インクジェット記録用のインクを調整した場合は、画像の光学濃度が不十分であるし、光学濃度を増すために、染料濃度を増加させると目詰まり等の信頼性に問題を生じるといった、染料の溶解安定性にも課題があった。
【0042】
しかしながら、式Iのジスアゾ染料と式IIのジスアゾ染料をある一定の割合で配合することによって、これらの染料混合物の水への溶解性が格段に向上することが分かった。この発見により、普通紙においても高品質な画像(光学濃度が高く、ブリードがない鮮明な画像)の提供と高い信頼性の両立、さらにはこれらの染料自体の特性である耐水性、耐光性により、課題を解決するに至った。
【0043】
本発明の染料組成物は、上記式Iで表わされるジスアゾ染料と式IIで表わされるジスアゾ染料の2種を主成分として含有し、該染料組成物を液体クロマトグラフィー分析した場合に、式Iで表わされるジスアゾ染料のピーク面積(Sp)と式IIで表わされるジスアゾ染料のピーク面積(Sc)との面積比Sp:Scが1:0.4〜1:2.4、好ましくは1:0.6〜1:1.5であることを特徴とする。
【0044】
特にインクジェット記録用インクを製造する場合、インク製造の作業性を考慮して、染料濃度が10重量%以上の濃厚液を使用する場合が多いが、ScのSpに対する面積比が0.4倍以下である時は、式Iで表わされる染料が析出して溶解保存安定性に問題が生じる。またScのSpに対する面積比が2.4倍以上であるときは、式IIで表わされる染料が析出して溶解保存安定性に問題が生じる。
【0045】
本発明の染料組成物が、塩基性水性液媒体中で最良の溶解保存安定性を示す面積比Sp:Scの範囲は、Sp:Sc=1:0.6〜1:1.5であることがわかった。
【0046】
ここで、本発明のピーク面積比Sp:Scとは、以下に示す分析条件で(高速)液体クロマトグラフィー分析において、式Iで表わされるジスアゾ染料を示すピークの面積Spと式IIで表わされるジスアゾ染料を示すピークの面積Scとの比のことである。
分析条件
カラム
充填剤:ODS(L−カラム)
サイズ:4.6×250mm
溶出液
A:0.02NのKH2PO4を含む10%CH3CN水溶液
B:70%CH3CN水溶液
測定条件
流速:1.2ml/分
圧力:約120kgf/cm2
温度:45℃
検出波長:313nm
グラジエント条件(図12参照)
溶出液Bの初濃度:10%
溶出液Bの終濃度:70%
グラジエント時間:20分
(その後、同濃度で5分間溶出)
【0047】
また、本発明の染料組成物は、液体クロマトグラフィー分析において、前記式Iで表わされるジスアゾ染料と前記式IIで表わされるジスアゾ染料のピーク面積の和(Sp+Sc)が検出波長313nmのときの全ピーク面積和の90%以上であり、特に好ましくは95%以上である。90%以下では本発明の目的が達成できないことがある。
【0048】
上述の染料溶解特性(溶解保存安定性)を満足する本発明の染料組成物の製造方法は、前述の式Iで示されるジスアゾ染料と式IIで示されるジスアゾ染料を個々に合成し、配合することもできる。しかし、染料の合成工程の簡略化を図る上で好ましくは、下記m−アミノベンゼンホスホン酸( 1 )とm−アミノベンゼンカルボン酸( 2 )との混合アミンの同時ジアゾ化反応及び第1カップラーとして用いる2,5−ジアルコキシ置換アニリン( 3 )とのカップリング反応は、通常の方法で行い得る。反応条件は温度0〜5℃でジアゾ化し、温度0〜5℃、pH0.5〜3.5でカップリングすることが好ましい。前記モノアゾ化合物( 4 )のジアゾ化及び第2カップラーとして用いるγ酸( 5 )(2−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸)とのカップリング反応は、特に限定されず、通常の方法で行い得る。反応条件は温度25〜35℃でジアゾ化し、温度5〜15℃、pH9〜10でカップリングすることが好ましい。
【0049】
【化26】
【0050】
本発明の染料濃厚液の組成は、前記ジスアゾ染料組成物または前記式Iで表わされるジスアゾ染料と前記式IIで表わされるジスアゾ染料の配合重量比が1:0.4〜1:2.4、好ましくは1:0.6〜1:1.5である配合染料及び水を主体とする水性媒体とからなる染料濃度が10重量%以上の染料濃厚液である。
【0051】
本発明のインク組成物は少なくとも、式Iで表わされるジスアゾ染料と式IIで表わされるジスアゾ染料を含み、その配合比が、液体クロマトグラフィー分析におけるピーク面積(式Iのピーク面積をSp、式IIのピーク面積をScとして)の面積比Sp:Scで1:0.4〜1:2.4、好ましくは1:0.6〜1:1.5であることにより、非常に溶解安定性が高くなったため、光学濃度が高い画像と目詰まり等の信頼性が高いことの両立が可能となることを発見した。
【0052】
さらに、本発明における式I及び式IIの染料はこれら単独においても、本発明の割合で配合された染料組成物においても含窒素環状化合物と組み合わせることにより、優れた耐水性と発色性、溶解保存安定性の向上等が得られることを発見した。
【0053】
これらの含窒素環状化合物としては、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタム等が挙げられ、単独あるいは2種以上併用して用いられる。これらの溶剤は染料の溶解安定性、印字安定性を高めるとともに、発色補助剤、耐水性補助剤としての機能もあり、本発明のインク組成物には不可欠な溶剤である。その添加量は1〜30重量%、好ましくは3〜20重量%である。添加量が1重量%未満であると、前述の機能を発揮することができず、また30重量%を越えると画像ににじみが発生し、画像品質の低下を招くため好ましくない。
【0054】
しかし、これらの含窒素環状化合物には保湿力、すなわち湿潤性に乏しいため、これらの含窒素環状化合物のみでは目詰まりが発生しやすく、また一度、目詰まりを生じてしまった場合、それを回復することが難しいという問題を生じた。そこで、目詰まり防止剤が不可欠となり、様々な溶剤を検討した結果、多価アルコール類が最も有効な目詰まり防止剤であることを見い出した。但し、多価アルコール類のみでは十分な耐水性を発現しないし、また、染料の発色性もやや劣るという現象が起こった。従って、本発明のインク組成物には一般式(I)の染料と多価アルコール類と含窒素環状化合物を組み合わせることが必須となった。
【0055】
これらの多価アルコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン等が挙げられ、単独あるいは2種以上併用して用いられる。その添加量は1〜30重量%、好ましくは3〜20重量%である。添加量が1重量%未満であると、回復し難い目詰まりを招き、また30重量%を越えると画像の乾燥性の低下や、画像品質の低下を招くため好ましくない。
【0056】
しかし、式I及び式IIの染料を単独で用いた場合と配合した場合では、染料の溶解保存安定性に大きな差があることは否めず、式I及び式IIの単独での使用は信頼性を確保する上で困難であった。
【0057】
本発明のインク組成物にはインクの速やかな定着(浸透性)を得るのと同時に、1ドットの真円度を保つのに効果的な添加剤として、ノニオン性アセチレングリコール系界面活性剤を含むことを特徴とする。
【0058】
本発明に用いられる具体的なノニオン性アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、サーフィノール465、サーフィノール104、オルフィンSTG(以上、日信化学社製、商品名)等が挙げられるが、特にオルフィンSTGが効果的である。その添加量は0.05〜3重量%、好ましくは0.5〜2重量%である。添加量が0.05重量%未満であると、十分な浸透性が得られず、また、30重量%を越えると画像ににじみが発生し、画像品質の低下を招くため好ましくない。
【0059】
さらに、ノニオン性アセチレングリコール系界面活性剤に加えて、グリコールエーテル類を添加することにより、より浸透性が増すとともに、カラー印刷を行った場合の隣合うカラーインクとの境界のブリードが減少し、非常に鮮明な画像を得ることができることを発見した。
【0060】
本発明のグリコールエーテル類としては、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。その添加量は3〜30重量%、好ましくは5〜15重量%である。添加量が3重量%未満であると、ブリード防止の効果が得られない。また、30重量%を越えると画像ににじみが発生するばかりか、油状分離が起きるためにこれらのグリコールエーテル類の溶解助剤が必要となり、それに伴ってインクの粘度が上昇し、インクジェットヘッドでは吐出が難しくなる。
【0061】
さらに、本発明のインク組成物には必要に応じて、低級アルコール類、トリエタノールアミンやアルカリ金属の水酸化物等のpH調整剤、アルギン酸ナトリウム等の水溶性ポリマー、水溶性樹脂、フッ素系界面活性剤、防カビ剤、防錆剤等が添加されてもよい。
【0062】
上述のインク組成物を用いたインクの製造は、常法に従って製造することができる。たとえば、各成分を十分混合溶解し、孔径0.8μmのメンブランフィルターで加圧濾過したのち、真空ポンプを用いて脱気処理してインクを調製する方法などがある。
【0063】
次に、上述のインクを用いた本発明の記録方法について説明する。本発明の記録方法はインクを微細孔から液滴として吐出させて記録を行うインクジェット記録方式がとりわけ好適に使用できるが、一般の筆記具用、記録計、ペンプロッター等の用途にも使用できることは言うまでもない。
【0064】
インクジェット記録方式としては、従来公知の方式はいずれも使用でき、特に圧電素子の振動を利用して液滴を吐出させる方法や熱エネルギーを利用する方法においては優れた画像記録を行うことが可能である。
【0065】
【実施例】
以下に、本発明を実施例及び比較例によって具体的に説明する。
まず、本発明の染料組成物の製造方法について、実施例1〜5及び比較例1〜2に説明する。
【0066】
【実施例1】
m−アミノベンゼンホスホン酸17.5g(0.1mol)とm−アミノベンゼンカルボン酸13.85g(0.1mol)の混合アミンを水400mlに撹拌しながら懸濁し、これに35%塩酸30.4g(0.29mol)を加え、0℃に冷却した。この溶液に温度が5℃を越えないように徐々に36%亜硝酸ナトリウム水溶液40.0g(0.21mol)を滴下し、50分間撹拌することにより混合アミンをジアゾ化し、その後、得られた水溶液にチオ尿素を加え、過剰な亜硝酸を除去してジアゾ成分含有液を得た。一方、2,5−ジエトキシアニリン36.3g(0.22mol)を水500mlに分散し、35%塩酸21.3g(0.21mol)を加えて、溶解させ、カップリング成分含有液を得た。ここで、カップリング成分含有液を0℃に冷却し、これに温度が5℃を越えないように上記ジアゾ成分含有液を滴下した。次いで、3〜5℃で20時間撹拌してモノアゾ化合物(混合物); m−(2,5−ジエトキシ−4−アミノ−フェニルアゾ)ベンゼンホスホン酸及びm−(2,5−ジエトキシ−4−フェニルアゾ)ベンゼンカルボン酸を得た。
【0067】
得られたモノアゾ化合物混合物を水900mlに分散し、45%水酸化ナトリウム水溶液43.0g(0.48mol)を加え溶解した。この溶液に36%亜硝酸ナトリウム水溶液38.5g(0.20mol)を加えて25℃に冷却、さらに20%塩酸130g(0.71mol)を30℃を越えないように徐々に加えた後、25〜30℃以下で3時間撹拌することによりモノアゾ化合物の混合物をジアゾ化した。その後、得られた水溶液にスルファミン酸を加えて、過剰な亜硝酸を除去してジアゾ成分液を得た。
【0068】
一方、γ酸51.6g(0.21mol)を水600mlに加え、45%水酸化ナトリウム水溶液37.0g(0.42mol)で溶解し、5℃に冷却してカップラー溶液を調製した。これに先に用意したモノアゾ化合物のジアゾ成分含有液を反応温度が8℃を越えないようにかつ20%水酸化ナトリウム水溶液の添加により反応pHを8.5以上に保つようにしながら滴下した後、8℃で3時間撹拌した。塩・酸析操作により、前記(A)と(J)で示す2種のジスアゾ染料を主に含む染料組成物1を約75g得た。
【0069】
得られた染料組成物1について高速液体クロマトグラフィー分析(HPLC)を行ったところ、式(A)と(J)のジスアゾ染料の面積比Sp:Scは50.4:49.6(1:0.98)であった。このクロマトグラムを図1に示す。また、得られたジスアゾ染料のピーク面積和(Sp+Sc)は、検出波長313nmのときの全面積和の約99%であった。
【0070】
なお、液体クロマトグラフィー分析は、以下に示す測定装置を用い、上述の分析条件で行った。
測定装置(島津製作所社製)
コントローラ:SCL−6A
検出器:SPD−6AV
ポンプユニット:LC−6A(×2)
カラムオーブン:CTO−6A
プロッタ:C−R6A
式Iと式IIで表わされるジスアゾ染料のピーク面積比Sp/Scは、プロッタで分析したピークの面積を基準に算出した。プロッタの分析パラメータを以下に示す。
プロッタの分析パラメータ
WIDTH:5 SLOPE:330
DRIFT:0 MIN.AREA:4000
T.DBL:5 STOP TIME:25
ATTEN:6 SPEED:2
試料は、染料組成物(アンモニウム塩)3mgをキャリヤー液50mlに溶解することにより調製した。
また、染料組成物1の可視吸光スペクトルを図2に示す。
【0071】
【実施例2】
実施例1で用いた混合アミンをm−アミノベンゼンホスホン酸21.00g(0.12mol)とm−アミノベンゼンカルボン酸11.08g(0.08mol)の混合アミンに変え、実施例1と全く同様にして前記式(A)と(J)で示される2種のジスアゾ染料を主に含む染料組成物2を約76g得た。
【0072】
得られた染料組成物2について高速液体クロマトグラフィー分析を行ったところ、式(A)と(J)のジスアゾ染料の面積比Sp:Scは56.0:44.0(1:0.79)であった。このクロマトグラムを図3に示す。また、得られたジスアゾ染料のピーク面積和(Sp+Sc)は、検出波長313nmのときの全面積和の約99%であった。
【0073】
【実施例3】
実施例1で用いた混合アミンをm−アミノベンゼンホスホン酸14.00g(0.08mol)とm−アミノベンゼンカルボン酸16.62g(0.12mol)の混合アミンに変え、実施例1と全く同様にして前記式(A)と(J)で示される2種のジスアゾ染料を主に含む染料組成物3を約73g得た。
【0074】
得られた染料組成物3について高速液体クロマトグラフィー分析を行ったところ、式(A)と(J)のジスアゾ染料の面積比Sp:Scは33.8:66.2(1:1.96)であった。このクロマトグラムを図4に示す。また、得られたジスアゾ染料のピーク面積和(Sp+Sc)は、検出波長313nmのときの全面積和の約99%であった。
【0075】
【実施例4】
実施例1で用いた混合アミンをm−アミノベンゼンホスホン酸24.50g(0.14mol)とm−アミノベンゼンカルボン酸8.31g(0.06mol)の混合アミンに変え、実施例1と全く同様にして前記式(A)と(J)で示される2種のジスアゾ染料を主に含む染料組成物4を約77g得た。
【0076】
得られた染料組成物4について高速液体クロマトグラフィー分析を行ったところ、式(A)と(J)のジスアゾ染料の面積比Sp:Scは64.4:35.6(1:0.55)であった。このクロマトグラムを図5に示す。また、得られたジスアゾ染料のピーク面積和(Sp+Sc)は、検出波長313nmのときの全面積和の約99%であった。
【0077】
【実施例5】
実施例1で用いた混合アミンをm−アミノベンゼンホスホン酸10.50g(0.06mol)とm−アミノベンゼンカルボン酸19.39g(0.14mol)の混合アミンに変え、実施例1と全く同様にして前記式(A)と(J)で示される2種のジスアゾ染料を主に含む染料組成物5を約72g得た。
【0078】
得られた染料組成物5について高速液体クロマトグラフィー分析を行ったところ、式(A)と(J)のジスアゾ染料の面積比Sp:Scは24.0:76.0(1:3.17)であった。このクロマトグラムを図6に示す。また、得られたジスアゾ染料のピーク面積和(Sp+Sc)は、検出波長313nmのときの全面積和の約99%であった。
【0079】
上記実施例を要約し、表1に示す。
【0080】
【表1】
【0081】
次に本発明の染料組成物等に含まれる、あるいは配合染料として用いる前記式Iと式IIで表されるジスアゾ染料の単一合成について比較例として説明する。
【0082】
【比較例1】
実施例1で用いた混合アミンの代わりにm−アミノベンゼンホスホン酸34.62g(0.20mol)を用いた他は、実施例1と全く同様にして前記式(A)で示されるジスアゾ染料約80g得た。
【0083】
得られた染料組成物について、高速液体クロマトグラフィー分析を行った。このクロマトグラムを図7に示す。
このジスアゾ染料の可視吸光スペクトルを図8に示す。
【0084】
【比較例2】
実施例1で用いた混合アミンの代わりにm−アミノベンゼンカルボン酸27.40g(0.20mol)を用いた他は、実施例1と全く同様にして前記式(J)で示されるジスアゾ染料約70g得た。
【0085】
得られた染料組成物について、高速液体クロマトグラフィー分析を行った。このクロマトグラムを図9に示す。
このジスアゾ染料の可視吸光スペクトルを図10に示す。
【0086】
次に、本発明の染料組成物を含む染料濃度が10重量%以上の濃厚液について実施例6〜10に説明する。
【0087】
【実施例6】
実施例1の方法によって得られた乾燥前のウェットケーキ(染料分約25重量%)をイオン交換水に再分散し、逆浸透膜(日東電工社製NTR−7410)を用いて精製、濃縮し、アンモニア水または水酸化ナトリウム水溶液を用いて、アンモニウム塩またはナトリウム塩の形で15重量%の染料濃厚液A等を得た。
【0088】
得られた染料濃厚液A等について、2カ月間の下記に示す溶解保存安全性試験を行った。結果を表2に示す。
【0089】
<染料濃厚液の溶解保存安定性試験方法>
得られた染料濃厚液100mlを耐熱性のガラス瓶に入れて密栓したものを、60℃にセットしたインキュベーターに2カ月間放置保存する。その後、濾紙にスポットして染料の析出の有無を観察し、次のように評価した。
◎:染料の析出が全く認められない
○:染料の析出が僅かに認められる
×:染料の析出が認められた
【0090】
【実施例7〜10】
前記実施例2〜5の方法によって得られた乾燥前のウェットケーキについて、実施例6と同様な操作を行い、表2に示す対イオンと染料濃度の染料濃厚液を得た。
【0091】
得られた染料濃厚液B〜E等について、2カ月間の溶解保存安定性試験を行った。結果を表2に示す。
【0092】
【比較例3〜4】
前記比較例1〜2の方法によって得られた乾燥前のウェットケーキについて、実施例6と同様な操作を行い、表2に示す対イオンと染料濃度の染料濃厚液を得た。
【0093】
得られた染料濃厚液a及びbについて、2カ月間の溶解保存安定性試験を行った。結果を表2に示す。
【0094】
さらに、前記比較例1で得られた染料例(A)及び前記比較例2で得られた染料例(J)を用いて、アンモニア水を使って、アンモニウム塩の形で染料濃度15重量%の下記配合染料濃厚液をそれぞれ作成した。
【0095】
【実施例11】
配合染料濃厚液F ; (A):(J) = 5:5
配合染料濃厚液G ; (A):(J) = 6:4
配合染料濃厚液H ; (A):(J) = 4:6
配合染料濃厚液I ; (A):(J) = 7:3
配合染料濃厚液J ; (A):(J) = 3:7
得られた染料濃厚液F〜J及び表2に示すそれぞれの配合染料濃厚液について、2カ月間の溶解保存安定性試験を行った。結果を表2に示す。
【0096】
【表2】
【0097】
次ぎにインク組成物ついて、具体的に説明する。
実施例12〜20及び比較例5〜7のインク組成物を表3に示す配合比で前述のインク製造方法によって製造した。なお、表中に示すインクの各成分はインク全量に対する各成分の重量%を示し、残量は水である。
【0098】
【表3】
【0099】
【表4】
【0100】
評価試験においては、インクジェットプリンタMJ−700V2/C(セイコ−エプソン株式会社製)を用いた。なお、MJ−700V2/C用ブラックインクカートリッジに実施例12〜20及び比較例5〜7のインクを充填し、以下の試験1〜5について評価を行なった。
【0101】
<試験1:耐水性>
(1)EPP用紙(エプソン販売(株);酸性紙)、(2)ゼロックス P(富士ゼロックス(株);中性紙)に対してアルファベット印字を行い、その印字サンプルに水滴を滴下し、自然乾燥させた後のサンプルの状態を目視観察して、次のように評価した。
◎:初期状態と変化なし
○:わずかに染料が溶け出しているが、文字がはっきりと読み取れる
△:にじみはあるが、文字は読み取れる
×:文字がにじみ読み取れない
【0102】
<試験2:画像品質>
<2−1>
以下の試験紙について、アルファベット印字及びグラフィック印刷を行い、目視及びベタ部分の光学濃度(OD値)を測定し、次のように評価した。
(1)EPP用紙 (エプソン販売(株))
(2)ゼロックスP (富士ゼロックス(株))
(3)ゼロックス4024 (ゼロックス社)
(4)リコピー6200 (リコー(株))
【0103】
なお、OD値測定には、マクベス社製 マクベスTR−927を用いて、反射濃度を測定した。
◎:にじみがなく、OD値が1.30以上。
○:ややにじみが見られるが画像には影響なく、OD値が1.25以上
△:にじみは少ないが、OD値が1.25未満
×:OD値が1.20未満
【0104】
<2−2>
以下の試験紙について、カラー印刷を行い、隣合うカラーインクとのブリードを目視により、次のように評価した。
(1)EPP用紙 (エプソン販売(株))
(2)ゼロックスP (富士ゼロックス(株))
(3)ゼロックス4024 (ゼロックス社)
(4)リコピー6200 (リコー(株))
◎:ブリードがなく、鮮明。
○:ややブリードがあるが、鮮明である。
△:ブリードがやや目立つ。
×:ブリードがひどい。
【0105】
<試験3:目詰まり回復性>
MJ−700V2/Cの記録ヘッド内にインクを充填した後、記録ヘッドをキャップ位置からずらした状態で40℃で1カ月間放置した。その後、正常な印字が可能となるまでのクリーニング回数を次のように評価した。
◎:0〜2回
○:3〜5回
△:5〜10回
×:10回まで行なって回復せず
【0106】
<試験4:印字安定性>
MJ−700V2/Cに搭載のセルフチェックパターンを用いて連続印字を行ない、安定して印字を行なった時間を次のように評価した。
◎:24時間以上
○:10時間以上24時間未満
×:10時間未満
【0107】
<試験5:保存安定性>
MJ−700V2/C用インクカートリッジにインクを充填し、−30℃及び70℃に2週間放置し、その前後でインク物性、色調変化、異物、析出物の発生の有無について観察し、次のように評価した。
○:物性・色調とも変化なく、異物・析出物の発生もない
×:物性・色調の変化があるか、異物、析出物の発生がみられた
上記の試験1〜5の評価結果を表5に示す。
【0108】
【表5】
【0109】
【発明の効果】
本発明の染料組成物は、構造類似の2種のジスアゾ染料成分がバランス良く、配合、あるいは生成されているため、単独のジスアゾ染料では不十分な特性(溶解性、色濃度等)が相互に助長され、良好な溶解保存安定性を得ることができる。
【0110】
また、本発明のインク組成物によれば、特にオフィスや学校、家庭で使用されるコピー紙、レポート用紙、ボンド紙、便箋、はがき、伝票用紙などのいわゆる普通紙に対し、高画質記録が可能で、かつ記録画像の耐水性に優れるインク組成物を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた染料組成物1のクロマトグラム。
【図2】実施例1で得られた染料組成物1の可視光スペクトル。
【図3】実施例2で得られた染料組成物2のクロマトグラム。
【図4】実施例3で得られた染料組成物3のクロマトグラム。
【図5】実施例4で得られた染料組成物4のクロマトグラム。
【図6】実施例5で得られた染料組成物5のクロマトグラム。
【図7】比較例1で得られた染料組成物のクロマトグラム。
【図8】比較例1で得られた染料組成物の可視光スペクトル。
【図9】比較例2で得られた染料組成物のクロマトグラム。
【図10】比較例2で得られた染料組成物の可視光スペクトル。
【図11】実施例11で得られた配合染料濃厚液Fのクロマトグラム。
【図12】液体クロマトグラフィーのグラジエント条件を模式的に示すグラフ。
Claims (12)
- 面積比Sp:Scが1:0.6〜1:1.5である請求項1記載のジスアゾ染料組成物。
- 請求項1記載のジスアゾ染料組成物を10重量%以上含有することを特徴とする染料濃厚液。
- 少なくとも、下記式Iで表わされるジスアゾ染料と下記式IIで表わされるジスアゾ染料を含む黒色インク組成物において、式Iで表わされるジスアゾ染料と式IIで表わされるジスアゾ染料は、液体クロマトグラフィー分析した場合に、式Iで表わされるジスアゾ染料のピーク面積(Sp)と式IIで表わされるジスアゾ染料のピーク面積(Sc)との面積比Sp:Scが1:0.4〜1:2.4であることを特徴とする黒色水性インク組成物。
- 面積比Sp:Scが1:0.6〜1:1.5である請求項5記載の黒色水性インク組成物。
- 更に、多価アルコール類と含窒素環状化合物を含む請求項5記載の黒色水性インク組成物。
- 更に、ノニオン性アセチレングリコール系界面活性剤を含む請求項5記載の黒色水性インク組成物。
- 更に、グリコールエーテル類を含む請求項8記載の黒色水性インク組成物。
- インクを微細孔から液滴として吐出させて被記録媒体に記録を行うインクジェット記録方式において、前記インクが少なくとも、下記式Iで表わされるジスアゾ染料と下記式IIで表わされるジスアゾ染料を含み、液体クロマトグラフィー分析した場合に、式Iで表わされるジスアゾ染料のピーク面積(Sp)と式IIで表わされるジスアゾ染料のピーク面積(Sc)との面積比Sp:Scが1:0.4〜1:2.4であることを特徴とするインクジェット記録方法。
- 面積比Sp:Scが1:0.6〜1:1.5である請求項10記載のインクジェット記録方法。
- 前記インクが式IおよびIIで表されるジスアゾ染料の他に、多価アルコール類、含窒素環状化合物、ノニオン性アセチレングリコール系界面活性剤、グリコールエーテル類を含む請求項10記載のインクジェット記録方法。
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