JP2004143285A - 黒色水性インク組成物、これを用いたインクジェット記録方法および記録物 - Google Patents

黒色水性インク組成物、これを用いたインクジェット記録方法および記録物 Download PDF

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Abstract

【課題】耐光性、耐ガス性に優れ、高品質な画像が保たれる印刷物を作成できる黒色水性インク組成物、該インク組成物を備えたインクセット及びそれらを用いたインクジェット記録方法を提供する。
【解決手段】式1で表されるトリスアゾ染料を含んでなることを特徴とする黒色水性インク組成物、該インク組成物を備えたインクセット及びそれらを用いたインクジェット記録方法。
Figure 2004143285

[式中、Aは、水素原子又はカルボキシル基(−COOM)を表し、R,R,R及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、水酸基、スルファモイル基、カルバモイル基、アセチル基、カルボキシル基、スルホン基又はハロゲン原子を表す]
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録に好適な黒色水性インク組成物、それらを用いたインクジェット記録方法及び該記録方法によって記録された記録物に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録は、微細なノズルからインクを小滴として吐出し、文字や画像を記録媒体表面に記録する方法である。インクジェット記録方式としては、電歪素子を用いて電気信号を機械信号に変換して、ノズルヘッド部分に貯えたインクを断続的に吐出して記録媒体表面に文字や画像を記録する方法、ノズルヘッド部分に貯えたインクを吐出部分に極近い一部を急速に加熱して泡を発生させて、その泡による体積膨張で断続的に吐出して、記録媒体表面に文字や画像を記録する方法等が実用化されている。
【0003】
また、インクジェット記録用のインクとしては、安全性や印字特性の面から各種染料を水または有機溶剤、あるいはそれらの混合液に溶解させたものが一般的であるが、様々な特性において、万年筆やボールペンの様な筆記具用インクに比較し、より厳密な条件が要求される。
【0004】
特に、近年になって、広告用の印刷物の作成にインクジェットプリンタが採用されるようになって来ているが、上記のような水性インク組成物を用いて作成された印刷物は、室内は勿論室外にも設置されることから、太陽光を初めとして種々の光や外気(オゾン、窒素酸化物、硫黄酸化物等)に晒されることとなり、そのため画質の劣化を受けるという現象が生じてきている。特に、黒色部分における劣化が顕著である。
【0005】
また、染料を着色剤として用いたインク組成物の耐ガス性(特に、耐オゾン
性)を改善するために、例えば、下記構造のジスアゾ系の染料が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【化7】
Figure 2004143285
【0006】
また、下記構造のジスアゾ系の染料も提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
【化8】
Figure 2004143285
しかしながら、これらのインク組成物は、いずれも耐光性、耐ガス性において不十分であるという欠点を有する。
【0007】
【特許文献1】
特開平3−229770号公報
【特許文献2】
特開平3−91576号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記のような事情を考慮してなされたものであって、その目的とするところは、耐光性、耐ガス性に優れ、高品質な画像が保たれる印刷物を作成できる黒色水性インク組成物、好ましくは、耐光性、耐ガス性、保存安定性に優れ、高品質な画像が保たれる印刷物を作成できる黒色水性インク組成物、それらを用いたインクジェット記録方法及び該記録方法によって記録された記録物を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、種々の公知のトリスアゾ染料、新規のトリスアゾ染料に対して耐光性、耐ガス性について調査・研究していたところ、後記の構造を持った黒色染料が耐光性、耐ガス性に優れていること、その中でもカウンターイオン(M)が有機アンモニウムであるものが更に保存安定性に優れていること、を見いだし本発明を完成したものである。
【0010】
1.本発明に係る黒色水性インク組成物は、少なくとも、下記の式1で表されるトリスアゾ染料を含んでなることを特徴とする。
【化9】
Figure 2004143285
[式中、Aは、水素原子又はカルボキシル基(−COOM)を表し、R,R,R及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、水酸基、スルファモイル基、カルバモイル基、アセチル基、カルボキシル基、スルホン基又はハロゲン原子を表し、Npsは、
【化10】
Figure 2004143285
から選択される基を表し(Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、有機アンモニウムから選択され)、Bは、
【化11】
Figure 2004143285
から選択される基を表す(Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、有機アンモニウムから選択される)。]
【0011】
2.本発明に係る黒色水性インク組成物は、前記トリスアゾ染料が、下記の式2で表されるトリスアゾ染料であることを特徴とする。
【化12】
Figure 2004143285
[式中、Aは、水素原子又はカルボキシル基(−COOM)を表し、R,R,R及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、水酸基、スルファモイル基、カルバモイル基、アセチル基、カルボキシル基、スルホン基又はハロゲン原子を表し、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、有機アンモニウムから選択される。]
【0012】
3.本発明に係る黒色水性インク組成物は、前記トリスアゾ染料が、下記の式3で表されるトリスアゾ染料であることを特徴とする。
【化13】
Figure 2004143285
[式中、Aは、水素原子又はカルボキシル基(−COOM)を表し、R,R,R及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、水酸基、スルファモイル基、カルバモイル基、アセチル基、カルボキシル基、スルホン基又はハロゲン原子を表し、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、有機アンモニウムから選択される。]
【0013】
4.本発明に係る黒色水性インク組成物は、前記トリスアゾ染料が、下記の式4で表されるトリスアゾ染料であることを特徴とする。
【化14】
Figure 2004143285
[式中、Aは、水素原子又はカルボキシル基(−COOM)を表し、R,R,R及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、水酸基、スルファモイル基、カルバモイル基、アセチル基、カルボキシル基、スルホン基又はハロゲン原子を表し、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、有機アンモニウムから選択される。]
【0014】
5.本発明に係る黒色水性インク組成物は、前記式1〜4のいずれかで表されるトリスアゾ染料におけるカウンターイオン(M)が、有機アンモニウムであることを特徴とする。
【0015】
6.本発明に係る黒色水性インク組成物は、前記式1〜4のいずれかで表されるトリスアゾ染料におけるカウンターイオン(M)が、第三級アミンに起因する有機アンモニウムであることを特徴とする。
【0016】
7.本発明に係る黒色水性インク組成物は、前記第三級アミンが、N,N−ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンであることを特徴とする。
【0017】
8.本発明に係る黒色水性インク組成物は、前記トリスアゾ染料をインク組成物全量に対して0.1〜12重量%含んでなることを特徴とする。
【0018】
9.本発明に係る黒色水性インク組成物は、更に、含窒素系有機溶剤を含んでなることを特徴とする。
【0019】
10.本発明に係る黒色水性インク組成物は、前記含窒素系有機溶剤が、2−ピロリドンであることを特徴とする。
【0020】
11.本発明に係る黒色水性インク組成物は、更に、ノニオン系界面活性剤を含んでなることを特徴とする。
【0021】
12.本発明に係る黒色水性インク組成物は、前記ノニオン系界面活性剤が、アセチレングリコール系界面活性剤であることを特徴とする。
【0022】
13.本発明に係る黒色水性インク組成物は、前記ノニオン系界面活性剤をインク組成物全量に対して0.1〜5重量%含んでなることを特徴とする。
【0023】
14.本発明に係る黒色水性インク組成物は、更に、浸透促進剤を含んでなることを特徴とする。
【0024】
15.本発明に係る黒色水性インク組成物は、前記浸透促進剤が、グリコールエーテルであることを特徴とする。
【0025】
16.本発明に係る黒色水性インク組成物は、20℃におけるインク組成物のpHが、7.5〜10.5であることを特徴とする。
【0026】
17.本発明に係る黒色水性インク組成物は、更に、補色としてイエロー染料を含んでなることを特徴とする。
【0027】
18.本発明に係る黒色水性インク組成物は、前記イエロー染料が、C.I.ダイレクトイエロー86,132,173であることを特徴とする。
【0028】
19.本発明に係る黒色水性インク組成物は、インクジェット記録方法において用いられることを特徴とする。
【0029】
20.本発明に係る黒色水性インク組成物は、前記インクジェット記録方法が、電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法であることを特徴とする。
【0030】
21.本発明に係るインクジェット記録方法は、インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法であって、インク組成物として前記のいずれかに記載の黒色水性インク組成物を使用することを特徴とする。
【0031】
22.本発明に係る記録物は、前記のいずれかに記載の黒色水性インク組成物を用いて記録されたことを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明のインク組成物は、水又は、水と水溶性有機溶剤からなる水性媒体中に、少なくとも前記の式1で表される染料を含有し、必要に応じ、保湿剤、粘度調整剤、pH調整剤やその他の添加剤を含んでなることができる。
【0033】
本発明のインク組成物に含有される前記の式1で表される染料の中では、前記式2([化4])、式3([化5])または式4([化6])で表される染料が好ましく、また、前記式2で表される染料の中では、下記の式5([化15])で表される染料が好ましい。また、前記の式1([化1])、式2([化4])、式3([化5])または式4([化6])で表される染料の中では、式中のMが、有機アンモニウムであるものがインクの保存安定性の点で好ましい。
【0034】
【化15】
Figure 2004143285
(式中、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、有機アンモニウムから選択される。)
【0035】
前記有機アンモニウムは、(NRで表わされ、R,R,R,Rは、同じであっても良く、水素(全てが水素であるものは、アンモニウムで あるため除かれる)、置換基を有することのある炭素数1〜5のアルキル基、置換基を有することのあるフェニル基、置換基を有することのあるアラルキル基であり、例えば、3−アミノプロピル基、2−ヒドロキシエチル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、2−シアノエチル基、ベンジル基、イソプロピル基、カルボキシメチル基、フェニル基、m−トリル基、p−トリル基、1−ビドロキシイソプロピル基等が挙げられる。
前記有機アンモニウムは、第三級アミン、例えば、N−(3−アミノプロピル)ジエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−tert−ブチルジエタノールアミン、N−(2−シアノエチル)ジエタノールアミン、N,N−ジベンジル−2−アミノエタノール、2−ジ−n−ブチルアミノエタノール、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジイソプロピルエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ビス(カルボキシメチル)エタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、m−トリルジエタノールアミン、p−トリルジエタノールアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)イソプロパノールアミン、N,N−ジメチルイソプロパノールアミン、3−ジメチルアミノ−1−プロパノール、トリイソプロパノールアミン、N−フェニルジイソプロパノールアミン等から得ることができる有機アンモニウムが好ましい。
これらの中でも、N,N−ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンから得られた有機アンモニウムが、インクの保存安定性に加え、インク組成物の粘度調整が容易であること、インク組成物が接する各種部材との耐材料性を悪化させないことの点で更に好ましい。
【0036】
前記の式1で表される染料としては、具体的には、下記の表1−1〜表1−5に遊離酸の形で例示されるものが挙げられる(ただし、表1−1〜表1−3、表1−5では遊離酸の形で示され、表1−4ではMがナトリウムイオン又は有機アンモニウムそれぞれの混合状態をとる例が示されている)が、勿論これらのものに限定されるものではない。
また、前記の式1で表される染料は、単独で用いられても良いし、また、2種以上併用しても良い。
【0037】
【表1】
Figure 2004143285
【0038】
【表2】
Figure 2004143285
【0039】
【表3】
Figure 2004143285
【0040】
【表4】
Figure 2004143285
【0041】
【表5】
Figure 2004143285
【0042】
前記の式5で表される染料は、例えば、下記に示すように、▲1▼、▲2▼、▲3▼の順にカップリング反応(→)させることにより得ることができる。
【化16】
Figure 2004143285
【0043】
すなわち、▲1▼アントラニル酸のジアゾ化物をガンマー酸にカップリングさせる工程、▲2▼得られたモノアゾ化合物をジアゾ化し、K酸にカップリングする工程、▲3▼このジスアゾ化合物にアントラニル酸のジアゾ化物をカップリングさせることにより得られる。
【0044】
前記の式1で表されるトリスアゾ染料は、アゾ結合をはさんだ2つのベンゼン核の構造において、一方のベンゼン核のO−位に(アゾ結合に対して)カルボキシル基と、もう一方のベンゼン核のO−位に水酸基またはアミノ基、並びにO−位にスルホン基を有する構造を1または2個所有している。このことにより、耐光性、耐ガス性に堅牢な性質を持つようになったものと思われる。
具体的には、式5構造の[化17]を例にとって説明する。
染料構造中に下記の点線で囲った構造を1つ有するもの(例えば、後記[化25],[化26])よりも2つ有するもの(例えば、後記[化21]〜[化24])が優れていることからも推測され、前記の式1で表される染料の中でも該構造を2つ有する染料(例えば、後記[化21]〜[化24]で表される染料)が好ましい。
【化17】
Figure 2004143285
【0045】
すなわち、この染料をインクジェット記録用インクに用いた場合、高い印字濃度と高い堅牢性(耐光性、耐ガス性、耐水性及び安定性に付いての堅牢性)を示す原因はまだ十分に究明されていないが、一方の芳香環(アントラニル酸)−アゾ結合基のオルト位にカルボン酸基を持ち、他方の芳香環がK酸、或いはガンマー酸(γ酸)に基づくものである組み合わせのアゾ結合を含む構造であるため、順次行われるカップリング合成上において不純物を生じにくい官能基の配置となっており、そのため非常に高純度であり、堅牢性を落とす原因となるであろう酸化物等を生じないためであると思われる。
【0046】
前記の式1で表される染料は、染料構造中にカルボン酸基を有するため、耐水性が良好である。また、同時にスルホン酸基のような水溶性の酸基を有するため、アルカリ金属塩やアンモニウム塩の形で水性液媒体に溶解する。水性液媒体が酸性であると、染料の溶解性が低下するため、所定の染料量を安定して溶解させるためには、インク組成物のpH(20℃)を7.5以上とすることが好ましい。また、インク組成物が接する各種部材との耐材料性を考慮すると、インク組成物のpHを10.5以下とすることが好ましい。これらの事項をよりよく両立させるためには、インク組成物のpHを8. 0〜10.0に調整することがより好ましい。
【0047】
本発明のインク組成物中に含有される前記の式1で表される染料の量は、
0.1〜12重量%であり、より好ましくは、0.5〜10重量%であり、さらに好ましくは、1〜8重量%である。前記の式1で表される染料の含有量が、
0.1重量%より少ない場合には、記録媒体上での発色性又は画像濃度が確保できないという問題があり、12重量%より多い場合には、インク組成物の粘度調整が困難となったり吐出信頼性や目詰まり性等の特性が確保できないという問題がある。
【0048】
本発明のインク組成物中には、色調調整のための補色染料としてイエロー染料を含有することができる。
イエロー染料としは、黄色(イエロー)を示すことができる染料であればいかなるものでも良いが、具体的には、例えば、C.I.アシッドイエロー1,3,11,17,19,23,25,29,36,38,40,42,44,49,59,61,70,72,75,76,78,79,98,99,110,111,127,131,135,142,162,164,165等;C.I.ダイレクトイエロー1,8,11,12,24,26,27,33,39,44,50,55,85,86,87,88,89,110,132,142,144,173等;C.I.リアクティブイエロー1,2,3,4,6,7,11,12,13,14,15,16,17,18,22,23,24,25,26,27,37,42等;C.I.フードイエロー3,4;C.I.ソルベントイエロー15,19,21,30,109等が挙げられるが、その中でも、C.I.アシッドイエロー23;C.I.ダイレクトイエロー50,55,86,132,173が発色性および耐目詰り性等のインクの信頼性を確保しやすいので好ましい。また、上記効果に加え、さらに耐光性を良好に保つためにC.I.ダイレクトイエロー86,132,173が特に好ましい。
【0049】
本発明のインク組成物は、さらに蒸気圧が純水よりも小さい水溶性有機溶剤及び/又は糖類から選ばれる保湿剤を含むことができる。
保湿剤を含むことにより、インクジェット記録方式において、水分の蒸発を抑制してインクを保湿することができる。また、水溶性有機溶剤であれば、吐出安定性を向上させたり、インク特性を変化させることなく粘度を容易に変更することができる。
水溶性有機溶剤は、溶質を溶解する能力を持つ媒体を指しており、有機性で蒸気圧が水より小さい水溶性の溶媒から選ばれる。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類、アセトニルアセトン等のケトン類、γ−ブチロラクトン、リン酸トリエチル等のエステル類、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、チオジグリコール等が望ましい。また、糖類は、マルチトール、ソルビトール、グルコノラクトン、マルトース等が好ましい。
保湿剤は、インク組成物全量に対して5〜50重量%、より好ましくは、5〜30重量%、さらに好ましくは、5〜20重量%の範囲で添加される。5重量%以上であれば、保湿性が得られ、また、50重量%以下であれば、インクジェット記録に用いられる粘度に調整しやすい。
【0050】
また、本発明のインク組成物には、溶剤として含窒素系有機溶剤を含んでなることが好ましい。含窒素系有機溶剤としては、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン,2−ピロリドン,N−メチル−2−ピロリドン,ε−カプロラクタ
ム、尿素等が挙げられ、単独または2種以上併用して用いられる。
その含有量は、0.5〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは、1〜5重量%である。その含有量が、0.5重量%より少ない場合には、添加することによる本発明の色材の溶解性向上が少ないという問題があり、10重量%より多い場合には、インク組成物が接する各種部材との耐材料性を悪化させるという問題がある。
【0051】
また、本発明のインク組成物には、インクの速やかな定着(浸透性)を得るのと同時に、1ドットの真円度を保つのに効果的な添加剤として、ノニオン系界面活性剤を含むことが好ましい。
【0052】
本発明に用いられるノニオン系界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤が挙げられる。アセチレングリコール系界面活性剤として、具体的には、サーフィノール465、サーフィノール104、オルフィンSTG(以上、日信化学社製、商品名) 等が挙げられる。その添加量は0. 05〜3重量%、好ましくは0. 5〜2重量%である。添加量が0. 05重量%未満であると、十分な浸透性が得られず、また、3重量%を越えると画像ににじみが発生し、画像品質の低下を招くため好ましくない。
【0053】
さらに、ノニオン系界面活性剤に加えて、浸透促進剤として、グリコールエーテル類を添加することにより、より浸透性が増すとともに、カラー印刷を行った場合の隣合うカラーインクとの境界のブリードが減少し、非常に鮮明な画像を得ることができる。
【0054】
本発明のグリコールエーテル類としては、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。その添加量は3〜30重量%、好ましくは5〜15重量%である。添加量が3重量%未満であると、ブリード防止の効果が得られない。また、30重量%を越えると画像ににじみが発生するばかりか、油状分離が起きるためにこれらのグリコールエーテル類の溶解助剤が必要となり、それに伴ってインクの粘度が上昇し、インクジェットヘッドでは吐出が難しくなる。
【0055】
さらに、本発明のインク組成物には、必要に応じて、トリエタノールアミンやアルカリ金属の水酸化物等のpH調整剤、アルギン酸ナトリウム等の水溶性ポリマー、水溶性樹脂、フッ素系界面活性剤、防カビ剤、防錆剤等が添加されてもよい。
【0056】
本発明のインク組成物の調製方法としては、たとえば、各成分を十分混合溶解し、孔径0. 8μm のメンブランフィルターで加圧濾過したのち、真空ポンプを用いて脱気処理して調製する方法などがある。
【0057】
次に、上述のインク組成物を用いた本発明の記録方法について説明する。本発明の記録方法はインク組成物を微細孔から液滴として吐出させ、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方式がとりわけ好適に使用できるが、一般の筆記具用、記録計、ペンプロッター等の用途にも使用できることは言うまでもない。
【0058】
インクジェット記録方式としては、従来公知の方式はいずれも使用でき、特に圧電素子の振動を利用して液滴を吐出させる方法(電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法)や熱エネルギーを利用する方法においては優れた画像記録を行うことが可能である。
【0059】
【実施例】
次に、本発明の実施例と比較例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、先に、本発明の実施例で使用するトリスアゾ染料の調製例を示す。
なお、本発明は、以下の実施例によって限定されるものではない。
【0060】
<トリスアゾ染料Aの調製>
1)モノアゾ中間体の合成
アントラニル酸(0.2mol)を常法にてジアゾ化物し、ガンマー酸(2−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸,0.2mol)とカップリングさせた。この時、水酸化ナトリウム水溶液を加えて反応液のpHが10〜11.5となるように調整しながら反応を行なった。析出物を濾取して下記モノアゾ中間体を得た。
【化18】
Figure 2004143285
【0061】
2)ジスアゾ中間体の合成
上記1)で得られたモノアゾ中間体(約0.2mol)をジアゾ化し、K酸
(8−アミノ−1−ナフトール−3,5−ジスルホン酸,0.19mol)とカップリングさせた。この時、炭酸ナトリウム水溶液を加えて反応液のpHが3.5以下となるように調整しながら反応を行なった。析出物を濾取して下記ジスアゾ中間体を得た。
【化19】
Figure 2004143285
【0062】
3)トリスアゾ化合物の合成
次に、アントラニル酸メチル(0.18mol)を常法にてジアゾ化し、上記2)で得られたジスアゾ中間体(約0.19mol)とカップリングさせた。この時、水酸化ナトリウム水溶液を加えて反応液のpHが8〜11となるように調整しながら反応を行なった。塩析による析出物を濾取して下記トリスアゾ化合物を得た。
【化20】
Figure 2004143285
【0063】
4)トリスアゾ染料A(化合物例1のM塩)の合成
上記3)で得られたトリスアゾ化合物を水に溶解し、水酸化ナトリウムを加えて55〜65℃で加水分解することにより、メトキシカルボニル基(−COOCH)をカルボキシル基に変換し、さらに脱塩精製した後、アンモニア水を加え てpH9〜9.5とすることにより、下記の式で表されるトリスアゾ染料A(化合物例1のM塩)を得た。
【化21】
Figure 2004143285
(式中、Mは、互いに独立してNaまたはNHであり、その比率は、約3:2である。)
【0064】
<トリスアゾ染料B,C,Dの調製>
上記トリスアゾ染料Aの調製の上記4)においてメトキシカルボニル基(−COOCH)をカルボキシル基に変換した後、これに濃塩酸を加えてpH1〜2 に調整して染料を濾過・単離した。得られた染料のプレスケーキをN,N−ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンを用いて水に溶解し、逆浸透膜による脱塩精製を行なって下記の各式で表されるトリスアゾ染料B,C,D(有機アンモニウム塩)を得た。
【0065】
トリスアゾ染料B(化合物例11)
【化22】
Figure 2004143285
【0066】
トリスアゾ染料C(化合物例12)
【化23】
Figure 2004143285
【0067】
トリスアゾ染料D(化合物例13)
【化24】
Figure 2004143285
【0068】
<トリスアゾ染料Eの調製>
上記トリスアゾ染料Aの調製で用いたアントラニル酸に代えて、p−フェネジンを用いたこと以外は、トリスアゾ染料Aの調製と同様にしてトリスアゾ染料E(化合物例5のM塩)を得た。
【化25】
Figure 2004143285
(式中、Mは、互いに独立してNaまたはNHであり、その比率は、約3:1である。)
【0069】
<トリスアゾ染料Fの調製>
上記トリスアゾ染料Aの調製で用いたアントラニル酸に代えて、p−n−ブチルアニリンを用いたこと以外は、トリスアゾ染料Aの調製と同様にしてトリスアゾ染料F(化合物例9のM塩)を得た。
【化26】
Figure 2004143285
(式中、Mは、互いに独立してNaまたはNHであり、その比率は、約3:1である。)
【0070】
<トリスアゾ染料Gの調製>
1)モノアゾ中間体の合成(1)
アントラニル酸メチル(0.3mol)を常法にてジアゾ化し、K酸(8−アミノ−1−ナフトール−3,5−ジスルホン酸)とカップリングさせた。この時、炭酸ナトリウム水溶液を加えて反応液のpHが1.5以下となるように調整しながら反応を行なった。一晩攪拌後、析出物を濾取した。得られたプレスケーキを水に溶解し、水酸化ナトリウムを加えて55〜60℃で加水分解することにより、メトキシカルボニル基(−COOCH3)をカルボキシル基に変換した後、塩析による析出物を濾取して下記のモノアゾ中間体を得た。
【化27】
Figure 2004143285
【0071】
2)モノアゾ中間体の合成(2)
アントラニル酸(0.3mol)を常法にてジアゾ化し、ガンマー酸(2−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸,0.3mol)とカップリングさせた。この時、水酸化ナトリウム水溶液を加えて反応液のpHが10〜11.5となるように調整しながら反応を行なった。析出物を濾取して下記のモノアゾ中間体を得た。
【化28】
Figure 2004143285
【0072】
3)トリスアゾ化合物の合成
上記2)で得られたモノアゾ中間体(0.1mol)をジアゾ化し、上記1)で得られたモノアゾ中間体(0.1mol)とカップリングさせた。この時、水酸化ナトリウム水溶液を加えて反応液のpHが8〜11となるように調整しながら反応を行なった。塩析による析出物を濾取して下記のトリスアゾ染料を得た。
【化29】
Figure 2004143285
【0073】
4)トリスアゾ染料G(化合物例14のM塩)の調製
上記3)で得られたトリスアゾ染料を水に溶解した後、これに濃塩酸を加えてpH1〜2に調製して染料を濾過・単離した。得られた染料のプレスケーキをアンモニア水を用いて水に溶解し、脱塩精製を行って下記に表されるトリスアゾ染料G(化合物例14のM塩)を得た。
【化30】
Figure 2004143285
(式中、Mは、互いに独立してNaまたはNHであり、その比率は、約3:1である。)
【0074】
[実施例1〜7及び比較例1〜2]
実施例1〜7及び比較例1〜2のインク組成物を表3に示す配合割合で、前記調製方法により調製した。
なお、表中に示すインク組成物の各成分はインク組成物全量に対する各成分の重量%を示し、残量は水である。
比較例で使用の染料は、表2に示すものである。
【0075】
【表6】
Figure 2004143285
【0076】
【表7】
Figure 2004143285
【0077】
上記の実施例1〜7及び比較例1〜2に記載のインク組成物を用いて下記の評価試験を行ない、その結果を表4に示す。評価試験においては、インクジェットプリンタPM−800C(セイコーエプソン株式会社製)を用い、PM写真用紙(商品名、セイコーエプソン株式会社製、型番:KA420PSK)、PMマット紙(商品名、セイコーエプソン株式会社製、型番:KA450PM)に対してアルファベット印字及びグラフィック印刷を行なった。
【0078】
《耐光性試験1》
上記の実施例1〜7及び比較例1〜2に記載のインク組成物を、インクジェットプリンタPM−800C(セイコーエプソン株式会社製)を用いて、これのブラック用専用カートリッジに充填して、PM写真用紙とPMマット紙に、OD(Optical Density)が0.9〜1.1の範囲に入るように Duty を調製して印 刷を行った。これを直射光のない常温常湿環境にて1日放置した後、得られた記録物の耐光性を以下の条件で評価した。
先ず、光照射は、キセノン耐光性試験機XL−75S(商品名、スガ試験機
製)を使用して行い、ブラックパネル40℃、相対湿度60%、300〜400nmの放射照度36W/mで印刷物を暴露(前記の条件下で168時間,33 6時間光照射)した。照射後、記録物の光照射前後の変退色(△E)を分光光度計GRETAG SPM(GRETAG社製)を用いて測定した。その際の条件は、光源D50、光源フィルタなしで、白色標準は絶対白とし、視野角は、2°とした。評価は、JIS Z 8729に規定されているLの表色系に準 じて算出した。
△E={(L−L +(a−a )2+(b−b 0.5
(L,a,b:暴露試験後の色相、L ,a ,b :暴露試験前の色相)
そして求めた△Eにより、以下の判定基準により評価した。
【0079】
評価A:△Eが10未満。
評価B:△Eが10以上20未満。
評価C:△Eが20以上30未満。
評価D:△Eが30以上。
【0080】
《耐ガス性試験》
上記の実施例1〜7及び比較例1〜2に記載のインク組成物を、インクジェットプリンタPM−800C(セイコーエプソン株式会社製)を用いて、これのブラック用専用カートリッジに充填して、PM写真用紙にOD(Optical Density) が0.9〜1.1の範囲に入るように Duty を調製して印刷を行った。これを直射光のない常温常湿環境にて1日放置した後、得られた記録物の耐ガス性を以下の条件で評価した。
先ず、オゾンウエザーメーターOMS−H型(商品名、(株)スガ試験機製)を用い、24℃、相対湿度60%、オゾン濃度10ppmの条件下にて、記録物を所定時間(4,12時間)暴露した。照射後、記録物の光照射前後の変退色(△E)を分光光度計GRETAG SPM(GRETAG社製)を用いて測定した。その際の条件は、光源D50、光源フィルタなしで、白色標準は絶対白とし、視野角は、2°とした。評価は、JIS Z 8729に規定されているL aの表色系に準じて算出した。
△E={(L−L +(a−a )2+(b−b 0.5
(L,a,b:暴露試験後の色相、L ,a ,b :暴露試験前の色相)
そして求めた△Eにより、以下の判定基準により評価した。
【0081】
評価A:△Eが10未満。
評価B:△Eが10以上20未満。
評価C:△Eが20以上30未満。
評価D:△Eが30以上。
【0082】
《保存安定性試験》
上記の実施例1〜7及び比較例1〜2に記載のインク組成物を、耐熱性のガラス容器に100gずつ入れ、密栓して70℃の恒温槽にて6日間保存後、常温に戻したインクを孔径0.8μmのメンブランフィルターにて減圧ろ過を行ない、以下の判定基準により評価した。
【0083】
評価A:異常なし
評価B:析出物発生
【0084】
【表8】
Figure 2004143285
【0085】
【発明の効果】
本発明は、以上詳記したとおり、黒色水性インク組成物の着色剤として上記式1で表させるトリスアゾ染料を使用することにより、該インク組成物を用いて記録したものは耐光性、耐ガス性に優れ、高品質な画像が保たれるという優れた効果を奏する。

Claims (22)

  1. 少なくとも、下記の式1で表されるトリスアゾ染料を含んでなることを特徴とする黒色水性インク組成物。
    Figure 2004143285
    [式中、Aは、水素原子又はカルボキシル基(−COOM)を表し、R,R,R及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、水酸基、スルファモイル基、カルバモイル基、アセチル基、カルボキシル基、スルホン基又はハロゲン原子を表し、Npsは、
    Figure 2004143285
    から選択される基を表し(Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、有機アンモニウムから選択され)、Bは、
    Figure 2004143285
    から選択される基を表す(Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、有機アンモニウムから選択される)。]
  2. 前記トリスアゾ染料が、下記の式2で表されるトリスアゾ染料である、請求項1に記載の黒色水性インク組成物。
    Figure 2004143285
    [式中、Aは、水素原子又はカルボキシル基(−COOM)を表し、R,R,R及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、水酸基、スルファモイル基、カルバモイル基、アセチル基、カルボキシル基、スルホン基又はハロゲン原子を表し、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、有機アンモニウムから選択される。]
  3. 前記トリスアゾ染料が、下記の式3で表されるトリスアゾ染料である、請求項1に記載の黒色水性インク組成物。
    Figure 2004143285
    [式中、Aは、水素原子又はカルボキシル基(−COOM)を表し、R,R,R及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、水酸基、スルファモイル基、カルバモイル基、アセチル基、カルボキシル基、スルホン基又はハロゲン原子を表し、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、有機アンモニウムから選択される。]
  4. 前記トリスアゾ染料が、下記の式4で表されるトリスアゾ染料である、請求項1に記載の黒色水性インク組成物。
    Figure 2004143285
    [式中、Aは、水素原子又はカルボキシル基(−COOM)を表し、R,R,R及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、水酸基、スルファモイル基、カルバモイル基、アセチル基、カルボキシル基、スルホン基又はハロゲン原子を表し、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、有機アンモニウムから選択される。]
  5. 前記式1〜4のいずれかで表されるトリスアゾ染料におけるMが、有機アンモニウムである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の黒色水性インク組成物。
  6. 前記有機アンモニウムが、第三級アミンに起因する有機アンモニウムである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の黒色水性インク組成物。
  7. 前記第三級アミンが、N,N−ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンである、請求項6に記載の黒色水性インク組成物。
  8. 前記トリスアゾ染料をインク組成物全量に対して0.1〜12重量%含んでなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の黒色水性インク組成物。
  9. 更に、含窒素系有機溶剤を含んでなる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の黒色水性インク組成物。
  10. 前記含窒素系有機溶剤が、2−ピロリドンである、請求項9に記載の黒色水性インク組成物。
  11. 更に、ノニオン系界面活性剤を含んでなる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の黒色水性インク組成物。
  12. 前記ノニオン系界面活性剤が、アセチレングリコール系界面活性剤である、請求項11に記載の黒色水性インク組成物。
  13. 前記ノニオン系界面活性剤をインク組成物全量に対して0.1〜5重量%含んでなる、請求項11又は12に記載の黒色水性インク組成物。
  14. 更に、浸透促進剤を含んでなる、請求項1〜13のいずれか一項に記載の黒色水性インク組成物。
  15. 前記浸透促進剤が、グリコールエーテルである、請求項14に記載の黒色水性インク組成物。
  16. 20℃におけるインク組成物のpHが、7.5〜10.5である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の黒色水性インク組成物。
  17. 更に、補色としてイエロー染料を含んでなる、請求項1〜16のいずれか一項に記載の黒色水性インク組成物。
  18. 前記イエロー染料が、C.I.ダイレクトイエロー86,132,173である、請求項17に記載の黒色水性インク組成物。
  19. インクジェット記録方法において用いられる、請求項1〜18のいずれか一項に記載の黒色水性インク組成物。
  20. 前記インクジェット記録方法が、電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法である、請求項19に記載の黒色水性インク組成物。
  21. インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法であって、インク組成物として請求項1〜18のいずれか一項に記載の黒色水性インク組成物を使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
  22. 請求項1〜20に記載の黒色水性インク組成物を用いて記録されたことを特徴とする記録物。
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