JP2005047987A - 黒色インク組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】着色剤に染料を用いた、耐光性、耐ガス性、目詰まり特性、間欠印字特性に優れる黒色インク組成物の提供。
【解決手段】着色剤として式(1)の化合物(塩)を含み、さらにアルキレングリコールモノアルキルエーテル、ラクタム化合物、アルキレングリコール及び1,2−アルカンジオールをそれぞれ一種以上含む。
(式中、R1は置換基を有するフェニル基又はナフチル基、R2は置換基を有するフェニレン基又はナフチレン基、R3は少なくとも1つの2重結合及び置換基を有する5〜7員環の複素環基。前記R1〜R3の置換基は独立して、OH、SO3H、PO3H2、CO2H、NO2、NH2、C1〜4のアルキル基、置換基を有するアルキル基、C1〜4のアルコキシ基、置換基を有するアルコキシ基、アミノ基、置換基を有するアミノ基、及びフェニル基からなる群から選ばれる。)
【選択図】 なし
【解決手段】着色剤として式(1)の化合物(塩)を含み、さらにアルキレングリコールモノアルキルエーテル、ラクタム化合物、アルキレングリコール及び1,2−アルカンジオールをそれぞれ一種以上含む。
(式中、R1は置換基を有するフェニル基又はナフチル基、R2は置換基を有するフェニレン基又はナフチレン基、R3は少なくとも1つの2重結合及び置換基を有する5〜7員環の複素環基。前記R1〜R3の置換基は独立して、OH、SO3H、PO3H2、CO2H、NO2、NH2、C1〜4のアルキル基、置換基を有するアルキル基、C1〜4のアルコキシ基、置換基を有するアルコキシ基、アミノ基、置換基を有するアミノ基、及びフェニル基からなる群から選ばれる。)
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録に好適で、特に耐候性、目詰まり特性及び間欠印字特性に優れた黒色インク組成物、それを用いたインクジェット記録方法及び該記録方法によって記録された記録物に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録は、微細なノズルからインク組成物を小滴として吐出し、文字や画像(以下、単に「画像」ということもある。)を記録媒体表面に記録する方法である。インクジェット記録方式としては、電歪素子を用いて電気信号を機械信号に変換して、ノズルヘッド部分に貯えたインク組成物を断続的に吐出して記録媒体表面に文字や画像を記録する方法、ノズルヘッド部分に貯えたインク組成物を吐出部分に極近い一部を急速に加熱して泡を発生させて、その泡による体積膨張で断続的に吐出して、記録媒体表面に文字や画像を記録する方法等が実用化されている。
【0003】
また、インクジェット記録用のインク組成物としては、安全性や印字特性の面から各種染料を水または有機溶剤、あるいはそれらの混合液に溶解させたものが一般的であるが、様々な特性において、万年筆やボールペンの様な筆記具用インク組成物に比較し、より厳密な条件が要求される。
【0004】
さらに、近年、広告用の印刷物の作成にインクジェットプリンタが採用されるようになってきており、水性インク組成物を用いたインクジェット記録方法によって作成された印刷物は、室内のほかに室外にも設置される。したがって、太陽光及び/または種々の光源からの光、並びに大気中に含まれるオゾン、窒素酸化物、及びイオウ酸化物等の化学物質に晒されることにより、印刷物の画質が経時に劣化しないことが必要となっている。この要求に対し、イエロー、マゼンタ、シアン等のカラーインクに対する検討が種々行われてきている。黒色インクに関しては、画像の中における使用率の低さやその染料濃度の高さにより、インク自身の堅牢度がカラーインクに比べて高いこと等から開発が遅れていた。しかし、黒色インクは、画像中において画像のコントラストを得るといった観点から重要で、カラーインクの特性向上と相まって、近年開発が加速されている。
このような状況のなかで、染料を着色剤として用いたインク組成物であって、耐光性、耐ガス性に優れた黒色インクの開発がなされている。例えば、下記構造の染料(特許文献1及び特許文献2参照)が知られているが、これらの染料を用いたインク組成物でも耐光性及び耐オゾン性等は市場の要求を満たすには不十分であった。
【0005】
【化3】
【0006】
【化4】
【0007】
そこで、本発明者らは鋭意研究により、後述する式(1)で表される化合物を用いたインク組成物が優れた耐光性、耐ガス性を示すことを見出した。
一方、インクジェット記録に用いるインク組成物である以上、上記の特性とともに、目詰まり特性や間欠印字特性などの吐出信頼性を満足することが望まれる。前者の目詰まり特性は、長期的な使用においてもノズルの目詰まりを生じないことを表すものであり、後者の間欠印字特性は、一定時間印字を休止し、その後印字を再開した後、インク滴の飛行曲がり、ドット抜けを生じないことを表すものである。一般に、間欠印字特性は、前記の印字休止時間が長いほど好ましく、このような休止時間の長いインク組成物を以下では間欠印字特性に優れたインクという。
目詰まり特性や間欠印字特性に着目した技術として、カーボンブラックを着色剤として用い、特定のグリコール化合物を含有するインク組成物(特許文献3参照)などが知られている。ところが、着色剤に染料を用いたインク組成物で、耐光性、耐ガス性、目詰まり特性、間欠印字特性のすべてが優れている黒色インク組成物はいまだ知られていない。
【0008】
【特許文献1】
特開平3−229770号公報
【特許文献2】
特開平3−91576号公報
【特許文献3】
特開平11−323221号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、着色剤に染料を用いたインク組成物であって、耐光性、耐ガス性に優れ、さらに目詰まり特性、間欠印字特性にも優れる黒色インク組成物を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、下記の構成を採用することにより前記の課題の解決を可能にした。
1.本発明に係る黒色インク組成物は、着色剤として下記の式(1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含み、さらに少なくともアルキレングリコールモノアルキルエーテル、ラクタム化合物、アルキレングリコール及び1,2−アルカンジオールをそれぞれ一種以上含むことを特徴とする。
【0011】
【化5】
(式(1)中、R1は置換基を有するフェニル基又は置換基を有するナフチル基を表し、R2は置換基を有するフェニレン基又は置換基を有するナフチレン基を表し、R3は少なくとも1つの二重結合及び置換基を有する5〜7員環の複素環基を表す。さらに前記R1〜R3における前記置換基は独立して、OH、SO3H、PO3H2、CO2H、NO2、NH2、C1〜4のアルキル基、置換基を有するアルキル基、C1〜4のアルコキシ基、置換基を有するアルコキシ基、アミノ基、置換基を有するアミノ基、及び置換基を有するフェニル基からなる群から選ばれる。)
【0012】
2.本発明に係る黒色インク組成物は、前記1に記載の着色剤として下記式(2)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする。
【0013】
【化6】
(式(2)中、R1〜R9は独立して、H、OH、SO3H、PO3H2、CO2H、NO2、及びNH2からなる群から選ばれる基を表す。)
【0014】
3.本発明に係る黒色インク組成物は、前記式(1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる化合物の総量を1としたとき、アルキレングリコールモノアルキルエーテルが0.15〜1.5、ラクタム化合物が0.08〜0.8、アルキレングリコールが0.08〜0.8、かつ、1,2−アルカンジオールが0.01〜1.5の重量比で含有されることを特徴とする。
4.本発明に係る黒色インク組成物は、前記アルキレングリコールモノアルキルエーテルがジエチレングリコールモノブチルエーテル及び/又はトリエチレングリコールモノブチルエーテルであることを特徴とする。
5.本発明に係る黒色インク組成物は、前記ラクタム化合物が2−ピロリドン及び/又はN−メチル−2−ピロリドンであることを特徴とする。
6.本発明に係る黒色インク組成物は、前記アルキレングリコールがジエチレングリコール及び/又はトリエチレングリコールであることを特徴とする。
7.本発明に係る黒色インク組成物は、前記1,2−アルカンジオールが1,2−ヘキサンジオールであることを特徴とする。
【0015】
8.本発明に係る黒色インク組成物は、前記式(1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる化合物の総量が、インク組成物の全量に対し0.5〜12重量%であることを特徴とする。
9.本発明に係る黒色インク組成物は、さらにアセチレングリコール系界面活性剤を含んでなることを特徴とする。
10.本発明に係る黒色インク組成物は、インクジェット記録方法において用いられることを特徴とする。
11.本発明に係る黒色インク組成物は、前記10記載のインクジェット記録方法が、電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法であることを特徴とする。
【0016】
12.本発明に係るインクジェット記録方法は、インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法であって、インク組成物として前記1〜11のいずれか一項に記載の黒色インク組成物を使用することを特徴とする。
13.本発明に係る記録物は、前記1〜11のいずれか一項に記載の黒色インク組成物を用いて記録された、又は前記12に記載の記録方法により記録されたことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の黒色インク組成物においては着色剤として以下の式(1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有する。
【0018】
【化7】
【0019】
式(1)中、R1は置換基を有するフェニル基又は置換基を有するナフチル基を表す。さらに式(1)中、R2は置換基を有するフェニレン基又は置換基を有するナフチレン基を表す。さらに式(1)中、R3は少なくとも1つの二重結合及び置換基を有する5〜7員環の複素環基を表す。さらに前記R1〜R3における前記置換基は独立して、OH、SO3H、PO3H2、CO2H、NO2、NH2、C1〜4のアルキル基、置換されたアルキル基、C1〜4のアルコキシ基、置換されたアルコキシ基、アミノ基、置換基されたアミノ基、及び置換されたフェニル基からなる群から選ばれる基を表す。
さらに上記の置換されたアルキル基は、OH、SO3H、PO3H2、CO2H、及びNH2基からなる群から選ばれた1種以上の基で置換されたC1〜4のアルキル基から選ばれることが好ましい。また、上記の置換されたアルコキシ基は、OH、SO3H、PO3H2、CO2H、及びNH2基からなる群から選ばれる1種以上の基で置換されたC1〜4のアルコキシ基から選ばれることが好ましい。また、上記の置換されたアミノ基は、OH、SO3H、PO3H2、CO2H、及びNH2基からなる群から選ばれた1種以上の基で置換されたC1〜4のアルキル基を1つまたは2つ有するアミノ基からなる群から選ばれることが好ましい。また、上記の置換されたフェニル基は、OH、SO3H、PO3H2、CO2H、NH2、C1〜4のアルキル基、及び置換されたC1〜4のアルキル基からなる群から選ばれる置換基を1つまたは2つ有するフェニル基からなる群から選ばれることが好ましい。
【0020】
さらに本発明で用いる上記式(1)で表される化合物としては、以下の式(2)で表される化合物であることが特に好ましい。
【0021】
【化8】
【0022】
上記式(2)中、R1〜R9は独立して、H、OH、SO3H、PO3H2、CO2H、NO2、及びNH2からなる群から選ばれる基を表す。
【0023】
本発明で用いる上記式(1)で表される化合物としては、以下の式(3)〜(10)で表される化合物が特に好ましい。
【0024】
【化9】
【0025】
【化10】
【0026】
【化11】
【0027】
【化12】
【0028】
【化13】
【0029】
【化14】
【0030】
【化15】
【0031】
【化16】
【0032】
本発明のインク組成物に用いる上記式(1)または式(2)で表される化合物は、好ましい方法を用いて適宜合成することができるが、例えば各化合物において3つのアゾ基によって結合されている4つの対応する各構造を有するビルディングブロックをアゾカップリングによって結合することによって合成することができる。すなわち、たとえば式(1)で表されるジヒドロキシナフタレン骨格部分をQで表すと、式(1)の化合物は、R3−N=N−R2−N=N−Q−N=N−R1で表すことができる。この化合物を合成する一つの具体的な方法を模式的に示すと、まずR1−NH2をジアゾ化して得られたジアゾニウム塩をQHと反応させてR1−N=N−QHとする。次にCH3CON−R2−NH2をジアゾ化して得られる化合物とR1−N=N−QHをカップリングさせてR1−N=N−Q−N=N−R2NCOCH3を合成する。この化合物のアセチル基を除去してアミノ基としてからジアゾ化し、続いてR3HとカップリングさせてR1−N=N−Q−N=N−R2−N=N−R3が合成できる。
【0033】
さらに合成の具体例として前記式(3)で表される化合物の合成例を以下に説明する。
5−アセチルアミノ−2−アミノベンゼンスルホン酸(23.0g、0.10モル)を濃硝酸(30ml)を含む水(300ml)に添加した。亜硝酸ナトリウム(6.9g)を0〜5℃の温度で10分かけて加えた。60分後、過剰の亜硝酸を分解し、得られたジアゾニウム塩溶液を、5〜10℃、pH8〜9を維持しながらゆっくりと、水(500g)に溶解しておいた1,8−ジヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸(32.0g、0.10モル)の溶液に添加した。この反応が定量的に進行したことは、HPLCにより確認できた。これによってカップリング生成物を含む溶液(染料ベースという)が得られた。
【0034】
次に5−ニトロ−2−アミノベンゼンスルホン酸(43.6g、0.20モル)を、濃塩酸(60g)を含む水(500g)に添加した。亜硝酸ナトリウム(13.8g)を0〜5℃の温度で15分かけて加えた。60分後、得られたジアゾニウム塩溶液を、5〜10℃、pH6〜7を維持しながら120分かけて、あらかじめテトラヒドロフラン(1000g)を添加しておいた上記染料ベースに添加した。5時間後、生成した沈殿物を集め、乾燥器で乾燥させると、暗赤色の固形物が得られた(55.3g)。この暗赤色の固形物を水(1000ml)に溶解させて、80℃まで加熱した。水酸化ナトリウム(10g)を加え、さらに8時間温度を80℃に保った。8時間後、濃塩酸を用いてpH7〜8に調節し、溶液を放冷して室温にまで下げた。この溶液をVisking(商標)チュービングを用いて透析(50μScm−1未満)してから、フィルタを用いて濾過し、乾燥器で乾燥させると47.2gの黒色固形物が得られた。
【0035】
上記で得られた黒色固形物をpH7〜9で水に再溶解させたが、pHの調整には水酸化リチウムを用いた。次いで亜硝酸ナトリウム(8.3g)を加え、10分間攪拌した。それから、この染料/亜硝酸塩の溶液を、濃塩酸(30g)を含む氷水(100ml)中に移した。放置すると温度は15〜25℃に上昇したが、そのまま3時間おいた。得られたジアゾジウム塩溶液を、15〜20℃、pH6〜7を維持しながら120分かけて、1−(4−スルホフェニル)−3−カルボキシ−5−ピラゾロン(17.9g、0.06モル)の溶液に加えた。このpHは水酸化リチウムを添加することによって維持した。次いでこの溶液をVisking(商標)チュービングを用いて透析(50μScm−1未満)し、さらにフィルタを用いて濾過し、乾燥器で乾燥させると60.0gの前記式(3)で表される化合物が黒色固形物として得られた。
【0036】
本明細書でいう前記式(1)で表される化合物の塩には、前記式(1)で表される化合物の塩及び前記式(1)で表される化合物の部分塩が含まれ、さらに前記塩及び前記部分塩には複合塩も含まれる。化合物(1)の部分塩とは、化合物(1)が有するプロトン酸基の当量よりも少ない当量のイオンと化合物(1)とからなる塩をいう。また前記複合塩とは、一分子の化合物(1)が2種類以上のイオンと塩を形成している場合をいう。上記の式(1)で表される化合物の塩としては、式(1)で表される化合物がOH、SO3H、PO3H2、COOH基等のプロトン酸基を有する場合に、その化合物のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩、及びアルカリ金属、アンモニウム、並びに有機アンモニウムからなる群から選ばれる2種以上を含む複合塩からなる群から選ばれる1種以上が例示できるが、これらに限定されるものではない。上記アルカリ金属塩としては、例えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、及びこれらの2種以上の金属を含む塩をあげることができ、特にリチウム塩及びナトリウム塩が好ましい。
本発明のインク組成物においては、上記式(1)で表される化合物及びその塩として1種のみを用いることも、また2種以上を併用することもできる。2種以上を併用する場合は、式(1)で表される化合物またはその塩の各カテゴリーそれぞれの中から2種以上を用いることも、2種のカテゴリーにわたって選ばれるトータル2種以上の化合物を用いることもできる。
上記の式(1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種(以下、単に「黒色染料(1)」という)は、黒色インク組成物の着色剤として使用したときに、従来の着色剤よりも耐光性及び耐ガス性に優れる。
本発明の黒色インク組成物中における黒色染料(1)の総量としての濃度は、着色剤として使用される黒色染料(1)のカラーバリューにしたがって適宜選択することができるが、該インク組成物の総量に対し0.5〜12重量%含有することが好ましく、1.0〜9.0重量%含まれることがさらに好ましい。0.5重量%以上であれば、そのインク組成物を用いて記録媒体に画像等を記録したときに充分良好な発色や高い画像濃度を得ることができる。12重量%以下であればそのインク組成物の粘度を好ましい値に調節することができ、またインクジェットヘッドからのインク組成物の吐出量を安定化することができ、さらにインクジェットヘッドの目詰まりを防止することができる。
【0037】
また、本発明の黒色インク組成物には、耐光性及び耐ガス性を大きく損ねない範囲で他の着色剤を併用することもできる。他の着色剤は、特に限定されるものではなく、黒色を印刷することができる染料あるいは顔料であれば、いずれのものも使用できる。
そのような着色剤としては、例えば、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、分散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応性染料等、通常のインク、とりわけインクジェット記録に使用される各種染料が使用可能である。また、顔料としては、カーボンブラック等の黒顔料が使用可能である。
【0038】
本発明のインク組成物中には、色調調整のための補色染料としてイエロー染料を含有することができる。
イエロー染料としては、黄色(イエロー)を示すことができる染料であればいかなるものでも良いが、具体的には、例えば、C.I.アシッドイエロー1,3,11,17,19,23,25,29,36,38,40,42,44,49,59,61,70,72,75,76,78,79,98,99,110,111,127,131,135,142,162,164,165;C.I.ダイレクトイエロー1,8,11,12,24,26,27,33,39,44,50,55,85,86,87,88,89,110,132,142,144,173;C.I.リアクティブイエロー1,2,3,4,6,7,11,12,13,14,15,16,17,18,22,23,24,25,26,27,37,42;C.I.フードイエロー3,4;C.I.ソルベントイエロー15,19,21,30,109等が挙げられるが、その中でも、C.I.アシッドイエロー23;C.I.ダイレクトイエロー50,55,86,132,173が発色性および耐目詰り性等のインクの信頼性を確保できるので好ましい。また、上記効果に加え、さらに耐光性を良好に保つためにC.I.ダイレクトイエロー86,132,173が特に好ましい。
【0039】
本発明の黒色インク組成物においては、上記着色剤のほかに、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、ラクタム化合物、アルキレングリコール及び1,2−アルカンジオールをそれぞれ少なくとも一種含有する。黒色染料(1)とともにこれら4つの群に属する化合物をそれぞれ一種以上含有することで、耐光性及び耐ガス性を低下させることなく目詰まりに関する信頼性を向上させ、間欠印字特性を向上させることができる。この理由は明らかではないが、黒色染料(1)と上記4つの群の化合物の組合せによる効果と推測される。
【0040】
本発明の黒色インク組成物に用いることのできるアルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられ、好ましくはジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルである。これらを用いることで、目詰まり特性や間欠印字特性が向上するとともに、浸透促進剤としても作用し、より浸透性が増すとともに、カラー印刷を行った場合の隣合うカラーインクとの境界のブリードが減少し、非常に鮮明な画像を得ることができる
【0041】
ラクタム化合物としては、例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、3−メトキシ−2−ピロリドン、3−アセトキシ−2−ピロリドン、4−ペンタンラクタム、ε−カプロラクタム等が挙げられ、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンが特に好ましい。これらを用いることで、目詰まり特性や間欠印字特性が向上するとともに、インクへの溶解性に優れ、粘度調整を容易にできる。
【0042】
アルキレングリコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等が挙げられ、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールが好ましい。これらを用いることで、耐目詰まり性や間欠印字特性が向上するとともに、インクへの溶解性に優れ、粘度調整を容易とする。
アルキレングリコールは、溶質を溶解する能力を持つ媒体であって有機性で蒸気圧が水より小さい水溶性の溶媒、すなわち水溶性有機溶剤であり、保湿剤の作用も有する。
【0043】
1,2−アルカンジオールとしては、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ノナンジオール、1,2−デカンジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,2−ヘキサデカンジオール等が挙げられ、1,2−ヘキサンジオールが特に好ましい。これらを用いることで、目詰まり特性や間欠印字特性が向上するとともに、インクへの溶解性に優れ、粘度調整を容易とする。
アルキレングリコールモノアルキルエーテル、ラクタム化合物、アルキレングリコール、1,2−アルカンジオールの含有量は、黒色染料(1)の総量を1としたときの重量比でそれぞれ、0.15〜1.5、0.08〜0.8、0.08〜0.8、0.01〜1.5が好ましく、0.7〜1.3、0.15〜0.7、0.15〜0.8、0.15〜0.8がより好ましく、さらに好ましくは0.95〜1.3、0.3〜0.7、0.15〜0.5、0.3〜0.7である。前記の比率とすることで、粘度上昇、及びブリード劣化を防止でき、さらに目詰まり特性および間欠印字特性の向上効果を確保できる。
【0044】
本発明の黒色インク組成物は、主溶媒として、水又は水と水溶性有機溶媒の混合液を使用することが好ましい。
水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等を用いることができる。また、長期保存の観点から、紫外線照射や過酸化水素添加などの各種化学滅菌処理を施した水が好ましい。主溶媒として使用される場合の水の含有量は、インク組成物の全重量に対し、40〜90重量%であることが好ましく、更に好ましくは、50〜80重量%である。
【0045】
本発明のインク組成物は、さらに蒸気圧が純水よりも小さい水溶性有機溶剤及び/又は糖類から選ばれる保湿剤を含むことができる。保湿剤を含むことにより、インクジェット記録方式において、水分の蒸発を抑制してインクを保湿することができる。また、水溶性有機溶剤であれば、吐出安定性を向上させたり、インク特性を変化させることなく粘度を容易に変更したりすることができる。
水溶性有機溶剤は、溶質を溶解する能力を持つ媒体を指しており、有機性で蒸気圧が水より小さい水溶性の溶媒から選ばれる。具体的には、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピレンアルコール、n−ブチルアルコール等のアルキルアルコール類、アセトニルアセトン等のケトン類、γ−ブチロラクトン、リン酸トリエチル等のエステル類、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、チオジグリコール、グリセリン等が挙げられる。
また、糖類は、マルチトール、ソルビトール、グルコノラクトン、マルトース等が挙げられる。
保湿剤は、インク組成物全量に対して5〜50重量%、より好ましくは、5〜30重量%、さらに好ましくは、5〜20重量%の範囲で添加されることが好ましい。5重量%以上であれば、保湿性が得られ、また、50重量%以下であれば、インクジェット記録に用いられる粘度に調整しやすい。
【0046】
また、本発明の黒色インク組成物には、インクの速やかな定着(浸透性) を得ると同時に、1ドットの真円度を保つのに効果的な添加剤として、ノニオン系界面活性剤を含むことが好ましい。
本発明に用いられるノニオン系界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤が挙げられる。本発明で用いるアセチレングリコール系界面活性剤としては、特に下記式(11)で表される化合物を用いることが好ましい。
【0047】
【化17】
【0048】
(式(11)中、R1、R2、R3、及びR4はそれぞれ独立して、C1〜C6の直鎖、環式又は分枝アルキル鎖を表し、さらにA1O及びA2Oはそれぞれ独立してC2〜C3のオキシアルキレン鎖、例えばオキシエチレンまたはオキシプロピレン、またはC2〜C3のアルキレンオキサイドが重合または共重合して得られるポリオキシアルキレン鎖、例えばポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖、もしくはポリオキシエチレンプロピレン鎖を表す。また式中、n及びmはA1OまたはA2O単位、すなわちオキシアルキレンの繰り返し数を表し、0≦n<30、0≦m<30、及び0≦n+m<50を満たす数である。)
このようなアセチレングリコール系界面活性剤として、具体的には、サーフィノール465、サーフィノール104(以上、Air Products and Chemicals, Inc. 商品名(米国))、オルフィンSTG、オルフィンE1010(以上、日信化学社製、商品名)等が挙げられる。その添加量はインク組成物全量に対して0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜2重量%である。添加量を0.1重量%以上とすることで、十分な浸透性が得られ、また、5重量%以下とすることで、画像の滲みの発生を防止しやすい。
【0049】
さらに、本発明のインク組成物には、必要に応じて、トリエタノールアミンやアルカリ金属の水酸化物等のpH調整剤、アルギン酸ナトリウム等の水溶性ポリマー、水溶性樹脂、フッ素系界面活性剤、防カビ剤、防錆剤等が添加されてもよい。
防腐剤又は防黴剤の例としては、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン(AVECIA製 プロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロキセルTN(商品名))等が挙げられる。
【0050】
さらに、pH調整剤、溶解助剤、又は酸化防止剤の例としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、モルホリン等のアミン類およびそれらの変性物、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどの金属水酸化物、水酸化アンモニウム、四級アンモニウム水酸化物(テトラメチルアンモニウム等)等のアンモニウム塩、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウムなどの炭酸塩類その他燐酸塩類など、あるいは尿素、チオ尿素、テトラメチル尿素などの尿素類、アロハネート、メチルアロハネート等のアロハネート類、ビウレット、ジメチルビウレット、テトラメチルビウレットなどのビウレット類など、L−アスコルビン酸およびその塩類を挙げることができる。
【0051】
本発明の黒色インク組成物においては、前記した任意成分は、単独又は各群内および各群間において複数種選択して混合して用いることもできる。
また、本発明の黒色インク組成物においては、インク組成物の全ての成分の量は、インク組成物の粘度が20℃で10mPa・s未満であるように選択されるのが好ましい。
また、本発明の黒色インク組成物は、その表面張力が20℃で45mN/m以下が好ましく、さらに好ましくは25〜45mN/mの範囲である。
さらに、本発明の黒色インク組成物のpHは、20℃において7.0〜10.5の範囲で調整されるのが好ましい。
本発明の黒色インク組成物の調製方法としては、たとえば、各成分を十分混合溶解し、孔径0. 8μm のメンブランフィルターで加圧濾過したのち、真空ポンプを用いて脱気処理して調製する方法などがある。
【0052】
次に、上述の黒色インク組成物を用いた本発明の記録方法について説明する。本発明の記録方法はインク組成物を微細孔から液滴として吐出させ、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方式がとりわけ好適に使用できるが、一般の筆記具用、記録計、ペンプロッター等の用途にも使用できることは言うまでもない。
インクジェット記録方式としては、従来公知の方式はいずれも使用でき、特に圧電素子の振動を利用して液滴を吐出させる方法(電歪素子の機械的変形によりインク組成物滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法)や熱エネルギーを利用する方法においては優れた画像記録を行うことが可能である。
【0053】
【実施例】
次に、本発明の実施例を比較例と共に挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって限定されるものではない。
<インク組成物の調製>
表1に示す配合比で各成分を常温にて1時間攪拌した後、0.8μmのメンブランフィルターで濾過して、表1に示す組成を有する各インク組成物を得た。なお、表中に示すインクの各成分量はインク全量に対する各成分の重量%を示す。
【0054】
【表1】
【0055】
そして、各インク組成物について、以下の特性を評価した。結果を表2に示した。
<目詰まり特性>
インクジェットプリンタPM−950C(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を用いて目詰まり試験をおこなった。このプリンタ用のブラックインク専用カートリッジに実施例1〜7及び比較例1〜5のインク組成物をそれぞれ充填し、上記プリンタに装着し、10分間連続して印字し、すべてのノズルが正常に吐出していることを確認後、電源を切り、60℃の環境に21日間放置した。放置後、全ノズルが初期と同等に吐出するまでクリーニング動作を繰り返し、以下の判定基準により目詰まり特性を評価した。
A:1〜5回のクリーニングで全ノズルが回復した。
B:6〜10回のクリーニングで全ノズルが回復した。
C:11〜15回のクリーニングで全ノズルが回復した。
D:15回のクリーニングでは全ノズルの回復はできなかった。
【0056】
<間欠印字特性>
インクジェットプリンタPM−930C(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を用いて間欠印字試験をおこなった。このプリンタ用のブラックインク専用カートリッジに実施例1〜7及び比較例1〜5のインク組成物をそれぞれ充填し、上記プリンタに装着し、40℃15%RHの環境下で1分間連続印字し、すべてのノズルが正常に吐出していることを確認後、全ノズルから同時に液滴(2pl)を1発吐出後、休止時間(非印字時間)をおいた後の吐出1発目がインク滴の飛行曲がり、ドット抜けを生じずに正常に吐出できる最長休止時間を測定し、以下の判定基準により間欠印字特性を評価した。
A:最長休止時間が10.0秒以上
B:最長休止時間が6.0秒以上10.0秒未満
C:最長休止時間が2.0秒以上6.0秒未満
D:最長休止時間が2.0秒未満
【0057】
<耐光性>
インクジェットプリンタ Stylus Color 880(商標)(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を用いて印刷試験を行った。このプリンタ用のブラックインク専用カートリッジに実施例1〜7及び比較例1〜5のインク組成物をそれぞれ充填し、PM写真用紙(商品名、セイコーエプソン株式会社製、型番:KA420PSK)に対してモノクロ画像の印刷を行って記録物を得た。印刷は、得られた画像のOD(Optical Density)が0.9〜1.1の範囲に入るようにDutyを調整して行った。得られた記録物を室温下で暗所に1日静置した後、記録された画像の耐光性の試験をおこなった。
【0058】
耐光性の試験は、蛍光灯耐光性試験機SFT−II(商品名、スガ試験機株式会社製)を使用し、温度が24℃、湿度が60RH%、照度70000luxの条件下で、上記記録物に21日間、光照射を行った。反射濃度計Spectrolino(商標)(商品名、GRETAG社製)を使用して、光照射前及び光照射後の記録物の画像のOD値を測定した。OD値の測定は、光源がD50、光源フィルタなし、絶対白を白色標準とし、視野角は2°で行った。下記計算式(1):
ROD(%)=(Dn/D0)×100(式中、Dnは光照射試験終了後の画像のOD値、D0は光照射試験開始前の画像のOD値)(計算式1)
を用いて、得られた測定値(OD値)から、光照射後の各記録物の画像の光学濃度残存率(Relict Optical Density:ROD)を計算によって求めた。
【0059】
得られたRODに基づき、以下の判定基準を用いて試験結果をA〜Dにランク付けすることによって記録物の耐光性を評価した。
A:RODが80%以上
B:RODが60%以上80%未満
C:RODが40%以上60%未満
D:RODが40%未満
RODの値が高いほうが光照射による画像の劣化が少なく好ましい。
【0060】
<耐オゾン性>
インクジェットプリンタ Stylus Color 880(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を用いて印刷試験を行った。このプリンタ用のブラックインク専用カートリッジに実施例1〜7及び比較例1〜5のインク組成物をそれぞれ充填し、PM写真用紙(商品名、セイコーエプソン株式会社製、型番:KA420PSK)に対して画像の印刷を行って記録物を得た。印刷は、得られた画像のOD(Optical Density)が0.9〜1.1の範囲に入るようにDutyを調整して行った。得られた記録物を室温下で暗所に1日静置した後、記録された画像の耐オゾン性の試験をおこなった。
【0061】
オゾンウェザーメーターOMS−H型(商品名、スガ試験機株式会社製)を使用し、温度が24℃、湿度が60%RH、及びオゾン濃度が10ppmの条件下で、上記記録物を24時間オゾンに曝露した。反射濃度計 Spectrolino(商標)(商品名、GRETAG社製)を使用して、オゾン曝露前後の記録物のOD値(Optical Density)を測定した。その測定は、光源がD50、光源フィルタなしで、絶対白を白色標準とし、視野角は2°という条件で行った。上記耐光性試験における計算方法と同じ計算方法、及び上記耐光性試験における判定基準と同じ判定基準を用いて、得られた結果をA〜Dのランク付けすることによって記録物の耐オゾン性を評価した。RODの値が高いほうがオゾン曝露による画像の劣化が少ない。
【0062】
【表2】
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、耐光性及び耐ガス性に優れ、かつ、目詰まり特性が高く間欠印字特性に優れた黒色インク組成物を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録に好適で、特に耐候性、目詰まり特性及び間欠印字特性に優れた黒色インク組成物、それを用いたインクジェット記録方法及び該記録方法によって記録された記録物に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録は、微細なノズルからインク組成物を小滴として吐出し、文字や画像(以下、単に「画像」ということもある。)を記録媒体表面に記録する方法である。インクジェット記録方式としては、電歪素子を用いて電気信号を機械信号に変換して、ノズルヘッド部分に貯えたインク組成物を断続的に吐出して記録媒体表面に文字や画像を記録する方法、ノズルヘッド部分に貯えたインク組成物を吐出部分に極近い一部を急速に加熱して泡を発生させて、その泡による体積膨張で断続的に吐出して、記録媒体表面に文字や画像を記録する方法等が実用化されている。
【0003】
また、インクジェット記録用のインク組成物としては、安全性や印字特性の面から各種染料を水または有機溶剤、あるいはそれらの混合液に溶解させたものが一般的であるが、様々な特性において、万年筆やボールペンの様な筆記具用インク組成物に比較し、より厳密な条件が要求される。
【0004】
さらに、近年、広告用の印刷物の作成にインクジェットプリンタが採用されるようになってきており、水性インク組成物を用いたインクジェット記録方法によって作成された印刷物は、室内のほかに室外にも設置される。したがって、太陽光及び/または種々の光源からの光、並びに大気中に含まれるオゾン、窒素酸化物、及びイオウ酸化物等の化学物質に晒されることにより、印刷物の画質が経時に劣化しないことが必要となっている。この要求に対し、イエロー、マゼンタ、シアン等のカラーインクに対する検討が種々行われてきている。黒色インクに関しては、画像の中における使用率の低さやその染料濃度の高さにより、インク自身の堅牢度がカラーインクに比べて高いこと等から開発が遅れていた。しかし、黒色インクは、画像中において画像のコントラストを得るといった観点から重要で、カラーインクの特性向上と相まって、近年開発が加速されている。
このような状況のなかで、染料を着色剤として用いたインク組成物であって、耐光性、耐ガス性に優れた黒色インクの開発がなされている。例えば、下記構造の染料(特許文献1及び特許文献2参照)が知られているが、これらの染料を用いたインク組成物でも耐光性及び耐オゾン性等は市場の要求を満たすには不十分であった。
【0005】
【化3】
【0006】
【化4】
【0007】
そこで、本発明者らは鋭意研究により、後述する式(1)で表される化合物を用いたインク組成物が優れた耐光性、耐ガス性を示すことを見出した。
一方、インクジェット記録に用いるインク組成物である以上、上記の特性とともに、目詰まり特性や間欠印字特性などの吐出信頼性を満足することが望まれる。前者の目詰まり特性は、長期的な使用においてもノズルの目詰まりを生じないことを表すものであり、後者の間欠印字特性は、一定時間印字を休止し、その後印字を再開した後、インク滴の飛行曲がり、ドット抜けを生じないことを表すものである。一般に、間欠印字特性は、前記の印字休止時間が長いほど好ましく、このような休止時間の長いインク組成物を以下では間欠印字特性に優れたインクという。
目詰まり特性や間欠印字特性に着目した技術として、カーボンブラックを着色剤として用い、特定のグリコール化合物を含有するインク組成物(特許文献3参照)などが知られている。ところが、着色剤に染料を用いたインク組成物で、耐光性、耐ガス性、目詰まり特性、間欠印字特性のすべてが優れている黒色インク組成物はいまだ知られていない。
【0008】
【特許文献1】
特開平3−229770号公報
【特許文献2】
特開平3−91576号公報
【特許文献3】
特開平11−323221号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、着色剤に染料を用いたインク組成物であって、耐光性、耐ガス性に優れ、さらに目詰まり特性、間欠印字特性にも優れる黒色インク組成物を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、下記の構成を採用することにより前記の課題の解決を可能にした。
1.本発明に係る黒色インク組成物は、着色剤として下記の式(1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含み、さらに少なくともアルキレングリコールモノアルキルエーテル、ラクタム化合物、アルキレングリコール及び1,2−アルカンジオールをそれぞれ一種以上含むことを特徴とする。
【0011】
【化5】
(式(1)中、R1は置換基を有するフェニル基又は置換基を有するナフチル基を表し、R2は置換基を有するフェニレン基又は置換基を有するナフチレン基を表し、R3は少なくとも1つの二重結合及び置換基を有する5〜7員環の複素環基を表す。さらに前記R1〜R3における前記置換基は独立して、OH、SO3H、PO3H2、CO2H、NO2、NH2、C1〜4のアルキル基、置換基を有するアルキル基、C1〜4のアルコキシ基、置換基を有するアルコキシ基、アミノ基、置換基を有するアミノ基、及び置換基を有するフェニル基からなる群から選ばれる。)
【0012】
2.本発明に係る黒色インク組成物は、前記1に記載の着色剤として下記式(2)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする。
【0013】
【化6】
(式(2)中、R1〜R9は独立して、H、OH、SO3H、PO3H2、CO2H、NO2、及びNH2からなる群から選ばれる基を表す。)
【0014】
3.本発明に係る黒色インク組成物は、前記式(1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる化合物の総量を1としたとき、アルキレングリコールモノアルキルエーテルが0.15〜1.5、ラクタム化合物が0.08〜0.8、アルキレングリコールが0.08〜0.8、かつ、1,2−アルカンジオールが0.01〜1.5の重量比で含有されることを特徴とする。
4.本発明に係る黒色インク組成物は、前記アルキレングリコールモノアルキルエーテルがジエチレングリコールモノブチルエーテル及び/又はトリエチレングリコールモノブチルエーテルであることを特徴とする。
5.本発明に係る黒色インク組成物は、前記ラクタム化合物が2−ピロリドン及び/又はN−メチル−2−ピロリドンであることを特徴とする。
6.本発明に係る黒色インク組成物は、前記アルキレングリコールがジエチレングリコール及び/又はトリエチレングリコールであることを特徴とする。
7.本発明に係る黒色インク組成物は、前記1,2−アルカンジオールが1,2−ヘキサンジオールであることを特徴とする。
【0015】
8.本発明に係る黒色インク組成物は、前記式(1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる化合物の総量が、インク組成物の全量に対し0.5〜12重量%であることを特徴とする。
9.本発明に係る黒色インク組成物は、さらにアセチレングリコール系界面活性剤を含んでなることを特徴とする。
10.本発明に係る黒色インク組成物は、インクジェット記録方法において用いられることを特徴とする。
11.本発明に係る黒色インク組成物は、前記10記載のインクジェット記録方法が、電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法であることを特徴とする。
【0016】
12.本発明に係るインクジェット記録方法は、インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法であって、インク組成物として前記1〜11のいずれか一項に記載の黒色インク組成物を使用することを特徴とする。
13.本発明に係る記録物は、前記1〜11のいずれか一項に記載の黒色インク組成物を用いて記録された、又は前記12に記載の記録方法により記録されたことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の黒色インク組成物においては着色剤として以下の式(1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有する。
【0018】
【化7】
【0019】
式(1)中、R1は置換基を有するフェニル基又は置換基を有するナフチル基を表す。さらに式(1)中、R2は置換基を有するフェニレン基又は置換基を有するナフチレン基を表す。さらに式(1)中、R3は少なくとも1つの二重結合及び置換基を有する5〜7員環の複素環基を表す。さらに前記R1〜R3における前記置換基は独立して、OH、SO3H、PO3H2、CO2H、NO2、NH2、C1〜4のアルキル基、置換されたアルキル基、C1〜4のアルコキシ基、置換されたアルコキシ基、アミノ基、置換基されたアミノ基、及び置換されたフェニル基からなる群から選ばれる基を表す。
さらに上記の置換されたアルキル基は、OH、SO3H、PO3H2、CO2H、及びNH2基からなる群から選ばれた1種以上の基で置換されたC1〜4のアルキル基から選ばれることが好ましい。また、上記の置換されたアルコキシ基は、OH、SO3H、PO3H2、CO2H、及びNH2基からなる群から選ばれる1種以上の基で置換されたC1〜4のアルコキシ基から選ばれることが好ましい。また、上記の置換されたアミノ基は、OH、SO3H、PO3H2、CO2H、及びNH2基からなる群から選ばれた1種以上の基で置換されたC1〜4のアルキル基を1つまたは2つ有するアミノ基からなる群から選ばれることが好ましい。また、上記の置換されたフェニル基は、OH、SO3H、PO3H2、CO2H、NH2、C1〜4のアルキル基、及び置換されたC1〜4のアルキル基からなる群から選ばれる置換基を1つまたは2つ有するフェニル基からなる群から選ばれることが好ましい。
【0020】
さらに本発明で用いる上記式(1)で表される化合物としては、以下の式(2)で表される化合物であることが特に好ましい。
【0021】
【化8】
【0022】
上記式(2)中、R1〜R9は独立して、H、OH、SO3H、PO3H2、CO2H、NO2、及びNH2からなる群から選ばれる基を表す。
【0023】
本発明で用いる上記式(1)で表される化合物としては、以下の式(3)〜(10)で表される化合物が特に好ましい。
【0024】
【化9】
【0025】
【化10】
【0026】
【化11】
【0027】
【化12】
【0028】
【化13】
【0029】
【化14】
【0030】
【化15】
【0031】
【化16】
【0032】
本発明のインク組成物に用いる上記式(1)または式(2)で表される化合物は、好ましい方法を用いて適宜合成することができるが、例えば各化合物において3つのアゾ基によって結合されている4つの対応する各構造を有するビルディングブロックをアゾカップリングによって結合することによって合成することができる。すなわち、たとえば式(1)で表されるジヒドロキシナフタレン骨格部分をQで表すと、式(1)の化合物は、R3−N=N−R2−N=N−Q−N=N−R1で表すことができる。この化合物を合成する一つの具体的な方法を模式的に示すと、まずR1−NH2をジアゾ化して得られたジアゾニウム塩をQHと反応させてR1−N=N−QHとする。次にCH3CON−R2−NH2をジアゾ化して得られる化合物とR1−N=N−QHをカップリングさせてR1−N=N−Q−N=N−R2NCOCH3を合成する。この化合物のアセチル基を除去してアミノ基としてからジアゾ化し、続いてR3HとカップリングさせてR1−N=N−Q−N=N−R2−N=N−R3が合成できる。
【0033】
さらに合成の具体例として前記式(3)で表される化合物の合成例を以下に説明する。
5−アセチルアミノ−2−アミノベンゼンスルホン酸(23.0g、0.10モル)を濃硝酸(30ml)を含む水(300ml)に添加した。亜硝酸ナトリウム(6.9g)を0〜5℃の温度で10分かけて加えた。60分後、過剰の亜硝酸を分解し、得られたジアゾニウム塩溶液を、5〜10℃、pH8〜9を維持しながらゆっくりと、水(500g)に溶解しておいた1,8−ジヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸(32.0g、0.10モル)の溶液に添加した。この反応が定量的に進行したことは、HPLCにより確認できた。これによってカップリング生成物を含む溶液(染料ベースという)が得られた。
【0034】
次に5−ニトロ−2−アミノベンゼンスルホン酸(43.6g、0.20モル)を、濃塩酸(60g)を含む水(500g)に添加した。亜硝酸ナトリウム(13.8g)を0〜5℃の温度で15分かけて加えた。60分後、得られたジアゾニウム塩溶液を、5〜10℃、pH6〜7を維持しながら120分かけて、あらかじめテトラヒドロフラン(1000g)を添加しておいた上記染料ベースに添加した。5時間後、生成した沈殿物を集め、乾燥器で乾燥させると、暗赤色の固形物が得られた(55.3g)。この暗赤色の固形物を水(1000ml)に溶解させて、80℃まで加熱した。水酸化ナトリウム(10g)を加え、さらに8時間温度を80℃に保った。8時間後、濃塩酸を用いてpH7〜8に調節し、溶液を放冷して室温にまで下げた。この溶液をVisking(商標)チュービングを用いて透析(50μScm−1未満)してから、フィルタを用いて濾過し、乾燥器で乾燥させると47.2gの黒色固形物が得られた。
【0035】
上記で得られた黒色固形物をpH7〜9で水に再溶解させたが、pHの調整には水酸化リチウムを用いた。次いで亜硝酸ナトリウム(8.3g)を加え、10分間攪拌した。それから、この染料/亜硝酸塩の溶液を、濃塩酸(30g)を含む氷水(100ml)中に移した。放置すると温度は15〜25℃に上昇したが、そのまま3時間おいた。得られたジアゾジウム塩溶液を、15〜20℃、pH6〜7を維持しながら120分かけて、1−(4−スルホフェニル)−3−カルボキシ−5−ピラゾロン(17.9g、0.06モル)の溶液に加えた。このpHは水酸化リチウムを添加することによって維持した。次いでこの溶液をVisking(商標)チュービングを用いて透析(50μScm−1未満)し、さらにフィルタを用いて濾過し、乾燥器で乾燥させると60.0gの前記式(3)で表される化合物が黒色固形物として得られた。
【0036】
本明細書でいう前記式(1)で表される化合物の塩には、前記式(1)で表される化合物の塩及び前記式(1)で表される化合物の部分塩が含まれ、さらに前記塩及び前記部分塩には複合塩も含まれる。化合物(1)の部分塩とは、化合物(1)が有するプロトン酸基の当量よりも少ない当量のイオンと化合物(1)とからなる塩をいう。また前記複合塩とは、一分子の化合物(1)が2種類以上のイオンと塩を形成している場合をいう。上記の式(1)で表される化合物の塩としては、式(1)で表される化合物がOH、SO3H、PO3H2、COOH基等のプロトン酸基を有する場合に、その化合物のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩、及びアルカリ金属、アンモニウム、並びに有機アンモニウムからなる群から選ばれる2種以上を含む複合塩からなる群から選ばれる1種以上が例示できるが、これらに限定されるものではない。上記アルカリ金属塩としては、例えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、及びこれらの2種以上の金属を含む塩をあげることができ、特にリチウム塩及びナトリウム塩が好ましい。
本発明のインク組成物においては、上記式(1)で表される化合物及びその塩として1種のみを用いることも、また2種以上を併用することもできる。2種以上を併用する場合は、式(1)で表される化合物またはその塩の各カテゴリーそれぞれの中から2種以上を用いることも、2種のカテゴリーにわたって選ばれるトータル2種以上の化合物を用いることもできる。
上記の式(1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種(以下、単に「黒色染料(1)」という)は、黒色インク組成物の着色剤として使用したときに、従来の着色剤よりも耐光性及び耐ガス性に優れる。
本発明の黒色インク組成物中における黒色染料(1)の総量としての濃度は、着色剤として使用される黒色染料(1)のカラーバリューにしたがって適宜選択することができるが、該インク組成物の総量に対し0.5〜12重量%含有することが好ましく、1.0〜9.0重量%含まれることがさらに好ましい。0.5重量%以上であれば、そのインク組成物を用いて記録媒体に画像等を記録したときに充分良好な発色や高い画像濃度を得ることができる。12重量%以下であればそのインク組成物の粘度を好ましい値に調節することができ、またインクジェットヘッドからのインク組成物の吐出量を安定化することができ、さらにインクジェットヘッドの目詰まりを防止することができる。
【0037】
また、本発明の黒色インク組成物には、耐光性及び耐ガス性を大きく損ねない範囲で他の着色剤を併用することもできる。他の着色剤は、特に限定されるものではなく、黒色を印刷することができる染料あるいは顔料であれば、いずれのものも使用できる。
そのような着色剤としては、例えば、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、分散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応性染料等、通常のインク、とりわけインクジェット記録に使用される各種染料が使用可能である。また、顔料としては、カーボンブラック等の黒顔料が使用可能である。
【0038】
本発明のインク組成物中には、色調調整のための補色染料としてイエロー染料を含有することができる。
イエロー染料としては、黄色(イエロー)を示すことができる染料であればいかなるものでも良いが、具体的には、例えば、C.I.アシッドイエロー1,3,11,17,19,23,25,29,36,38,40,42,44,49,59,61,70,72,75,76,78,79,98,99,110,111,127,131,135,142,162,164,165;C.I.ダイレクトイエロー1,8,11,12,24,26,27,33,39,44,50,55,85,86,87,88,89,110,132,142,144,173;C.I.リアクティブイエロー1,2,3,4,6,7,11,12,13,14,15,16,17,18,22,23,24,25,26,27,37,42;C.I.フードイエロー3,4;C.I.ソルベントイエロー15,19,21,30,109等が挙げられるが、その中でも、C.I.アシッドイエロー23;C.I.ダイレクトイエロー50,55,86,132,173が発色性および耐目詰り性等のインクの信頼性を確保できるので好ましい。また、上記効果に加え、さらに耐光性を良好に保つためにC.I.ダイレクトイエロー86,132,173が特に好ましい。
【0039】
本発明の黒色インク組成物においては、上記着色剤のほかに、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、ラクタム化合物、アルキレングリコール及び1,2−アルカンジオールをそれぞれ少なくとも一種含有する。黒色染料(1)とともにこれら4つの群に属する化合物をそれぞれ一種以上含有することで、耐光性及び耐ガス性を低下させることなく目詰まりに関する信頼性を向上させ、間欠印字特性を向上させることができる。この理由は明らかではないが、黒色染料(1)と上記4つの群の化合物の組合せによる効果と推測される。
【0040】
本発明の黒色インク組成物に用いることのできるアルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられ、好ましくはジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルである。これらを用いることで、目詰まり特性や間欠印字特性が向上するとともに、浸透促進剤としても作用し、より浸透性が増すとともに、カラー印刷を行った場合の隣合うカラーインクとの境界のブリードが減少し、非常に鮮明な画像を得ることができる
【0041】
ラクタム化合物としては、例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、3−メトキシ−2−ピロリドン、3−アセトキシ−2−ピロリドン、4−ペンタンラクタム、ε−カプロラクタム等が挙げられ、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンが特に好ましい。これらを用いることで、目詰まり特性や間欠印字特性が向上するとともに、インクへの溶解性に優れ、粘度調整を容易にできる。
【0042】
アルキレングリコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等が挙げられ、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールが好ましい。これらを用いることで、耐目詰まり性や間欠印字特性が向上するとともに、インクへの溶解性に優れ、粘度調整を容易とする。
アルキレングリコールは、溶質を溶解する能力を持つ媒体であって有機性で蒸気圧が水より小さい水溶性の溶媒、すなわち水溶性有機溶剤であり、保湿剤の作用も有する。
【0043】
1,2−アルカンジオールとしては、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ノナンジオール、1,2−デカンジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,2−ヘキサデカンジオール等が挙げられ、1,2−ヘキサンジオールが特に好ましい。これらを用いることで、目詰まり特性や間欠印字特性が向上するとともに、インクへの溶解性に優れ、粘度調整を容易とする。
アルキレングリコールモノアルキルエーテル、ラクタム化合物、アルキレングリコール、1,2−アルカンジオールの含有量は、黒色染料(1)の総量を1としたときの重量比でそれぞれ、0.15〜1.5、0.08〜0.8、0.08〜0.8、0.01〜1.5が好ましく、0.7〜1.3、0.15〜0.7、0.15〜0.8、0.15〜0.8がより好ましく、さらに好ましくは0.95〜1.3、0.3〜0.7、0.15〜0.5、0.3〜0.7である。前記の比率とすることで、粘度上昇、及びブリード劣化を防止でき、さらに目詰まり特性および間欠印字特性の向上効果を確保できる。
【0044】
本発明の黒色インク組成物は、主溶媒として、水又は水と水溶性有機溶媒の混合液を使用することが好ましい。
水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等を用いることができる。また、長期保存の観点から、紫外線照射や過酸化水素添加などの各種化学滅菌処理を施した水が好ましい。主溶媒として使用される場合の水の含有量は、インク組成物の全重量に対し、40〜90重量%であることが好ましく、更に好ましくは、50〜80重量%である。
【0045】
本発明のインク組成物は、さらに蒸気圧が純水よりも小さい水溶性有機溶剤及び/又は糖類から選ばれる保湿剤を含むことができる。保湿剤を含むことにより、インクジェット記録方式において、水分の蒸発を抑制してインクを保湿することができる。また、水溶性有機溶剤であれば、吐出安定性を向上させたり、インク特性を変化させることなく粘度を容易に変更したりすることができる。
水溶性有機溶剤は、溶質を溶解する能力を持つ媒体を指しており、有機性で蒸気圧が水より小さい水溶性の溶媒から選ばれる。具体的には、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピレンアルコール、n−ブチルアルコール等のアルキルアルコール類、アセトニルアセトン等のケトン類、γ−ブチロラクトン、リン酸トリエチル等のエステル類、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、チオジグリコール、グリセリン等が挙げられる。
また、糖類は、マルチトール、ソルビトール、グルコノラクトン、マルトース等が挙げられる。
保湿剤は、インク組成物全量に対して5〜50重量%、より好ましくは、5〜30重量%、さらに好ましくは、5〜20重量%の範囲で添加されることが好ましい。5重量%以上であれば、保湿性が得られ、また、50重量%以下であれば、インクジェット記録に用いられる粘度に調整しやすい。
【0046】
また、本発明の黒色インク組成物には、インクの速やかな定着(浸透性) を得ると同時に、1ドットの真円度を保つのに効果的な添加剤として、ノニオン系界面活性剤を含むことが好ましい。
本発明に用いられるノニオン系界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤が挙げられる。本発明で用いるアセチレングリコール系界面活性剤としては、特に下記式(11)で表される化合物を用いることが好ましい。
【0047】
【化17】
【0048】
(式(11)中、R1、R2、R3、及びR4はそれぞれ独立して、C1〜C6の直鎖、環式又は分枝アルキル鎖を表し、さらにA1O及びA2Oはそれぞれ独立してC2〜C3のオキシアルキレン鎖、例えばオキシエチレンまたはオキシプロピレン、またはC2〜C3のアルキレンオキサイドが重合または共重合して得られるポリオキシアルキレン鎖、例えばポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖、もしくはポリオキシエチレンプロピレン鎖を表す。また式中、n及びmはA1OまたはA2O単位、すなわちオキシアルキレンの繰り返し数を表し、0≦n<30、0≦m<30、及び0≦n+m<50を満たす数である。)
このようなアセチレングリコール系界面活性剤として、具体的には、サーフィノール465、サーフィノール104(以上、Air Products and Chemicals, Inc. 商品名(米国))、オルフィンSTG、オルフィンE1010(以上、日信化学社製、商品名)等が挙げられる。その添加量はインク組成物全量に対して0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜2重量%である。添加量を0.1重量%以上とすることで、十分な浸透性が得られ、また、5重量%以下とすることで、画像の滲みの発生を防止しやすい。
【0049】
さらに、本発明のインク組成物には、必要に応じて、トリエタノールアミンやアルカリ金属の水酸化物等のpH調整剤、アルギン酸ナトリウム等の水溶性ポリマー、水溶性樹脂、フッ素系界面活性剤、防カビ剤、防錆剤等が添加されてもよい。
防腐剤又は防黴剤の例としては、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン(AVECIA製 プロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロキセルTN(商品名))等が挙げられる。
【0050】
さらに、pH調整剤、溶解助剤、又は酸化防止剤の例としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、モルホリン等のアミン類およびそれらの変性物、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどの金属水酸化物、水酸化アンモニウム、四級アンモニウム水酸化物(テトラメチルアンモニウム等)等のアンモニウム塩、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウムなどの炭酸塩類その他燐酸塩類など、あるいは尿素、チオ尿素、テトラメチル尿素などの尿素類、アロハネート、メチルアロハネート等のアロハネート類、ビウレット、ジメチルビウレット、テトラメチルビウレットなどのビウレット類など、L−アスコルビン酸およびその塩類を挙げることができる。
【0051】
本発明の黒色インク組成物においては、前記した任意成分は、単独又は各群内および各群間において複数種選択して混合して用いることもできる。
また、本発明の黒色インク組成物においては、インク組成物の全ての成分の量は、インク組成物の粘度が20℃で10mPa・s未満であるように選択されるのが好ましい。
また、本発明の黒色インク組成物は、その表面張力が20℃で45mN/m以下が好ましく、さらに好ましくは25〜45mN/mの範囲である。
さらに、本発明の黒色インク組成物のpHは、20℃において7.0〜10.5の範囲で調整されるのが好ましい。
本発明の黒色インク組成物の調製方法としては、たとえば、各成分を十分混合溶解し、孔径0. 8μm のメンブランフィルターで加圧濾過したのち、真空ポンプを用いて脱気処理して調製する方法などがある。
【0052】
次に、上述の黒色インク組成物を用いた本発明の記録方法について説明する。本発明の記録方法はインク組成物を微細孔から液滴として吐出させ、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方式がとりわけ好適に使用できるが、一般の筆記具用、記録計、ペンプロッター等の用途にも使用できることは言うまでもない。
インクジェット記録方式としては、従来公知の方式はいずれも使用でき、特に圧電素子の振動を利用して液滴を吐出させる方法(電歪素子の機械的変形によりインク組成物滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法)や熱エネルギーを利用する方法においては優れた画像記録を行うことが可能である。
【0053】
【実施例】
次に、本発明の実施例を比較例と共に挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって限定されるものではない。
<インク組成物の調製>
表1に示す配合比で各成分を常温にて1時間攪拌した後、0.8μmのメンブランフィルターで濾過して、表1に示す組成を有する各インク組成物を得た。なお、表中に示すインクの各成分量はインク全量に対する各成分の重量%を示す。
【0054】
【表1】
【0055】
そして、各インク組成物について、以下の特性を評価した。結果を表2に示した。
<目詰まり特性>
インクジェットプリンタPM−950C(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を用いて目詰まり試験をおこなった。このプリンタ用のブラックインク専用カートリッジに実施例1〜7及び比較例1〜5のインク組成物をそれぞれ充填し、上記プリンタに装着し、10分間連続して印字し、すべてのノズルが正常に吐出していることを確認後、電源を切り、60℃の環境に21日間放置した。放置後、全ノズルが初期と同等に吐出するまでクリーニング動作を繰り返し、以下の判定基準により目詰まり特性を評価した。
A:1〜5回のクリーニングで全ノズルが回復した。
B:6〜10回のクリーニングで全ノズルが回復した。
C:11〜15回のクリーニングで全ノズルが回復した。
D:15回のクリーニングでは全ノズルの回復はできなかった。
【0056】
<間欠印字特性>
インクジェットプリンタPM−930C(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を用いて間欠印字試験をおこなった。このプリンタ用のブラックインク専用カートリッジに実施例1〜7及び比較例1〜5のインク組成物をそれぞれ充填し、上記プリンタに装着し、40℃15%RHの環境下で1分間連続印字し、すべてのノズルが正常に吐出していることを確認後、全ノズルから同時に液滴(2pl)を1発吐出後、休止時間(非印字時間)をおいた後の吐出1発目がインク滴の飛行曲がり、ドット抜けを生じずに正常に吐出できる最長休止時間を測定し、以下の判定基準により間欠印字特性を評価した。
A:最長休止時間が10.0秒以上
B:最長休止時間が6.0秒以上10.0秒未満
C:最長休止時間が2.0秒以上6.0秒未満
D:最長休止時間が2.0秒未満
【0057】
<耐光性>
インクジェットプリンタ Stylus Color 880(商標)(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を用いて印刷試験を行った。このプリンタ用のブラックインク専用カートリッジに実施例1〜7及び比較例1〜5のインク組成物をそれぞれ充填し、PM写真用紙(商品名、セイコーエプソン株式会社製、型番:KA420PSK)に対してモノクロ画像の印刷を行って記録物を得た。印刷は、得られた画像のOD(Optical Density)が0.9〜1.1の範囲に入るようにDutyを調整して行った。得られた記録物を室温下で暗所に1日静置した後、記録された画像の耐光性の試験をおこなった。
【0058】
耐光性の試験は、蛍光灯耐光性試験機SFT−II(商品名、スガ試験機株式会社製)を使用し、温度が24℃、湿度が60RH%、照度70000luxの条件下で、上記記録物に21日間、光照射を行った。反射濃度計Spectrolino(商標)(商品名、GRETAG社製)を使用して、光照射前及び光照射後の記録物の画像のOD値を測定した。OD値の測定は、光源がD50、光源フィルタなし、絶対白を白色標準とし、視野角は2°で行った。下記計算式(1):
ROD(%)=(Dn/D0)×100(式中、Dnは光照射試験終了後の画像のOD値、D0は光照射試験開始前の画像のOD値)(計算式1)
を用いて、得られた測定値(OD値)から、光照射後の各記録物の画像の光学濃度残存率(Relict Optical Density:ROD)を計算によって求めた。
【0059】
得られたRODに基づき、以下の判定基準を用いて試験結果をA〜Dにランク付けすることによって記録物の耐光性を評価した。
A:RODが80%以上
B:RODが60%以上80%未満
C:RODが40%以上60%未満
D:RODが40%未満
RODの値が高いほうが光照射による画像の劣化が少なく好ましい。
【0060】
<耐オゾン性>
インクジェットプリンタ Stylus Color 880(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を用いて印刷試験を行った。このプリンタ用のブラックインク専用カートリッジに実施例1〜7及び比較例1〜5のインク組成物をそれぞれ充填し、PM写真用紙(商品名、セイコーエプソン株式会社製、型番:KA420PSK)に対して画像の印刷を行って記録物を得た。印刷は、得られた画像のOD(Optical Density)が0.9〜1.1の範囲に入るようにDutyを調整して行った。得られた記録物を室温下で暗所に1日静置した後、記録された画像の耐オゾン性の試験をおこなった。
【0061】
オゾンウェザーメーターOMS−H型(商品名、スガ試験機株式会社製)を使用し、温度が24℃、湿度が60%RH、及びオゾン濃度が10ppmの条件下で、上記記録物を24時間オゾンに曝露した。反射濃度計 Spectrolino(商標)(商品名、GRETAG社製)を使用して、オゾン曝露前後の記録物のOD値(Optical Density)を測定した。その測定は、光源がD50、光源フィルタなしで、絶対白を白色標準とし、視野角は2°という条件で行った。上記耐光性試験における計算方法と同じ計算方法、及び上記耐光性試験における判定基準と同じ判定基準を用いて、得られた結果をA〜Dのランク付けすることによって記録物の耐オゾン性を評価した。RODの値が高いほうがオゾン曝露による画像の劣化が少ない。
【0062】
【表2】
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、耐光性及び耐ガス性に優れ、かつ、目詰まり特性が高く間欠印字特性に優れた黒色インク組成物を提供することができる。
Claims (13)
- 着色剤として下記の式(1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含み、さらにアルキレングリコールモノアルキルエーテル、ラクタム化合物、アルキレングリコール及び1,2−アルカンジオールをそれぞれ一種以上含むことを特徴とする黒色インク組成物。
- 前記式(1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる化合物の総量を1としたとき、アルキレングリコールモノアルキルエーテルが0.15〜1.5、ラクタム化合物が0.08〜0.8、アルキレングリコールが0.08〜0.8、かつ、1,2−アルカンジオールが0.01〜1.5の重量比で含有される請求項1又は2に記載の黒色インク組成物。
- 前記アルキレングリコールモノアルキルエーテルがジエチレングリコールモノブエチルエーテル及び/又はトリエチレングリコールモノブチルエーテルである請求項1〜3のいずれか一項に記載の黒色インク組成物。
- 前記ラクタム化合物が2−ピロリドン及び/又はN−メチル−2−ピロリドンである請求項1〜4のいずれか一項に記載の黒色インク組成物。
- 前記アルキレングリコールがジエチレングリコール及び/又はトリエチレングリコールである請求項1〜5のいずれか一項に記載の黒色インク組成物。
- 前記1,2−アルカンジオールが1,2−ヘキサンジオールである請求項1〜6のいずれか一項に記載の黒色インク組成物。
- 前記式(1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる化合物の総量が、インク組成物の全量に対し0.5〜12重量%である請求項1〜7のいずれか一項に記載の黒色インク組成物。
- さらにアセチレングリコール系界面活性剤を含んでなる請求項1〜8のいずれか一項に記載の黒色インク組成物。
- インクジェット記録方法において用いられる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の黒色インク組成物。
- 前記インクジェット記録方法が、電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法である、請求項10に記載の黒色インク組成物。
- インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法であって、インク組成物として請求項1〜11のいずれか一項に記載の黒色インク組成物を使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載の黒色インク組成物を用いて記録された、又は請求項12に記載の記録方法により記録されたことを特徴とする記録物。
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JP2012172087A (ja) * | 2011-02-22 | 2012-09-10 | Kyocera Document Solutions Inc | インクジェット記録装置用インク |
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- 2003-07-30 JP JP2003203831A patent/JP2005047987A/ja active Pending
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