JP2012148525A - 感熱記録材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】発色感度、再発色性、耐熱画像保存性、耐湿熱画像保存性に優れる感熱記録材料を提供する。
【解決手段】支持体上に電子供与性染料前駆体及び電子受容性顕色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録材料において、該感熱記録層が電子受容性顕色剤として4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、発色反応を促進する低融点の熱可溶成分としてジフェニルスルホン、結合剤としてアクリロニトリルを必須成分とするコアとメタアクリルアミドを必須成分とするシェルからなるコアシェル構造を有する水分散性高分子重合体を含有し、かつJIS−P−8117で規定されるガーレー透気抵抗度が170秒以上である感熱記録材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、発色感度が良好であり、高温高湿処理後の印字性(以下、再発色性と記載。)と発色部を高温及び高温高湿度環境下で長期保存した際の画像保存性に優れる感熱記録材料に関するものである。
感熱記録材料は、一般に支持体上に電子供与性の染料前駆体(以下、染料前駆体と記載。)、ならびに電子受容性顕色剤(以下、顕色剤と記載。)を主成分とする感熱記録層を設けたものであり、熱ヘッド、熱ペン、レーザー光等で加熱することにより、染料前駆体と顕色剤とが瞬時反応し記録画像が得られるものである。このような感熱記録材料は、比較的簡単な装置で記録が得られ、保守が容易なこと、騒音の発生がないこと等の利点があり、計測記録計、ファクシミリ、プリンター、コンピューターの端末機、ラベル印字機、乗車券、チケットの発券機等広範囲の分野に利用されている。近年、これらの記録装置の小型化、記録の高速化に従って、微小な熱エネルギーでも高濃度で鮮明な発色画像を得られることが要求されている。更に、これらの記録装置の使用環境はより過酷になってきており、高温もしくは高温高湿度に曝される可能性のある環境下で使用される場合は、再発色性、高温及び高温高湿度環境下で長期保存した際の画像保存性(以下、耐熱画像保存性、耐湿熱画像保存性と記載。)に優れる感熱記録材料が強く要望されている。
発色感度に優れる感熱記録材料としては、例えば特開2000−318322号公報(特許文献1)、特開2002−52832号公報(特許文献2)に記載される感熱記録材料が知られており、これら先行技術においては、顕色剤として4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、発色反応を促進する低融点の熱可溶成分(以下増感剤)としてジフェニルスルホンを用いている。しかしながらこれらの感熱記録材料は、発色感度に優れるものの、耐熱画像保存性が低く、水溶性の高い4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンを使用しているため、十分満足できる再発色性と耐湿熱画像保存性を有するものではなかった。
一方、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンとジフェニルスルホンを疎水性樹脂のエマルジョンと共に感熱記録層中に用いることで感熱記録層の耐水化を行った感熱記録材料が、例えば特開2001−341433号公報(特許文献3)に記載されている。しかし、この感熱記録材料の再発色性、耐熱及び耐湿熱画像保存性は満足のいくものではなかった。また、感熱記録材料の結合剤としてアクリロニトリルを必須成分とするコアとメタアクリルアミドを必須成分とするシェルからなるコアシェル構造を有する水分散性高分子重合体を使用することで感熱記録層の耐水化を行った感熱記録材料が、例えば特開2000−158815号公報(特許文献4)や特開2004−268317号公報(特許文献5)に記載され、該水分散性高分子重合体を用いて耐スティッキング性や捺印性を改善できることが例えば特開2004−223994号公報(特許文献6)に記載されている。しかしこれら感熱記録材料は十分な発色感度が得られなかったり、また再発色性、耐熱及び耐湿熱画像保存性に関しても満足いくものではなく、改善が求められていた。
特開2000−318322号公報 特開2002−52832号公報 特開2001−341433号公報 特開2000−158815号公報 特開2004−268317号公報 特開2004−223994号公報
本発明の目的は、これらの問題を解決し、発色感度が良好であり、再発色性、耐熱画像保存性、耐湿熱画像保存性に優れる感熱記録材料を提供することである。
支持体上に電子供与性染料前駆体及び電子受容性顕色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録材料において、該感熱記録層が電子供与性顕色剤として4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、発色反応を促進する低融点の熱可溶成分としてジフェニルスルホン、結合剤としてアクリロニトリルを必須成分とするコアとメタアクリルアミドを必須成分とするシェルからなるコアシェル構造を有する水分散性高分子重合体を含有し、かつJIS−P−8117で規定されるガーレー透気抵抗度が170秒以上であることを特徴とする感熱記録材料。
本発明によって、発色感度、再発色性、耐熱画像保存性、耐湿熱画像保存性に優れる感熱記録材料を提供することができる。
以下、本発明の内容を更に具体的に説明する。
顕色剤として4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、及び発色反応を促進する低融点の熱可溶成分(以下、増感剤と記載。)としてジフェニルスルホンを含有する感熱記録層を設けた感熱記録材料は従来から知られており、発色感度に優れるが、再発色性、耐熱画像保存性、耐湿熱画像保存性の点で十分満足できるものではなかった。また4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンとジフェニルスルホンを含有する感熱記録層に疎水性樹脂のエマルジョンを用いた場合、再発色性、耐湿熱画像保存性は若干改善されるが、耐熱画像保存性が悪化し、十分満足できるものではなかった。本発明者らはこれら課題について鋭意検討を行った結果、感熱記録層が4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンとジフェニルスルホン、及び感熱記録層の結合剤としてアクリロニトリルを必須成分とするコアとメタアクリルアミドを必須成分とするシェルからなるコアシェル構造を有する水分散性高分子重合体を含有し、かつJIS−P−8117で規定されるガーレー透気抵抗度が170秒以上である感熱記録材料により、再発色性、耐熱画像保存性、耐湿熱画像保存性を特異的に高められることを見出し、本発明に至った。
本発明における、アクリロニトリルを必須成分とするコアとメタアクリルアミドを必須成分とするシェルからなるコアシェル構造を有する水分散性高分子重合体(以下、コアシェル型アクリルエマルジョンと記載。)は、一般に、アクリロニトリルのエマルジョンをシードとし、それとは性質の異なるポリマーを形成するモノマーとしてメタアクリルアミドを必須成分として添加して、重合を行うシード乳化重合法によって調製される。メタアクリルアミドと併用してシェルを形成することができるモノマーとしては、例えば、アクリロニトリル、スチレン、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ジエチレングリコールアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアクリル酸エステル、アリルメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル、メタクリル酸等が挙げられる。またこのようなコアシェル型アクリルエマルジョンは市販品を利用することもでき、例えば三井化学(株)よりBM−1000、OM−1050等の製品名で市販されているものを入手し利用することも可能である。上記のコアシェル型アクリルエマルジョンを感熱記録層に使用した場合、再発色性、耐熱画像保存性、耐湿熱画像保存性に優れた感熱記録材料を得ることができる。
本発明において、前述したコアシェル型アクリルエマルジョンは、他の結合剤と併用することもできる。具体的には、デンプン類、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン等のプロテイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、アルギン酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、ポリアクリル酸のアルカリ塩、ポリマレイン酸のアルカリ塩、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性バインダー、及びスチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン三元共重合体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル/アクリル酸エステル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン等の水分散性バインダー等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、また必要に応じて単独、もしくは2種以上混合して使用することができる。また、これらの結合剤は、主として使用されるコアシェル型アクリルエマルジョンに対して、60質量%未満の範囲で使用することが好ましく、40質量%未満とすることがより好ましい。上記範囲で再発色性、耐熱画像保存性、耐湿熱画像保存性に優れた感熱記録材料が得られる。
本発明において、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンとジフェニルスルホンの比率は、1:0.5〜1:3.0の範囲で使用するのが好ましく、特に1:1.0〜1:2.5の範囲で使用するのがより好ましい。上記の比率の範囲に調整することで、発色感度の高い感熱記録材料が得られる。
本発明の感熱記録材料を構成する感熱記録層に含まれる種々の発色成分は、分散媒中に分散された分散液として支持体上に塗布、乾燥される。その分散液は、発色成分を構成する化合物を乾式粉砕して分散媒中に分散する方法、または発色成分を構成する化合物を分散媒に混入し湿式粉砕する方法などにより得られる。本発明において、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ジフェニルスルホンはそれぞれ、もしくは共に、水を分散媒体として使用し、サンドグラインダー、ボールミル、アトライター、ビーズミル等の各種湿式粉砕機によって分散剤と共に体積平均粒子径を好ましくは0.1〜5.0μmに粉砕して微粒子とした後、感熱記録層塗液の調製に用いられることが好ましい。上記の体積平均粒子径の範囲とすることで、発色感度の高い感熱記録材料が得られる。
本発明における4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ジフェニルスルホン粉砕時の分散剤としては、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、リン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラール変性ポリビニルアルコール、エポキシ変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、ジイソブチレン/無水マレイン酸共重合体塩、スチレン/イソブチレン/無水マレイン酸共重合体塩、スチレン/無水マレイン酸共重合体塩、エチレン/アクリル酸共重合体塩、スチレン/アクリル酸共重合体塩、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルスルホン酸塩等の水溶性高分子、ドデシルベンゼンスルフォン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、脂肪酸金属塩等のアニオン系低分子界面活性剤、アセチレングリコール等のノニオン系界面活性剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、また必要に応じて単独、もしくは2種以上混合して使用することができる。
本発明における顕色剤としては4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンが使用されるが、必要に応じて4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン以外の顕色剤を併用することができる。4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン以外の顕色剤は、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンに対して40質量%以下の範囲で使用することが好ましい。併用される顕色剤の具体例としては下記に挙げるもの等があるが、本発明はこれに限定されるものではない。
2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−プロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−アリルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−オクチルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ドデシルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ベンジルオキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、3,4−ジヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ベンゼンスルホニルオキシジフェニルスルホン、2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノール、p−フェニルフェノール、p−ヒドロキシアセトフェノン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス[2−(p−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、
1,3−ビス[2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、1,4−ビス[2−(p−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、4,4′−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,3′−ジクロロ−4,4′−ヒドロキシジフェニルスルフィド、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、4,4′−チオビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、没食子酸ベンジル、没食子酸ステアリル、N,N′−ジフェニルチオ尿素、4,4′−ビス[3−(4−メチルフェニルスルホニル)ウレイド]ジフェニルメタン、N−(4−メチルフェニルスルホニル)−N′−フェニル尿素、サリチルアニリド、5−クロロサリチルアニリド、サリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸、4−[2′−(4−メトキシフェノキシ)エチルオキシ]サリチル酸、3−(オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸あるいはこれらサリチル酸誘導体の金属塩、
N−(4−ヒドロキシフェニル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナフタレンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−2−ナフタレンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシナフチル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシナフチル)ベンゼンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシナフチル)−1−ナフタレンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシナフチル)−2−ナフタレンスルホンアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)−1−ナフタレンスルホンアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)−2−ナフタレンスルホンアミド、N−(4−メチルフェニルスルホニル)−N′−[3−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)フェニル]ウレア、ビス(4−トシルアミノカルボキシアミノフェニル)メタン、n−ブチル−4−(3−p−トルエンスルホニル)ウレイドベンゾエート、n−ブチル−3−(3−p−トルエンスルホニル)ウレイドベンゾエート、2,6−ビス[(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)メチル]−4−tert−ブチルフェノール、2,6−ビス[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,6−ビス[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−4−tert−ブチルフェノール等が挙げられる。
これらの顕色剤は2種以上組み合わせて用いることもできる。また、染料前駆体と顕色剤の含有比率は、これらの種類とその組み合わせによって適宜決められるものであるが、染料前駆体の総量に対して顕色剤の総量を100〜500質量%、好ましくは150〜350質量%を含有して使用される。
本発明における感熱記録層は、その熱応答性を更に向上させるために、ジフェニルスルホン以外の増感剤を併用させることができる。ジフェニルスルホン以外の増感剤は、ジフェニルスルホンに対して50質量%以下の範囲で使用することが好ましい。
具体的には、ステアリン酸モノアミド、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチロールステアリン酸アミド、N−ステアリル尿素、ベンジル−2−ナフチルエーテル、p−トルエンスルホンアミド、m−ターフェニル、4−ベンジルビフェニル、2,2′−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、α,α′−ジフェノキシ−o−キシレン、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル、アジピン酸ジフェニル、蓚酸ジベンジル、蓚酸ビス(4−メチルベンジル)エステル、蓚酸ビス(4−クロロベンジル)エステル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジベンジル、ベンゼンスルホン酸フェニルエステル、ビス(4−アリルオキシフェニル)スルホン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、4−アセチルアセトフェノン、アセト酢酸アニリド類、脂肪酸アニリド類など公知の増感剤が挙げるものなどがあるが、本発明はこれに限定されるものではない。
これらの化合物のうち2種以上をジフェニルスルホンと併用して使用することもできる。また、十分な熱応答性を得るためには、感熱記録層の総固形分中、ジフェニルスルホンを含む増感剤の総和が5〜50質量%を占めることが好ましい。
本発明において、感熱記録材料のガーレー透気抵抗度が170秒以上となるようガーレー透気抵抗度をコントロールすることにより再発色性、耐湿熱画像保存性が高まる。明確な理由は不明であるが、ガーレー透気抵抗度が170秒以上の場合、高温高湿環境下において溶出した4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンが感熱記録層から拡散しにくくなるため、再発色性の低下や画像の劣化を抑制すると考えられる。なお本発明の効果においては、ガーレー透気抵抗度の上限はないが、ガーレー透気抵抗度が700秒より高い場合、耐スティッキング性、ヘッドカスが悪化する場合があるため、ガーレー透気抵抗度の上限は700秒以下であることが望ましい。
ガーレー透気抵抗度をコントロールする方法としては、例えば感熱記録層の結合剤に対するコアシェル型アクリルエマルジョンの比率の調整、感熱記録層中の結合剤の総量の調整、ガーレー透気抵抗度の高い支持体の使用、中間層及び/またはバックコート層の塗工、各層の塗工量の調整、カレンダー処理等があり、必要に応じてこれらを組み合わせた任意の方法を用いることができる。
感熱記録層の結合剤(顕色剤、増感剤、染料前駆体の分散剤、顔料、及び高級脂肪酸金属塩等を除く)の総量は、感熱記録層の総固形分から結合剤を差し引いた固形分に対して7〜30質量%の範囲とすることが好ましい。コアシェル型アクリルエマルジョンの比率は、感熱記録層の結合剤の40質量%以上とすることが好ましく、60質量%以上とすることがより好ましい。また、支持体としては、後述する各種支持体の中でも、原紙に中間層を塗工したガーレー透気抵抗度60〜120秒である塗工用紙が好ましく用いられる。このようにしてガーレー透気抵抗度を170秒以上に調整することにより、再発色性、耐湿熱画像保存性に特に優れた感熱記録材料が得られる。
本発明の感熱記録材料を構成する感熱記録層に用いられる染料前駆体としては、一般に感圧記録材料、または感熱記録材料に用いられているものに代表されるが、これらに制限されることはない。具体的な例を挙げれば、以下のとおりである。
(1)トリアリールメタン系化合物:3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリドなど、
(2)ジフェニルメタン系化合物:4,4−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミンなど、
(3)キサンテン系化合物:ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−フェネチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェノキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオラン、3−(N−メチル−N−プロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランなど、
(4)チアジン系化合物:ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルーなど、
(5)スピロ系化合物:3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベンゾピランなどを挙げることができるが、これに限定されるものではなく、また必要に応じて単独、もしくは2種以上混合して使用することができる。
本発明における感熱記録層には、以上の主要成分に加えて、公知の保存性改良剤、界面活性剤などを添加してもよい。
保存性改良剤は、発色画像部の保存性を高めるために用いられ、例えば、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−エチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−(2,2−プロピリデン)ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メトキシ−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(5−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(2−クロロ−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(2−メトキシ−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(2−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、1−[α−メチル−α−(4′−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−[α′,α′−ビス(4″−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1−[4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ]−4−[4−(4−イソプロポキシフェニルスルホニル)フェノキシ]ブタン、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、4,4′−チオビス(3−メチルフェノール)、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′,5,5′−テトラブロモジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′,5,5′−テトラメチルジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物、N,N′−ビス(2−ナフチル)−1,4−フェニレンジアミン、2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)リン酸ソーダ、4,4′−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンとジエチレングリコールの縮合物、イソシアネート化合物など公知の保存性改良剤が挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明において、耐スティッキング性向上、白色度向上等の目的に応じて、各種顔料を使用することができる。例えば、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ、非晶質珪酸カルシウム、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト等の白色無機顔料など公知の顔料が挙げられる。
また、感熱記録層には耐スティッキング性向上のためにステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、カスターワックス等のワックス類を、耐水性を持たせるために各種の硬膜剤、架橋剤を、ジオクチルスルホこはく酸ナトリウム等の分散剤、界面活性剤、蛍光染料、着色染料、ブルーイング剤等を含有させることができる。
本発明において、感熱記録層上には、耐スティッキング性の向上、スクラッチ傷の防止、耐水性の向上、感熱発色画像の耐可塑剤性や耐薬品性の向上等を目的として保護層を設けることができる。保護層には、各種接着剤、無機顔料、各種硬化剤、各種架橋剤、紫外線吸収剤等を含有させ、単層または二層以上を積層させることができる。また、感熱記録層または保護層の表面にUVインキ等による印刷等を行ってもよい。
感熱記録層の乾燥質量としては、2〜15g/mが好ましい。2g/mより少ないと発色感度も低くなる場合があり、15g/mより多いと感熱記録層が有する各種性能の向上は飽和に達し、感熱記録層の塗工時の生産効率が低下する場合がある。一方、保護層の乾燥質量としては、0.5〜5g/mが好ましい。0.5g/mより少ないと保護層が有する各種性能が発揮されず、5g/mより多いとサーマルヘッドから感熱記録層へ到達する熱エネルギーのロスが多くなり、発色特性の低下を招く場合がある。
本発明の感熱記録材料が有する支持体としては、透明、半透明、及び不透明のいずれであってもよく、紙、各種不織布、織布、合成樹脂フィルム、合成樹脂ラミネート紙、合成紙、金属箔、セラミック紙、ガラス板等、あるいはこれらを組み合わせた複合シートを目的に応じて任意に用いることができる。中でも紙、各種不織布、織布等の透気性支持体が好ましく、より好ましくは原紙に中間層を塗工した塗工用紙であり、特にガーレー通気抵抗度が60〜120秒の塗工用紙が好ましい。
塗工用紙の原紙としては、例えば、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、TMP、CTMP、CGP等の機械パルプ、及び古紙パルプ等の各種パルプを含み、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン等の各種填料、サイズ剤、定着剤、歩留り剤、紙力増強剤等の各種配合剤を好適に配合し、酸性、中性、アルカリ性のいずれかで抄造された原紙等が挙げられる。また、ノーサイズプレス原紙、あるいはデンプン、ポリビニルアルコール等でサイズプレスされた原紙、上質紙等が挙げられる。
本発明において支持体は、原紙上に平滑性、断熱性、透気抵抗度等を向上させるために中間層を有していることが好ましい。中間層は、結合剤及び各種有機や無機の顔料を含み、また中空粒子等を含有させることができる。
中間層に使用される結合剤としては、無変性デンプン、酸化デンプン、リン酸エステル化デンプン、尿素変性リン酸エステル化デンプン、ヒドロキシエチル化デンプン、冷水可溶性デンプン、ピロデキストリン、ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、エポキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アクリル酸アミド/アクリロニトリル変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アルギン酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等の水溶性高分子、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、ポリアクリル酸のアルカリ塩、ポリマレイン酸のアルカリ塩、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性樹脂、及びスチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン三元共重合体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル/アクリル酸エステル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン等の水分散性樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、また必要に応じて単独、もしくは2種以上混合して使用することができる。
中間層に使用される有機顔料としては、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸メチル、アイオノマー樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、スチレン共重合樹脂等が挙げられ、無機顔料としては、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、重質炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、非晶質シリカ、非晶質珪酸カルシウム、コロイダルシリカ等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、また必要に応じて単独、もしくは2種以上混合して使用することができる。
本発明において、感熱記録層が設けられている面と反対側の面には、透気抵抗度向上、カール防止、帯電防止等を目的としてバックコート層を設けてもよく、更に粘着加工等を行ってもよい。また、感熱記録層が設けられている面または反対側の面には、電気的、磁気的、または光学的に情報が記録可能な材料を含む層やインクジェット記録層等を設けてもよい。また、レーザー光による印字を行うために、感熱記録材料中の任意の層及び支持体に光熱変換材料を含有させることもできる。
本発明における各層の形成方式については、特に限定されることなく、周知の技術を用いて形成することができ、例えば、エアーナイフコーター、各種ブレードコーター、各種バーコーター、各種カーテンコーター等の塗布装置や、平版、凸版、凹版、フレキソ、グラビア、スクリーン等の各種印刷方式等を用いることができる。更に、表面平滑性を改良するために、マシンカレンダー、スーパーカレンダー、グロスカレンダー、ブラッシング等の装置を利用することができる等、感熱記録材料製造に於ける種々の公知技術を用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例において、%及び部はすべて質量基準である。また塗工量は絶乾塗工量である。
実施例1
(1)塗工用紙の作製
(中間層用塗工液)
焼成カオリン 100部
50%スチレンブタジエンエマルジョン 24部
水 200部
上記の中間層用塗工液を、坪量50g/mの上質紙に、固形分塗工量として10g/mとなるように塗工、乾燥して、塗工用紙を作製した。作製した塗工用紙のガーレー透気抵抗度は82秒であった。
(2)顕色剤分散液の調製
以下の配合を混合し、ビーズミルで体積平均粒子径が0.7μmになるまで湿式粉砕して、顕色剤分散液を得た。
4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン 30部
10%スルホン酸変性ポリビニルアルコール水溶液 30部
(日本合成化学工業(株)、ゴーセランL−3266)
水 40部
(3)染料前駆体分散液の調製
以下の配合を混合し、ビーズミルで体積平均粒子径が0.7μmになるまで湿式粉砕して、染料前駆体分散液を得た。
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 15部
10%スルホン酸変性ポリビニルアルコール水溶液 15部
水 20部
(4)増感剤分散液の調製
以下の配合を混合し、ビーズミルで体積平均粒子径が0.7μmになるまで湿式粉砕して、増感剤分散液を得た。
ジフェニルスルホン 45部
10%スルホン酸変性ポリビニルアルコール水溶液 45部
水 60部
(5)感熱記録層塗液の調製
上記の分散液を使用して、下記に示す配合で混合し、十分攪拌して感熱記録層塗液を得た。
顕色剤分散液 100部
染料前駆体分散液 50部
増感剤分散液 150部
10%コアシェル型アクリルエマルジョン 300部
(三井化学(株)、BM−1000)
30%水酸化アルミニウム水分散液 150部
50%ステアリン酸亜鉛水分散液 30部
水 50部
(6)感熱記録材料の作製
上記塗工用紙に、上記感熱記録層塗液を染料前駆体の塗工量で0.22g/mとなるように塗工して乾燥した後、カレンダー処理を行って感熱記録材料を作製した。
実施例2
実施例1の(5)感熱記録層塗液の調製において、10%コアシェル型アクリルエマルジョン(三井化学(株)、BM−1000)300部を200部に減らし、10%ポリビニルアルコール水溶液100部を添加した以外は実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
実施例3
実施例1の(5)感熱記録層塗液の調製において、10%コアシェル型アクリルエマルジョン(三井化学(株)、BM−1000)300部に代えて、10%コアシェル型アクリルエマルジョン(三井化学(株)、OM−1050)300部を用いた以外は実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
実施例4
実施例1の(6)感熱記録材料の作製において、カレンダー処理を行った後、更にスーパーカレンダー処理(線圧80kN/m、2ニップ)を行った以外は実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
実施例5
実施例1の(6)感熱記録材料の作製において、カレンダー処理を行った後、更にスーパーカレンダー処理(線圧120kN/m、2ニップ)を行った以外は実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
比較例1
実施例1の(5)感熱記録層塗液の調製において、10%コアシェル型アクリルエマルジョン(三井化学(株)、BM−1000)300部に代えて、10%ポリビニルアルコール水溶液300部を用いた以外は実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
比較例2
実施例1の(5)感熱記録層塗液の調製において、10%コアシェル型アクリルエマルジョン(三井化学(株)、BM−1000)300部に代えて、10%アクリルエマルジョン(ジョンソンポリマー(株)、PDX−7616A、コアシェル構造を有さないアクリルエマルジョン)300部を用いた以外は実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
比較例3
実施例1の(5)感熱記録層塗液の調製において、10%コアシェル型アクリルエマルジョン(三井化学(株)、BM−1000)300部に代えて、10%スチレンブタジエンエマルジョン(日本ゼオン(株)、Nipol F43)300部を用いた以外は実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
比較例4
実施例1の(5)感熱記録層塗液の調製において、10%コアシェル型アクリルエマルジョン(三井化学(株)、BM−1000)300部を75部に減らし、10%ポリビニルアルコール水溶液225部を添加した以外は実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
比較例5
実施例1の(4)増感剤分散液の調製において、ジフェニルスルホン45部に代えて、2−ベンジルオキシナフタレン45部を用いた以外は実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
比較例6
実施例1の(1)塗工用紙の作製において、中間層用塗工液で用いた50%スチレンブタジエンエマルジョン24部を120部に増やした以外は同様にして塗工用紙を作製し、これに比較例1の感熱記録層塗液を比較例1と同様に塗工して感熱記録材料を作製した。なお、作製した塗工用紙のガーレー透気抵抗度は161秒であった。
以上の実施例1〜5、比較例1〜6で作製した感熱記録材料を下記の評価に供した。各々の結果について、表1に示した。
[発色感度]
作製した各感熱記録材料それぞれについて、印字テスト機〔大倉電機製:TH−PMD〕を用いて、ドット密度8ドット/mm、ヘッド抵抗1510Ωのサーマルヘッドを使用し、ヘッド電圧21V、パルス幅0.8msecで通電して印字した。印字部分における発色濃度を、濃度計[装置名:RD19、GretagMacbeth社製](ブラックモード)にて測定し、以下の基準に従い評価した。
◎:印字部分の発色濃度が0.7以上
○:印字部分の発色濃度が0.6以上0.7未満
△:印字部分の発色濃度が0.5以上0.6未満
×:印字部分の発色濃度が0.5未満
[再発色性]
作製した各感熱記録材料それぞれについて、50℃・95%RHの環境下で24時間静置した後に、23℃・65%RHの環境下で印字テスト機〔大倉電機製:TH−PMD〕を用いて、ドット密度8ドット/mm、ヘッド抵抗1510Ωのサーマルヘッドを使用し、ヘッド電圧21V、パルス幅1.4msecで通電して印字した。印字部の発色濃度を濃度計[装置名:RD19、GretagMacbeth社製](ブラックモード)にて測定し、更に印字部分を目視で観察して、以下の基準に従い評価した。
◎:印字部分の発色濃度が0.75以上
○:印字部分の発色濃度が0.55以上0.75未満
△:印字部分の発色濃度が0.55以上0.75未満であるが、ムラが目立つ
×:印字部分の発色濃度が0.55未満
[耐熱画像保存性]
作製した各感熱記録材料それぞれについて、23℃・65%RHの環境下で印字テスト機〔大倉電機製:TH−PMD〕を用いて、ドット密度8ドット/mm、ヘッド抵抗1510Ωのサーマルヘッドを使用し、ヘッド電圧21V、パルス幅1.4msecで通電して印字した。印字した感熱記録材料を70℃・DRYの環境下に24時間静置した後、印字部の発色濃度を濃度計[装置名:RD19、GretagMacbeth社製](ブラックモード)にて測定して、以下の基準に従い評価した。
◎:印字部分の発色濃度が0.6以上
○:印字部分の発色濃度が0.5以上0.6未満
△:印字部分の発色濃度が0.4以上0.5未満
×:印字部分の光学濃度が0.4未満
[耐湿熱画像保存性]
作製した各感熱記録材料それぞれについて、23℃・65%RHの環境下で印字テスト機〔大倉電機製:TH−PMD〕を用いて、ドット密度8ドット/mm、ヘッド抵抗1510Ωのサーマルヘッドを使用し、ヘッド電圧21V、パルス幅1.4msecで通電して印字した。印字した感熱記録材料を50℃・95%RHの環境下に24時間静置した後、印字部の発色濃度を濃度計[装置名:RD19、GretagMacbeth社製](ブラックモード)にて測定し、更に印字部分を目視で観察して、以下の基準に従い評価した。
◎:印字部分の発色濃度が0.8以上
○:印字部分の発色濃度が0.6以上0.8未満
△:印字部分の発色濃度が0.6以上0.8未満であり、印字面にかすれが発生する
×:印字部分の光学濃度が0.6未満
[ガーレー透気抵抗度測定]
作製した各感熱記録材料それぞれのガーレー透気抵抗度は、JIS−P−8117に基づいて測定した。
Figure 2012148525
表1の記載から明らかなように、本発明によって発色感度、再発色性、耐熱画像保存性、耐湿熱画像保存性に優れる感熱記録材料及びその製造方法が得られる。

Claims (1)

  1. 支持体上に電子供与性染料前駆体及び電子受容性顕色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録材料において、該感熱記録層が電子受容性顕色剤として4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、発色反応を促進する低融点の熱可溶成分としてジフェニルスルホン、結合剤としてアクリロニトリルを必須成分とするコアとメタアクリルアミドを必須成分とするシェルからなるコアシェル構造を有する水分散性高分子重合体を含有し、かつJIS−P−8117で規定されるガーレー透気抵抗度が170秒以上であることを特徴とする感熱記録材料。
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