JP2012145607A - 粘着ラベル - Google Patents

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智博 東畑
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Abstract

【課題】容易に手で切ることができ、且つ、容易にきれいに剥がすことができる粘着ラベルを提供することを目的としている。
【解決手段】少なくとも、基材層12と、基材層12のラベル裏面側に積層された粘着層13と、を備える粘着ラベル5であって、基材層12に、紙層15と、紙層15のラベル裏面側に押し出しラミネートによって貼り合わせられたポリエチレン層16と、が備えられ、ポリエチレン層16のラベル裏面側に粘着層13が接着されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、粘着ラベルに関する。
従来から、スライスハム等の食肉製品の分野においては、例えば下記特許文献1に記載されているように、当該食品を包装した包装体(単体)を複数連結させた状態(連結体)で流通させる技術が広く普及している。詳しく説明すると、複数の包装体が部分的に重なり合うように一方向にずらして並べられた状態で並べられ、それら複数の包装体が粘着ラベルで連結されている。これにより、消費者は、上記した連結体単位で購入し、その食品を消費する際には、連結体から包装体の一つを分離させ、その後、その包装体を開封して中の食品を消費する。
ところで、上記粘着ラベルは、基材層のラベル裏面側に粘着層が積層された構成からなり、複数の包装体のずらし方向に延在され、粘着層により各包装体にそれぞれ貼着されている。また、近年、連結体から包装体の一つを容易に分離させることができるように、基材層として紙等の易裂性原紙が用いられた粘着ラベルが提供されている。これにより、消費者が連結体から包装体の一つを分離させる際に、粘着ラベルのうちの包装体間の境界部分の位置を手で切断することで、包装体の一つを容易に分離させることができる。また、上記した連結体は冷蔵保管される場合が多いため、水滴等で基材層が劣化しないように、基材層の表面をニス等の撥水コーティング剤で被覆する場合が多い。
実用新案登録第2574527号公報
しかしながら、上記したような連結体では、消費者が連結体から包装体の一つを分離させる際に、包装体から粘着ラベルを剥がそうとする場合がある。ところが、基材層として紙等の易裂性原紙を用いた従来の粘着ラベルでは、粘着層として剥がす行為を想定した粘着剤を用いていないため、包装体から粘着ラベルを剥がしにくいという問題がある。
また、包装体に貼着された粘着ラベルを剥がしたとき、包装体側に粘着層の一部が残る糊残りが生じる場合があり、粘着ラベルをきれいに剥がすのが難しい。したがって、複数の包装体を粘着ラベルで連結させる製造工程において、粘着ラベルの位置や向きにズレが生じたとき、粘着ラベルの貼り直す必要があるが、一旦貼着された粘着ラベルを剥がす作業が煩雑である。また、商品の消費後に、包装体と粘着ラベルと分別廃棄する必要があるが、包装体と粘着ラベルとをきれいに分別するのが煩雑である。
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、容易に手で切ることができ、且つ、容易にきれいに剥がすことができる粘着ラベルを提供することを目的としている。
本発明に係る粘着ラベルは、少なくとも、基材層と、該基材層のラベル裏面側に積層された粘着層と、を備える粘着ラベルであって、前記基材層に、紙層と、該紙層のラベル裏面側に押し出しラミネートによって貼り合わせられたポリエチレン層と、が備えられ、該ポリエチレン層のラベル裏面側に前記粘着層が接着されていることを特徴とする粘着ラベルことを特徴としている。
このような特徴により、ポリエチレン層を押し出しラミネートによって紙層に貼り合わせると、ポリエチレンの分子構造が破壊され、表面(ラベル裏面側の面)の平滑性が低いポリエチレン層が形成される。このため、粘着層のポリエチレン層に対する接着性が高くなり、粘着層がポリエチレン層から剥離されにくくなる。また、ポリエチレン層と紙層とは押し出しラミネートによって貼り合わせているため、紙層の繊維の内側にポリエチレン層が食い込んだ状態で一体化されており、ポリエチレン層と紙層との剥離は起きない。
また、押し出しラミネートによって紙層に貼り合わせられたポリエチレン層は脆弱になるため、このポリエチレン層と紙層とからなる基材層は、手で容易に切断できる程度の易裂性を有する。なお、脆弱なポリエチレン層は紙層に支持されているため、崩落せずに形状が保持される。
さらに、紙層のラベル裏面側に形成されたポリエチレン層により、紙層の裏面(ラベル裏面側の面)から水分が浸透するのが防止される。
また、本発明に係る粘着ラベルは、前記基材層のラベル表面側に、フィルム単体での端裂抵抗が120N以下の易裂性フィルムからなる保護フィルム層が積層されていることが好ましい。
これにより、保護フィルム層によって紙層の表面(ラベル表面側の面)が被覆されているので、紙層の表面が水や擦れに対して保護される。特に、易裂性フィルムからなる保護フィルム層であるため、ニスなどからなる保護層に比べて水や擦れに対する保護が強化される。
また、保護フィルム層とポリエチレン層との間に紙層が介在したサンドイッチ構造になっており、紙層が保護フィルム層とポリエチレン層とによって挟み込まれて支持されているので、紙層の側縁から水分が浸透しても紙層が破れたりせずに形状が保持される。
また、保護フィルム層は易裂性フィルムからなるため、粘着ラベルの易裂性が損なわれることがなく、むしろ、この易裂性フィルムが切り裂かれることで基材層が追随して切断されるので、粘着ラベルの端裂抵抗が低くなり、手で切り易くなる。
なお、ここでいう「易裂性フィルム」とは、手で裂くことが出来る程度の手切れ性を有する樹脂製フィルムをいい、フィルム単体での端裂抵抗が120N以下のフィルムをいう。
また、本発明に係る粘着ラベルは、外周部の一部分に、前記粘着層のラベル裏面側に糊殺し加工が施された剥がし口領域部が形成されており、該剥がし口領域部の少なくとも一部分にエンボス加工が施されていることが好ましい。
これにより、剥がし口領域部を摘んで粘着ラベルを捲って剥がす際、エンボス加工によって剥がし口領域部が滑りにくくなるため、剥がし口領域部が摘みやすくなる。
また、剥がし口領域部にエンボス加工が施されていることで、視覚や触覚で剥がし口領域部の位置を認識することが可能である。
なお、上述した「糊殺し加工」とは、粘着層のラベル裏面側の表面に粘着性を低減させる処理を行う加工のことであり、例えば粘着層のラベル裏面側の表面に特殊インクを印刷する方法がある。
また、本発明に係る粘着ラベルは、複数の包装体にそれぞれ貼着させて当該複数の包装体を連結させるための包装体連結用ラベルであり、前記包装体に貼着する複数の貼着領域部が、隣り合う包装体の境界部分に位置するラベル切断領域部を介して間欠的に配設されており、前記ラベル切断領域部の前記粘着層のラベル裏面側には糊殺し加工が施されており、前記ラベル切断領域部の粘着層の粘着強度が、前記貼着領域部の粘着層の粘着強度に比べて弱くなっていることが好ましい。
これにより、ラベル切断領域部が包装体に貼着されにくくなり、仮に包装体に貼着されても容易に剥がすことができるため、ラベル切断領域部を切断しやすくなる。
本発明に係る粘着ラベルによれば、押し出しラミネートによって紙層に貼り合わせられたポリエチレン層が脆弱であり、基材層は易裂性を有するので、粘着ラベルを手で容易に切ることができる。また、粘着層がポリエチレン層から剥離されにくく、且つ、ポリエチレン層が紙層から剥離しないため、粘着層の被貼着物に対する接着性が高くても、ラベル貼着後に容易にきれいに剥がすことができる。つまり、本発明に係る粘着ラベルによれば、被貼着物に対する接着性(保持力)を確保しつつ、ラベル貼着後の剥離性を改善することができ、さらに、手切れ性(易裂性)を付帯することができる。
本発明に係る粘着ラベルの実施の形態を説明するための連結体の平面図である。 (a)は図1に示す連結体の全体断面図であり、(b)はその連結体の部分断面図である。 本発明に係る粘着ラベルの実施の形態を説明するための粘着ラベルの断面模式図である。 本発明に係る粘着ラベルの実施の形態を説明するための押し出しラミネート機の模式図である。 本発明に係る粘着ラベルの実施の形態を説明するための粘着ラベルの裏面(粘着層側の面)の平面図である。 本発明に係る粘着ラベルの変形例を説明するための粘着ラベルの裏面(粘着層側の面)の平面図である。
以下、本発明に係る粘着ラベルの実施の形態について、図面に基いて説明する。
図1は本発明の一例である粘着ラベル5によって連結された連結体1の平面図である。図2は上記した連結体1の断面図であり、(a)は図1に示すA−A間の全体断面図であり、(b)は図2(a)に示すP部分の拡大断面図である。
図1、図2に示すように、連結体1は、複数(図1、図2では3つ)の包装体2…を連結させた構成からなる。包装体2は、スライスハム等の食品を包装して密封する部材であり、矩形状の基板3の表面中央に食品Xを配置させるとともにその上からフィルム状の被覆シート4を被覆させ、食品Xの周囲で基板3と被覆シート4とを接着させた構成からなる。包装体2内の食品Xは、上記した基板3と被覆シート4とにより密封されている。また、複数の包装体2…は、部分的に重なり合うように一方向(図1における左右方向)に少しずつずらして並べられている。
連結体1の表面(図2における上側)には、商品名やキャッチフレーズなどが印刷された第1の包装体連結用粘着ラベル(本発明の粘着ラベル。以下、単に「粘着ラベル5」と記す。)が貼り付けられており、連結体1の裏面(図2における下側)には、原材料名や内容量等の食品表示やバーコード等が印刷された第2の包装体連結用粘着ラベル6が貼り付けられている。これらの粘着ラベル5、6は、一方向(複数の包装体2…をずらして並べた方向)に長い帯状のラベルであり、両端に配設された包装体2、2間に亘って延在されて各包装体2…にそれぞれ貼着されている。これらの粘着ラベル5、6によって、一方向にずらして重ねて並べられた複数の包装体2…が連結されている。
ここで、上記した連結体1表面側の粘着ラベル5の詳細な構成について図3に基づいて説明する。
図3は粘着ラベル5の断面構造を模式的に表した模式図であって図1に示すB−B間における断面模式図である。
図3に示すように、粘着ラベル5は、ラベル表面側(図3における上側。以下、単に「表面側」と記す。)から順に、保護フィルム層10と、接着層11と、基材層12と、粘着層13と、が積層された構成となっている。すなわち、基材層12のラベル裏面側(図3における下側。以下、単に「裏面側」と記す。)に粘着層13が積層され、基材層12の表面側に接着層11を介して保護層10が積層されている。なお、粘着ラベル5を包装体2に貼着させる前の状態においては、粘着層13の裏面側に例えばグラシン紙からなる図示せぬセパレーターが貼着されている。
基材層12は、表面側から順に、印刷層14と、紙層15と、ポリエチレン層16と、が積層された構成となっている。すなわち、紙層15の表面側に印刷層14が積層され、この印刷層14の表面側に接着層11を介して保護層10が積層されている。また、紙層15の裏面側にポリエチレン層16が積層され、そのポリエチレン層16の裏面側に粘着層13が積層されている。
紙層15は、木材や非木材植物を原料とする紙からなり、手で裂くことが出来る程度の手切れ性(易裂性)を有する紙材からなる。この紙層15を構成する紙材の密度は、52.3g/m以上127.9g/m以下の範囲内であることが好ましい。このように紙材の密度を52.3g/m以上にすることで、良好な印刷性を確保することができると共に、捲り時に粘着ラベル5が丸まるカール現象を防止することができ、また、紙材の密度を127.9g/m以下にすることで手切れ性を確保することができる。また、紙層15を構成する紙材としては、良好な品質を確保するために上質紙、アート紙、コート紙が用いることが好ましく、例えばグロス系コート紙等の塗工紙が用いられる。なお、紙層15を構成する紙材の厚さや密度、端裂抵抗は適宜変更可能である。また、紙層15は、塗工紙以外の他の種類の紙材であってもよく、例えばホイル紙であってもよい。また、紙層15の紙材は、木材や非木材植物を原料とする紙でなくてもよく、例えば、PP樹脂を含有する合成紙であってもよい。
ポリエチレン層16は、ポリエチレン製の樹脂膜であり、例えば低密度ポリエチレン(LDPE)からなる。このポリエチレン層16は、図4に示す押し出しラミネート機100による押し出しラミネートによって紙層15の裏面側に貼り合わせられている。詳しく説明すると、押し出しラミネート機100には、上記した紙層15の紙材15Aを巻いた紙ロール15Bを軸回転可能に保持して、その紙ロール15Bから紙材15Aを繰り出す繰出部101と、溶融したポリエチレンを溶融フィルム状(溶融しているカーテン状)に押し出す押出部102と、押出部102から押し出されたポリエチレンフィルム16Aと紙材15Aとを貼り合わせる一対のローラ(ポリエチレン側のローラが水冷式強制冷却)からなる貼合部103と、上記した紙材15A(紙層15)とポリエチレンフィルム16A(ポリエチレン層16)とからなるポリエチレンコーティング原紙12Aをロール状に巻き取る巻取部104と、が備えられている。この押し出しラミネート機100によれば、繰出部101から紙材15Aが繰り出されて貼合部103に移送される。また、押出部102からポリエチレンフィルム16Aが押し出されて貼合部103に供給される。そして、貼合部103において紙材15Aの片面にポリエチレンフィルム16Aが貼り付けられると共に、溶融したポリエチレンフィルム16Aが水冷式のローラによって強制冷却されて固められることで、ポリエチレンフィルム16Aが紙材15Aに対して一体的に接着され、紙材15Aの片面がポリエチレンでコーティングされる。そして、紙層15及びポリエチレン層16からなる2層構造のポリエチレンコーティング原紙12Aが巻取部104で巻き取られる。
上記した押し出しラミネートによって紙層15の裏面側に貼り合わせられたポリエチレン層16は、図3に示すように、少なくとも紙層15よりも薄い層であり、ポリエチレン層16の厚さは、手切れ性、及び適正に押し出しラミネートを行うために8μm以上30μm以下の範囲内にすることが好ましく、更に好ましくは、12μm以上15μm以下の範囲内である。
印刷層14は、商品名やキャッチフレーズなどが印刷されたインキ層であり、上記した紙層15の表面に凸版印刷により印刷されている。なお、印刷層11の印刷方式としては、公知の印刷方式を用いることができ、例えば、フレキソ印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、デジタル印刷(インクジェット印刷や電子写真印刷等)などで印刷層14を形成することもできる。
粘着層13は、粘着ラベル5を包装体2(被貼着体)に貼着させるための層であり、強粘着再剥離タイプのエマルジョン系粘着剤からなる。また、粘着層13としては、天然ゴム系や合成ゴム系、アクリル系、シリコーン系等の公知の粘着剤を用いることができ、例えばポリエチレン樹脂やアクリル樹脂等を用いることができる。この粘着層13は、上記したポリエチレン層16の裏面全体に均一の厚さで形成されている。
上記した粘着層13の裏面側(被貼着体に対する接着面)には、糊殺し加工が施されている。この糊殺し加工は、粘着層13全面に一様に施されてなく、図5に示すように、平面視において強弱を付けて施されている。
具体的に説明すると、粘着ラベル5には、図1、図5に示すように、各包装体2にそれぞれ貼着する複数(3つ)の貼着領域部50と、隣り合う包装体2の境界部分に位置するラベル切断領域部51と、粘着ラベル5の外周部のうち、粘着ラベル5の長さ方向(長手方向、以下ラベル長さ方向と記す。)の一端側の縁部に設けられた剥がし口領域部52と、が備えられている。複数の貼着領域部50は、粘着ラベル5の幅方向(短手方向、以下ラベル幅方向と記す。)の全長に亘って延在する帯状のラベル切断領域部51を介してラベル長さ方向に間欠的に配設されており、ラベル長さ方向の一端側(図1における左側)から順に、第一貼着領域部50A、第二貼着領域部50B、第三貼着領域部50Cとなっている。そして、剥がし口領域部52は、第一貼着領域部50Aのラベル長さ方向の一端側に隣接して配設されている。
上記した各領域部(貼着領域部50、ラベル切断領域部51、剥がし口領域部52)の粘着層13の裏面側にはそれぞれ糊殺し加工が施されているが、その糊殺し加工の度合いは、貼着領域部50よりもラベル切断領域部51の方が高くなっており、ラベル切断領域部51よりも剥がし口領域部52の方が高くなっている。詳しく説明すると、上記した糊殺し加工は、UVニス等からなる糊殺し材を粘着層13の裏面側にメッシュ状に印刷することで粘着層13の粘着強度を低減させているが、このメッシュ状の糊殺しパターンは、貼着領域部50よりもラベル切断領域部51の方が密になっており、ラベル切断領域部51よりも剥がし口領域部52の方が密になっている。例えば、各領域部の面積に対する糊殺しパターンの面積の比率(糊殺し率)は、貼着領域部50が15%、ラベル切断領域部51が30%、剥がし口領域部52が100%とすることができる。これにより、貼着領域部50の粘着層13よりもラベル切断領域部51の粘着層13の方が粘着強度が弱くなっており、また、剥がし口領域部52の粘着層13の粘着強度が極めて弱くなっている。
なお、この糊殺し率は、貼着領域部50よりもラベル切断領域部51の方が大きく、ラベル切断領域部51よりも剥がし口領域部52の方が大きければ適宜変更可能であり、貼着領域部50の糊殺し率(k)は15%以下(0<k≦15%)の範囲内に設定され、ラベル切断領域部51の糊殺し率(k)は25%以上30以下(25%≦k≦30%)の範囲内に設定され、剥がし口領域部52の糊殺し率(k)は95%以上100%以下(95%≦k≦100%)の範囲内に設定されている。
また、上記した各貼着領域部50A〜50Bの面積は、ラベル長さ方向の一端側ほど大きくなっている。すなわち、ラベル長さ方向の一端側に配設された第一貼着領域部50Aはラベル長さ方向の寸法が最も長くて面積が最も大きくなっており、ラベル長さ方向の他端側(図1における右側)に配設された第三貼着領域部50Cはラベル長さ方向の寸法が最も短くて面積が最も小さくなっており、ラベル長さ方向の中間位置に配設された第二貼着領域部50Bはラベル長さ方向の寸法が第一貼着領域部50Aよりも短く第三貼着領域部50Cよりも長くて面積が第一貼着領域部50Aよりも小さく第三貼着領域部50Cよりも大きくなっている。
また、ラベル切断領域部51には、粘着ラベル5をラベル幅方向に切断するための図示せぬ切れ口や切り取り線が形成されている。
剥がし口領域部52は、ラベル幅方向の全長に亘って形成されている。この剥がし口領域部52は、粘着ラベル5の隅角部分に位置する平面視矩形状の摘み部52Aと、その摘み部52Aからラベル幅方向に延在する帯状の捲れ部52Bと、からなる。捲れ部52Bは、粘着ラベル5のラベル長さ方向の一端側の縁部に沿って延在していると共に、ラベル長さ方向の寸法W1が摘み部52Aのラベル長さ方向の寸法W2よりも小さくなっている。これにより、粘着ラベル5の不用意な捲れが防止される。
また、上記した摘み部52Aには、エンボス加工が施されている。このエンボス加工は、複数の凹部52aを形成する加工であり、凹部52aは裏面側に凸の平面視円形状の凹部であって表面側から見て凹んでいる。また、複数の凹部52aは、摘み部52Aのうち、ラベル幅方向の端部側の部分にのみ点在されている。
図3に示すように、保護フィルム層10は、粘着ラベル5の表面に防水性を持たせるとともに印刷層14を傷等から保護するための透明の層であり、保護フィルム層10は、基材層12と略同形状を成しており、基材層12の表面全体に亘って貼り合わされている。この保護フィルム層10を構成するフィルムは、耐水性に優れた透明フィルムからなり、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)等の合成樹脂製のシートからなる。また、この保護フィルム層10を構成するフィルムは、手などで容易に破断可能な易裂性フィルムからなり、フィルム単体での端裂抵抗が120N以下のフィルムであって紙層15と貼り合わせた時の端裂抵抗が45N以下となるようなフィルムである。
具体的に説明すると、保護フィルム層10を形成する易裂性フィルムは、非結晶ポリマー層17の両面を結晶ポリマー層18でそれぞれ被覆したサンドイッチ構造になっており、どの方向からも容易に手で切れる方向性の無い手切れ性を有する。非結晶ポリマー層17は、薄膜状の形状を単独で保持することが難しい脆弱層である。結晶ポリマー層18は、非結晶ポリマー層17の形状を保持するための保護層であり、非結晶ポリマー層17よりも薄い薄膜層である。例えば、厚さ14μmの保護フィルム層10を形成する場合、厚さ10μmの非結晶ポリマー層17の両面を厚さ2μmの結晶ポリマー層18でそれぞれ被覆した構成となる。また、上記した結晶ポリマー層18は、熱処理等によって非結晶ポリマー層17の表面に接合される。
接着層11は、上記した基材層12(紙層15)と保護フィルム層10とを接着させるための透明の層であり、溶剤系接着剤や反応系接着剤等の接着剤からなる。例えば、接着層11は、UV硬化型接着剤からなるインク層であってもよい。この場合、基材層12の表面にUV硬化型接着剤(接着層11)を塗布しておく。そして、このUV硬化型接着剤からなるインク層を介して基材層12の表面に上記した易裂性フィルムを貼り合わせた後、UV(紫外線)を照射することで上記したUV硬化型接着剤が活性化して接着性が発揮され、このUV硬化型接着剤(接着層11)を介して上記した易裂性フィルムが基材層12の表面に接着される。また、この接着層11は、基材層12と保護フィルム層10との間の全体に均一の厚さで形成されている。
なお、ラミネート用粘着原紙(TF14)を基材層12の表面に貼着してもよい。すなわち、保護フィルム層10を構成する易裂性フィルムの裏面に粘着剤(接着層11)が塗布されたものを基材層12の表面に貼着する方法であってもよい。
ここで、上記した構成からなる粘着ラベル5の実施例について説明する。
保護層10としては、厚さ14μmの易裂性PETフィルムを用いる。また、接着層11としては、UV硬化型のニスを使用し、厚さは約5μm程度とする。また、印刷層14としては、UV硬化型インクを用いて、厚さ4〜5μm程度で凸版又はフレキソ方式で基材層12の表面に印刷する。紙層15としては、厚さ76μmのアート紙(73g/m)を用いる。また、ポリエチレン層16としては、LDPEを使用し、厚さは14μmとする。また、粘着層13としては、強粘着再剥離タイプの粘着剤(アクリル系エマルジョン型やアクリル系溶剤型)が用いられ、厚さは約23μm程度とする。
上記した構成からなる粘着ラベル5では、ポリエチレン層16を押し出しラミネートによって紙層15に貼り合わせているため、ポリエチレンの分子構造が破壊され、ポリエチレン層16のラベル裏面側の面の平滑性が低くなる。このため、粘着層13のポリエチレン層16に対する接着性が高くなり、粘着層13がポリエチレン層16から剥離されにくくなる。また、粘着層13を積層する前にポリエチレン層16に対してコロナ処理等の表面処理を施すことで、粘着層13を形成する粘着剤の載り(付き)が良くなり、粘着層13がポリエチレン層16から更に剥離されにくくなる。また、紙層15とポリエチレン層16とは押し出しラミネートによって貼り合わせているため、紙層15の繊維の内側にポリエチレン層16が食い込んだ状態で一体的に接着されており、紙層15とポリエチレン層16との剥離は起きない。このように粘着層13がポリエチレン層16から剥離されにくく、且つ、ポリエチレン層16が紙層15から剥離しないため、粘着層13の包装体2に対する接着性が高くても、ラベル貼着後に粘着ラベル5を剥がす際に糊残りが生じにくく、粘着ラベル5を容易にきれいに剥がすことができる。したがって、消費者が商品を消費する際に、粘着ラベル5を剥がして包装体2の1つを容易に分離させることができ、使い易さを向上させることができる。また、商品の消費後に、包装体2と粘着ラベル5とを分別廃棄する際に、包装体2と粘着ラベル5とを容易にきれいに分別することができ、環境保護につながる。また、複数の包装体2を粘着ラベル5で連結させる製造工程において、粘着ラベル5の位置や向きにズレが生じても粘着ラベル5を容易にきれいに剥がすことができるため、粘着ラベル5の貼り直しを行うことができる。これにより、不良品の発生を低減させてコストダウンを図ることができる。
また、押し出しラミネートによって紙層15に貼り合わせられたポリエチレン層16は脆弱になるため、このポリエチレン層16と紙層15と印刷層14とからなる基材層12は、手で容易に切断できる程度の易裂性を有する。また、保護フィルム層10は易裂性フィルムからなるため、粘着ラベル5の易裂性が損なわれることがなく、むしろ、この易裂性フィルムが切り裂かれることで基材層12が追随して切断されるので、粘着ラベル5の端裂抵抗が低くなり、手で切り易くなる。したがって、消費者が商品を消費する際に、粘着ラベル5を手で切断して包装体2の1つを容易に分離させることができ、使い易さを向上させることができる。
特に、上記した粘着ラベル5では、ラベル切断領域部51の粘着層13に対する糊殺し加工の度合いが、貼着領域部50の粘着層13に対する糊殺し加工よりも高くなっており、ラベル切断領域部51の粘着層13の粘着強度が、貼着領域部50の粘着層13の粘着強度に比べて弱くなっているため、ラベル切断領域部51が包装体2に貼着されにくく、仮に包装体2に貼着されても容易に剥がすことができる。これにより、消費者が商品を消費する際に、隣り合う包装体2,2の境界部分に位置するラベル切断領域部51を容易に手で切断することができ、使い易さを向上させることができる。
また、上記した粘着ラベル5では、保護フィルム層10によって紙層15の表面が被覆されているので、紙層15の表面が水や擦れに対して保護される。特に、フィルムからなる保護フィルム層10であるため、ニスなどからなる保護層に比べて水や擦れに対する保護が強化され、粘着ラベル5の耐水性及び耐擦性を向上させることができる。また、フィルムラミネートにより、粘着ラベル5の表面の光沢が増し、見栄えに関する品質を向上させることができる。
また、紙層15の裏面側に形成されたポリエチレン層16により、紙層15の裏面から水分が浸透するのが防止される。また、保護フィルム層10とポリエチレン層16との間に紙層15が介在したサンドイッチ構造になっており、紙層15が保護フィルム層10とポリエチレン層16とによって挟み込まれて支持されているので、紙層15の側縁から水分が浸透しても紙層15が破れたりせずに形状が保持される。これにより、粘着ラベル5の耐水性を向上させることができる。
また、上記した粘着ラベル5では、粘着層13に糊殺し加工が施された剥がし口領域部52にエンボス加工が施されているため、エンボス加工によって剥がし口領域部52が滑りにくい。これにより、剥がし口領域部52(摘み部52A)を摘んで粘着ラベル5を捲って剥がす際、剥がし口領域部52が摘みやすく、粘着ラベル5を容易に捲り剥がすことができる。
また、剥がし口領域部52にエンボス加工が施されていることで、視覚や触覚で剥がし口領域部52の位置を認識することが可能である。これにより、消費者にとって剥がし口領域部52の位置が分かり易く、使い易さを向上させることができる。
以上、本発明に係る粘着ラベルの実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記した実施の形態では、一方向にずらして重ねられた複数の包装体2…を連結させるための粘着ラベル5について説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、互いに重なり合うことなく一方向に並べられた複数の包装体を連結させるための粘着ラベルであってもよく、或いは、ずらすことなく重ね合わせられた複数の包装体を連結させるための粘着ラベルであってもよく、或いは、非直線的(例えば桝目状)に集められた複数の包装体を連結させるための粘着ラベルであってもよい。さらに、本発明に係る粘着ラベルは、上述したような連結用のラベルに限定されず、封緘用の粘着ラベルや、単一の商品の表面に貼り付けられる粘着ラベルであってもよい。
また、上記した実施の形態では、基材層12の表面側に接着層11を介して易裂性フィルムからなる保護フィルム層10が貼着されているが、本発明は、上記した保護フィルム層10及び接着層11に代えて、基材層12の表面側にニスを塗膜することも可能である。
また、上記した実施の形態では、保護フィルム層10が、非結晶ポリマー17の両面に結晶ポリマー18を被覆した3層構造の易裂性フィルムからなるが、本発明は、他の構成の易裂性フィルムによって保護フィルム層10を形成することも可能である。例えば、複数の微細孔が全面に形成された構成の易裂性フィルムを用いることも可能である。さらに、本発明は、易裂性を有しないフィルム層を用いることも可能である。例えば、上記したように、単一の商品に貼着される粘着ラベル5の場合には、易裂性を有しない保護フィルム層であってもよい。
また、上記した実施の形態では、粘着ラベル5の粘着面全体に糊殺し加工が施されているが、粘着ラベル5の粘着面に糊殺し加工を施さない領域があってもよい。例えば、図6に示すように、第一貼着領域部50A及び第二貼着領域部50Bのラベル幅方向両側の縁部に、粘着ラベル5の長辺に沿ってラベル長さ方向に延在する帯状の非糊殺し領域部53が形成されていてもよい。これにより、当該粘着ラベル5が不用意に剥がれることを防止することができ、例えば粘着ラベル5によって連結された製品(連結体)をダンボール等に詰める梱包時に粘着ラベル5が剥がれてバラバラになることを防止することができ、梱包作業が行いやすくなる。また、剥がし口領域部52の反対側のラベル端部に形成された第三貼着領域部50C´が糊殺し加工されていない構成であってもよい。これにより、粘着ラベル5を剥がす際に、剥がし口領域部52の反対側のラベル端部が強力に接着されるため、当該粘着ラベル5が一気に全て剥がれることが防止される。
また、上記した実施の形態では、粘着層13に対する糊殺し加工として、糊殺し材をメッシュ状に印刷する処理を行っており、そのメッシュ状の糊殺しパターンの度合いを調整して粘着層13の粘着強度に強弱を付けているが、本発明は、他の方法で糊殺し加工を行うことも可能であり、例えばフィルムを貼着して糊殺しする方法などがある。また、糊殺しパターンの度合いを調整する方法以外にも粘着層13の粘着強度に強弱を付ける方法はあり、例えば、各領域部ごとに糊殺し材の種類(ニス、フィルム)を変えることで、粘着層13の粘着強度に強弱を付けることが可能である。また、剥がし口領域部52の部分には、予め粘着層13を形成しない方法も可能である。
また、上記した実施の形態では、剥がし口領域部52が、矩形状の摘み部52Aと、帯状の捲れ部52Bと、から構成されているが、本発明における剥がし口領域部の形状は、適宜変更可能である。例えば、上記した捲れ部52Bが省略された形状の剥がし口領域部52であってもよく、或いは、粘着ラベル5の隅角部を斜めに区画して形成された三角形状の剥がし口領域部(摘み部)であってもよい。
また、上記した実施の形態では、剥がし口領域部52に、ラベル裏面側に凸の平面視円形の凹部52aを形成するエンボス加工を施しているが、本発明は、ラベル表面側に凸のエンボス加工であってもよく、また、平面視円形以外(例えば多角形)の凹部や凸部を形成するエンボス加工であってもよく、或いは、線状に延在する凹部や凸部を形成するエンボス加工であってもよい。
また、上記した実施の形態では、摘み部52Aのうち、ラベル幅方向の端部側の部分にのみエンボス加工が施されているが、本発明は、摘み部52A全体にエンボス加工が施されていてもよい。また、本発明は、剥がし口領域部52全体にエンボス加工が施されていてもよい。さらに、本発明は、剥がし口領域部52にエンボス加工が施されていない構成にすることも可能である。
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1 連結体
2 包装体
5 粘着ラベル
10 保護フィルム層
11 接着層
12 基材層
13 粘着層
15 紙層
16 ポリエチレン層
50 貼着領域部
51 ラベル切断領域部
52 剥がし口領域部

Claims (4)

  1. 少なくとも、基材層と、該基材層のラベル裏面側に積層された粘着層と、を備える粘着ラベルであって、
    前記基材層に、紙層と、該紙層のラベル裏面側に押し出しラミネートによって貼り合わせられたポリエチレン層と、が備えられ、
    該ポリエチレン層のラベル裏面側に前記粘着層が接着されていることを特徴とする粘着ラベル。
  2. 請求項1に記載の粘着ラベルにおいて、
    前記基材層のラベル表面側に、フィルム単体での端裂抵抗が120N以下の易裂性フィルムからなる保護フィルム層が積層されていることを特徴とする粘着ラベル。
  3. 請求項1または2に記載の粘着ラベルにおいて、
    外周部の一部分に、前記粘着層のラベル裏面側に糊殺し加工が施された剥がし口領域部が形成されており、
    該剥がし口領域部の少なくとも一部分にエンボス加工が施されていることを特徴とする粘着ラベル。
  4. 請求項1から3の何れか一項に記載の粘着ラベルにおいて、
    複数の包装体にそれぞれ貼着させて当該複数の包装体を連結させるための包装体連結用ラベルであり、
    前記包装体に貼着する複数の貼着領域部が、隣り合う包装体の境界部分に位置するラベル切断領域部を介して間欠的に配設されており、
    前記ラベル切断領域部の前記粘着層のラベル裏面側には糊殺し加工が施されており、
    前記ラベル切断領域部の粘着層の粘着強度が、前記貼着領域部の粘着層の粘着強度に比べて弱くなっていることを特徴とする粘着ラベル。
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