JP2012122119A - 電鋳体の製造方法 - Google Patents

電鋳体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2012122119A
JP2012122119A JP2010275955A JP2010275955A JP2012122119A JP 2012122119 A JP2012122119 A JP 2012122119A JP 2010275955 A JP2010275955 A JP 2010275955A JP 2010275955 A JP2010275955 A JP 2010275955A JP 2012122119 A JP2012122119 A JP 2012122119A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electroformed body
photoresist layer
forming step
electroformed
conductive film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010275955A
Other languages
English (en)
Inventor
Matsuo Kishi
松雄 岸
Mie Sato
未英 佐藤
Takashi Niwa
隆 新輪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Instruments Inc
Original Assignee
Seiko Instruments Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Instruments Inc filed Critical Seiko Instruments Inc
Priority to JP2010275955A priority Critical patent/JP2012122119A/ja
Publication of JP2012122119A publication Critical patent/JP2012122119A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】紫外線による露光で作製されるフォトレジストを用いた電鋳型において、微細性に優れると同時に厚み方向にテーパーが小さく、垂直度に優れるとともに、不要な部分に電鋳体を形成することなく、所望の形の電鋳体を容易に作製する電鋳型を提供する。
【解決手段】ガラス基板の一表面上に透明導電膜、遮光パターン7を形成し、ネガ型フォトレジスト8を裏面からの露光により開口部12を形成し、開口部に電鋳体を形成し、再度ネガ型フォトレジストを形成する工程以降の工程を繰り返すことにより、微細性、アスペクト比に優れた電鋳体を提供する。
【選択図】図3

Description

本発明は、電気めっき法による電鋳体を作製するために使用する電鋳型と電鋳体とその製造方法に関する。
電鋳法によれば、精密に加工された電鋳型と呼ばれる部材を用いることにより、非常に高い転写性を有する部材を製造することが出来る。特に近年、シリコンプロセスにより感光性材料を用いて電鋳型形状に加工するLIGA(Lithographie Galvanofomung Abformung)法によって電鋳型を製造し、合わせて微小な形状を有する部品や金型を製造することが提案されている(特許文献1参照)。
LIGA法による電鋳型の製造では、X線による露光方法と紫外線による露光方法が行われている。
X線による露光では、使用される波長が、使用するフォトレジストの厚みや線幅に対して、十分短い。そのため、X線による露光では、厚いフォトレジストに対して非常に高い解像度を有する電鋳型を提供できる。しかし、X線による露光は、X線源としてシンクロトロン放射装置など特殊で高額な設備を必要とするため、特殊な用途に限られている。
紫外線による露光法では、通常のフォトリソグラフィーに使用する設備で対応できる。しかし、使用する波長が比較的長いため、紫外線の拡散や干渉等の影響が現れるので解像度において十分でない。フォトレジストとフォトマスクとの間に間隙がある場合、この影響が著しく、特にフォトレジストが厚くなるとフォトレジストの表面に凹凸やウネリが生じやすくなる。そのため、この間隙が大きくなり、解像度に問題を来たす。例えば、厚い部品に対して、旨く解像しないことや、厚さ方向に対して、テーパーがつくという問題が生じている。
このような中、フォトレジストを利用して作製される電鋳型を利用して、複雑形状を有する機械式腕時計のムーブ部品等の微小な部品への応用がなされてきている。しかし、例えば、時計部品では、その適用は、歯車等比較的薄い部品に限られており、カナや受け部品といった比較的厚みを有する部品への適用は困難である。
これに対して、フォトレジストとフォトマスクとの間の間隙による解像度に対する影響を排除するために、透明基板の一面上に銅膜からなるパターンを形成し、さらに、この表面にネガ型フォトレジスト層を形成した後、銅膜からなるパターンをフォトマスクにおける遮光部として利用し、この表面とは反対側の面より露光することにより、銅膜パターン部のみが開口している電鋳型を作製し、電鋳体を作製する方法が提案されている(特許文献2参照)。
この方法によれば、フォトマスクの代替として形成された銅膜パターンがフォトレジスト層と一体化しているので、フォトレジストの厚み方向に対するテーパーがつきにくいという利点がある。しかし、所望とする電鋳パターンと電鋳を行うために必要な外部との電気的接続を開口された銅膜パターンを通して行うため、電鋳を行う際、この部分にも電鋳体が形成される。そのため、結果として、所望とする電鋳体と導通のため開口部に形成された電鋳体とが一体化したものとなるので、後加工で後者を除去することが必要であった。
また、同様に、透過型基板の一面に透過領域および遮光領域からなるパターンを形成し、その上にネガレジスト材料層を形成し、この一面とは反対面から露光し、現像することによりネガレジストの残部を第2透過領域とするとともに、ネガレジスト材料層の溝部に第2遮光領域となる埋め込み材を埋め込むことで、上記第2透過領域および上記第2遮光領域からなるパターン層を形成し、さらに新たなネガレジスト材料層を形成し、同様の操作を繰り返すことにより、透過領域と遮光領域からなるパターンを重ねて行く振幅型回折格子の製造方法が提案されている(特許文献3参照)。
この方法によれば、遮光領域がフォトマスクの代替として機能し、且つ、フォトレジスト層と一体化しているので、フォトレジストの厚み方向に対するテーパーがつきにくいという利点がある。さらに、順次、パターンを重ねて行くので遮光領域あるいは透過領域の基板設置面積に対する遮光領域あるいは透過領域の厚みの比率、すなわち、いわゆるフォトリソグラフィーで言うところのアスペクトを大きくすることができるという利点を併せ持っている。しかし、この方法においても、遮光領域に埋め込まれる埋め込み材を電鋳法で形成する場合、初期的に形成した遮光領域を構成する材料を利用して、外部と接続し、且つ、導通を取るための電極を兼用する必要がある。さらに、所望とする電鋳パターンと電鋳を行うために必要な外部との電気的接続を開口された導通層を形成する必要がある。そのため、電鋳を行う際、導通層の部分にも電鋳体が形成される。そのため、結果として、所望とする埋め込み部と導通層の部分が電鋳により一体化したものとなるので、所望とする埋め込み部のみを取り出す場合、後加工で分離する必要があった。
特開平11−15126号公報 特開平11−61477号公報 特開2009−282322号公報
本発明は、上記事情に鑑みて成されたものであり、紫外線による露光で作製されるフォトレジストを用いた電鋳型において、微細性に優れると同時に厚み方向にテーパーが小さく、垂直度に優れるとともに、不要な部分に電鋳体を形成することなく、所望の形の電鋳体を容易に作製する電鋳型を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明に係る電鋳体の製造方法は、導電性を有し、かつ紫外線に対して透過性を有する導電膜を、紫外線を透過する基板上に形成する導電膜形成工程と、前記導電膜上の一部に金属膜を形成する金属膜形成工程と、前記導電膜上及び前記金属膜上に第1のフォトレジスト層を形成する第1のフォトレジスト層形成工程と、前記基板の前記導電膜を形成した面と反対の面より紫外線による露光を行う第1の露光工程と、前記第1のフォトレジスト層を現像して、前記金属膜上に第1の貫通孔を形成する第1の貫通孔形成工程と、前記金属膜上に第1の電鋳体を形成する第1の電鋳体形成工程と、前記第1のフォトレジスト層上及び前記第1の電鋳体上に第2のフォトレジスト層を形成する第2のフォトレジスト層形成工程と、前記基板の前記導電膜を形成した面と反対の面より紫外線による露光を行う第2の露光工程と、前記第2のフォトレジスト層を現像して、前記第1の電鋳体上に第2の貫通孔を形成する第2の貫通孔形成工程と、前記第1の電鋳体上に第2の電鋳体を形成し、前記第1の電鋳体と前記第2の電鋳体とを一体化する第2の電鋳体形成工程と、を備えることを特徴とする。
この電鋳体の製造方法によれば、導電膜および金属膜からなる遮光パターンを介して電流を供給することにより、遮光パターンと同形状の開口部に電鋳を行うので、優れた転写性を有する電鋳体となる。さらに、第2のフォトレジスト層を形成し、第1の電鋳体をフォトマスクとして、反対面からの露光と現像、さらに電鋳を行うことを繰り返すことにより、露光時に第1の電鋳体と第2のフォトレジスト層の間に空間を作らないので、解像度や垂直性に優れた開口パターンを得ることがでると同時に、精度が高く肉厚の電鋳体も形成することができる。
また、本発明に係る電鋳体の製造方法は、前記第2のフォトレジスト形成工程において、前記第1のフォトレジスト層と前記第2のフォトレジスト層との合計の厚さは、前記第1の貫通孔の幅に対して5倍以上に形成されるとともに、前記第2の貫通孔形成工程において、前記第2の貫通孔側の側面が平坦面で形成されることを特徴とする。
この電鋳体の製造方法によれば、第2のフォトレジスト層を形成し、第1の電鋳体をフォトマスクとして、反対面からの露光と現像、さらに電鋳を行うことを繰り返すことにより、露光時に第1の電鋳体と第2のフォトレジスト層の間に空間を作らないので、解像度や垂直性に優れた開口パターンを得ることがでると同時に、精度が高く肉厚の電鋳体も形成することができる。
また、本発明に係る電鋳体の製造方法は、前記第2の電鋳体形成工程後、さらに前記第2のフォトレジスト層形成工程から前記第2の電鋳体形成工程までを1回以上繰り返す工程を備えることを特徴とする。
この工程を繰り返し行った場合、第2の電鋳体形成工程で形成された第2の電鋳体と次の第2のフォトレジスト層形成工程で形成される第2のフォトレジストとの間はほとんど間隙がない。そのため、さらに電鋳体を厚くしても、第2の貫通孔側の側面は平坦面を保つことができる。
また、本発明に係る電鋳体の製造方法は、最後の前記第2の電鋳体形成工程後、前記第1のフォトレジスト層及び前記第2のフォトレジスト層を除去し、一体化した前記第1の電鋳体及び前記第2の電鋳体を前記導電膜から剥離する剥離工程を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る電鋳体の製造方法は、前記導電膜形成工程において、前記導電膜がインジウムとスズの酸化物から構成される透明導電膜で形成されることを特徴とする。
この電鋳体の製造方法は、紫外線に対して透過性を有する膜として、透過性および導電性に優れ、かつ、容易に形成することができるインジウムとスズの酸化物から構成される透明導電膜を用いるので、導電性、透過性に優れた膜となる。これにより、フォトレジストの露光を効率高く行うことができる。さらに、電鋳時における導通を容易且つ安定的に行うことができるので、精度に優れた電鋳型と電鋳体を提供することが出来る。
この発明によれば、解像度が高く、基板に対して垂直性が良い電鋳型を作製することができるので、微細で、テーパーが小さい、厚みある電鋳体の提供が可能となる。
本発明の実施形態により作製した電鋳体である時計用歯車のカナを示す図である。 本発明の実施形態に係る電鋳体の製造方法のうち、導電膜形成工程と、金属膜形成工程とを示す説明図である。 本発明の実施形態に係る電鋳体の製造方法のうち、第1のフォトレジスト層形成工程と、第1の露光工程と、第1の貫通孔工程とを示す説明図である。 本発明の実施形態に係る電鋳体の製造方法のうち、第1の電鋳体形成工程と、第2のフォトレジスト層形成工程とを示す説明図である。 本発明の実施形態に係る電鋳体の製造方法のうち、第2の露光する工程と、第2の貫通孔形成工程とを示す説明図である。 本発明の実施形態に係る電鋳体の製造方法のうち、第2の電鋳体形成工程を示す説明図である。 本発明の実施形態により作製した電鋳体である時計用歯車のカナを示す図である。
本発明に係る第1の実施形態について、図1から図7を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態により作製される電鋳体のである腕時計ムーブを構成する厚み500μm、歯車外径1500μm、歯車内径約100μmのカナ1と呼ばれる歯車の上面および縦断面を示す図である。
図1(a)はカナ1の上面図を示す図であり、図1(b)は図1(a)に示すAA’線の断面を示す図である。
次に、本実施形態により作製される電鋳体であるカナ1を製造する方法について説明する。
図2(a)は、紫外線を透過する基板2上に導電性を有し、かつ紫外線に対して透過性を有する導電膜3を形成する導電膜形成工程を示す図である。この工程では、基板2上に導電膜3を形成する。基板2は、例えば、ソーダガラス、無アルカリガラス、無機ガラスなどのガラスなどで形成されている。基板2の厚さは、約0.4mmで形成されている。また、アクリルやポリカーボなどの透明なプラスチックや、石英やサファイアなどの透明なセラミックなどでも形成することができる。導電膜3は、例えば、酸化インジウムと酸化スズからなるITО膜、酸化インジウムなどの透明導電膜を用いる。導電膜3はスパッタリング法などで形成する。また、導電膜3の厚さは、100Å〜10μmで形成する。100Å以下の場合、必要な導電率が得られない。また、10μm以上の場合、透過率が低下する問題が起きる。さらに、好ましくは、数百〜数千Åの厚さで形成する。
この工程において、基板2にソーダガラスを用いて、導電膜3としてITO膜を1000Åの厚さで形成した場合、紫外線の透過率は、基板2及び導電膜3を含めた値で65%であり、表面電気抵抗は13Ω/□である。なお、紫外線の透過率及び表面電気抵抗は、基板2及び導電膜3の材質、膜厚や、電鋳を行う面積によって調整することができる。
図2(b)は、導電膜3上にポジ型フォトレジスト4をコートする工程を示す図である。このとき、ポジ型フォトレジスト4の厚さは約0.5μmである。
図2(c)は、フォトリソグラフィー法により所望とするパターンとなるようにポジ型フォトレジスト4に開口部5を形成する工程を示す図である。この開口部5の幅は、50〜100μmである。
図2(d)は、開口部5に電気めっき法により、金属膜6を形成する工程を示す図である。このとき、金属膜6は、約0.1μmのニッケル層と約0.05μmの金層とで構成される積層となっている。なお、金属膜6としては、例えばクロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、シリコン、タングステン、モリブデン、またはこれらの金属のいずれかを含む合金などを用いることができる。
図2(e)は、ポジ型フォトレジスト4を除去する工程を示す図である。この工程では、ポジ型フォトレジスト4をエッチングにより除去する。これにより、導電膜3上の一部に金属膜6を形成することができる。この金属膜6は遮光パターンとして用いられる。なお、金属膜6をスパッタリング法でポジ型フォトレジスト4上にも形成した場合、ポジ型フォトレジスト4を除去することで、ポジ型フォトレジスト4上の金属膜6を除去することができる。
図3(a)は、導電膜3上及び金属膜上に第1のフォトレジスト層8を形成する第1のフォトレジスト層形成工程を示す図である。この工程では、例えばエポキシ系の化学増幅型のネガ型フォトレジストをスピンコートによりコートする。その後、加熱により溶剤成分を蒸発することにより約300μmの厚みを有する第1のフォトレジスト層8を形成する。なお、化学増幅型のフォトレジストを用いない場合、加熱する必要がなくなる。
図3(b)は、基板2の導電膜3を形成した面と反対の面より紫外線による露光を行う第1の露光工程を示す図である。この工程において、基板2の導電膜3を形成した面と反対の面より、露光装置により十分平行度がある紫外線光9を照射する。さらに、露光による硬化を増幅させるために、全体を加熱する。
図3(c)は、露光後の第1のフォトレジスト層8を示す図である。露光工程により、第1のフォトレジスト層8に硬化部10と金属膜6により遮光される未硬化部11とが形成される。
図3(d)は、第1のフォトレジスト層8を現像して、第1のフォトレジスト層8のうち金属膜上の部分に第1の貫通孔12を形成する貫通孔形成工程を示す図である。第1のフォトレジスト層8を現像する工程では、露光と加熱により硬化部10と未硬化部11が形成された基板2を現像液にて現像を行うことにより、未硬化部18を除去する。これにより、第1のフォトレジスト層8のうち金属膜6上に第1の貫通孔12を形成し、電鋳型13が形成される。この第1の貫通孔12は、幅が約50〜100μmで形成されている。
このようにして作製される電鋳型13の硬化部10の表面は、第1のフォトレジスト層8のコート時に生じる膜厚分布により若干凹凸を有しているものであるが、通常のフォトマスクを使用した場合に生じるこの凹凸により形成されるフォトマスクとフォトレジストとの間の間隙による露光光の屈折、散乱、回折といった光の直進性を失わせる現象が小さいため、非常に解像度が高いのと同時に第1の貫通孔12の垂直性も極めて良くなる。
さらに、第1のフォトレジスト層8を通過した紫外線光9は、反射等による戻りが無いため、通常用いられる金属表面を有する基板で生じる反射による第1のフォトレジスト層への影響が無いので寸法への影響がないと同時に露光量の計算も容易に行える。
図4(a)は、金属膜上に第1の電鋳体を形成する第1の電鋳体形成工程を示す図である。この工程では、導電膜3に電流を供給し、金属膜6まで通電することにより、電鋳型13の第1の貫通孔12内に、ニッケル電鋳を行い、第1の電鋳体14を形成する。
図4(b)は、第1のフォトレジスト層8の硬化部10上及び第1の電鋳体14上に第2のフォトレジスト層15を形成する第2のフォトレジスト層形成工程を示す図である。この工程では、第1のフォトレジスト層8と同じ材質からなるネガ型フォトレジストにより第2のフォトレジスト層15を約300μmの厚さに形成する。
図5(a)は、第1の露光工程と同様の工程であり、基板2の導電膜3を形成した面と反対の面より紫外線による露光を行う露光工程を示す図である。この工程において、基板2の導電膜3を形成した面と反対の面より、露光装置により十分平行度がある紫外線光16を照射する。さらに、露光による硬化を増幅させるために、全体を加熱する。
図5(b)は、露光後の第2のフォトレジスト層15を示す図である。露光工程により、第2のフォトレジスト層15に硬化部17と第1の電鋳体14により遮光される未硬化部18とが形成される。
図5(c)は、第2のフォトレジスト層15を現像して、第2のフォトレジスト層15のうち金属膜上の部分に第2の貫通孔19を形成する第2の貫通孔形成工程を示す図である。第2のフォトレジスト層15を現像する工程では、露光と加熱により硬化部17と未硬化部18が形成された基板2を現像液にて現像を行うことにより、未硬化部18を除去する。これにより、第2のフォトレジスト層15のうち、第1の電鋳体14上に第2の貫通孔19を形成し、電鋳型20が形成される。このとき、第1のフォトレジスト層と前記第2のフォトレジスト層との合計の厚さは、第1の貫通孔の幅に対して5倍以上に形成されているが、本実施例では、第2の貫通孔側の側面を平坦面で形成することができる。
このようにして作製される電鋳型20は、金属膜6とその上に形成された第1の電鋳体14が遮光パターンとなるので、電鋳型13を作製したときと同様、通常のフォトマスクを使用した場合に生じるフォトレジスト表面の凹凸により形成されるフォトマスクとフォトレジストとの間の間隙による露光光の屈折、散乱、回折といった光の直進性を失わせる現象が小さいため、非常に解像度が高いのと同時に第2の貫通孔19の垂直性も極めて良くなる。
さらに、露光に際しては、第2の型フォトレジスト層15を通過した紫外線光16は、反射等による戻りが無いため、通常用いられる金属表面を有する基板で生じる反射によるフォトレジスト層への影響が無いので寸法への影響がないと同時に露光量の計算も容易に行える。
図4(a)は、第1の電鋳体14上に第2の電鋳体21を形成し、第1の電鋳体14と第2の電鋳体21とを一体化する第2の電鋳体形成工程を示す図である。この工程では、電鋳型20の第2の貫通孔19内に、ニッケル電鋳を行い、第2の電鋳体21を形成する。
このとき、第2の電鋳体21は第1の電鋳体14と密着した状態となるので、実質的に一体化したものとなる。
その後、電鋳体21のカナ1としての全体の厚み調整と表面の平坦度、平行度を出すために、研削と研磨を行う。さらに、第1のフォトレジスト層8及び第2のフォトレジスト層15を除去する。さらに、金属膜6と第1の電鋳体14との界面で第1の電鋳体14を金属膜6を構成するニッケル層表面に形成された酸化層による密着力の低下を利用することにより引き剥がし、カナ7を得る。なお、第1の電鋳体14及び第2の電鋳体21を導電膜3の界面で剥離してもよい。このとき、金属膜6は、第1の電鋳体14と一体となっている。この場合、研磨等により、金属膜6を第1の電鋳体から除去してもよい。
図7は、作製されたカナ1を示す図である。図7(a)はカナ1の上面図を示す図であり、図7(b)は図7(a)に示すAA’線の断面図を示す図である。以上の工程により、カナ1を作成することができる。本実施例では、作成されたカナ1の厚さが第1の貫通孔12の幅より5倍以上で、カナ1における第2の貫通孔19側に形成された側面が平坦面で構成されるカナ1を形成ことができる。
すなわち、このようにして作製されたカナ1は、フォトレジストと遮光パターンとの間がほとんどないため、フォトレジストが厚くても、フォトレジストの表面に凹凸やウネリが生じない。そのため、カナ1の断面方向における垂直度は非常に高いものであり、腕時計ムーブ部品として十分使用できるものである。
なお、本実施形態では、ネガ型フォトレジストとして化学増幅型のものを使用したが、電鋳型として使用できる厚膜タイプのネガ型フォトレジストであれば、限定されるものではない。
また、本発明の電鋳型を用いて、カナ、回転錘、歯車、がんぎ車、アンクル、てんわなどの時計部品を形成することが可能である。また、時計部品に限らず、微細部品や精密部品を形成することができる。
また、第2の電鋳体形成後、さらに第2のフォトレジスト層形成工程から第2の電鋳体形成工程までを1回以上繰り返すことができる。これにより、さらに電鋳体の厚さを厚く形成することができる。この工程を繰り返し行った場合、第2の電鋳体形成工程で形成された第2の電鋳体と次の第2のフォトレジスト層形成工程で形成される第2のフォトレジストとの間はほとんど間隙がない。そのため、さらに電鋳体を厚くしても、第2の貫通孔側の側面は平坦面を保つことができる。
また、この際、最後の第2の電鋳体形成工程後、第1のフォトレジスト層8及び全ての第2のフォトレジスト層15を除去し、一体化した第1の電鋳体及び全ての第2の電鋳体を導電膜から剥離する剥離工程を行う。
また、本実施形態では、ニッケル電鋳による時計部品について記載したが、電鋳材料および対象とする電鋳部品も限定されるものではない。本発明に係わる電鋳体の製造方法によれば、例えば、電鋳材料として、金のような原子番号が大きく、且つ、密度が大きなものを用いることにより、X線に対する振幅型回折格子の製造にも用いることが出来る。X線を吸収する電鋳体に、金のような原子量の大きいものを用いることにより、確実にX線を吸収することができる。
さらに、電鋳を行う開口部とネガ型フォトレジストの厚みの比を適宜調整し、工程の繰り返し数を調整することにより、X線、特にシンクロトロン放射によるX線を用いたフォトリソグラフィーに用いるフォトマスクの作製にも適用できる。通常、X線による露光用マスクは、X線に対して透過性が高い材料であるカーボン、シリコン、窒化ケイ素、ガラス等を用い、X線を吸収する厚さ10μm以上の厚みを有する金電鋳パターンによるX線の遮光を行っている。この金電鋳パターンは、通常の紫外線によるフォトリソグラフィーによる電鋳型の形成と金電鋳によるため、この電鋳型の開口部の幅に対する開口部の高さの比には限界があるため、微細化度や精度に大きな問題があるが、本発明に係わる電鋳体の製造方法によれば、容易に微細化と精度の向上を進めることが可能になる。
以上、本発明による電鋳型およびその製造方法によれば、微細性に優れ、且つ、垂直性が高い電鋳型と電鋳体を提供することが出来ので、微細な機械部品だけでなく、高精度を要求される産業用部材の製造にも適用できる。
1 カナ
2 基板
3 導電膜
4 ポジ型フォトレジスト
5 開口部
6 金属膜
8 第1のフォトレジスト層
9、16 紫外線光
10、17 硬化部
11、18 未硬化部
12 第1の貫通孔
13、20 電鋳型
14 第1の電鋳体
15 第2のフォトレジスト層
19 第2の貫通孔
21 第2の電鋳体

Claims (5)

  1. 導電性を有し、かつ紫外線に対して透過性を有する導電膜を、紫外線を透過する基板上に形成する導電膜形成工程と、
    前記導電膜上の一部に金属膜を形成する金属膜形成工程と、
    前記導電膜上及び前記金属膜上に第1のフォトレジスト層を形成する第1のフォトレジスト層形成工程と、
    前記基板の前記導電膜を形成した面と反対の面より紫外線による露光を行う第1の露光工程と、
    前記第1のフォトレジスト層を現像して、前記金属膜上に第1の貫通孔を形成する第1の貫通孔形成工程と、
    前記金属膜上に第1の電鋳体を形成する第1の電鋳体形成工程と、
    前記第1のフォトレジスト層上及び前記第1の電鋳体上に第2のフォトレジスト層を形成する第2のフォトレジスト層形成工程と、
    前記基板の前記導電膜を形成した面と反対の面より紫外線による露光を行う第2の露光工程と、
    前記第2のフォトレジスト層を現像して、前記第1の電鋳体上に第2の貫通孔を形成する第2の貫通孔形成工程と、
    前記第1の電鋳体上に第2の電鋳体を形成する第2の電鋳体形成工程と、
    を備えることを特徴とする電鋳体の製造方法。
  2. 前記第2のフォトレジスト層形成工程において、前記第1のフォトレジスト層及び前記第2のフォトレジスト層の厚さの合計は、前記第1の貫通孔の幅に対して5倍以上に形成されるとともに、
    前記第2の貫通孔形成工程において、前記第2のフォトレジスト層の前記第2の貫通孔側の側面が平坦面で形成されることを特徴とする請求項1に記載の電鋳体の製造方法。
  3. 前記第2の電鋳体形成工程後、さらに前記第2のフォトレジスト層形成工程から前記第2の電鋳体形成工程までを1回以上繰り返す工程を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電鋳体の製造方法。
  4. 最後の前記第2の電鋳体形成工程後、前記第1のフォトレジスト層及び前記第2のフォトレジスト層を除去し、前記第1の電鋳体及び前記第2の電鋳体を剥離する剥離工程を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電鋳体の製造方法。
  5. 前記導電膜形成工程において、前記導電膜がインジウムとスズの酸化物から構成される透明導電膜で形成されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電鋳体の製造方法。
JP2010275955A 2010-12-10 2010-12-10 電鋳体の製造方法 Pending JP2012122119A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010275955A JP2012122119A (ja) 2010-12-10 2010-12-10 電鋳体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010275955A JP2012122119A (ja) 2010-12-10 2010-12-10 電鋳体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012122119A true JP2012122119A (ja) 2012-06-28

Family

ID=46503877

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010275955A Pending JP2012122119A (ja) 2010-12-10 2010-12-10 電鋳体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012122119A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111370854A (zh) * 2020-03-03 2020-07-03 安徽精卓光显技术有限责任公司 天线及其制作方法、电子设备

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55164831A (en) * 1979-06-08 1980-12-22 Chiyou Lsi Gijutsu Kenkyu Kumiai Preparation of self-supporting type metallic mask
JPS619592A (ja) * 1984-04-30 1986-01-17 ピ−ピ−ジ−・インダストリ−ズ・インコ−ポレ−テツド 電鋳マンドレルを用いた電鋳方法
JPH1034870A (ja) * 1996-07-24 1998-02-10 Kyushu Hitachi Maxell Ltd 電鋳製品の製造方法
JPH1161477A (ja) * 1997-08-21 1999-03-05 Citizen Watch Co Ltd 微細電鋳部品の製造方法
JPH11138827A (ja) * 1997-11-10 1999-05-25 Citizen Watch Co Ltd 微細部品の製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55164831A (en) * 1979-06-08 1980-12-22 Chiyou Lsi Gijutsu Kenkyu Kumiai Preparation of self-supporting type metallic mask
JPS619592A (ja) * 1984-04-30 1986-01-17 ピ−ピ−ジ−・インダストリ−ズ・インコ−ポレ−テツド 電鋳マンドレルを用いた電鋳方法
JPH1034870A (ja) * 1996-07-24 1998-02-10 Kyushu Hitachi Maxell Ltd 電鋳製品の製造方法
JPH1161477A (ja) * 1997-08-21 1999-03-05 Citizen Watch Co Ltd 微細電鋳部品の製造方法
JPH11138827A (ja) * 1997-11-10 1999-05-25 Citizen Watch Co Ltd 微細部品の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111370854A (zh) * 2020-03-03 2020-07-03 安徽精卓光显技术有限责任公司 天线及其制作方法、电子设备
CN111370854B (zh) * 2020-03-03 2023-10-20 安徽精卓光显技术有限责任公司 天线及其制作方法、电子设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101154035B (zh) 细微模具和使细微模具再生的方法
TWI819878B (zh) 光罩基底、轉印用光罩之製造方法、反射型光罩之製造方法、壓印模具之製造方法、及半導體裝置之製造方法
CN1672098B (zh) 形成和修正具有间隙缺陷的光刻版的方法
KR101287708B1 (ko) 다계조 포토마스크, 포토마스크 블랭크, 다계조 포토마스크의 제조 방법, 및 패턴 전사 방법
JP2021095631A (ja) 計時部品を製造するための方法およびこの方法によって得られる部品
JP2000199968A (ja) 多層レジスト構造およびこれを用いた3次元微細構造の作製方法
JP2009127105A (ja) 電鋳部品の製造方法
JPS62202518A (ja) X線露光用マスク
JP2012122119A (ja) 電鋳体の製造方法
JP2015169803A (ja) マスク及びパターン形成方法
JP2009000914A (ja) マスクの製造方法及びマスク
JP5485754B2 (ja) 電鋳型とその製造方法
JP5646191B2 (ja) 電鋳型とその製造方法
JP2019168729A (ja) マスクブランク、転写用マスク、及び半導体デバイスの製造方法
JP5597119B2 (ja) 電鋳型の製造方法
JP5646192B2 (ja) 電鋳型とその製造方法
KR20090006703A (ko) 고종횡비 미세구조물 제조방법
JP2006305800A (ja) 成形用型、及び樹脂成形体の製造方法
JPH0943829A (ja) マスク、これを用いた露光装置やデバイス生産方法
JP2004255680A (ja) 微細金型及びその製造方法
JP2008171901A (ja) 配線基板の製造方法
JP3638440B2 (ja) X線マスクおよびこの製造方法
KR20170027380A (ko) 배선전극을 가지는 투명전극의 제조방법
JP5187524B2 (ja) フォトマスク基板の作製方法
JP4402568B2 (ja) X線マスクおよびこの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131010

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140305

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140401

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140528

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150106