JP5597119B2 - 電鋳型の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電気めっき法による電鋳体を作製するために使用する電鋳型の製造方法に関する。
電鋳法によれば、精密に加工された電鋳型と呼ばれる部材を用いることにより、非常に高い転写性を有する部材を製造することが出来る。特に近年、シリコンプロセスにより感光性材料を用いて電鋳型形状に加工するLIGA(Lithographie Galvanofomung Abformung)法によって電鋳型を製造し、合わせて微小な形状を有する部品や金型を製造することが提案されている(特許文献1参照)。
LIGA法による電鋳型の製造では、X線による露光方法と紫外線による露光方法が行われている。
X線による露光では、使用される波長が、使用するフォトレジストの厚みや線幅に対して、十分短い。そのため、X線による露光では、厚いフォトレジストに対して非常に高い解像度を有する電鋳型を提供できる。しかし、X線による露光は、X線源としてシンクロトロン放射装置など特殊で高額な設備を必要とするため、特殊な用途に限られている。
紫外線による露光法では、通常のフォトリソグラフィーに使用する設備で対応できる。しかし、使用する波長が比較的長いため、紫外線の拡散や干渉等の影響が現れるので解像度において十分でない。フォトレジストとフォトマスクとの間に間隙がある場合、この影響が著しく、特にフォトレジストが厚くなるとフォトレジストの表面に凹凸やウネリが生じやすくなる。そのため、この間隙が大きくなり、解像度に問題を来たす。例えば、厚い部品に対して、旨く解像しないことや、厚さ方向に対して、テーパーがつくという問題が生じている。
また、フォトリソグラフィーによって形成した段差がある電鋳型を用いて、電鋳型の開口部の底部から電鋳を開始し、その後段差部に達すると、段差平面方向と厚み方向とにほぼ等方的に成長して行く。そのため、所望とする厚みに電鋳を形成するには、電鋳体の成長先端が段差部を完全に覆うまで電鋳を行う必要がある。そのため、所望とする厚みに加えて、開口部の底部の長さに相当する分についても電鋳を行う必要があった。
この問題を解決するため、開口部の底面に電極を設けることが考案されている(特許文献2および特許文献3参照)。これにより、段差部まで電鋳が進むと、この電極において電鋳の成長が厚さ方向にも開始する。そのため、電鋳時間を大幅に短縮することが出来るようになった。しかし、このような場合でも、フォトレジストとフォトマスクとの間に間隙がある場合、この影響が著しく、特にフォトレジストが厚くなるとフォトレジストの表面に凹凸やウネリが生じやすくなる。そのため、この間隙が大きくなり、解像度に問題を来たす。
このような中、段差を有し、且つ、厚みの厚い電鋳部品の製造を行うことが望まれているが、上記のごとく、厚さ方向にテーパーがつくという問題が残されており、幅広い応用が困難であった。
特開平11−15126号公報 特開2007−46147号公報 国際公開第2008/18261号
本発明は、上記事情に鑑みて成されたものであり、紫外線による露光で作製されるフォトレジストを用いた電鋳型において、段差を有し、微細性に優れると同時に厚み方向に垂直度に優れたものとする電鋳型を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明に係る電鋳型は、基板と、前記基板上に形成された第1の金属膜及びフォトレジスト層と、を備える電鋳型であって、前記基板は、紫外線に対して透過性を有し、前記フォトレジスト層は、前記基板上から前記第1の金属膜上の一部まで形成されるとともに、前記フォトレジスト層の前記基板上に形成された部分の厚さは、前記第1の金属膜と前記フォトレジスト層の前記第1の金属膜上に形成された部分との厚さの合計より厚く形成され、前記フォトレジスト層の前記第1の金属膜上に形成された部分の前記第1の金属膜に接する面と反対の面上に第2の金属膜が形成され、前記基板と前記第1の金属膜及び前記フォトレジスト層との間に、導電性を有し、かつ紫外線に対して透過性を有する導電膜が形成されることを特徴とする。
この電鋳型は、フォトリソグラフィーにより作製される段差を有する電鋳型であって、この段差部に電極が設けられており、基板とフォトレジストとの間に設けられた導電性を有し紫外線に対して透過性を有する膜を通して、電鋳型開口部の底部に形成された金属膜へ通電することにより、電鋳体を成長させ、その成長端が段差部に至ると段差部に設けられた電極へ通電が起こり、この電極からも電鋳体が成長するようになっているので、効率よく電鋳体を提供することが出来る。
また、導電膜6を電鋳時の電極として機能させているため、外部と電気的に接続するために別途貫通孔等を形成して、貫通孔内に電極として機能する金属膜等を形成する必要がない。これにより、本発明では、所望の電鋳体のみを形成することができる。
また、本発明に係わる電鋳型の製造方法は、導電性を有し、かつ紫外線に対して透過性を有する導電膜を、紫外線を透過する基板上に形成する導電膜形成工程と、前記導電膜の前記基板に接する面と反対の面上の一部に第1の金属膜を形成する第1の金属膜形成工程と、前記導電膜の前記基板に接する面と反対の面上及び前記第1の金属膜の前記導電膜に接する面と反対の面上に第1のフォトレジスト層を形成する第1のフォトレジスト層形成工程と、前記第1の金属膜の前記導電膜に接する面と反対の面上の一部に形成された前記第1のフォトレジスト層を露光する第1の露光工程と、前記第1のフォトレジスト層の露光された部分の前記第1の金属膜に接する面と反対の面上に第2の金属膜を形成する第2の金属膜形成工程と、前記第1のフォトレジスト層の前記導電膜及び前記第1の金属膜に接する面と反対の面上と、前記第2の金属膜の前記第1のフォトレジスト層に接する面と反対の面上とに第2のフォトレジスト層を形成する第2のフォトレジスト層形成工程と、前記基板の前記導電膜を形成した面と反対の面から紫外線による露光を行う第2の露光工程と、前記第1のフォトレジスト層及び前記第2のフォトレジスト層を現像する現像工程と、を備えることを特徴とする。
この電鋳型の製造方法は、フォトレジストを用いるフォトリソグラフィーにより作製される段差を有する電鋳型の製造方法であって、段差部に電極を形成し、紫外線に対して透過性を有する基板と導電性を有し紫外線に対して透過性を有する膜の上に、電鋳型の開口部の底部となる部分に金属膜を形成し、この金属膜をフォトマスクとして裏面より露光し、現像を行う工程を有しているので、段差部に電極を有し、且つ、フォトマスクとフォトレジストとの間に隙間がない状態で露光を行うので、寸法精度および厚み方向におけるテーパーがない等優れた電鋳型を提供する。
この発明によれば、段差を有し、微細性に優れると同時に厚み方向に垂直度に優れた電鋳体を提供することが可能となる。
本発明に係る機械式腕時計部品の一つであるアンクルを示す図である。 本発明に係る電鋳型を示す図である。 本発明に係る電鋳型の製造方法のうち、紫外線を透過する基板の一表面に導電性を有し紫外線に対して透過性を有する膜を形成する工程と、第一の金属膜を形成する工程を示す図である。 本発明に係る電鋳型の作製方法のうち、第一のネガ型フォトレジスト層を形成する工程と、第二のパターンを有するフォトマスクにより露光する第一の露光工程とを示す説明図である。 本発明に係る電鋳型の製造方法のうち、第三のパターンを有する第二の金属膜を形成する工程を示す説明図である。 本発明に係る電鋳型の製造方法のうち、第二のネガ型フォトレジスト層を形成する工程を示す説明図である。 本発明に係る電鋳型の作製方法のうち、一表面とは反対の表面から露光する第二の露光工程と、ネガ型フォトレジスト層のうち未露光部を除去する現像工程を示す説明図である。 本発明に係る電鋳型の製造方法により作製された電鋳型を用いて、電鋳を行う際の電鋳体の成長過程を示す説明図である。 本発明に係る電鋳型の製造方法により作製された電鋳型を用いて、電鋳体を作製したのち、電鋳型から電鋳体を分離したものを示す説明図である。
本発明に係る実施形態について、図1から図9を参照して説明する。
図1は、本発明に係る電鋳型により作製される機械式腕時計部品の一つであるアンクルを示す図であり、図1(a)は上面図であり、図1(b)は図1(a)に示すAA線の断面方向から見たアンクルを示す図である。
図1に示したようにアンクル1は、電鋳体の端部を構成する電鋳部3と、電鋳部3より厚い厚さに形成された電鋳部2と、電鋳部2に形成された穴4を有している。すなわち、電鋳部3と電鋳部2との間に段差を有する。
このような構造からなるアンクル1を作製する本発明に係る電鋳型を図2から図9を参照にして説明する。
図2は、本発明に係る電鋳型の断面を示す図である。
図2において、電鋳型23は、紫外線に対して透過性を有する基板5と、基板5上に形成された第1の金属膜9及びフォトレジスト層22と、を備えている。また、基板5と第1の金属膜6及びフォトレジスト層22との間には、導電性を有し、かつ紫外線に対して透過性を有する導電膜6が形成されている。また、フォトレジスト層22は、導電膜6上から第1の金属膜9上の一部まで形成されている。また、フォトレジスト22の第1の金属膜9上に形成された部分の第1の金属膜に接する面と反対の面上には、第2の金属膜15が形成されている。第2の金属膜15は、当該面上の一部又は全部に形成されていてもよい。
また、フォトレジスト層22の導電膜6上に形成された部分の厚さは、第1の金属膜9とフォトレジスト層22の第1の金属膜9上に形成された部分との厚さの合計より厚く形成されている。なお、図2に示すように、フォトレジスト層22は、第1の金属膜9上の所望する部分に形成されればよく、形成されない部分があってもよい。
すなわち、電鋳型23は、基板5と、基板5上に形成された第1の金属膜9及びフォトレジスト層22と、を備える電鋳型23であって、基板5は、紫外線に対して透過性を有し、フォトレジスト層22は、基板5上から第1の金属膜9上の一部まで形成されるとともに、フォトレジスト層22の基板5上に形成された部分の厚さは、第1の金属膜9とフォトレジスト層22の第1の金属膜9上に形成された部分との厚さの合計より厚く形成され、フォトレジスト層22の第1の金属膜9上に形成された部分の第1の金属膜9に接する面と反対の面上に第2の金属膜15が形成され、基板5と第1の金属膜9及びフォトレジスト層22との間に、導電性を有し、かつ紫外線に対して透過性を有する導電膜が形成される。
図2に示す電鋳型の製造方法を図3から図9を用いて説明する。
図3は、導電性を有し、かつ紫外線に対して透過性を有する導電膜6を、紫外線を透過する基板5上に形成する導電膜形成工程と、導電膜6の基板5に接する面と反対の面上の一部に第1の金属膜9を形成する第1の金属膜形成工程とを示す図である。
図3(a)は、導電性を有し、かつ紫外線に対して透過性を有する導電膜6を、紫外線を透過する基板5上に形成する導電膜形成工程を示す図である。
図3(a)において、基板5は、例えば、ソーダガラス、無アルカリガラス、無機ガラスなどのガラスなどで形成されている。また、アクリルやポリカーボなどの透明なプラスチックや、石英やサファイアなどの透明なセラミックなどでも形成することができる。
導電膜6は、例えば、酸化インジウムと酸化スズからなるITО膜、酸化インジウムなどの透明導電膜を用いる。導電膜6はスパッタリング法などで形成する。また、導電膜6の厚さは、100Å〜10μmで形成する。100Å以下の場合、必要な導電率が得られない。また、10μm以上の場合、透過率が低下する問題が起きる。さらに、好ましくは、数百〜数千Åの厚さで形成する。
この工程において、基板5にソーダガラスを用いて、導電膜6としてITO膜を1000Åの厚さで形成した場合、紫外線の透過率は、基板5及び導電膜6を含めた値で65%であり、表面電気抵抗は13Ω/□である。なお、紫外線の透過率及び表面電気抵抗は、基板5及び導電膜6の材質、膜厚や、電鋳を行う面積によって調整することができる。
図3(b)は、導電膜6上に薄膜のポジ型フォトレジスト7を形成する工程を示す図である。
図3(c)は、フォトリソグラフィー法により所望とするパターンとなるようにポジ型フォトレジスト7に開口部8を形成する工程を示す図である。図3(c)において、ポジ型フォトレジスト層7を上方におかれた第1のパターンを有するフォトマスクを介して露光し、その後、現像することにより、所望とするパターンとなるように開口部8を形成する。
図3(d)は、開口部8に電気めっき法により、第1の金属膜9を形成する工程を示す図である。図3(d)において、例えば、第1の金属膜9は、ニッケル約0.1μmと金約0.05μmの積層からなる。なお、第1の金属膜9としては、電気めっき法により形成できるニッケル、銅、金、銀または、これらの金属の何れかを含む合金などを用いることが出来るだけでなく、蒸着、スパッタリングなど気相めっき法により形成される金属である、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、シリコン、タングステン、モリブデン、またはこれらの金属のいずれかを含む合金などを用いることができる。
図3(e)は、ポジ型フォトレジスト7を除去する工程を示す図である。この工程では、ポジ型フォトレジスト7をエッチングにより除去する。これにより、導電膜6の基板5に接する面と反対の面上の一部に第1の金属膜9を形成することができる。この第1の金属膜9は遮光膜として用いられる。なお、第1の金属膜9を気相めっき法でポジ型フォトレジスト7上にも形成した場合、ポジ型フォトレジスト7を除去することで、ポジ型フォトレジスト7上の第1の金属膜9を除去することができる。
図4は、導電膜6の基板5に接する面と反対の面上及び第1の金属膜9の導電膜6に接する面と反対の面上に第1のフォトレジスト層10を形成する第1のフォトレジスト層形成工程と、第1の金属膜9の導電膜6に接する面と反対の面上の一部に形成された第1のフォトレジスト層10を露光する第1の露光工程と、を示す図である。
図4(a)は、導電膜6の基板5に接する面と反対の面上及び第1の金属膜9の導電膜6に接する面と反対の面上に第1のフォトレジスト層10を形成する第1のフォトレジスト層形成工程を示す図である。波長380nm以下で感光性を有するエポキシ系の化学増幅型のネガ型フォトレジストをスピンコートによりコートした後、加熱により溶剤成分を蒸発することにより約70μmの厚みを有するネガ型の第1のフォトレジスト層10を形成する。
図4(b)は、第1の金属膜9の導電膜6に接する面と反対の面上の一部に形成された第1のフォトレジスト層10を露光する第1の露光工程を示す図である。図4(b)に示すように、第1のフォトレジスト層10の上方に第2のパターンを有する図示しないフォトマスクを配置し、第1のフォトレジスト層10の第1の金属膜9上に形成された一部を露光する。さらに、第1のフォトレジスト層10の硬化度を増幅させるために、部材全体を加熱することにより第1の硬化部11を形成する。
図5は、第1のフォトレジスト層10の露光された部分である第1の硬化部11の第1の金属膜9に接する面と反対の面上に第2の金属膜15を形成する第2の金属膜形成工程を示す図である。
図5(a)は、第1のフォトレジスト層10上に蒸着膜12を形成する工程を示す図である。この工程において、図示しない抵抗加熱方式の真空蒸着装置により、蒸着膜12を形成する。蒸着膜12は、例えば膜厚50Åのクロム、膜厚50Åの銅からなる積層に形成される。
図5(b)は、蒸着膜12上に、薄膜のポジ型フォトレジスト層13をスピンコートにより形成する工程を示す図である。
図5(c)は、ポジ型フォトレジスト層13の一部を露光する工程を示す図である。この工程において、ポジ型フォトレジスト層13の上方に配置された第3のパターンを有する図示しないフォトマスクを介してポジ型フォトレジスト層13を露光する。なお、この工程において、蒸着膜12があるため、第1のフォトレジスト層10は露光されない。
図5(d)は、ポジ型フォトレジスト層13を現像して、第3のパターンを有するポジ型フォトレジスト層14を形成する工程を示す図である。
図5(e)は、第1の硬化部11上に第2の金属膜15を形成する工程を示す図である。この工程において、蒸着膜12のうちポジ型フォトレジスト層14から露出した部分をエッチングする。さらに、ポジ型フォトレジスト層14を剥離することにより、第3のパターンを有する第2の金属膜15を形成する。
図6は、第1のフォトレジスト層10の導電膜6及び第1の金属膜9に接する面と反対の面上と、第2の金属膜15の第1のフォトレジスト層10に接する面と反対の面上とに第2のフォトレジスト層16を形成する第2のフォトレジスト層形成工程を示す図である。
図6(a)は、第1のフォトレジスト層10上及び第2の金属層15上に第2のフォトレジスト層を形成する工程を示す図である。この工程において、波長380nm以下で感光性を有するエポキシ系の化学増幅型のネガ型フォトレジストをスピンコートによりコートすることにより、ネガ型の第2のフォトレジスト層16を形成する。第2のフォトレジスト層16は、約110μmの厚さを有する。
また、図6(b)に示すように、加熱により溶剤成分を蒸発することにより、第1のフォトレジスト層10のうち未露光部と第2のフォトレジスト層16を一体化し、フォトレジスト層17を形成できる。ここで、フォトレジスト層17は約180μmの厚さを有する。
図7は、基板5の導電膜6を形成した面と反対の面から紫外線による露光を行う第2の露光工程と、第1のフォトレジスト層10及び第2のフォトレジスト層16、すなわちフォトレジスト層17及び硬化部11を現像する現像工程を示す図である。
図7(a)は、基板5の導電膜6を形成した面と反対の面から紫外線による露光を行う第2の露光工程を示す図である。図7(a)に示したように、第1の金属膜9をフォトマスクとして基板に対して垂直に紫外光18の照射を行うことができる。
図7(b)に示すように、露光部の硬化度を増幅させることにより、導電膜6上に第2の硬化部19を形成することができる。この工程において、部材全体を加熱することにより第2の硬化層19、未露光部20を形成する。
図7(c)は、第1のフォトレジスト層10及び第2のフォトレジスト層16を現像する現像工程である。フォトレジスト層17のうち未露光部を除去する現像工程では、紫外線が照射されず硬化しなかった未露光部20を現像液により除去する。これにより、基板5が、紫外線に対して透過性を有し、フォトレジスト層22が、基板5上から第1の金属膜9上の一部まで形成されるとともに、フォトレジスト層22の基板5上に形成された部分の厚さは、第1の金属膜9とフォトレジスト層22の第1の金属膜9上に形成された部分との厚さの合計より厚く形成され、フォトレジスト層22の第1の金属膜9上に形成された部分の第1の金属膜9に接する面と反対の面上に第2の金属膜15が形成され、基板5と第1の金属膜9及びフォトレジスト層22との間に、導電性を有し、かつ紫外線に対して透過性を有する導電膜が形成された電鋳型23を形成することができる。すなわち、第2の金属層15を有し、電鋳体が成長するべき開口部21と電鋳体の外形を決めることとなる型部22とを形成する電鋳型23を得ることができる。
このようにして作製される電鋳型23の第2の硬化層19の表面は、第2のフォトレジスト層16のコート時に生じる膜厚分布により若干凹凸を有している。この場合において本発明は、通常のフォトマスクを使用した場合に生じるこの凹凸により形成されるフォトマスクとフォトレジストとの間の間隙による露光光の屈折、散乱、回折といった光の直進性を失わせる現象が小さい。そのため、非常に解像度が高いのと同時に開口部21の垂直性も極めて良くなる。
また、導電膜6を電鋳時の電極として機能させることができる。そのため、外部と電気的に接続するために、電鋳型23の開口部21と一体化された貫通孔等を別途形成する必要がない。貫通孔を形成した場合、その部分にも電鋳体が形成されてしまい所望とする電鋳体と一体化してしまうため、この電鋳体を除去しなければならない。一方、本発明では、このような除去工程を行うことなく、所望の電鋳体を形成することができる。
また、第2のフォトレジスト層16を通過した紫外線光18は、反射等による戻りが無いため、通常用いられる金属表面を有する基板で生じる反射によるフォトレジスト層への影響が無い。そのため、寸法への影響がないと同時に露光量の計算も容易に行える。
さらに、第2のフォトレジスト層16の膜厚が、所望とする厚みと比べて厚くなった場合においても、裏面より露光するので、必要な厚みに対する露光量により、電鋳される厚さまでは正確に露光される。そのため、電鋳型としての精度を保つことが出来る。
また、フォトレジスト層22の第2の部分を、さらに複数の多段構造に形成することができる。すなわち、第2の金属膜15形成工程の後、第2のフォトレジスト層16形成工程前に、第1の硬化部11又は第2の金属膜15上にネガ型のフォトレジストで形成した新たな硬化部を形成する。この新たな硬化部は、第1の硬化部11の形成方法と同様である。その後、この新たな硬化部の第1の硬化部11又は第2の金属膜15に接する面と反対の面上に金属膜を形成する。また、この場合、新たな硬化部は第1の硬化部11と一体化しているため、両方の硬化部がフォトレジスト層の第2の部分を形成することになる。1回前の工程で形成した硬化部又は金属膜上に新たな硬化部を形成し、新たな硬化部上に新たな金属膜を形成する工程を繰り返すことにより、さらに複数の多段構造を形成することができる。
この場合においても、基板5と、基板5上に形成された第1の金属膜9及びフォトレジスト層22と、を備える電鋳型23であって、基板5は、紫外線に対して透過性を有し、フォトレジスト層22は、基板5上から第1の金属膜9上の一部まで形成されるとともに、フォトレジスト層22の基板5上に形成された部分の厚さは、第1の金属膜9とフォトレジスト層22の第1の金属膜9上に形成された部分との厚さの合計より厚く形成され、フォトレジスト層22の第1の金属膜9上に形成された部分の第1の金属膜9に接する面と反対の面上に第2の金属膜15が形成され、基板5と第1の金属膜9及びフォトレジスト層22との間に、導電性を有し、かつ紫外線に対して透過性を有する導電膜が形成された電鋳型23を形成している。
図8は、電鋳型23を用いてニッケル電鋳を行い、アンクル1などの電鋳体の図示しない電鋳液内での成長過程を示す図である。
図8(a)に示すように、導電膜6を通じて、外部より電力が供給され、電鋳液に接している第1の金属膜9よりニッケル電鋳体24の成長が始まる。
図8(b)に示すように、第2の金属膜15に到達し、第2の金属膜15上及び第1の金属層9上から成長する。
図8(c)に示すように、所望とする厚みまで電鋳体24を成長させ、電鋳は終了する。
形成した電鋳体24は、必要に応じて、表面を研磨され、電鋳型23から引き剥がされる。これにより、図9に示した電鋳体25、すなわち、アンクル1などの電鋳部品を得ることができる。
このようにして作製された電鋳体25であるアンクル1は、断面方向における垂直度は非常に高い。そのため、外形寸法等を含めた精度も機械加工で作製したものと比べ、格段と優れたものであり、機械式腕時計ムーブ部品として理想的なものである。
以上、本発明による電鋳型およびその製造方法によれば、段差を有し、微細性に優れると同時に厚み方向に垂直度に優れた電鋳部品を製造することが出来る。
1 アンクル
2 電鋳部
3 電鋳部
4 穴
5 基板
6 導電膜
7、13 ポジ型フォトレジスト層
8 開口部
9 第1の金属膜
10 第1のフォトレジスト層
11 第1の硬化部
12 蒸着膜
14 ポジ型フォトレジスト層
15 第2の金属膜
16 第2のフォトレジスト層
17 フォトレジスト層
18 紫外光
19 第2の硬化部
20 未露光部
21 開口部
22 型部
23 電鋳型
24、25 電鋳体

Claims (1)

  1. 導電性を有し、かつ紫外線に対して透過性を有する導電膜を、紫外線を透過する基板上に形成する導電膜形成工程と、
    前記導電膜の前記基板に接する面と反対の面上の一部に第1の金属膜を形成する第1の金属膜形成工程と、
    前記導電膜の前記基板に接する面と反対の面上及び前記第1の金属膜の前記導電膜に接する面と反対の面上に第1のフォトレジスト層を形成する第1のフォトレジスト層形成工程と、
    前記第1の金属膜の前記導電膜に接する面と反対の面上の一部に形成された前記第1のフォトレジスト層を露光する第1の露光工程と、
    前記第1のフォトレジスト層の露光された部分の前記第1の金属膜に接する面と反対の面上に第2の金属膜を形成する第2の金属膜形成工程と、
    前記第1のフォトレジスト層の前記導電膜及び前記第1の金属膜に接する面と反対の面上と、前記第2の金属膜の前記第1のフォトレジスト層に接する面と反対の面上とに第2のフォトレジスト層を形成する第2のフォトレジスト層形成工程と、
    前記基板の前記導電膜を形成した面と反対の面から紫外線による露光を行う第2の露光工程と、
    前記第1のフォトレジスト層及び前記第2のフォトレジスト層を現像する現像工程と、を備えることを特徴とする電鋳型の製造方法。
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