JP2004255680A - 微細金型及びその製造方法 - Google Patents

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薫 戸根
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Abstract

【課題】成形品の離型を容易に行うことができ、しかも製造が簡単な微細金型の製造方法を提供する。
【解決手段】基板1の片面に光硬化型レジスト2を塗布し、光硬化型レジスト2の露光・現像により所望のレジストパターンを形成するマスターモデル形成工程と、前記工程後前記マスターモデル3の形状へ導電性被膜4を形成した後、導電性被膜4への通電による電気めっきにてマスターモデル3の形状を反転転写する金型形成工程とを有する微細金型の製造方法に関する。前記基板1として光透過性を有するものを用いる。マスターモデル形成工程の露光時に光硬化型レジスト2を塗布した片面と反対側において前記基板1の片面に露光マスク5を配置する。露光マスク5及び基板1を透過させた光を用いて前記光硬化型レジスト2を硬化させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロマシンの微細部品を製造するためなどに用いられる微細金型及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、フォトレジストを用いたフォトリソグラフィー法と電鋳法により微細形状を必要とする微細金型を製造することが行われている。図4に微細金型の製造方法の一例を示す。まず、図4(a)に示すように、シリコンウエハー等の基板20上に感光性レジスト21を塗布する。次に、図4(b)に示すように、感光性レジスト21の表面側(基板20と反対側)に所定パターンを有する露光マスク22を配置し、この露光マスク22を介して感光性レジスト21に紫外線等の光を照射する。次に、図4(c)に示すように、光が照射された感光性レジスト21の未感光部分又は感光部分を現像にて除去し、所定のレジストパターンを得る。尚、図4のものでは光硬化型(ネガ型)の感光性レジスト21を用いているので、感光部分がレジストパターンとして基板20上に残存している。次に、図4(d)に示すように、基板20の表面及び感光性レジスト21の表面に導電性被膜24を付与する。次に、図4(e)に示すように、導電性被膜24への通電による電鋳(電気めっき)にて導電性被膜24の表面に微細金型25を形成する。この後、図4(f)に示すように、微細金型25から基板20及び感光性レジスト21を除去する。このようにして微細金型25を製造することができる。尚、上記の製造方法において、基板20として、導電性基板または感光性レジスト21の塗布面へ導電性被膜を塗布した基板を用いることで、感光性レジスト21の表面への導電性被膜24の付与を必要とせずに微細金型25を製造する方法も知られている。
【0003】
上記のような微細金型25の製造方法において、感光性レジスト21には光が照射された部分のパターンを現像処理で除去する光分解型(ポジ型)のタイプと、逆に光が照射された部分が残る光硬化型のタイプが利用されているが、光分解型の感光性レジスト21を用いた場合は光の照射により感光性レジスト21の表面に難溶解性被膜が形成されるために、現像後の感光性レジスト21の断面形状が図5(a)のように感光性レジスト21の表面で開口部へ入り込んだ形状、すなわち、感光性レジスト21の表面に突起23が形成された形状となる。また、光硬化型の感光性レジスト21を用いた場合は光の照射が基板20に塗布した感光性レジスト21の表面側から行われるために、感光性レジスト21の深さ方向(厚み方向)に光が弱まる(強度が低下する)ことになり、このために、感光性レジスト21は基板20に近い底部が表面側よりも感光度合いが弱くなって現像液によりエッチングされた現像後の感光性レジスト21の断面形状が図5(b)のように、底部側よりも表面側の方が幅広になるものであった。
【0004】
そして、いずれのタイプの感光性レジスト21を用いた場合でも、感光性レジスト21の断面形状が電鋳により形成される微細金型25に忠実に転写されるために、光分解型の感光性レジスト21により形成される微細金型25の凹部25aの底部には突起23に対応する欠如部23aが形成されたり、光硬化型の感光性レジスト21により形成される微細金型25の凹部25aの開口部は底部よりも幅狭になって逆テーパー状に形成されたりするものであった。従って、この微細金型25を用いて射出成形等により樹脂を成形した場合、凹部25aで成形される部分において成形品が微細金型25から剥離しにくくなり、成形品を微細金型25から容易に剥離することができないという問題があった。
【0005】
そこで、成形品を容易に剥離することができる微細金型が提案されている(特許文献1参照)が、この場合は基板上に微細な不透明導電性層を形成しなければならず、微細金型の製造が煩雑になる恐れがあった。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−236694号公報(特許請求の範囲等)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、成形品の離型を容易に行うことができ、しかも製造が簡単な微細金型及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る微細金型の製造方法は、基板1の片面に光硬化型レジスト2を塗布し、光硬化型レジスト2の露光・現像により所望のレジストパターンを形成するマスターモデル形成工程と、前記工程後前記マスターモデル3の形状へ導電性被膜4を形成した後、導電性被膜4への通電による電気めっきにてマスターモデル3の形状を反転転写する金型形成工程とを有する微細金型の製造方法において、前記基板1として光透過性を有するものを用い、マスターモデル形成工程の露光時に光硬化型レジスト2を塗布した片面と反対側において前記基板1の片面に露光マスク5を配置し、露光マスク5及び基板1を透過させた光を用いて前記光硬化型レジスト2を硬化させることを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の請求項2に係る微細金型の製造方法は、請求項1に加えて、前記露光マスク5として前記基板1とほぼ同じ屈折率を有する透光板6の表面に遮光膜9を有するものを用い、マスターモデル形成工程の露光時に前記基板1と前記露光マスク5の間に空気よりも基板に近い屈折率を有する液体を中間層7として設けて前記基板1と前記露光マスク5とを配置した後、露光マスク5及び基板1を透過させた光を用いて前記光硬化型レジスト2を硬化させることを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の請求項3に係る微細金型の製造方法は、請求項1又は2に加えて、前記露光マスク5と遮光パターンが相似形で且つ遮光面積が異なる他の露光マスク8を用意し、マスターモデル形成工程の露光時に光硬化型レジスト2が塗布された前記基板1の両側に前記二つの露光マスク5、8をそれぞれ配置し、前記各露光マスク5、8を介して基板1に塗布された光硬化型レジスト2に光照射することを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の請求項4に係る微細金型は、請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方法により製造されることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
本発明の微細金型の製造方法は図1(a)〜(c)で示すマスターモデル形成工程と、図1(d)〜(f)で示す金型形成工程とで構成されている。
【0014】
本発明では、まず、図1(a)に示すように、基板1の片面(上面)の全面に亘って光硬化型レジスト2を塗布する。基板1としては透明あるいは半透明の光透過性を有するものを用いることができ、例えば、厚み0.05〜5mmの合成石英ガラス板やアクリル板などを用いることができるが、これに限定されるものではない。ここで、基板1の厚みは後述の工程を含めて破損しない範囲内で薄いことが好ましく、これにより、後述の露光時に露光マスク5と光硬化型レジスト2とのギャップ(基板1の厚み)を小さくすることができ、レジストパターンの形状や幅寸法などの精度を高くすることができるものである。露光マスク5と光硬化型レジスト2とのギャップは小さい程良く、このギャップが大きくなると感光部分と未感光部分との境界のコントラストが不明確になり易いために、レジストパターンの幅寸法の精度が悪くなる恐れがある。また、光硬化型レジスト(光硬化型(ネガ型)の感光性レジスト)2としては、例えば、JSR社製の「THB−151N」などを用いることができるが、これに限定されるものではない。また、基板1に塗布した際の光硬化型レジスト2の膜厚は5〜100μmに設定することができるが、これに限定されるものではない。
【0015】
上記のようにして、基板1の片面に光硬化型レジスト2を塗布した後、基板1の他の片面(下面)に露光マスク5を配置する。露光マスク5は透明あるいは半透明の光透過性を有する透光板6の片面に、光が通過不可能な遮光膜9を設けて形成されるものである。露光マスク5と基板1との境界部分での光の反射を少なくするために、透光板6と基板1とはほぼ同じ屈折率を有するのが好ましく、透光板6と基板1の屈折率の差は±0.1以下にするのが好ましい。従って、透光板6としては基板1と同様に、例えば、厚み0.05〜5mmの合成石英ガラス板やアクリル板などを用いることができる。また、遮光膜9は光を通過しないように形成すればよく、例えば、厚み0.1〜10μmでクロムなどを用いて形成することができる。そして、遮光膜9で覆われていない部分において露光マスク5には光が通過可能な開口部5aが5〜100μmの幅寸法で形成されている。この開口部5aの形状は基板1の表面に形成される所望のレジストパターンの形状に対応するものである。
【0016】
上記のように形成される露光マスク5を、その遮光膜9側を基板1の片面に密着させるようにして基板1に重ね合わせて配置した後、図1(b)に矢印で示すように、露光マスク5の外側から基板1に向かって紫外線等の光を照射して露光する。すなわち、露光マスク5を介して基板1に向かって光を照射するものであり、これにより、光が露光マスク5の開口部5a及び基板1を厚み方向に通過して光硬化型レジスト2に達し、光硬化型レジスト2の光照射された部分のみが露光されて感光部2aとして硬化する。ここで、上述のように、露光マスク5と光硬化型レジスト2とのギャップは小さい程良いので、露光マスク5は基板1の片面に密着させるように配置する。また、露光光源としては、より短波長の紫外線またはエキシマレーザー光などを用いることができるが、光硬化型レジスト2に応じた専用のものを用いることにより、レジストパターンの精度を向上させることができる。また、露光時間は光の照射強度等によって適宜設定可能であるが、例えば、2〜60秒間にすることができる。
【0017】
上記のようにして露光した場合、露光マスク5及び基板1を通して光硬化型レジスト2に照射される光は光硬化型レジスト2を厚み方向に通過する際に徐々に弱まることになり、従って、感光部2aは底部側(基板1側)よりも上部側(基板1と反対側)の方が幅狭になった断面形状に形成されるものである。
【0018】
上記のようにして露光した後、光硬化型レジスト2の未硬化(未感光)部分を現像により除去することによって、基板1の片面に残存した光硬化型レジスト2の感光部2aで形成されるレジストパターンと基板1とで図1(c)に示すようなマスターモデル3を形成することができる。光硬化型レジスト2の未硬化部分を現像により除去するにあたっては、光硬化型レジスト2の専用の現像液を用いることができるが、この現像液はTMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)などを主成分とする水溶液を用いることができる。また、現像液での処理は光硬化型レジスト2を形成した基板1を現像液に6〜60分間浸漬するようにして行うことができる。
【0019】
上記のようにしてマスターモデル3を形成した後、これを用いて微細金型を形成する。まず、図1(d)に示すように、マスターモデル3の表面に導電性被膜4を形成する。導電性被膜4はマスターモデル3の光硬化型レジスト2を形成した側の片面(上面)の全面に亘って形成されるものであり、基板1の上面及び光硬化型レジスト2の感光部2aの上面及び側面が導電性被膜4で覆われることになる。導電性被膜4は銀をスパッタリングにて成膜することによって形成することができるが、ニッケルなど銀以外の金属を用いてもよいし、また、化学めっきなどのスパッタリング以外の成膜方法で成膜して導電性被膜4を形成してもよい。また、導電性被膜4の厚みは適宜設定可能であるが、例えば0.1〜1.0μmにすることができる。
【0020】
次に、図1(e)に示すように、導電性被膜4を形成したマスターモデル3に電鋳(電気めっき)を施す。この電鋳は導電性被膜4を形成したマスターモデル3をめっき液に浸漬した後、導電性被膜4に通電して導電性被膜4の表面に金属(めっき)を析出させるようにするものである。ここで、めっき液としてはスルファミン酸ニッケルを主成分とするものを用いることができるが、この他に硫酸ニッケルなどを主成分とするめっき液を用いることができる。また、めっき液の主成分の濃度は適宜設定可能であるが、例えば、10〜50%にすることができる。さらに、通電条件はめっき液の主成分の濃度や析出させるめっきの厚みなどによって適宜設定可能であるが、例えば、電流密度は0.5〜10A/dmで時間を2〜50時間にすることができる。上記のようなスルファミン酸ニッケルを主成分とするめっき液(濃度30%)を用いた場合、電流密度4A/dmで20時間の通電で厚み約1mmのニッケルを析出させて電鋳を行うことができる。このようにしてマスターモデル3の片面に電鋳により析出した金属で微細金型10を形成することができる。この時、微細金型10にはマスターモデル3の形状、特に、感光部2aの形状が反転転写されるものである。
【0021】
上記のようにして微細金型10を形成した後、図1(f)に示すように、微細金型10から基板1及び光硬化型レジスト2の感光部2aを除去する。基板1が上記のような合成石英ガラス板で形成されている場合には、導電性被膜4と基板1との間に鋭利なスクレパーを入れて基板1を機械的に除去した後、10%水酸化カリウム水溶液などで光硬化型レジスト2の感光部2aを剥離することによって、微細金型10から基板1及び光硬化型レジスト2の感光部2aを除去することができるが、これに限定されるものではない。
【0022】
このようにして本発明では微細金型10を製造することができるが、本発明では基板1を通して光硬化型レジスト2を露光するために、電鋳時に基板1の表面に残存する光硬化型レジスト2の感光部2aの断面形状は底部側(基板1側)よりも上部側(基板1と反対側)の方が幅狭になる。従って、この感光部2aの形状が反転転写して形成される微細金型10の凹部10aは底部よりも開口部が幅広となった順テーパー形状に形成することができるものである。
【0023】
本発明の微細金型10はアクリルなどの樹脂を射出成形等で成形する場合に用いることができるが、微細金型10の凹部10aは上記のように順テーパー形状に形成されているために、凹部10aで成形される部分において成形品が微細金型10から剥離しやすいものであり、従って、成形品を微細金型10から容易に剥離することができるものである。しかも、本発明では露光マスク5を用いて光硬化型レジスト2を露光するので、基板1上に微細な不透明導電性層を形成する場合に比べて光硬化型レジスト2に容易にレジストパターンを形成することができ、微細金型10の製造を煩雑にならずに簡単に行うことができるものである。また、一つの露光マスク5を繰り返し用いることによって、複数個の同形状の微細金型10を製造することができるものである。
【0024】
図2に他の実施の形態の一例を示す。この実施の形態ではマスターモデル形成工程において露光マスク5と基板1とを重ね合わせたときに、露光マスク5と基板1の間に中間層7を設けるものであり、その他の構成は上記の実施の形態と同様である。この中間層7は基板1や露光マスク5の透光板6とほぼ同じ屈折率を有する液体を露光マスク5と基板1の間に層状に充填し、基板1や露光マスク5と密着して形成されるものである。例えば、基板1や透光板6として屈折率が1.47の合成石英ガラス板を用いた場合は、中間層7としては屈折率が1.48のパラフィン油や屈折率が1.473のグリセリンなどを用いることができる。透光板6や基板1と中間層7の屈折率の差は±0.1以下にするのが好ましい。
【0025】
図1(b)に示す露光工程では基板1と露光マスク5が直接接触しているが、露光マスク5及び基板1の平面度合いや露光マスク5の遮光膜9のわずかな厚みなどの影響で、露光マスク5と基板1の間に空気(屈折率が1.00)が介在しているために、露光時に各層の境界での屈折率の差による光の反射が生じ、散乱することで光硬化型レジスト2の感光部分と未感光部分とのコントラストが不明確になる恐れがある。そこでこの実施の形態では、図2に示すように、基板1や露光マスク5の間に基板1や露光マスク5の透光板6とほぼ同じ屈折率を有する中間層7を設けるものであり、これにより、露光時に露光マスク5と中間層7と基板1の境界における光の反射や散乱が生じにくくなって、光硬化型レジスト2の所望箇所(感光部2a)以外の部分が硬化するのを少なくすることができ、感光部分と未感光部分とのコントラストが不明確になりにくくしてレジストパターンの露光精度を向上させることができるものである。
【0026】
尚、中間層7は空気よりも基板1や露光マスク5の透光板6の屈折率に近い液体で形成すればよく、例えば、屈折率が1.34の水を用いても空気の場合に比べてレジストパターンの露光精度を向上させることができる。また、中間層7の材料の選定には光の透過率も考慮する必要があり、当然、光の透過率が高いほどレジストパターンの露光精度が良くて露光時間の短縮も図ることができる。
【0027】
そして、図1(b)に示す場合と図2に示す場合、すなわち、中間層7の有無だけが異なる実施の形態において、光硬化型レジスト2の現像後の最細線パターンの解像度を比較すると、中間層7を有する方が30μmで中間層7が無い方が70μmとなり、中間層7を有する方が解像度を向上させることができるものである。
【0028】
図3に他の実施の形態を示す。この実施の形態では図1(b)あるいは図2に示すマスターモデル形成工程の露光時に二つの露光マスク5、8を用いるようにしたものであり、その他の構成は上記の実施の形態と同様である。一方の露光マスク5は上記と同様に形成される。他方の露光マスク8は露光マスク5に比べて遮光面積が大きく形成されている以外は露光マスク5と同様に形成されている。つまり、一方の露光マスク5と他方の露光マスク8との遮光パターンである遮光膜9は互いに相似形ではあるが、一方の露光マスク5の遮光膜9の面積よりも他方の露光マスク8の遮光膜9の面積の方が大きく形成されているものであり、この結果、一方の露光マスク5と他方の露光マスク8との開口部5a、8aは互いに相似形ではあるが、一方の露光マスク5の開口部5aの面積よりも他方の露光マスク8の開口部8aの面積が小さく形成されているものである。尚、小さい方の開口部8aを有する露光マスク8の開口部8aの面積は、大きい方の開口部5aを有する露光マスク5の開口部5aの面積よりも70〜97%の大きさにすることができるが、これに限定されるものではなく、光硬化型レジスト2の厚み等に応じて適宜設定可能であり、例えば、小さい方の開口部8aの幅寸法を80μm、大きい方の開口部5aの幅寸法を100μmとすることができる。
【0029】
そして、開口部5aの面積が大きい方の露光マスク5は、光硬化型レジスト2を塗布していない方の基板1の片面(下面)に配置して上記と同様に配置する。この時、基板1と露光マスク5との間に上記と同様の中間層7を介在させることができるが、不要であれば中間層7を設ける必要はない。また、開口部8aの面積が小きい方の露光マスク8は、基板1の光硬化型レジスト2を塗布した側、すなわち、光硬化型レジスト2の上側に配置するようにする。この時、二つの露光マスク5、8は光硬化型レジスト2を塗布した基板1の両側に配置されて基板1を挟んで対向するものであり、開口部5aの中心線と開口部8aの中心線との位置ずれが±1μm以下となる精度で二つの露光マスク5、8の位置を合わせる。
【0030】
この後、図3に矢印で示すように、上記の二つの露光マスク5、8を介して基板1に塗布された光硬化型レジスト2に光を照射して露光する。この露光は上記と同様に行うことができるが、光硬化型レジスト2の塗布側に配置された露光マスク8を介して照射する光の照射時間は、基板1に密着して配置された露光マスク5を介して照射する光の照射時間よりも短くするのが好ましく、例えば、前者を10秒間、後者を15秒間とすることができる。また、この実施の形態では上記のように基板1の両側から光を照射して露光を行うものであるが、基板1の両側から同時に光を照射して露光する必要はなく、一方側からの露光と他方側からの露光を順番に行っても良い。もちろん、基板1の両側から同時に露光できる装置にて同時露光を行うようにしてもよく、いずれの場合でもレジストパターンの精度にはほとんど影響がない。
【0031】
このようにして光硬化型レジスト2を露光した後、上記と同様にして微細金型10を形成することができるが、この実施例の場合、微細金型10の凹部10aの底部の幅寸法bは光硬化型レジスト2を塗布した側に配置された露光マスク8の開口部8aの幅寸法とほぼ同一(例えば80μm)となり、また、微細金型10の凹部10aの開口部の幅寸法tは基板1に密着して配置された露光マスク5の開口部5aの幅寸法とほぼ同一(例えば100μm)となり、露光マスク5、8とほぼ同一の精度で微細金型10を形成することができるものである。そして、微細金型10の凹部10aの断面形状を順テーパー形状にし、しかもそのテーパー角度を片側から露光する場合に比べて任意に設定しやすくなるものであり、製造条件によらずに高精度の微細金型10を製造することが可能となるものである。
【0032】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1の発明は、基板の片面に光硬化型レジストを塗布し、光硬化型レジストの露光・現像により所望のレジストパターンを形成するマスターモデル形成工程と、前記工程後前記マスターモデルの形状へ導電性被膜を形成した後、導電性被膜への通電による電気めっきにてマスターモデルの形状を反転転写する金型形成工程とを有する微細金型の製造方法において、前記基板として光透過性を有するものを用い、マスターモデル形成工程の露光時に光硬化型レジストを塗布した片面と反対側において前記基板の片面に露光マスクを配置し、露光マスク及び基板を透過させた光を用いて前記光硬化型レジストを硬化させるので、電気めっき時に基板の表面に残存する光硬化型レジストのレジストパターンの断面形状を基板側よりも基板と反対側の方が幅狭になるように形成することができ、微細金型の凹部は底部よりも開口部が幅広となった順テーパー形状に形成することができるものであり、従って、凹部で成形される部分において成形品が微細金型から剥離しやすいものであり、成形品を容易に剥離することができる微細金型を製造することができるものである。しかも、本発明では露光マスクを用いて光硬化型レジストを露光するので、基板上に微細な不透明導電性層を形成する場合に比べて光硬化型レジストに容易にレジストパターンを形成することができ、微細金型の製造を煩雑にならずに簡単に行うことができるものである。
【0033】
また、本発明の請求項2の発明は、前記露光マスクとして前記基板とほぼ同じ屈折率を有する透光板の表面に遮光膜を有するものを用い、マスターモデル形成工程の露光時に前記基板と前記露光マスクの間に空気よりも基板に近い屈折率を有する液体を中間層として設けて前記基板と前記露光マスクとを配置した後、露光マスク及び基板を透過させた光を用いて前記光硬化型レジストを硬化させるので、露光時に露光マスクと中間層と基板の境界における光の反射や散乱が生じにくくなって、光硬化型レジストの所望箇所以外の部分が硬化するのを少なくすることができ、感光部分と未感光部分とのコントラストが不明確になりにくくしてレジストパターンの露光精度を向上させることができるものである。
【0034】
また、本発明の請求項3の発明は、前記露光マスクと遮光パターンが相似形で且つ遮光面積が異なる他の露光マスクを用意し、マスターモデル形成工程の露光時に光硬化型レジストが塗布された前記基板の両側に前記二つの露光マスクをそれぞれ配置し、前記各露光マスクを介して基板に塗布された光硬化型レジストに光照射するので、微細金型の凹部の断面形状を順テーパー形状にし、しかもそのテーパー角度を片側から露光する場合に比べて任意に設定しやすくなるものであり、高精度の微細金型を製造することが可能となるものである。
【0035】
本発明の請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方法により製造されるので、微細金型の凹部は底部よりも開口部が幅広となった順テーパー形状に形成することができ、成形品を容易に剥離することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示し、(a)乃至(f)は断面図である。
【図2】同上の他の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図3】同上の他の実施の形態の一例を示し、(a)(b)は断面図である。
【図4】従来例を示し、(a)乃至(f)は断面図である。
【図5】従来例の問題点を示し、(a)(b)は断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 光硬化型レジスト
3 マスターモデル
4 導電性被膜
5 露光マスク
6 透光板
7 中間層
8 露光マスク
9 遮光膜

Claims (4)

  1. 基板の片面に光硬化型レジストを塗布し、光硬化型レジストの露光・現像により所望のレジストパターンを形成するマスターモデル形成工程と、前記工程後前記マスターモデルの形状へ導電性被膜を形成した後、導電性被膜への通電による電気めっきにてマスターモデルの形状を反転転写する金型形成工程とを有する微細金型の製造方法において、前記基板として光透過性を有するものを用い、マスターモデル形成工程の露光時に光硬化型レジストを塗布した片面と反対側において前記基板の片面に露光マスクを配置し、露光マスク及び基板を透過させた光を用いて前記光硬化型レジストを硬化させることを特徴とする微細金型の製造方法。
  2. 前記露光マスクとして前記基板とほぼ同じ屈折率を有する透光板の表面に遮光膜を有するものを用い、マスターモデル形成工程の露光時に前記基板と前記露光マスクの間に空気よりも基板に近い屈折率を有する液体を中間層として設けて前記基板と前記露光マスクとを配置した後、露光マスク及び基板を透過させた光を用いて前記光硬化型レジストを硬化させることを特徴とする請求項1に記載の微細金型の製造方法。
  3. 前記露光マスクと遮光パターンが相似形で且つ遮光面積が異なる他の露光マスクを用意し、マスターモデル形成工程の露光時に光硬化型レジストが塗布された前記基板の両側に前記二つの露光マスクをそれぞれ配置し、前記各露光マスクを介して基板に塗布された光硬化型レジストに光照射することを特徴とする請求項1又は2に記載の微細金型の製造方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方法により製造されることを特徴とする微細金型。
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