JP2012118811A - Icタグ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ICチップ1Aとループ状のアンテナ1Bとを備えるインレット1を内部に配置して当該インレット1を保護するための金属製かつ筒形状の補強体を有するICタグである。上記補強体は、上記アンテナ1Bのループ方向と同方向への周回方向に無端環状のループとなる金属部分を有しない形状となっている。例えば、上記補強体4は、上記配置するアンテナ1Bの軸に沿った方向に軸を向け且つ巻き線間が非接触状態のコイルばね形状となっている。
【選択図】 図3
Description
また、タグ部分だけではなく、容器部分も細長いガラス形状のため、衝撃や振動に弱いという課題がある。
本発明は、上記の点について鑑みてなされたもので、ICチップとループ状のアンテナとを備えるICタグ用のインレットを、より振動や衝撃から保護可能な補強体で保護したICタグを提供することを目的としている。
上記補強体は、上記アンテナのループ方向と同方向への周回方向に無端環状のループとなる金属部分を有しない形状となっていることを特徴とするICタグを提供するものである。
次に、請求項3に記載した発明は、請求項1に記載した構成に対し、上記補強体は、筒状に形成された板状部材からなり、その板状部材の周方向端部同士は非接触状態に形成されていることを特徴とする。
次に、請求項5に記載した発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載した構成に対し、上記インレットと補強体との間に、耐熱性の緩衝材を介装したことを特徴とする。
次に、請求項7に記載した発明は、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載した構成に対し、上記補強体の外周を覆う耐熱性のフィルム材を備えることを特徴とする。
また、補強体を金属製としても、当該補強体は、上記アンテナのループと同方向の周回方向に無端環状のループとなる部分を有しない形状となっていることから、目的とする通信性能を確保することが可能となる。
まず、本発明に基づく本容器に収容するインレット1について説明する。
(インレット)
インレット1は、図1(b)に示すように、銅製などの金属コイルからなるループ状のアンテナ1BにICチップ1Aを実装した製品である。
上記アンテナ1Bは、例えば金属板を打ち抜いて作製したり、ポリイミドなどの耐熱基材上に金属エッチングなどによって実装したりして形成する。
上記アンテナ1BとICチップ1Aの接続は、溶接、超音波溶着、熱圧接等の金属接合による接続が好ましい。金属接合とすることで、耐熱性能という点で有利となる。
なお、ISO15693規格に準拠したICタグは、13.56MHz付近に共振周波数を有する。
次に、上記インレット1を内部に配置する補強体4について説明する。
本実施形態の補強体4は、図2に示すように、予め設定した所定ピッチを開けて巻かれて形成された形状である、巻き線間が非接触状態のコイルばね形状となっている。補強体4を構成する金属は特に限定は無いが、高温下で使用するために析出硬化型ステンレス鋼、特殊ばね剤などが好ましい。
上記コイルばね形状の補強体4の下端部4aは、上側よりもばね径が小さくなるように内径側に位置するように曲げられている。このとき、補強体4の下端における内径が、上記ガラス容器2の外径よりも小さくなるように設定する。
ここで、図3中、符号Yは上記アンテナ1Bの軸である。図3のように、筒形状からなる補強体4の軸Xが、アンテナ1Bの軸Yに沿った方向となるように上記インレット1入りのガラス容器2を補強体4内に入れる。軸Xに対し軸Yが多少傾いていても良いが、補強体4の軸Xが、アンテナ1Bの軸Yに沿った方向となるように設定する。
ここで、上記耐熱性の緩衝材5としては、ガラスペーパ、ガラスウール、セラミックウールなどが例示できる。緩衝材5は、これに限定されるものではなく、耐熱性がある素材であれば、適用可能である。
また、コイルばね形状の補強体4は、断面円形形状の線材で構成する必要もない。
ここで、上記構成のコイルばね形状の補強体4は、上記アンテナ1Bのループ方向と同方向への周回方向に無端環状のループとなる金属部分を有しない形状となる。なお、コイルばね形状の補強体4の端部は金属に接触しないようにしておく。
次に、別形状の補強体40の構成について説明する。
この補強体40は、図6に示すように、筒状に形成された板状部材からなり、その板状部材の周方向端部同士は非接触状態に形成されている。図6に示す例では、長方形形状の板材を筒状に形成し、その板状部材の周方向端部40a同士は非接触状態として、筒の軸方向に延びるスリットを形成したものである。
このとき、図7に示すように、筒状の補強体40の下部に下側にいくほど小径となるテーパを形成し、下側の内径を、ガラス容器2の外径よりも小さい径に設定しておくことが好ましい。このようにしておくことで、より確実に上側から入れたインレット1入りガラス容器2が下方に抜けることを防止可能となる。
ここで、ガラス容器2は、上述のように耐熱性の緩衝材5に包んで、上記補強体40内に押し込むことが好ましい。包んだ緩衝材5の径を上記筒状の補強体40の径よりも大きくしておくと、押し込んだ際に、板状部材の周方向端部40a同士がより接触し難くなる。
また、図9及び図10に示すように、板状部材の周方向端部40aをそれぞれ外径方向に向くように加工しておいても良い。この場合も、補強体40の剛性が向上する。また、板状部材の周方向端部40aを非金属からなるネジやクリップで押さえ易くなる。
また、上記例では、筒状の補強体40を円筒形状に形成する場合を例示しているが、筒形状は、円筒形出る必要はなく、例えば図12に示すように、矩形形状など、筒形状の断面形状に特に限定はない。
上記構成の筒状の補強体40内に、インレット1入りのガラス容器2を緩衝材5を介して配置する。このとき、インレット1入りのガラス容器2を、金属製の補強体40で保護することで、本実施形態のICタグは、インレットをプラスチック製の容器に入れた場合と比較しても、外部からの衝撃や圧力に強くなる。
また、通常、容器を筒状の金属ケースとした場合、筒状の金属ケースがコイルとみなされてしまうことで、インレット1の共振周波数が変わり通信ができなくなる。
これに対し、補強体40を金属製としても、周方向に沿って無端環状が出来ないように、補強体40の一部分に不連続な部分を持つ構造、つまり補強体40を、上記アンテナ1Bのループ方向と同方向への周回方向に無端環状のループとなる金属部分を有しない形状とすることで、ICタグ用インレット1の通信を阻害することが無く、目的とする通信性能を確保することが可能となる。
また、補強体40の開口部分を覆うように、耐熱性のフィルム材で当該補強体40を覆っておくと、開口部分を保護することが可能となる。なお、フィルム材は、ポリイミド樹脂など超耐熱性の樹脂などを使用すればよい。樹脂ケース全体にポリイミド樹脂など超耐熱性の樹脂を使用する場合に比べて使用量を大幅に減らす事が可能である。
上記補強体40に収容した状態で、上記ICタグを識別したい識別部品に取り付ける。これによって、識別部品の識別が可能となる。
また、上記識別部品に溶融亜鉛鍍金を行う場合には、当該識別部品を溶融亜鉛鍍金浴内に浸漬する。このとき、上記インレット1を収容した補強体40への鍍金付着を防止するため、上記のようなフィルム材を取り付けるか、上記のような緩衝材5で一時的に覆って使用する。
これによって、金属製の補強体40への鍍金付着を防止出来る。
なお、コイルばね形状からなる補強体4を使用して、識別部品に取り付けて溶融亜鉛鍍金浴に浸漬したところ、コインばね形状を形成する線径が1.2mm以上あれば支障なく使用できた。なお、補強体4として特殊ばね材を使用した。
(1)上記補強体は、上記アンテナ1Bのループ方向と同方向への周回方向に無端環状のループとなる金属部分を有しない形状となっている。
このように金属製の補強体でインレットを保護することで、衝撃や圧力に対し強くなる。
また、補強体を金属製としても、当該上記補強体は、上記アンテナ1Bのループと同方向の周回方向に無端環状のループとなる部分を有しない形状となっていることから、目的とする通信性能を確保することが可能となる。
これによって、上記アンテナ1Bのループと同方向の周回方向に無端環状のループとなる部分を有しない形状とすることが出来る。
(3)上記補強体40は、筒状に形成された板状部材からなり、その板状部材の周方向端部40a同士は非接触状態に形成されている。
これによって、上記アンテナ1Bのループと同方向の周回方向に無端環状のループとなる部分を有しない形状とすることが出来る。
なお、上記アンテナ1Bのループと同方向の周回方向に無端環状のループとなる部分を有しない形状は、上記形状に限定されない。上記アンテナ1Bのループと同方向の周回方向に無端環状のループとなる部分を有しない形状となっていれば良い。
これによって、インレット1に対し、外から干渉物が接触することを回避できる。
(5)上記インレット1と補強体との間に、耐熱性の緩衝材5を介装した。
これによって、落下などの衝撃に対する対衝撃性が向上する。
(6)上記緩衝材5の一部は、上記補強体の開口部に入り込んでいる。
これによって、開口部の部分で補強体を構成する金属が接触することが回避されて、目的とする通信性能をより確保することが可能となる。
(7)上記補強体の外周を覆う耐熱製のフィルム材を備える。
これによって、少なくとも補強体に対する外部からの鍍金などの付着を防止できる。
なお、ガラスは、金属に比べ、鍍金が付着し難い。
上記ガラス容器2入りのインレット1を補強体内に入れない状態(以下、保護ケース無しと呼称する。)、図6に示すような、スリット(開口部)を形成した補強体4内にインレット1を封入したガラス容器2を配置した場合(以下、スリットありと呼称する。)、周方向端部40a同士が接触した金属製の筒状の容器内にインレット1を封入したガラス容器2を配置した場合(以下、スリットなしと呼称する。)、のそれぞれについて通信距離を計測してみた。その結果を表1に示す。
なお、使用したインレット1は、帯域がHF帯のものを使用した。
「実施例2」
同様にして、図4に示すコイルばね形状の補強体40を使用した場合の計測結果を、表2に示す。実験条件は、上記実験と同じである。
この表2から分かるように、コイルばね形状の補強体40で保護しても、通信距離への影響はほとんど無かった。
ここで、上記実施例1における周方向端部40a同士で形成されるスリットの幅、上記実施例2におけるコイルばね形状の巻き線間のピッチ幅は、1mm以下に設定したものである。
なお、上記スリット幅、ピッチ幅について変更して通信距離を計測してみたところ、0.1mmまではほとんど影響がなかったことを確認した。
5度以下の傾きであれば、通信距離への影響はほとんど無かった。また、45度の傾きがある場合には、通信距離が半減したが、実用に耐える距離である。
従って、補強体の軸に対するアンテナ1Bの軸の傾きは、45以下、好ましくは5度以下に設定することが好ましい。
1A ICチップ
1B アンテナ
2 ガラス容器
3 耐熱材
4、40 補強体
4a 下端部
5 緩衝材
Claims (7)
- ICチップとループ状のアンテナとを備えるインレットと、そのインレットを内部に配置し当該インレットを保護するための金属製かつ筒形状の補強体と、を備え、
上記補強体は、上記アンテナのループ方向と同方向への周回方向に無端環状のループとなる金属部分を有しない形状となっていることを特徴とするICタグ。 - 上記補強体は、上記配置するアンテナの軸に沿った方向に軸を向け且つ巻き線間が非接触状態のコイルばね形状となっていることを特徴とする請求項1に記載したICタグ。
- 上記補強体は、筒状に形成された板状部材からなり、その板状部材の周方向端部同士は非接触状態に形成されていることを特徴とする請求項1に記載したICタグ。
- 上記インレットはガラス容器に収納された状態で上記補強体内に配置されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載したICタグ。
- 上記インレットと補強体との間に、耐熱性の緩衝材を介装したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載したICタグ。
- 上記緩衝材の一部は、上記補強体に形成された当該補強体の内と外を連通する開口部に入り込んでいることを特徴とする請求項5に記載したICタグ。
- 上記補強体の外周を覆う耐熱性のフィルム材を備えることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載したICタグ。
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