JP2003302290A - 温度測定用データキャリア、その製造方法、温度測定方法および温度測定システム - Google Patents

温度測定用データキャリア、その製造方法、温度測定方法および温度測定システム

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JP2003302290A
JP2003302290A JP2002109133A JP2002109133A JP2003302290A JP 2003302290 A JP2003302290 A JP 2003302290A JP 2002109133 A JP2002109133 A JP 2002109133A JP 2002109133 A JP2002109133 A JP 2002109133A JP 2003302290 A JP2003302290 A JP 2003302290A
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temperature measurement
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Rei Hiromitsu
礼 弘光
Takekazu Mikami
豪一 三上
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】時々刻々変化する被加熱物の温度を、リアルタ
イムに、かつ精度よく測定することができる温度測定用
データキャリア、その製造方法、温度測定方法および温
度測定システムを提供すること。 【解決手段】温度測定システムは、温度測定用データキ
ャリア10と外部端末装置20とを含んで構成され、温度測
定用データキャリア10は、基材の表面に、温度センサ部
11、記憶部12、記憶部12に格納されたデータ信号を外部
に送信する機能および外部から送られてくる信号を受信
する機能を有する無線通信部13ならびに温度センサ部11
による測定、記憶部12への格納および無線通信部に係る
機能を制御するための制御部14を備え、少なくとも温度
センサ部11、記憶部12、無線通信部13および制御部14を
含む基材の表面領域が、断熱性保護層により被覆されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続式乾燥炉など
で加熱される被加熱物の温度のように刻々と変化する温
度を、高精度で測定することができる温度測定用データ
キャリア、その製造方法、温度測定方法および温度測定
システムに関する。
【0002】
【従来の技術】量産される製品の製造過程における加熱
や乾燥には、連続式の加熱炉や乾燥炉(以下、連続式の
加熱炉と乾燥炉を合わせて、単に「連続炉」と記す)が
用いられることが多い。例えば、連続炉で乾燥される製
品に、電池用の電極がある。
【0003】電池には、一次電池と二次電池があり、充
電による繰り返し利用が可能な二次電池には、鉛蓄電
池、ニッケル−カドミウム電池、リチウムイオン電池な
どがある。これらの電池のうち、リチウムイオン電池
は、体積当たりの容量密度が高く、安全性にも優れてい
るため、電子機器への利用が急速に増加してきている。
【0004】このリチウムイオン電池に用いられる電極
の製造過程では、正極については、厚さ数十ミクロンの
アルミニウム箔の両面にリチウム複合酸化物を含む塗膜
を形成した後加熱乾燥し硬化させる方法、負極について
は、銅箔の両面にカーボンを含む塗膜を形成した後加熱
乾燥し硬化させる方法が採用されている。
【0005】上記の電極の加熱乾燥工程には、通常連続
炉が用いられており、電極は、連続炉内で百数十度の温
度に加熱され、水分や揮発分が除去された後に炉外に搬
出される。連続炉におけるこの電極の乾燥は、電極の厚
みが100〜200μm程度と極めて薄いので、乾燥さ
せる温度(加熱温度)における加熱時間が60〜180
秒程度と極めて短い。そのために、被加熱物である電極
は、連続炉内を5〜50m/minという速い速度で搬
送される。したがって、電極の塗膜は、常温から加熱温
度まで急速に温度上昇し、かつ加熱温度から常温まで急
速に冷却されることになる。
【0006】被加熱物が、連続炉内で上記のような熱履
歴を受けると、被加熱物である電極には、しばしば品質
不良が発生する。例えば、上記のように、塗膜が急速に
冷却されると、塗膜に皺が発生することがあり、この皺
が品質不良の原因になる。また、連続炉内での加熱条件
によっては、皺の問題以外にも、何らかの原因で品質の
ばらつきが発生し、品質不良を招くことがある。
【0007】このような皺の発生や加熱過程におけるそ
の他の原因に起因する品質不良の発生を防止するために
は、連続炉内における被加熱物の刻々と変化する温度を
正確に把握すること、連続炉内における温度分布を正確
に把握することなどが必要である。その測定結果を基に
して、被加熱物である電極に対する厳密な温度管理を行
わなければならない。
【0008】リチウムイオン電池の場合には、現状で
は、熱電対により主に炉内雰囲気の温度を測定する方法
や、被加熱物に感熱テープ(測温用テープ)を貼り付け
て被加熱物の温度を測定する方法が採用されている。し
かし、熱電対による温度測定の場合には、熱電対から発
生する電気信号を炉外へ取り出すためにケーブルが必要
であり、ケーブルが熱に耐えないことや、少なくとも複
数本の熱電対を必要とし実用的ではないことや、主に炉
内雰囲気の温度を測定することになり、被加熱物そのも
のの温度を正確に測定することができないという問題点
がある。
【0009】一方、被加熱物に測温用テープを貼り付け
る方法には、加熱時のおおよその温度、しかも最高温度
を知ることができるにすぎず、加熱中の被加熱物の刻々
と変化する温度をリアルタイムで検知することはできな
い。
【0010】したがって、連続炉内における被加熱物の
温度を、リアルタイムに、かつ高精度で測定することが
できる技術の確立が求められている。
【0011】離れた場所や人が近づきにくい位置にある
ものの温度を測定する方法(非接触式の温度測定法と呼
ばれる)については、いくつかの提案が行われている。
例えば、特開平10−289297号公報には、測定す
ることが困難な環境の温度や圧力を測定するシステムが
開示されている。このシステムは、「非接触データキャ
リア部」と外部機器である「質問器」とで構成されてい
る。また、データキャリアには、環境検出用のセンサ素
子、外部機器との間で非接触で信号を送受信するアンテ
ナ、センサ素子の検出信号をアンテナを通じて送信する
制御回路などが組み込まれている。なお、データキャリ
ア部の電源には、「質問器」からの伝送信号のエネルギ
ーを利用している。なお、このデータキャリア部は、全
体が樹脂で封止されている。
【0012】一方、外部機器としての「質問器」は、デ
ータキャリア部にタグ情報、測定データなどに関する質
問信号の発信、データキャリア部から受信した信号の処
理、測定データ処理を行う機能などを備えている。この
システムにより、自動車のタイヤ内部の温度、工場の製
造工程中のモニタリングなどが行えるとされている。
【0013】特開2000−41827号公報には、温
度を収集するデータ収集装置と、温度を管理する携帯端
末装置およびデータ処理サーバで構成された外部機器と
の間を、無線で交信する「温度監視システム」が開示さ
れている。このシステムにおけるデータ収集装置は、温
度センサ部、データ記憶部、データ圧縮部、無線通信部
および制御部で構成されており、その形状はカード型と
されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記のシステムは、い
ずれも常温で使用されるもので、かつ、特に迅速な応答
が要求されない温度測定等に利用されるものである。こ
のようなシステムを、連続炉内を通過する被加熱物の温
度測定に適用することも考えられる。すなわち、被乾燥
物のような被加熱物に、上記の公報に開示されている
「データキャリア部」、「データ収集装置」などのデー
タキャリアを装着して炉内を通過させ、炉内における被
加熱物の温度を、炉外でリアルタイムに検出する方法で
ある。
【0015】しかし、上記のような従来提案されている
データキャリアは、乾燥用の加熱炉内のような高温環境
で、かつ連続式の炉のような速い応答速度が要求される
温度測定には適用することができない。このようなデー
タキャリアは、温度感知部を含む全体が樹脂によって封
止されているので、炉内通過時のように、刻々と変化す
る温度を測定すると、タイムラグや誤差を生じるやすい
からである。
【0016】一方、応答速度を速くするために、樹脂の
厚みを薄くすると、樹脂の断熱作用が小さくなるので、
データキャリア内の記憶部、制御部、無線通信部などの
電子装置が熱により損傷を受けやすい。
【0017】特に、応答速度が遅いので、従来提案され
ている方法やシステムでは、連続炉内のゾーンによって
温度が変化する環境下を移動する被加熱物の温度を、リ
アルタイムで、精度よく測定するという要求には、応え
られないのが実状である。
【0018】本発明は、連続炉における被加熱物の温度
を、リアルタイムに、かつ精度よく測定することができ
る温度測定システムに用いられる温度測定用データキャ
リア、その製造方法、温度測定方法およびこのデータキ
ャリアを用いる温度測定システムを提供することを目的
としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記の
温度測定用データキャリア、その製造方法、温度測定方
法および温度測定システムにある。
【0020】本発明に係る温度測定用データキャリア
は、基材の表面に、温度センサ部、記憶部、無線通信部
および制御部を備える温度測定用データキャリアにおい
て、少なくとも前記温度センサ部、前記記憶部、前記無
線通信部および前記制御部を含む前記基材の表面領域
が、断熱性保護層により被覆されていることを特徴とし
ている。
【0021】また、前記断熱性保護層が、空隙を有する
耐熱性樹脂層と、その上の保護フィルム層により構成さ
れていることが好ましい。
【0022】また、前記断熱性保護層が、前記基材の表
面上のスぺーサを介して設けられたフィルム層と、該フ
ィルム層と前記基材との間に形成された空気層とにより
構成されていてもよい。
【0023】また、前記無線部が、平板状のアンテナ用
コイルを具備することが好ましい。
【0024】さらに、前記基材は、裏面に貼着手段を備
えることが好ましい。
【0025】本発明に係る温度測定用データキャリアの
製造方法は、基材の表面に、温度センサ部、記憶部、無
線通信部および制御部を形成した後、少なくとも前記温
度センサ部、前記記憶部、前記無線通信部および前記制
御部を含む前記基材の表面領域に、中空粒子を含む塗膜
を形成し、その上に保護フィルムを積層して、さらに加
熱処理することを特徴としている。
【0026】また、本発明に係る被加熱物の温度測定方
法は、基材の表面に、温度センサ部、記憶部、無線通信
部および制御部を備え、少なくとも前記温度センサ部、
前記記憶部、前記無線通信部および前記制御部を含む前
記基材の表面領域が、断熱性保護層により被覆されてい
る温度測定用データキャリアを、連続炉内で加熱される
被加熱物に貼付するかまたは被加熱物の近傍に配置し、
約120℃に到達するまでの間、温度測定を行うことを
特徴としている。
【0027】さらに、本発明に係る温度測定システム
は、温度測定用データキャリアと、該温度測定用データ
キャリアとの間で送受信する機能を有する外部装置とを
含む温度測定システムにおいて、前記温度測定用データ
キャリアが、基材の表面に、温度センサ部、記憶部、無
線通信部および制御部を備え、少なくとも前記温度セン
サ部、前記記憶部、前記無線通信部および前記制御部を
含む前記基材の表面領域が、断熱性保護層により被覆さ
れていることを特徴としている。
【0028】本発明者らは、上記の発明に関連する技術
開発を行うに当たって、次の点に着目した。第1に、前
述の電極の乾燥のような場合には、加熱温度が高くても
百数十℃で、加熱時間が長くても60〜70秒であるこ
と、第2に、最高温度に至るまでの温度が低い段階のヒ
ートパターンが製品の品質に強く影響を及ぼすことの2
点である。その加熱条件において、リアルタイムに、か
つ高精度の温度測定ができるデータキャリアの開発を行
った。その結果、以下に説明する基礎的な知見を得た。
【0029】図1は、図中に示した4種類のシートを対
象に、各シートの断熱性能を調査した結果を示すグラフ
である。グラフの横軸は時間(s)、縦軸は温度(℃)
であり、100℃の温度環境に置かれた場合の温度変化
を調査した結果である。なお、4種類のシートとは、材
質が発泡スチロール、紙、PET(ポリエチレン−テレ
フタレート)、発泡PETで、厚さがそれぞれ3mm、
90μm、100μm、85μmのものである。これら
のシートの間に熱電対を挟み温度変化を測定した。ま
た、比較のために、シートのない熱電対単体についても
温度測定を行った。
【0030】図1に示されているように、上記の条件下
では、厚さが100μmまたは100μmに満たないP
ETシートや紙であっても、60秒程度までの時間であ
れば、十分断熱効果を発揮し、使用に耐えることが分か
った。特に、発泡PETの場合には、厚さが薄いにも拘
わらず、優れた断熱効果を持つことが確認された。
【0031】本発明者らは、上記の知見を基に、以下に
具体的に説明する発明完成させ、それによって前述の課
題を解決した。
【0032】
【発明の実施の形態】図2は、本発明に係る温度測定シ
ステム全体の構成を示すブロック図である。このシステ
ムは、温度測定用データキャリア(以下、データキャリ
アと略記する)10と外部端末装置20と必要に応じて
設けられるデータ管理サーバ50とを含んで構成されて
いる。なお、便宜上、外部端末装置20とデータ管理サ
ーバ50とを合わせて外部装置と呼ぶ。
【0033】データキャリア10は、温度を測定する温
度センサ部11、データや動作用プログラムを記憶する
記憶部12、外部端末装置20との間で無線信号を送受
信する無線部13および各構成要素を制御する制御部1
4を含んで構成されている。
【0034】温度センサ部11は、サーミスタのような
半導体センサ、白金−白金ロジウム系や銅−銅コンスタ
ンタン系の熱電対、IC化温度センサなどで構成され
る。
【0035】記憶部12は、動作用プログラムなどを記
憶させる電気的に書き込み可能なROMおよび温度測定
データの記憶・消去用の電気的に書き込み・消去可能な
ROM(フラッシュメモリ)を備えている。
【0036】無線部13は、平板状のアンテナ用コイル
を備えている。さらに、アンテナ用コイルとコンデンサ
で構成された共振回路を含んでいてもよい。この共振回
路は、外部端末装置20に備えられているリーダライタ
24から所定の周波数の電力用高周波信号を受信し、そ
の信号を電力に変換することにより、データキャリア1
0の動作用電力を各構成要素に供給する電源としての役
割を果たすものである。
【0037】制御部14は、データキャリア10を構成
する温度センサ部11、記憶部12無線部13および必
要に応じて設けられるキャパシタ部15に係る動作を制
御する。すなわち、ROMに記憶されている動作用プロ
グラムに従って、外部端末装置20から送信される様々
な要求をデータキャリア10内で実行する。なお、外部
端末装置20のリーダライタ24からデータキャリア1
0に送信されるコマンド信号は、電力用信号と重畳して
送信され、その信号は制御部14に入力される。この
他、制御部14は、温度センサ部11により測定された
データを記憶部12のフラッシュメモリに書き込んだ
り、書き込んだデータをフラッシュメモリから読み出し
て、無線部13を介して外部端末装置20のリーダライ
タ24へ無線信号として送信する処理を実行する。
【0038】キャパシタ部15は、必要に応じて設けら
れるものでる。キャパシタ部15は、外部端末装置20
のリーダライタ24から送信される信号に、電力用高周
波信号が含まれている場合に充電される。キャパシタ部
15は、バッテリなどに比べて充電時間が短く、使用可
能な温度範囲が広く、電気回路が簡素でデータキャリア
に組み込むことが容易であり、コスト的にも有利という
利点を有している。
【0039】一方、外部端末装置20は、外部制御部2
1、外部記憶部22、外部無線部23およびリーダライ
タ24を含んで構成されている。
【0040】外部制御部21は、リーダライタ24をは
じめ外部端末装置を構成する外部記憶部22、外部無線
部23の動作を制御する。外部無線部23は、外部端末
装置20からデータキャリア10へのコマンドの送信、
データキャリア10からの温度測定データの受信など、
データキャリア10の無線部13との間で信号の送受信
を行う。外部記憶部22は、外部端末装置20の動作用
プログラムの記憶、データキャリア10から受信した温
度測定データの記憶などの機能を有している。
【0041】外部端末装置20がデータキャリア10か
ら受信した温度測定データ等は、無線または有線でデー
タ管理用サーバ50に送信され、データの加工・分析が
行われる。データの加工・分析の具体例には、被加熱物
が被乾燥物である場合、連続炉内における被乾燥物の温
度と時間との関係のグラフ表示、被乾燥物の恒率乾燥時
間、減率乾燥時間、到達温度の演算等がある。
【0042】上記のように、本発明に係る温度測定シス
テムは、データキャリア10と外部端末装置20間の信
号の送受信が、無線により行われるようになっており、
さらに、データ管理用サーバ50との間も通信可能に構
成されている。このような構成とすることによって、デ
ータキャリア10が連続炉内を通過する被加熱物または
炉内の温度を測定して炉外に送信し、炉の外部に置かれ
た外部端末装置20がデータキャリア10からの信号を
受信して、データ管理用サーバ50が受信した信号の加
工・分析を行うことにより、連続炉内における被加熱物
の状況をリアルタイムで把握することができるようにな
っている。このシステムの具体的な動作については後に
説明する。
【0043】ここで、データキャリア10と外部端末装
置20との関係について説明する。データキャリア10
と外部端末装置20との間の無線通信可能な距離は、デ
ータキャリアの構成の関係上、短い距離に制限される。
したがって、例えば温度測定を必要とする区間の距離が
1m以上であるような場合には、被加熱物の移動方向の
通信可能な距離の範囲内に、それぞれ外部端末装置20
を設けるようにする。そのような配置を採用することに
よって、測定区間の距離が長い場合でも、連続的に測定
を行うことが可能である。
【0044】なお、外部端末装置20が複数台必要な場
合には、上記のようにデータ管理用サーバ50を独立し
て設けるのがよい。しかし、外部端末装置20が1台で
測定可能な場合には、データ管理用サーバ50を独立し
て設けるのではなく、外部端末装置20に、データ管理
用サーバとしての機能を含めることもできる。本発明で
は、複数台の外部端末装置とデータ管理用サーバで構成
される場合も、両者を合わせて外部装置と呼ぶことにす
る。
【0045】図3は、本発明に係るデータキャリアの一
実施の形態を示す図である。図3(a)はデータキャリ
アを構成する構成要素の配置を示す模式的平面図、同図
(b)は(a)に示したI−I'切断線における模式的
断面図、同図(c)は別の実施の形態を示す(b)に対
応する模式的断面図である。
【0046】図3(a)に示されているように、データ
キャリア10は、平面的には、基材1に、温度感知部4
を備える温度センサ部11、電子装置部5、無線部13
および必要に応じて設けられるキャパシタ部15を含ん
だ形状で一体化された構成となっている。ここで、電子
装置部5は、図2に示したブロック図における記憶部1
2、制御部14を含んでいる。
【0047】図3(b)に示されている断面構造から明
らかなように、データキャリア10は、基材1面のうち
上記の構成要素が配置された面(表面)が、断熱性保護
層2で被覆されている。そして、基材1の他方の面に、
粘着層3が設けられている。また、温度感知部4は、上
面は断熱性保護層2に被覆され、基材1側には基材1お
よび粘着層3がなく、開放された状態になっている。こ
の構造のデータキャリアは、被加熱物にデータキャリア
を貼付して、被加熱物そのものの温度を測定する使い方
に適している。なお、以後の説明では、上記の構造の断
熱性保護層を有するデータキャリアを、符号10aで表
すことにする。
【0048】一方、図3(c)に示したデータキャリア
の断面構造は、同図(b)のものと比較して、粘着層3
がなく、温度感知部4が基材1に支えられており、かつ
温度感知部4には断熱性保護層がない点が相違してい
る。この構造のデータキャリア10bは、加熱雰囲気の
温度を測定するような使い方に適している。
【0049】なお、図3(c)には、粘着層がない場合
を示したが、粘着層を設けて被加熱物に貼付したり、被
加熱物の支持台に貼付することができるようにして、固
定可能にしもよい。また、温度感知部4の上下面には、
断熱性保護層2も基材1も設けない構造としてもよい。
【0050】基材1には、PET(ポリエチレンテレフ
タレート)、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチ
レン、ポリアミド(ナイロン)、紙などの材料を用いる
ことができる。基材1の厚さは、薄すぎると強度が不足
し基材としての機能を果たさないので、ある程度の厚さ
が必要であり、厚すぎると加工作業性が悪くなり、コス
トが高くなる。このような観点から、好ましい基材の厚
さは15〜300μm、より好ましい厚さは20〜10
0μmである。
【0051】断熱性保護層2は、データキャリアに装備
される各構成要素を保護するためのものであり、温度測
定の際に必要なデータが得られるまでの間、各構成要素
を高温から保護する断熱材としての役割をする。断熱性
保護層2には、その他、温度測定に使用されるまでの間
の取り扱いにおける接触、塵埃、汚染、湿気などから各
構成要素を保護する働きもある。断熱性保護層2は、上
記のような保護層としての役割を持たせるものであるの
で、電子装置部5などの構成要素を被覆すればよい。電
子装置部5などの構成要素がない領域には、断熱性保護
層2がなくてもよい。
【0052】断熱性保護層2には、ポリイミド、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリパルバン酸、アラミド、ポ
リアミド(ナイロン)、ポリサルホン、ポリエーテルサ
ルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテル・
エーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアリレー
ト、ポリエチレンナフタレート、フッ素樹脂系のエチレ
ンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テト
ラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合
体(FEP)、テトラフルオロパーフルオロアルキルビ
ニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロ
エチレン(PETE)等などの耐熱性樹脂を用いること
ができる。なお、後に説明する保護フィルム層等、断熱
性保護層を構成するフィルム層にも上記の耐熱性樹脂を
用いる。
【0053】断熱性保護層2の厚さは、20〜200μ
m程度とするのが好ましい。断熱性保護層2の厚さが薄
すぎる場合には、断熱性保護層としての機能や前述の取
り扱い上の保護層としての役割を十分に発揮させること
ができない。一方、厚さが厚すぎる場合には、取り扱い
性が悪くなること、コストが高くなることなどの問題が
生じる。したがって、断熱性保護層2の厚さは、後述の
1層構造(図4(a)参照)の場合は20〜100μ
m、空隙を有する樹脂層とフィルム層の2層構造(図4
(b)参照)の場合は80〜130μm、空気層とフィ
ルム層の2層構造(図4(c)参照)の場合は、空気層
を含めて50〜200μmの範囲とするのが好ましい。
【0054】粘着層3は、天然ゴム系、SBR系、アク
リル樹脂系などの一般的に利用されている粘着剤で形成
することができる。
【0055】図4は、断熱性保護層2の具体的な構造を
示すデータキャリアの模式的断面図である。同図(a)
は基材1にフィルム層41を被覆した断熱性保護層2a
の例、同図(b)は基材1に空隙を有する発泡シート層
42(耐熱性樹脂層)と保護フィルム層44により断熱
性保護層2bを構成した例、同図(c)は基材1と表面
のフィルム層45との間に空気層を備える断熱性保護層
2cの例である。
【0056】図4(a)に示す断熱性保護層2aは、厚
さ20〜100μmのフィルム層41そのものの断熱性
(熱伝導率が低い性質)を利用するものである。(b)
に示す断熱性保護層2bは、空隙部43を含む厚さ60
〜100μmの発泡シート層42と厚さ20〜30μm
程度の保護フィルム層44により、いっそう高い断熱効
果を得ようとするものである。(c)に示す断熱性保護
層2cは、スぺーサ47を用いて、フィルム層45と基
材1との間に空気層46を設けることにより、(a)の
場合に比べていっそう高い断熱効果を得ようとするもの
である。なお、図4においては、基材1の表面に配置さ
れている電子装置5等の構成要素は省略して図示した。
【0057】図4(a)に示した断熱性保護層2aを形
成する場合には、基材1またはフィルム層41のいずれ
か一方に接着剤を塗布し、積層すればよい。
【0058】図4(b)に示した断熱性保護層2bは、
発泡シート層42に空隙部43を含んでいる。発泡シー
ト層42の層に占める空隙部43の体積割合(空隙率)
は、断熱効果を高める観点からはできるだけ高い方がよ
いが、空隙率が高すぎると保護層としての強度が不足す
るので、70体積%以下とするのが好ましい。空隙率の
下限は、特に制限する必要はないが、断熱効果を得るた
めには20体積%以上とすることが好ましい。
【0059】このような空隙部43は、つぎに例を示す
ような方法で形成することができる。空隙形成材である
ポリアクリルニトリルで作製されたマイクロカプセル
(商品名:松本油脂(株)製「F−55」)、バインダ
ーとしてのアクリル樹脂およびアルカリ樹脂(増粘剤)
を含む水溶液を調整し、この水溶液を基材であるPET
シート等のフィルムに塗布した後乾燥する。配合割合の
1例は、質量%で、水93%、マイクロカプセル2.5
%、アクリル樹脂(固形分)3.8%、アルカリ樹脂増
粘剤(固形分)0.8%である。
【0060】厚さ20〜30μmの基材に、上記の水溶
液を厚さ20μm程度塗布した後、約130℃で1分間
程度乾燥し、さらに約150℃で熱処理する。この熱処
理によって、マイクロカプセルの中空部の体積を約3倍
に膨張させて、十分な空隙率を有する断熱性保護層2b
を形成する。この場合、空隙部43を含む発泡シート層
42の層の厚さは、60〜100μm程度となる。な
お、上記の配合例は1例であり、目標とする空隙率また
は断熱効果、保護層の強度などに応じて最適な条件を選
択するのがよい。また、バインダーや発泡剤であるマイ
クロカプセル等の種類、材質なども、データキャリア1
0の用途に合わせて、選択するのがよい。
【0061】図4(c)に示した断熱性保護層2cは、
基材1とフィルム層45との間にスぺーサ47を介し
て、空気層46が形成されている2層構造タイプのもの
である。スぺーサ47には、木綿繊維製の網状(繊維
径:約100μm、網目ピッチ(縦・横):約0.5m
m)のものが適している。図示していないが、スぺーサ
47には、厚さ100〜200μmのシリコーンゴムな
ども好適である。
【0062】上記の2層構造の断熱性保護層2cの厚さ
は、フィルム層45の厚さ20〜100μm、空気層の
厚さ30〜200μmで、両者を合わせた厚さを50〜
300μmの範囲とするのが好ましい。
【0063】上記のような空気層を含む断熱性保護層2
cを形成する場合には、基材1とスぺーサ47とフィル
ム層45を接着剤によりに接着すればよい。
【0064】図5は、データキャリアを用いて温度測定
を行う方法を説明するための図であり、データキャリア
を被加熱物等にセットした状態を示す断面図である。図
5において、図5(a)は、図3(b)に示したタイプ
のデータキャリア10aを、被加熱物51の一部の箇所
に貼付して温度測定を行う場合、図5(b)は、図3
(c)に示したタイプのデータキャリア10bを被加熱
物(図示せず)の搬送台52等に載置して温度測定を行
う場合を示している。
【0065】図5(a)に示されているように、データ
キャリア10aを被加熱物51に直接貼付すると、温度
感知部4が被加熱物51に直接対面することになるの
で、被加熱物51の温度を正確に、かつ速い応答速度で
測定することができる。また、データキャリア10aの
電子装置5等の各構成要素は、上面が断熱性保護層2に
よって保護されているので、被加熱物51より速く温度
上昇することがない。そのために、被加熱物51の温度
が上昇し、その温度によって、データキャリア10a内
の各構成要素が損傷するまで、被加熱物41の温度測定
信号がデータキャリアから発信され続ける。
【0066】図5(b)に示されているように、搬送台
52にデータキャリア10bを載置すると、被加熱物が
置かれている雰囲気の温度を正確に、かつ速い応答速度
で測定することができる。この場合にも、図5(a)の
場合と同様に、データキャリア10bの電子装置5等の
各構成要素は、上面が断熱性保護層2によって保護され
ているので、被加熱物より速く温度上昇する恐れがな
い。そのために、被加熱物51とほぼ同等の温度であっ
て、その温度でデータキャリア10a内の各構成要素が
損傷を受けるまで、データキャリア10は、炉内雰囲気
の温度測定信号を発信することができる。
【0067】図6は、本発明に係る温度測定システムの
動作を説明するためのフローチャートであり、図6
(a)は外部端末装置の動作、図6(b)はデータキャ
リアの動作を示すフローチャートである。
【0068】データキャリア10を、温度測定対象の例
えば被加熱物51に装着する。外部端末装置20は、デ
ータキャリア10が測定状態にセットされたか否か判断
する(ステップS1)。セットされていなければ、測定
状態にセットされた信号が発信されるのを待ち、この判
断を繰り返す。データキャリア10が測定状態にセット
されていると判断した場合には、測定開始コマンドを発
信する(ステップS2)。データキャリア10は、測定
開始コマンドが発信されたか否か判断する(ステップS
3)。測定開始コマンドが発信されていない場合には、
信号が発信されるのを待ち、この判断を繰り返す。外部
端末装置20は、データキャリア10が測定開始コマン
ドを受信したか否かを判断し、受信されていない場合に
は、測定開始コマンドの発信を繰り返す(ステップS
4)。
【0069】ステップS3において、データキャリア1
0が測定開始コマンドが発信されたと判断した場合に
は、データキャリア10は、予め定められている所定の
時間間隔で、間欠的な温度測定を実行する(ステップS
5)。測定されたデータは、制御部14を介してデータ
キャリア10の記憶部12内のフラッシュメモリに一旦
格納される(ステップS6)。
【0070】外部端末装置20は、所定の測定時間が経
過したか否かを判断し(ステップS7)、所定の時間が
経過したと判断した場合には、データキャリア10に温
度測定データ送信コマンドを発信する(ステップS
8)。データキャリア10は、温度測定データ送信コマ
ンドが発信されたか否か判断する(ステップS9)。発
信されたと判断した場合には、データキャリア10の記
憶部12に格納されている温度測定データを外部端末装
置20へ送信する(ステップS10)。その後、データ
キャリア10は、記憶部12内のフラッシュメモリに格
納されている温度測定データを電気的に消去し(ステッ
プS11)、次の測定開始に備える。
【0071】外部端末装置20は、データキャリア10
から温度測定データを受信したか否かを判断し(ステッ
プS12)、温度測定データを受信したと判断した場合
には、必要に応じてステップS2に戻り、次の温度測定
開始コマンドを発信する。この段階で測定を終了するよ
うにプログラムされていてもよい。ステップS12で、
温度測定データを受信していないと判断した場合には、
データキャリア10が通信不能か否かを判断する(ステ
ップS13)。通信不能ではない(通信可能)と判断し
た場合には、さらに測定終了か否かを判断し(ステップ
S14)、測定終了と判断した場合には測定を終了す
る。また、ステップS13で通信不能と判断した場合に
は測定終了とし、ステップS14で測定終了ではないと
判断した場合には、ステップS2に戻る。
【0072】なお、図6に示したフローチャートは、温
度測定システムの動作の1例であり、測定対象物、測定
温度範囲、データキャリアの熱による損傷の可能性、被
加熱物のヒートパターン等の条件により、動作の追加ま
たは削除、動作順序の変更を行うのがよい。
【0073】ここで、連続炉における薄物の加熱乾燥の
ように、100℃〜100数十℃まで上昇する被加熱物
の温度を、60〜70秒程度という短時間測定すること
に対するデータキャリアによる温度測定の有効性につい
て説明する。
【0074】すでに説明したように、データキャリア1
0の断熱性保護層2は、厚さが300μm以下程度と極
めて薄い。したがって、データキャリア内に装備される
電子装置等の各構成要素を熱から保護する性能には限界
がある。ただし、その性能の限界内で、有効な温度測定
値が得られるのであれば、データキャリアはその機能を
十分に備えていると言える。本発明に係るデータキャリ
ア、前述の温度測定方法および温度測定システムは、上
記のような薄い断熱性保護層を有するデータキャリアで
ありながら、目的とする温度測定を行うことができるよ
うに構成されていることに特徴がある。
【0075】図1に示したように、本発明に係るデータ
キャリアに設けられる断熱性保護層は、連続炉による加
熱乾燥(加熱温度100℃)の温度測定に適用された場
合、60〜70秒間はデータキャリア内の電子装置等の
各構成要素を80〜90℃以下に保持する性能を持って
いる。各構成要素はその程度の時間、温度までは熱に耐
えるので、データキャリアは、少なくともそれまでの間
の温度測定に関するデータを発信する性能を有してい
る。
【0076】一方、例えば、先に説明したリチウム電池
の電極の加熱乾燥のような場合には、本発明者らは、被
加熱物の加熱過程における品質低下原因が、必ずしも最
高到達温度にあるのではない場合が多いことを知見し
た。40〜80℃程度の温度範囲におけるヒートパター
ン、または温度履歴の影響が大きいということである。
仮に最高到達温度が必要な場合は、感熱テープによる温
度測定を併用することもできる。したがって、被加熱物
の品質低下を防止する上では、被加熱物が連続炉内を搬
送される際の時々刻々変化する温度上昇過程を、精度よ
くリアルタイムで把握できることがもっとも重要という
ことになる。
【0077】このように、本発明に係るデータキャリ
ア、このデータキャリアを用いる温度測定方法、温度測
定を実行するための温度測定システムは、70〜100
℃程度に上昇する場合の被加熱物の温度温度を、60〜
70秒間程度の短時間測定するのに極めて好適である。
さらに具体的には、連続式の乾燥炉におけるリアルタイ
ムでの被乾燥物の温度測定にもっとも好適である。
【0078】なお、上記の測定温度範囲および測定時間
は前述の実施の形態に記載したリチウム電池の例のよう
な場合であり、本発明に係るデータキャリア、このデー
タキャリアを用いる温度測定方法、温度測定を実行する
ための温度測定システムは、一般的には、測定温度70
〜100数十℃まで、特に約120℃まで、また、その
温度範囲における測定時間60〜180秒までの測定が
可能である。
【0079】
【発明の効果】本発明に係るデータキャリア、このデー
タキャリアを用いる温度測定方法、温度測定を実行する
ための温度測定システムによれば、連続炉内を移動しな
がら加熱され、70〜100数十℃程度に上昇するよう
な被加熱物の温度を、60〜180秒程度の時間、精度
よく、リアルタイムで測定することができる。さらに、
測定された温度データは瞬時に加工・分析されるため、
加工・分析された結果を、被加熱物である製品の製造過
程における品質管理に即座に反映することができる。
【0080】そのため、製造過程で製品が受ける環境条
件、例えば気温、湿度、天候等の変動に起因する製品品
質のばらつきを抑制することも可能である。
【0081】また、本発明に係る温度測定システムは、
データキャリアと外部端末装置との間が無線による通信
であるとともに、使用後のデータキャリアを回収しない
使い方もできるので、測定における作業性に優れてい
る。さらに、製造ラインや流通ラインのように人が近付
けない場所やケーブルが使えない場所における温度測定
とそれに基づく環境評価を行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スチロール、紙、PET、発泡PETの4種類
のシートを対象に、断熱性能を調査した結果を示すグラ
フである。
【図2】本発明に係る温度測定システム全体の構成を示
すブロック図である。
【図3】本発明に係るデータキャリアの一実施の形態を
示す図であり、(a)はデータキャリアを構成する構成
要素の配置を示す模式的平面図、(b)は(a)に示し
たI−I'切断線における模式的断面図、同図(c)は
別の実施の形態を示す(b)に対応する模式的断面図で
ある。
【図4】断熱性保護層の具体的な構造を示す模式的断面
図であり、(a)は基材にフィルム層を被覆した断熱性
保護層2aの例、(b)は基材に、フィルム層内に空隙
を有する断熱性保護層2bの例、同図(c)は基材と表
面のフィルム層との間に空気層を備える断熱性保護層2
cの例である。
【図5】データキャリアを用いて温度測定を行う方法を
説明するための図であり、データキャリアを被加熱物等
にセットした状態を示す断面図である。(a)は、図3
(b)に示したデータキャリア10aを、被加熱物に貼
付して温度測定を行う場合、(b)は、図3(c)に示
したデータキャリア10bを被加熱物の搬送台に載置し
て温度測定を行う場合を示す断面図である。
【図6】本発明に係る温度測定システムの動作を説明す
るためのフローチャートであり、(a)は外部端末装置
の動作、(b)はデータキャリアの動作を示すフローチ
ャートである。
【符号の説明】
1 基材 2、2a、2b、2c 断熱性保護層 3 粘着層 4 温度感知部 5 電子装置部 10、10a、10b データキャリア 11 センサ部 12 記憶部 13 無線部 14 制御部 15 キャパシタ部 20 外部端末装置 21 外部制御部 22 外部記憶部 23 外部無線部 24 リーダライタ 41、42、44、45 フィルム層 43 空隙部 46 空気層 47 スぺーサ 51 被加熱物 52 載置台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G08C 17/00 G06K 19/00 K Fターム(参考) 2F056 BP10 2F073 AA02 AA23 AA31 AB02 AB11 AB20 BB02 BC02 CC01 FF02 GG01 GG04 GG08 GG09 5B035 AA07 BA05 BB09 CA02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材の表面に、温度センサ部、記憶部、無
    線通信部および制御部を備える温度測定用データキャリ
    アにおいて、少なくとも前記温度センサ部、前記記憶
    部、前記無線通信部および前記制御部を含む前記基材の
    表面領域が、断熱性保護層により被覆されていることを
    特徴とする温度測定用データキャリア。
  2. 【請求項2】前記断熱性保護層が、空隙を有する耐熱性
    樹脂層と、その上の保護フィルム層により構成されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の温度測定用データ
    キャリア。
  3. 【請求項3】前記断熱性保護層が、前記基材の表面上の
    スぺーサを介して設けられたフィルム層と、該フィルム
    層と前記基材との間に形成された空気層により構成され
    ていることを特徴とする請求項1に記載の温度測定用デ
    ータキャリア。
  4. 【請求項4】前記無線部が、平板状のアンテナ用コイル
    を具備することを特徴とする請求項1〜3のいずれかの
    項に記載の温度測定用データキャリア。
  5. 【請求項5】前記基材の裏面に、貼着手段を備えること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の温度
    測定用データキャリア。
  6. 【請求項6】基材の表面に、温度センサ部、記憶部、無
    線通信部および制御部を形成した後、少なくとも前記温
    度センサ部、前記記憶部、前記無線通信部および前記制
    御部を含む前記基材の表面領域に、中空粒子を含む塗膜
    を形成し、その上に保護フィルムを積層して、さらに加
    熱処理することを特徴とする温度測定用データキャリア
    の製造方法。
  7. 【請求項7】基材の表面に、温度センサ部、記憶部、無
    線通信部および制御部を備え、少なくとも前記温度セン
    サ部、前記記憶部、前記無線通信部および前記制御部を
    含む前記基材の表面領域が、断熱性保護層により被覆さ
    れている温度測定用データキャリアを、連続炉内で加熱
    される被加熱物に貼付するかまたは被加熱物の近傍に配
    置し、約120℃に到達するまでの間、温度測定を行う
    ことを特徴とする被加熱物の温度測定方法。
  8. 【請求項8】温度測定用データキャリアと、該温度測定
    用データキャリアとの間で信号の送受信機能を有する外
    部装置とを含む温度測定システムにおいて、前記温度測
    定用データキャリアが、基材の表面に、温度センサ部、
    記憶部、無線通信部および制御部を備え、少なくとも前
    記温度センサ部、前記記憶部、前記無線通信部および前
    記制御部を含む前記基材の表面領域が、断熱性保護層に
    より被覆されていることを特徴とする温度測定システ
    ム。
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