JP5098516B2 - 非接触ic媒体および非接触ic媒体の製造方法 - Google Patents
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(1)通信応答体が温度変化により読み取れなくなっているのか、衝撃等でICが破損して読み取れなくなっているのか判定できない。
(2)自動化ラインを想定した場合、読み取りが出来ない物品は無いものと判断される。
(3)リーダーの通信領域に多数個の通信応答体が存在する場合、どのICタグが破損しているのか判別できない。
(1)変化したIDにより、状態の変化があったことが判断できる。
(2)リーダーで読み取れる状態であるため、物品の存在が認識できる。
(3)IDにより、状態変化のあった無線ICタグ(物品)が判別できる。
これにより、一定温度の環境に一定時間以上置かれたという経過時間も含めた検知を実現することができる。従って、一定温度以上に一定時間以上放置されると腐敗する食料品など、経過時間の管理も重要となる物品の管理に好適な非接触IC媒体を提供できる。
これにより、環境変化の報知機能を有する非接触IC媒体を安価に製造することができる。
ICタグ1は、通信周波数として13.56MHzを用いて非接触通信するRF−IDタグである。このICタグ1は、IC11(ペアチップIC11)を実装するストラップ基板12を有するモジュール20と、樹脂製基材13の上に形成した巻き線コイル14の終端部15とが機械的に締結された構造である。そして、ある一定の温度により破断、あるいは抵抗値が増加するセンシング配線回路16がストラップ基板12上に設けられ、このセンシング配線回路16がIC11に接続されている。
変化検出回路24は、記憶部23のうちの特定のメモリブロック23bに直結されている。また変化検出回路24には、センシング配線回路16が接続されている。このセンシング配線回路16は、ICタグ1の周囲環境が設定を超えて変化した場合に抵抗値が大きくなる抵抗変化部16aを備えている。
まず、25μm厚の耐熱性PETフィルムで形成されたストラップ基板12上に35μm厚のアルミ箔71が接着されたAl−PET積層材を用意する。
次に、前記積層材上のアルミ箔71上に、所要パターン回路形状にレジストマスク72を印刷形成する。
従来公知のエッチング法を用いて、アルミ配線回路12a,12b,12cを作成する。ここで、アルミ配線回路12a,12bは、後に巻き線コイル14と接続するための配線回路であり、アルミ配線回路12cは、センシング配線回路16を接続するための配線回路である。
次に、上記エッチング工程で使用したレジストマスク72を剥離する。
周囲温度40℃付近で急激に抵抗値が高くなる特性をもったPTCインクを、スクリーン印刷法等により10μm厚程度に印刷してセンシング配線回路16を形成する。このPTCインクは、一度温度上昇によって抵抗値が高まると、その後に周囲温度が下がっても高まった抵抗値を維持する不可逆性の性質を有している。このセンシング配線回路16は、図1に示すようにIC11を実装する回路形態に形成する。
次に、IC11を実装するアルミ配線回路12a,12b,12cといった電極上に、ポリオレフィン系、あるいはポリエチレン系の熱可塑性接着剤73を塗布する。この塗布は、スクリーン印刷法等を使って、IC11が実装される個所のみへ塗布することもできるが、生産性が良好なロールコータ等を使って基板表面全面に塗布してもよい。
最後に、IC11を、前工程の熱可塑性接着剤73上に配置し、特開2001−156110で提案されている公知の方法を用いて配線回路上に実装する。
尚、本実施例で使用したストラップ基板12として、ポリイミドフィルム、PEN、PPSフィルム等の耐熱性基材を用いてもよい。
(工程I)
まず第1の工程として、Cu−PET積層基材を用意する。このCu−PET積層基材は、例えば38μm厚のPETフィルムで構成した樹脂製基材13の片面に、ウレタン系接着剤を介して10μm厚のCu箔81を重ね、これを150℃、圧力5kg/cm2の条件で熱ラミネートを経て積層接着させる。これにより、PETフィルムの面にCu箔81が接着されたCu−PET積層材が完成する。
次に、前記積層材のCu箔81表面上にコイル形状のエッチングレジストパターン82を形成する。すなわち、コイルの特性として必要なL値、Q値を得るターン数、線幅、ピッチ、内外周をもつコイル形状に、例えばグラビア印刷法を用いて絶縁性のエッチングレジストインキをCu箔上に印刷する。
上記工程により形成されたエッチングレジストから露出するCu箔部分を、従来公知のエッチングを行うことにより除去し、アンテナとして機能する渦巻き状導体パターンである巻き線コイル14を形成する。
次に、モジュール20のアルミ配線回路12a,12bを、巻き線コイル14の終端部15に配置する。そして、圧子83をモジュール20のアルミ配線回路12a,12bの直上部に負荷圧力0.2Kg/mm2、振動数40kHzの超音波振動84を付加しながら約0.5秒間押し当て、モジュール20と巻き線コイル14を接続する。
また、センシング配線回路16を小型のストラップ基板12の表面に印刷によって形成するため、高温度の熱処理を要するセンシング配線回路16の形成に際して、高額な耐熱材料が必要なストラップ基板12の使用面積を減らすことが可能となる。
この実施例2では、変化検出回路24にコンパレータ25が設けられている。このコンパレータ25は、センシング配線回路16からの信号が一定以上であればメモリブロック23bのデータを書き換え、センシング配線回路16からの信号が一定以下であれば何もしない回路である。その他の点については、実施例1と同一であるので、同一要素に同一符号を付して詳細な説明を省略する。
この実施例では、センシング配線回路16に2つの抵抗変化部16a,16bが設けられている。この抵抗変化部16a,16bは、それぞれ抵抗値が変化する温度値が異なるインク材を用いて独立して形成されている。
この実施例では、樹脂製基材63の片面に形成されているアンテナ64の形状等が異なる程度であり、その他の構成おおび動作については実施例1〜3と同一である。
以上の構成により、実施例1〜4と同様の効果を得ることができる。
この実施例では、実施例1〜3で用いたセンシング配線回路16の代わりに、環境変化検知センサ28を用いている。
導体回路22は、配線回路21の上に銀インクを印刷することで形成されている。
酸化物27は、金属酸化物であり、この実施例ではアルミニウムの酸化物が用いられている。
2つの配線回路21を接続するような形態で、配線回路21上に導体回路22を形成する。この導体回路22は、銀、あるいはカーボン等の導電粒子、エポキシ樹脂等のバインダ、イソホロン等の溶剤から成る導電インクをスクリーン印刷等により印刷し、150℃、10分程度で加熱、乾燥する方法で形成する。
また、酸化物27の酸化成長は、時間経過に伴ってゆっくり行われるため、単に一定温度を超えたという検知ではなく、一定以上の温度に何時間置かれたかという計時要素を含む検知を行うことができる。
この発明の非接触IC媒体は、実施形態のICタグ1,1A,1B,1D,1Eに対応し、
以下同様に、
アンテナ基板は、樹脂製基材13に対応し、
アンテナは、巻き線コイル14に対応し、
回路素子は、抵抗変化部16a,16bに対応し、
変化手段は、抵抗変化部16a,16b、または配線回路21と導体回路22と酸化物27に対応し、
2つの導電体は、配線回路21および導体回路22に対応し、
記憶手段は、記憶部23に対応し、
書込手段は、変化検出回路24に対応し、
金属酸化物は、酸化物27に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
Claims (4)
- 環境変化によって状態が変化する変化手段と、
情報を記憶している記憶手段とを備えた非接触IC媒体であって、
前記記憶手段に該非接触IC媒体のIDを記憶し、
前記記憶手段の一部のメモリブロックと前記変化手段とに接続され、前記変化手段の所定の状態の変化に基づき前記メモリブロックへの情報の不可逆的な書込みによって非接触IC媒体が応答するIDを変化させる書込手段とを備えた
非接触IC媒体。 - 前記変化手段を、周囲の温度変化によって電気的な断線または抵抗値変化が発生する回路素子により形成し、
前記所定の状態を、電気的に断線した状態または一定以上の抵抗値変化が発生した状態とした
請求項1記載の非接触IC媒体。 - 前記変化手段を、互いに電気導通可能に接合された2つの導電体と、該2つの導電体の接合部間に設けられた金属酸化物とで構成し、
前記所定の状態を、前記金属酸化物の酸化成長によって抵抗値が高まり共振周波数が変化した状態または電気的に断線した状態とした
請求項1記載の非接触IC媒体。 - アンテナを備えたアンテナ基板に、
請求項1から3のいずれか1つに記載の前記変化手段および請求項1から3のいずれか1つに記載の前記記憶手段並びに前記書込手段を含むICを実装した前記アンテナ基板より小型の小型基板を実装する
非接触IC媒体の製造方法。
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