JP2012115974A - 食肉スライサーおよび食肉スライス方法 - Google Patents
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【解決手段】底部コンベヤ6と、左右両側部案内部材5と、上部送り部材7とを備えた食肉移送樋3と、食肉移送樋3に対し相対移動することによって食肉移送樋から送り出される食肉をスライスする刃物19を備えた食肉スライサーであって、食肉移送樋3の始端部には、食肉成形箱8が食肉の送り出し方向に沿って延設されており、食肉成形箱8における前壁にはシャッター12と、上面には開閉可能な上部カバー81が設けられ、後壁を構成する加圧板13は食肉の送り出し方向に沿って少なくとも前壁を通過する位置まで移動可能とされている。
【選択図】図2
Description
この食品スライサーにおいて、下側コンベヤ上に載置される食品は左右案内板により規制されるが上側コンベヤは食品の上面に乗って上下に移動可能に支持されているので食品は供給された形のままでスライスされる。
この食品スライサーにおいては所定の形状に成形されてからスライスされるので均等なスライス肉片が得られる。
しかしながらこの食品スライサーにおいては、連続したスライス作業でなく食品のブロック単位毎の反復処理となるので能率的でなかった。
また、肉箱の食肉成形箱側に食肉の継ぎ足し空間が形成されており、先行する食肉のスライス作業中であっても成形された食肉が補給できるので連続したスライス作業が可能である。
この継ぎ足し空間には上部送り部材がなく、しかも食肉が送り込まれたとき先端部が上部送り部材の始端部まで達しないように構成され、側部送り部材が平滑なコンベヤベルトで構成されると食肉の移送がスムーズに行える。
更に、食肉成形箱付近を支持する支持部を中心として往復揺動させる構成にすると、食肉成形箱が揺動中心付近に位置するのでスライス作業中において動きが少なく食肉の詰込み作業がやり易い。
肉箱3は、ガイドに規制されて刃物に対して直線的に移動させるようにしてもよく、また、肉箱を固定させ刃物を移動または回転させるようにしたものであってもよい。
この上部コンベヤ7は、上部コンベヤ7の下面が図2に示されるように肉箱3の出口側から所定の範囲内に亘って底部コンベヤ6の上面と略平行状態若しくは、先端側が低位となる緩い前傾状の移送路を形成できるように後方に向けて延設されるが、先端部は可能な限り切断部に接近させることが望ましい。
この上部コンベヤ7は、ローラー71,72に掛け回された表面に適宜な送り出し用の突起を有したコンベヤベルト73からなり、ローラー71は底部コンベヤ6に連結されているサーボモーターから適宜の伝導機構を介して駆動され底部コンベヤ6と上部コンベヤ7とは、同調して周回するよう連結されている。
尚、上部コンベヤ7は本例のようなベルトコンベヤに限ることなく広く用いられている突起付きの送りローラーであっても良い。
この食肉移送路における断面形状は、後述する食肉成形箱8によって成形された食肉の断面形状と略同一に設定し、移送されて来る食肉の断面形状を維持して送り出せるようにする。
即ち、図2に示されるように底部コンベヤ6の上面と上部コンベヤ7の下面と左右両側の側部コンベヤベルト55、55によって形成される食肉移送路の延長線上に食肉成形箱8の断面形状が合致するよう食肉の継ぎ足し空間11を隔て直列に延設され、一体となって揺動される構成である。
食肉を継ぎ足す時期は、先行する食肉が図2に仮想線の斜線で表示する状態となったときが限度であり、この状態となる前に継ぎ足さないと移送される食肉の先端が上部コンベヤ7の下面に接するので抵抗となり先行する食肉の後端面へ密接に継ぎ足すことが困難となり均一なスライスができない。
この継ぎ足し空間11の設定に際しては、先行する食肉が食肉成形箱8で成形されたままの長さ寸法であっても収容できる長さ寸法以上のスペースを確保することが望ましい。
また、継ぎ足し空間11内に成形された食肉が送り込まれたときに食肉の先端が上部コンベヤ7の始端部まで到着しないように構成すれば食肉の先端が上部コンベヤ7によって邪魔されることなく移送できる。
尚、この食肉の継ぎ足し空間11においては、肉箱3の先端部から後方に向かって延設されている底部コンベヤ6と両側の側部コンベヤ5,5の内、上部コンベヤ7は設けないで表面にエンボス加工が施された板材からなる案内板111としている。また、前述したように側部コンベヤベルト55の表面が平滑とされると、先行する食肉が送り出されながらスライスされていても続いて継ぎ足される食肉が案内板111と底部コンベヤ6及び両側の側部コンベヤ5,5とで形成される移送路の内壁を滑りながらスムーズに移送されて継ぎ足される。
尚、側部コンベヤベルト55の食肉と接する表面が平滑な平ベルトで構成すると、移送されるときに抵抗が少なくスムーズに移送できるが、送り出し効果が減少するので移送時において支障のない程度に送り込み用の突起などを付与してもよい。
食肉成形箱8は、前述した肉箱3における底部コンベヤ6の上面と上部コンベヤ7の下面と左右コンベヤベルト55、55とで形成される方形の断面形状と略同一の断面形状と、所定の長さ寸法とを有した、周囲が壁で覆われた直方体状に形成されていて、周壁の一面である上面には原料の食肉が投入できるように開閉可能なカバー81が取着されている。このカバー81は図2に示すようにエアーシリンダー82に連結されていて仮想線表示の位置まで大きく開けることができる。83はカバー81に取着された開閉ハンドルであって、この開閉ハンドル83には開閉ハンドル83を回動させることで開閉カバー81を閉じた状態にロックできるカンヌキ84が連結されている。
この開閉可能とされる周壁は、本実施例の上壁に限ることなく外側壁であっても良い。
また、食肉の継ぎ足し空間11に接する前壁は、開放されると食肉の送り出し口となるようにエアーシリンダー121によって上下動して送り出し口を開閉するシャッター12とされる。
この移送板13は、食肉成形箱8の断面積より若干小さめの面積を有した板材で造られており、食肉の送り出し方向に直交した姿勢で成形された食肉の後端面を押しながら食肉成形箱8から食肉の前端面が先行する食肉の後端面に密接するまで、少なくとも移送板13が食肉成形箱8の前壁を通過するまで移動可能とされる。
移送板13は、食肉成形箱8の左右両壁面を摺動する案内面が形成された巾寸法が成形箱8の内巾より若干小さい断面形状がコノ字状の帯状板を、更に高さ寸法が成形箱8の高さ寸法より若干低い寸法になるように側面視(図2)において後方に向けてコの字状に折り曲げられた形状とされている。
また、移送板13には、食肉成形箱8の底面より若干小さい面積を有した下敷板131が移送板13の底辺から前方に向けて延設されていて、成形された食肉を継ぎ足し空間11に移送させるとき食肉を載せた状態で同時に移動して底部コンベヤ6の上面と食肉の底面との間の隔壁となり移送をスムーズする。
この際、継ぎ足し空間11の上部には上部コンベヤがなく単なるガイド板111なので食肉を移送するとき抵抗とならずまた、先行する食肉の送り出しの支障とならないのでスライス作業中であっても成形された食肉を移送し先行する食肉に継ぎ足すことができる。
この食肉の移送もエアーシリンダーなどを用い動力で行うようにしても良い。
刃物はバンドナイフに限定されるものでなく鉈刃を使った回転刃でもよくこの場合には肉箱3は移動させる必要がない。
回転体21は、外周面が平滑な円柱状の部材であり、肉箱3の幅寸法以上の幅寸法を有し、回転体駆動用サーボモーター(図示なし)に連結されている。揺動する肉箱3の先端移動速度に関連して、回転体21は反対方向に回転し、切り出されるスライス肉片をその外周面に付着させて受取り移送する。
続いて、エアーシリンダー121を駆動してシャッター12を開き、移送板13に取着した取手15を持って、成形された食肉を先行する食肉に密接するまで食肉成形箱8の前壁を通過させて継ぎ足し空間11へ移送する。
但し、作業開始時においては先行する食肉がないので移送板13で移送しながら底部コンベヤ6と上部コンベヤ7および側部コンベヤ5,5を走行させて食肉の先端を当板20に当接するまで送り込む。
本実施例においては、先に供給された食肉のスライス作業中であっても、継ぎ足し用の食肉を成形するための食肉成形箱8への食肉の詰込み作業を並行して行うことができるので連続作業が可能であり、特許文献2に見られる従来の成形食肉のスライサーのような成形された食肉毎にスライス作業を中断しての断続作業でないので効率よく作業ができる。
特に、本実施例においては、食肉成形箱8が揺動中心付近に位置するので運転中であっても動きが少ないので食肉の詰込み作業が容易に行える。
このようにスライス作業を行いながら継ぎ足し用の成形食肉の準備しておき、先行する食肉の残量が所定量になればシャッター12を開けて、成形された継ぎ足し用の食肉を移送して先行する食肉に密接させる。このような行程を繰り返すことで連続したスライス作業が続行される。この際に食肉の残量が所定量となったことを、適宜センサーを用いて検出しその結果に関連させて継ぎ足し用の食肉を移送するようにしても良い。
このスライス方法は、先行する食肉がスライスされている時間内に、食肉成形箱8に食肉成形箱8の容量と略等しい体積に相当する複数の食肉を詰込み、成形箱8の内壁に沿うように成形された食肉を、先行する食肉に継ぎ足して、連続してコマギレ肉を得ようとするものであって、一度に切出されるコマギレ肉が均一化されるのでトレーを用いた受取装置と組み合わせて販売用の小トレーへの定量盛付を連続的に行うことができる。
スライス作業中において、食肉成形箱8にコマギレ肉の原料となる複数の比較的小形の食肉を隙間が生じないように接触させて詰め込み、上面のカバー81及びシャッター12を閉じた状態で略均一な密度となるように食肉を詰込むが、具体的には、食肉成形箱8の容量と同じ体積に見合う食肉の重量を食肉の平均的な比重を用いて算出し、その重量に相当する食肉を食肉成形箱8内に詰め込むことによって成形箱8の内壁に沿うように成形されて食肉成形箱8の容量と同じ体積の略均一な密度の食肉が得られるようにすることが好ましい。
正確には、スライス厚みを2、3mmとし、食肉成形箱8で成形された食肉の断面寸法を145mm×150mmに設定すれば食肉の見かけの比重を1.0とすると肉箱3の一列当たり一回にスライスされるスライス肉の重量は略50gとなる。よって所望の盛付量を得るにはスライス回数で決めればよく、200g盛付けとする場合にはスライス回数4回分を一個のトレー22に投入すれば良い。
尚、先行する食肉がスライスされる時間と、継ぎ足し用の食肉の詰込みから移送などの準備作業の必要時間との調整は、時間当たりのスライス回数を加減して行うこともできるが、準備時間が不足するときには、食肉成形箱8の長さ寸法を大きく設定して、成形される食肉における送り込み方向の長さ寸法を伸ばすことで先行する食肉のスライスに要する時間を長くし補給用食肉の準備時間に余裕をもたせることが望ましい。
3.肉箱
5.側部コンベヤ
6.底部コンベヤ
7.上部コンベヤ
11.継ぎ足し空間
12.シャッター
13.移送板
15.取手
19.バンドナイフ(刃)
20.当て板
21.回転体
23.トレー
Claims (6)
- 食肉の外周面に接する送り部材を壁面に装備した肉箱と、該肉箱に対し相対移動して肉箱から送り出される食肉をスライスする刃物とを備えた食肉スライサーであって、前記肉箱の始端部に、周囲が壁で囲われた直方体状の食肉成形箱が食肉の送り出し方向に沿って延設されており、該食肉成形箱における前壁と周壁の一面とは開閉可能に、後壁は食肉の送り出し方向に沿って少なくとも前壁を通過する位置まで移動可能とし、前記成形箱で成形された食肉を前記肉箱まで移送させるようにした食肉スライサー。
- 前記送り部材が前記肉箱の上部と底部および左右両側の壁面に装備されており、該肉箱の食肉成形箱側には上部送り部材がない食肉の継ぎ足し空間が形成されている請求項1に記載の食肉スライサー。
- 前記左右両側の送り部材が、表面が平滑なベルトコンベヤで構成されている請求項2に記載の食肉スライサー。
- 前記継ぎ足し空間は、前記食肉成形箱で成形された食肉が収容可能であって、該食肉が送り込まれたときに食肉の先端が前記上部送り部材の始端部まで到達しないように構成されている請求項2に記載の食肉スライサー。
- 前記肉箱と食肉成形箱とを、一体的に連結し該食肉成形箱付近を機体に回動自在に支持させ、該支持部を中心として水平位置を含む所定範囲内を往復揺動させるようにした請求項1〜4のいずれかに記載の食肉スライサー。
- 請求項1〜請求項5に記載されたいずれかの食肉スライサーを使用して、先行する食肉がスライスされている時間内に、該食肉成形箱の容量と略等しい体積に相当する複数の食肉を前記食肉成形箱に詰込み後、前壁を開放してから後壁を移動させて前端面が先行する食肉の後端面に密接するまで食肉を移送して継ぎ足し連続してコマギレ肉を得るようにした食肉スライス方法。
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