JP5875156B2 - 食肉スライサーにおける肉片のトレー盛付方法 - Google Patents
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それは、スライサーから切り出される肉片を、ベルトコンベヤの始端部に付着させて受け取り終端部で中継ローラーを介してトレー内に移送する移送装置(図1)であって、この移送装置においては、切り出される肉片を切り離される前からコンベヤ上に付着させて受取るので、刃物に付着して引かれず乱れることもなく定位置で受け取られ、終端部までずれることなく正確に移送される。
コンベヤ終端部からトレーに盛り付ける際には、特許文献1の図1に示す切り出されたままの広げられた肉片をトレー内に移送し、肉片を積み重ねて盛り付けるようにしている。
このように積み重ねて盛り付けられた肉片は、互いに付着し合っていて、料理するときに一枚ずつ取り出すことが難しい。また肉片の脂身の状態などが隠れて外から見えない。などの理由から一回に切り出される肉片毎にトレー内に横並びに盛り付けることが望ましいが肉片が広げられたままではトレー内での占有面積が大きくなる。
又、コンベヤの終端部において、切出されたままのコンベヤ上にへばりついた状態の肉片を剥離するのは難しく、搬送面に近接させた小径の中継ローラーをコンベヤの走行方向に対して逆走させて強制的に剥ぎ取るようにしているが特に軟弱な生肉の場合には十分でなく、確実に剥離してトレー内に整然と盛り付けることは容易でない。
肉箱に比較的小型の食肉塊を多数詰め合わせて一度にスライスしてコマギレ肉とし、少なくとも受取時点付近においては、切り出されるコマギレ肉の移動速度よりコンベヤの走行速度を遅くし、コマギレ肉をコンベヤ上に停滞させ長さ方向は切り出し口寸法のままでコンベヤ走行方向が縮められコンベヤ面より盛り上がった横長い状態で受け取り、一回に切り出されるコマギレ肉毎に横並びに盛り付けるようにしたことを特徴とする食肉スライサーにおける肉片のトレー盛付方法とされる。
又、食肉塊を収納しクランク機構によって一定区間を上下に往復移動するように機台に支持されて収納された食肉を送り出す肉箱と、送り出される食肉の先端部を刃物でスライスして得られた肉片を始端部で受け取り終端部からトレー内に落下させて盛り付けるコンベヤを備えており、コンベヤが、肉片が切り出されるタイミングに合わせて走行し、肉片が食肉塊から切り離されるまでに、切り出されつつある肉片を始端部に接触させて受け取るようにした食肉スライサーにおいて、少なくとも受取時点付近においては、切り出される肉片の移動速度よりコンベヤの走行速度を遅くし、肉片をコンベヤ上に停滞させ走行方向に縮められた横長い状態で受け取り、一回に切り出される肉片毎に横並びに盛り付けるようにし、肉片をトレー内に落下させる時点付近においては、コンベヤの走行速度を早めるようにした。
又、コンベヤ上における肉片が走行方向に縮められた分コンベヤ面との接触面積が減少するので終端部において剥がれ易くなる。また、肉片が縮められてコンベヤ上に盛り上がった状態となるので見かけの比重が大きくなり重心位置もコンベヤ面より上方に移るので、終端部において肉片が落下し易い。
更に、肉片を終端部から落下させる時点付近においてはコンベヤの走行速度を早めることにより一層落下し易くなり、終端部で肉片を持ち回ることなく確実にトレー内に落下させるので整然と盛り付けることができる。
機台1に支承され、クランク機構2によって上下方向の所定範囲内を往復動される肉箱3は、底部には底部コンベヤ4が、左右側部にはそれぞれ側部コンベヤ5,5が立設され、左右の側部コンベヤ5,5の搬送面が対向して側壁を構成し両側壁の間隔によって送り出される食肉塊Mの巾寸法が規制される。
又、肉箱3の上面にも、食肉の送り出し始端部近くに形成される食肉塊Mの供給空間(図5における12)を残して上部コンベヤ6が張設され、肉箱3は図2に示すように4面をコンベヤで構成される。
従って、供給空間12から供給される食肉塊Mは四方からコンベヤで包囲、規制され図示しない駆動装置によって走行される各コンベヤで確実に送り出されるので一回に切出される肉片mが定量化される。
この肉箱3は、本実施例のような周囲をコンベヤで包囲する構成に限ることなく、一回に切出される肉片の定量性は劣るが、側部コンベヤを省略し底部コンベヤ4と上部コンベア6とを備えたものでもよい。
コンベヤ9が掛け回された複数のプーリーの内、下方に位置するプーリー10はコンベヤフレームに据え付けられたモーター(共に図示省略)に連結される。
又、始端部におけるコンベヤフレームに軸支されるプーリー13a・・はコンベヤ9が、肉箱3が上動して肉片mが切り出されるタイミングに合わせて走行して受け取れるように比較的緩やかな円弧状に配置され、肉片mが切り離される前から付着させて受け取れるように切り出し口に接近させ、肉片mがバンドナイフ8に付着して引かれないようにしている。この複数のプーリー13a・・は直径の大きい一個のプーリーに置き換えてもよく、又単なる円弧状のガイド板で構成してもよい。
食肉塊Mが単一であれば切出される肉片mも単一であり、コンベヤ走行方向に縮められると多数のしわが発生した状態となったり、丸められた状態になったりするが、食肉塊の組成や品温、スライス厚みなどの違いにより一様ではないがコンベヤ面より盛り上がった横長い状態とされる。
また、比較的小形の食肉塊を多数詰め合わせて一度にスライスするコマギレ肉の場合においても、長さ方向は切り出し口寸法のままでコンベヤ走行方向が縮められコンベヤ面より盛り上がった横長い状態とされる。
このように横長い状態とされた肉片mは、コンベヤ9の終端部から一回に切出される肉片毎にトレー内に落下され盛り付けられるが、走行方向に縮められているので限られた大きさのトレーであっても複数回分の肉片を重ねることなく横並びに盛り付けることができる。一回分毎の肉片mが横並びに盛り付けられていると、肉片mが重ねられたものと異なり、購入者がそれぞれの肉片mにおける脂身の状態などを見ることができるし、料理するときに一回分毎にまとまっているので取り出し易い。
例えば、トレーの大きさに余裕がある場合などで、肉片を適量だけ広げた状態で盛り付けたいときには、速度差を小さくし、反対に多くの回数分の肉mを限られた大きさのトレーに盛り付けたい場合などには、コンベヤ9を一時停止させることも含めて速度差を大きくし、肉片mの縮められる量を増やして走行方向の巾を狭くし横長状態とし、肉片mを盛り上げた状態で盛り付けるなどの選択が可能である。
上記の速度差によって走行方向に肉片mが縮められると、少なくとも肉片mが広げられたままでコンベヤ9上に密着した状態と比較して肉片mとコンベヤ9との接触面積が減少する。また、コンベア面から肉片mが盛り上がった状態となり、コンベヤ9上に広げられた状態の肉片mに比べて見かけの比重も大きくなり重心位置もコンベヤ面近くから上方に移る。従ってコンベヤ9の終端部において肉片mが落下し易くなる。
尚、図4においては、理解を容易にするため単純に食肉塊Mがスライスされる行程である肉箱3の上動範囲(スライス範囲)全域に亘って「低速L」とされ、肉箱下動範囲全域に亘り「高速H」として表示されている。
剥離ローラー14はコンベヤ9の走行方向と同方向に回転されるので、コンベヤ9の搬送面に摺接した状態における剥離ローラー14の外周面の走行方向は、コンベヤ9の走行方向に対しては逆方向となり、搬送面に付着したままの肉片mを剥離して落下させる。又この剥離ローラー14は図示しないが外周面に多数の細溝を軸方向に刻設して剥離効果をより高めるようにすることが望ましい。
即ち、コンベヤ9の終端部のプーリー13bの支持軸15とテンションプーリー13c及び剥離ローラー14を詳細は表示しないが、左右のコンベヤフレームに取り付けられたスライド軸受17に嵌合して走行方向に沿ってスライド自在なスライドバー18に一体的に支持される。
一方、スライドバー18の他端部は、コンベヤフレームに支承された回動軸19に取着された揺動アーム20に自在継ぎ手21を介して連結される。
回動軸19に固着された大歯車22は、コンベヤフレームに取り付けられた減速機付モーター23の出力軸に固着された小歯車24と噛み合わせる。
肉片の切り出しに関連させてモーター23を駆動することにより揺動アーム20、20が揺動されガイドバー18,18をスライドさせるのでコンベヤ9の終端部は剥離ローラー14が走行面に摺接した状態を保ったままで移動される。
このような、コンベヤ9の終端部をコンベヤ走行方向に往復移動させてトレー内の異なる箇所に肉片を落下させる場合においては、コンベヤ走行速度が「高速H」にされた状態を少なくともコンベヤ9の終端部が所定の距離を移動される間維持するように設定して、常に肉片mが終端部からトレーに落下するときにはコンベヤ9の走行速度が「高速H」にされていて肉片mが確実に剥離されて落下しトレー内に整然と盛り付けられるようにする。
剥離ローラー14の下方で肉片mが落下する位置にトレー25を供給するトレーの搬送ブロックCは、図1、2に示すように多数の空トレーを積み重ねて貯留する機体側に向けて傾斜させたトレータンク26と、積み重ねられたトレー25を最下端から一枚ずつ取り出す取出装置27と、取り出されたトレー25を、コンベヤ9の終端部下方位置の肉片mの受取り位置まで搬送するローラーチェーンなどの無端帯からなるトレー搬送装置28から構成される。このトレー搬送装置28は、トレー25の搬送方向がコンベヤ9の走行方向に直交するように配設される。
一方、スライサーから1回に切り出される肉片mの量は比較的少なく設定されていて、例えば薄切り肉片の主流をしめる厚みが2mm程度であれば、50g程度なので2〜6回分の肉片mを1個のトレーに盛付ける必要がある。
そのために、盛付量に応じて肉片の搬送方向(コンベヤ9の走行方向)に沿った長さ寸法を変更したトレーが使用されるが、一個のトレー内に複数回数分の肉片mを盛付ける場合に、盛付後のラッピング工程において支障を生じさせないこと、及び店頭における見映えを良くするためにトレー内に一様に均した状態で盛付けることが求められる。
更に、トレー25の搬送部分におけるトレーの搬送路は、サイズの異なるトレー25を肉片mの搬送方向の長さ寸法のみ調整して肉片mの落下位置に供給すればよく構成が簡単になるなどメリットが多い。
肉片mを落下させる回数は、トレー25の大きさと所望するトレー25内へ盛り付け状態により適宜設定可能に構成されるが、一回に切り出される肉片mを単位として設定される。
コマギレ肉を生産する場合などで、スライスされる複数個の比較的小さい食肉塊Mを切断面が一様になるように肉箱3に詰め込み一回に切り出される肉片mが定量になるようにすれば、盛付量の設定が容易となりトレー25への盛付量の均一化が図れる。また、肉箱3の巾寸法一杯に詰め込まれた食肉塊Mがスライスされて切り出されるが、肉片mの移動速度よりコンベヤ9の走行速度を遅くするので切り出された肉片mがコンベヤ9上に停滞し走行方向に縮められ横長になって、コンベヤ上に盛り上がった状態となり、一回に切出される肉片m毎に横並びにトレー25に盛り付けられるが、その際に部分的に重ねたり適宜な隙間を持たせたり適宜選択可能としてもよい。
肉箱3の先端部の移動速度即ち肉片mが切り出される速度(肉片mの移動速度)よりコンベヤ9を遅い「低速L」で走行させて肉片mをコンベヤ上に停滞させ走行方向に縮めて横長い状態にして始端部で受け取り、終端部まで搬送し、増速された「高速H」で走行するコンベヤ9の終端部から遠心力と自重によってトレー25内に落下させ横並びで盛り付ける。
この際、落下しないで付着したままの肉片mがあれば、剥離ローラー14によって確実に剥ぎ取られるが、殆どの肉片mが遠心力により振り解かれるように剥離され落下するので剥離ローラー14に対する負荷が少なくなり、確実に剥離されるのでトレー25内に一回分毎に横並びに整然と盛り付けができるとともに、コンベヤ9による肉片mの持ち回りがなくロスが低減される。
3 肉箱
8 バンドナイフ
9 コンベヤ
14 剥離ローラー
25 トレー
28 トレー搬送装置
M 食肉塊
m 肉片
Claims (2)
- 食肉塊を収納しクランク機構によって一定区間を上下に往復移動するように機台に支持されて収納された食肉を送り出す肉箱と、送り出される食肉の先端部を刃物でスライスして得られた肉片を始端部で受け取り終端部からトレー内に落下させて盛り付けるコンベヤを備えており、コンベヤが、肉片が切り出されるタイミングに合わせて走行し、肉片が食肉塊から切り離されるまでに、切り出されつつある肉片を始端部に接触させて受け取るようにした食肉スライサーにおいて、
肉箱に比較的小型の食肉塊を多数詰め合わせて一度にスライスしてコマギレ肉とし、少なくとも受取時点付近においては、切り出されるコマギレ肉の移動速度よりコンベヤの走行速度を遅くし、コマギレ肉をコンベヤ上に停滞させ長さ方向は切り出し口寸法のままでコンベヤ走行方向が縮められコンベヤ面より盛り上がった横長い状態で受け取り、一回に切り出されるコマギレ肉毎に横並びに盛り付けるようにしたことを特徴とする食肉スライサーにおける肉片のトレー盛付方法。 - 食肉塊を収納しクランク機構によって一定区間を上下に往復移動するように機台に支持されて収納された食肉を送り出す肉箱と、送り出される食肉の先端部を刃物でスライスして得られた肉片を始端部で受け取り終端部からトレー内に落下させて盛り付けるコンベヤを備えており、コンベヤが、肉片が切り出されるタイミングに合わせて走行し、肉片が食肉塊から切り離されるまでに、切り出されつつある肉片を始端部に接触させて受け取るようにした食肉スライサーにおいて、少なくとも受取時点付近においては、切り出される肉片の移動速度よりコンベヤの走行速度を遅くし、肉片をコンベヤ上に停滞させ走行方向に縮められた横長い状態で受け取り、一回に切り出される肉片毎に横並びに盛り付けるようにし、肉片をトレー内に落下させる時点付近においては、コンベヤの走行速度を早めるようにしたことを特徴とする食肉スライサーにおける肉片のトレー盛付方法。
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