JP7038374B2 - スライス肉のトレー盛付装置 - Google Patents
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Description
この文献には、複数の食肉移送樋(肉箱に相当)が並列して設けられた食肉スライサーの食肉移送樋の出口から切り出されるスライス肉片が、出口に対向して設けられた回転体で受け取られて移送され、移送方向に対して直交する方向に移送されるトレーに盛り付けられる構成が記載されている。
特に、幅方向の長さ(単に幅寸法とする)が短い場合においては、トレーに盛り付けられた際、一側に偏ると見映えが悪く商品価値が低下する。
従って、複数の肉箱から同時に切り出されるスライス肉をそれぞれに対応するトレーに盛り付ける際に、スライス肉の幅方向における中心位置(以下単にスライス肉の中心位置とする)をトレーの移送方向における中心位置(以下単にトレーの中心位置とする)に合致させるようにして、常にスライス肉をトレーの移送方向における中央部(以下単にトレーの中央部とする)に盛り付けてトレーの両端の空間を同じになるようにすることが望まれる。
又、前記外形的要素がスライス肉の幅寸法であって、基準は盛付可能な最大のスライス肉の幅寸法であり、幅寸法の差が少ないスライス肉から順番に対応するトレーの中心位置を該スライス肉の中心位置に合致させるようにすることが好ましい。
実施例として図1に全体構成が模式的に示されるが、食肉スライサーに略同じ大きさの肉箱1が2基並列して一体的に設けられクランク機構2によって上下方向に揺動され、上動するとき肉箱1に保持された材料肉の先端部を肉箱の出口部を横断して張設された送出し方向に対して直交して走行する帯状刃3によってスライスし、切り出されるスライス肉mを刃物直下に設けられた回転体4の表面で受け取り中継ぎ位置まで移送する。
中継ぎ位置には中継ぎ片5が揺動自在に設けられていて、回転体4からスライス肉mを剥ぎ取って中継ぎ片5の先端に略中心位置を跨らせて支持させ2つ折りしながら移送用のコンベア6の始端部へ移載する。スライス肉mは1パック分量(1個のトレーに盛り付けられる量)ごとに、折り畳み線を前にして一部を積み重ねた鱗列状に並べられコンベヤ6の終端部まで移送される。
終端部下方のスライス肉落下位置には、移送されたスライス肉mが盛り付けられるトレー7が待機していて、スライス肉mがコンベヤ6の終端部から1パック分量ごとにトレー7内に落下し盛り付けられる構成である。
尚、本実施例においてはスライス肉mを中継ぎ位置で中心部付近から2つ折りとしたが、折り畳まないで切り出されたままの広げられた状態であってもよく、1パック分量の制約もない。
部分肉が刃物と相対移動してスライスされるが肉箱1に保持される部分肉は刃物による切断抵抗を受けて肉箱1の一側に押して付けられる。従って部分肉は押し付けられる側が基準となりスライス肉の幅寸法が変われば押し付けられる側に偏った状態で切り出される。
本実施例におけるコンベヤ6は、コンベヤ両側に設けられたコンベヤ側板(図示なし)に支持される複数のコンベヤローラー8、8・・に掛け回させたベルトコンベヤであって、コンベヤ6の終端部は、スライス肉mの落下位置で待機するトレー7内に、コンベヤ6で移送されてきた1パック分量のスライス肉mを横並びされた横1列分ごとに、姿勢を保持したまま同時に対応するそれぞれのトレー7、7に盛り付けるために、スライス肉mが終端部に達すれば、コンベヤ6の終端部を図1における仮想線から実線の状態に適宜手段で矢印の走行方向に沿って比較的急速に後退させてスライス肉mをトレー7内に落下させてから復帰する構成とされる。
中継ローラー9は、比較的小径であってコンベヤ終端部のスライス肉mが離れる位置付近に設けられ、コンベヤ6の走行方向に反して回転してスライス肉mを持ち回りさせないようコンベヤ周面から剥離し周面でトレー7内に誘導し落下させる。
本発明においては、トレー7はコンベヤ6の走行方向に対し直交し且つ水平方向に走行するトレー7の移送手段で移送される構成であって、図2に示されるようにスライス肉mのトレー7への盛付場所付近の一側に積層された空トレーの貯留タンク10が斜設されていて、貯留タンク10の下方には積層トレーからトレー7を一個ずつ分離する分離手段11が設けられている。
盛付場所付近には、それぞれのトレー7、7を他のトレー7の移送を妨げない位置まで退避させるトレー移送手段との係合離脱が可能な係脱手段が設けられる。
本実施例における係脱手段は、トレー7を載置して昇降する昇降具15であり、トレー7が盛付場所にあるときに、トレー7を移送片14から離脱させて他のトレーの移送の支障とならない位置であってコンベヤ6に接近した位置(図2における仮想線表示)まで上昇させる。
昇降具15はトレーの両縁を支持して移送帯13の走行に支障とならずに昇降させるものでエアーシリンダーなどで構成される。
並列して一体的に設けられた略同じ大きさの2基の肉箱1、1は矢印方向に回転走行される帯状刃3に対して上下動可能とされ上動するときにスライス肉mが切り出され回転体4で受け取られ中継ぎ片5を介して略中心部から2つに折り畳まれてコンベヤ6の始端部に移送される。
スライスされる部分肉は、通常、同じ部位をまとめてスライスされるが同じロットにおいても個々の大きさに違いがあり、同一部分肉においてもスライスされる箇所によって幅寸法が変動する。例えば豚ロースの場合、通常リブロース側とサーロイン側とはスライスされた肉片の幅寸法が異なりサーロイン側がリブロース側より小さい。
図3には、並設された略同じ大きさの肉箱1、1から同時にスライス肉が切り出される状態であって、紙面に向かって左側はスライス可能な略最大の部分肉が、又右側にはやや小さめの部分肉がそれぞれスライスされる状態が模式的に示されている。
盛付可能な最大のスライス肉mが収容可能な内幅寸法を有したそれぞれの肉箱1、1から切り出され一部をずらせて1パック分の枚数が積み重ねられたスライス肉mがコンベヤ6で移送されて盛付場所に到達したときに、左側に示される肉箱1の略内幅寸法一杯の大きさの部分肉の場合は、スライス肉mの中心位置と対応するトレー7の中心位置とが略合致するのでそのまま盛り付けられる。
このずれ量Cは、対応するトレーの中心位置とスライス肉mの中心位置とのずれ量でもあり、従ってこのままでトレー7に投入して盛り付けるとトレー7の一側に偏った状態となり反対側に隙間が生じアンバランスとなり見映えが悪い。
先ず、それぞれの肉箱1、1から切り出されコンベヤ6で移送されたスライス肉mが盛付場所に達するまでのコンベヤ6の終端部近くに設けられたセンサー19で横並びされた横一列のスライス肉mごとに、本実施例において幅寸法の変動に追随する外的要素とするスライス肉mの幅寸法を同時に計測し、幅寸法から中心位置を演算させ、制御手段により予め設定された盛付可能な最大のスライス肉mの幅寸法から中心位置とのずれ量Cを算出させて、ずれ量Cが最も少なかった条列のスライス肉mの中心位置と対応するトレー7の中心位置が合致するように移送帯13でトレー7を移送させる。
本実施例においては、図3の左側に示される状態に相当し、本実施例では図示のとおり略最大の部分肉がスライスされている状態であり、ずれ量は認められない。従ってトレー7は盛付場所に合致したものとしてトレー7が昇降具15で上昇される。(図3の(ロ)の状態)
このときは、左側のトレー7が、トレー7の移送帯13における移送片14との係脱手段である昇降具15で右側のトレー7を含む他のトレーの移送を妨げない位置まで上昇させられているので、左側のトレー7を置いたままで支障なく移送できる。
その後、スライス肉mが盛り付けられたトレー7、7を下降させ機外に搬出する。
このような作動が連続して繰り返される。
又、盛付場所に到ったトレー7は逐次昇降具15で他のトレー7の移送を妨げないコンベヤ6近くまで上昇されるのでコンベヤ6からのスライス肉mの受け取りが確実に行われる。
本実施例は、略同じ大きさの肉箱1が2基並設されたものとしたが、肉箱1が3個以上であっても、ずれ量Cの少ない順番に同様の処理をすれば対応可能である。
6 コンベヤ
7 トレー
13 移送帯
15 昇降具
16 センサー
Claims (4)
- スライス肉を所定の間隔を保持した複数の条列とし、1パック分量ごとに区分けし横並びさせて移送するコンベヤと、
該コンベヤの走行方向に直交して、コンベヤの終端部における前記各条列に対応するスライス肉の盛付場所までトレーを移送するトレー移送手段を具備し、
前記各トレー内へ横並びさせたスライス肉ごとに同時に落下させて盛り付けるスライス肉のトレー盛付装置において、
スライス肉は横並びさせたスライス肉ごとに、幅寸法の変動に追随する少なくとも一つの外形的要素が、センサーを具備した制御手段によって予め設定された基準と比較され、その差が少ないスライス肉から順番に該スライス肉をトレーの移送方向における中央部に盛り付け可能な位置まで、対応するトレーを移送させるようになしたことを特徴とするスライス肉のトレー盛付装置。 - 前記外形的要素がスライス肉の幅寸法であって、基準は盛付可能な最大のスライス肉の幅寸法であり、幅寸法の差が少ないスライス肉から順番に対応するトレーの中心位置を該スライス肉の中心位置に合致させるようになしたことを特徴とする請求項1に記載のスライス肉のトレー盛付装置。
- 盛付場所付近には、それぞれのトレーを他のトレーの移送を妨げない位置まで退避させるトレー移送手段との係合離脱が可能な係脱手段が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のスライス肉のトレー盛付装置。
- 前記係脱手段は、トレーを載置して昇降する昇降具であって、トレーを移送手段から離脱させ他のトレーの移送の支障とならない位置まで上昇させるものであることを特徴とする請求3に記載のスライス肉のトレー盛付装置。
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2018
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