JP2012102172A - 粘着剤組成物および表面保護粘着フィルム - Google Patents

粘着剤組成物および表面保護粘着フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】適度な剥離力を有するポリオレフィン基材層用の表面保護粘着フィルムを提供する。
【解決手段】重合体(I):下記重合体ブロックAおよび下記重合体ブロックBで構成されるブロック共重合体またはその水素添加物と、重合体(II):下記重合体ブロックCおよび下記重合体ブロックDで構成される共重合体との組成物であって、重合体(I)の含有量を10〜40重量とすることで、適度な剥離力を有する保護フィルム用粘着剤が得られる。重合体ブロックA:芳香族アルケニル化合物単位を主体とする重合体ブロック重合体ブロックB:共役ジエン単位と芳香族アルケニル化合物単位がランダムに含まれる芳香族アルケニル−共役ジエン共重合体ブロック重合体ブロックC:メタクリル酸エステルブロックを主体とする重合体ブロック重合体ブロックD:アクリル酸エステルブロックを主体とする重合体ブロック
【選択図】なし

Description

本発明は、粘着剤組成物及び表面保護粘着フィルムに関する。
従来から、光学デバイス、金属板、塗装した金属板、樹脂板、ガラス板等、種々の部材の表面を保護するために、フィルム状の基材と、その一方の面に積層された粘着剤層とを有する表面保護粘着フィルムが広く用いられている。表面保護粘着フィルムは、一般に、プロテクトテープ、表面保護フィルムまたは表面保護シートなどと称される場合もある。
表面保護粘着フィルムは、例えば液晶ディスプレイ用の光学部材に使用されている。光学部材には、プリズムシートや拡散フィルムなどのように、表面が凹凸形状になっているものがある。この凹凸に損傷を与えないために、光学部材の使用に先立ち、その表面(特に、凹凸の外表面)を表面保護粘着フィルムで保護している。
一般に、表面保護粘着フィルムは、長尺状の粘着フィルムをロール状に巻回した巻回体として工業的に製造されている。このような巻回体とした表面保護粘着フィルムでは、経時による巻回体の巻戻しに必要な力(展開力)の上昇が大きくなりやすいことが知られている。
しかし、実用においては、巻回体の巻戻しに必要な力(展開力)が小さいこと、すなわち巻回体の巻戻しが容易にできることが強く求められている。
また、表面保護粘着フィルムには、表面保護粘着フィルムを剥離したときに糊残りを起こさず被着体を汚染しないことが要求されている。
例えば、スチレン系エラストマーを主成分とする粘着剤層とオレフィン基材層とを積層させた表面保護接着フィルムが提案されている(特許文献1)。しかし、巻回体の巻き戻しを容易にする為には、汎用されるオレフィン基材層の背面(粘着剤層が積層される側とは反対側の面)に対して表面処理が必要であった。例えば、オレフィン基材層の背面に長鎖アルキル基を側鎖として有するポリマーからなる離型剤を塗布するか又はUV硬化型シリコーン離型剤を離型層として形成した表面保護接着フィルムが提案されている(特許文献2)。
ポリオレフィン基材層と、(メタ)アクリル樹脂からなる粘着剤で形成された粘着剤層と、ポリオレフィン基材層と粘着剤層との間に形成されたスチレン系樹脂からなるアンカー層と、を有する表面保護シートが提案されている(特許文献3)。
特開2001−234149号公報 特開2003−41216号公報 特開2010−018796号公報
しかし、本発明者らの検討によれば、特許文献2、特許文献3には、なお、下記の問題がある。
特許文献2が開示する、長鎖アルキル基を側鎖として有するポリマーからなる離型剤では、充分な離型性を得ることが難しい。また、特許文献2が開示するUV硬化型シリコーン離型剤は、UV硬化に時間を要するので、実用的ではない。
また、ポリオレフィン基材層とアクリル粘着剤層との層間強度は弱いので、ポリオレフィン基材層からアクリル粘着剤層が剥離しやすい。その結果、被着耐表面への糊残りが発生しやすい。糊残りを防止するには、特許文献3が開示するように、基材層と粘着剤層の間に、スチレン系樹脂からなるアンカー層を形成する必要がある。つまり、このようなシートは、製造工程が複雑となる。
本発明の目的は、ポリオレフィン基材層を有する表面保護粘着フィルムに適する粘着剤組成物を提供することである。また、ポリオレフィン基材からの粘着剤層が剥離しにくく、アンカー層がなくても展開力(表面保護粘着フィルムの巻回体を巻戻すために必要な力)が増加しにくく、かつ展開力を低く抑えることができる表面保護粘着フィルムを提供することである。
本発明者らは、上述の課題を解決するために鋭意検討した結果、下記の粘着剤組成物を発明するに至った。
すなわち、本発明の粘着剤組成物は、
重合体(I):下記重合体ブロックAおよび下記重合体ブロックBを含み、一般式A−B−A(式中、Aは重合体ブロックAを表し、Bは重合体ブロックBを表す。)もしくは一般式[A−B]x−Y(式中、xは1以上の整数を表し、Yはカップリング剤残基を表し、その他の記号は前記表記と同義である。)で表される構造を有する共重合体(i)またはその水素添加物と;
重合体(II):下記重合体ブロックCおよび下記重合体ブロックDを含み、一般式[C−D−C]n(式中、Cは重合体ブロックCを表し、Dは重合体ブロックDを表し、nは1〜3の整数を表す。)で表される構造を有する共重合体と;
を含有し、
前記共重合体(i)の芳香族アルケニル化合物単位含有率(St(A+B))は、5〜50重量%であり、
前記共重合体(i)に含まれる重合体ブロックAの総量と、共重合体(i)に含まれる重合体ブロックBの総量との重量比(A:B)は、5:95〜25:75の範囲内であり、
かつ
前記重合体(I)と重合体(II)との合計重量のうち、重合体(I)の重量の割合が、10〜40重量%である。
重合体ブロックA:連続する芳香族アルケニル化合物単位を含有し、芳香族アルケニル化合物単位を主体とする重合体ブロック
重合体ブロックB:共役ジエン重合体もしくは共役ジエン単位と芳香族アルケニル化合物単位がランダムに含まれる芳香族アルケニル−共役ジエン共重合体ブロックであって、芳香族アルケニル化合物単位含有率(St(B))が0〜35重量%である重合体ブロック
重合体ブロックC:メタクリル酸エステル単位が連続し、メタクリル酸エステルブロックを主体とする重合体ブロック
重合体ブロックD:アクリル酸エステル単位が連続し、アクリル酸エステルブロックを主体とする重合体ブロック
この粘着剤組成物は、ポリオレフィン基材層と、粘着剤層と、を有する表面保護粘着フィルムの粘着剤層を形成する粘着剤組成物として適している。ポリオレフィン基材層と、粘着剤層と、を有する表面保護粘着フィルムもまた本発明の一つである。
本発明の粘着剤組成物は、ポリオレフィン基材層を有する表面保護粘着フィルムの粘着層として用いられたときに、ポリオレフィン基材からの粘着層の剥離を抑制することができ、かつ、展開力の増加を抑制することができる。
<本明細書の記号の定義>
本明細書において数値範囲を表すために用いられる記号「〜」は、特に記載の無い限り、当該数値範囲がその両端の数値を含むことを意図して用いられる。
本明細書において、重合体の「芳香族アルケニル化合物単位含有率」[alkenyl aromatic compound content]とは、重合体を形成するための全モノマーの重量に対する、重合体中に含まれる芳香族アルケニル化合物単位を形成するためのモノマーの合計重量の割合(重量%)を意味する。「芳香族アルケニル化合物単位含有率」は、重合体を構成する各繰り返し単位の重量比を各繰り返し単位を形成するモノマーの重量比に換算したのち求める。ここで、「重合体を形成するための全モノマーの重量」は、重合体の重量に近似する。また、同様に、本明細書において、重合体ブロックの「芳香族アルケニル化合物単位含有率」とは、重合体ブロックを形成するための全モノマーの重量に対する、重合体ブロック中に含まれる芳香族アルケニル化合物単位を形成するためのモノマーの合計重量の割合(重量%)を意味する。「芳香族アルケニル化合物単位含有率」は、重合体ブロックを構成する各繰り返し単位の重量比を各繰り返し単位を形成するモノマーの重量比に換算したのち求める。ここで、「重合体ブロックを形成するための全モノマーの重量」は、重合体ブロックの重量に近似する。
重合体の「共役ジエン化合物単位含有率」とは、重合体を形成するための全モノマーの重量に対する、重合体中に含まれる共役ジエン化合物単位を形成するためのモノマーの合計重量の割合(重量%)を意味する。「共役ジエン化合物単位含有率」は、重合体を構成する各繰り返し単位の重量比を、各繰り返し単位を形成するモノマーの重量比に換算したのち求める。ここで、「重合体を形成するための全モノマーの重量」は、重合体の重量に近似する。また、同様に、本明細書において、重合体ブロックの「共役ジエン化合物単位含有率」とは、重合体ブロックを形成するための全モノマーの重量に対する、重合体ブロック中に含まれる共役ジエン化合物単位を形成するためのモノマーの合計重量の割合(重量%)を意味する。「共役ジエン化合物単位含有率」は、重合体ブロックを構成する各繰り返し単位の重量比を各繰り返し単位を形成するモノマーの重量比に換算したのち求める。ここで、「重合体ブロックを形成するための全モノマーの重量」は、重合体ブロックの重量に近似する。
<粘着剤組成物>
本発明の粘着剤組成物は、下記重合体(I)及び下記重合体(II)を含有する。
<重合体(I)>
本明細書中、「重合体(I)」は、下記重合体ブロックAおよび下記重合体ブロックBを含み、一般式A−B−A(式中の記号は前記表記と同義である。)もしくは一般式[A−B]x−Y(式中の記号は前記表記と同義である。)で表される構造を有する共重合体(i)またはその水素添加物である。
重合体(I)の全体の芳香族アルケニル化合物単位含有率(St(A+B))は、5〜50重量%である。
重合体(I)に含まれる重合体ブロックAの総量と、重合体(I)に含まれる重合体ブロックBの総量との重量比は、5:95〜25:75である。
<重合体ブロックA>
本明細書中、「重合体ブロックA」は、連続する芳香族アルケニル化合物単位を含有し、芳香族アルケニル化合物単位を主体とする重合体ブロックである。
「芳香族アルケニル化合物単位」とは、芳香族アルケニル化合物に由来する繰り返し単位である。
「芳香族アルケニル化合物」としては、例えば、スチレン、tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルエチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレンおよびビニルピリジン等を挙げることができる。中でも、原料が工業的に入手し易いという理由から、「芳香族アルケニル化合物単位」はスチレン単位であることが好ましい。
「重合体ブロックA」は、芳香族アルケニル化合物単位を主たる繰り返し単位として構成されている。具体的には、その芳香族アルケニル化合物単位含有率は、80重量%以上である。芳香族アルケニル化合物単位含有率が80重量%以上であると、粘着剤組成物の熱可塑性が向上するので、粘着剤組成物を押出成形しやすいという利点がある。芳香族アルケニル化合物単位以外の繰り返し単位は20重量%未満の範囲で含まれていてもよく、例えば芳香族アルケニル化合物と共重合可能な化合物に由来する繰り返し単位、例えば、共役ジエン化合物や(メタ)アクリル酸エステル化合物に由来する繰り返し単位を挙げることができる。なかでも、芳香族アルケニル化合物との共重合性が高いという理由から、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
<重合体ブロックB>
本明細書中、「重合体ブロックB」は、共役ジエン重合体もしくは共役ジエン化合物単位と芳香族アルケニル化合物単位がランダムに含まれる芳香族アルケニル−共役ジエン共重合体ブロックである。重合体ブロックBの芳香族アルケニル化合物単位含有率(St(B))は、0〜35重量%である。
「重合体ブロックB」を構成する「共役ジエン化合物単位」とは、共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位である。「共役ジエン化合物」としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−シクロヘキサジエン、4,5−ジエチルー1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、ミルセンおよびクロロプレン等を挙げることができる。なかでも、重合反応性が高く、原料が工業的に入手し易いという理由から、1,3−ブタジエン単位およびイソプレン単位の群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位であることが好ましい。
「重合体ブロックB」は、共役ジエン化合物単位を主たる繰り返し単位として構成されている。重合体ブロックBの効果を確実に発揮させる観点から、共役ジエン化合物単位含有率が65重量%以上であることが好ましい。
また、重合体ブロックBの効果を発揮させる観点から、重合体ブロックBにおける芳香族アルケニル化合物単位含有率(St(B))は、0〜35重量%の範囲内であってもよい(なお、ゼロは含まない)。また、重合体ブロックBにおける芳香族アルケニル化合物単位含有率(St(B))は、13〜33重量%の範囲内であることが好ましく、16〜30重量%の範囲内であることがより好ましい。また、芳香族アルケニル化合物単位含有率が35重量%以下であることで、粘着剤組成物の優れた柔軟性が実現できるので、表面保護粘着フィルムの粘着剤層とオレフィン基材層との層間強度を大きくすることができる。
なお、「重合体ブロックB」は、本発明の効果を妨げない範囲において、共役ジエン化合物単位以外の繰り返し単位も含んでいてもよい。
また、「重合体ブロックB」は、重合体ブロックBの効果を発揮させる観点から、ビニル結合含有率が50〜90モル%の範囲内であることが好ましく、60〜80モル%の範囲内であることがより好ましい。ビニル結合含有率が50モル%以上であることにより、粘着剤表面のべたつき(タック)と粘着力のバランスに優れた粘着剤組成物が得られるという利点がある。
<共重合体(i)>
「共重合体(i)」は、下記重合体ブロックAおよび下記重合体ブロックBを含み、一般式A−B−A(式中、AはブロックAを表し、BはブロックBを表す。)もしくは一般式[A−B]x−Y(式中、AはブロックAを表し、BはブロックBを表し、xは1以上の整数を表し、Yはカップリング剤残基を表す。)で表される構造を有する共重合体である。
なお、副反応を抑えながら共重合体(i)を製造できることから、xは好ましくは1〜4、より好ましくは2〜4である。
共重合体(i)またはその水素添加物(重合体(I))は、芳香族アルケニル化合物単位含有率が30〜50重量%の範囲内であることが好ましく、8〜45重量%であることがより好ましい。芳香族アルケニル化合物単位含有率をこの範囲内とすることにより、適度な保持力と、被着体表面の凹凸への適度な追随性を兼ね備え、かつ巻回体の展開力が低い表面保護粘着フィルムに適した粘着剤組成物となる。
また、重合体ブロックB中の共役ジエン化合物単位は、主として炭素と水素から構成されており、ポリオレフィン基材と近い極性を有する。よって、表面保護粘着フィルムの粘着剤層とオレフィン基材層との層間強度を大きくすることができる。
重合体(I)は、水素添加により不飽和結合が飽和結合に水素添加された水素添加物であることが好ましい。これによって、優れた耐熱性および耐候性が得られる。特に、共役ジエンモノマーに由来する二重結合の80%以上が、好ましくは90%以上が、より好ましくは95%以上が、水素添加によって、飽和結合となっていることが好ましい。
重合体(I)の分子量については特に制限はないが、重量平均分子量が5万〜50万であることが好ましく、5万〜30万であることがより好ましい。重合体(I)の重量平均分子量が5万以上であると、ポリマーを脱溶媒、乾燥させる工程において製造設備等にポリマーが付着しにくい。一方、重量平均分子量が50万以下であると、溶剤への溶解性や熱溶融しやすくなる。
なお、本明細書中、水素添加の比率(水素添加率)は、四塩化炭素を溶媒として用い、270MHz、lH−NMRスペクトルから算出した水素添加率を意味する。
重合体(I)は、単独(1種)であってもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。
<重合体(II)>
本明細書中、「重合体(II)」は、下記重合体ブロックCおよび下記重合体ブロックDを含み、一般式[C−D−C]n(式中、Cは重合体ブロックCを表し、Dは重合体ブロックDを表し、nは1〜3の整数を表す。)で表される構造を有する。
前記式中、Cはメタクリル酸エステルブロック、Dはアクリル酸エステルブロックを意味する。また、重合体ブロックCは、重合体ブロックCを構成するメタクリル酸エステルモノマーを用いて、メタクリル酸エステルの単独重合体を得たとき単独重合体のガラス転移温度が60℃以上であることが好ましい。なお、複数のメタクリル酸エステルモノマーを用いている場合はいずれの単独重合体についても単独重合体のガラス転移温度が10℃以下であることが好ましい。また、重合体ブロックDは、重合体ブロックDを構成するアクリル酸エステルモノマーを用いて、アクリル酸エステルの単独重合体を得たとき単独重合体のガラス転移温度が10℃以下であることが好ましい。なお、複数のアクリル酸エステルモノマーを用いている場合はいずれの単独重合体についても単独重合体のガラス転移温度が10℃以下であることが好ましい。
メタクリル酸エステルの単独重合体のガラス転移温度を60℃以上であることで、表面保護粘着フィルムに特に適した粘着剤組成物が得られ、表面保護粘着フィルムが、表面に凹凸を有するシート(凹凸シート)に被着された場合であっても凹凸に追随して十分に接着し、かつ、表面保護粘着フィルムを凹凸シートから剥離する際に、凹凸シートへの糊残りを抑制できる。
また、アクリル酸エステルの単独重合体のガラス転移温度を10℃以下とすることにより、表面に凹凸を有するシート(凹凸シート)に被着された場合であっても凹凸に追随して十分に接着する。
重合体(II)における重合体ブロックCを構成するメタクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸イソボロニル、メ タクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−シアノエチル、およびメタクリル酸フェニル等から選択される1種又は2種以上が挙げられる。なお、列挙されたこれらのモノマーの単独重合体のガラス転移温度はいずれも60℃以上である。
なお、重合体ブロックCには、少量であれば、必要に応じて、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸アリル等のメタクリル酸エステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル等のオレフィン:ε−カプロラクトン、バレロラクトン等のラクトンなどのモノマーに由来する単位が重合体中に含まれていてもよい。
重合体(II)における重合体ブロックDを構成するアクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n―プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸n−テトラデシル、アクリル酸t−ブチル、およびアクリル酸2−エチルヘキシル等から選択される1種又は2種以上が挙げられる。なお、列挙されたこれらのモノマーの単独重合体のガラス転移温度はいずれも10℃以下である。
なお、重合体ブロックDには、少量であれば、必要に応じて、メタクリル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル等のオレフィン:ε−カプロラクトン、バレロラクトン等のラクトンなどのモノマーに由来する単位が重合体中に含まれていてもよい。
重合体(II)は、その重量平均分子量がGPC法(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算で5万〜30万程度の範囲内である ものが好ましく、6万〜20万程度の範囲内にあるものがより好ましい。この範囲の重量平均分子量とすることにより、粘着剤の凝集力を低下させることなく、つまり、再剥離時に、凹凸シート等の被着体への糊残りを防止することができるとともに、粘着力を適切に確保しながら、良好な流動性を得ることが可能となる。
重合体(II)を構成する重合体ブロックCと、重合体ブロックDとの比は、重量比で5:95〜80:20であることが好ましい。この範囲の比とすることにより、粘着剤の凝集力を低下させることなく、つまり、再剥離時に、被着体への糊残りを防止することができるとともに、粘着力を適切に確保できる。
<共重合体組成物>
上述のように、本発明の粘着剤組成物は、重合体(I)と重合体(II)とからなる共重合体組成物を構成成分として含有する粘着剤組成物である。この共重合体組成物において、重合体(I)と重合体(II)との合計重量のうち、10〜40重量%が重合体(I)である。
重合体(I)と重合体(II)との合計重量のうち、重合体(I)が占める割合を10〜40重量%とすることにより、ポリオレフィン基材層と粘着剤層の間にアンカー層が無くとも充分な層間強度を確保することができる。なお、被着体に表面保護粘着フィルムをある程度強固に接着する場合もあるので、ポリオレフィン基材層と粘着剤層との間で層間剥離が発生しないように、重合体(I)と重合体(II)との合計重量のうち、重合体(I)が占める割合を20重量%以上とすることが、より好ましい。
重合体(I)の割合が10重量%以上であることで、表面保護粘着フィルムにおいて、基材層と粘着層との層間強度を適切に保つことができ、ポリオレフィン基材層と粘着剤層との間で層間剥離が発生しにくい。
重合体(I)の割合が40重量%以下であることで、巻回体の巻戻しが容易で展開力を軽くすることができる。
また、本発明の粘着剤層は、周波数10Hzにおけるせん断貯蔵弾性率が、23℃で1.0×105〜6.5×106Paであることが好ましい。このような範囲内のせん断貯蔵弾性率を有することにより、剥離工程における作業性を良好に保ちながら、粘着力を十分確保することができる。よって、粘着力不足による輸送中の表面保護接着シートの被着体からの剥離を防止することが可能となる。
<表面保護粘着フィルム>
表面保護粘着フィルムは、基材層と、粘着剤組成物からなる粘着層を有する。好ましくは、粘着層は基材の一方の表面に積層されている。
<基材層>
本発明の表面保護粘着フィルムが備える基材層は、ポリオレフィン基材層である。基材層は、ポリオレフィンを90重量%以上含有することが好ましい。当該「ポリオレフィン」としては、例えば低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−n−ブチルアクリレート共重合体、およびポリプロピレン(ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー)等が挙げられる。これらは単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
「ポリオレフィン」は、置換基を有するポリオレフィンであってもよい。基材層には、ポリオレフィン以外の樹脂が添加されていてもよい。
さらに、表面保護粘着フィルムの製造過程で生じた、ポリオレフィン基材層の端材や表面保護粘着フィルムの端材が添加されていてもよい。
基材層は、単層でもよいし、組成の異なる2種以上の多層構造を有している層であってもよい。
基材層は、表面保護接着シートの用途等によって、その厚さを適宜調整することができる。通常、10〜100μm程度の厚さに設定することが適している。
<粘着剤層>
前記粘着剤層は、本発明の粘着剤組成物からなる。
当該粘着剤組成物は、前記重合体(I)と前記重合体(II)に加えて、必要に応じて、粘着付与剤、軟化剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、充填剤、顔料、粘着昂進防止剤、オレフィン系樹脂、シリコーン系ポリマー、液状アクリル系共重合体、リン酸エステル系化合物等の公知の添加剤を適宜含有してもよい。
粘着付与剤としては、例えば、脂肪族系共重合体、芳香族系共重合体、脂肪族・芳香族系共重合体や脂環式系共重合体等の石油系樹脂、クマロン−インデン系樹脂、テルぺン系樹脂、テルぺン−フェノール系樹脂、重合ロジン等のロジン系樹脂、(アルキル)フェノール系樹脂、キシレン系樹脂またはこれらの水素添加物などの、一般に粘着剤に使用されるものを特に制限なく使用することができる。これらの粘着付与剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、剥離性および耐候性などを高めるためには、水素添加物型の粘着付与剤を用いることがより好ましい。
軟化剤は、通例、粘着力の向上に有効である。軟化剤としては、例えば、低分子量のジエン系ポリマー、ポリイソブチレン、水添ポリイソプレン、水添ポリブタジエン、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、ひまし油、トール油、天然油、液体ポリイソブチレン樹脂、ポリブテン、またはこれらの水素添加物などの一般的に粘着剤に使用されるものを特に制限なく使用することができる。これらの軟化剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
酸化防止剤としては、特に限定されず、例えば、フェノール系酸化防止剤(モノフェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、高分子型フェノール系酸化防止剤)、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等が挙げられる。
光安定化剤としては、ヒンダードアミン系化合物が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、特に限定されず、例えば、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン等が挙げられる。
粘着昂進防止剤としては、脂肪酸アミド、ポリエチレンイミンの長鎖アルキルグラフト物、大豆油変性アルキド樹脂、トール油変性アルキド樹脂などが挙げられる。
これらの添加剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
粘着剤層の厚さは特に限定されないが、例えば、通常0.5〜50μm程度、好ましくは1〜40μm、さらに好ましくは2〜30μmである。
粘着剤層は、基材層に接するように配置される。
<製造方法>
本発明の粘着剤組成物は、例えば、以下の方法によって製造できる。
すなわち、重合体(I)の製造方法は、共重合体(i)をブロック重合により合成する
工程を含んでいてもよい。水素添加により、共重合体(i)の水素添加物、又は共重合体(i)とその水素添加物との混合物が得られる。さらに、所望により添加剤を慣用の方法で混合してもよい。
水素添加触媒としては、元素周期表Ib、IVb、Vb、VIb、VIIb、VIII
族金属のいずれかを含む化合物を用いることができる。例えば、Ti、V、Co、Ni、Zr、Ru、Rh、Pd、Hf、Re、Pt原子を含む化合物を挙げることができ、より具体的には、Ti、Zr、Hf、Co、Ni、Rh、Ruなどのメタロセン系化合物、Pd、Ni、Pt、Rh、Ruなどの金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土、塩基性活性炭などの担体に担持させた担持型不均一系触媒を挙げることができる。
なお、メタロセン系化合物の具体例としては、シクロペンタジェニル環(Cp環)またはCp環上の水素をアルキル基で置換した配位子を二つ有するKaminsky(カミンスキー)触媒、ansa(アンサ)型メタロセン触媒、非架橋ハーフメタロセン触媒、架橋ハーフメタロセン触媒等を挙げることができる。
重合体(II)は、例えば、特開平10−17633に記載の方法で製造可能である。また、市販の重合体(II)としては、クラレ社製 商品名「LA2140e、」、クラレ社製 商品名「LA2250e」等が挙げられる。
表面保護粘着フィルムは、例えば押出成形によって基材シートを製造した後、前記粘着剤組成物を溶融又は溶解させることで得られた液体を基材シートに塗布または噴霧する方法、あるいは、インフレーション法により得られた基材シートと粘着シートを貼り合わせる方法、あるいは多層マニホールドを備えたTダイを用いて基材原料と前記粘着剤組成物とを共押出する方法により製造できる。なかでも、基材層と粘着剤層とが密着した多層シートが得られるので、共押出により製造する方法が好ましい。なお、本発明の粘着剤組成物を溶融または溶解させた液体も、本発明の粘着剤組成物に包含される。
<適用>
本発明の表面保護粘着フィルムは、光学板、プリズムシート、および拡散フィルム等の凹凸のある被着体に好適に用いることができるが、これに限定されるものではなく、例えば、表面が平滑なシートの表面保護にも使用することができる。
被着体となるシートを構成する材料としては、特に限定されないが、透光性を有する樹脂、例えばアクリル系樹脂、ポリカーボネート等が挙げられる。
以下、表面保護粘着フィルムについて、実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(重合体Iの合成例)
[重合体ブロックA]
窒素置換された反応容器に、脱気及び脱水されたシクロヘキサン500重量部、スチレン15重量部及びテトラヒドロフラン5重量部を仕込み、重合開始温度の40℃にてn−ブチルリチウム0.13重量部を添加して、昇温重合を行った。
[重合体ブロックB]
重合体Aの重合転化率が略100%に達した後、反応液を15℃に冷却し、次いで、1,3−ブタジエン65重量部およびスチレン20重量部を加え、更に昇温重合を行った。
重合転化率がほぼ100%に達した後、カップリング剤としてメチルジクロロシラン0.06重量部を加え、カップリング反応を行った。カップリング反応が完結した後、水素ガスを0.4MPa−Gaugeの圧力で供給しながら10分間放置した。一部取り出したポリマーは、重量平均分子量約11万であった。
その後、反応容器内に、ジエチルアルミニウムクロライド0.03重量部及びビス(シクロペンタジエニル)チタニウムフルフリルオキシクロライド0.06重量部を加え、撹拝した。水素ガス供給圧0.7MPa−Gauge、反応温度800Cで水素添加反応を開始し、水素の吸収が終了した時点で、反応溶液を常温かつ常圧に戻し、反応容器から抜き出すことにより、重合体(I)を得た(表1の合成例1)。
また、比率A:Bを変えた以外は同様の操作によって、重合体(I)を得た(表1の合成例2)。これら重合体の性質を表1に示す。
合成例1及び2の重合体は、いずれもSEBS(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体)である。
なお、表1中、「St(A+B)」、「St(A)」、「St(B)」とは、それぞれ次のように定義される数値を表す。なお、「全重合体」とは、重合体(I)(複数の重合体(I)からなる場合はその全体)を意味する。「全重合体ブロックA」とは、重合体ブロックA(複数の重合体ブロックAからなる場合はその全体)を意味する。「全重合体ブロックB」とは、重合体ブロックB(複数の重合体ブロックBからなる場合はその全体)を意味する。
「St(A+B)」は、全重合体の芳香族アルケニル化合物単位含有率であり、下記式で表される数値を意味する。なお、これは、下記「St(A)」と下記「St(B)」との和に等しい。
式:
St(A+B)=(全重合体中の芳香族アルケニル化合物単位重量)/(全重合体中の全単量体単位重量)×100(重量%)
「St(B)」は、次式で表される数値を意味する。
式:
St(B)=(全重合体ブロックB中の芳香族アルケニル化合物単位重量)/(全重合体中の全単量体単位重量)×100(重量%)
「St(A)」は、次式で表される数値を意味する。
式:
St(A)=(全重合体ブロックA中の芳香族アルケニル化合物単位重量)/(全重合体中の全単量体単位重量)×100(重量%)
また、表1中、「A:B」は、重合体ブロックAの総量と重合体ブロックBの総量との重量比を表す。
また、表1中、「共役ジエン含有率」は、重合体ブロックBの共役ジエン化合物単位含有率を表す。
Figure 2012102172
(実施例1)
C−D−Cアクリルブロック共重合体(クラレ社製LA2140e:重合体(II))と合成例1のSEBSとを90:10の比率で混合することで、混合物を得た。混合物100重量部に対し、酸化防止剤としてイルガノックス1010(チバスペシャルティケミカルズ社製)1重量部を混合することで、粘着剤組成物を得た。
基材層として、ポリプロピレン(プライムポリマー社製 J715M)を用いた。Tダイ法により基材と上述の粘着剤組成物とを共押出成形することで、34μmの厚みの基材層と6μmの厚みの粘着剤層とを積層一体化した。こうして得られた表面保護粘着フィルムを、内径3インチの紙芯に巻取ることで、巻回体を得た。
(実施例2)
C−D−Cアクリルブロック共重合体(クラレ社製LA2140e)と合成例1のSEBSとを80:20の比率で混合させることで、粘着層となる粘着剤組成物を作製した以外は、実施例1と同様の方法で巻回体を得た。
(実施例3)
C−D−Cアクリルブロック共重合体(クラレ社製LA2140e)と合成例1のSEBSとを60:40の比率で混合させることで、粘着層となる粘着剤組成物を作製した以外は、実施例1と同様の方法で巻回体を得た。
(実施例4)
C−D−Cアクリルブロック共重合体(クラレ社製LA2140e)と合成例2のSEBSとを90:10の比率で混合させることで、粘着層となる粘着剤組成物を作製した以外は、実施例1と同様の方法で巻回体を得た。
(実施例5)
C−D−Cアクリルブロック共重合体(クラレ社製LA2140e)と合成例2のSEBSとを80:20の比率で混合させることで、粘着層となる粘着剤組成物を作製した以外は、実施例1と同様の方法で巻回体を得た。
(実施例6)
C−D−Cアクリルブロック共重合体(クラレ社製LA2140e)と合成例2のSEBSとを60:40の比率で混合させることで、粘着層となる粘着剤組成物を作製した以外は、実施例1と同様の方法で巻回体を得た。
(比較例1)
粘着剤層にC−D−Cアクリルブロック共重合体(クラレ社製LA2140e)を用い、重合体(I)する重合体を用いなかった以外は、実施例1と同様の方法で巻回体を得た。
(比較例2)
C−D−Cアクリルブロック共重合体(クラレ社製LA2140e)と合成例1のSEBSとを95:5の比率で混合させた以外は実施例1と同様の方法で巻回体を得た。
(比較例3)
C−D−Cアクリルブロック共重合体(クラレ社製LA2140e)と合成例1のSEBSとを50:50の比率で混合させた以外は実施例1と同様の方法で巻回体を得た。
(比較例4)
C−D−Cアクリルブロック共重合体(クラレ社製LA2140e)と合成例2のSEBSとを95:5の比率で混合させた以外は実施例1と同様の方法で巻回体を得た。
(比較例5)
C−D−Cアクリルブロック共重合体(クラレ社製LA2140e)と合成例2のSEBSとを50:50の比率で混合させた以外は実施例1と同様の方法で巻回体を得た。
(比較例6)
粘着剤層として、合成例1のSEBSを用い、重合体(II)を用いなかった以外は、実施例1と同様の方法で巻回体を得た。
(比較例7)
粘着剤層として、合成例2のSEBSを用い、重合体(II)を用いなかった以外は、実施例1と同様の方法で巻回体を得た。
[評価]
(層間強度)
実施例及び比較例の各表面保護粘着フィルムを、25mm幅のテープとして切り出した。室温23℃及び相対湿度50%の環境下、2枚の同種のフィルムを、粘着面同士を向かい合わせる位置関係で、2kgの圧着ゴムローラを用いて300mm/minの速度で貼り合わせた。貼り合わせたフィルムを、室温23℃及び相対湿度50%の環境下、又は室温50℃及び相対湿度50%の環境下で30分放置した。その後、張り合わされた2枚のフィルムのうちの片方の背面(露出している面)を鋼板に固定し、固定されていない方のフィルムを、速度300mm/minとしたこと以外はJIS Z0237(2007)に準拠して180度剥離力を測定した。また、剥離した後の表面保護粘着フィルムの粘着面を観察した。
(展開力)
実施例及び比較例の各表面保護粘着フィルムの50mm幅のテープとして切り出したサンプルを巻き取った巻回体を、巻き戻し速度を15m/minに変更したこと以外はJISZO237に準拠して、展開力を測定した。
<判定基準>
以下の基準に基づいて、フィルムの評価を行った。結果を表1に示す。
(層間強度)
○(優):23℃環境下で放置したサンプル及び50℃環境下で放置したサンプルは共に粘着面に変化が見られない
△(良):50℃環境下で放置したサンプルで粘着面の剥離が確認された。
×(不良):23℃環境下で放置したサンプルで粘着面の剥離が確認された。
(展開力)
○(優):1.5N/50mm未満
△(良):1.5〜2.0N/mm
×(不良):2.0N/50mm超
Figure 2012102172
表2に示すように、実施例1〜6の表面保護粘着フィルムは、良好な(あるいは優れた)層間強度と展開力を有する。比較例1、2及び4の表面保護粘着フィルムは、粘着剤層が重合体(I)を十分に含んでいなかったため、層間強度が不良であった。比較例3及び5の表面保護粘着フィルムは、粘着剤層が重合体(I)を多量に含んでいたため展開力が不良であった。比較例6、7の表面保護粘着フィルムは重合体(II)を含んでいなかったため展開力が不良であった。

Claims (2)

  1. 重合体(I):下記重合体ブロックAおよび下記重合体ブロックBを含み、一般式A−B−A(式中の記号は前記と同義を表す。)もしくは一般式[A−B]x−Y(式中、xは1以上の整数を表し、Yはカップリング剤残基を、その他の記号は前記と同義を表す。)で表される構造を有する共重合体(i)またはその水素添加物と;
    重合体(II):下記重合体ブロックCおよび下記重合体ブロックDを含み、一般式[C−D−C]n(式中、Cは重合体ブロックCを表し、Dは重合体ブロックDを表し、nは1〜3の整数を表す。)で表される構造を有する共重合体と;
    を含有し、
    前記共重合体(i)の芳香族アルケニル化合物単位含有率(St(A+B))は、5〜50重量%であり、
    前記共重合体(i)に含まれる重合体ブロックAの総量と、共重合体(i)に含まれる重合体ブロックBの総量との重量比(A:B)は、5:95〜25:75の範囲内であり、
    かつ
    前記重合体(I)と重合体(II)との合計重量のうち、重合体(I)の重量の割合が、10〜40重量%であることを特徴とする粘着剤組成物。
    重合体ブロックA:連続する芳香族アルケニル化合物単位を含有し、芳香族アルケニル化合物単位を主体とする重合体ブロック
    重合体ブロックB:共役ジエン単位と芳香族アルケニル化合物単位がランダムに含まれる芳香族アルケニル−共役ジエン共重合体ブロックであって、芳香族アルケニル化合物単位含有率(St(B))が0〜35重量%である重合体ブロック
    重合体ブロックC:メタクリル酸エステル単位が連続し、メタクリル酸エステルブロックを主体とする重合体ブロック
    重合体ブロックD:アクリル酸エステル単位が連続し、アクリル酸エステルブロックを主体とする重合体ブロック
  2. ポリオレフィン基材層と、
    請求項1に記載の粘着剤組成物からなる粘着剤層と、を有する表面保護粘着フィルム。
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