JP2019048981A - 表面保護フィルム、及び、表面保護フィルム付きプリズムシート - Google Patents
表面保護フィルム、及び、表面保護フィルム付きプリズムシート Download PDFInfo
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Abstract
【課題】自己回復性プリズムシート等に対しても、粘着力(初期粘着力)が高く、時間が経過しても高い粘着力を維持できる表面保護フィルムを提供する。また、該表面保護フィルムを含む表面保護フィルム付きプリズムシートを提供する。【解決手段】基材層と、粘着剤層とを有する表面保護フィルムであって、前記粘着剤層は、スチレン系エラストマーと、フェノール樹脂とを含有し、前記スチレン系エラストマーは、一般式A−B−Cで表される構造を有する共重合体又はその水素添加物である表面保護フィルム。A:芳香族アルケニル化合物単位を80重量%以上の含有率で含有する芳香族アルケニル重合体B:共役ジエン化合物単位を50重量%以上の含有率で含有し、共役ジエン化合物由来のビニル結合を50モル%以上の含有率で含有する共役ジエン重合体C:芳香族アルケニル化合物単位と、共役ジエン化合物単位とを含有し、前記芳香族アルケニル化合物単位の含有率が50重量%以上95重量%未満である芳香族アルケニル−共役ジエン共重合体【選択図】なし
Description
本発明は、自己回復性プリズムシート等に対しても、粘着力(初期粘着力)が高く、時間が経過しても高い粘着力を維持できる表面保護フィルムに関する。また、本発明は、該表面保護フィルムを含む表面保護フィルム付きプリズムシートに関する。
従来から、光学デバイス、金属板、塗装した金属板、樹脂板、ガラス板等の部材の表面を保護するために、基材層と、その一方の面に積層された粘着剤層とを有する表面保護フィルム(一般に、プロテクトテープ等と称されることもある)が広く用いられている。
特に、近年、表面保護フィルムは、液晶ディスプレイ用の光学部材の表面を保護するために使用されている(例えば、特許文献1)。光学部材には、プリズムシート、拡散フィルム等のように片側又は両側の表面に凹凸形状を有するものがあり、この凹凸形状に損傷を与えないために、光学部材の使用に先立ち、その表面を表面保護フィルムで保護している。
このような被着体の表面に表面保護フィルムを貼り付けた場合、大きな接触面積を得ることができず被着体と表面保護フィルムとの界面で剥離が生じやすいため、高い粘着力の表面保護フィルムが必要となる。
このような被着体の表面に表面保護フィルムを貼り付けた場合、大きな接触面積を得ることができず被着体と表面保護フィルムとの界面で剥離が生じやすいため、高い粘着力の表面保護フィルムが必要となる。
近年、プリズムシートとしては、液晶ディスプレイの製造時にプリズム層(プリズム面)の凹凸形状が極めて微小な領域で変形した場合であっても凹凸形状が弾性回復できる、いわゆる自己回復性プリズムシートが提案されている。
しかしながら、自己回復性プリズムシートは、表面保護フィルムを貼り付ける際の圧力によってプリズム層の凹凸形状が極めて微小な領域で変形し、その後、弾性回復するため、時間が経過すると表面保護フィルムの剥離が生じやすいという問題がある。
また、近年、コストダウンの目的により、樹脂製の鋳型を使用するソフトモールド法によるプリズムシートの生産が実施されており、ソフトモールド法により製造されたプリズムシート表面に離型剤がブリードアウトしやすく、時間が経過すると表面保護フィルムの剥離が生じやすいという問題がある。このような剥離は、樹脂製の鋳型に含まれる離型剤がプリズムシートに転写されることが原因であると推測される。
しかしながら、自己回復性プリズムシートは、表面保護フィルムを貼り付ける際の圧力によってプリズム層の凹凸形状が極めて微小な領域で変形し、その後、弾性回復するため、時間が経過すると表面保護フィルムの剥離が生じやすいという問題がある。
また、近年、コストダウンの目的により、樹脂製の鋳型を使用するソフトモールド法によるプリズムシートの生産が実施されており、ソフトモールド法により製造されたプリズムシート表面に離型剤がブリードアウトしやすく、時間が経過すると表面保護フィルムの剥離が生じやすいという問題がある。このような剥離は、樹脂製の鋳型に含まれる離型剤がプリズムシートに転写されることが原因であると推測される。
本発明は、自己回復性プリズムシート等に対しても、粘着力(初期粘着力)が高く、時間が経過しても高い粘着力を維持できる表面保護フィルムを提供することを目的とする。また、本発明は、該表面保護フィルムを含む表面保護フィルム付きプリズムシートを提供することを目的とする。
本発明は、基材層と、粘着剤層とを有する表面保護フィルムであって、前記粘着剤層は、スチレン系エラストマーと、フェノール樹脂とを含有し、前記スチレン系エラストマーは、一般式A−B−Cで表される構造を有する共重合体又はその水素添加物である表面保護フィルムである。
A:芳香族アルケニル化合物単位を80重量%以上の含有率で含有する芳香族アルケニル重合体
B:共役ジエン化合物単位を50重量%以上の含有率で含有し、共役ジエン化合物由来のビニル結合を50モル%以上の含有率で含有する共役ジエン重合体
C:芳香族アルケニル化合物単位と、共役ジエン化合物単位とを含有し、前記芳香族アルケニル化合物単位の含有率が50重量%以上95重量%未満である芳香族アルケニル−共役ジエン共重合体
以下、本発明を詳述する。
A:芳香族アルケニル化合物単位を80重量%以上の含有率で含有する芳香族アルケニル重合体
B:共役ジエン化合物単位を50重量%以上の含有率で含有し、共役ジエン化合物由来のビニル結合を50モル%以上の含有率で含有する共役ジエン重合体
C:芳香族アルケニル化合物単位と、共役ジエン化合物単位とを含有し、前記芳香族アルケニル化合物単位の含有率が50重量%以上95重量%未満である芳香族アルケニル−共役ジエン共重合体
以下、本発明を詳述する。
本発明者は、基材層と、粘着剤層とを有する表面保護フィルムの粘着剤層に、特定のスチレン系エラストマー、及び、粘着付与剤のなかでもフェノール樹脂を配合することで、自己回復性プリズムシート等に対しても、粘着力(初期粘着力)が高く、時間が経過しても高い粘着力を維持できる表面保護フィルムが得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の表面保護フィルムは、基材層と、粘着剤層とを有する。
上記粘着剤層は、スチレン系エラストマーと、フェノール樹脂とを含有し、上記スチレン系エラストマーは、一般式A−B−Cで表される構造を有する共重合体又はその水素添加物である。
A:芳香族アルケニル化合物単位を80重量%以上の含有率で含有する芳香族アルケニル重合体
B:共役ジエン化合物単位を50重量%以上の含有率で含有し、共役ジエン化合物由来のビニル結合を50モル%以上の含有率で含有する共役ジエン重合体
C:芳香族アルケニル化合物単位と、共役ジエン化合物単位とを含有し、前記芳香族アルケニル化合物単位の含有率が50重量%以上95重量%未満である芳香族アルケニル−共役ジエン共重合体
上記粘着剤層に上記スチレン系エラストマー、及び、粘着付与剤のなかでも上記フェノール樹脂を配合することで、自己回復性プリズムシート等に対しても、粘着力(初期粘着力)が高く、時間が経過しても高い粘着力を維持できる表面保護フィルムが得られる。
上記粘着剤層は、スチレン系エラストマーと、フェノール樹脂とを含有し、上記スチレン系エラストマーは、一般式A−B−Cで表される構造を有する共重合体又はその水素添加物である。
A:芳香族アルケニル化合物単位を80重量%以上の含有率で含有する芳香族アルケニル重合体
B:共役ジエン化合物単位を50重量%以上の含有率で含有し、共役ジエン化合物由来のビニル結合を50モル%以上の含有率で含有する共役ジエン重合体
C:芳香族アルケニル化合物単位と、共役ジエン化合物単位とを含有し、前記芳香族アルケニル化合物単位の含有率が50重量%以上95重量%未満である芳香族アルケニル−共役ジエン共重合体
上記粘着剤層に上記スチレン系エラストマー、及び、粘着付与剤のなかでも上記フェノール樹脂を配合することで、自己回復性プリズムシート等に対しても、粘着力(初期粘着力)が高く、時間が経過しても高い粘着力を維持できる表面保護フィルムが得られる。
上記Aで表される芳香族アルケニル重合体は、芳香族アルケニル化合物単位を80重量%以上の含有率で含有する芳香族アルケニル重合体である。
上記芳香族アルケニル化合物単位は、芳香族アルケニル化合物に由来する繰り返し単位であり、該芳香族アルケニル化合物として、例えば、スチレン、tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルエチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジン等が挙げられる。なかでも、工業的に入手しやすいことから、スチレンが好ましい。
上記芳香族アルケニル化合物単位は、芳香族アルケニル化合物に由来する繰り返し単位であり、該芳香族アルケニル化合物として、例えば、スチレン、tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルエチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジン等が挙げられる。なかでも、工業的に入手しやすいことから、スチレンが好ましい。
上記芳香族アルケニル化合物単位の含有率を80重量%以上とすることで、上記粘着剤層に適度な保持力を付与することができ、また、上記粘着剤層の熱可塑性を向上させることができ、表面保護フィルムのリサイクルがより容易になる。
なお、繰り返し単位の「含有率」とは、その繰り返し単位が由来するモノマーに換算した重量比、即ち、全モノマーの重量に対する、その繰り返し単位が由来するモノマーの重量の比(重量%)を意味する。
なお、繰り返し単位の「含有率」とは、その繰り返し単位が由来するモノマーに換算した重量比、即ち、全モノマーの重量に対する、その繰り返し単位が由来するモノマーの重量の比(重量%)を意味する。
上記Aで表される芳香族アルケニル重合体は、上記芳香族アルケニル化合物単位以外の繰り返し単位を含有していてもよい。
上記芳香族アルケニル化合物単位以外の繰り返し単位として、例えば、共役ジエン化合物(例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン)、(メタ)アクリル酸エステル化合物等に由来する繰り返し単位が挙げられる。なかでも、上記芳香族アルケニル化合物との共重合性が高いことから、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
上記芳香族アルケニル化合物単位以外の繰り返し単位として、例えば、共役ジエン化合物(例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン)、(メタ)アクリル酸エステル化合物等に由来する繰り返し単位が挙げられる。なかでも、上記芳香族アルケニル化合物との共重合性が高いことから、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
上記Bで表される共役ジエン重合体は、共役ジエン化合物単位を50重量%以上の含有率で含有し、共役ジエン化合物由来のビニル結合を50モル%以上の含有率で含有する共役ジエン重合体である。
上記共役ジエン化合物単位は、共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位であり、該共役ジエン化合物として、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−シクロヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、ミルセン、クロロプレン等が挙げられる。これらの共役ジエン化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、重合反応性が高く、工業的に入手しやすいことから、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
上記共役ジエン化合物単位は、共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位であり、該共役ジエン化合物として、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−シクロヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、ミルセン、クロロプレン等が挙げられる。これらの共役ジエン化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、重合反応性が高く、工業的に入手しやすいことから、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
上記共役ジエン化合物単位の含有率を50重量%以上とすることで、粘着剤組成分の柔軟性が向上するという好ましい効果を発揮することが出来る。上記共役ジエン化合物単位の含有率は70重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましい。
上記Bで表される共役ジエン重合体は、上記共役ジエン化合物単位以外の繰り返し単位を含有していてもよい。
上記共役ジエン化合物単位以外の繰り返し単位として、例えば、芳香族アルケニル化合物等に由来する繰り返し単位が挙げられる。なかでも、共役ジエン化合物との共重合性が高いという理由から、スチレンが好ましい。
上記共役ジエン化合物単位以外の繰り返し単位として、例えば、芳香族アルケニル化合物等に由来する繰り返し単位が挙げられる。なかでも、共役ジエン化合物との共重合性が高いという理由から、スチレンが好ましい。
上記共役ジエン化合物由来のビニル結合の含有率を50モル%以上とすることで、タックと粘着力とのバランスに優れた粘着剤層を構成することができる。上記共役ジエン化合物由来のビニル結合の含有率は50〜90モル%が好ましく、60〜80モル%がより好ましい。
なお、ビニル結合の「含有率」とは、赤外吸収スペクトルを用いてモレロ法により算出した、1,2−ビニル結合及び3,4−ビニル結合の総含有率を意味する。
なお、ビニル結合の「含有率」とは、赤外吸収スペクトルを用いてモレロ法により算出した、1,2−ビニル結合及び3,4−ビニル結合の総含有率を意味する。
上記Cで表される芳香族アルケニル−共役ジエン共重合体は、芳香族アルケニル化合物単位と、共役ジエン化合物単位とを含有し、上記芳香族アルケニル化合物単位の含有率が50重量%以上95重量%未満である芳香族アルケニル−共役ジエン共重合体である。
上記スチレン系エラストマーを上記Cで表される芳香族アルケニル−共役ジエン共重合体を含むものとすることで、表面保護フィルムの経時粘着力を向上させることができる。
上記芳香族アルケニル化合物単位としては、上述したAで表される芳香族アルケニル重合体に含まれるものと同様の芳香族アルケニル化合物単位が挙げられる。上記共役ジエン化合物単位としては、上述したBで表される共役ジエン重合体に含まれるものと同様の共役ジエン化合物単位が挙げられる。
上記スチレン系エラストマーを上記Cで表される芳香族アルケニル−共役ジエン共重合体を含むものとすることで、表面保護フィルムの経時粘着力を向上させることができる。
上記芳香族アルケニル化合物単位としては、上述したAで表される芳香族アルケニル重合体に含まれるものと同様の芳香族アルケニル化合物単位が挙げられる。上記共役ジエン化合物単位としては、上述したBで表される共役ジエン重合体に含まれるものと同様の共役ジエン化合物単位が挙げられる。
上記芳香族アルケニル化合物単位の含有率を50重量%以上95重量%未満とすることで、表面保護フィルムの経時粘着力を向上させることができる。上記芳香族アルケニル化合物単位の含有率の好ましい下限は60重量%、より好ましい下限は70重量%である。
また、上記芳香族アルケニル化合物単位の含有率は、上記Cで表される芳香族アルケニル−共役ジエン共重合体中でテーパー状に変化すること、即ち、連続的に漸増又は漸減することが好ましい。これにより、表面保護フィルムの経時粘着力を更に向上させることができる。
また、上記芳香族アルケニル化合物単位の含有率は、上記Cで表される芳香族アルケニル−共役ジエン共重合体中でテーパー状に変化すること、即ち、連続的に漸増又は漸減することが好ましい。これにより、表面保護フィルムの経時粘着力を更に向上させることができる。
上記共役ジエン化合物単位の含有率は特に限定されないが、5重量%以上50重量%未満が好ましい。上記共役ジエン化合物単位の含有率のより好ましい上限は30重量%である。
上記Cで表される芳香族アルケニル−共役ジエン共重合体は、上記芳香族アルケニル化合物単位及び上記共役ジエン化合物単位以外の繰り返し単位を含有していてもよい。
上記一般式A−B−Cで表される構造を有する共重合体又はその水素添加物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記一般式A−B−Cで表される構造を有する共重合体又はその水素添加物の重量平均分子量は特に制限はないが、好ましい下限が3万、好ましい上限が50万である。上記重量平均分子量が3万未満であると、共重合体又はその水素添加物を脱溶媒し、乾燥させる工程において製造設備等に共重合体又はその水素添加物が付着してしまい共重合体又はその水素添加物の工業的な生産が困難となることがある。上記重量平均分子量が50万を超えると、共重合体又はその水素添加物の溶剤への溶解性又は熱溶融性が悪くなり、粘着体への加工が困難になることがある。上記重量平均分子量のより好ましい下限は8万、より好ましい上限は30万であり、更に好ましい下限は10万、更に好ましい上限は20万である。
上記一般式A−B−Cで表される構造を有する共重合体又はその水素添加物の重量平均分子量は特に制限はないが、好ましい下限が3万、好ましい上限が50万である。上記重量平均分子量が3万未満であると、共重合体又はその水素添加物を脱溶媒し、乾燥させる工程において製造設備等に共重合体又はその水素添加物が付着してしまい共重合体又はその水素添加物の工業的な生産が困難となることがある。上記重量平均分子量が50万を超えると、共重合体又はその水素添加物の溶剤への溶解性又は熱溶融性が悪くなり、粘着体への加工が困難になることがある。上記重量平均分子量のより好ましい下限は8万、より好ましい上限は30万であり、更に好ましい下限は10万、更に好ましい上限は20万である。
上記一般式A−B−Cで表される構造を有する共重合体又はその水素添加物において、水素添加物は、優れた耐熱性及び耐候性が得られることから、上記一般式A−B−Cで表される構造を有する共重合体における共役ジエン化合物単位の二重結合(不飽和結合)の好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上が水素添加により飽和結合に変換されていることが好ましい。
なお、水素添加の比率(水素添加率)は、四塩化炭素を溶媒として用い、270MHzでのlH−NMRスペクトルから算出した水素添加率を意味する。
なお、水素添加の比率(水素添加率)は、四塩化炭素を溶媒として用い、270MHzでのlH−NMRスペクトルから算出した水素添加率を意味する。
上記一般式A−B−Cで表される構造を有する共重合体又はその水素添加物においては、該共重合体又はその水素添加物全体の芳香族アルケニル化合物単位の含有率は、好ましい下限が5重量%、好ましい上限が50重量%である。上記芳香族アルケニル化合物単位の含有率が5重量%未満であると、上記粘着剤層に適度な保持力を付与することができなかったり、上記粘着剤層が軟らかくなりすぎたりすることがある。上記芳香族アルケニル化合物単位の含有率が50重量%を超えると、表面保護フィルムの初期粘着力又は経時粘着力が低下することがある。上記芳香族アルケニル化合物単位の含有率のより好ましい下限は30重量%である。
上記一般式A−B−Cで表される構造を有する共重合体又はその水素添加物を作製する方法は特に限定されず、例えば、上記Aで表される芳香族アルケニル重合体を合成する工程(a)と、上記Aで表される芳香族アルケニル重合体に対して共役ジエン化合物を重合することによりA−B構造を有する共重合体を合成する工程(b)と、上記A−B構造を有する共重合体に対して芳香族アルケニル化合物及び共役ジエン化合物を重合することによりA−B−C構造を有する共重合体を合成する工程(c)とを有する方法が挙げられる。更に、上記A−B−C構造を有する共重合体に対して水素添加を行う工程(d)を行ってもよい。
特に、上記工程(c)においては、上記A−B構造を有する共重合体に対して、まず、共役ジエン化合物を添加して重合を開始し、該共役ジエン化合物の重合が進行している途中で更に芳香族アルケニル化合物を添加すること(逐次重合)が好ましい。これにより、上記芳香族アルケニル化合物単位の含有率が上記Cで表される芳香族アルケニル−共役ジエン共重合体中でテーパー状に変化する、即ち、連続的に漸増又は漸減する共重合体又はその水素添加物を作製することができ、表面保護フィルムの経時粘着力を更に向上させることができる。
特に、上記工程(c)においては、上記A−B構造を有する共重合体に対して、まず、共役ジエン化合物を添加して重合を開始し、該共役ジエン化合物の重合が進行している途中で更に芳香族アルケニル化合物を添加すること(逐次重合)が好ましい。これにより、上記芳香族アルケニル化合物単位の含有率が上記Cで表される芳香族アルケニル−共役ジエン共重合体中でテーパー状に変化する、即ち、連続的に漸増又は漸減する共重合体又はその水素添加物を作製することができ、表面保護フィルムの経時粘着力を更に向上させることができる。
上記フェノール樹脂として、具体的には例えば、テルペンフェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、フェノール変性クマロンインデン樹脂、フェノール変性ホルムアルデヒド樹脂、t−ブチルフェノール樹脂、及びt−ブチルフェノールアセチレン樹脂等が挙げられる。これらのフェノール樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも好ましくはテルペンフェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂の水素添加物である。
上記フェノール樹脂の含有量は特に限定されないが、上記スチレン系エラストマー100重量部に対する好ましい下限は5重量部、好ましい上限は50重量部である。上記フェノール樹脂の含有量が5重量部未満であると、表面保護フィルムの初期粘着力又は経時粘着力が低下することがある。上記フェノール樹脂の含有量が50重量部を超えると、被着体の表面から表面保護フィルムを剥離する際に、被着体の表面に粘着剤が残存(糊残り)したりすることがある。上記フェノール樹脂の含有量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は40重量部である。
上記粘着剤層は、粘着力の制御等を目的に、必要に応じて、例えば、離型剤、軟化剤、酸化防止剤、接着昂進防止剤等の添加剤を含有してもよい。
上記粘着剤層の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は1μm、好ましい上限は40μmである。上記粘着剤層の厚さが1μm未満であると、上記粘着剤層の初期粘着力又は経時粘着力が低下することがある。上記粘着剤層の厚さが40μmを超えると、被着体の表面から表面保護フィルムを剥離する際に、表面保護フィルムを剥がしにくくなることがある。上記粘着剤層の厚さのより好ましい下限は2μm、より好ましい上限は30μmである。
上記基材層は特に限定されないが、ポリオレフィン樹脂を含有することが好ましい。
上記ポリオレフィン樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及びポリプロピレン(ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー)等が挙げられる。
これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、ポリオレフィンは、置換基を有するポリオレフィンであってもよく、ポリオレフィン以外の樹脂が添加されていてもよい。さらに、表面保護フィルムの製造過程で生じた、ポリオレフィン基材層の端材や表面保護フィルムの端材が添加されていてもよい。
上記ポリオレフィン樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及びポリプロピレン(ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー)等が挙げられる。
これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、ポリオレフィンは、置換基を有するポリオレフィンであってもよく、ポリオレフィン以外の樹脂が添加されていてもよい。さらに、表面保護フィルムの製造過程で生じた、ポリオレフィン基材層の端材や表面保護フィルムの端材が添加されていてもよい。
基材層は、単層でもよいし、組成の異なる2種以上の多層構造を有している層であってもよい。
上記基材層は、本発明の効果を損なわない範囲内で、帯電防止剤、離型剤、酸化防止剤、耐候剤、結晶核剤等の添加剤、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、エラストマー等の樹脂改質剤を含有してもよい。
上記基材層の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は10μm、好ましい上限は100μmである。上記基材層の厚さが10μm未満であると、表面保護フィルムとしての保護性能が低くなることがある。上記基材層の厚さが100μmを超えると、上記基材層に巻きぐせが残ることがある。上記基材層の厚さのより好ましい下限は20μm、より好ましい上限は90μmである。
本発明の表面保護フィルムを製造する方法は特に限定されず、例えば、予めTダイ成形又はインフレーション成形にて得られた層上に、押出ラミネーション、押出コーティング等の公知の積層法により他の層を積層する方法、各々の層を独立してフィルムとした後、得られた各々のフィルムをドライラミネーションにより積層する方法等が挙げられるが、生産性の点から、上記基材層、上記粘着剤層の各材料を多層の押出機に供給して成形する共押出成形が好ましく、厚み精度の点から、Tダイ成形がより好ましい。
本発明の表面保護フィルムは、表面が平滑な被着体の表面を保護するために用いられてもよく、表面に凹凸形状を有する被着体の表面を保護するために用いられてもよい。
上記表面に凹凸形状を有する被着体は特に限定されず、例えば、プリズムシート、拡散フィルム等の液晶ディスプレイ用の光学部材等が挙げられる。なかでも、本発明の表面保護フィルムは、プリズムシートのプリズム層に貼り付けられて用いられることが好ましく、自己回復性プリズムシートのプリズム層、又は、樹脂製の鋳型を使用するソフトモールド法により製造されたプリズムシートのプリズム層に貼り付けられて用いられることがより好ましく、自己回復性プリズムシートのプリズム層に貼り付けられて用いられることが特に好ましい。本発明の表面保護フィルムは、自己回復性プリズムシート等に対しても、粘着力(初期粘着力)が高く、時間が経過しても高い粘着力を維持することができる。
図1に、本発明の表面保護フィルムが自己回復性プリズムシートに貼り付けられた状態の一例を示す模式図を示す。図1においては、透明フィルム6の表面にプリズム層7を有する自己回復性プリズムシート4のプリズム層7に、表面保護フィルム1が貼り付けられている。表面保護フィルム1は、基材層2と、粘着剤層3とを有している。
上記表面に凹凸形状を有する被着体は特に限定されず、例えば、プリズムシート、拡散フィルム等の液晶ディスプレイ用の光学部材等が挙げられる。なかでも、本発明の表面保護フィルムは、プリズムシートのプリズム層に貼り付けられて用いられることが好ましく、自己回復性プリズムシートのプリズム層、又は、樹脂製の鋳型を使用するソフトモールド法により製造されたプリズムシートのプリズム層に貼り付けられて用いられることがより好ましく、自己回復性プリズムシートのプリズム層に貼り付けられて用いられることが特に好ましい。本発明の表面保護フィルムは、自己回復性プリズムシート等に対しても、粘着力(初期粘着力)が高く、時間が経過しても高い粘着力を維持することができる。
図1に、本発明の表面保護フィルムが自己回復性プリズムシートに貼り付けられた状態の一例を示す模式図を示す。図1においては、透明フィルム6の表面にプリズム層7を有する自己回復性プリズムシート4のプリズム層7に、表面保護フィルム1が貼り付けられている。表面保護フィルム1は、基材層2と、粘着剤層3とを有している。
自己回復性プリズムシートのプリズム層に、本発明の表面保護フィルムが貼り付けられている表面保護フィルム付きプリズムシートもまた、本発明の1つである。
なお、自己回復性プリズムシートとは、液晶ディスプレイの製造時にプリズム層(プリズム面)の凹凸形状が極めて微小な領域で変形した場合であっても凹凸形状が弾性回復できるプリズムシートをいい、JIS R1639−5に従い、加重20gfになるまでプリズムシートを変形させた後で加重を取り除いた場合、加重を取り除いてから3秒後に変形が確認できないプリズムシートを意味する。
なお、自己回復性プリズムシートとは、液晶ディスプレイの製造時にプリズム層(プリズム面)の凹凸形状が極めて微小な領域で変形した場合であっても凹凸形状が弾性回復できるプリズムシートをいい、JIS R1639−5に従い、加重20gfになるまでプリズムシートを変形させた後で加重を取り除いた場合、加重を取り除いてから3秒後に変形が確認できないプリズムシートを意味する。
本発明によれば、自己回復性プリズムシート等に対しても、粘着力(初期粘着力)が高く、時間が経過しても高い粘着力を維持できる表面保護フィルムを提供することができる。また、本発明によれば、該表面保護フィルムを含む表面保護フィルム付きプリズムシートを提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(スチレン系エラストマーの合成例1(A−B−C構造))
(a)Aで表される芳香族アルケニル重合体の合成
窒素置換された反応容器に、脱気及び脱水されたシクロヘキサン500重量部、芳香族アルケニル化合物としてスチレン7.5重量部及びテトラヒドロフラン5重量部を仕込み、重合開始温度の40℃にてn−ブチルリチウム0.10重量部を添加して、昇温重合を行った。
(a)Aで表される芳香族アルケニル重合体の合成
窒素置換された反応容器に、脱気及び脱水されたシクロヘキサン500重量部、芳香族アルケニル化合物としてスチレン7.5重量部及びテトラヒドロフラン5重量部を仕込み、重合開始温度の40℃にてn−ブチルリチウム0.10重量部を添加して、昇温重合を行った。
(b)A−B構造を有する共重合体の合成
スチレンの重合転化率がほぼ100%に達した後、反応液を15℃に冷却し、次いで、共役ジエン化合物として1,3−ブタジエン85重量部を加え、更に昇温重合を行った。一部取り出したポリマーを赤外吸収スペクトルを用いてモレロ法により算出したところ、共役ジエン化合物由来のビニル結合の含有率は50モル%であった。
スチレンの重合転化率がほぼ100%に達した後、反応液を15℃に冷却し、次いで、共役ジエン化合物として1,3−ブタジエン85重量部を加え、更に昇温重合を行った。一部取り出したポリマーを赤外吸収スペクトルを用いてモレロ法により算出したところ、共役ジエン化合物由来のビニル結合の含有率は50モル%であった。
(c)A−B−C構造を有する共重合体の合成
1,3−ブタジエンの重合転化率がほぼ100%に達した後、反応液を80℃にし、次いで、共役ジエン化合物として0.375重量部、芳香族アルケニル化合物として7.125重量部を加え、更に昇温重合を行った。重合転化率がほぼ100%に達した後、水素ガスを0.4MPa−Gauge圧力で供給しながら10分間放置した。一部取り出したポリマーをGPC分析したところ、重量平均分子量は約20万であった。
1,3−ブタジエンの重合転化率がほぼ100%に達した後、反応液を80℃にし、次いで、共役ジエン化合物として0.375重量部、芳香族アルケニル化合物として7.125重量部を加え、更に昇温重合を行った。重合転化率がほぼ100%に達した後、水素ガスを0.4MPa−Gauge圧力で供給しながら10分間放置した。一部取り出したポリマーをGPC分析したところ、重量平均分子量は約20万であった。
(d)水素添加
反応容器内に、ジエチルアルミニウムクロライド0.03重量部及びビス(シクロペンタジエニル)チタニウムフルフリルオキシクロライド0.06重量部を加え、撹拌した。水素ガス供給圧0.7MPa−Gauge、反応温度80℃で水素添加反応を開始し、水素の吸収が終了した時点で、反応溶液を常温、常圧に戻し、反応容器から抜き出すことにより、A−B−C構造を有する共重合体の水素添加物を得た。
反応容器内に、ジエチルアルミニウムクロライド0.03重量部及びビス(シクロペンタジエニル)チタニウムフルフリルオキシクロライド0.06重量部を加え、撹拌した。水素ガス供給圧0.7MPa−Gauge、反応温度80℃で水素添加反応を開始し、水素の吸収が終了した時点で、反応溶液を常温、常圧に戻し、反応容器から抜き出すことにより、A−B−C構造を有する共重合体の水素添加物を得た。
(スチレン系エラストマーの合成例2(A−B−A構造))
(a)Aで表される芳香族アルケニル重合体の合成
窒素置換された反応容器に、脱気及び脱水されたシクロヘキサン500重量部、芳香族アルケニル化合物としてスチレン7.5重量部及びテトラヒドロフラン5重量部を仕込み、重合開始温度の40℃にてn−ブチルリチウム0.10重量部を添加して、昇温重合を行った。
(a)Aで表される芳香族アルケニル重合体の合成
窒素置換された反応容器に、脱気及び脱水されたシクロヘキサン500重量部、芳香族アルケニル化合物としてスチレン7.5重量部及びテトラヒドロフラン5重量部を仕込み、重合開始温度の40℃にてn−ブチルリチウム0.10重量部を添加して、昇温重合を行った。
(b)A−B構造を有する共重合体の合成
スチレンの重合転化率がほぼ100%に達した後、反応液を15℃に冷却し、次いで、共役ジエン化合物として1,3−ブタジエン85重量部を加え、更に昇温重合を行った。一部取り出したポリマーを赤外吸収スペクトルを用いてモレロ法により算出したところ、共役ジエン化合物由来のビニル結合の含有率は50モル%であった。
スチレンの重合転化率がほぼ100%に達した後、反応液を15℃に冷却し、次いで、共役ジエン化合物として1,3−ブタジエン85重量部を加え、更に昇温重合を行った。一部取り出したポリマーを赤外吸収スペクトルを用いてモレロ法により算出したところ、共役ジエン化合物由来のビニル結合の含有率は50モル%であった。
(c)A−B−A構造を有する共重合体の合成
1,3−ブタジエンの重合転化率がほぼ100%に達した後、反応液を80℃にし、次いで、芳香族アルケニル化合物としてスチレン7.5重量部を加え、更に昇温重合を行った。スチレンの重合転化率がほぼ100%に達した後、水素ガスを0.4MPa−Gauge圧力で供給しながら10分間放置した。一部取り出したポリマーをGPC分析したところ、重量平均分子量は約20万であった。
1,3−ブタジエンの重合転化率がほぼ100%に達した後、反応液を80℃にし、次いで、芳香族アルケニル化合物としてスチレン7.5重量部を加え、更に昇温重合を行った。スチレンの重合転化率がほぼ100%に達した後、水素ガスを0.4MPa−Gauge圧力で供給しながら10分間放置した。一部取り出したポリマーをGPC分析したところ、重量平均分子量は約20万であった。
(d)水素添加
反応容器内に、ジエチルアルミニウムクロライド0.03重量部及びビス(シクロペンタジエニル)チタニウムフルフリルオキシクロライド0.06重量部を加え、撹拌した。水素ガス供給圧0.7MPa−Gauge、反応温度80℃で水素添加反応を開始し、水素の吸収が終了した時点で、反応溶液を常温、常圧に戻し、反応容器から抜き出すことにより、A−B−A構造を有する共重合体の水素添加物を得た。
反応容器内に、ジエチルアルミニウムクロライド0.03重量部及びビス(シクロペンタジエニル)チタニウムフルフリルオキシクロライド0.06重量部を加え、撹拌した。水素ガス供給圧0.7MPa−Gauge、反応温度80℃で水素添加反応を開始し、水素の吸収が終了した時点で、反応溶液を常温、常圧に戻し、反応容器から抜き出すことにより、A−B−A構造を有する共重合体の水素添加物を得た。
(実施例1)
合成例1で得られたスチレン系エラストマー(A−B−C構造)100重量部、粘着付与剤(商品名「YSポリスターTH130」、テルペンフェノール樹脂、ヤスハラケミカル社製、軟化点130℃)20重量部を配合し、ラボプラストミル二軸押出機を用いて攪拌混合し、粘着剤組成物を調製した。
基材層の原料としてポリオレフィン樹脂(商品名「J715M」、ポリプロピレン、プライムポリマー社製)を、粘着剤層の原料として上記で得られた粘着剤組成物を用い、Tダイ法により共押出成形し、基材層36μm、粘着剤層4μmの表面保護フィルムを得た。
合成例1で得られたスチレン系エラストマー(A−B−C構造)100重量部、粘着付与剤(商品名「YSポリスターTH130」、テルペンフェノール樹脂、ヤスハラケミカル社製、軟化点130℃)20重量部を配合し、ラボプラストミル二軸押出機を用いて攪拌混合し、粘着剤組成物を調製した。
基材層の原料としてポリオレフィン樹脂(商品名「J715M」、ポリプロピレン、プライムポリマー社製)を、粘着剤層の原料として上記で得られた粘着剤組成物を用い、Tダイ法により共押出成形し、基材層36μm、粘着剤層4μmの表面保護フィルムを得た。
(実施例2)
粘着付与剤(商品名「YSポリスターTH130」、テルペンフェノール樹脂、ヤスハラケミカル社製、軟化点130℃)20重量部を、30重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、表面保護フィルムを得た。
粘着付与剤(商品名「YSポリスターTH130」、テルペンフェノール樹脂、ヤスハラケミカル社製、軟化点130℃)20重量部を、30重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、表面保護フィルムを得た。
(実施例3、4)
粘着付与剤(商品名「YSポリスターTH130」、テルペンフェノール樹脂、ヤスハラケミカル社製、軟化点130℃)20重量部を、粘着付与剤(商品名「YSポリスターUH115」、テルペンフェノール樹脂、ヤスハラケミカル社製、軟化点115℃)30重量部、40重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、表面保護フィルムを得た。
粘着付与剤(商品名「YSポリスターTH130」、テルペンフェノール樹脂、ヤスハラケミカル社製、軟化点130℃)20重量部を、粘着付与剤(商品名「YSポリスターUH115」、テルペンフェノール樹脂、ヤスハラケミカル社製、軟化点115℃)30重量部、40重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、表面保護フィルムを得た。
(比較例1〜4)
合成例1で得られたスチレン系エラストマー(A−B−C構造)を、合成例2で得られたスチレン系エラストマー(A−B−A構造)に変更したこと以外は実施例1〜4と同様にして、表面保護フィルムを得た。
合成例1で得られたスチレン系エラストマー(A−B−C構造)を、合成例2で得られたスチレン系エラストマー(A−B−A構造)に変更したこと以外は実施例1〜4と同様にして、表面保護フィルムを得た。
(比較例5、6)
粘着付与剤(商品名「YSポリスターTH130」、テルペンフェノール樹脂、ヤスハラケミカル社製、軟化点130℃)20重量部を、粘着付与剤(商品名「AP100」、石油樹脂、荒川化学工業社製、軟化点100℃)20重量部、40重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、表面保護フィルムを得た。
粘着付与剤(商品名「YSポリスターTH130」、テルペンフェノール樹脂、ヤスハラケミカル社製、軟化点130℃)20重量部を、粘着付与剤(商品名「AP100」、石油樹脂、荒川化学工業社製、軟化点100℃)20重量部、40重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、表面保護フィルムを得た。
<評価>
実施例、比較例で得られた表面保護フィルムについて、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
実施例、比較例で得られた表面保護フィルムについて、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)初期粘着力
表面保護フィルムを25mm幅に裁断した。裁断した表面保護フィルムを、自己回復性プリズムシート(厚さ130μm、アクリル樹脂製、ピッチ50μmかつ高さ25μmのプリズム層を有する)のプリズム層(プリズム面)に、室温23℃、相対湿度50%で、2kgの圧着ゴムローラーを用いて300mm/minの速度で貼り付けた。その状態で30分間放置した後、JIS Z0237に準拠し、表面保護フィルムを300mm/minの速度で引き剥がして180度剥離強度を測定した。
○ 0.07N/25mmを超える
△ 0.04N/25mmを超え0.07N/25mm以下
× 0.04N/25mm以下
表面保護フィルムを25mm幅に裁断した。裁断した表面保護フィルムを、自己回復性プリズムシート(厚さ130μm、アクリル樹脂製、ピッチ50μmかつ高さ25μmのプリズム層を有する)のプリズム層(プリズム面)に、室温23℃、相対湿度50%で、2kgの圧着ゴムローラーを用いて300mm/minの速度で貼り付けた。その状態で30分間放置した後、JIS Z0237に準拠し、表面保護フィルムを300mm/minの速度で引き剥がして180度剥離強度を測定した。
○ 0.07N/25mmを超える
△ 0.04N/25mmを超え0.07N/25mm以下
× 0.04N/25mm以下
(2)経時粘着力
表面保護フィルムを25mm幅に裁断した。裁断した表面保護フィルムを、自己回復性プリズムシート(厚さ130μm、アクリル樹脂製、ピッチ50μmかつ高さ25μmのプリズム層を有する)のプリズム層(プリズム面)に、室温23℃、相対湿度50%で、2kgの圧着ゴムローラーを用いて300mm/minの速度で貼り付けた。その状態で23℃、2週間静置した後、JIS Z0237に準拠し、表面保護フィルムを300mm/minの速度で引き剥がして180度剥離強度を測定した。
○ 0.07N/25mmを超える
△ 0.04N/25mmを超え0.07N/25mm以下
× 0.04N/25mm以下
表1において「浮き」とは、自己回復性プリズムシートの表面から表面保護フィルムが浮き上がり、剥離したことを示す。
表面保護フィルムを25mm幅に裁断した。裁断した表面保護フィルムを、自己回復性プリズムシート(厚さ130μm、アクリル樹脂製、ピッチ50μmかつ高さ25μmのプリズム層を有する)のプリズム層(プリズム面)に、室温23℃、相対湿度50%で、2kgの圧着ゴムローラーを用いて300mm/minの速度で貼り付けた。その状態で23℃、2週間静置した後、JIS Z0237に準拠し、表面保護フィルムを300mm/minの速度で引き剥がして180度剥離強度を測定した。
○ 0.07N/25mmを超える
△ 0.04N/25mmを超え0.07N/25mm以下
× 0.04N/25mm以下
表1において「浮き」とは、自己回復性プリズムシートの表面から表面保護フィルムが浮き上がり、剥離したことを示す。
なお、上記(1)及び(2)で使用した自己回復性プリズムシートは、JIS R1639−5に従い、加重20gfになるまでプリズムシートを変形させた後で加重を取り除いたとき、加重を取り除いてから3秒後に光学顕微鏡(倍率500倍)を用いて観察したところ、変形が確認できなかった。
本発明によれば、自己回復性プリズムシート等に対しても、粘着力(初期粘着力)が高く、時間が経過しても高い粘着力を維持できる表面保護フィルムを提供することができる。また、本発明によれば、該表面保護フィルムを含む表面保護フィルム付きプリズムシートを提供することができる。
1 表面保護フィルム
2 基材層
3 粘着剤層
4 自己回復性プリズムシート
6 透明フィルム
7 プリズム層
2 基材層
3 粘着剤層
4 自己回復性プリズムシート
6 透明フィルム
7 プリズム層
Claims (3)
- 基材層と、粘着剤層とを有する表面保護フィルムであって、
前記粘着剤層は、スチレン系エラストマーと、フェノール樹脂とを含有し、
前記スチレン系エラストマーは、一般式A−B−Cで表される構造を有する共重合体又はその水素添加物である
ことを特徴とする表面保護フィルム。
A:芳香族アルケニル化合物単位を80重量%以上の含有率で含有する芳香族アルケニル重合体
B:共役ジエン化合物単位を50重量%以上の含有率で含有し、共役ジエン化合物由来のビニル結合を50モル%以上の含有率で含有する共役ジエン重合体
C:芳香族アルケニル化合物単位と、共役ジエン化合物単位とを含有し、前記芳香族アルケニル化合物単位の含有率が50重量%以上95重量%未満である芳香族アルケニル−共役ジエン共重合体 - 自己回復性プリズムシートのプリズム層に貼り付けられて用いられることを特徴とする請求項1記載の表面保護フィルム。
- 自己回復性プリズムシートのプリズム層に、請求項1又は2記載の表面保護フィルムが貼り付けられていることを特徴とする表面保護フィルム付きプリズムシート。
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