JP6094217B2 - ブロック共重合体 - Google Patents

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Description

本発明は、ブロック共重合体に関する。より詳しくは、光学部材等に貼付される表面保護フィルムの粘着層を形成する材料として好適に用いられるブロック共重合体、前記共重合体を含有する重合体組成物、これらからなる粘着剤、前記粘着剤からなる粘着層を有する表面保護フィルム、前記フィルムが設けられた電子部材に関する。
従来から、光学部材等の被着体の表面を保護するために、フィルム状基材の一方の面上に粘着層が積層されてなる表面保護フィルムが広く使用されている。特に、近年、液晶ディスプレイ用の光学部材に表面保護フィルムが使用されている。
光学部材には、プリズムシートや拡散フィルム等のように、表面が凹凸形状になっているものがある。この凹凸に損傷を与えないために、その使用に先立ち、表面保護フィルムによる保護が行われている。しかしながら、このような凹凸形状の表面に表面保護フィルムを貼付する場合、大きな接触面積を得ることができない。したがって、粘着力の高い粘着層を形成する必要がある。その一方で、表面保護フィルムは、使用後には被着体から剥離されるため、糊残りによる被着体汚染がなく剥離できることも要求されている。
また、一般に表面保護フィルムは、長尺状フィルムをロール状に巻回してなる巻回体(フィルムロール)として工業的に製造されている。従来の表面保護フィルムは、このフィルムロールの巻戻しに必要な力(展開力)が高く、かつ経時による展開力の上昇が大きくなりやすいことが知られている。したがって、表面保護フィルムには、展開力が小さいこと、すなわちフィルムロールの巻戻しが容易にできることが求められている。
一方、プリズムシートや拡散フィルム等の光学部材は、表面保護フィルムを貼付した後にメーカーに出荷されるが、その運搬・保管中に高温に曝されることがある。ここで、特に被着体の表面が凹凸形状となっている場合には、経時による被着体/粘着層間の接触面積が増加することによる粘着力の上昇、いわゆる粘着昂進の問題がある。
例えば、特許文献1には、ポリオレフィン樹脂を含有する基材層と、スチレン系エラストマー等の熱可塑性エラストマーを含有する粘着層とが共押出しによって成膜されている表面保護シートであって、前記基材層の粘着層付設面とは反対面に離型剤による離型層が形成されている表面保護シートが開示されている。この表面保護シートは、フィルムロールからの巻戻し性が良好で、粘着層への離型成分の転写がなく汚染性の問題がないと記載されている。
また、特許文献2には、芳香族アルケニル重合体ブロックと芳香族アルケニル−共役ジエン共重合体ブロックとを有する特定のブロック共重合体を粘着層に用いることにより、適当な初期粘着力を確保しつつ、展開性に優れ、被着体に対する剥離後の糊残りが防止された表面保護フィルムが得られると記載されている。
上述したように、光学部材等の表面保護フィルムには、被着体に対する初期粘着性、貼付後の粘着力が保持される低粘着昂進性、被着体からの易剥離性、フィルムロールの巻戻しが容易であるという低展開力等の粘着特性が要求される。しかしながら、これらの粘着特性はトレードオフの関係にあるため、従来の表面保護フィルムではこれらの粘着特性を充分に満足するとはいえず、改良が望まれる。
また、特許文献3には、ポリプロピレン樹脂と、ポリフェニレンエーテル樹脂またはポリスチレン樹脂と、特定構造の水素添加ブロック共重合体とよりなる樹脂組成物が開示されている。しかしながら、成型品外観、引張破断伸び、成型加工性のバランスに関する記載はあるものの、上記粘着特性に関する記載はない。
特開2003−041216号公報 特許第4620806号公報 特許第4776074号公報
本発明の課題は、初期粘着性、低粘着昂進性、易剥離性、低展開力等の粘着特性を満足する表面保護フィルムの粘着層の形成に好適に用いられるブロック共重合体およびこれを含有する重合体組成物を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、以下の構成を有するブロック共重合体およびこれを含有する重合体組成物を用いることで、上記粘着特性を有する表面保護フィルムが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の[1]〜[8]である。
[1](1)重合体ブロックA、重合体ブロックBおよび重合体ブロックCを含み、式(1):C−A−B−A−Cで表されるブロック構造を有するブロック共重合体[式(1)中、重合体ブロックAは、芳香族アルケニル化合物単位の含有量が80質量%以上、かつ当該芳香族アルケニル化合物単位が連続する重合体ブロックであり、複数あるAはそれぞれ同一でも異なってもよく;重合体ブロックBは、共役ジエン単位および芳香族アルケニル化合物単位をランダムに有する共役ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体ブロックであり;重合体ブロックCは、共役ジエン単位の含有量が80質量%を超え、かつ当該共役ジエン単位が連続する重合体ブロックC1と、共役ジエン単位および芳香族アルケニル化合物単位の含有量がテーパー状に変化する重合体ブロックC2とから選択される少なくとも1種であり、複数あるCはそれぞれ同一でも異なってもよい。]、
(2)重合体ブロックA、重合体ブロックBおよび重合体ブロックCを含み、式(2):(C−A−B)n−Yで表されるブロック構造を有するブロック共重合体[式(2)中、重合体ブロックAは、芳香族アルケニル化合物単位の含有量が80質量%以上、かつ当該芳香族アルケニル化合物単位が連続する重合体ブロックであり;重合体ブロックBは、共役ジエン単位および芳香族アルケニル化合物単位をランダムに有する共役ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体ブロックであり;重合体ブロックCは、共役ジエン単位の含有量が80質量%を超え、かつ当該共役ジエン単位が連続する重合体ブロックC1と、共役ジエン単位および芳香族アルケニル化合物単位の含有量がテーパー状に変化する重合体ブロックC2とから選択される少なくとも1種であり;nは2以上の整数であり;Yはカップリング剤残基である。]、
(3)前記ブロック共重合体(1)の水素添加物、ならびに
(4)前記ブロック共重合体(2)の水素添加物
から選択される少なくとも1種のブロック共重合体X。
[2]ブロック共重合体(1)および(2)における、重合体ブロックB中の共役ジエン単位のビニル結合含量が、65〜85モル%である前記[1]に記載のブロック共重合体X。
[3](i)重合体ブロックB中の芳香族アルケニル化合物単位の含有量が、10〜40質量%であり、(ii)ブロック共重合体X中の芳香族アルケニル化合物単位の含有量が、35〜55質量%であり、かつ(iii)重合体ブロックAの総量と重合体ブロックBの総量との質量比(A:B)が、5:95〜30:70である前記[1]または[2]に記載のブロック共重合体X。
[4]前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載のブロック共重合体Xを含有する重合体組成物。
[5]重合体ブロックA、重合体ブロックBおよび重合体ブロックCを含み、式(3):C−A−Bで表されるブロック共重合体[式(3)中、A〜Cは、式(2)中の同一記号と同義である。]、およびその水素添加物から選択される少なくとも1種のブロック共重合体Yをさらに含有する前記[4]に記載の重合体組成物。
[6]前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載のブロック共重合体Xまたは前記[4]〜[5]のいずれか1項に記載の重合体組成物からなる粘着剤。
[7]基材層と、基材層の一方の面上に配置された、前記[6]に記載の粘着剤からなる粘着層とを有する表面保護フィルム。
[8]前記[7]に記載の表面保護フィルムが設けられた電子部材。
本発明によれば、初期粘着性、低粘着昂進性、易剥離性、低展開力等の粘着特性を満足する表面保護フィルムの粘着層の形成に好適に用いられるブロック共重合体およびこれを含有する重合体組成物を提供することができる。
本明細書において、「化合物X単位」とは、化合物Xに由来する構成単位であり、「重合体中の化合物X単位の含有量」とは、前記重合体を形成する全モノマー単位の質量に対する化合物X単位の質量の割合(質量%)であり、「重合体ブロック中の化合物X単位の含有量」とは、前記重合体ブロックを形成する全モノマー単位の質量に対する化合物X単位の質量の割合(質量%)である。
本明細書において、「ビニル結合含量」とは、1,2−結合、3,4−結合および1,4−結合の結合様式で組み込まれている共役ジエン単位のうち、1,2−結合および3,4−結合で組み込まれている共役ジエン単位の合計割合(モル%)である。ビニル結合含量は、赤外吸収スペクトル法(モレロ法)により測定することができる。
本明細書において、「重合」とは、単独重合および共重合を包含する意味で用いる。
本明細書において、種々の化合物を例示しているが、特に言及しないかぎり、例示された化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
〔ブロック共重合体X〕
本発明のブロック共重合体Xは、以下に説明するブロック共重合体(1)、ブロック共重合体(2)、ブロック共重合体(1)の水素添加物、およびブロック共重合体(2)の水素添加物から選択される少なくとも1種である。
ブロック共重合体(1)は、重合体ブロックA、重合体ブロックBおよび重合体ブロックCを含み、式(1):C−A−B−A−Cで表されるブロック構造を有する。
ブロック共重合体(2)は、重合体ブロックA、重合体ブロックBおよび重合体ブロックCを含み、式(2):(C−A−B)n−Yで表されるブロック構造を有する。
式(1)および式(2)中の各記号の意味は以下のとおりである。
重合体ブロックAは、芳香族アルケニル化合物単位の含有量が80質量%以上、かつ当該芳香族アルケニル化合物単位が連続する重合体ブロックであり、式(1)では複数あるAはそれぞれ同一でも異なってもよい。
重合体ブロックBは、共役ジエン単位および芳香族アルケニル化合物単位をランダムに有する共役ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体ブロック(ランダム共重合体ブロック)である。
重合体ブロックCは、“共役ジエン単位の含有量が80質量%を超え、かつ当該共役ジエン単位が連続する重合体ブロックC1”と、“共役ジエン単位および芳香族アルケニル化合物単位の含有量がテーパー状に変化する重合体ブロックC2”(以下「テーパー状重合体ブロックC2」ともいう。)とから選択される少なくとも1種であり、式(1)では複数あるCはそれぞれ同一でも異なってもよい。
nは2以上の整数であり、Yはカップリング剤残基である。
<重合体ブロックA>
重合体ブロックAにより、重合体組成物の耐ブロッキング性、熱可塑性、ハンドリング性の改良という効果が得られる。
重合体ブロックA中の芳香族アルケニル化合物単位の含有量は、80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上である。含有量が前記範囲にあると、重合体組成物の耐ブロッキング性、熱可塑性および成形ハンドリング性を向上させることができ、重合体組成物のリサイクルが容易になり、また、耐衝撃性改良効果、低温耐衝撃性効果を保持させることができる。
重合体ブロックAは、芳香族アルケニル化合物単位以外の構成単位を有してもよい。前記構成単位としては、芳香族アルケニル化合物と共重合可能な化合物に由来する構成単位、例えば、共役ジエンや(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位が挙げられる。これらの中でも、1,3−ブタジエンおよびイソプレンが、芳香族アルケニル化合物との共重合性が高いという理由から好ましい。
<重合体ブロックB>
重合体ブロックBにより、重合体組成物の粘着性、展開性および柔軟性の向上という効果が得られる。
重合体ブロックB中の芳香族アルケニル化合物単位の含有量は、好ましくは10〜40質量%、より好ましくは15〜40質量%、さらに好ましくは20〜40質量%である。含有量が前記下限値以上であると、重合体組成物の展開性およびハンドリング性が優れる。含有量が前記上限値以下であると、重合体組成物の柔軟性が優れ、表面保護フィルムの重要な充分な粘着力を確保できる。
重合体ブロックB中の共役ジエン単位の含有量は、好ましくは90〜60質量%、より好ましくは85〜60質量%、さらに好ましくは80〜60質量%である。含有量が前記範囲にあると、重合体組成物の柔軟性が優れ、表面保護フィルムの重要な充分な粘着力を確保することができる。
重合体ブロックBは、共役ジエン単位および芳香族アルケニル化合物単位以外の構成単位を有してもよい。前記構成単位としては、共役ジエンまたは芳香族アルケニル化合物と共重合可能な化合物に由来する構成単位、例えば、α−オレフィンや(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位が挙げられる。
ブロック共重合体(1)および(2)における、重合体ブロックB中の共役ジエン単位のビニル結合含量は、好ましくは65〜85モル%、より好ましくは65〜83モル%、さらに好ましくは65〜80モル%である。ビニル結合含量が前記範囲にあると、タックおよび粘着力のバランスに優れた重合体組成物を得ることができる。
重合体ブロックBにおいて、「共役ジエン単位および芳香族アルケニル単位をランダムに有する」とは、単連鎖の芳香族アルケニル単位(つまり、芳香族アルケニル単位が2つ以上連続していない場合の当該芳香族アルケニル単位)が重合体ブロックB中に不規則に存在することを指す。
ここで、芳香族アルケニル化合物単位がスチレン単位である場合、「共役ジエン単位および芳香族アルケニル化合物単位をランダムに有する」とは、以下のように決定される。得られたブロック共重合体Xおよび重合体組成物の構造解析は、重クロロホルムを溶媒として用い、500MHz、1H−NMRスペクトルにより行う。構造解析により、スチレン連鎖の状態を以下の範囲の積分値(S')から求め、ランダムスチレン含量は下記a)〜c)の積分値の合計に対する下記a)の積分値の割合とする。
a)スチレン単連鎖: 8.00≧S≧6.89ppm
b)スチレン連鎖2〜7: 6.89>S≧6.68ppm
c)スチレン連鎖8以上: 6.68>S≧6.00ppm
<重合体ブロックC>
重合体ブロックCにより、重合体ブロックA同士の凝集力が低下する。これにより、重合体組成物の初期粘着性(以下「タック」とも称する。)が向上する。また、重合体ブロックAにおいて芳香族アルケニル化合物単位の含有量を高く設定できるため、重合体組成物の粘着昂進が抑制される。
重合体ブロックC1中の共役ジエン単位の含有量は、80質量%を超え、好ましくは85質量%を超え、より好ましくは90質量%を超える。含有量が前記範囲にあると、重合体組成物の初期粘着性が向上し、粘着昂進を抑制することができる。
重合体ブロックC1は、共役ジエン単位以外の構成単位を有してもよい。前記構成単位としては、共役ジエンと共重合可能な化合物に由来する構成単位、例えば、芳香族アルケニル化合物、α−オレフィン、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位が挙げられる。これらの中でも、スチレン、α−メチルスチレンが、共役ジエンとの共重合性が高いという理由から好ましい。
テーパー状重合体ブロックC2中の芳香族アルケニル化合物単位と共役ジエン単位との質量比(芳香族アルケニル化合物単位:共役ジエン単位)は、好ましくは10:90〜50:50、より好ましくは15:85〜40:60、さらに好ましくは20:80〜30:70である。含有量比が前記範囲にあると、重合体組成物の初期粘着性が向上し、粘着昂進を抑制することができる。
テーパー状重合体ブロックC2において、「共役ジエン単位および芳香族アルケニル化合物単位の含有量がテーパー状に変化する」とは、共役ジエン単位の含有量がポリマーの末端方向に漸増することを意味する。
重合体ブロックCのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定される重量平均分子量は、好ましくは1000〜30000、より好ましくは2000〜25000、さらに好ましくは3000〜20000である。重量平均分子量が前記範囲にあると、重合組成物の工業生産性の維持、耐ブロッキング性の保持、成形ハンドリング性の保持の観点から好ましい。
重合体ブロックCの重量平均分子量は、以下のようにして算出される。重合体ブロックCの重合が完結後、反応容器よりポリマー溶液を一部抜き出し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定する。
ブロック共重合体(1)および(2)における、重合体ブロックC中の共役ジエン単位のビニル結合含量は、好ましくは10〜90モル%、より好ましくは15〜85モル%、さらに好ましくは20〜80モル%である。ビニル結合含量が前記範囲にあると、タックおよび粘着力のバランスに優れた重合体組成物を得ることができる。
<カップリング構造>
式(2):(C−A−B)n−Yで表されるブロック構造を有するブロック共重合体(2)は、カップリング剤に由来する分岐構造を有する。
式(2)において、nは、ブロック共重合体(2)の製造時における副反応を抑制し、その物性を制御する観点から、好ましくは2〜3の整数であり、より好ましくは2である。nが3以上の整数である場合、ブロック共重合体(2)はいわゆる星形重合体となる。
式(2)のブロック構造は、例えばn=2〜4の場合、以下のとおりである。式中、Yはカップリング剤残基である。なお、式(2)において、n個存在する(C−A−B)は、重合体ブロックBがYに直接結合することを示す。
Figure 0006094217
カップリング剤としては、例えば、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、テトラクロロシラン、ジブロモエタン、テトラクロロ錫、ブチルトリクロロ錫、テトラクロロゲルマニウム、ビス(トリクロロシリル)エタン等のハロゲン化合物;エポキシ化大豆油等のエポキシ化合物;アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジメチル、ジメチルテレフタル酸、ジエチルテレフタル酸等のジカルボン酸のジエステル化合物;ジビニルベンゼン等のポリビニル化合物;ポリイソシアネートが挙げられる。これらの中でも、工業的に入手し易く、反応性も高いという理由から、ハロゲン化合物が好ましく、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、テトラクロロシランがより好ましい。
<重合体ブロックA〜Cの原料モノマー>
重合体ブロックA〜C各々を形成する共役ジエン、芳香族アルケニル化合物その他の原料モノマーの例示および好適例を以下に示す。重合体ブロックA〜C各々において、これらの原料モノマーは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
共役ジエンとしては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−シクロヘキサジエン、4,5−ジエチルー1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、ミルセンおよびクロロプレンが挙げられる。これらの中でも、重合反応性が高く、工業的に入手し易いという理由から、1,3−ブタジエンおよびイソプレンから選択される少なくとも1種が好ましい。すなわち、共役ジエン化合物単位は1,3−ブタジエン単位およびイソプレン単位から選択される少なくとも1種が好ましい。
芳香族アルケニル化合物としては、例えば、スチレン、tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、1,1−ジフェニルエチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレンおよびビニルピリジンが挙げられる。これらの中でも、工業的に入手し易いという理由から、スチレンが好ましい。すなわち、芳香族アルケニル化合物単位はスチレン単位であることが好ましい。
<ブロック共重合体(1)および(2)の製造>
ブロック共重合体(1)および(2)は、例えば、溶媒中、共役ジエン、芳香族アルケニル化合物その他の原料モノマーを、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として、リビングアニオン重合することにより得ることができる。ブロック共重合体(2)は、前記方法に加えて、カップリング法によって得ることができる。
溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素溶媒;シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素溶媒;ベンゼン、キシレン、トルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒等の不活性有機溶媒が挙げられる。
有機アルカリ金属化合物としては、例えば、有機リチウム化合物、有機ナトリウム化合物が挙げられる。これらの中でも、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等の有機リチウム化合物が好ましい。
有機アルカリ金属化合物の使用量については特に限定はなく、重合の第1段階で使用される原料モノマー1molに対して、通常0.003〜0.100mol、好ましくは0.008〜0.05molの量で用いることができる。
ビニル含量調整剤は、共役ジエン由来のビニル結合含量の調整のために用いることができる。例えば、重合体ブロックのミクロ構造、すなわち1,2−結合含量および3,4−結合含量は、ビニル含量調整剤を溶媒と共に用いることにより制御することができる。
ビニル含量調整剤としては、エーテルおよびアミン等のルイス塩基が挙げられ、具体的には、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、プロピルエーテル、ブチルエーテル、高級エーテル、2,2−ビス(2−テトラヒドロフルフリル)プロパン、テトラヒドロフルフリルメチルエーテル、テトラヒドロフルフリルエチルエーテル、ビス(テトラヒドロフルフリル)ホルマール、ジメトキシベンゼン、2−(2−エトキシエトキシ)−2−メチルプロパン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールエチルプロピルエーテル等のポリアルキレングリコールのエーテル誘導体などのエーテル;テトラメチルエチレンジアミン、ピリジン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリンなどの第3級アミンが挙げられる。
カップリング法は、(1)C−A−Bで表されるブロック構造を有する共重合体をブロック重合により合成する工程と、(2)前記共重合体の一部を、カップリング剤によりカップリングさせ、(C−A−B)n−Yの構造を有する共重合体(式中、Yはカップリング剤残基である。)を合成する工程とを有する。
カップリング剤については上述したとおりであり、その使用量は、重合開始剤1molに対して、通常0.3〜1.2mol、好ましくは0.3〜1.0molである。ここで、カップリング率は40〜90%、特に50〜80%とすることが好ましい。
重合反応およびカップリング反応における液相温度は、一般に−10〜150℃、好ましくは0〜120℃である。重合反応およびカップリング反応時の圧力は、前記温度で原料モノマーおよび溶媒を液相に維持するに充分な圧力の範囲であり、特に限定されるものではない。反応系の雰囲気は、窒素ガス等の不活性ガスで置換することが好ましい。
上述の重合反応またはカップリング反応の後、重合停止剤を用いることにより、ブロック共重合体の活性点を失活させることができる。重合停止剤としては、例えば、水素;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール等のアルコール類;塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、塩化ブチル、塩化ベンジル、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、臭化ブチル、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、ヨウ化ブチル等のハロゲン化アルキルが挙げられる。これらの中でも、水素が好ましい。
ブロック共重合体(1)および(2)の水素添加物について、水素添加の方法および反応条件については特に限定はなく、例えば、20〜150℃、0.1〜10MPaの水素加圧下、水素添加触媒の存在下で行うことができる。
水素添加触媒としては、周期表4、5、6、7、8、9、10族元素のいずれかを含む化合物を用いることができる。例えば、Ti、V、Co、Ni、Zr、Ru、Rh、Pd、Hf、Re、Pt原子を含む化合物が挙げられ、より具体的には、Ti、Zr、Hf、Co、Ni、Rh、Ru等のメタロセン化合物、pd、Ni、Pt、Rh、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土、塩基性活性炭等の担体に担持させた担持型不均一触媒が挙げられる。
メタロセン化合物の具体例としては、シクロペンタジエニル環(Cp環)またはCp環上の水素をアルキル基で置換した配位子を二つ有するKaminsky(カミンスキー)触媒、ansa(アンサ)型メタロセン触媒、非架橋ハーフメタロセン触媒、架橋ハーフメタロセン触媒が挙げられる。
水素添加触媒の具体例としては、特開平1−275605号公報、特開平5−271326号公報、特開平5−271325号公報、特開平5−222115号公報、特開平11−292924号公報、特開2000−37632号公報、特開昭59−133203号公報、特開昭63−5401号公報、特開昭62−218403号公報、特開平7−90017号公報、特公昭43−19960号公報、特公昭47−40473号公報に記載の触媒が挙げられる。
<ブロック共重合体Xの構成>
ブロック共重合体X中の芳香族アルケニル化合物単位の含有量は、好ましくは35〜55質量%、より好ましくは37〜53質量%、さらに好ましくは37〜50質量%である。含有量が前記範囲にあると、適度な保持力と、被着体表面の凹凸への追従性とを兼ね備え、かつ展開性に優れた重合体組成物を得ることができる。
ブロック共重合体Xにおいて、重合体ブロックAの総量と重合体ブロックBの総量との質量比(A:B)は、好ましくは5:95〜30:70、より好ましくは8:92〜25:75、さらに好ましくは10:90〜20:80である。質量比が前記範囲にあると、重合体組成物の耐ブロッキング性、成形ハンドリング性、タックおよび粘着力のバランスをとることができる。
重合体ブロックAと重合体ブロックBとの総量100質量部中、重合体ブロックAを5質量部以上有することにより、重合体組成物からなる粘着層に適度な保持力を付与することが可能となる。重合体ブロックAと重合体ブロックBとの総量100重量部中、重合体ブロックBを70質量部以上有することにより、重合体組成物からなる粘着層が被着体表面の凹凸に対して良好な追従性を示すため、被着体表面を確実に保護することが可能となる。
ブロック共重合体X中の重合体ブロックCの全含有量は、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは2〜13質量%、さらに好ましくは3〜11質量%である。含有量が前記範囲にあると、重合体組成物の初期粘着性が向上し、粘着昂進を抑制することができる。
ブロック共重合体XのGPC法により測定される重量平均分子量は、好ましくは30000〜500000、より好ましくは80000〜300000、さらに好ましくは100000〜250000である。重量平均分子量が前記範囲にあると、ブロック共重合体Xを含有する重合体組成物の工業的な生産を容易にすることができる。重量平均分子量が前記下限値以上であると、ポリマーを脱溶媒・乾燥させる工程において、製造設備等にポリマーが付着することなく、ポリマーの工業的生産が容易となる。重量平均分子量が前記上限値以下であると、ポリマーの溶媒への溶解性や熱溶融性が良好となり、重合体組成物への加工が容易となる。
ブロック共重合体Xの、JIS K7210に準拠し、温度:230℃、荷重:2.16kgで測定されるメルトフローレート(MFR)は、好ましくは0.1〜100g/10分、より好ましくは1.0〜50g/10分、さらに好ましくは2.0〜30g/10分である。MFRが前記下限値以上であると、充分な押出し速度が得られ、生産性が高くなる傾向にある。MFRが前記上限値以下であると、インフレーション成形を採用した場合にはバブル形成の点で、Tダイ成形を採用した場合にはドローダウンの点で好ましく、生産性が高くなる傾向にある。
ブロック共重合体(1)および(2)における共役ジエン単位のビニル結合含量は、好ましくは65〜85モル%、より好ましくは65〜83モル%、さらに好ましくは65〜80モル%である。ビニル結合含量が前記範囲にあると、タックおよび粘着力のバランスに優れた重合体組成物を得ることができる。
ブロック共重合体(1)および(2)の水素添加物における共役ジエンに由来する二重結合の水素添加率は、通常80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上である。水素添加率が前記範囲にあると、優れた耐熱性および耐候性が得られる。水素添加率は、四塩化炭素を溶媒として用い、270MHz、1H−NMRスペクトルから算出することができる。
〔重合体組成物〕
本発明の重合体組成物は、上述のブロック共重合体Xを含有する。ブロック共重合体Xの含有量は、重合体組成物100質量%に対して、通常65質量%以上、好ましくは65〜85質量%である。ブロック共重合体Xの含有量が前記範囲にあると、当該ブロック共重合体Xに基づく効果が良好に発現する重合体組成物を得ることができる。
〈ブロック共重合体Y〉
本発明の重合体組成物は、重合体ブロックA、重合体ブロックBおよび重合体ブロックCを含み、式(3):C−A−Bで表されるブロック共重合体[式(3)中、A〜Cは、式(2)中の同一記号と同義である。]およびその水素添加物から選択される少なくとも1種のブロック共重合体Yをさらに含有することが好ましい。
本発明の重合体組成物が、ブロック共重合体Xに加えてブロック共重合体Yをさらに含有することで、重合体組成物の柔軟性が優れ、表面保護フィルムの重要な充分な粘着力を確保できる。
この場合、別途製造されたブロック共重合体Xとブロック共重合体Yとを混合することで、これらを含有する重合体組成物を調製してもよく、ブロック共重合体(2)および/またはその水素添加物の製造において、カップリング率を調整することで、ブロック共重合体Xとブロック共重合体Yとを含有する重合体組成物を調製してもよい。
本発明の重合体組成物において、ブロック共重合体Yの含有量は、ブロック共重合体X100質量部に対して、好ましくは11〜150質量部、より好ましくは25〜100質量部、さらに好ましくは25〜68質量部である。含有量が前記範囲にあると、適度な粘着力の発現と、被着体表面の凹凸への追従性とを兼ね備えた重合体組成物が得られる。
重合体ブロックAの構成(例:モノマーの種類、芳香族アルケニル化合物単位の含有量)、重合体ブロックBの構成(例:モノマーの種類、芳香族アルケニル化合物単位および共役ジエン単位の含有量、ビニル結合含量)、重合体ブロックCの構成(例:重合体ブロックC1,C2の構成、重合体ブロックCの重量平均分子量、ビニル結合含量)は、ブロック共重合体Xにおける構成と同様である。
ブロック共重合体Y中の芳香族アルケニル化合物単位の含有量は、好ましくは35〜55質量%、より好ましくは37〜53質量%、さらに好ましくは37〜50質量%である。含有量が前記範囲にあると、適度な保持力と、被着体表面の凹凸への追従性とを兼ね備え、かつ展開性に優れた重合体組成物を得ることができる。
ブロック共重合体Yにおいて、重合体ブロックAの総量と重合体ブロックBの総量との質量比(A:B)は、好ましくは5:95〜30:70、より好ましくは8:92〜25:75、さらに好ましくは10:90〜20:80である。質量比が前記範囲にあると、タックおよび粘着力のバランスの観点から好ましい。
ブロック共重合体Y中の重合体ブロックCの含有量は、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは2〜13質量%、さらに好ましくは3〜11質量%である。含有量が前記範囲にあると、重合体ブロックA同士の凝集力が低下し、重合体組成物の初期粘着性が向上する。
ブロック共重合体YのGPC法により測定される重量平均分子量は、好ましくは10000〜300000、より好ましくは50000〜200000、さらに好ましくは60000〜150000である。
ブロック共重合体Yの、JIS K7210に準拠し、温度:230℃、荷重:2.16kgで測定されるメルトフローレート(MFR)は、好ましくは0.1〜100g/10分、より好ましく0.5〜80g/10分、さらに好ましくは1.0〜50g/10分である。
ブロック共重合体(3)の水素添加物における共役ジエンに由来する二重結合の水素添加率は、通常80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上である。
〈添加剤〉
本発明の重合体組成物は、ブロック共重合体Xから選択される少なくとも1種に加えて、必要に応じて、粘着付与剤、スチレン系ブロック相補強剤、軟化剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、充填剤、顔料、粘着昂進防止剤、オレフィン系樹脂、シリコーン系ポリマー、液状アクリル系共重合体、およびリン酸エステル系化合物から選択される少なくとも1種の添加剤を含有してもよい。
〈重合体組成物の製造〉
本発明の重合体組成物は、上述のブロック共重合体Xから選択される少なくとも1種のみからなってもよく、さらに上述のブロック共重合体Yおよび/または添加剤を含有してもよい。各成分の混合は、例えばバンバリ−ミキサー、ロールミル、押出機等の適当な混合機を用いて行うことができ、押出成形機中で溶融混練してもよく、特に二軸押出機を用いて溶融混練してもよい。
以上の本発明の重合体組成物は、粘着剤として好適に用いることができる。
〔表面保護フィルムおよび電子部材〕
本発明の表面保護フィルムは、基材層と、前記基材層の一方の面上に配置された、本発明の重合体組成物または粘着剤からなる粘着層とを有する。
〈基材層〉
基材層としては、ポリオレフィン基材層が好ましい。
基材層を形成する基材原料としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−n−ブチルアクリレート共重合体、およびポリプロピレン(ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー)が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
基材層は、単層でもよいし、組成の異なる2種以上の多層構造を有する層でもよい。
基材層は、表面保護フィルムの用途等によって、その厚さを適宜調整することができる。基材層の厚さ(基材層が多層である場合は全厚さ)は、通常10〜100μm程度の厚さに設定することが好ましい。
〈粘着層〉
粘着層は、本発明の重合体組成物または粘着剤から形成される。
粘着層の厚さは、通常0.5〜50μm程度、好ましくは1〜40μm程度である。
〈表面保護フィルムの製造〉
本発明の表面保護フィルムは、例えば、基材層を形成する基材原料と、粘着層を形成する本発明の重合体組成物または粘着剤とを用いて共押出成形することにより、基材原料からなる基材層の一方の面上に、重合体組成物または粘着剤からなる粘着層を形成することで製造することができる。
共押出成形において、共押出型成形機、具体的にはインフレーション成形機およびTダイ押出成形機を好適に用いることができる。Tダイ押出成形機のTダイは、マルチマニホールドタイプおよびフィードブロックタイプのいずれでもよい。
また、本発明の表面保護フィルムは、共押出成形以外にも、(1)基材層と粘着層とを、インフレーション法およびTダイ法等の通常の成形方法でそれぞれフィルム状またはシート状に成形した後、これらを熱貼合する方法や、(2)前記方法(1)で予め成形した基材層または粘着層の面上に、他の層を押出しラミネートする方法によっても製造することができる。
また、本発明の表面保護フィルムは、例えば、押出成形によって基材層を製造した後、本発明の重合体組成物または粘着剤を溶融または溶媒に溶解させた液体を基材層に塗布または噴霧する方法によっても製造することができる。
〈用途〉
本発明の表面保護フィルムは、プリズムシートおよび拡散フィルム等の光学部材のように凹凸のある被着体に好適に用いることができるが、これに限定されるものではなく、例えば、樹脂板、金属板およびガラス板のように表面が平滑な板状部材の表面保護にも使用することができる。被着体となる光学部材や樹脂板を構成する材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の透光性を有する樹脂が挙げられる。
本発明の表面保護フィルムは、特に、プリズムシートおよび拡散フィルム等の電子部材に貼付される表面保護フィルムとして、好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。以下の実施例等の記載において、特に言及しない限り、「部」は「質量部」を示す。
〔ブロック共重合体の物性〕
ブロック共重合体の物性を以下の方法で測定した。
[芳香族アルケニル化合物単位の含有量等]:芳香族アルケニル化合物単位の含有量は、四塩化炭素溶液を用い、270MHz、1H−NMRスペクトルから算出した。また、重合体ブロックAおよびBの質量比、重合体ブロックCの含有量は、重合中の仕込み量比によって算出した。
[重量平均分子量(Mw)]:水素添加前のブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー(株)製、HLC−8120)法により測定した。
・展開溶媒:テトラヒドロフラン
・測定温度:40℃
・カラム:TSKgel GMHxl
・標準物質:ポリスチレン
[メルトフローレート(MFR)]:水素添加後のブロック共重合体のメルトフローレート(MFR)は、JIS K7210に準拠し、温度:230℃、荷重:2.16kgの条件下で測定した。
[カップリング率]:ブロック共重合体のカップリング率は、カップリングした重合体が、全重合体のうちどの程度含まれているかを表す値である。カップリング率は、GPC分析によりカップリング剤添加後のカップリングした重合体の割合から求めた。
[ビニル結合含量]:水素添加前のブロック共重合体のビニル結合含量は、赤外吸収スペクトル法(モレロ法)により測定した。ただし、ビニル結合含量の単位は、モル%基準である。
[水素添加率]:水素添加後のブロック共重合体の水素添加率は、四塩化炭素溶液を用い、270MHz、1H−NMRスペクトルから算出した。
[室温弾性率E’]:粘着層の弾性率を、動的粘弾性スペクトル測定装置(TAInstruments社製、品番:RSA−G2)により、周波数1Hz、歪0.05%にて、−80℃〜+150℃の範囲で測定し、25℃における室温弾性率E’を求めた。
〔ブロック共重合体および重合体組成物の調製〕
[合成実施例1]
窒素置換された反応容器に、脱気・脱水されたシクロヘキサン500部、1,3−ブタジエン5部およびテトラヒドロフラン10部を仕込み、重合開始温度40℃にてn−ブチルリチウム0.10部を加えて、昇温重合を行った。重合転化率が略100%に達した後、スチレン15部を加えて、昇温重合を行った。重合転化率が略100%に達した後、反応液を15℃に冷却し、次いで、1,3−ブタジエン50部およびスチレン30部を加えて、さらに昇温重合を行った。重合転化率が略100%に達した後、一部取り出したポリマーをGPC分析したところ、重量平均分子量は約13万であった。
次いで、カップリング剤としてメチルジクロロシラン0.07部を加えて、カップリング反応を行った。カップリング反応が完結した後、水素ガスを0.4MPa−Gaugeの圧力で供給しながら10分間放置した。一部取り出したポリマーをGPC分析したところ、重量平均分子量は約22万であった。
その後、反応容器内に、ジエチルアルミニウムクロライド0.02部およびビス(シクロペンタジエニル)チタニウムフルフリルオキシクロライド0.04部を加え、撹拌した。水素ガス供給圧0.7MPa−Gauge、反応温度80℃で水素添加反応を開始し、水素の吸収が終了した時点で、反応溶液を常温・常圧に戻し、反応容器から抜き出すことにより、[C−A−B]−Si−[B−A−C]構造の共重合体とC−A−B構造の共重合体とからなる重合体組成物を得た。[C−A−B]−Si−[B−A−C]構造の共重合体の含有量は約78質量%であり、C−A−B構造の共重合体の含有量は約22質量%であった。
[合成実施例2〜7]
合成例1において、モノマー(スチレン、1,3−ブタジエン)、カップリング剤、触媒等の配合量を表1に記載したとおりに変更したこと以外は合成例1と同様にして、[C−A−B]−Si−[B−A−C]構造の共重合体とC−A−B構造の共重合体とからなる重合体組成物を得た。
[合成比較例1]
窒素置換された反応容器に、脱気・脱水されたシクロヘキサン500部、スチレン15部およびテトラヒドロフラン11部を仕込み、重合開始温度40℃にてn−ブチルリチウム0.10部を加えて、昇温重合を行った。重合転化率が略100%に達した後、反応液を15℃に冷却し、次いで、1,3−ブタジエン55部およびスチレン30部を加えて、さらに昇温重合を行った。重合転化率が略100%に達した後、カップリング反応および水素添加反応を合成例1と同様に行い、[A−B]−Si−[B−A]構造の共重合体とA−B構造の共重合体とからなる重合体組成物を得た。
[合成比較例2]
窒素置換された反応容器に、脱気・脱水されたシクロヘキサン500部、スチレン15部およびテトラヒドロフラン10部を仕込み、重合開始温度40℃にてn−ブチルリチウム0.09部を加えて、昇温重合を行った。重合転化率が略100%に達した後、反応液を15℃に冷却し、次いで、1,3−ブタジエン55部およびスチレン30部を加えて、さらに昇温重合を行った。重合転化率が略100%に達した後、カップリング反応および水素添加反応を合成例1と同様に行い、[A−B]−Si−[B−A]構造の共重合体とA−B構造の共重合体とからなる重合体組成物を得た。
以上の結果を表1および表2に示す。これらの表中、カップリング率、カップリング後の重量平均分子量、水素添加率、MFRおよび室温弾性率E’は、得られた組成物全体をもとに測定した値である。
Figure 0006094217
Figure 0006094217
〔表面保護フィルムの製造〕
[実施例1]
基材層にはポリプロピレン(プライムポリマー社製J715M)を用い、粘着層には合成実施例1で得られた重合体組成物を用い、Tダイ法によりポリプロピレンと重合体組成物とを共押出成形(押出温度:200〜230℃、冷却ロール:約50℃)することで、厚さ34μmの基材層と厚さ6μmの粘着層とが積層一体化された表面保護フィルムを成形し、内径3インチの紙芯に巻き取り、フィルムロールを得た。
[実施例2〜7、比較例1〜2]
実施例1において、重合体組成物を表3に記載したとおりに変更したこと以外は実施例1と同様にして表面保護フィルムを成形し、内径3インチの紙芯に巻き取り、フィルムロールを得た。
〔評価試験〕
得られた各表面保護フィルムについて、以下の(1)〜(4)の項目を評価した。
(1)成膜性
表面保護フィルムの外観を目視にて評価した。
表中の記号「AA」は、外観上問題が無かったことを示す。
表中の記号「BB」は、外観上しわ、歪、厚み変動があったことを示す。
(2)初期粘着力
実施例および比較例の各表面保護フィルムを、表面粗さが0.10μm以下のアクリル板と表面粗さが0.30〜0.80μmになるように表面を研磨したSUS板(SUS鏡面板)とに、室温23℃および相対湿度50%の環境下で、卓上ラミネータを用いて、圧力5.9×105Paおよび速度30mm/分の速度でそれぞれ貼り付けた。この環境下で30分間放置した後、JIS Z0237の方法に準じて、これらのフィルム(25mm幅)の180度剥離強度を300mm/分の速度で測定し、これを初期粘着力とみなした。この際、アクリル板およびSUS板の表面を目視で観察し、これらの表面に粘着層の残渣が無いことを確認した。
(3)経時粘着力
実施例および比較例の各表面保護フィルムを、前記(2)の初期粘着力評価に用いたアクリル板およびSUS板の表面に、室温23℃および相対湿度50%の環境下で、卓上ラミネータを用いて、圧力5.9×105Paおよび速度30mm/分の速度でそれぞれ貼り付けた。その後、次いで60℃で30分間放置、60℃で一日放置し、JIS Z0237の方法に準じて、これらのフィルム(25mm幅)の180度剥離強度を300mm/分の速度で測定し、これを経時粘着力とみなした。この際、アクリル板およびSUS板の表面を目視で観察し、これらの表面に粘着層の残渣が無いことを確認した。
初期粘着力から経時粘着力の変化比(粘着昂進比)を次式で算出した。
変化比(粘着昂進比)=(経時粘着力/初期粘着力)
(4)展開力
実施例および比較例の各表面保護フィルムを、ポリプロピレンフィルムに、室温23℃および相対湿度50%の環境下で、卓上ラミネータを用いて、圧力5.9×105Paおよび速度30m/分の条件で貼り付けた。その後、室温環境下、60分放置した後、JIS Z0237の方法に準じて、前記フィルム(25mm幅)の180度剥離強度を15m/分の速度で測定した。
以上の結果を表3に示す。被着体に対する初期粘着性、粘着昂進性、展開力等の粘着特性はトレードオフの関係にあるところ、上記実施例の表面保護フィルムはこれらのバランスに優れる。
Figure 0006094217

Claims (12)

  1. (1)重合体ブロックA、重合体ブロックBおよび重合体ブロックCを含み、重合体ブロックB中の共役ジエン単位のビニル結合含量が、65〜85モル%であり、式(1):C−A−B−A−Cで表されるブロック構造を有するブロック共重合体
    [式(1)中、重合体ブロックAは、芳香族アルケニル化合物単位の含有量が80質量%以上、かつ当該芳香族アルケニル化合物単位が連続する重合体ブロックであり、複数あるAはそれぞれ同一でも異なってもよく;重合体ブロックBは、共役ジエン単位および芳香族アルケニル化合物単位をランダムに有する共役ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体ブロックであり;重合体ブロックCは、共役ジエン単位の含有量が80質量%を超え、かつ当該共役ジエン単位が連続する重合体ブロックC1と、共役ジエン単位および芳香族アルケニル化合物単位の含有量がテーパー状に変化する重合体ブロックC2とから選択される少なくとも1種であり、複数あるCはそれぞれ同一でも異なってもよい。]、
    (2)重合体ブロックA、重合体ブロックBおよび重合体ブロックCを含み、重合体ブロックB中の共役ジエン単位のビニル結合含量が、65〜85モル%であり、式(2):(C−A−B)n−Yで表されるブロック構造を有するブロック共重合体
    [式(2)中、重合体ブロックAは、芳香族アルケニル化合物単位の含有量が80質量%以上、かつ当該芳香族アルケニル化合物単位が連続する重合体ブロックであり;重合体ブロックBは、共役ジエン単位および芳香族アルケニル化合物単位をランダムに有する共役ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体ブロックであり;重合体ブロックCは、共役ジエン単位の含有量が80質量%を超え、かつ当該共役ジエン単位が連続する重合体ブロックC1と、共役ジエン単位および芳香族アルケニル化合物単位の含有量がテーパー状に変化する重合体ブロックC2とから選択される少なくとも1種であり;nは2以上の整数であり;Yはカップリング剤残基である。]、
    (3)前記ブロック共重合体(1)の水素添加物、ならびに
    (4)前記ブロック共重合体(2)の水素添加物
    から選択される少なくとも1種のブロック共重合体X。
  2. (1)重合体ブロックA、重合体ブロックBおよび重合体ブロックCを含み、
    式(1):C−A−B−A−Cで表されるブロック構造を有するブロック共重合体
    [式(1)中、重合体ブロックAは、芳香族アルケニル化合物単位の含有量が80質量%以上、かつ当該芳香族アルケニル化合物単位が連続する重合体ブロックであり、複数あるAはそれぞれ同一でも異なってもよく;重合体ブロックBは、共役ジエン単位および芳香族アルケニル化合物単位をランダムに有する共役ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体ブロックであり;重合体ブロックCは、共役ジエン単位の含有量が80質量%を超え、かつ当該共役ジエン単位が連続する重合体ブロックC1と、共役ジエン単位および芳香族アルケニル化合物単位の含有量がテーパー状に変化する重合体ブロックC2とから選択される少なくとも1種であり、複数あるCはそれぞれ同一でも異なってもよい。]、
    (2)重合体ブロックA、重合体ブロックBおよび重合体ブロックCを含み、
    式(2):(C−A−B)n−Yで表されるブロック構造を有するブロック共重合体
    [式(2)中、重合体ブロックAは、芳香族アルケニル化合物単位の含有量が80質量%以上、かつ当該芳香族アルケニル化合物単位が連続する重合体ブロックであり;重合体ブロックBは、共役ジエン単位および芳香族アルケニル化合物単位をランダムに有する共役ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体ブロックであり;重合体ブロックCは、共役ジエン単位の含有量が80質量%を超え、かつ当該共役ジエン単位が連続する重合体ブロックC1と、共役ジエン単位および芳香族アルケニル化合物単位の含有量がテーパー状に変化する重合体ブロックC2とから選択される少なくとも1種であり;nは2以上の整数であり;Yはカップリング剤残基である。]、
    (3)前記ブロック共重合体(1)の水素添加物、ならびに
    (4)前記ブロック共重合体(2)の水素添加物
    から選択される少なくとも1種のブロック共重合体Xであり、
    (i)重合体ブロックB中の芳香族アルケニル化合物単位の含有量が、
    10〜40質量%であり、
    (ii)ブロック共重合体X中の芳香族アルケニル化合物単位の含有量が、
    35〜55質量%であり、かつ
    (iii)重合体ブロックAの総量と重合体ブロックBの総量との質量比(A:B)が、
    5:95〜30:70である、
    ブロック共重合体X
  3. (1)重合体ブロックA、重合体ブロックBおよび重合体ブロックCを含み、
    式(1):C−A−B−A−Cで表されるブロック構造を有するブロック共重合体
    [式(1)中、重合体ブロックAは、芳香族アルケニル化合物単位の含有量が80質量%以上、かつ当該芳香族アルケニル化合物単位が連続する重合体ブロックであり、複数あるAはそれぞれ同一でも異なってもよく;重合体ブロックBは、共役ジエン単位および芳香族アルケニル化合物単位をランダムに有する共役ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体ブロックであり;重合体ブロックCは、共役ジエン単位の含有量が80質量%を超え、かつ当該共役ジエン単位が連続する重合体ブロックC1と、共役ジエン単位および芳香族アルケニル化合物単位の含有量がテーパー状に変化する重合体ブロックC2とから選択される少なくとも1種であり、複数あるCはそれぞれ同一でも異なってもよい。]
    3)前記ブロック共重合体(1)の水素添加物、ならびに
    (4)重合体ブロックA、重合体ブロックBおよび重合体ブロックCを含み、式(2):(C−A−B)n−Yで表されるブロック構造を有するブロック共重合体(2)の水素添加物
    [式(2)中、重合体ブロックAは、芳香族アルケニル化合物単位の含有量が80質量%以上、かつ当該芳香族アルケニル化合物単位が連続する重合体ブロックであり;重合体ブロックBは、共役ジエン単位および芳香族アルケニル化合物単位をランダムに有する共役ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体ブロックであり;重合体ブロックCは、共役ジエン単位の含有量が80質量%を超え、かつ当該共役ジエン単位が連続する重合体ブロックC1と、共役ジエン単位および芳香族アルケニル化合物単位の含有量がテーパー状に変化する重合体ブロックC2とから選択される少なくとも1種であり;nは2以上の整数であり;Yはカップリング剤残基である。]
    から選択される少なくとも1種のブロック共重合体X。
  4. ブロック共重合体(1)および(2)における、重合体ブロックB中の共役ジエン単位のビニル結合含量が、65〜85モル%である請求項2または3に記載のブロック共重合体X。
  5. (i)重合体ブロックB中の芳香族アルケニル化合物単位の含有量が、
    10〜40質量%であり、
    (ii)ブロック共重合体X中の芳香族アルケニル化合物単位の含有量が、
    35〜55質量%であり、かつ
    (iii)重合体ブロックAの総量と重合体ブロックBの総量との質量比(A:B)が、
    5:95〜30:70である
    請求項に記載のブロック共重合体X。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載のブロック共重合体Xを含有する重合体組成物。
  7. 重合体ブロックA、重合体ブロックBおよび重合体ブロックCを含み、式(3):C−A−Bで表されるブロック共重合体[式(3)中、A〜Cは、式(2)中の同一記号と同義である。]、および
    その水素添加物
    から選択される少なくとも1種のブロック共重合体Y
    をさらに含有する請求項に記載の重合体組成物。
  8. (1)重合体ブロックA、重合体ブロックBおよび重合体ブロックCを含み、
    式(1):C−A−B−A−Cで表されるブロック構造を有するブロック共重合体
    [式(1)中、重合体ブロックAは、芳香族アルケニル化合物単位の含有量が80質量%以上、かつ当該芳香族アルケニル化合物単位が連続する重合体ブロックであり、複数あるAはそれぞれ同一でも異なってもよく;重合体ブロックBは、共役ジエン単位および芳香族アルケニル化合物単位をランダムに有する共役ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体ブロックであり;重合体ブロックCは、共役ジエン単位の含有量が80質量%を超え、かつ当該共役ジエン単位が連続する重合体ブロックC1と、共役ジエン単位および芳香族アルケニル化合物単位の含有量がテーパー状に変化する重合体ブロックC2とから選択される少なくとも1種であり、複数あるCはそれぞれ同一でも異なってもよい。]、
    (2)重合体ブロックA、重合体ブロックBおよび重合体ブロックCを含み、
    式(2):(C−A−B)n−Yで表されるブロック構造を有するブロック共重合体
    [式(2)中、重合体ブロックAは、芳香族アルケニル化合物単位の含有量が80質量%以上、かつ当該芳香族アルケニル化合物単位が連続する重合体ブロックであり;重合体ブロックBは、共役ジエン単位および芳香族アルケニル化合物単位をランダムに有する共役ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体ブロックであり;重合体ブロックCは、共役ジエン単位の含有量が80質量%を超え、かつ当該共役ジエン単位が連続する重合体ブロックC1と、共役ジエン単位および芳香族アルケニル化合物単位の含有量がテーパー状に変化する重合体ブロックC2とから選択される少なくとも1種であり;nは2以上の整数であり;Yはカップリング剤残基である。]、
    (3)前記ブロック共重合体(1)の水素添加物、ならびに
    (4)前記ブロック共重合体(2)の水素添加物
    から選択される少なくとも1種のブロック共重合体Xまたは前記共重合体Xを含有する重合体組成物からなる粘着剤
  9. 前記重合体組成物が、
    重合体ブロックA、重合体ブロックBおよび重合体ブロックCを含み、式(3):C−A−Bで表されるブロック共重合体[式(3)中、A〜Cは、式(2)中の同一記号と同義である。]、および
    その水素添加物
    から選択される少なくとも1種のブロック共重合体Y
    をさらに含有する請求項に記載の粘着剤。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載のブロック共重合体Xまたは請求項のいずれか1項に記載の重合体組成物からなる粘着剤。
  11. 基材層と、
    基材層の一方の面上に配置された、請求項8〜10のいずれか1項に記載の粘着剤からなる粘着層と
    を有する表面保護フィルム。
  12. 請求項11に記載の表面保護フィルムが設けられた電子部材。
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