JP2012097044A - アルデヒドの精製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】α水素を有するアルデヒドを蒸留精製するにあたり、加熱中におけるアルドール縮合による高沸点化合物の生成を抑制し、回収率を低下させることなく精製する方法を提供する。
【解決手段】α水素を有するアルデヒド(7−オクテン−1−アールなど)を含む反応粗液に吸着剤(好ましくはMg,Al,Siを主成分とする無機合成吸着剤又は固体担体結合スカベンジャー)を添加・撹拌し、反応粗液中に含まれる副反応促進物質を吸着剤と接触させてこれを吸着除去した後、該反応粗液を蒸留操作によって精製し、α水素を有するアルデヒドを取得する。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルデヒドの精製方法に関する。詳しくはアルデヒドを含む反応粗液を吸着剤で処理して、副反応促進物質を吸着除去することを特徴とするアルデヒドの精製方法に関する。
アルデヒド化合物は反応性に富んだ化合物であり、その反応性のために医薬、農薬等の中間体原料として重要な化合物である。しかしながらアルデヒド化合物はその反応性のため、蒸留精製中に副反応を起して高沸点副生成物となり収率の低下につながることが知られている(特許文献1)。特にα水素を有するアルデヒドでは酸性条件でも塩基性条件でもアルドール縮合が起きることが知られており(非特許文献1)、例えば、7−オクテン−1−アールでは、副生する7−オクテン酸によってアルドール縮合が促進されることが知られている(特許文献2)。
アルデヒド以外の化合物については、蒸留精製中の副反応を、反応粗液中から原因物質を除去することで防ぐ方法がいくつか提案されている。グリシドールの精製の際に反応粗液を吸着剤にて処理して、粗液中の遷移金属の濃度を400ppm以下として、グリシドールの重合及びアルコールとの付加反応が進行することを防ぐ方法(特許文献3)、アルキルフェノール類の精製の際に無機固体酸に接触させることで、酸性物質を除き、蒸留精製中に逆反応が進行することを防ぐ方法(特許文献4)、などが知られている。
しかしながら、上記先行技術にはα水素を有するアルデヒドについて、アルドール縮合を抑えて効率よく蒸留精製を行った例はなく、現状ではα水素を有するアルデヒドを一般的な蒸留装置で蒸留精製することは困難である。よって、α水素を有するアルデヒドを、一般的な蒸留装置を用いて収率良く精製する方法の開発が望まれている。
特開平11−171814号公報 特開2008−247865号公報 特開2002−284771号公報 特開平9−12497号公報
Harkin訳,Krauch外1名著,「オーガニック・ネーム・リアクションズ」,(米国),ジョン・ワイリー・アンド・サンズ,1964年,p.6-10
本発明は、α水素を有するアルデヒドを蒸留精製するにあたり、加熱中における副反応(アルドール縮合)による高沸点化合物の生成を抑制し、回収率を低下させることなく精製する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、アルデヒドを含む反応粗液を吸着剤で処理することで、反応粗液中の副反応促進物質が除去され、蒸留精製中のアルドール縮合を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下に示すα水素を有するアルデヒドの精製方法に関する。
(1)α水素を有するアルデヒドを含む反応粗液を吸着剤で処理して副反応促進物質を吸着除去する工程を含むことを特徴とする、α水素を有するアルデヒドの精製方法。
(2)α水素を有するアルデヒドが7−オクテン−1−アールである、(1)記載の精製方法。
(3)吸着剤がMg、AlおよびSiから選ばれる1種類以上を主成分とする無機合成吸着剤である、(1)または(2)記載のアルデヒドの精製方法。
(4)吸着剤が下記式(I)で表される固体担体結合スカベンジャーである、(1)または(2)記載の精製方法。
Figure 2012097044
α水素を有するアルデヒドを含む反応粗液からアルデヒドを蒸留で精製する際に、前記反応粗液を吸着剤と接触させることによって、副反応促進物質(アルドール縮合を促進してアルデヒド由来の高沸点副生物を副生させる要因となる物質)を吸着除去することで、アルドール縮合を抑え安定的にアルデヒドを蒸留精製することができる。
(1)α水素を有するアルデヒド
本発明方法の対象となるα水素を有するアルデヒドは、以下の式(II)で示される。
Figure 2012097044
上記式(II)中、RはC1〜C15のアルキル基もしくはアルケニル基、またはアリル基、好ましくはC5〜C12のアルキル基もしくはアルケニル基、またはアリル基を表す。Rとしてより具体的には、CH2=CH(CH24−基、C65−基等を表す。このようなアルデヒドの具体例としては、7−オクテン−1−アール、フェニルアセトアルデヒド等が挙げられる。これらのうちで最も好ましいものは7−オクテン−1−アールである。
(2)反応粗液
本発明において、α水素を有するアルデヒドを含む反応粗液とは、α水素を有するアルデヒドの製造工程において得られるものであればいずれでもよく、その具体的製造方法は特に限定されないが、好ましくは出発物質として有機マグネシウム化合物を用い、N,N−ジメチルホルムアミドとグリニャール反応を行って得られる反応液である。
上記反応粗液には、一般的には30〜70重量%のα水素を有するアルデヒド、25〜65重量%の溶媒(テトラヒドロフラン(THF)、トルエンなど)などが含まれている。さらに副生成物として、酸性物質、アルコール等が含まれている。
例えば、α水素を有するアルデヒドとして7−オクテン−1−アールを製造する工程において得られる前記反応粗液中には、一般的には30〜70重量%の7−オクテン−1−アールが含まれている。さらに副生成物として7−オクテン酸、7-オクテノール、その他構造不明の複数の副生成物、ジメチルアミンなどが含まれる。また、後処理に使用した無機物もわずかに残存する。
本発明方法においてアルドール縮合を促進する原因物質(副反応促進物質)としては、必ずしも具体的に特定できるものではないが、アルデヒド製造工程で副生される物質(7−オクテン酸、ジメチルアミン、その他構造不明の副生成物)、残存する無機物(Mg塩など)が考えられる。α水素を有するアルデヒドを含む反応粗液においては、かかる副反応促進物質によって、蒸留精製中にアルデヒドが副反応(アルドール縮合反応)を起こして高沸点副生成物を生成し、このことが従来、収率の低下につながっていたが、本発明の方法によれば、副反応促進物質を吸着除去することによってかかる高沸点副生成物の生成が抑制される。
(3)吸着剤
本発明においては、前記反応粗液を吸着剤で処理して副反応促進物質を吸着除去する。用いられる吸着剤としては、無機合成吸着剤類又は固体担体結合スカベンジャーが好ましい。
無機合成吸着剤としては、Mg−Al−CO3系、MgO−Al23系、及びMgO−SiO2系の無機合成吸着剤が挙げられる。このような無機合成吸着剤としては市販品を用いることができ、例えば「キョーワード500」(Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O)、「キョーワード600」(2MgO・6SiO2XH2O)、「キョーワード700」(Al2O3・9SiO2・H2O)、「キョーワード1000」(Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O)、「KW−2000」(Mg0.7Al0.3OH1.15)、「DHT−4A」(いずれも商品名;協和化学工業(株)製)、「トミタ−AD500NS」(Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O)(商品名;富田製薬(株)製)などがある。特に「キョーワード500」、「トミタAD500NS」などが好ましい。
これらは微粉末タイプ、球状粒子の粉末タイプ(流動性がよい)、細粒状(非常に流動性がよい)、重質などがあるが、いずれも使用可能である。
固体担体結合スカベンジャーはポリマーもしくはシリカの担体にスカベンジャー基を結合したものである。スカベンジャー基としては特に制限されないが、アミノ基、イミノ基、メルカプト基などを有する有機基が挙げられる。具体的には、イミノジアセテート基、アミノメチルホスホン酸基、ベンゼンスルホン酸基、N,N−ジメチルアミノベンジル基、アミノプロピル基、メルカプトプロピル基等が挙げられる。
また、ポリマーとしては、ポリスチレンビーズ、ポリエチレングリコールビーンズ等が挙げられる。
このような固体担体結合スカベンジャーとしては市販品を用いることができ、例えばReaxa製のQuadraPureシリーズ(担体にポリスチレンビーズを使用)、及びQuadraSilシリーズ(担体に多孔性の球状シリカ樹脂を使用)がある。
QuadraPureシリーズとしては、QuadraPure IDA(-CH2-N(CH2COOH)2基)、QuadraPure SA(-Ph-SO3H)、QuadraPure DMA(-Ph-CH2-N(CH3)2基)、QuadraPure AMPA(-CH2-NH-CH2-PO(OH)2基)などが挙げられる。QuadraSilシリーズとしては、QuadraSil MP(アミノプロピル基)、QuadraSil AP(メルカプトプロピル基)などが挙げられる。これらのうち、特にQuadra Pure SAが好ましい。
(4)吸着剤除去工程
本発明においては、前記反応粗液を上記吸着剤で処理する。具体的には、反応粗液に吸着剤を添加して撹拌し、反応粗液中の副反応促進物質を吸着剤と接触させる。
吸着剤の使用量は、反応粗液中のα水素を有するアルデヒドの理論収量(反応が100%進行したと仮定した場合に生じるアルデヒドの重量)に対して0.5〜40重量%が好ましく、1.0〜20重量%の範囲がより好ましく、2.0〜10重量%の範囲が特に好ましい。また、反応粗液に対する吸着剤の使用量としては、α水素を有するアルデヒドを含む反応粗液全量に対し0.15〜28重量%が好ましく、より好ましくは0.3〜14重量%である。
吸着剤の使用量が少なすぎると吸着の効果が低下する場合があり、多すぎると処理中にアルドール縮合が起こり純度低下する場合がある。
吸着剤添加後は、所定の温度範囲内で所定の処理時間、反応粗液を攪拌する。
吸着剤処理時間は、0.5〜10時間の範囲が好ましく、より好ましくは1〜5時間である。処理時間が短すぎると吸着の効果が低下する場合があり、長すぎると処理中にアルドール縮合が起こり純度低下する場合がある。
また、吸着剤処理は、0〜60℃の温度範囲で行われるのが好ましく、より好ましくは0〜40℃、特に好ましくは0〜30℃である。吸着剤処理温度が40℃を超えると処理中にアルドール縮合が起こり純度低下する場合がある。0℃未満では吸着の効果が低下する場合がある。
反応粗液は、所定時間攪拌した後、濾過することにより副反応促進物質を吸着した吸着剤を分離する。濾過方法は特に限定されないが、一般的な濾紙を用いる方法、一般的な濾布を用いた加圧濾過装置を用いる方法などが好ましい。
本発明においては、このような吸着剤処理によって反応粗液中の副反応促進物質が吸着除去されるものと思われるが、何が副反応促進物質であるかは必ずしも明らかではなく、このような吸着剤処理によって、蒸留精製後のアルデヒド回収率が格段に向上することは驚くべきことである。
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
なお、下記実施例における各種測定値は、以下の方法によって求めた。
(1)吸着処理の回収率
吸着処理の前後において、反応粗液についてガスクロマトグラフィー(島津製作所社製、商品名「GC-2014」;以下、「GC」と略す)による分析を行って7−オクテン−1−アールの濃度を求め、次の式により回収率を求めた。
[吸着処理の回収率(%)]=[吸着処理後の7−オクテン−1−アールの溶媒分を除いた濃度]÷[吸着処理前の7−オクテン−1−アールの溶媒分を除いた濃度]×100
(2)加熱後の回収率
加熱処理(100℃、24時間)の前後において、反応粗液についてGC分析を行って7−オクテン−1−アールの濃度を求め、次の式により回収率を求めた。
[加熱後の回収率(%)]=[加熱後の7−オクテン−1−アールの溶媒分を除いた濃度]÷[吸着処理後(加熱前)の7−オクテン−1−アールの溶媒分を除いた濃度]×100
[参考例1]
7−オクテン−1−アール[式(II)化合物のRがCH2=CH(CH24−の場合]の製造:
還流冷却器、温度計、滴下ロートおよび攪拌機を備えた1L四頚フラスコを窒素置換し、これにマグネシウム29.2g(1.2モル)と少々のテトラヒドロフランと少々の臭化エチルを入れて撹拌しつつ還流するまで加熱し、マグネシウムを活性化した。次いで7−クロロ−1−ヘプテン132.6g(1.0モル)をテトラヒドロフラン485mlに溶解して40℃で3時間かけて滴下ロートより滴下した。滴下後40℃で3時間撹拌し、ヘプテニルマグネシウムクロライドを得た。
このグリニャール試薬にトルエン127mlで希釈したN,N−ジメチルホルムアミド109.6g(1.5モル)を0〜10℃で2時間かけて滴下し、更に同温度で3時間撹拌した。還流冷却器、温度計、滴下ロートおよび攪拌機を備えた2L四頚フラスコを窒素置換し、これに10%硫酸1000gを入れ、冷却撹拌しながら10℃以下で反応粗液を滴下した。有機層を分離し、水洗、10%炭酸ソーダ洗浄、水洗と行った。溶媒を留去して7−オクテン−1−アールを含む反応粗液(吸着処理前)141.6gを得た。この反応粗液中のGC分析により求めた7−オクテン−1−アールの濃度は64.0重量%(0.72モル)であった。
[実施例1]
参考例1で得られた反応粗液(吸着処理前)141.6gに、7−オクテン−1−アールの理論収量(126.2g)に対して5重量%の無機合成吸着剤(協和化学工業(株)製;キョーワード500SN)6.3gを添加して20℃で1時間攪拌した。次いで、副反応促進物質を吸着した無機合成吸着剤を濾紙(5B)にて濾過した後、10gのトルエンで濾液の流路を2度洗浄し、7−オクテン−1−アールを含む反応粗液(吸着処理後)を得た。この反応粗液中のGC分析により求めた7−オクテン−1−アールの含有量は89.0g(0.705モル)であった。
得られた7−オクテン−1−アールを含む反応粗液(吸着処理後)150.6gを、還流ヘッドとトップコンデンサーを備え、充填物として住友重機械工業株式会社製 住友/スルザーラボパッキング(22mmφ×55mm)を2エレメント充填した蒸留塔を用いてバッチ蒸留を行い、沸点71℃/2.7kPaの留分70.7g(収量56.0%)を得た。得られた留分のガスクロマトグラフィーによる分析純度は99.2%であった。蒸留操作による7−オクテン−1−アールの回収率は97.0%であった。
なお、蒸留操作による回収率は以下のとおり求めた。
蒸留前の反応粗液150.6g中の7−オクテン−1−オール量;89.0g(0.705 mol)
蒸留の初留分中の7−オクテン−1−オール量;2.1g(0.017 mol)
蒸留の本留分中の7−オクテン−1−オール量;70.7g(0.560 mol)
蒸留の缶残分中の7−オクテン−1−オール量;12.0g(0.095 mol)
蒸留経路の付着分中の7−オクテン−1−オール量;1.5g(0.012 mol)
蒸留後の合計=86.3g(0.684 mol)
蒸留操作による回収率=86.3/89.0*100=97.0(%)
また、上記7−オクテン−1−アールを含む反応粗液(吸着処理後)について、加熱による高沸点副生成物生成の影響をみるため、100℃で24時間加熱処理した。具体的には、該反応粗液(吸着処理後)を凍結アンプルに封管して100℃に加熱して24時間後に開封し、該加熱処理後の反応粗液中の7−オクテン−1−アール濃度をGC分析で測定し、加熱後の回収率を求めた。その結果、7−オクテン−1−アールの加熱後の回収率は94.6%であった。結果を表1に示す。
なお、蒸留操作中に起こるアルドール縮合は、副反応促進物質の存在下で加熱することにより進行すると考えられる。また、100℃・24時間という加熱処理条件は、多くの場合、実際の蒸留よりも過酷な条件となることから、上記加熱処理の前後で7−オクテン−1−アールの濃度を比較することによって、蒸留操作による影響をより明確に確認することができると考えられる。
[実施例2〜16]
実施例1に準じた方法で吸着剤の種類、添加量、攪拌温度、攪拌時間を変えて処理した。各反応粗液を100℃、24時間加熱した後の、7−オクテン−1−アールの回収率の結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1に準じた方法で吸着剤での処理を省略した反応粗液を60℃、5時間加熱した後の、7−オクテン−1−アールの回収率の結果を表1に示す。
[比較例2〜5]
実施例1に準じた方法で吸着剤での処理を省略した反応粗液に添加剤を入れて60℃、5時間加熱した後の、7−オクテン−1−アールの回収率の結果を表1に示す。
Figure 2012097044
上記表1中の符号は以下の通りである。
※1)[吸着処理の回収率(%)]=[吸着処理後の7−オクテン−1−アールの溶媒分を除いた濃度]÷[吸着処理前の7−オクテン−1−アールの溶媒分を除いた濃度]×100
※2)[加熱後の回収率(%)]=[加熱後の7−オクテン−1−アールの溶媒分を除いた濃度]÷[吸着処理後の7−オクテン−1−アールの溶媒分を除いた濃度]×100
※3)加熱条件は60℃で5時間。
また、上記表1中、使用した吸着剤は以下の通りである。
キョーワード500SN(協和化学工業(株);「SN」は細粒状のもの、以下同様);
Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O、
キョーワード600SN(協和化学工業(株));2MgO・6SiO2
キョーワード700SN(協和化学工業(株));Al2O3・9SiO2・XH2O
キョーワード700重質(協和化学工業(株));Al2O3・9SiO2・XH2O
トミタ−AD500NS(富田製薬(株));Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O
QuadraPure IDA(Reaxa社製、スカベンジャー基;-CH2-N(CH2COOH)2基)
QuadraPure SA(Reaxa社製、スカベンジャー基;-Ph-SO3H基)、
QuadraPure DMA(Reaxa社製、スカベンジャー基;-Ph-CH2-N(CH3)2基)、
QuadraPure AMPA(Reaxa社製、スカベンジャー基;-CH2-NH-CH2-PO(OH)2基)
QuadraSil MP(Reaxa社製、スカベンジャー基;アミノプロピル基)、
QuadraSil AP(Reaxa社製、スカベンジャー基;メルカプトプロピル基)
表1の結果から分かるように、吸着剤処理を省略した比較例1の加熱処理後の回収率に比べて、本発明の吸着剤処理を行った場合(実施例1〜16)の加熱処理後の回収率は格段に向上する。これによって、加熱の負荷がかかる蒸留操作においてもアルデヒドの回収率の低下が大幅に抑制され、安定的に収率良く回収できることが分かる。
また、酸性もしくは塩基性の不純物の混入が原因となって安定な蒸留を妨げる場合に、一般的な酸や塩基の添加で安定性を向上させられる場合があるが、そのような一般的な酸や塩基を添加した比較例2〜5の結果からすると顕著な効果は認められず、本発明の方法に比べて加熱後の回収率が格段に劣ることが分かる。
なお、吸着剤は構造によってそれ自体が酸性あるいは塩基性を示す場合があるため、吸着剤処理中に該吸着剤に起因するアルドール縮合が起こり、純度低下(吸着処理前後における回収率の低下)が起こることが考えられるが、本発明では、吸着剤に起因する純度低下はあまり起こらないことが吸着処理の回収率の値から確認することができる。よって、本発明の吸着剤処理工程を含む精製方法は、高効率で優れた方法であることが分かる
このように、本発明の方法によれば、α水素を有するアルデヒドの反応粗液精製工程において該反応粗液中の副反応促進物質を吸着除去する工程を含むことで、加熱中にアルドール縮合が起こることを抑えて、収率良くアルデヒドを蒸留精製できることがわかる。
本発明によれば、α水素を有するアルデヒドを含む反応粗液から副反応促進物質を除去し、アルドール縮合を抑えることができるため、安定的に且つ収率よくα水素を有するアルデヒドを蒸留精製することができる。

Claims (4)

  1. α水素を有するアルデヒドを含む反応粗液を吸着剤で処理して副反応促進物質を吸着除去する工程を含むことを特徴とする、α水素を有するアルデヒドの精製方法。
  2. α水素を有するアルデヒドが7−オクテン−1−アールである、請求項1記載のアルデヒドの精製方法。
  3. 吸着剤がMg,AlおよびSiから選ばれる1種類以上を主成分とする無機合成吸着剤である、請求項1または2記載の精製方法。
  4. 吸着剤が下記式(I)で表される固体担体結合スカベンジャーである、請求項1または2記載の精製方法。
    Figure 2012097044
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