JP2016121126A - カルボニル化プロセスにおけるヨウ化水素含量の減少 - Google Patents

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Abstract

【課題】種々のプロセス流中のヨウ化水素含量を有効に減少させる、酢酸製造プロセスの提供。
【解決手段】スクラバー溶媒、例えば酢酸、メタノール、及び/又は酢酸メチルを用いて吸収器カラム内で少なくとも1つのプロセス排出流を処理してそれからヨウ化水素を除去する。
【選択図】図1

Description

[0001]本特許出願は、2014年11月14日出願の米国仮特許出願62/079,961に対する優先権を主張する2015年4月23日出願の米国正規特許出願14/694,883(これらの出願の開示事項はそれらの全部を参照として本明細書中に包含する)の一部継続出願である。
[0002]本発明は、酢酸の製造方法、特に種々のプロセス流中のヨウ化水素含量を有効に減少させる、酢酸を製造する改良された方法に関する。
[0003]酢酸を合成するための広範囲に用いられて成功している商業的プロセスは、一酸化炭素によるメタノール、例えばメタノール(供給)組成物の接触カルボニル化を含む。触媒には、ロジウム及び/又はイリジウム、並びにハロゲン促進剤、通常はヨウ化メチルを含ませることができる。反応は、その中に触媒を溶解させた液体反応媒体を通して一酸化炭素を連続的にバブリングすることによって行う。反応媒体は、酢酸、酢酸メチル、水、ヨウ化メチル、及び触媒を含む。メタノールと一酸化炭素を反応媒体中で接触させ、互いと反応させて粗酢酸を形成する。メタノールをカルボニル化するための従来の商業的プロセスとしては、米国特許3,769,329、5,001,259、5,026,908、及び5,144,068(これらの全部を参照として本明細書中に包含する)に記載されているものが挙げられる。他の従来のメタノールカルボニル化プロセスとしては、Jones, J.H. (2002), "The Cativa Process for the Manufacture of Acetic Acid", Platinum Metals Review, 44 (3): 94-105(その全部を参照として本明細書中に包含する)において議論されているCativa(登録商標)プロセスが挙げられる。
[0004]カルボニル化反応においては、水、(残留)ヨウ化メチル、及びカルボニル不純物、例えばアセトアルデヒドのような反応副生成物が形成される。これらの副生成物は、通常は分離し、及び/又はシステム内で再循環する。ヨウ化水素は、反応媒体中に存在する可能性がある他の望ましくない成分である。反応系中にヨウ化水素が存在すると、それは腐食剤として機能し、これは反応及び分離区域全体において金属学的問題を引き起こす可能性があるので特に問題である。而して、カルボニル化プロセスにおいてヨウ化水素の形成を減少させる必要性が存在する。
[0005]米国特許出願公開2013/0116470においては、反応器;フラッシャー;及び蒸留カラムを含むプラント内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選択される少なくとも1つの構成成分を、ロジウム触媒、ヨウ化物塩、及びヨウ化メチルを含む触媒系中で、酢酸及び水の存在下において一酸化炭素と連続的に反応させる反応工程を含み;気化流の一部を熱交換器中に導入する酢酸の製造方法が開示されている。このプロセスは、反応熱を効率的に除去することによって、大型プラントにおいても省資源・省エネルギー設備内で高い純度を有する酢酸を製造することを達成している。
[0006]米国特許8,318,977においては、排出気体流を受容し、スクラバー溶媒を用いてそれからヨウ化メチルを除去するように構成されており、異なる第1及び第2の抽出剤を供給することができる第1及び第2の抽出剤供給源に接続されている吸収塔を含むメタノールカルボニル化システムが開示されている。バルブを含む切り替えシステムによって、第1又は第2の抽出剤が吸収塔に交互に供給され、使用された溶媒及び吸収された材料はカルボニル化システムに戻されて異なる運転モードに適合される。この参照文献はヨウ化水素には言及していない。
米国特許3,769,329 米国特許5,001,259 米国特許5,026,908 米国特許5,144,068 米国特許出願公開2013/0116470 米国特許8,318,977
Jones, J.H. (2002), "The Cativa Process for the Manufacture of Acetic Acid", Platinum Metals Review, 44 (3): 94-105
[0007]上記に記載のプロセスは粗酢酸生成物を精製するための基本的なプロセスを提供するが、これらのプロセスは粗生成物からのヨウ化水素の分離に具体的に対処していない。粗酢酸生成物からのヨウ化水素の分離及び除去を与える、酢酸を製造するための改良された方法に対する必要性が存在する。
[0008]本発明は、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して、酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し、場合によっては反応器からヨウ化水素を含む反応器排出流を排出し、反応器排出流を吸収塔に送る工程を含む酢酸の製造方法に関する。この方法は、粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチル(及び場合によってはヨウ化水素)を含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し、場合によっては第1の蒸気流の少なくとも一部を凝縮して、ヨウ化水素を含むフラッシャー排出流を形成し、フラッシャー排出流を吸収塔に送る工程を更に含む。この方法は、軽質留分カラム内において、第1の蒸気流を分離して、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第2の蒸気流、精製された酢酸生成物を含む側流、並びに第2の液体残渣流を形成する工程を更に含む。第2の蒸気流は、デカンテーションしてヨウ化水素を含むデカンター排出流を形成することができ、第2の蒸気流の少なくとも一部はデカンター排出流を構成することができる。分離には更に、第2の蒸気流の少なくとも一部を凝縮して、ヨウ化水素を含む軽質留分排出流を形成し、軽質留分排出流を吸収塔に送ることを更に含ませることができる。この方法は、反応器排出流、フラッシャー排出流、及び第2の蒸気流の少なくとも1つの少なくとも一部を吸収塔に供給し;吸収塔供給流を、酢酸を含む第1の吸収剤と接触させてヨウ化メチルを吸収して、第1の吸収剤及び吸収されたヨウ化メチルを含む第1の吸収器戻り流を形成し;第1の吸収器戻り流を軽質留分カラム及び/又は乾燥カラムに送り;そして、吸収塔への第1の吸収剤の供給を停止する;工程を更に含む。この方法は、吸収塔供給流を、メタノール及び/又は酢酸メチルを含む第2の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収し、第2の吸収剤及び吸収されたヨウ化メチルを含む第2の吸収器戻り流を形成し;第2の吸収器戻り流を反応器に送る;工程を更に含む。この方法には、第1の吸収剤及び/又は第2の吸収剤を、それぞれの接触の前に冷却する工程を更に含ませることができる。この方法には、第2の吸収器戻り流を、移送の前にメタノール又はその反応性誘導体と混合する工程を更に含ませることができる。一態様においては、吸収塔供給流は酢酸メチルを含み、第1及び第2の吸収剤によって吸収塔供給流から酢酸メチルが吸収される。一態様においては、この方法において、第1の吸収剤及び/又は第2の吸収剤を処理するためにストリッパーカラムを用いない。カルボニル化は、反応系を2〜25重量%のヨウ化物塩、1〜20重量%のヨウ化メチル、0.1〜30重量%の酢酸メチル、及び0.1〜10重量%の水の濃度に維持しながら行うことができる。第2の吸収器戻り流は、分離系列に戻さなくてもよい。吸収塔供給流と第2の吸収剤中のメタノール又は酢酸メチルとの接触によって、ヨウ化メチルを形成することができる。第2の吸収器戻り流の移送には、移行期間中に第2の吸収器戻り流を反応器に送り;移行期間の後に、第2の吸収器戻り流を反応器に供給し続け;そして、第1の吸収剤の供給が終了した後に、第2の吸収器戻り流を反応器に送る;工程を含ませることができる。第2の蒸気流は揮発性成分を更に含む。
[0009]本発明はまた、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して、酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し、場合によっては反応器からヨウ化水素を含む反応器排出流を排出し、反応器排出流を吸収塔に送る工程を含む、カルボニル化プロセスにおいて吸収塔を運転する方法にも関する。この方法は、粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチル(及び場合によってはヨウ化水素)を含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し、場合によっては第1の蒸気流の少なくとも一部を凝縮してヨウ化水素を含むフラッシャー排出流を形成し、フラッシャー排出流を吸収塔に送る工程を更に含む。この方法は、軽質留分カラム内において、第1の蒸気流を分離して、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第2の蒸気流、精製された酢酸生成物を含む側流、並びに第2の液体残渣流を形成する工程を更に含む。第2の蒸気流は、デカンテーションしてヨウ化水素を含むデカンター排出流を形成することができ、第2の蒸気流の少なくとも一部はデカンター排出流を構成することができる。分離には更に、第2の蒸気流の少なくとも一部を凝縮してヨウ化水素を含む軽質留分排出流を形成し、軽質留分排出流を吸収塔に送ることを更に含ませることができる。この方法には、反応器排出流、フラッシャー排出流、及び第2の蒸気流の少なくとも1つの少なくとも一部を吸収塔に供給して始動期間を開始し、そして始動期間中に、吸収塔供給流を、酢酸を含む第1の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチルを吸収して、第1の吸収剤及び吸収されたヨウ化メチルを含む第1の吸収器戻り流を形成し;第1の吸収器戻り流を軽質留分カラム及び/又は乾燥カラムに送り;吸収塔への第1の吸収剤の供給を停止することによって、切り替え期間中に始動運転から定常運転に移行させる;工程を更に含ませることができる。この方法は、メタノール及び/又は酢酸メチルを含む第2の吸収剤を吸収塔に供給し、ここで、切り替え期間の少なくとも一部の間に、酢酸、メタノール、及びヨウ化メチルを吸収塔に供給し;酢酸、メタノール、及びヨウ化メチルを含む混合吸収器戻り流を形成し;混合吸収器戻り流を吸収塔から反応器に送り;切り替え期間の後に定常状態運転を開始し;定常状態運転中に、第2の蒸気流を第2の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル、ヨウ化水素を吸収して、第2の吸収剤及び吸収されたヨウ化メチルを含む第2の吸収器戻り流を形成する;工程を更に含む。この方法は、定常状態運転中に、第2の吸収器戻り流をメタノール又はその反応性誘導体と混合して混合流を形成し;そして、混合流を反応器に送る;工程を更に含む。この方法には、第1の吸収剤及び/又は第2の吸収剤を、それぞれの接触の前に冷却する工程を更に含ませることができる。吸収塔への第1の吸収剤の供給の停止、及び吸収塔へ第2の吸収剤の供給は、実質的に同時に行うことができる。
[0010]本発明はまた、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し;場合によってはヨウ化水素を含む反応器排出流を反応器から排出し;反応器排出流の少なくとも一部を凝縮して凝縮した反応器排出流を形成し;凝縮した反応器排出流の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤、好ましくは酢酸と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第1の吸収剤、並びに吸収されたヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第1の抽出物を形成し;第1の抽出物を、直接か又は間接的に軽質留分カラム及び/又は乾燥カラムに送り;吸収塔への第1の吸収剤の供給を減少させ;吸収塔供給流を、メタノール及び/又は酢酸メチルを含む第2の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第2の吸収剤及び吸収されたヨウ化メチルを含む第2の抽出物を形成し;第2の抽出物を、直接か又は間接的に反応器に送る;工程を含む方法にも関する。
[0011]本発明はまた、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し;粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチルを含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し、場合によっては第1の蒸気流の一部を凝縮して、凝縮されたフラッシャー戻り流、及びヨウ化水素を含むフラッシャー排出流を形成し;フラッシャー排出流(又は凝縮されたフラッシャー排出流)の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤、好ましくは酢酸と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第1の吸収剤、並びに吸収されたヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第1の抽出物を形成し;第1の抽出物を、直接か又は間接的に軽質留分カラム及び/又は乾燥カラムに送り;吸収塔への第1の吸収剤の供給を減少させ;吸収塔供給流を、メタノール及び/又は酢酸メチルを含む第2の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第2の吸収剤及び吸収されたヨウ化メチルを含む第2の抽出物を形成し;第2の抽出物を、直接か又は間接的に反応器に送る;工程を含む方法にも関する。
[0012]本発明はまた、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し;粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチルを含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し;軽質留分カラム内において、フラッシングされた第1の蒸気流を分離して、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第2の蒸気流、精製された酢酸生成物を含む側流、及び第2の液体残渣流を形成し;場合によっては第2の蒸気流を凝縮し、第2の蒸気流の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤、好ましくは酢酸と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第1の吸収剤、並びに吸収されたヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第1の抽出物を形成し;第1の抽出物を、直接か又は間接的に軽質留分カラム及び/又は乾燥カラムに送り;吸収塔への第1の吸収剤の供給を減少させ;吸収塔供給流を、メタノール及び/又は酢酸メチルを含む第2の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第2の吸収剤及び吸収されたヨウ化メチルを含む第2の抽出物を形成し;第2の抽出物を、直接か又は間接的に反応器に送る;工程を含む方法にも関する。この態様においては2つの吸収剤工程を用いる。
[0013]本発明はまた、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し;粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチルを含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し;軽質留分カラム内において、フラッシングされた第1の蒸気流を分離して、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第2の蒸気流、精製された酢酸生成物を含む側流、及び第2の液体残渣流を形成し;第2の蒸気流をデカンテーションして、アセトアルデヒド及びヨウ化水素を含む軽質相、並びにアセトアルデヒド、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及びヨウ化水素を含む重質相を形成し;軽質相及び/又は重質相の少なくとも一部をPRC除去システムに分離して、ヨウ化水素を含むPRS塔頂流を形成し;場合によっては、PRS塔頂流を塔頂流受容器内に回収し;場合によっては、ヨウ化水素を含むPRS塔頂流受容器排出流を塔頂流受容器から排出し;PRS塔頂流受容器排出流及び/又はPRS塔頂流の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤、好ましくは酢酸と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第1の吸収剤、並びに吸収されたヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第1の抽出物を形成し;吸収塔への第1の吸収剤の供給を減少させ;吸収塔供給流を、メタノール及び/又は酢酸メチルを含む第2の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第2の吸収剤及び吸収されたヨウ化メチルを含む第2の抽出物を形成する;工程を含む方法にも関する。
[0014]本発明はまた、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し;粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチルを含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し、場合によっては第1の蒸気流の一部を凝縮して、凝縮されたフラッシャー戻り流、及びヨウ化水素を含むフラッシャー排出流を形成し;軽質留分カラム内において、フラッシングされた第1の蒸気流を分離して、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第2の蒸気流、精製された酢酸生成物を含む側流、及び第2の液体残渣流を形成し;第2の蒸気流をデカンテーションして、アセトアルデヒド及びヨウ化水素を含む軽質相、並びにアセトアルデヒド、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及びヨウ化水素を含む重質相を形成し;軽質相及び/又は重質相の少なくとも一部を、第1のカラム及び第2のカラムを含むPRC除去システム内で分離して、第2のPRC除去カラムからヨウ化水素を含む第2のPRS塔頂流を得て;場合によっては、第2のPRS塔頂流を塔頂流受容器内に回収し、ヨウ化水素を含む第2のPRS塔頂流受容器排出流を塔頂流受容器から排出し;第2のPRS塔頂流受容器排出流及び/又は第2のPRS塔頂流の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤と接触させて、ヨウ化水素を吸収して、吸収されたヨウ化水素を含む第1の抽出物を形成し;そして場合によっては、吸収塔供給流を、メタノール及び/又は酢酸メチルを含む第2の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第2の吸収剤及び吸収されたヨウ化メチルを含む第2の抽出物を形成する;工程を含む方法にも関する。
[0015]本発明はまた、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し;粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチルを含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し、場合によっては第1の蒸気流の一部を凝縮して、凝縮されたフラッシャー戻り流、及びヨウ化水素を含むフラッシャー排出流を形成し;軽質留分カラム内において、フラッシングされた第1の蒸気流(又は凝縮された第1の蒸気流)を分離して、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第2の蒸気流、精製された酢酸生成物を含む側流、及び第2の液体残渣流を形成し;第2の蒸気流をデカンテーションして、アセトアルデヒド及びヨウ化水素を含む軽質相、並びにアセトアルデヒド、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及びヨウ化水素を含む重質相を形成し;軽質相及び/又は重質相の少なくとも一部をPRC除去システム内において分離して、ヨウ化水素を含むPRS塔頂流を形成し;場合によってはPRS塔頂流を塔頂流受容器内に回収し、場合によってはヨウ化水素を含むPRS塔頂流受容器排出流を塔頂流受容器から排出し;PRS塔頂流受容器排出流及び/又はPRS塔頂流の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤、好ましくは酢酸と接触させて、ヨウ化水素を吸収して、吸収されたヨウ化水素を含む第1の抽出物を形成し;そして場合によっては、第2の抽出物を直接か又は間接的に反応器に送る;工程を含む方法にも関する。
[0016]本発明はまた、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し;粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチルを含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し、場合によっては第1の蒸気流の一部を凝縮して、凝縮されたフラッシャー戻り流、及びヨウ化水素を含むフラッシャー排出流を形成し;軽質留分カラム内において、フラッシングされた第1の蒸気流を分離して、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第2の蒸気流、精製された酢酸生成物を含む側流、及び第2の液体残渣流を形成し;第2の蒸気流をデカンテーションして、アセトアルデヒド及びヨウ化水素を含む軽質相、並びにアセトアルデヒド、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及びヨウ化水素を含む重質相を形成し;軽質相及び/又は重質相の少なくとも一部を、単一のカラムを含むPRC除去システム内において分離して、ヨウ化水素を含むPRS塔頂流を形成し;場合によっては、PRS塔頂流を塔頂流受容器内に回収し、ヨウ化水素を含むPRS塔頂流受容器排出流を塔頂流受容器から排出し;PRS塔頂流受容器排出流及び/又はPRS塔頂流の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤と接触させて、ヨウ化水素を吸収して、吸収されたヨウ化水素を含む第1の抽出物を形成し;そして場合によっては、吸収塔供給流を、メタノール及び/又は酢酸メチルを含む第2の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第2の吸収剤及び吸収されたヨウ化メチルを含む第2の抽出物を形成する;工程を含む方法にも関する。
[0017]本発明はまた、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し;粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチルを含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し、場合によっては第1の蒸気流の一部を凝縮して、凝縮されたフラッシャー戻り流、及びヨウ化水素を含むフラッシャー排出流を形成し;フラッシャー排出流(又は凝縮されたフラッシャー排出流)の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤、好ましくは酢酸と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第1の吸収剤、ヨウ化水素、及びヨウ化メチル含む第1の抽出物を形成する;工程を含む方法にも関する。
[0018]本発明はまた、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して粗酢酸生成物を形成し;粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチルを含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し;軽質留分カラム内において、フラッシングされた第1の蒸気流(又は凝縮されたフラッシャー排出流)を分離して、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第2の蒸気流、精製された酢酸生成物を含む側流、及び第2の液体残渣流を形成し;第2の蒸気流の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤、好ましくは酢酸と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第1の吸収剤、ヨウ化水素、及びヨウ化メチルを含む第1の抽出物を形成する;工程を含む方法にも関する。
[0019]本発明は、添付の非限定的な図面を考慮するとより良好に理解されるであろう。
[0020]図1は、本発明による酢酸製造プロセスの概要を示す。 [0021]図2は、本発明による吸収塔ユニット及び付随する構成部品の概要を示す。 [0022]図3は、本発明による酢酸製造プロセスの概要を示す。
序論:
[0023]始めに、任意のかかる実際の態様の開発においては、1つの実施態様と他のものとで変化するシステム関連及びビジネス関連の制限との適合性のように、開発者の具体的な目標を達成するために、数多くの実施−具体的な決定を行わなければならないことを留意すべきである。更に、当業者に明らかなように、ここで開示する方法にはまた、挙げられているか又は具体的に言及されているもの以外の構成要素を含ませることもできる。
[0024]概説及びこの詳細な説明において、それぞれの数値は、一旦は(既に明らかにそのように修飾されていない限りにおいて)用語「約」によって修飾されているように読み、次に文脈において他に示されていない限りにおいて、そのように修飾されていないように再び読むべきである。また、概説及びこの詳細な説明において、有用、好適などとしてリスト又は記載されている濃度範囲は、端点を含むその範囲内のありとあらゆる濃度が示されているとみなすべきであると意図されることを理解すべきである。例えば、「1〜10」の範囲は、約1と約10の間の連続体に沿ったありとあらゆる可能な数を示すものとして読むべきである。而して、この範囲内の具体的なデータ点が明確に特定されているか又は僅かな具体的なデータ点のみに関する場合、或いはこの範囲内のデータ点が明確に特定されていないか又は僅かな具体的なデータ点のみに関していない場合であっても、本発明者らはこの範囲内のありとあらゆるデータ点が特定されていたとみなすべきであると認識且つ理解し、且つ本発明者らはこの範囲内の全範囲及び全ての点の知識を有していたことを理解すべきである。
[0025]特許請求の範囲を含む明細書全体にわたって、以下の用語は他に示さない限りにおいて示されている意味を有する。
[0026]明細書及び特許請求の範囲において用いる「付近」は「における」を包含する。「及び/又は」という用語は、包含的な「及び」の場合、及び排他的な「又は」の場合の両方を指し、本明細書において簡潔さのために用いられる。例えば、酢酸及び/又は酢酸メチルを含む混合物は、酢酸単独、酢酸メチル単独、又は酢酸と酢酸メチルの両方を含んでいてよい。
[0027]全てのパーセントは、他に示していない限りにおいて、存在する特定の流れ又は組成物の全重量を基準とする重量パーセント(重量%)として表される。他に示していない限りにおいて、室温は25℃であり、大気圧は101.325kPaである。
[0028]本発明における目的のためには、
酢酸は「AcOH」と略称することがあり;
アセトアルデヒドは「AcH」と略称することがあり;
酢酸メチルは「MeAc」と略称することがあり;
メタノールは「MeOH」と略称することがあり;
ヨウ化メチルは「MeI」と略称することがあり;
ヨウ化水素は「HI」と略称することがあり;
一酸化炭素は「CO]と略称することがあり;及び
ジメチルエーテルは「DME」と略称することがある。
[0029]HIは、分子状ヨウ化水素、或いは極性媒体、通常は少なくとも若干の水を含む媒体中で少なくとも部分的にイオン化されている場合には解離ヨウ化水素酸のいずれかを指す。他に特定されていない限りにおいて、この2つは互換的に言及される。他に特定されていない限りにおいて、HI濃度は、酸−塩基滴定によって電位差滴定終点を用いて求められる。特に、HI濃度は、標準的な酢酸リチウム溶液を用いて電位差滴定終点まで滴定することによって求められる。本発明における目的のためには、HIの濃度は、腐食金属又は他の非Hカチオンの測定に関係すると推定されるヨウ化物の濃度を、試料中に存在する全イオン性ヨウ化物から減じることによっては求めないことを理解すべきである。
[0030]HI濃度はヨウ化物イオン濃度を指すものではないことを理解すべきである。HI濃度は、具体的には電位差滴定によって求められるHI濃度を指す。
[0031]この減算法は、全ての非Hカチオン(例えば、Fe、Ni、Cr、Moのカチオン)が専らヨウ化物アニオンのみと会合すると仮定していることのために、比較的低いHI濃度(即ち約5重量%未満)を求めるためには信頼性に欠ける不正確な方法である。実際には、このプロセスにおいては、金属カチオンの相当部分がアセテートアニオンと会合する可能性がある。更に、これらの金属カチオンの多くは多原子価状態を有し、これによってこれらの金属と会合する可能性があるヨウ化物アニオンの量に関する推定に更により多い非信頼性が加えられる。最終的には、この方法は、特にHI濃度を直接表す単純な滴定を行う能力を考慮すると、実際のHI濃度の信頼性に欠ける測定値を生じさせる。
[0032]本発明における目的のためには、蒸留カラムの「塔頂流」又は「留出物」は、蒸留カラムの頂部又はその付近(例えば頂部の隣接位置)において排出される少なくとも1つのより低沸点の凝縮性フラクション、及び/又はその流れ又は組成物の凝縮形態を指す。明らかに、これも本発明における目的のためには、全てのフラクションは最終的には凝縮させることができ、凝縮性のフラクションは、当業者に容易に理解されるようにプロセス中に存在する条件下において凝縮させることができる。非凝縮性フラクションの例としては、窒素、水素などを挙げることができる。更に、塔頂流は蒸留カラムの最も上部の出口の直下において回収することができ、例えばここで最も低い沸点のフラクションは、当業者に容易に理解されるように非凝縮性の流れであるか或いは僅少な流れを表す。
[0033]蒸留カラムの「塔底流」又は「残渣」とは、蒸留カラムの底部又はその付近において排出される(本発明においてはカラムの底部液溜まりから流出するとも言う)1以上の最も高い沸点のフラクションを指す。残渣は蒸留カラムの最も底部の出口の直上から回収することができ、例えばここでカラムによって産出される最も底部のフラクションは、当業者に容易に理解されるように、塩、使用できないタール、固体廃棄物、又は僅少な流れである。
[0034]本発明における目的のためには、蒸留カラムは蒸留区域及び底部液溜まり区域を含む。蒸留区域は、底部液溜まり区域の上方、即ち底部液溜まり区域とカラムの頂部との間の全てを含む。本発明における目的のためには、底部液溜まり区域とは、より高沸点の成分の液体貯留槽がその中に存在し、塔底流又は残渣流がカラムから排出される際にそれから流出する蒸留カラムの下部部分(例えば蒸留カラムの底部)を指す。底部液溜まり区域には、リボイラー、制御装置などを含ませることができる。
[0035]蒸留カラムの内部部品に関する「通路」、「流路」、「流動導管」などの用語は、それを通して配置されており、及び/又は、流体及び/又は蒸気が内部部品の一方の側から内部部品の他方の側へ移動するための流路を与える、孔、管、溝、スリット、ドレンなどを指すように互換的に用いられる。蒸留カラムの液体分配器のような構造体を通して配置される流路の例としては、構造体を通して液体を一方の側から他の側へ流動させることを可能にするドレン孔、ドレン管、ドレンスリットなどが挙げられる。
[0036]平均滞留時間は、蒸留区域内の所定の相に関する全液体保持体積の総計を、蒸留区域を通過するその相の平均流量で割った値として定義される。所定の相に関する保持体積には、回収器、分配器などをはじめとするカラムの種々の内部部品内に含まれる液体の体積、並びにトレー上、降下管内、及び/又は規則若しくは不規則充填床セクション内に含まれる液体を含めることができる。
ヨウ化水素含有流の処理:
[0037]幾つかの通常のカルボニル化反応混合物はヨウ化水素を含み、これは水の存在下で解離して反応区域及び分離区域内において腐食を引き起こすことが分かった。ヨウ化水素はまた、環境問題及びコストに関連する問題も生じさせる。ヨウ化水素の存在は、幾つかのプロセス流、例えば反応排出流又はフラッシャー排出流中において認められている。幾つかの従来の分離系列は、例えばヨウ化メチルを処理するために吸収塔を用いているが、これらの流れの中のヨウ化水素を処理するため、例えばそれを回収又は除去するためにこれらの塔を用いることは検討されていなかった。
[0038]ここで、吸収剤(又は複数の吸収剤)を用いて、これらの流れの多くの中のヨウ化水素を処理することができることが見出された。吸収剤を用いることによって、種々のプロセス流、例えば反応器排出流、フラッシャー排出流、軽質留分カラム排出流、及びPRC除去システム排出流からヨウ化水素が有効に除去される。適当な吸収剤を用いる吸収によって、驚くべきことに且つ予期しなかったことに、ヨウ化水素が分離され、その適切な処理及び/又は再循環が可能になる。特定の場合においては、本発明者らは、ヨウ化水素を処理するために単一の吸収剤を用いることが有利であることを見出した。好ましくは、吸収剤は酢酸を含む。単一の吸収剤を用いることにより、抽出剤流を分離区域に直接送って戻すことによって得られる抽出物流を次に精製することが可能になる。幾つかの場合においては、単一の吸収剤を用いることによって、得られる抽出物を分離区域に戻す前に更に処理する必要性が排除される。
[0039]また、従来のシステム及び文献においては、塔頂流、塔底流、及び/又はPRC除去システムの付随する受容器中のヨウ化水素の存在は検討されていなかった。ここで本発明者らは、幾つかの場合においては、これらの塔頂流中のヨウ化水素は相当量であることを見出した。理論には縛られないが、PRC除去プロセスは実際にはヨウ化メチルの加水分解によってヨウ化水素が生成すると想定されている。而して、PRC除去システムの塔頂流及び塔底流中のヨウ化水素の量は、ヨウ化水素が富化し始める。より高いレベルのヨウ化水素が生成し、上述の環境、腐食、及びコストに関連する問題が悪化する。本発明者らは、吸収剤(又は複数の吸収剤)を用いてこれらの流れを処理することによって、驚くべきことに且つ有効に、環境の理由及びコストに関連する理由のために、これらの流れからのヨウ化水素の有効な除去が与えられることを見出した。
[0040]更に、複数のスクラバー溶媒の(交互の)使用を用いる吸収塔の使用を用いて、任意の幾つかの酢酸製造プロセス流からヨウ化水素を有効に分離することができることがここで見出された。吸収塔供給流として用いることができる代表的なプロセス流としては、反応器排出流、フラッシャー排出流、軽質留分留出物、PRC除去システム塔頂流(又は付随する受容器からの排出流)、並びにこれらのプロセス流の誘導体が挙げられる。ここに記載するスクラビング溶媒の具体的な組み合わせによって、それぞれのプロセス流からヨウ化水素が有効に除去されて、その腐食効果が有利に減少する。その結果、反応及び分離区域全体における金属学的な問題が最小になる。更に、驚くべきことに、本発明の具体的な溶媒の使用によって、更なるヨウ化メチルの形成を有益にもたらすことができ、次にこれを用いて反応区域(又は他の箇所)内における触媒の安定性を増大させることができることが見出された。理論には縛られないが、メタノール及び/又は酢酸メチルをスクラビング溶媒、例えば第2のスクラビング溶媒として用いると、メタノール及び/又は酢酸メチルは、種々の酢酸製造プロセス流中のヨウ化水素と反応して更なるヨウ化メチルを形成することができる。本発明のプロセスは、ヨウ化水素の除去を向上させ、ヨウ化メチルの形成を増加させ、及び全体的な触媒の安定性を有益に向上させることによって粗酢酸生成物の精製を向上させる。
[0041]本発明は、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び水を含む反応媒体中でカルボニル化して粗酢酸生成物を形成する工程を含む酢酸の製造方法に関する。粗酢酸生成物は酢酸を含む。カルボニル化反応中において、反応器から排出流を排出することができる。反応器排出流は、ヨウ化水素、一酸化炭素、窒素、及び他の揮発性成分を含む可能性がある。粗酢酸生成物は、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、第1の蒸気流及び第1の液体残渣流を形成する。第1の蒸気流は、酢酸、ヨウ化水素、及び場合によってはヨウ化メチルを含む。第1の液体残渣流は、金属触媒及びハロゲン化物塩を含み、反応器に再循環することができる。フラッシングされた蒸気流(又はその一部)は、軽質留分カラム内において分離して、第2の蒸気流、側流、及び第2の液体残渣を形成する。第2の蒸気流は、ヨウ化水素、並びに場合によってはヨウ化メチル及びアセトアルデヒドを含む。第2の蒸気流は、揮発性成分、例えば蒸気状酢酸、水、及び/又は酢酸メチルを更に含む可能性がある。側流は精製された酢酸生成物を含み、これは更なる精製工程にかけることができる。第2の残渣流は、酢酸、水、及び触媒を含み、反応器に再循環することができる。軽質留分カラム内における分離には、第2の蒸気流の少なくとも一部を凝縮して、ヨウ化水素を含む軽質留分排出流を形成することを更に含ませることができる。
[0042]本方法は、反応器排出流の少なくとも一部、フラッシャー排出流の少なくとも一部、及び/又は第2の蒸気流の少なくとも一部を吸収塔に供給する工程を更に含む。
[0043]一態様においては、反応器排出流の少なくとも一部を吸収カラムに供給することができる。反応器排出流の一部を反応器排出流から分離して、吸収器に供給することができる。反応器排出流の全体を吸収器に供給することができる。一態様においては、吸収器に供給される反応器排出流の部分は、反応器排出流を熱交換器に送り、例えば反応器排出流の少なくとも一部を凝縮して、これによって反応器排出蒸気流及び凝縮された反応器戻り流を生成させることによって形成する。反応器排出蒸気流はヨウ化水素を含む可能性があり、吸収塔に供給することができる。凝縮された反応器戻り流は、反応器に再循環することができる。
[0044]一態様においては、第1の蒸気流の少なくとも一部を吸収カラムに供給することができる。第1の蒸気流から第1の蒸気流の一部を分離して、吸収器に供給することができる。第1の蒸気流の全体を吸収器に供給することができる。一態様においては、吸収器に供給される第1の蒸気流の部分は、第1の蒸気流を熱交換器に送り、例えば第1の蒸気流の少なくとも一部を凝縮して、これによってフラッシャー排出蒸気流及び凝縮されたフラッシャー戻り流を生成させることによって形成する。フラッシャー排出蒸気流はヨウ化水素を含む可能性があり、吸収塔に供給することができる。凝縮されたフラッシャー戻り流は、フラッシャー又は反応器に再循環することができる。
[0045]一態様においては、第2の蒸気流の少なくとも一部を吸収カラムに供給することができる。第2の蒸気流から第2の蒸気流の一部を分離して吸収器に供給する。第2の蒸気流の全体を吸収器に供給する。一態様においては、吸収器に供給される第2の蒸気流の部分は、第2の蒸気流を熱交換器に送り、例えば第2の蒸気流の少なくとも一部を凝縮して、これによって軽質留分排出蒸気流及び凝縮された軽質留分戻り流を生成させることによって形成する。軽質留分排出蒸気流はヨウ化水素を含む可能性があり、吸収塔に供給することができる。凝縮された軽質留分戻り流は、軽質留分カラム、フラッシャー、又は反応器に再循環することができる。
[0046]一態様においては、第2の蒸気流の少なくとも一部をデカンテーションしてデカンター排出流を形成することができる。デカンター排出流はヨウ化水素を含む可能性があり、吸収塔に供給することができる。
[0047]一態様においては、反応器排出流、フラッシャー排出流、第2の蒸気流、及びPRC除去システム排出流の少なくとも2つの少なくとも一部を混合して、吸収塔供給流を形成する。例えば、反応器排出流、フラッシャー排出流、及び第2の蒸気流を、混合排出流中に混合して、吸収器に供給することができる。他の例として、フラッシャー排出流、第2の蒸気流、及びPRC除去システム排出流を、混合排出流中に混合して、吸収器に供給することができる。而して、幾つかの態様においては、吸収塔供給流は混合排出流を含んでいてよい。
[0048]どの1つ又は複数の流れを吸収カラムに送るかに関係なく、本方法は、吸収塔供給流を第1の吸収剤と接触させる工程を更に含む。好ましくは第1の吸収剤によって、吸収塔供給流からヨウ化メチルを吸収させて、第1の吸収剤及び吸収されたヨウ化メチルを含む第1の抽出物を形成する。第1の吸収剤は、好ましくは、吸収塔供給流からヨウ化水素を吸収して、第1の吸収剤及び吸収されたヨウ化水素を含む第1の抽出物を形成することもできる。第1の吸収剤には、酢酸、水、又はこれらの組み合わせを含ませることができる。
[0049]本方法は、第1の抽出物の全部又は一部を軽質留分カラム及び/又は乾燥カラムに送り、吸収塔への第1の吸収剤の供給を停止する工程を更に含む。例えば、下記において議論するように、バルブシステムを用いて、吸収カラムへの第1の吸収剤の流れを停止することができる。
[0050]本明細書において用いる「停止」という用語は、吸収剤の供給を縮小又は減少させることを含む。
[0051]一態様においては、本方法は、吸収塔供給流を第2の吸収剤と接触させる工程を更に含む。第2の吸収剤によってヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収することができ、したがって、第2の吸収剤及び吸収されたヨウ化メチルを含む第2の抽出物が形成される。第2の吸収剤には、メタノール及び/又は酢酸メチルを含ませることができる。一態様においては、第2の吸収剤はメタノールから実質的に構成される。本方法には、第2の抽出物の全部又は一部を反応器に送る工程を更に含ませることができる。第2の抽出物を反応器に送ることは、第1の吸収剤の供給を停止した後に行うことができる。一態様においては、吸収塔供給流を第2の吸収剤中のメタノール又は酢酸メチルと接触させることによってヨウ化メチルが有益に形成され、これを用いて反応器における触媒安定性を増加させることができる。一態様においては、第2の抽出物は、反応器に送る前にメタノール又はその反応性誘導体と混合する。第2の抽出物は反応器に戻し、更なる処理のために分離系列には戻さない。吸収剤流を反応器に送ることによって、別のストリッパーカラム、或いは相当な能力を使う軽質留分又は乾燥カラム内における処理の必要がない。このように、分離区域に対する負担が有益に減少する。
[0052]一態様においては、この方法は、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し;場合によってはヨウ化水素を含む反応器排出流を反応器から排出し;反応器排出流の少なくとも一部を凝縮して凝縮した反応器排出流を形成し;凝縮した反応器排出流の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤、好ましくは酢酸と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第1の吸収剤、並びに吸収されたヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第1の抽出物を形成し;第1の抽出物を、直接か又は間接的に軽質留分カラム及び/又は乾燥カラムに送り;吸収塔への第1の吸収剤の供給を減少させ;吸収塔供給流を、メタノール及び/又は酢酸メチルを含む第2の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第2の吸収剤及び吸収されたヨウ化メチルを含む第2の抽出物を形成し;第2の抽出物を、直接か又は間接的に反応器に送る;工程を含む。而して、この態様においては2つの吸収剤工程を用いる。
[0053]一態様においては、この方法は、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し;粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチルを含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し;場合によっては第1の蒸気流の一部を凝縮して、凝縮されたフラッシャー戻り流、及びヨウ化水素を含むフラッシャー排出流を形成し;フラッシャー排出流(又は凝縮されたフラッシャー排出流)の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤、好ましくは酢酸と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第1の吸収剤、並びに吸収されたヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第1の抽出物を形成し;第1の抽出物を、直接か又は間接的に軽質留分カラム及び/又は乾燥カラムに送り;吸収塔への第1の吸収剤の供給を減少させ;吸収塔供給流を、メタノール及び/又は酢酸メチルを含む第2の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第2の吸収剤及び吸収されたヨウ化メチルを含む第2の抽出物を形成し;第2の抽出物を、直接か又は間接的に反応器に送る;工程を含む。この態様においては、2つの吸収剤工程を用いる。
[0054]一態様においては、この方法は、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ハロゲン化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し;粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチルを含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し;軽質留分カラム内において、フラッシングされた第1の蒸気流を分離して、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第2の蒸気流、精製された酢酸生成物を含む側流、並びに第2の液体残渣流を形成し;場合によっては第2の蒸気流を凝縮し;第2の蒸気流の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤、好ましくは酢酸と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第1の吸収剤、並びに吸収されたヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第1の抽出物を形成し;第1の抽出物を、直接か又は間接的に軽質留分カラム及び/又は乾燥カラムに送り;吸収塔への第1の吸収剤の供給を減少させ;吸収塔供給流を、メタノール及び/又は酢酸メチルを含む第2の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第2の吸収剤及び吸収されたヨウ化メチルを含む第2の抽出物を形成し;第2の抽出物を、直接か又は間接的に反応器に送る;工程を含む。この態様においては、2つの吸収剤工程を用いる。
[0055]一態様においては、この方法は、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し;粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチルを含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し;軽質留分カラム内において、フラッシングされた第1の蒸気流を分離して、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第2の蒸気流、精製された酢酸生成物を含む側流、及び第2の液体残渣流を形成し;第2の蒸気流をデカンテーションして、アセトアルデヒド及びヨウ化水素を含む軽質相、並びにアセトアルデヒド、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及びヨウ化水素を含む重質相を形成し;軽質相及び/又は重質相の少なくとも一部をPRC除去システムに分離して、ヨウ化水素を含むPRS塔頂流を形成し;場合によっては、PRS塔頂流を塔頂流受容器内に回収し;場合によっては、ヨウ化水素を含むPRS塔頂流受容器排出流を塔頂流受容器から排出し;PRS塔頂流受容器排出流及び/又はPRS塔頂流の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤、好ましくは酢酸と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第1の吸収剤、並びに吸収されたヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第1の抽出物を形成し;吸収塔への第1の吸収剤の供給を減少させ;吸収塔供給流を、メタノール及び/又は酢酸メチルを含む第2の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第2の吸収剤及び吸収されたヨウ化メチルを含む第2の抽出物を形成する;ことを含む。この態様においては、2つの吸収剤工程を用いる。
[0056]一態様においては、この方法は、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し;粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチルを含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し、場合によっては第1の蒸気流の一部を凝縮して、凝縮されたフラッシャー戻り流、及びヨウ化水素を含むフラッシャー排出流を形成し;軽質留分カラム内において、フラッシングされた第1の蒸気流を分離して、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第2の蒸気流、精製された酢酸生成物を含む側流、及び第2の液体残渣流を形成し;第2の蒸気流をデカンテーションして、アセトアルデヒド及びヨウ化水素を含む軽質相、並びにアセトアルデヒド、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及びヨウ化水素を含む重質相を形成し;軽質相及び/又は重質相の少なくとも一部を、第1のカラム及び第2のカラムを含むPRC除去システム内で分離して、第2のPRC除去カラムからヨウ化水素を含む第2のPRS塔頂流を得て;場合によっては、第2のPRS塔頂流を塔頂流受容器内に回収し、ヨウ化水素を含む第2のPRS塔頂流受容器排出流を塔頂流受容器から排出し;第2のPRS塔頂流受容器排出流及び/又は第2のPRS塔頂流の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤と接触させて、ヨウ化水素を吸収して、吸収されたヨウ化水素を含む第1の抽出物を形成し;場合によっては、吸収塔供給流を、メタノール及び/又は酢酸メチルを含む第2の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第2の吸収剤及び吸収されたヨウ化メチルを含む第2の抽出物を形成する;工程を含む。
[0057]単一の吸収剤を用いる他の態様も意図される。
[0058]一態様においては、この方法は、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し;粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチルを含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し、場合によっては第1の蒸気流の一部を凝縮して、凝縮されたフラッシャー戻り流、及びヨウ化水素を含むフラッシャー排出流を形成し;軽質留分カラム内において、フラッシングされた第1の蒸気流(又は凝縮された第1の蒸気流)を分離して、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第2の蒸気流、精製された酢酸生成物を含む側流、及び第2の液体残渣流を形成し;第2の蒸気流をデカンテーションして、アセトアルデヒド及びヨウ化水素を含む軽質相、並びにアセトアルデヒド、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及びヨウ化水素を含む重質相を形成し;軽質相及び/又は重質相の少なくとも一部をPRC除去システム内において分離して、ヨウ化水素を含むPRS塔頂流を形成し;場合によっては、PRS塔頂流を塔頂流受容器内に回収し、場合によってはヨウ化水素を含むPRS塔頂流受容器排出流を塔頂流受容器から排出し;PRS塔頂流受容器排出流及び/又はPRS塔頂流の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤、好ましくは酢酸と接触させて、ヨウ化水素を吸収して、吸収されたヨウ化水素を含む第1の抽出物を形成し;そして場合によっては、第2の抽出物を直接か又は間接的に反応器に送る;工程を含む。
[0059]一態様においては、この方法は、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し;粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチルを含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し、場合によっては第1の蒸気流の一部を凝縮して、凝縮されたフラッシャー戻り流、及びヨウ化水素を含むフラッシャー排出流を形成し;軽質留分カラム内において、フラッシングされた第1の蒸気流を分離して、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第2の蒸気流、精製された酢酸生成物を含む側流、及び第2の液体残渣流を形成し;第2の蒸気流をデカンテーションして、アセトアルデヒド及びヨウ化水素を含む軽質相、並びにアセトアルデヒド、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及びヨウ化水素を含む重質相を形成し;軽質相及び/又は重質相の少なくとも一部を、単一のカラムを含むPRC除去システム内において分離して、ヨウ化水素を含むPRS塔頂流を形成し;場合によっては、PRS塔頂流を塔頂流受容器内に回収し、ヨウ化水素を含むPRS塔頂流受容器排出流を塔頂流受容器から排出し;PRS塔頂流受容器排出流及び/又はPRS塔頂流の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤と接触させて、ヨウ化水素を吸収して、吸収されたヨウ化水素を含む第1の抽出物を形成し;そして場合によっては、吸収塔供給流を、メタノール及び/又は酢酸メチルを含む第2の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第2の吸収剤、及び吸収されたヨウ化メチルを含む第2の抽出物を形成する;工程を含む。
[0060]一態様においては、この方法は、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し;粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチルを含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し、場合によっては第1の蒸気流の一部を凝縮して、凝縮されたフラッシャー戻り流、及びヨウ化水素を含むフラッシャー排出流を形成し;フラッシャー排出流(又は凝縮されたフラッシャー排出流)の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤、好ましくは酢酸と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第1の吸収剤、ヨウ化水素、及びヨウ化メチルを含む第1の抽出物を形成する;工程を含む。
[0061]一態様においては、この方法は、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し;粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチルを含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し;軽質留分カラム内において、フラッシングされた第1の蒸気流(又は凝縮されたフラッシャー排出流)を分離して、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第2の蒸気流、精製された酢酸生成物を含む側流、及び第2の液体残渣流を形成し;第2の蒸気流の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤、好ましくは酢酸と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第1の吸収剤、ヨウ化水素、及びヨウ化メチル含む第1の抽出物を形成する;工程を含む。
[0062]本発明者らは、酢酸を単一の吸収剤として用いる場合には、酢酸、メタノール、及び/又は酢酸メチルを用いるとヨウ化水素が特に良好に吸収されることを見出した。これらの吸収剤は、ヨウ化水素除去のために有効な溶媒であることは文献において示されていなかった。
[0063]上記で議論した1つ又は複数の吸収剤でヨウ化水素含有流を処理することによって、それぞれの流れからヨウ化水素が有利に分離される。分離したら、水素は有益に更に利用するか、又は適宜廃棄することができる。
[0064]本方法には、第2の吸収剤を吸収塔供給流と接触させる前に、第1の吸収剤及び/又は第2の吸収剤を冷却する工程を更に含ませることができる。
[0065]複数の吸収剤を用いる態様においては、吸収塔供給流は酢酸メチルを含み、第1及び第2の吸収剤が吸収塔供給流から酢酸メチルを吸収する。吸収塔供給流中の酢酸メチルは、反応器排出流、フラッシャー排出流、及び第2の蒸気流の1以上によって与えることができる。
[0066]本発明者らは、有利なことに、本明細書において記載するように2つのスクラビング溶媒を用いることによって、第1の吸収剤及び/又は第2の吸収剤の処理の必要性が排除されることを更に見出した。その代わりに、これらの流れは、プロセスの既存の構成要素、例えば反応器、軽質留分カラム、又は乾燥カラムに送ることができる。
[0067]反応器から反応器排出流を回収する場合には、得られる流れをフラッシャーに送って触媒を安定化させることができる。好ましくは、反応器排出流は、フラッシャーの底部に送って、フラッシャーの底部から排出される流れの中に存在する触媒を安定化させる。
[0068]複数の吸収剤を用いる一態様においては、吸収塔は、第1の吸収剤及び第2の吸収剤を交互に用いる。幾つかの場合においては、第1の吸収剤の使用の停止と、第2の吸収剤の使用の開始との間に移行期間が存在し、逆も成り立つ。幾つかの場合においては、移行期間は、20分間未満、例えば15分間未満、10分間未満、5分間未満、又は3分間未満であってよい。一態様においては、反応器を始動する前に運転していた精製システムに酢酸を送ることができるので、ユニット始動中においては酢酸を吸収剤として用いる。理論には縛られないが、反応器を運転する前にメタノールを用いると、メタノールをその後に処理する箇所がないと考えられる。酢酸を用いる始動期間は、数時間、例えば15時間未満、10時間未満、又は5時間未満継続させる。一態様においては、第2の吸収器戻り流の移送は、移行期間中に、第2の抽出物を反応器に送り;そして移行期間の後に、第2の吸収器戻り流を反応器に供給し続ける;工程を含む。これらの場合において、第2の吸収剤、例えばメタノールへの移行が行われたら、吸収剤流を反応器に供給し続けて、メタノールを反応物質として消費し、MeIを反応器に戻す。
[0069]幾つかの場合においては、本方法は反応システムを始動する方法に関する。例えば、吸収塔への供給によって始動期間を開始することができ、始動期間中においては、本明細書において議論するように、吸収塔供給流を第1の吸収剤と接触させ、第1の抽出物を軽質留分カラム及び/又は乾燥カラムに送る。始動から定常運転への移行は、第1の吸収剤の吸収塔への供給を停止することによって(切り替え期間中に)開始することができる。第2の吸収剤を吸収塔に供給することができる。切り替え期間の少なくとも一部の間に、酢酸、メタノール、及びヨウ化メチルを吸収塔に供給して、これによって酢酸、メタノール、及びヨウ化メチルを含む混合吸収器戻り流を形成することができる。混合吸収器戻り流は、吸収塔から反応器に送ることができる。定常状態運転は、切り替え期間の後に開始することができる。定常状態運転中において、本明細書において議論するように、第2の蒸気流を第2の吸収剤と接触させることができる。定常状態運転中において、第2の吸収器戻り流をメタノール又はその反応性誘導体と混合して混合流を形成することができ、混合流は反応器に送ることができる。一態様においては、吸収塔への第1の吸収剤の供給の停止、及び吸収塔へ第2の吸収剤を供給することは、実質的に同時に、例えば1分間未満の内、5分間未満の内、又は20分間未満の内に行う。
酢酸製造システム:
[0070]代表的な酢酸製造プロセスを下記に記載する。明確にするために、実際の実施の全ての特徴は本明細書には記載していない。プロセスの記載は単に例示であり、発明の範囲を限定することは意図していない。
[0071]酢酸生成物へのメタノールのカルボニル化反応は、メタノール供給流を、金属触媒、例えばロジウム触媒、ハロゲン含有触媒促進剤、例えばヨウ化メチル、更なる可溶性ハロゲン化物塩、例えばヨウ化リチウムのようなヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸メチル及び/又は水を含む酢酸溶媒反応媒体を通してバブリングしている気体状一酸化炭素と、カルボニル化生成物を形成するのに好適な温度及び圧力の条件において接触させることによって行うことができる。
[0072]触媒は、ロジウムのような第VIII族金属触媒、及びハロゲン含有触媒促進剤であってよい。特に有用なプロセスは、米国特許5,001,259において例示されているメタノールの酢酸への低水ロジウム触媒カルボニル化である。他の金属触媒、例えばイリジウムベースの触媒も意図される。一般に、触媒系の金属成分、例えばロジウム成分は、ロジウムと、配位化合物の少なくとも1つのリガンドを与えるハロゲン成分との配位化合物の形態で存在すると考えられる。ロジウムとハロゲンの配位に加えて、一酸化炭素がロジウムと配位するとも考えられている。触媒系のロジウム成分は、ロジウム金属、酸化物、酢酸塩、ヨウ化物、炭酸塩、水酸化物、塩化物等のようなロジウム塩、或いは反応雰囲気中でロジウムの配位化合物を形成する他の化合物の形態のロジウムを反応区域中に導入することによって与えることができる。金属触媒、例えばロジウム触媒は、幾つかの態様においては、200〜2000重量ppm(wppm)の量で存在する。
[0073]触媒系のハロゲン含有触媒促進剤は、有機ハロゲン化物を含むハロゲン化合物から構成される。而して、アルキル、アリール、及び置換アルキル又はアリールハロゲン化物を用いることができる。好ましくは、ハロゲン含有触媒促進剤はアルキルハロゲン化物の形態で存在する。更により好ましくは、ハロゲン含有触媒促進剤は、アルキル基がカルボニル化する供給アルコールのアルキル基に対応しているアルキルハロゲン化物の形態で存在する。而して、メタノールの酢酸へのカルボニル化において、ハロゲン化物促進剤としては、ハロゲン化メチル、より好ましくはヨウ化メチルが挙げられる。
[0074]一般に、重要なのはヨウ化物と会合するカチオンではなく、触媒系中のヨウ化物イオンの濃度であり、ヨウ化物の所定のモル濃度においては、カチオンの性質はヨウ化物濃度の効果ほどは重要ではないと認識される。塩がヨウ化物の所望のレベルを与えるのに十分に反応媒体中に可溶であるならば、任意の金属ヨウ化物塩、又は任意の有機カチオンの任意のヨウ化物塩、或いはアミン若しくはホスフィン化合物をベースとするもののような他のカチオン(場合によっては第3級又は第4級カチオン)を反応媒体中に保持することができる。ヨウ化物が金属塩である場合には、好ましくはこれは、"Handbook of Chemistry and Physics", CRC Press刊, Cleveland, Ohio, 2002-03(83版)に示されているような周期律表第IA族及び第IIA族の金属からなる群の元素のヨウ化物塩である。特に、アルカリ金属ヨウ化物が有用であり、ヨウ化リチウムが特に好適である。低水カルボニル化プロセスにおいては、ヨウ化水素として存在するヨウ化物イオンに加えて更なるヨウ化物イオンを、概して、全ヨウ化物イオン濃度が2〜20重量%であり、酢酸メチルが概して0.5〜30重量%の量で存在し、ヨウ化メチルが概して5〜20重量%の量で存在するような量で触媒溶液中に存在させる。
[0075]幾つかの態様においては、反応媒体中に、所望のカルボン酸とアルコール、望ましくはカルボニル化において用いるアルコールとのエステル、並びにヨウ化水素として存在するヨウ化物イオンの他に更なるヨウ化物イオンを保持することによって、低い水濃度においても所望の反応速度が得られる。所望のエステルは酢酸メチルである。米国特許5,001,259に記載されているように、低い水濃度下においては、酢酸メチル及びヨウ化リチウムは、比較的高い濃度のこれらの成分のそれぞれが存在している場合にのみ速度促進剤として機能し、これらの成分の両方が同時に存在している場合に促進がより高いことが分かっている。ヨウ化物イオン含量の絶対濃度は単に例として与えられており、限定として解釈すべきではない。
[0076]幾つかの態様においては、酢酸を製造する方法は、リチウム化合物を反応器中に導入して、反応媒体中において0.3〜0.7重量%の量の酢酸リチウムの濃度を維持することを更に含む。幾つかの態様においては、反応媒体中において0.1〜1.3重量%の量のヨウ化水素の濃度を維持する量のリチウム化合物を反応器中に導入する。幾つかの態様においては、カルボニル化反応器内に存在する反応媒体の全重量を基準として、ロジウム触媒の濃度は反応媒体中において200〜3000wppmの量に維持し、水の濃度は反応媒体中において0.1〜4.1重量%の量に維持し、酢酸メチルの濃度は反応媒体中において0.6〜4.1重量%に維持する。
[0077]幾つかの態様においては、反応器中に導入するリチウム化合物は、酢酸リチウム、カルボン酸リチウム、炭酸リチウム、水酸化リチウム、他の有機リチウム塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される。幾つかの態様においては、リチウム化合物は反応媒体中に可溶である。一態様においては、リチウム化合物の源物質として酢酸リチウム二水和物を用いることができる。
[0078]酢酸リチウムは、次の平衡反応(I):
[0079]
Figure 2016121126
にしたがってヨウ化水素と反応して、ヨウ化リチウム及び酢酸を形成する。
[0080]酢酸リチウムは、反応媒体中に存在する酢酸メチルのような他のアセテートに対してヨウ化水素濃度の改良された制御を与えると考えられる。理論には縛られないが、酢酸リチウムは酢酸の共役塩基であり、したがって酸−塩基反応によってヨウ化水素に対して反応性である。この特性は、酢酸メチルとヨウ化水素の対応する平衡によって生成するものを上回って反応生成物を有利に生成する反応(I)の平衡をもたらすと考えられる。この改良された平衡は、反応媒体中の4.1重量%未満の水の濃度によって推進される。更に、酢酸メチルと比べて比較的低い酢酸リチウムの揮発性によって、酢酸リチウムを、揮発損失及び蒸気粗生成物中への少量の同伴を除いて反応媒体中に保持することが可能になる。これに対して、酢酸メチルの比較的高い揮発性により、材料が精製系列中に留出して、酢酸メチルを制御するのがより困難になる。酢酸リチウムは、ヨウ化水素の安定して低い濃度において、プロセス中に保持及び制御するのが遙かにより容易である。したがって、反応媒体中のヨウ化水素濃度を制御するのに必要な酢酸メチルの量と比べて比較的少量の酢酸リチウムを用いることができる。更に、酢酸リチウムはロジウム[I]錯体へのヨウ化メチルの酸化的付加を促進するのに酢酸メチルよりも少なくとも3倍有効であることが見出された。
[0081]幾つかの態様においては、反応媒体中の酢酸リチウムの濃度は、0.3重量%以上、又は0.35重量%以上、又は0.4重量%以上、又は0.45重量%以上、或いは0.5重量%以上に維持し、及び/又は幾つかの態様においては、反応媒体中の酢酸リチウムの濃度は、0.7重量%以下、又は0.65重量%以下、又は0.6重量%以下、或いは0.55重量%以下に維持する。
[0082]反応媒体中の過剰の酢酸リチウムは、反応媒体中の他の化合物に悪影響を与えて生産性を減少させる可能性があることが見出された。これとは逆に、約0.3重量%より低い反応媒体中の酢酸リチウム濃度は、1.3重量%より低い反応媒体中の所望のヨウ化水素濃度を維持することができないことが見出された。
[0083]幾つかの態様においては、リチウム化合物は反応媒体中に連続的又は断続的に導入することができる。幾つかの態様においては、リチウム化合物は反応器の始動中に導入する。幾つかの態様においては、リチウム化合物は同伴損失を補償するために断続的に導入する。
[0084]反応媒体はまた、副生成物の形成を回避するために制御しなければならない不純物も含む可能性がある。反応媒体中の1つの不純物はヨウ化エチルである可能性があり、これは酢酸から分離することが困難である。本出願人らは、ヨウ化エチルの形成は、反応媒体中のアセトアルデヒド、酢酸エチル、酢酸メチル、及びヨウ化メチルの濃度などの数多くの変数によって影響を受ける可能性があることを更に見出した。更に、メタノール源物質中のエタノール含量、一酸化炭素源物質中の水素分圧及び水素含量は、反応媒体中のヨウ化エチル濃度、及びその結果として最終酢酸生成物中のプロピオン酸濃度に影響を与えることが見出された。
[0085]幾つかの態様においては、酢酸生成物中のプロピオン酸濃度は、更に、酢酸生成物からプロピオン酸を除去することなく、反応媒体中のヨウ化エチル濃度を750wppm以下に維持することによって250wppmより低く維持することができる。
[0086]幾つかの態様においては、反応媒体中のヨウ化エチル濃度と、酢酸生成物中のプロピオン酸は、3:1〜1:2の重量比で存在していてよい。幾つかの態様においては、反応媒体中のアセトアルデヒド:ヨウ化エチル濃度は、2:1〜20:1の重量比に維持する。
[0087]幾つかの態様においては、反応媒体中のヨウ化エチル濃度は、水素分圧、反応媒体中の酢酸メチル濃度、ヨウ化メチル濃度、及び/又はアセトアルデヒド濃度の少なくとも1つを制御することによって維持することができる。
[0088]幾つかの態様においては、反応媒体中のヨウ化エチルの濃度は、750wppm以下、又は例えば650wppm以下、又は550wppm以下、又は450wppm以下、或いは350wppm以下になるように維持/制御する。幾つかの態様においては、反応媒体中のヨウ化エチルの濃度は、1wppm、又は例えば5wppm、又は10wppm、又は20wppm、或いは25wppm以上で、650wppm、又は例えば550wppm、又は450wppm、或いは350wppm以下に維持/制御する。
[0089]幾つかの態様においては、反応媒体中のヨウ化エチルと酢酸生成物中のプロピオン酸との重量比は、3:1〜1:2、又は例えば5:2〜1:2、又は2:1〜1:2、或いは3:2〜1:2の範囲であってよい。
[0090]幾つかの態様においては、反応媒体中のアセトアルデヒドとヨウ化エチルとの重量比は、20:1〜2:1、又は例えば15:1〜2:1、或いは9:1〜2:1の範囲であってよい。
[0091]一態様においては、気体パージ流106は、1重量%以下、例えば0.9重量%以下、0.8重量%以下、0.7重量%以下、0.5重量%以下の少量のヨウ化水素を含む。これらの量を超えるヨウ化水素は、スクラバーに対する負荷を増加させてヨウ化水素がパージされるのを妨げる可能性がある。
[0092]一態様においては、好適な過マンガンカリウム試験はJIS−K1351(2007)である。
[0093]用いる液体反応媒体には触媒系と適合性の任意の溶媒を含ませることができ、純粋なアルコール、又はアルコール供給材料及び/又は所望のカルボン酸及び/又はこれらの2つの化合物のエステルの混合物を挙げることができる。低水カルボニル化プロセスのために好ましい溶媒及び液体反応媒体は、所望のカルボン酸生成物を含む。而して、メタノールの酢酸へのカルボニル化において、好ましい溶媒系は酢酸を含む。
[0094]水は反応媒体中に含まれるが、望ましくは十分な反応速度を達成するために低い濃度で含まれる。例えば米国特許3,769,329において、ロジウム接触カルボニル化反応において、水の添加は反応速度に対して有益な効果を与えることが従前に教示されている。而して、幾つかの商業運転は、通常は14重量%より高い水濃度で運転する。しかしながら、幾つかの態様においては、14重量%以下、例えば10重量%以下、1重量%以下、又は0.1重量%以下の水濃度を用いることができる。範囲に関しては、反応媒体に、反応媒体の全重量を基準として0.1重量%〜14重量%、例えば0.2重量%〜10重量%、0.25重量%〜5重量%、又は0.25重量%〜4.1重量%の量の水を含ませることができる。
[0095]一態様においては、カルボニル化は、反応系を2〜25重量%のヨウ化物塩、1〜20重量%のヨウ化メチル、0.1〜30重量%の酢酸メチル、及び0.1〜10重量%の水の濃度に維持しながら行う。
[0096]カルボニル化のための通常の反応温度は150〜250℃であり、180〜225℃の温度範囲が好ましい範囲である。反応器内の一酸化炭素分圧は広範囲に変化させることができるが、通常は2〜30気圧、例えば3〜10気圧である。副生成物の分圧及び含まれている液体の蒸気圧のために、全反応器圧力は15〜40気圧の範囲になる。
[0097]代表的な反応及び酢酸回収システム100を図1に示す。示されるように、メタノール含有供給流101及び一酸化炭素含有供給流102を液相カルボニル化反応器104に送って、そこでカルボニル化反応を行う。
[0098]カルボニル化反応器104は、好ましくは撹拌容器、或いは撹拌装置を有するか又は有しないバブルカラムタイプの容器のいずれかであり、これらの中で反応液又はスラリー内容物を好ましくは自動的に所定のレベルに維持し、これを好ましくは通常運転中において実質的に一定に維持する。反応媒体中における好適な濃度を維持するために必要な場合には、カルボニル化反応器104中に、新しいメタノール、一酸化炭素、及び十分な水を連続的に導入する。
[0099]通常のカルボニル化プロセスにおいては、一酸化炭素をカルボニル化反応器中に、望ましくは撹拌装置(内容物を撹拌するために用いることができる)の下方の分配プレートを通して連続的に導入する。気体供給流は、好ましくは、この撹拌手段によって反応液体を通して十分に分散される。望ましくは気体パージ流106を反応器104から排出して、気体状副生成物の蓄積を阻止し、所定の全反応器圧力において設定一酸化炭素分圧を維持する。反応器の温度は制御することができ、一酸化炭素供給流は、所望の全反応器圧力を維持するのに十分な速度で導入する。液体反応媒体を含む流れ113が反応器104から排出される。気体パージ流106の少なくとも一部を熱交換器103に送って、そこで気体パージ流106の少なくとも一部を凝縮して、凝縮された反応器戻り流105及び反応器排出蒸気流107を形成する。気体パージ流106の少なくとも一部、例えば反応器排出蒸気流107は、吸収塔109に送る。凝縮された反応器戻り流105は反応器104に再循環する。
[0100]粗酢酸生成物は分離区域108内で精製して酢酸を回収し、触媒溶液、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及び他の系成分をプロセス内で再循環することができる。而して、フラッシャー112からの流れ110のような再循環触媒溶液、並びに場合によっては再循環流114、116、118、及び120の1以上も、反応器104中に導入する。勿論、1以上の再循環流を、反応器中に導入する前に混合することができる。分離システムはまた、好ましくは、カルボニル化反応器内及びシステム全体にわたる水及び酢酸の含量を制御し、PRCの除去を促進する。
[0101]反応媒体を、カルボニル化反応器104から、その中の一定のレベルを維持するのに十分な速度で引き抜き、流れ113を通してフラッシャー112に供給する。フラッシャー112においては、粗生成物をフラッシュ分離工程で分離して、酢酸を含む蒸気生成物流122、及び触媒含有溶液(主として、ロジウム及びヨウ化物塩を、より少量の酢酸メチル、ヨウ化メチル、及び水と共に含む酢酸)を含む揮発性がより低い流れ110(これは好ましくは上記で議論したように反応器に再循環する)を得る。
[0102]蒸気生成物流122はまた、ヨウ化メチル、酢酸メチル、ヨウ化水素、水、PRCも含む。反応器から排出されてフラッシャーに導入される溶解ガスは、一酸化炭素の一部を含み、またメタン、水素、及び二酸化炭素のような気体状副生成物も含む可能性がある。かかる溶解ガスは、塔頂流の一部としてフラッシャーから排出される。蒸気生成物流122の少なくとも一部を、ライン122’を通して熱交換器121に送って、ここでライン122’の内容物を凝縮して、凝縮されたフラッシャー戻り流123及びフラッシャー排出蒸気流125を形成する。蒸気生成物流122の少なくとも一部、例えばフラッシャー排出蒸気流125は吸収塔109に送る。凝縮されたフラッシャー戻り流123は反応器104に再循環する。
[0103]一態様においては、蒸気生成物流は、酢酸、ヨウ化メチル、酢酸メチル、水、アセトアルデヒド、及びヨウ化水素を含む。一態様においては、蒸気生成物流は、蒸気生成物流の全重量を基準として45〜75重量%の量の酢酸、20〜50重量%の量のヨウ化メチル、9重量%以下の量の酢酸メチル、及び15重量%以下の量の水を含む。他の態様においては、蒸気生成物流は、蒸気生成物流の全重量を基準として45〜75重量%の量の酢酸、24乃至36重量%未満の量のヨウ化メチル、9重量%以下の量の酢酸メチル、及び15重量%以下の量の水を含む。より好ましくは、蒸気生成物流は、55〜75重量%の量の酢酸、24〜35重量%の量のヨウ化メチル、0.5〜8重量%の量の酢酸メチル、及び0.5〜14重量%の量の水を含む。更に好ましい態様においては、蒸気生成物流は、60〜70重量%の量の酢酸、25〜35重量%の量のヨウ化メチル、0.5〜6.5重量%の量の酢酸メチル、及び1〜8重量%の量の水を含む。蒸気生成物流中のアセトアルデヒド濃度は、蒸気生成物流の全重量を基準として0.005〜1重量%、例えば0.01〜0.8重量%、又は0.01〜0.7重量%の量にすることができる。幾つかの態様においては、アセトアルデヒドは0.01重量%以下の量で存在するようにすることができる。蒸気生成物流は、蒸気生成物流の全重量を基準として1重量%以下、例えば0.5重量%以下、又は0.1重量%以下の量のヨウ化水素を含むようにすることができる。ヨウ化水素は、好ましくは蒸気生成物流中に存在する。蒸気生成物流は、好ましくはプロピオン酸を実質的に含まず、即ち蒸気生成物流の全重量を基準として0.0001重量%以下のプロピオン酸を含む。
[0104]液体再循環流は、酢酸、金属触媒、腐食金属、並びに他の種々の化合物を含む。一態様においては、液体再循環流は、60〜90重量%の量の酢酸;0.01〜0.5重量%の量の金属触媒;10〜2500wppmの合計量の腐食金属(例えば、ニッケル、鉄、及びクロム);5〜20重量%の量のヨウ化リチウム;0.5〜5重量%の量のヨウ化メチル;0.1〜5重量%の量の酢酸メチル;0.1〜8重量%の量の水;1重量%以下の量のアセトアルデヒド(例えば0.0001〜1重量%のアセトアルデヒド);及び0.5重量%以下の量のヨウ化水素(例えば0.0001〜0.5重量%のヨウ化水素);を含む。
[0105]フラッシャー112からの塔頂流は、蒸気生成物流122として軽質留分カラム124に送り、ここで蒸留によって、低沸点の塔頂蒸気流126、好ましくは側流128によって取り出される精製された酢酸生成物、及び高沸点の残渣流116を得る。側流128によって取り出される酢酸は、好ましくは、水から酢酸を選択的に分離するために、乾燥カラム130などにおいて更なる精製にかける。塔頂蒸気流126の少なくとも一部は、ライン126を通して熱交換器127に送って、ここでライン126の内容物を凝縮して、凝縮された軽質留分戻り流129及び軽質留分排出蒸気流137を形成する。塔頂蒸気流126の少なくとも一部、例えば軽質留分排出蒸気流137は、吸収塔109に送る。凝縮された軽質留分戻り流129は、反応器104に再循環するか、又は場合によっては軽質留分カラム124に戻す(図示せず)。
[0106]代表的な吸収塔及び付随の部品を図2に示す。
[0107]流れ107、125、136、及び137の1以上を吸収器システム200に送る。吸収器システム200は、下記において記載するように、吸収器システム200をスクラバー溶媒源に選択的に接続し、使用された抽出物をカルボニル化システムにおける所望の位置に戻すために、複数のバルブ及びポンプを有する切り替えシステム202を含む。必要な場合には、反応器104を吸収器システム200に直接排出することができることも留意されたい。
[0108]吸収器システム200は吸収塔209を含み、これにライン204を通して排出気体及びライン206を通してスクラバー溶媒を供給する。ライン204は、図1に示すように1以上の排出流を表す。好ましくは、スクラバー溶媒は、吸収塔209に供給する前に冷却器208によって冷却する。吸収塔209においては、溶媒を排出気体に対して対向流で流して、戻りライン210を通して塔から排出してカルボニル化ユニットに戻す前に、ヨウ化メチル、ヨウ化水素、及び更なる関連する成分を吸収する。スクラビングされた排出気体は、ライン212を通して塔から排出して、更に処理することができる。或いは、所望の場合には第2段階水スクラビング装置を吸収塔209内に与えることができる。好ましくは、ヨウ化メチルの90%超を排出気体から取り出す。スクラバー流体は、一般に塔内で使用する前に5℃〜25℃の温度に冷却し、但しスクラバー溶媒として酢酸を用いる場合には、溶媒の温度は好ましくは凍結を阻止するために17℃以上に維持する。
[0109]切り替えシステム202は、バルブ214、216、218、220、222のような複数のバルブ、及び必要な場合には戻りライン228、230、232、234内の圧力を上昇させるために1以上のポンプ224、226を含む。供給バルブ220、222は、吸収塔209の運転モードに応じて、スクラバー溶媒(供給タンクからのメタノール又は生成物酢酸であってよい)を選択するために用いる。
[0110]図1のカルボニル化システムの定常状態運転においては、バルブ222を閉止し、メタノールを、供給タンクから開放されているバルブ220を通してライン236を通して冷却器208に供給し、そこでメタノールを冷却する。冷却器からメタノールを吸収塔209に供給し、そこで排出気体と対向流で流して、ライン210を通してカラムから排出する前にそれからヨウ化メチル及び他の揮発性成分を吸収する。用いた溶媒は、吸収されたヨウ化メチルと共に、ポンプ224、226を用いて、ライン230を通して反応器又は供給タンクにポンプで戻す。この運転モードにおいては、バルブ216、218を閉止し、バルブ214を開放する。
[0111]システムの始動又は停止中においては、スクラビング溶媒として酢酸を用いて吸収塔209を運転することが望ましい可能性がある。この運転モードにおいては、バルブ222を開放し、バルブ220を閉止する。所望の場合には、酸は生成物酸又はタンクから供給することができる。酸は、ライン236を通って冷却器208に流し、そこで冷却し、ライン206を通して吸収塔209に供給して、上述したようにライン204を通して供給される排出気体をスクラビングする。酸は、ライン210を通して吸収塔209から排出して、ポンプ224、226を用いてライン228、232を通してカルボニル化システムにポンプで戻す。この吸収塔209の運転モードにおいては、バルブ214、218を閉止し、バルブ216を開放して、使用された酢酸が、軽質留分カラム、乾燥カラム、又はストリッピングのための精製システムの他の箇所に戻されるようにする。
[0112]メタノールから酢酸のように1つの溶媒から他のものへ切り替えている間には、非効率さがもたらされるために、スクラビング流体をメタノール供給システム又は軽質留分カラムに戻すことは一般に望ましくない。このために、切り替えは約5〜約20分間で行うことができ、この時間の間には、用いられたスクラバー溶媒は触媒貯留槽に供給する。切り替えモードにおいては、バルブ214、216を閉止し、バルブ218を開放する。而して、システムは一般に、(a)ヨウ化メチル及び場合によっては更なる揮発性成分を含むカルボニル化ユニットからの排出気体を吸収塔に供給し;(b)酢酸から実質的に構成される第1の吸収剤を吸収塔に供給し;(c)排出気体を第1の吸収剤と接触させて、それによってヨウ化メチル及び場合によっては更なる揮発性成分を気体から取り出し、ヨウ化メチル及び場合によっては更なる揮発性成分を第1の吸収剤中に吸収させ;(d)第1の吸収剤、及び吸収されたヨウ化メチル、並びに場合によっては更なる吸収された揮発性成分を含む吸収器戻り流を、軽質留分カラム、乾燥カラム、又は精製システムにおける他の箇所に供給し;(e)第1の吸収剤の吸収塔への供給を停止し;(f)メタノールから実質的に構成される第2の吸収剤を吸収塔に供給し;(g)排出気体を第2の吸収剤と接触させて、それによってヨウ化メチル及び場合によっては更なる揮発性成分を気体から取り出し、ヨウ化メチル及び場合によっては更なる揮発性成分を第2の吸収剤中に吸収させ;(h)第1の吸収剤、第2の吸収剤、吸収されたヨウ化メチル、及び場合によっては更なる吸収された揮発性成分を含む吸収器戻り流を、吸収塔から反応器に供給し;そして(i)移行期間の後に、第2の吸収剤、及び吸収されたヨウ化メチル、並びに場合によっては更なる吸収された揮発性成分を含む吸収器戻り流を、反応器に供給し続ける;ことによって運転する。吸収塔への供給流は、バルブ220、220の操作によって選択される。
[0113]デカンターの運転に戻り、米国特許6,143,930及び6,339,171においては、軽質留分カラムから排出される低沸点の塔頂蒸気流中には、一般にカラムから排出される高沸点の残渣流中におけるよりも高いPRCの濃度、特にアセトアルデヒド含量が存在することが開示されている。而して幾つかの場合においては、PRCを含む低沸点の塔頂蒸気流126を、PRC除去システム132内で更なる処理にかけて、存在するPRCの量を減少及び/又は除去する。したがって、示されているように、低沸点の塔頂蒸気流126を凝縮して、塔頂流受容器デカンター134によって示される塔頂相分離ユニットに送る。PRCに加えて、低沸点の塔頂蒸気流126は、通常はヨウ化メチル、酢酸メチル、酢酸、及び水を含んでいてよい。
[0114]プロセス内の条件は、望ましくは、低沸点の塔頂蒸気流126がデカンター134内に入ったら、分離して軽質相及び重質相を形成することができるように維持する。一般に、低沸点の塔頂蒸気流126は、凝縮性のヨウ化メチル、酢酸メチル、アセトアルデヒド及び他のカルボニル成分、並びに水を凝縮及び分離して2つの別々の相を形成するのに十分な温度に冷却する。流れ126の一部は、一酸化炭素、二酸化炭素、ヨウ化水素、水素などのような非凝縮性の気体を含む可能性があり、これは吸収塔109に送ることができる。
[0115]デカンター内の凝縮された軽質相は、一般に、水、酢酸、及びPRC、並びに特定量のヨウ化メチル及び酢酸メチルを含む可能性がある。また、軽質相中にヨウ化水素も存在する可能性がある。デカンター134内の凝縮された重質相は、一般に、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及びPRCを含む可能性がある。また、重質相中にヨウ化水素も存在する可能性がある。デカンター134内の凝縮された重質液相は、流れ118によって反応器104に直接か又は間接的のいずれかで好都合に再循環することができる。例えば、この凝縮された重質液相の一部を反応器に再循環し、スリップ流(図示せず)、一般に少量、例えば重質液相の5〜40体積%、又は5〜20体積%をPRSに送ることができる。この重質液相のスリップ流は個々に処理することができ、或いは、カルボニル不純物の更なる蒸留及び抽出を行うために凝縮された軽質液相流138と混合することができる。
[0116]軽質相流の具体的な組成は広く変化する可能性があるが、幾つかの好ましい組成を下表1に与える。一態様においては、好ましくは0.01重量%〜1重量%、例えば0.02重量%〜1重量%、又は0.04重量%〜0.07重量%の範囲の量のヨウ化水素が軽質留分塔頂流中に存在する。
Figure 2016121126
[0117]一態様においては、塔頂デカンターは、低い界面レベルを維持してヨウ化メチルの過剰の保持を防ぐように配置及び構成する。重質液相の具体的な組成は広く変化する可能性があるが、幾つかの代表的な組成を下表2に与える。一態様においては、重質相中においては、下記にリストする成分に加えてヨウ化水素が存在する。
Figure 2016121126
[0118]重質液相134の密度は、1.3〜2、例えば1.5〜1.8、1.5〜1.75、又は1.55〜1.7であってよい。米国特許6,677,480において記載されているように、重質液相134において測定される密度は、反応媒体中の酢酸メチル濃度と相関する。密度が減少するにつれて、反応媒体中の酢酸メチル濃度は増加する。本発明の一態様においては、重質液相134は反応器に再循環し、軽質液相133は同じポンプを通して再循環されるように制御する。軽質液相133の一部を再循環することが望ましい可能性があり、これによりポンプを攪乱させず、1.3以上、例えば1.4以上、1.5以上、又は1.7以上の軽質液相133及び重質液相の混合密度を維持する。ここに記載するように、重質液相134の一部を処理してアセトアルデヒドのような不純物を除去することができる。
[0119]図1に示すように、軽質相は流れ131によってデカンター134から排出される。軽質相流131の第1の部分、例えばアリコート部分は、還流流140として軽質留分カラム124の頂部に再循環する。軽質相流131の第2の部分、例えばアリコート部分は、下記において議論するように、流れ142によって示されるようにPRS132に送る。軽質相流131の第3の部分、例えばアリコート部分は、場合によって、反応器104内において更なる水が所望又は必要な場合には、再循環流114によって示されるように反応器104に再循環することができる。好ましい形態においては、流れ114を反応器に再循環することは酢酸の再循環を望ましくなく引き起こし、反応器104に対する負荷を不必要に増加させる可能性があるので、反応器内の水レベルは、流れ114を反応器104に再循環することなく所望のレベルに維持する。而して、デカンター134から反応器104への再循環は、重質相流118によって行う。
[0120]軽質留分カラム124はまた、好ましくは主として酢酸及び水を含む残渣又は塔底流116も形成する。軽質留分塔底流116は通常は若干の残留触媒を含む可能性があるので、軽質留分塔底流116の全部又は一部を反応器104に再循環することが有益である可能性がある。場合によっては、軽質留分塔底流116は、図1に示されるように、フラッシャー112からの触媒相110と混合して、一緒に反応器104に戻すことができる。
[0121]上記に示すように、塔頂相に加えて、軽質留分カラム124はまた、好ましくは主として酢酸及び水を含む酢酸側流128も形成する。効率的な生成物の分離を維持するためには、通常運転中において側流128の組成が大きく変化又は変動しないことが重要である。
[0122]場合によっては、分離を向上させるために、側流128の一部を、軽質留分カラム、好ましくは側流128を軽質留分カラムから取り出した位置よりも低い位置に再循環することができる。
[0123]側流128は酢酸に加えて水を含むので、軽質留分カラム124からの側流128は好ましくは乾燥カラム130に送って、そこで酢酸及び水を互いから分離する。示されるように、乾燥カラム130は、酢酸側流128を分離して、主として水を含む塔頂流144、及び主として酢酸を含む塔底流146を形成する。塔頂流144は、好ましくは相分離ユニット、例えばデカンター148内で冷却及び凝縮させて、軽質相及び重質相を形成する。示されるように、軽質相の一部は流れ150及び152によって示されるように還流し、軽質相の残りは流れ120によって示されるように反応器104に戻す。通常は水及びヨウ化メチルを含むエマルジョンである重質相は、好ましくは、流れ122によって示されるように、場合によっては流れ120と混合した後にその全部を反応器104に戻す。乾燥カラム塔頂流の軽質相に関する代表的な組成を下表3に与える。一態様においては、乾燥カラム塔頂流中には、0.01重量%〜1重量%、例えば0.05重量%〜1重量%、又は0.01重量%〜0.5重量%の範囲の量のヨウ化水素が存在する。
Figure 2016121126
[0124]乾燥カラム塔底流146は、好ましくは酢酸を含むか又はこれから実質的に構成される。好ましい態様においては、乾燥カラム塔底流146は、90重量%より多く、例えば95重量%より多く、又は98重量%より多い量の酢酸を含む。場合によっては、乾燥カラム塔底流146は、商業的使用のために貯蔵又は輸送する前に、例えばイオン交換樹脂に通すことによって更に処理することができる。
PRC除去:
[0125]幾つかの場合においては、軽質留分蒸留カラムの低沸点塔頂蒸気流から、より好ましくは軽質留分蒸留カラム124からの低沸点塔頂蒸気流126の凝縮された液相から、PRC、主としてアセトアルデヒドのようなアルデヒドを除去することが有利である可能性がある。PRC除去システム132からの流れの1以上を、直接か又は間接的にシステムに戻す、例えば再循環することができる。幾つかの場合においては、反応器104又は反応器104への再循環ラインにPRC除去システム132からの戻り流を送らない。PRC除去システムは、好ましくはPRCを減少及び/又は除去するために少なくとも1つの蒸留カラム及び少なくとも1つの抽出カラムを含む。米国特許公開2011/0288333(参照として本明細書中に包含する)においては、本方法と共に用いることができる種々のPRC除去システムの態様が記載されている。
[0126]図1に示すPRC除去システムには単一の抽出段階を含ませることができ、或いは例えば米国特許7,223,886に記載されているように複数の抽出段階を含ませることができ、場合によっては多段対向流抽出を含む。種々の態様によれば、例えば(i)PRC除去システム蒸留カラム、及び/又は(ii)PRC除去システム抽出段階のいずれか又は両方から誘導される1以上の流れ(流れ154として集合的に示されている)を、システム、例えば酢酸製造システムに関する分離システムの(i)軽質留分除去カラム及び/又は(ii)乾燥カラムのいずれか又は両方に戻すことができる。例えば、PRC除去システムカラムからの塔底流の第1の部分、例えばアリコート部分を、更なる処理のために軽質留分カラム124に送ることができ、或いはPRC除去システムカラムからの塔底流の第2の部分、例えばアリコート部分を、更なる処理のために乾燥カラム130、好ましくは乾燥カラム130の上部部分に送ることができる。他の例として、特にヨウ化メチルを含むPRS抽出ユニットからのラフィネートを、システム、例えば軽質留分カラム又は乾燥カラムに戻すことができ、或いはラフィネートをデカンター134に直接加えることができ、及び/又は反応器104に戻すことができる。
PRC除去システム:
[0127]幾つかの態様においては、軽質液相及び/又は重質液相の一部を分離してPRSに送って、アセトアルデヒド除去中にヨウ化メチル及び酢酸メチルを回収することができる。上表1及び2において示されるように、軽質液相及び/又は重質液相はそれぞれPRCを含み、このプロセスには、酢酸生成物の品質を低下させるアセトアルデヒドのようなカルボニル不純物を除去することを含ませることができ、これらは、米国特許6,143,930;6,339,171;7,223,883;7,223,886;7,855,306;7,884,237;8,889,904;及び米国公開2006/0011462;(これらはその全部を参照として本明細書中に包含する)に記載されているような好適な不純物除去カラム及び吸収剤で除去することができる。アセトアルデヒドのようなカルボニル不純物は、ヨウ化物触媒促進剤と反応してアルキルヨウ化物、例えばヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、ヨウ化ブチル、ヨウ化ペンチル、ヨウ化ヘキシル等を形成する可能性がある。また、多くの不純物はアセトアルデヒドに由来するので、液体軽質相からカルボニル不純物を除去することが望ましい。
[0128]アセトアルデヒド又はPRC除去システムに供給される軽質液相及び/又は重質液相の部分は、軽質液相133及び/又は重質液相134のいずれかの質量流量の1%〜99%、例えば1〜50%、2〜45%、5〜40%、5〜30%、又は5〜20%で変化させることができる。また幾つかの態様においては、軽質液相133及び重質液相134の両方の一部をアセトアルデヒド又はPRC除去システムに供給することができる。アセトアルデヒド又はPRC除去システムに供給されない軽質液相133の部分は、本明細書に記載するように第1のカラムに還流するか又は反応器に再循環することができる。アセトアルデヒド又はPRC除去システムに供給されない重質液相134の部分は、反応器に再循環することができる。重質液相134の一部を第1のカラムに還流することができるが、ヨウ化メチルが富化されている重質液相134を反応器に戻すことがより望ましい。
[0129]一態様においては、軽質相及び/又は重質相の少なくとも一部を、分離のためにPRC除去システムに送って、ヨウ化水素を含む塔頂流を形成する。一態様においては、PRC除去システムは1つのカラムのシステムである。ここで本発明者らは、かかる場合においては、1つのカラムから排出される塔頂流はヨウ化水素、例えばヨウ化メチルの加水分解によって(及び/又はヨウ化メチルと酢酸が反応してヨウ化水素及び酢酸メチルを生成することによって)PRC除去システム内で起こる反応によって増加した量のヨウ化水素を含む可能性があることを見出した。この流れは、ヨウ化水素を処理するために吸収塔に送ることができる。
[0130]図3において示されるように、ライン142内の軽質相及び/又はライン118’内の重質相の少なくとも一部を、カラム160を含むPRC除去システム132に送ることができる。カラム10は、蒸気塔頂流162、並びに水、酢酸メチル、及び/又はメタノールを含む塔底プロセス流164を形成する。蒸気塔頂流162は、ヨウ化水素、例えばカラム160内で起こる反応によって形成されるヨウ化水素を含む。蒸気塔頂流162は熱交換器/凝縮器(図示せず)を通過させて、受容器166内に回収することができる。受容器排出流168は、蒸気塔頂流162中のヨウ化水素の一部を含み、受容器166から引き抜いて吸収器109に送る。蒸気塔頂流162の一部は、ライン162’を通して受容器排出流18と混合して、吸収器109に送ることができる。場合によっては、ライン162’は、ライン168と混合しないで吸収器109に直接送ることができる。凝縮された蒸気塔頂流の一部はカラム160に戻すことができ、他の部分は更なる処理に送ることができる。
[0131]他の態様においては、PRSシステムは2つのカラムのシステムである。ここで本発明者らは、それぞれのカラムから排出される塔頂流が、ヨウ化水素、例えば増加した量のヨウ化水素を含む可能性があることを見出した。
[0132]一態様においては、軽質液相133及び/又は重質液相134の一部を蒸留カラムに供給して、その塔頂流を濃縮してアセトアルデヒド及びヨウ化メチルを有するようにする。更に、塔頂流をヨウ化水素で富化するようにすることもできる。構成に応じて、2つの別々の蒸留カラムを存在させることができ、第2のカラムの塔頂流をアセトアルデヒド及びヨウ化メチルで富化させることができる。第2の塔頂流もヨウ化水素で富化させることができる。in-situで形成される可能性があるジメチルエーテルも、塔頂流中に存在する可能性がある。塔頂流は1以上の抽出段階にかけて、ヨウ化メチルが富化されたラフィネート及び抽出剤を除去することができる。幾つかの場合においては、PRC除去システムの1つ又は複数の塔頂流を処理して一酸化炭素を除去することができる。一例として、圧力スイング吸収器を用いることができる。ラフィネートの一部は、蒸留カラム、第1のカラム、塔頂デカンター、及び/又は反応器に戻すことができる。例えば、重質液相をPRC除去システム内で処理する場合には、ラフィネートの一部を蒸留カラム又は反応器のいずれかに戻すことが望ましい可能性がある。また、例えば軽質液相133をPRC除去システム内で処理する場合には、ラフィネートの一部を、第1のカラム、塔頂デカンター、又は反応器のいずれかに戻すことが望ましい可能性がある。幾つかの態様においては、抽出剤は更に蒸留して水を除去することができ、これは1以上の抽出段階に戻す。軽質液相133よりも多くの酢酸メチル及びヨウ化メチルを含むカラム塔底流も、反応器105に再循環、及び/又は第1のカラム120に還流することができる。
[0133]1つのカラムのPRC除去ユニットの塔頂流は、ヨウ化水素を含む可能性がある。塔頂流は受容器内に回収することができ、排出流を受容器から引き抜くことができる。
[0134]一態様においては、本発明方法は、PRS塔頂受容器排出流及び/又はPRS塔頂流の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を(第1の唯一のカラムから)吸収塔に供給し;そして、吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤と接触させて、ヨウ化水素を吸収して、吸収されたヨウ化水素を含む第1の抽出物を形成する;工程を含む。
[0135]2つのカラムシステムを用いる態様においては、本発明方法は、PRS塔頂受容器排出流及び/又はPRS塔頂流の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を(第2のカラムから)吸収塔に供給し;吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤と接触させて、ヨウ化水素を吸収して、吸収されたヨウ化水素を含む第1の抽出物を形成する;工程を含む。
[0136]PRC除去システムからの塔頂流又は受容器排出流を吸収剤と接触させる態様において、本発明者らは、吸収剤で処理することによって、PRC除去システム内で形成される可能性があるヨウ化水素が効率的に除去されることを見出した。
[0137]本明細書及び特許請求の範囲の目的のためには、軽質留分除去カラム及び乾燥カラムの塔頂流及び塔頂デカンターは、軽質留分除去カラム及び乾燥カラムの一部とみなされる。
[0138]上記に示したように、低沸点の塔頂蒸気流126のいずれの相も、続いて処理してPRCを除去することができる。
[0139]本発明の蒸留カラムは、通常の蒸留カラム、例えば棚段塔、充填塔などであってよい。棚段塔としては、多孔板カラム、バブルキャップカラム、キッテルトレーカラム、ユニフラックストレー、又はリップルトレーカラムを挙げることができる。棚段塔に関しては、理論段数は特に限定されず、分離する成分の種類によって左右し、80段以下、例えば2〜80段、5〜60段、5〜50段、又はより好ましくは7〜35段を含ませることができる。蒸留カラムには、異なる蒸留装置の組合せを含ませることができる。例えば、バブルキャップカラムと多孔板カラムの組合せ、並びに多孔板カラムと充填カラムの組合せを用いることができる。
[0140]蒸留システムにおける蒸留温度及び圧力は、好適には、対象のカルボン酸の種類、及び蒸留カラムの種類、或いは供給流の組成にしたがってより低沸点の不純物及びより高沸点の不純物から選択される除去目標のような条件に応じて選択することができる。例えば、酢酸の精製を蒸留カラムによって行う場合には、蒸留カラムの内部圧力(通常はカラム頂部の圧力)は、ゲージ圧で0.01〜1MPa、例えば0.02〜0.7MPa、より好ましくは0.05〜0.5MPaであってよい。更に、蒸留カラムに関する蒸留温度、即ちカラム頂部の温度におけるカラムの内部温度は、カラムの内部圧力を調節することによって制御することができ、例えば20〜200℃、例えば50〜180℃、より好ましくは100〜160℃であってよい。
[0141]それぞれ蒸留システムに連絡しているカラム、バルブ、凝縮器、受容器、ポンプ、リボイラー、及び内部部品、並びに種々のラインなどの蒸留システムに関係するそれぞれの部材又はユニットの材料は、ガラス、金属、セラミック、又はこれらの組み合わせのような好適な材料であってよく、具体的なものに特に限定されない。本発明によれば、上記の蒸留システム及び種々のラインの材料は、鉄合金、例えばステンレススチール、ニッケル又はニッケル合金、ジルコニウム又はそのジルコニウム合金、チタン又はそのチタン合金、或いはアルミニウム合金のような遷移金属又は遷移金属ベースの合金である。好適な鉄ベースの合金としては、主成分として鉄を含むもの、例えばステンレススチール(これは、クロム、ニッケル、モリブデンなども含む)が挙げられる。好適なニッケルベースの合金としては、主成分としてニッケル、及びクロム、鉄、コバルト、モリブデン、タングステン、マンガンなどの1以上を含むもの、例えばHASTELLOY(登録商標)及びINCONEL(登録商標)が挙げられる。耐腐食性の金属は、蒸留システム及び種々のラインのための材料として特に好適である可能性がある。
[0142]本明細書の目的のためには、「アリコート部分」という用語は、(i)それがそれから誘導される親流と同じ組成を有する親流の一部;及び(ii)それがそれから誘導される親流と同じ組成を有する親流の一部、及びそれと混合した1以上の更なる流れを含む流れ;の両方を指すことを理解すべきである。而して、PRS蒸留塔底流のアリコート部分を含む戻り流を軽質留分カラムに送ることには、PRS蒸留塔底流の一部を軽質留分カラムに直接送ること、並びに(i)PRS蒸留塔底流の一部、及び(ii)軽質留分カラム中に導入する前にそれと混合する1以上の更なる流れを含む誘導流を送ることが包含される。「アリコート部分」は、例えば蒸留工程又は相分離工程において形成される流れ(これらは、それらがそれから誘導される親流と組成的に同じではなく、かかる流れからも誘導されない)を包含しない。
[0143]本開示の利益を享受する当業者であれば、所望の結果を達成するようにPRS蒸留カラムを設計及び運転することができる。したがって、このプロセスの実施は、特定の蒸留カラムの具体的な特徴、又は全段数、供給点、還流比、供給温度、還流温度、カラム温度プロファイルなどのようなその運転特性に必ずしも限定されない。
[0144]図面及び上記に示した明細書から明らかなように、種々の態様が意図される。
E1.反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し、場合によってはヨウ化水素を含む反応器排出流を反応器から排出し;
粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチルを含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し、場合によっては第1の蒸気流の一部を凝縮して、凝縮されたフラッシャー戻り流、及びヨウ化水素を含むフラッシャー排出流を形成し;
軽質留分カラム内において、フラッシングされた第1の蒸気流を分離して、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第2の蒸気流、精製された酢酸生成物を含む側流、及び第2の液体残渣流を形成し;
反応器排出流、フラッシャー排出流、及び第2の蒸気流の少なくとも1つの少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;
吸収塔供給流を、酢酸を含む第1の吸収剤と接触させてヨウ化メチルを吸収して、第1の吸収剤及び吸収されたヨウ化メチルを含む第1の抽出物を形成し;
第1の抽出物を、直接か又は間接的に軽質留分カラム及び/又は乾燥カラムに送り;
吸収塔への第1の吸収剤の供給を停止し;
吸収塔供給流を、メタノール及び/又は酢酸メチルを含む第2の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第2の吸収剤及び吸収されたヨウ化メチルを含む第2の抽出物を形成し;
第2の抽出物を、直接か又は間接的に反応器に送る;
ことを含む酢酸の製造方法。
E2.第2の吸収剤がメタノールから実質的に構成される、態様E1の方法。
E3.接触の前に第1の吸収剤を冷却する工程を更に含む、態様E1又はE2の方法。
E4.接触の前に第2の吸収剤を冷却する工程を更に含む、態様E1〜E3のいずれかの方法。
E5.移送の前に、第2の吸収器戻り流をメタノール又はその反応性誘導体と混合することを更に含む、態様E1〜E4のいずれかの方法。
E6.吸収塔供給流が酢酸メチルを含み、第1及び第2の吸収剤によって吸収塔供給流から酢酸メチルを吸収する、態様E1〜E5のいずれかの方法。
E7.第1の吸収剤及び/又は第2の吸収剤を処理するためにストリッパーカラムを用いない、態様E1〜E6のいずれかの方法。
E8.カルボニル化を、反応系を2〜25重量%のヨウ化物塩、1〜20重量%のヨウ化メチル、0.1〜30重量%の酢酸メチル、及び0.1〜10重量%の水の濃度に維持しながら行う、態様E1〜E7のいずれかの方法。
E9.第2の吸収器戻り流を分離区域に戻さない、態様E1〜E8のいずれかの方法。
E10.吸収塔供給流と、第2の吸収剤中のメタノール又は酢酸メチルとの接触によってヨウ化メチルが形成される、態様E1〜E9のいずれかの方法。
E11.第2の吸収器戻り流の移送が、移行期間中に第2の吸収器戻り流を反応器に送り;移行期間の後に第2の吸収器戻り流を反応器に供給し続ける;ことを含む、態様E1〜E10のいずれかの方法。
E12.第2の吸収器戻り流の移送が、第1の吸収剤の供給を停止した後に第2の吸収器戻り流を反応器に送ることを含む、態様E1〜E11のいずれかの方法。
E13.第2の蒸気流が揮発性成分を更に含む、態様E1〜E12のいずれかの方法。
E14.フラッシングが、第1の蒸気流の少なくとも一部を凝縮して、凝縮されたフラッシャー戻り流、及びヨウ化水素を含むフラッシャー排出蒸気流を形成し、フラッシャー排出蒸気流を吸収塔に送ることを含む、態様E1〜E13のいずれかの方法。
E15.カルボニル化が、ヨウ化水素を含む反応器排出流を排出し、反応器排出流の少なくとも一部を吸収塔に送ることを含む、態様E1〜E14のいずれかの方法。
E16.カルボニル化が、反応器排出流の少なくとも一部を凝縮して、凝縮された反応器戻り流、及びヨウ化水素を含む反応器排出蒸気流を形成し、反応器排出蒸気流を吸収塔に送ることを含む、態様E1〜E15のいずれかの方法。
E17.第2の蒸気流をデカンテーションして、ヨウ化水素を含むデカンター排出流を形成し、第2の蒸気流の少なくとも一部がデカンター排出流を含む、態様E1〜E16のいずれかの方法。
E18.分離が、第2の蒸気流の少なくとも一部を凝縮して、凝縮された軽質留分戻り流、及びヨウ化水素を含む軽質留分排出蒸気流を形成し、軽質留分排出蒸気流を吸収塔に送ることを更に含む、態様E1〜E16のいずれかの方法。
E19.反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し、場合によってはヨウ化水素を含む反応器排出流を反応器から排出し;
粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチルを含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し、場合によっては第1の蒸気流の少なくとも一部を凝縮して、凝縮されたフラッシャー戻り流、及びヨウ化水素を含むフラッシャー排出流を形成し;
軽質留分カラム内において、フラッシングされた第1の蒸気流を分離して、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第2の蒸気流、精製された酢酸生成物を含む側流、及び第2の液体残渣流を形成し;
反応器排出流、フラッシャー排出流、及び第2の蒸気流の少なくとも1つの少なくとも一部を吸収塔に供給して始動期間を開始し;
始動期間中に、吸収塔供給流を、酢酸を含む第1の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチルを吸収して、第1の吸収剤及び吸収されたヨウ化メチルを含む第1の吸収器戻り流を形成し;
第1の吸収器戻り流を軽質留分カラム及び/又は乾燥カラムに送り;
吸収塔への第1の吸収剤の供給を停止することによって、切り替え期間中に始動運転から定常運転に移行させ;
メタノール及び/又は酢酸メチルを含む第2の吸収剤を吸収塔に供給し、
ここで、切り替え期間の少なくとも一部の間に、酢酸、メタノール、及びヨウ化メチルを吸収塔に供給し;
酢酸、メタノール、及びヨウ化メチルを含む混合吸収器戻り流を形成し;
混合吸収器戻り流を吸収塔から反応器に送り;
切り替え期間の後に定常状態運転を開始し、
定常状態運転中に、第2の蒸気流を、メタノール及び/又は酢酸メチルを含む第2の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第2の吸収剤及び吸収されたヨウ化メチルを含む第2の吸収器戻り流を形成し;
定常状態運転中において、第2の吸収器戻り流をメタノール又はその反応性誘導体と混合して混合流を形成し;そして
混合流を反応器に送る;
ことを含む、カルボニル化プロセスにおいて吸収塔を運転する方法。
E20.第2の吸収剤がメタノールから実質的に構成される、態様E19の方法。
E21.接触の前に第1の吸収剤及び/又は第2の吸収剤を冷却する工程を更に含む、態様E19又はE20の方法。
E22.吸収塔への第1の吸収剤の供給の停止、及び吸収塔へ第2の吸収剤の供給を実質的に同時に行う、態様E19〜E21のいずれかの方法。
E23.反応器排出流、フラッシャー排出流、及び第2の蒸気流の少なくとも2つの少なくとも一部を混合して吸収塔供給流を形成する、態様E19〜E22のいずれかの方法。
E24.反応器排出流及び第2の蒸気流の流量が、残りの排出流の混合流量よりも大きい、態様E19〜E23のいずれかの方法。
E25.反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し、場合によってはヨウ化水素を含む反応器排出流を反応器から排出し;
反応器排出流の少なくとも一部を凝縮して凝縮した反応器排出流を形成し;
凝縮した反応器排出流の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;
吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第1の吸収剤、並びに吸収されたヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第1の抽出物を形成し;
第1の抽出物を、直接か又は間接的に軽質留分カラム及び/又は乾燥カラムに送り;
吸収塔への第1の吸収剤の供給を減少させ;
吸収塔供給流を、メタノール及び/又は酢酸メチルを含む第2の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第2の吸収剤及び吸収されたヨウ化メチルを含む第2の抽出物を形成し;
第2の抽出物を、直接か又は間接的に反応器に送る;
ことを含む酢酸の製造方法。
E26.反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し;
粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチルを含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し、場合によっては第1の蒸気流の一部を凝縮して、凝縮されたフラッシャー戻り流、及びヨウ化水素を含むフラッシャー排出流を形成し;
フラッシャー排出流の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;
吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第1の吸収剤、並びに吸収されたヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第1の抽出物を形成し;
第1の抽出物を、直接か又は間接的に軽質留分カラム及び/又は乾燥カラムに送り;
吸収塔への第1の吸収剤の供給を減少させ;
吸収塔供給流を、メタノール及び/又は酢酸メチルを含む第2の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第2の吸収剤及び吸収されたヨウ化メチルを含む第2の抽出物を形成し;
第2の抽出物を、直接か又は間接的に反応器に送る;
ことを含む酢酸の製造方法。
E27.供給工程の前にフラッシャー排出流を凝縮する、態様E26の方法。
E28.反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し;
粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチルを含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し;
軽質留分カラム内において、フラッシングされた第1の蒸気流を分離して、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第2の蒸気流、精製された酢酸生成物を含む側流、及び第2の液体残渣流を形成し;
第2の蒸気流の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;
吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第1の吸収剤、並びに吸収されたヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第1の抽出物を形成し;
第1の抽出物を、直接か又は間接的に軽質留分カラム及び/又は乾燥カラムに送り;
吸収塔への第1の吸収剤の供給を減少させ;
吸収塔供給流を、メタノール及び/又は酢酸メチルを含む第2の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第2の吸収剤及び吸収されたヨウ化メチルを含む第2の抽出物を形成し;
第2の抽出物を、直接か又は間接的に反応器に送る;
ことを含む酢酸の製造方法。
E29.供給工程の前に第2の蒸気流を凝縮する、態様E28の方法。
E30.反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し;
粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチルを含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し、場合によっては第1の蒸気流の一部を凝縮して、凝縮されたフラッシャー戻り流、及びヨウ化水素を含むフラッシャー排出流を形成し;
軽質留分カラム内において、フラッシングされた第1の蒸気流を分離して、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第2の蒸気流、精製された酢酸生成物を含む側流、及び第2の液体残渣流を形成し;
第2の蒸気流をデカンテーションして、アセトアルデヒド及びヨウ化水素を含む軽質相、並びにアセトアルデヒド、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及びヨウ化水素を含む重質相を形成し;
軽質相及び/又は重質相の少なくとも一部をPRC除去システム内で分離して、ヨウ化水素を含むPRS塔頂流を形成し;
場合によっては、PRS塔頂流を塔頂流受容器内に回収し、ヨウ化水素を含むPRS塔頂流受容器排出流を塔頂流受容器から排出し;
PRS塔頂流受容器排出流及び/又はPRS塔頂流の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;
吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤と接触させて、ヨウ化水素を吸収して、吸収されたヨウ化水素を含む第1の抽出物を形成する;
ことを含む酢酸の製造方法。
E31.反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し、場合によってはヨウ化水素を含む反応器排出流を反応器から排出し;
粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチルを含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し、場合によっては第1の蒸気流の一部を凝縮して、凝縮されたフラッシャー戻り流、及びヨウ化水素を含むフラッシャー排出流を形成し;
軽質留分カラム内において、フラッシングされた第1の蒸気流を分離して、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第2の蒸気流、精製された酢酸生成物を含む側流、及び第2の液体残渣流を形成し;
第2の蒸気流をデカンテーションして、アセトアルデヒド及びヨウ化水素を含む軽質相、並びにアセトアルデヒド、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及びヨウ化水素を含む重質相を形成し;
軽質相及び/又は重質相の少なくとも一部をPRC除去システムに分離して、ヨウ化水素を含むPRS塔頂流を形成し;
場合によっては、PRS塔頂流を塔頂流受容器内に回収し、ヨウ化水素を含むPRS塔頂流受容器排出流を塔頂流受容器から排出し;
PRS塔頂流受容器排出流及び/又はPRS塔頂流の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;
吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第1の吸収剤、並びに吸収されたヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第1の抽出物を形成し;
吸収塔への第1の吸収剤の供給を減少させ;
吸収塔供給流を、メタノール及び/又は酢酸メチルを含む第2の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第2の吸収剤及び吸収されたヨウ化メチルを含む第2の抽出物を形成する;
ことを含む酢酸の製造方法。
E32.第2の抽出物を直接か又は間接的に反応器に送ることを更に含む、態様E31の方法。
E33.反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し;
粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチルを含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し、場合によっては第1の蒸気流の一部を凝縮して、凝縮されたフラッシャー戻り流、及びヨウ化水素を含むフラッシャー排出流を形成し;
フラッシャー排出流の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;
吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第1の吸収剤、ヨウ化水素、及びヨウ化メチルを含む第1の抽出物を形成する;
ことを含む、酢酸の製造方法。
E34.反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し;
粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチルを含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し;
軽質留分カラム内において、フラッシングされた第1の蒸気流を分離して、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第2の蒸気流、精製された酢酸生成物を含む側流、及び第2の液体残渣流を形成し;
第2の蒸気流の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;
吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第1の吸収剤、ヨウ化水素、及びヨウ化メチルを含む第1の抽出物を形成する;
ことを含む酢酸の製造方法。
E35.反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し;
粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチルを含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し、場合によっては第1の蒸気流の一部を凝縮して、凝縮されたフラッシャー戻り流、及びヨウ化水素を含むフラッシャー排出流を形成し;
軽質留分カラム内において、フラッシングされた第1の蒸気流を分離して、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第2の蒸気流、精製された酢酸生成物を含む側流、及び第2の液体残渣流を形成し;
第2の蒸気流をデカンテーションして、アセトアルデヒド及びヨウ化水素を含む軽質相、並びにアセトアルデヒド、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及びヨウ化水素を含む重質相を形成し;
軽質相及び/又は重質相の少なくとも一部を、単一のカラムを含むPRC除去システム内において分離して、ヨウ化水素を含むPRS塔頂流を形成し;
場合によっては、PRS塔頂流を塔頂流受容器内に回収し、ヨウ化水素を含むPRS塔頂流受容器排出流を塔頂流受容器から排出し;
PRS塔頂流受容器排出流及び/又はPRS塔頂流の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;
吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤と接触させて、ヨウ化水素を吸収して、吸収されたヨウ化水素を含む第1の抽出物を形成し;そして
場合によっては、吸収塔供給流を、メタノール及び/又は酢酸メチルを含む第2の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第2の吸収剤及び吸収されたヨウ化メチルを含む第2の抽出物を形成する;
ことを含む酢酸の製造方法。
E36.反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し;
粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチルを含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し、場合によっては第1の蒸気流の一部を凝縮して、凝縮されたフラッシャー戻り流、及びヨウ化水素を含むフラッシャー排出流を形成し;
軽質留分カラム内において、フラッシングされた第1の蒸気流を分離して、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第2の蒸気流、精製された酢酸生成物を含む側流、及び第2の液体残渣流を形成し;
第2の蒸気流をデカンテーションして、アセトアルデヒド及びヨウ化水素を含む軽質相、並びにアセトアルデヒド、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及びヨウ化水素を含む重質相を形成し;
軽質相及び/又は重質相の少なくとも一部を、第1のカラム及び第2のカラムを含むPRC除去システム内において分離して、第2のPRC除去カラムからヨウ化水素を含む第2のPRS塔頂流を得て;
場合によっては、第2のPRS塔頂流を塔頂流受容器内に回収し、ヨウ化水素を含む第2のPRS塔頂流受容器排出流を塔頂流受容器から排出し;
第2のPRS塔頂流受容器排出流及び/又はPRS塔頂流の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;
吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤と接触させて、ヨウ化水素を吸収して、吸収されたヨウ化水素を含む第1の抽出物を形成し;そして
場合によっては、吸収塔供給流を、メタノール及び/又は酢酸メチルを含む第2の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第2の吸収剤及び吸収されたヨウ化メチルを含む第2の抽出物を形成する;
ことを含む酢酸の製造方法。
E37.第2の吸収剤がメタノールから実質的に構成される、態様E1〜E36のいずれかの方法。
E38.接触の前に第1の吸収剤又は第2の吸収剤を冷却する工程を更に含む、態様E1〜E37のいずれかの方法。
E39.供給工程の前に第2の蒸気流を凝縮する、態様E1〜E38のいずれかの方法。
E40.第2の抽出物を直接か又は間接的に反応器に送ることを更に含む、態様E1〜E39のいずれかの方法。
[0145]本発明を詳細に記載したが、発明の精神及び範囲内の修正は当業者に容易に明らかになるであろう。上記の議論、当該技術における関連する知識、並びに背景及び詳細な説明に関連して上記で議論した参照文献(これらの開示事項は全て参照として本明細書中に包含する)を考慮すると。更に、下記及び/又は添付の特許請求の範囲において示されている本発明の複数の形態並びに種々の態様及び種々の特徴の複数の部分を、完全か又は部分的に結合又は交換することができることを理解すべきである。当業者に認められるように、種々の態様の上記の記載においては他の態様を示すこれらの態様を他の態様と適当に組み合わせることができる。更に、当業者であれば、上記の記載は例示のみの目的であり、本発明を限定することは意図しないことを認識するであろう。

Claims (29)

  1. 反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し、場合によってはヨウ化水素を含む反応器排出流を反応器から排出し;
    反応器排出流の少なくとも一部を凝縮して凝縮した反応器排出流を形成し;
    凝縮した反応器排出流の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;
    吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第1の吸収剤、並びに吸収されたヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第1の抽出物を形成し;
    第1の抽出物を、直接か又は間接的に軽質留分カラム及び/又は乾燥カラムに送り;
    吸収塔への第1の吸収剤の供給を減少させ;
    吸収塔供給流を、メタノール及び/又は酢酸メチルを含む第2の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第2の吸収剤及び吸収されたヨウ化メチルを含む第2の抽出物を形成し;
    第2の抽出物を、直接か又は間接的に反応器に送る;
    ことを含む酢酸の製造方法。
  2. 第2の吸収剤がメタノールから実質的に構成される、請求項1に記載の方法。
  3. 接触の前に第1の吸収剤又は第2の吸収剤を冷却する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  4. 第2の抽出物を直接か又は間接的に反応器に送ることを更に含む、請求項1に記載の方法。
  5. 反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し;
    粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチルを含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し、場合によっては第1の蒸気流の一部を凝縮して、凝縮されたフラッシャー戻り流、及びヨウ化水素を含むフラッシャー排出流を形成し;
    フラッシャー排出流の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;
    吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第1の吸収剤、並びに吸収されたヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第1の抽出物を形成し;
    第1の抽出物を、直接か又は間接的に軽質留分カラム及び/又は乾燥カラムに送り;
    吸収塔への第1の吸収剤の供給を減少させ;
    吸収塔供給流を、メタノール及び/又は酢酸メチルを含む第2の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第2の吸収剤及び吸収されたヨウ化メチルを含む第2の抽出物を形成し;
    第2の抽出物を、直接か又は間接的に反応器に送る;
    ことを含む酢酸の製造方法。
  6. 第2の吸収剤がメタノールから実質的に構成される、請求項5に記載の方法。
  7. 接触の前に第1の吸収剤又は第2の吸収剤を冷却する工程を更に含む、請求項5に記載の方法。
  8. 供給工程の前にフラッシャー排出流を凝縮する、請求項5に記載の方法。
  9. 第2の抽出物を直接か又は間接的に反応器に送ることを更に含む、請求項5に記載の方法。
  10. 反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し;
    粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチルを含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し;
    軽質留分カラム内において、フラッシングされた第1の蒸気流を分離して、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第2の蒸気流、精製された酢酸生成物を含む側流、及び第2の液体残渣流を形成し;
    第2の蒸気流の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;
    吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第1の吸収剤、並びに吸収されたヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第1の抽出物を形成し;
    第1の抽出物を、直接か又は間接的に軽質留分カラム及び/又は乾燥カラムに送り;
    吸収塔への第1の吸収剤の供給を減少させ;
    吸収塔供給流を、メタノール及び/又は酢酸メチルを含む第2の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第2の吸収剤及び吸収されたヨウ化メチルを含む第2の抽出物を形成し;
    第2の抽出物を、直接か又は間接的に反応器に送る;
    ことを含む酢酸の製造方法。
  11. 第2の吸収剤がメタノールから実質的に構成される、請求項10に記載の方法。
  12. 接触の前に第1の吸収剤又は第2の吸収剤を冷却する工程を更に含む、請求項10に記載の方法。
  13. 供給工程の前に第2の蒸気流を凝縮する、請求項10に記載の方法。
  14. 第2の抽出物を直接か又は間接的に反応器に送ることを更に含む、請求項10に記載の方法。
  15. 反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し、場合によってはヨウ化水素を含む反応器排出流を反応器から排出し;
    粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチルを含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し、場合によっては第1の蒸気流の一部を凝縮して、凝縮されたフラッシャー戻り流、及びヨウ化水素を含むフラッシャー排出流を形成し;
    軽質留分カラム内において、フラッシングされた第1の蒸気流を分離して、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第2の蒸気流、精製された酢酸生成物を含む側流、及び第2の液体残渣流を形成し;
    第2の蒸気流をデカンテーションして、アセトアルデヒド及びヨウ化水素を含む軽質相、並びにアセトアルデヒド、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及びヨウ化水素を含む重質相を形成し;
    軽質相及び/又は重質相の少なくとも一部をPRC除去システムに分離して、ヨウ化水素を含むPRS塔頂流を形成し;
    場合によっては、PRS塔頂流を塔頂流受容器内に回収し、ヨウ化水素を含むPRS塔頂流受容器排出流を塔頂流受容器から排出し;
    PRS塔頂流受容器排出流及び/又はPRS塔頂流の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;
    吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第1の吸収剤、並びに吸収されたヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第1の抽出物を形成し;
    吸収塔への第1の吸収剤の供給を減少させ;
    吸収塔供給流を、メタノール及び/又は酢酸メチルを含む第2の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第2の吸収剤及び吸収されたヨウ化メチルを含む第2の抽出物を形成する;
    ことを含む酢酸の製造方法。
  16. 第2の吸収剤がメタノールから実質的に構成される、請求項15に記載の方法。
  17. 接触の前に第1の吸収剤又は第2の吸収剤を冷却する工程を更に含む、請求項15に記載の方法。
  18. 供給工程の前に第2の蒸気流を凝縮する、請求項15に記載の方法。
  19. 第2の抽出物を直接か又は間接的に反応器に送ることを更に含む、請求項15に記載の方法。
  20. 反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し;
    粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチルを含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し、場合によっては第1の蒸気流の一部を凝縮して、凝縮されたフラッシャー戻り流、及びヨウ化水素を含むフラッシャー排出流を形成し;
    フラッシャー排出流の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;
    吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第1の吸収剤、ヨウ化水素、及びヨウ化メチル含む第1の抽出物を形成する;
    ことを含む酢酸の製造方法。
  21. 第1の吸収剤が酢酸である、請求項20に記載の方法。
  22. 反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し;
    粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチルを含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し;
    軽質留分カラム内において、フラッシングされた第1の蒸気流を分離して、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第2の蒸気流、精製された酢酸生成物を含む側流、及び第2の液体残渣流を形成し;
    第2の蒸気流の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;
    吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第1の吸収剤、ヨウ化水素、及びヨウ化メチルを含む第1の抽出物を形成する;
    ことを含む酢酸の製造方法。
  23. 第1の吸収剤が酢酸である、請求項22に記載の方法。
  24. 反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し;
    粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチルを含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し、場合によっては第1の蒸気流の一部を凝縮して、凝縮されたフラッシャー戻り流、及びヨウ化水素を含むフラッシャー排出流を形成し;
    軽質留分カラム内において、フラッシングされた第1の蒸気流を分離して、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第2の蒸気流、精製された酢酸生成物を含む側流、及び第2の液体残渣流を形成し;
    第2の蒸気流をデカンテーションして、アセトアルデヒド及びヨウ化水素を含む軽質相、並びにアセトアルデヒド、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及びヨウ化水素を含む重質相を形成し;
    軽質相及び/又は重質相の少なくとも一部をPRC除去システム内において分離して、ヨウ化水素を含むPRS塔頂流を形成し;
    場合によっては、PRS塔頂流を塔頂流受容器内に回収し、ヨウ化水素を含むPRS塔頂流受容器排出流を塔頂流受容器から排出し;
    PRS塔頂流受容器排出流及び/又はPRS塔頂流の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;
    吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤と接触させて、ヨウ化水素を吸収して、吸収されたヨウ化水素を含む第1の抽出物を形成する;
    ことを含む酢酸の製造方法。
  25. 第1の吸収剤が酢酸である、請求項20に記載の方法。
  26. 反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し;
    粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチルを含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し、場合によっては第1の蒸気流の一部を凝縮して、凝縮されたフラッシャー戻り流、及びヨウ化水素を含むフラッシャー排出流を形成し;
    軽質留分カラム内において、フラッシングされた第1の蒸気流を分離して、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第2の蒸気流、精製された酢酸生成物を含む側流、及び第2の液体残渣流を形成し;
    第2の蒸気流をデカンテーションして、アセトアルデヒド及びヨウ化水素を含む軽質相、並びにアセトアルデヒド、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及びヨウ化水素を含む重質相を形成し;
    軽質相及び/又は重質相の少なくとも一部を、単一のカラムを含むPRC除去システム内において分離して、ヨウ化水素を含むPRS塔頂流を形成し;
    場合によっては、PRS塔頂流を塔頂流受容器内に回収し、ヨウ化水素を含むPRS塔頂流受容器排出流を塔頂流受容器から排出し;
    PRS塔頂流受容器排出流及び/又はPRS塔頂流の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;
    吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤と接触させて、ヨウ化水素を吸収して、吸収されたヨウ化水素を含む第1の抽出物を形成し;そして
    場合によっては、吸収塔供給流を、メタノール及び/又は酢酸メチルを含む第2の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第2の吸収剤及び吸収されたヨウ化メチルを含む第2の抽出物を形成する;
    ことを含む酢酸の製造方法。
  27. 第1の吸収剤が酢酸である、請求項26に記載の方法。
  28. 反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルの少なくとも1つを、金属触媒、ヨウ化メチル、ヨウ化物塩、並びに場合によっては酢酸及び限定量の水を含む反応媒体中でカルボニル化して酢酸を含む粗酢酸生成物を形成し;
    粗酢酸生成物を、熱を加えるか又は加えないでフラッシングして、酢酸及びヨウ化メチルを含む第1の蒸気流、並びに金属触媒及びハロゲン化物塩を含む第1の液体残渣流を形成し、場合によっては第1の蒸気流の一部を凝縮して、凝縮されたフラッシャー戻り流、及びヨウ化水素を含むフラッシャー排出流を形成し;
    軽質留分カラム内において、フラッシングされた第1の蒸気流を分離して、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を含む第2の蒸気流、精製された酢酸生成物を含む側流、及び第2の液体残渣流を形成し;
    第2の蒸気流をデカンテーションして、アセトアルデヒド及びヨウ化水素を含む軽質相、並びにアセトアルデヒド、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及びヨウ化水素を含む重質相を形成し;
    軽質相及び/又は重質相の少なくとも一部を、第1のカラム及び第2のカラムを含むPRC除去システム内において分離して、第2のPRC除去カラムからヨウ化水素を含む第2のPRS塔頂流を得て;
    場合によっては、第2のPRS塔頂流を塔頂流受容器内に回収し、ヨウ化水素を含む第2のPRS塔頂流受容器排出流を塔頂流受容器から排出し;
    第2のPRS塔頂流受容器排出流及び/又はPRS塔頂流の少なくとも一部を含む吸収塔供給流を吸収塔に供給し;
    吸収塔供給流を、酢酸、メタノール、及び酢酸メチルからなる群から選択される第1の吸収剤と接触させて、ヨウ化水素を吸収して、吸収されたヨウ化水素を含む第1の抽出物を形成し;そして
    場合によっては、吸収塔供給流を、メタノール及び/又は酢酸メチルを含む第2の吸収剤と接触させて、ヨウ化メチル及びヨウ化水素を吸収して、第2の吸収剤及び吸収されたヨウ化メチルを含む第2の抽出物を形成する;
    ことを含む酢酸の製造方法。
  29. 第1の吸収剤が酢酸である、請求項28に記載の方法。
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