JP2012092685A - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】大気圧を検出する圧力センサと燃料タンク内の圧力を検出する圧力センサの誤差に拘わらずに燃料タンク内のゲージ圧を精度よく算出し、燃料タンク内に発生するベーパを確実に吸着できる蒸発燃料処理装置を提供することを課題とする。
【解決手段】燃料タンク2のタンク内圧を検出するタンク内圧センサPS2と、大気圧を検出する大気圧センサPS1と、キャニスタ15と燃料タンク2を連通するベーパ通路14に設けられるベーパ制御弁14aと、所定の状態のときに、タンク内圧センサPS2の検出値と大気圧センサPS1の検出値と予め学習された補正値に基づいてベーパ制御弁14aを開閉制御する制御装置10と、を有する蒸発燃料処理装置1とする。そして、制御装置10は、大気圧を基準とするタンク内圧のゲージ圧を補正値で補正した補正ゲージ圧に基づいてベーパ制御弁14aを開閉制御することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関に供給される燃料を貯留する燃料タンクで発生する蒸発燃料を処理する蒸発燃料処理装置に関する。
車両等の内燃機関に供給する燃料を貯留する燃料タンクでは、燃料の一部が蒸発して蒸発燃料(ベーパ)が発生する。このようなベーパが大気中に放出されることを防止するため、内燃機関を備える車両は蒸発燃料処理装置を備えている。
例えば給油口が開かれるときに燃料タンク内の内圧が高いと、給油口からベーパが大気中に放出されて大気汚染の要因となることから、給油口が開かれるときは燃料タンクに発生しているベーパを蒸発燃料処理装置で回収して大気への放出を防止するように構成される。
燃料タンクに発生するベーパは内燃機関に供給して焼却できるが、内燃機関と駆動用モータを併用して走行する車両(ハイブリッド車両)は、内燃機関を駆動する時間が短くベーパを内燃機関で充分に焼却できないことが想定される。したがって、特にハイブリッド車両は燃料タンク内にベーパが溜まりやすく、給油口からのベーパの放出を確実に防止することが必要となる。
例えば特許文献1には、燃料タンク内の圧力を負圧に維持して、ベーパが大気中に放出されることを防止する蒸発燃料放出防止装置(蒸発燃料処理装置)が開示されている。
特許文献1に開示されている蒸発燃料放出防止装置によると、燃料タンク内の圧力と大気圧に応じて制御弁を制御し、燃料タンク内の圧力を負圧に維持することができる。
特開2001−123891号公報
特許文献1に開示されている蒸発燃料放出防止装置は、燃料タンクの内圧の絶対圧力をタンク内圧センサで検出し、大気圧の絶対圧力を大気圧センサで検出するように構成される。そして、大気圧センサが検出する大気圧(絶対圧力)とタンク内圧センサが検出する燃料タンクの内圧(絶対圧力)から大気圧を基準とした燃料タンク内のゲージ圧を算出し、算出した燃料タンク内のゲージ圧に応じて、燃料タンク内の圧力を調節するタンク内圧制御弁を制御している。
したがって、タンク内圧制御弁の制御には2つの圧力センサ(タンク内圧センサ、大気圧センサ)の検出値が必要になるため、タンク内圧センサと大気圧センサに誤差が生じた場合、タンク内圧制御弁は誤差が2重に計上された状態で制御されることになる。つまり、タンク内圧センサと大気圧センサの少なくとも一方に誤差が生じると、大気圧を基準とする燃料タンク内のゲージ圧を精度よく検出することができなくなるという問題がある。そして、低い精度で検出された燃料タンク内のゲージ圧でタンク内圧制御弁を制御することになり、タンク内圧制御弁を制御する精度が低下する。
そこで、本発明は、大気圧を検出する圧力センサと燃料タンク内の圧力を検出する圧力センサの誤差に拘わらずに燃料タンク内のゲージ圧を精度よく算出できるとともに、算出された燃料タンク内のゲージ圧に応じた流速でベーパをキャニスタに送り込んで確実にベーパを吸着できる蒸発燃料処理装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために本発明の請求項1は、内燃機関に供給する燃料を貯留する燃料タンクのタンク内圧を検出するタンク内圧検出手段と、大気圧を検出する大気圧検出手段と、前記燃料タンクに発生する蒸発燃料を吸着して回収するキャニスタと前記燃料タンクを連通するベーパ通路の途中に設けられる制御弁と、所定の状態のときに、前記タンク内圧検出手段の検出値と前記大気圧検出手段の検出値と予め学習された補正値に基づいて前記制御弁を開閉制御する制御装置と、を有することを特徴とする蒸発燃料処理装置とする。
この発明によると、燃料タンクに発生するベーパを含んだ空気がキャニスタまで流れるベーパ通路に備わる制御弁を、タンク内圧検出手段の検出値と大気圧検出手段の検出値と予め学習された補正値に基づいて開閉制御できる。したがって、タンク内圧検出手段と大気圧検出手段の少なくとも一方に発生する誤差を補正値で吸収した圧力値に基づいて制御弁を開閉制御できる。このことによって、タンク内圧検出手段と大気圧検出手段の少なくとも一方に誤差が発生した場合であっても、その誤差を吸収してベーパ通路に備わる制御弁を開閉制御することができ、ベーパを含んだ空気がベーパ通路を流れるときの流速を好適な速度にして燃料タンクに発生するベーパを確実にキャニスタに吸着させることができる。ひいては、ベーパの放出を確実に防止できる。
また、請求項2に記載の発明は請求項1に記載の蒸発燃料処理装置であって、前記制御装置は、前記タンク内圧検出手段の検出値と前記大気圧検出手段の検出値に基づいて大気圧を基準とする前記タンク内圧のゲージ圧を算出するとともに、算出した前記タンク内圧のゲージ圧を前記補正値で補正した補正ゲージ圧に基づいて前記制御弁を開閉制御することを特徴とする。
この発明によると、制御装置は、タンク内圧検出手段と大気圧検出手段に発生する誤差を予め学習された補正値で補正することで吸収し、大気圧を基準としたタンク内圧のゲージ圧を算出できる。そして、制御装置は、算出したタンク内圧のゲージ圧に基づいて制御弁を開閉制御できる。したがって、制御装置は、タンク内圧検出手段と大気圧検出手段の少なくとも一方に発生する誤差を補正値で吸収したゲージ圧に基づいて制御弁を開閉制御できる。
また、請求項3に記載の発明は請求項1または請求項2に記載の蒸発燃料処理装置であって、前記タンク内圧が大気圧と等しくなる状態のときの前記タンク内圧検出手段の検出値と前記大気圧検出手段の検出値の差に基づいて前記補正値を学習することを特徴とする。
この発明によると、制御装置は、燃料タンクのタンク内圧が大気圧と等しくなったときの、タンク内圧検出手段の検出値と大気圧検出手段の検出値の差を補正値として学習できる。
また、請求項4に記載の発明は請求項3に記載の蒸発燃料処理装置であって、前記タンク内圧が大気圧と等しくなる状態は、前記燃料タンクの給油口を開閉可能に備わるフュエルリッドのロック状態が解除された状態であることを特徴とする。
この発明によると、制御装置は、燃料タンクの給油口を開閉可能に備わるフュエルリッドのロック状態が解除されたときにタンク内圧が大気圧と等しくなったと判定できる。そして、補正値を学習できる。
また、請求項5に記載の発明は請求項3に記載の蒸発燃料処理装置であって、前記タンク内圧が大気圧と等しくなる状態は、前記制御弁が開弁した後に、前記タンク内圧検出手段の検出値の変動量が予め設定された閾値より小さい状態であることを特徴とする。
この発明によると、制御装置は、制御弁が開弁した後に、タンク内圧が予め設定される閾値より小さくなったときにタンク内圧が大気圧と等しくなったと判定できる。そして、補正値を学習できる。
また、請求項6に記載の発明は請求項1または請求項2に記載の蒸発燃料処理装置であって、前記タンク内圧検出手段が前記タンク内圧を検出する第1状態と、前記タンク内圧検出手段が大気圧を検出する第2状態と、を切り替える切替手段を備え、前記制御装置は、前記所定の状態のときに前記切替手段を前記第1状態に切り替えて、前記タンク内圧検出手段の検出値と前記大気圧検出手段の検出値と前記補正値に基づいて前記制御弁を開閉制御し、前記所定の状態以外のときに前記切替手段を前記第2状態に切り替えて、前記補正値を学習することを特徴とする。
この発明によると、タンク内圧検出手段は、切替手段の切り替えに応じてタンク内圧と大気圧を検出できる。そして制御装置は、タンク内圧検出手段が大気圧を検出するときの検出値と大気圧検出手段の検出値の差を補正値として学習することができる。
さらに、制御装置は、タンク内圧検出手段がタンク内圧を検出するときの検出値と大気圧検出手段の検出値と学習された補正値に基づいて、ベーパ通路に備わる制御弁を開閉制御できる。
また、請求項7に記載の発明は請求項6に記載の蒸発燃料処理装置であって、前記制御装置は、前記切替手段を前記第2状態に切り替えたときの前記タンク内圧検出手段の検出値と前記大気圧検出手段の検出値の差に基づいて前記補正値を学習することを特徴とする。
この発明によると、制御装置は、タンク内圧検出手段が大気圧を検出するように切替手段を切り替えたときの、タンク内圧検出手段の検出値と、大気圧検出手段の検出値と、の差を補正値として学習することができる。
本発明によると、大気圧を検出する圧力センサと燃料タンク内の圧力を検出する圧力センサの誤差に拘わらずに燃料タンク内のゲージ圧を精度よく算出できるとともに、算出された燃料タンク内のゲージ圧に応じた流速でベーパをキャニスタに送り込んで確実にベーパを吸着できる蒸発燃料処理装置を提供できる。
第1の実施形態に係る蒸発燃料処理装置を備える燃料供給系統を示す図である。 第1の実施形態に係る補正値学習手順を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る蒸発燃料処理装置を備える燃料供給系統を示す図である。 第2の実施形態に係る補正値学習手順を示すフローチャートである。
《第1の実施形態》
以下、本発明を実施するための第1の実施形態について、適宜図を参照して詳細に説明する。
第1の実施形態に係る蒸発燃料処理装置は、例えば内燃機関と駆動用モータが備わるハイブリッド車両の内燃機関に燃料を供給する燃料供給系統に備わっている。
図1に示すように、図示しないハイブリッド車両の燃料供給系統は、燃料タンク2に貯留される燃料を燃料ポンプP1で汲み上げて燃料供給管9に流通させ、内燃機関であるエンジンEに供給する系である。
エンジンEは、例えば、ガソリンエンジンであって、インテークマニホールド22によってエアクリーナ20およびスロットル弁21を介して吸気される空気と、燃料タンク2から供給されて気化した燃料と、を混合して図示しないシリンダに噴射する複数のインジェクタ8を含んで構成される。
また、燃料タンク2には、燃料を給油するための給油口3aがフィラパイプ3を介して接続されている。
給油口3aには図示しないフュエルキャップが備わり、このフュエルキャップは、給油口3aを開閉可能に備わるフュエルリッド3bが開いたときに取り付けおよび取り外しが可能になるように構成される。フュエルリッド3bは、通常状態で開くことが不可能にロックされた状態(ロック状態)になるように構成される。例えば、運転者が操作するリッドスイッチSW1から出力される開指令を検出したときに制御装置10が出力する制御信号(例えば、電気信号)でロック状態が解除され、フュエルリッド3bを例えば運転者が開くことが可能な状態になり、さらに、フュエルキャップの取り外しが可能となる。または、制御装置10が開指令を検出したときに出力する制御信号で駆動する図示しないモータ等のアクチュエータで自動的に開く電動式であってもよい。
そしてフュエルリッド3bは、リッドスイッチSW1から開指令が出力されている間は開いた状態にあり、運転者がフュエルリッド3bを閉じたことを検出する図示しないリッドモニタから出力される閉指令を検出したときに制御装置10から出力される制御信号でロックされるように構成される。この構成によると、リッドスイッチSW1はフュエルリッド3bの開指令を出力する指令出力手段になる。
または、図示しないフュエルキャップに、リッドスイッチSW1から出力される開指令に基づいて制御装置10が出力する制御信号で開錠されるロック機構が備わる構成であってもよい。この場合、フュエルキャップが給油口3aに取り付けられたことを検出するキャップモニタから閉指令が出力されると、制御装置10がフュエルキャップをロックするようにロック機構を制御する構成が好ましい。
また、燃料タンク2と給油口3aはベーパリターンチューブ4で接続され、給油されるときに蒸発する燃料が給油口3aまで還流するように構成される。
このように構成される燃料供給系統を備えるハイブリッド車両では、燃料タンク2内に貯留される燃料の一部が蒸発して燃料タンク2内に蒸発燃料(ベーパ)が発生する。
そこで、ハイブリッド車両には、燃料タンク2に発生するベーパを燃料タンク2の外部に排出するとともに燃料タンク2から排出されたベーパがハイブリッド車両の外部(大気中)に放出されることを防止する蒸発燃料処理装置1が備わっている。
蒸発燃料処理装置1は、燃料タンク2内に発生しているベーパを、主に燃料の給油時に燃料タンク2の外に排出して回収する装置であり、比較的太さの太いベーパ通路14で燃料タンク2と接続されるキャニスタ15を含んで構成される。
キャニスタ15は、例えば、給油時に燃料タンク2へ注油される燃料によって燃料タンク2から押し出される空気に含まれるベーパを吸着して回収する吸着材を備え、ベーパが大気中に放出されることを防止する装置である。
また、キャニスタ15には、ドレインパイプ16を介してキャニスタフィルタ15aが接続され、ベーパが吸着されて除去された後の浄化された空気がキャニスタフィルタ15aを通過して大気に放出される。
キャニスタフィルタ15aではベーパが除去された後の空気に含まれる塵芥等が除去される。
キャニスタ15と燃料タンク2を接続するベーパ通路14は、燃料タンク2との接続部で2つに分岐し、一方の接続部には給油用フロート7aが備わり、他方の接続部にはカットバルブ7bが備わっている。給油用フロート7aは、給油時に燃料タンク2内が燃料で満たされた状態(いわゆる満タン状態)を検出し、カットバルブ7bは、燃料タンク2が大きく傾斜した場合に閉弁して燃料が燃料タンク2から漏出することを防止する。
また、ベーパ通路14には、ベーパ制御弁14aが備わっている。ベーパ制御弁14aは、例えば、リッドスイッチSW1が出力するフュエルリッド3bの開指令に同期して開閉するオンオフ制御可能なソレノイド弁やデューティ制御可能な開閉弁などの電磁弁である。
具体的にベーパ制御弁14aは、リッドスイッチSW1からフュエルリッド3bの開指令が出力すると、その開指令を検出した制御装置10から出力される制御信号で開弁し、図示しないリッドモニタから閉指令が出力すると、その閉指令を検出した制御装置10から出力される制御信号で閉弁するように構成される。
なお、ベーパ制御弁14aは、フュエルリッド3bの開閉に同期して開閉する構成であってもよい。
また、ベーパ制御弁14aは、開度を調節可能な開度調節弁であってもよく、例えば制御装置10によって開閉制御されて、開閉および開度が調節される構成としてもよい。
キャニスタ15は、パージ調整弁19aを備えるパージパイプ19を介してインテークマニホールド22と接続される。そして、エンジンEの駆動中にパージ調整弁19aおよびベーパ制御弁14aが開弁すると、燃料タンク2内に発生しているベーパがインテークマニホールド22の負圧によって吸引され、インジェクタ8から図示しないシリンダに噴射される。
この構成によって、エンジンEの駆動中には燃料タンク2内に発生しているベーパを燃料タンク2から排出し、エンジンEに供給(パージ)して燃焼することができる。
そこで、制御装置10は、エンジンEの駆動中にベーパ制御弁14aを開弁して燃料タンク2のベーパを排出するように構成され、燃料タンク2内のベーパをエンジンEで燃焼する。
例えば、制御装置10は、キャニスタ15からインテークマニホールド22に送られるベーパの燃料タンク2からのパージ量が所定量以上になるときにベーパ制御弁14aを開弁する。
この場合のパージ量は、例えば、インテークマニホールド22の負圧から求める構成とすることができる。つまり、インテークマニホールド22の負圧が大きいときは燃料タンク2からキャニスタ15を経由してインテークマニホールド22に吸引される空気の量が増え、それにともなってキャニスタ15からインテークマニホールド22に送られるベーパの量も増える。したがって、燃料タンク2からのベーパのパージ量が増える。
そこで、インテークマニホールド22の負圧と燃料タンク2からのベーパのパージ量の関係を示すマップを予め設定しておけば、制御装置10はインテークマニホールド22の負圧に応じて当該マップを参照し、キャニスタ15を通過して燃料タンク2からエンジンEのインテークマニホールド22に送られるベーパのパージ量を取得できる。
そして、制御装置10は、このように取得するベーパのパージ量が所定量以上になったときを所定の状態としてベーパ制御弁14aを開弁する。このとき、制御装置10は、ベーパ制御弁14aを全開し、ベーパ通路14を流れる空気の流速を高める。このことによって、ベーパ通路14を流れる空気に含まれるベーパは、キャニスタ15の吸着剤で吸着されることなくインテークマニホールド22に供給される。
このときに制御装置10が所定の状態と判定するパージ量の所定量は、例えば、エンジンEが駆動してハイブリッド車両が走行しているときのパージ量とすることができ、ハイブリッド車両やエンジンEなどの構成によって決定される特性値として実験計測等で決定することができる。
しかしながらハイブリッド車両はエンジンEが駆動する時間が短く、エンジンEの駆動中に燃料タンク2のベーパを充分にパージできない。そこで、制御装置10は、給油時にベーパ制御弁14aを開弁して燃料タンク2のベーパをキャニスタ15で吸着するように構成される。
前記したように、給油時には燃料タンク2へ注油される燃料によって燃料タンク2から押し出される空気にベーパが含まれ、この空気をキャニスタ15に流し込むことによって、キャニスタ15の吸着剤にベーパを吸着できる。
そこで、制御装置10は、給油時にベーパ制御弁14aを開弁して燃料タンク2に発生しているベーパをキャニスタ15に吸着させる。
しかしながら、図示しないフュエルキャップが取り外されて給油口3aが開くときに燃料タンク2内の圧力(以下、タンク内圧と称する)が高いと、燃料タンク2内に溜まるベーパが給油口3aから大気に放出されて大気汚染の要因となる。そこで、制御装置10は、給油時にフュエルリッド3bを開く前に燃料タンク2内のベーパをキャニスタ15で吸着するように構成される。
この構成のため、制御装置10は、例えばフュエルリッド3bを開くために運転者が操作するリッドスイッチSW1がフュエルリッド3bの開指令を出力しているとき、タンク内圧が大気圧と同等でない場合に必要に応じてベーパ制御弁14aを開弁してタンク内圧を減圧するように構成される。
また、タンク内圧が大気圧よりも高い場合に運転者が図示しないフュエルキャップを取り外すと、燃料タンク2内で発生した蒸発燃料が大気に放出されたり、燃料がフィラパイプ3を通って漏れ出したりする虞がある。そのため、制御装置10は、タンク内圧が減圧して大気圧と等しくなるまで、フュエルリッド3bの開指令が出力されてもフュエルリッド3bを開かないように構成される。
そのため、制御装置10には、リッドスイッチSW1の操作によって出力される操作信号(例えば、電気信号)が入力されるように構成されることが好ましい。
例えばトグル動作するリッドスイッチSW1から電圧の高低が操作信号として出力される構成とし、制御装置10は、一方の電圧値(例えば、低電圧)を開指令と認識し、他方の電圧値(例えば、高電圧)を閉指令と認識するように構成される。
そして制御装置10は、リッドスイッチSW1から開指令が入力されたとき、フュエルリッド3b(の駆動部)に、必要に応じて制御信号を送信してフュエルリッド3bのロック状態を解除する。
また制御装置10は、ベーパ制御弁14aを開閉制御するとき、タンク内圧に応じてベーパ制御弁14aの開閉のタイミングや開度を設定するように構成されていてもよい。
開度調節弁からなるベーパ制御弁14aが備わる場合、制御装置10は、タンク内圧が高いほどベーパ制御弁14aの開度を小さくし、タンク内圧が低くなるにしたがってベーパ制御弁14aの開度を大きくする。
タンク内圧が高い場合、燃料タンク2から排気されてベーパ通路14を流れる空気の流速が高く、そのままの流速でキャニスタ15に空気が流れ込むとベーパを効果的に吸着できない。したがってタンク内圧が高い場合、制御装置10はベーパ制御弁14aの開度を小さくしてベーパ通路14における空気の流速を低下させ、キャニスタ15でベーパを効果的に吸着させる。
一方、タンク内圧が低い場合、燃料タンク2から排気されてベーパ通路14を流れる空気の流速が低く、そのままの流速でキャニスタ15に空気が流れ込んでもベーパを効果的に吸着できる。したがって、タンク内圧が低い場合、制御装置10はベーパ制御弁14aの開度を大きくしてベーパ通路14における空気の流速を維持し、タンク内圧を速やかに低下させる。
タンク内圧に応じたベーパ制御弁14aの開度は、例えば、タンク内圧とベーパ制御弁14aの開度の関係を示すマップを制御装置10が参照することで設定できる。このようなマップは、蒸発燃料処理装置1の特性値として実験計測等で求めることができる。
以上のように、開度調節弁からなるベーパ制御弁14aが備わる場合、制御装置10はベーパ制御弁14aの開度を設定することができる。
なお、ベーパ通路14には、ベーパ制御弁14aと並列に負圧カット弁14bが備わる。負圧カット弁14bは、燃料タンク2内のタンク内圧が正圧の場合に燃料タンク2からキャニスタ15に向かって空気を流通させるとともに、燃料タンク2のタンク内圧が負圧の場合にキャニスタ15から燃料タンク2に向かって空気を流通させる弁装置であり、主に、燃料タンク2内が負圧になることを防止して燃料タンク2を保護するために備えられる。ここでいう正圧は大気圧よりも高い圧力を示し、負圧は大気圧よりも低い圧力を示す。
以上のように、制御装置10は給油時にタンク内圧に応じてベーパ制御弁14aを開閉制御するため、制御装置10はタンク内圧を常時監視する。そのため、蒸発燃料処理装置1には、タンク内圧を検出するタンク内圧検出手段としてタンク内圧センサPS2が備わっている。
タンク内圧センサPS2は、例えば、燃料タンク2と常時連通しているベーパ通路14に備わって燃料タンク2内の絶対圧力を検出する圧力センサであり、制御装置10は、タンク内圧を絶対圧力として検知することができる。
タンク内圧センサPS2が備わる部位は限定するものではないが、図1には、燃料タンク2とベーパ制御弁14aの間から伸びるタンク側圧力管30aにタンク内圧センサPS2が備わる構成例が図示されている。
タンク内圧センサPS2はタンク内圧の絶対圧力を検出する圧力センサであり、制御装置10は、タンク内圧を絶対圧力として検知する。しかしながら、ベーパ通路14を流れる空気の流速は、ハイブリッド車両が走行している環境の大気圧とタンク内圧の絶対圧力の差に応じて変化することから、制御装置10は、例えば給油時には大気圧とタンク内圧の絶対圧力の差に応じてベーパ制御弁14aを開閉制御することが好ましい。そのため、制御装置10は大気圧と絶対圧力であるタンク内圧の差(ゲージ圧)を算出できる構成が好ましい。以下、タンク内圧のゲージ圧をタンク内ゲージ圧と称する。そして、タンク内ゲージ圧は大気圧を基準とするゲージ圧である。
制御装置10がタンク内ゲージ圧を算出するためにはタンク内圧(絶対圧力)の他、大気圧(絶対圧力)を検知する必要があり、蒸発燃料処理装置1には、大気圧の絶対圧力を検出する大気圧検出手段として大気圧センサPS1が備わる。そして制御装置10は、大気圧センサPS1が検出する大気圧(絶対圧力)とタンク内圧センサPS2が検出するタンク内圧(絶対圧力)の差(タンク内圧−大気圧)をタンク内ゲージ圧として算出し、算出したタンク内ゲージ圧に基づいてベーパ制御弁14aを開閉制御する。
大気圧センサPS1は大気圧(絶対圧力)が検出できる部位であれば、その配置場所を限定するものではない。例えば図1には、キャニスタ15の、大気圧に開放された部位に大気圧センサPS1が備わる構成例が図示されている。
また、大気圧センサPS1をキャニスタ15に備える構成のほか、図示しないパージ流量センサ(PAセンサ)や吸気圧センサ(MAPセンサ)を備える構成であってもよい。
しかしながら、前記したように、大気圧センサPS1とタンク内圧センサPS2に誤差が生じると、制御装置10が算出するタンク内ゲージ圧にはそれぞれの誤差が2重に計上されることになり、制御装置10は正確なタンク内ゲージ圧を算出することができない。
例えば、前記したように、運転者がリッドスイッチSW1を操作した場合、燃料タンク2内の内圧が大気圧と等しくなったときにフュエルリッド3bのロック状態が解除されるように構成される。そして、本実施形態においては、制御装置10が算出するタンク内ゲージ圧に基づいて、燃料タンク2内の内圧が大気圧と等しくなったか否かを判定する。したがって、正確なタンク内ゲージ圧が算出できない場合、燃料タンク2内の内圧が大気圧より高いときに制御装置10が燃料タンク2内の内圧と大気圧が等しいと判定する虞がある。そして、この場合、燃料タンク2内の内圧が大気圧より高いときにフューエルリッド3bのロック状態が解除される。このときにフュエルリッド3bが開かれて図示しないフューエルキャップが取り外されると、燃料タンク2内の蒸発燃料が大気に放出される虞がある。
そこで、第1の実施形態に係る制御装置10は、大気圧センサPS1とタンク内圧センサPS2の誤差を吸収する補正値を予め学習する学習機能を有することを特徴とする。なお、大気圧センサPS1とタンク内圧センサPS2の誤差は、例えば、気温など使用環境の変化による誤差や大気圧センサPS1およびタンク内圧センサPS2が予め有する固有の誤差である。
例えば給油時に図示しないフュエルキャップが取り外されて給油口3aが開くと、燃料タンク2は大気に開放された状態になり、大気圧(絶対圧力)とタンク内圧(絶対圧力)は等しくなる。したがって、大気圧センサPS1とタンク内圧センサPS2に誤差が発生しない場合、大気圧センサPS1の検出値(以下、PAとする)とタンク内圧センサPS2の検出値(以下、PTANKとする)は等しくなる。つまり、給油口3aが開いたときには、「PA=PTANK」となる。しかしながら、大気圧センサPS1とタンク内圧センサPS2の少なくとも一方に誤差が発生している場合、大気圧センサPS1の検出値PAとタンク内圧センサPS2の検出値PTANKは等しくならない。
そこで、制御装置10は、給油口3aが開いた状態のときの大気圧センサPS1の検出値PAとタンク内圧センサPS2の検出値PTANKに差がある場合、その差を補正値(以下、Prevとする)として学習する。
例えば、給油口3aが開いた状態のとき、大気圧センサPS1の検出値PAが「760mmHg(1013.2hPa)」でタンク内圧センサPS2の検出値PTANKが「762mmHg(1015.9hPa)」であれば、補正値Prevを「−2mmHg(−2.7hPa)」とする。すなわち、大気圧センサPS1の検出値PAからタンク内圧センサPS2の検出値PTANKを減算した値「PA−PTANK」を補正値Prevとする。
そして、制御装置10は、このように算出する補正値Prevを図示しない記憶部(例えば不揮発性メモリ)に記憶する。このように補正値Prevを算出し、算出した補正値Prevを記憶する一連の動作を、制御装置10による補正値の学習と称する。
制御装置10は、補正値Prevを学習した後にベーパ制御弁14aを開弁するとき、大気圧センサPS1の検出値PAとタンク内圧センサPS2の検出値PTANKの差から算出するタンク内ゲージ圧を、学習した補正値Prevで補正する。このように、補正値Prevで補正されたタンク内ゲージ圧を、特に補正ゲージ圧と称する。
具体的に、制御装置10は、次式(1)で算出される圧力値を補正ゲージ圧とする。
補正ゲージ圧=(PTANK−PA)+Prev ・・・(1)
このように、補正ゲージ圧は、大気圧センサPS1の検出値PAとタンク内圧センサPS2の検出値PTANKに基づいて算出される、大気圧を基準とするタンク内ゲージ圧を、補正値Prevで補正した圧力値である。
例えば、リッドスイッチSW1が操作されてフュエルリッド3bの開指令が出力されたとき、フュエルリッド3bが開く前の大気圧センサPS1の検出値PAが「740mmHg(986.6hPa)」でタンク内圧センサPS2の検出値PTANKが「806mmHg(1074.6hPa)」で補正値Prevが「−2mmHg(−2.7hPa)」の場合、制御装置10は式(1)「(PTANK−PA)+Prev」で算出される「64mmHg(85.3hPa)」を補正ゲージ圧とする。その結果、「PTANK−PA」で算出される補正前のタンク内ゲージ圧(66mmHg(88.0hPa))との誤差2mmHg(2.7hPa)を吸収できる。
そして、制御装置10は、補正値Prevで補正された補正ゲージ圧に基づいてベーパ制御弁14aを開閉制御する。
また、開度調節弁からなるベーパ制御弁14aが備わる場合、制御装置10は、補正値Prevで補正された補正ゲージ圧に基づいてベーパ制御弁14aの開度を設定する。
つまり、補正ゲージ圧が正のときはタンク内圧が高い場合があるので、補正ゲージ圧が正のときには、ベーパ制御弁14aの開度や開速度を大きく設定することで、タンク内のベーパを速やかにキャニスタ15で吸着することができる。
この構成によって、制御装置10は、大気圧センサPS1とタンク内圧センサPS2の少なくとも一方に誤差が発生している場合であっても、その誤差を吸収して正確に補正ゲージ圧を算出でき、さらに、正確な補正ゲージ圧に基づいてベーパ制御弁14aを精度よく開閉制御できる。したがって、燃料タンク2から排気される空気がベーパ通路14を流れるときの流速を、タンク内ゲージ圧に応じた好適な流速に設定することができ、ベーパ通路14を流れる空気に含まれるベーパをキャニスタ15で好適に吸着(回収)できる。
ここでいう好適な流速は、ベーパを含んでベーパ通路14からキャニスタ15に流れ込む空気の流速であって、ベーパを確実にキャニスタ15に吸着できる流速を示す。
また、燃料タンク2内のベーパを速やかにキャニスタ15で吸着するためにベーパ通路14を流れる空気の流速は高いほうが好ましい。
このことから、ベーパを含んでベーパ通路14からキャニスタ15に流れ込む空気の流速であって、ベーパを確実にキャニスタ15に吸着できる流速の最高速度を好適な流速とすることが好ましい。このような好適な流速は、蒸発燃料処理装置1の設計値としてキャニスタ15の吸着能力等に基づいて決定される。
以上のように、第1の実施形態に係る制御装置10は、リッドスイッチSW1が操作されてフュエルリッド3bの開指令が出力された状態を所定の状態とし、所定の状態のときに、大気圧センサPS1の検出値PAとタンク内圧センサPS2の検出値PTANKと補正値Prevに基づいてベーパ制御弁14aを開閉制御する。
具体的に制御装置10は、大気圧センサPS1の検出値PAとタンク内圧センサPS2の検出値PTANKから算出される、大気圧を基準とするタンク内ゲージ圧を補正値Prevで補正して補正ゲージ圧を算出し、算出した補正ゲージ圧に基づいてベーパ制御弁14aの開閉を制御する。
また、開度調節弁からなるベーパ制御弁14aが備わる場合、制御装置10は、補正ゲージ圧に基づいてベーパ制御弁14aの開度を設定する。
そして、制御装置10は、例えば給油時に図示しないフュエルキャップが取り外されて給油口3aが開いて、大気圧(絶対圧力)とタンク内圧(絶対圧力)が等しくなる状態のときの大気圧センサPS1の検出値PAとタンク内圧センサPS2の検出値PTANKの差(PA−PTANK)を補正値Prevとして算出して記憶する。つまり、補正値Prevを学習する。
図2を参照して、制御装置10が補正値を学習する手順(補正値学習手順)を説明する(適宜図1参照)。
例えば、給油のためフュエルリッド3bを開くように、運転者によってリッドスイッチSW1が操作されてリッドスイッチSW1が出力するフュエルリッド3bの開指令を、制御装置10が検出すると(ステップS1)、制御装置10は補正値学習手順を開始し、大気圧センサPS1の検出値PAを取得する(ステップS2)。
さらに、制御装置10は、タンク内圧センサPS2の検出値PTANKを取得する(ステップS3)。
そして、制御装置10は、大気圧センサPS1の検出値PAとタンク内圧センサPS2の検出値PTANKからタンク内ゲージ圧を算出し、ベーパ制御弁14aを開弁する(ステップS4)。なお、開度調節弁からなるベーパ制御弁14aの場合、制御装置10は、算出したタンク内ゲージ圧に応じたベーパ制御弁14aの開度を設定し、ベーパ制御弁14aを設定した開度で開弁することもできる。
このとき、学習した補正値Prevを有する場合、制御装置10は、前記した式(1)で算出される補正ゲージ圧をタンク内ゲージ圧とし、補正ゲージ圧に応じてベーパ制御弁14aの開度を設定する。
そして、制御装置10は、タンク内圧センサPS2の検出値PTANKが安定するまで待機し(ステップS5→No)、タンク内圧センサPS2の検出値PTANKが安定したら(ステップS5→Yes)、制御装置10は、タンク内圧が大気圧と等しくなったと判定し、制御信号をフュエルリッド3bに送信してフュエルリッド3bのロックを開錠してロック状態を解除する。
または、図示しないアクチュエータで自動的に開閉するフュエルリッド3bの場合、制御装置10はアクチュエータに制御信号を送信してフュエルリッド3bを開く。
なお、制御装置10は、タンク内圧センサPS2の検出値PTANKの変動量が予め設定された閾値より小さくなったときに、燃料タンク2内のタンク内圧が大気圧と同等まで低下してタンク内圧センサPS2の検出値PTANKが安定したと判定する。
このときの閾値は、タンク内圧センサPS2の検出感度等に基づいて適宜決定される値である。
このように、本実施形態に係る制御装置10は、パージ制御弁14aが開弁した後で、タンク内圧センサPS2の検出値PTANKの変動量が予め設定された閾値より小さくなったときに、タンク内圧が大気圧と等しくなったと判定する。
また、制御装置10は、フュエルリッド3bのロック状態が解除した状態を、タンク内圧と大気圧が等しくなった状態と判定する構成であってもよい。
そして制御装置10は、この時点で再度、タンク内圧センサPS2の検出値PTANKを取得し(ステップS6)、大気圧センサPS1の検出値PAからタンク内圧センサPS2の検出値PTANKを減算して補正値Prevを算出する(ステップS7)。そして、制御装置10は、算出した補正値Prevを図示しない記憶部に記憶して(ステップS8)補正値学習手順を終了する。
そして、制御装置10は、次回にフュエルリッド3bの開指令を検出したとき、大気圧センサPS1の検出値PAとタンク内圧センサPS2の検出値PTANKから算出するタンク内ゲージ圧を、補正値学習手順で学習した補正値Prevで補正して補正ゲージ圧を算出する。そして、算出した補正ゲージ圧に基づいてベーパ制御弁14aを開弁する。つまり、ベーパ制御弁14aを開閉制御する。なお、開度調節弁からなるベーパ制御弁14aの場合、制御装置10は、算出した補正ゲージ圧に基づいてベーパ制御弁14aの開度を設定することができる。
制御装置10は、図2に示す補正値学習手順によって、タンク内圧と大気圧が等しくなる状態のときに、タンク内圧センサPS2の検出値PTANKと大気圧センサPS1の検出値PAの誤差を補正値Prevとして学習する。そして、前記したように、制御装置10は、補正値Prevで補正することによって、大気圧センサPS1とタンク内圧センサPS2の少なくとも一方に誤差が発生している場合であっても、誤差を吸収して正確に補正ゲージ圧を算出でき、ベーパ制御弁14aを、算出した補正ゲージ圧に基づいて精度よく開閉制御できる。
なお、例えば、運転者等が給油作業を開始すると、図1に示す燃料タンク2内に燃料が入ることでタンク内圧が上昇してしまい、タンク内圧センサPS2は正確なタンク内圧を検出できなくなり、このときのタンク内圧センサPS2の検出値PTANKに基づいて学習される補正値Prevは精度が低くなる。したがって、制御装置10は、運転者等が給油作業を開始したことを判定したとき、補正値Prevの学習を中止する構成としてもよい。
この場合、制御装置10は、例えば、ベーパ制御弁14aが閉弁した状態でタンク内圧センサPS2の検出値PTANKが上昇したときや、図示しない油量計が検出する燃料タンク2内の燃料量が増加したときに、給油作業が開始されたと判定する構成とすればよい。
また、タンク内圧センサPS2の検出値PTANKが略大気圧または負圧になっているときには、キャニスタ15に燃料タンク2で発生するベーパが流れないので、制御装置10がベーパ制御弁14aを開弁して補正値Prevを学習する構成としてもよい。この場合、例えば、図2に示す補正値学習手順を開始するときに、タンク内圧センサPS2の検出値PTANKが略大気圧または負圧か否かを判定するステップを制御装置10が実行する構成とすればよい。
《第2の実施形態》
図3を参照して本発明の第2の実施形態について説明する。
図3に示すように、第2の実施形態に係る蒸発燃料処理装置1aは、図1に示す第1の実施形態に係る蒸発燃料処理装置1と異なって切替手段(三方弁30)を備え、タンク内圧センサPS2が燃料タンク2のタンク内圧を検出する状態と大気圧を検出する状態を切り替えることを可能にする。
図3に示すように、ベーパ通路14とタンク内圧センサPS2の間に備わるタンク側圧力管30aに、大気圧を取り出す大気圧圧力管30bが三方弁30を介して接続される。大気圧圧力管30bは、例えば、キャニスタ15の、大気圧に開放された部位に接続されている。
その他、図3に示す燃料供給系統は図1に示す燃料供給系統と同じ構成である。そして、図3に示す燃料供給系統の構成要素のうち、図1に示す燃料供給系統の構成要素と同じ構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は適宜省略する。
三方弁30は、タンク側圧力管30aとタンク内圧センサPS2を連通する状態(以下、タンク内圧検出状態と称する)と、大気圧圧力管30bとタンク内圧センサPS2を連通する状態(以下、大気圧検出状態と称する)と、を制御装置10の指令に基づいて切り替える電磁弁で構成される。
タンク内圧検出状態は、タンク内圧センサPS2がタンク内圧を検出する状態であって特許請求の範囲に記載される第1状態に相当し、大気圧検出状態は、タンク内圧センサPS2が大気圧を検出する状態であって特許請求の範囲に記載される第2状態に相当する。
図3に示すように構成される蒸発燃料処理装置1aでは、例えば、三方弁30を大気圧検出状態に切り替えておくことで、大気圧センサPS1とタンク内圧センサPS2の2つの圧力センサで大気圧を常時検出することができ、大気圧センサPS1の検出値PAとタンク内圧センサPS2が大気圧を検出するときの検出値(以下、PA2とする)を比較できる。
大気圧センサPS1とタンク内圧センサPS2に誤差が発生しない場合、大気圧センサPS1の検出値PA(絶対圧力)とタンク内圧センサPS2の検出値PA2(絶対圧力)は等しくなる。つまり「PA=PA2」となる。しかしながら、大気圧センサPS1とタンク内圧センサPS2の少なくとも一方に誤差が発生している場合、大気圧センサPS1の検出値PAとタンク内圧センサPS2の検出値PA2は等しくならない。
そこで、第2の実施形態では、リッドスイッチSW1が操作されずにフュエルリッド3bの開指令が出力されていない状態のとき、すなわち、所定の状態以外のとき、制御装置10は三方弁30を大気圧検出状態に切り替えて、例えば適宜設定可能な所定の時間間隔(5分、10分、30分など)で、大気圧センサPS1の検出値PAとタンク内圧センサPS2の検出値PA2を比較するように構成する。
そして、タンク内圧センサPS2の検出値PA2を大気圧センサPS1の検出値PAから減算した値、すなわち、「PA−PA2」を補正値Prevとする。
例えば、大気圧センサPS1の検出値PAが「760mmHg(1013.2hPa)」で、三方弁30が大気圧検出状態のときのタンク内圧センサPS2の検出値PA2が「「762mmHg(1015.9hPa)」であれば、補正値Prevは「−2mmHg(−2.7hPa)」になる。
制御装置10は、このように算出する補正値Prevを図示しない記憶部(例えば不揮発性メモリ)に記憶して補正値を学習する。
この構成によると、制御装置10は、所定の時間間隔で補正値を学習する。この場合、最後に算出した最新の補正値Prevを記憶する構成としてもよいし、時系列で実行される学習で求められる複数の補正値Prevを平均した値(移動平均値)を記憶する構成としてもよい。
そして、制御装置10は、リッドスイッチSW1が操作されて開指令を検出するとベーパ制御弁14aを開弁する。このとき、三方弁30をタンク内圧検出状態に切り替えてタンク内圧センサPS2でタンク内圧(絶対圧力)を検出し、このときの検出値PTANKと大気圧センサPS1の検出値PAの差から算出するタンク内ゲージ圧を、学習した補正値Prevで補正して補正ゲージ圧を算出する。具体的に、制御装置10は、前記した式(1)「(PTANK−PA)+Prev」で算出される圧力値を補正ゲージ圧とする。
この構成によると、制御装置10は、所定の時間間隔で補正値Prevを更新(学習)することができ、大気圧センサPS1とタンク内圧センサPS2の少なくとも一方に発生する誤差の時間的な変化に応じた補正値Prevを得ることができる。
したがって、制御装置10は、例えばハイブリッド車両が置かれた環境(高度、気温など)の変化にともなって発生または変化する大気圧センサPS1とタンク内圧センサPS2の誤差に対応する補正値Prevを得ることができる。そして、制御装置10は、大気圧センサPS1の検出値PAと三方弁30がタンク内圧検出状態に切り替わっているときのタンク内圧センサPS2の検出値PTANKから算出するタンク内ゲージ圧を補正値Prevで補正することによって、ハイブリッド車両が置かれた環境に応じて発生または変化する大気圧センサPS1とタンク内圧センサPS2の少なくとも一方の誤差を吸収することができ、補正ゲージ圧を精度よく算出できる。
図4を参照して、第2の実施形態に係る制御装置10が補正値を学習する手順(補正値学習手順)を説明する(適宜図3参照)。
制御装置10は、三方弁30を大気圧検出状態に切り替え(ステップS20)、大気圧センサPS1の検出値PAを取得する(ステップS21)。
さらに、制御装置10は、タンク内圧センサPS2の検出値PA2を取得する(ステップS22)。そして、制御装置10は、大気圧センサPS1の検出値PAからタンク内圧センサPS2の検出値PA2を減算して補正値Prevを算出し(ステップS23)、算出した補正値Prevを図示しない記憶部に記憶する(ステップS24)。
制御装置10は、所定時間が経過していない場合(ステップS25→No)、リッドスイッチSW1が出力するフュエルリッド3bの開指令を検出しているか否かを判定し(ステップS26)、開指令を検出していないときは(ステップS26→No)、所定時間が経過するまで待機し、リッドスイッチSW1が操作されてフュエルリッド3bの開指令を検出したときは(ステップS26→Yes)、手順をステップS27に進める。
一方、ステップS25で、所定時間が経過している場合(ステップS25→Yes)、制御装置10は処理をステップS21に戻す。
ステップS25で制御装置10が待機する所定時間は、前記した適宜設定可能な所定の時間間隔とする。
ステップS27で制御装置10は、三方弁30をタンク内圧検出状態に切り替え、さらに、三方弁30がタンク内圧検出状態のときのタンク内圧センサPS2の検出値PTANKを取得する(ステップS28)。
そして、制御装置10は、大気圧センサPS1の検出値PAとタンク内圧センサPS2の検出値PTANKからタンク内ゲージ圧を算出し、ベーパ制御弁14aを開弁する(ステップS29)。このとき、学習した補正値Prevを有する場合、制御装置10は、前記した式(1)で算出される補正ゲージ圧をタンク内ゲージ圧とし、補正ゲージ圧に応じてベーパ制御弁14aを開弁する。
なお、開度調節弁からなるベーパ制御弁14aの場合、制御装置10は、算出したタンク内ゲージ圧に応じたベーパ制御弁14aの開度を設定し、ベーパ制御弁14aを設定した開度で開弁することもできる。このとき、学習した補正値Prevを有する場合、制御装置10は、前記した式(1)で算出される補正ゲージ圧をタンク内ゲージ圧とし、補正ゲージ圧に応じてベーパ制御弁14aの開度を設定する。
そして、制御装置10は、タンク内圧センサPS2の検出値PTANKが安定するまで待機し(ステップS30→No)、タンク内圧センサPS2の検出値PTANKが安定したら(ステップS30→Yes)、制御装置10は手順をステップS31に進める。
なお、制御装置10は、第1の実施形態と同様、タンク内圧センサPS2の検出値PTANKの変動量が予め設定される閾値より小さくなったときに、燃料タンク2内のタンク内圧が大気圧と同等まで低下してタンク内圧センサPS2の検出値PTANKが安定したと判定する。また、このときの閾値は、タンク内圧センサPS2の検出感度等に基づいて適宜決定される値である。
ステップS31で、制御装置10はフュエルリッド3bに制御信号を送信してフュエルリッド3bのロック状態を解除する。なお、図示しないアクチュエータで自動的に開閉するフュエルリッド3bの場合、制御装置10はアクチュエータに制御信号を送信してフュエルリッド3bを開く。
そして制御装置10は、図示しないリッドモニタが出力するフュエルリッド3bの閉指令を検出しない間は(ステップS32→No)、フュエルリッド3bのロックを開錠した状態で待機し、図示しないリッドモニタが出力する閉指令を検出したときに(ステップS32→Yes)、フュエルリッド3bをロックする(ステップS33)。さらに制御装置10は、ベーパ制御弁14aを閉弁して(ステップS34)、手順をステップS20に戻す。
第2の実施形態においては、例えば図4に示す手順で、制御装置10(図3参照)は補正値Prevを学習する。この構成によると、制御装置10は、補正値Prevを所定の時間間隔で学習することができ、前記したように、ハイブリッド車両が置かれた環境(高度、気温など)の変化にともなって発生または変化する大気圧センサPS1とタンク内圧センサPS2の誤差に対応する補正値Prevを得ることができる。
なお、制御装置10は、所定の時間間隔ではなく、例えば適宜設定されるハイブリッド車両の走行距離(5km、10km、100kmなど)ごとに補正値Prevを学習する構成であってもよい。この場合、制御装置10は、図4のステップS25で、ハイブリッド車両が所定の走行距離を走行したか否かを判定し、ハイブリッド車両が所定の走行距離を走行したときに手順をステップS21に戻す。
以上のように、図1に示す第1の実施形態に係る蒸発燃料処理装置1では、制御装置10が、例えば給油時にフュエルリッド3bが開いたときに補正値Prevを学習することができる。そして、制御装置10は、大気圧センサPS1が検出する大気圧とタンク内圧センサPS2が検出するタンク内圧から算出するタンク内ゲージ圧を補正値Prevで補正することで、大気圧センサPS1とタンク内圧センサPS2の少なくとも一方に発生する誤差を吸収して正確に補正ゲージ圧を算出できる。そして、制御装置10は、大気圧センサPS1およびタンク内圧センサPS2に発生する誤差を吸収した補正ゲージ圧に基づいてベーパ制御弁14aを開閉制御し、キャニスタ15で確実にベーパを吸着(回収)して、大気中へのベーパの放出を確実に防止できる。
また、図3に示す第2の実施形態に係る蒸発燃料処理装置1aでは、制御装置10が、例えば所定の時間間隔で補正値Prevを学習することができる。そして、制御装置10は、大気圧センサPS1が検出する大気圧とタンク内圧センサPS2が検出するタンク内圧から算出するタンク内ゲージ圧を補正値Prevで補正することで、ハイブリッド車両が置かれた環境に応じて発生または変化する大気圧センサPS1とタンク内圧センサPS2の少なくとも一方の誤差を吸収して正確に補正ゲージ圧を算出できる。
そして、制御装置10は、大気圧センサPS1およびタンク内圧センサPS2に発生する誤差を吸収した補正ゲージ圧に基づいてベーパ制御弁14aを開閉制御し、燃料タンク2から排気される空気がベーパ通路14を流れるときの流速を、タンク内ゲージ圧に応じた好適な流速に設定できる。特に、開度調節弁からなるベーパ制御弁14aの場合、制御装置10は、補正ゲージ圧に基づいてベーパ制御弁14aの開度を設定し、ベーパ通路14を流れる空気の流速をより好適な流速に設定できる。
そして、ベーパ通路14を流れる空気に含まれるベーパをキャニスタ15で好適に吸着(回収)して、大気中へのベーパの放出を確実に防止できる。
なお、第1の実施形態に係る制御装置10(図1参照)は、トグル動作するリッドスイッチSW1(図1参照)から入力される操作信号に基づいて所定の状態を判定しているが、プッシュスイッチなどトリガ動作するリッドスイッチSW1を指令出力手段として備える構成としてもよい。リッドスイッチSW1がプッシュスイッチの場合、制御装置10には、リッドスイッチSW1の押下に応じて出力されるパルス状の操作信号が入力される。
例えば、制御装置10(図1参照)は、フュエルリッド3b(図1参照)が開いていないときに入力されるパルス状の操作信号をフュエルリッド3bの開指令と認識することができる。そして、制御装置10は、トグル動作するリッドスイッチSW1が備わる場合と同様に、パルス状の開指令の出力を検出して補正値Prevを学習できる。
第2の実施形態に係る燃料供給系統についても、第1の実施形態と同様にトリガ動作するリッドスイッチSW1(図3参照)を備える構成とすることができる。この構成によると、制御装置10(図3参照)は、フュエルリッド3b(図3参照)が開いていないときに入力されるパルス状の操作信号を開指令として認識する。この場合、制御装置10は、操作信号を開指令として認識してから、図示しないリッドモニタから出力される閉指令を検出するまでの間を所定の状態として三方弁30をタンク内圧検出状態に切り替える。また、制御装置10は、閉指令を検出してから操作信号を開指令として認識するまでの間および制御装置10が起動してから最初に操作信号が入力されるまでの間を所定の状態以外として三方弁30を大気圧検出状態に切り替える。そして、制御装置10は、三方弁30を大気圧検出状態に切り替えたときに補正値Prevを学習する。
このように、第2の実施形態に係る燃料供給系統に、トリガ動作するリッドスイッチSW1を備えることもできる。
制御装置10(図1参照)が、タンク内圧に応じてベーパ制御弁14a(図1参照)の開閉弁を常に制御し、燃料タンク2のベーパをキャニスタ15(図1参照)の吸着剤に吸着する構成とすれば、タンク内圧の上昇が抑えられベーパ通路14を流れる空気の流速を抑えることができる。したがって、タンク内圧(タンク内ゲージ圧)に応じて、ベーパ制御弁14aを精度よく開閉制御する必要性は低くなる。
しかしながら、車両の駐車中や走行中にベーパをキャニスタ15(図1参照)の吸着剤に吸着させることが法的に禁止される地域では、タンク内圧が上昇した場合に常にベーパ制御弁14a(図1参照)を開弁して燃料タンク2(図1参照)内のベーパをキャニスタ15で吸着できない。
例えば、ハイブリッド車両が駆動用モータで走行している場合、エンジンE(図1参照)は停止した状態であるため、ベーパ制御弁14aを開弁するとエンジンEでベーパを燃焼することができずベーパはキャニスタ15の吸着剤に吸着される。したがって、当該地域においては、ハイブリッド車両が駆動用モータで走行している場合にベーパ制御弁14aを開弁できない。
このような地域では、給油中など限られた状況下でのみ、ベーパをキャニスタ15(図1参照)の吸着剤に吸着させることが許可されることが多い。したがって、ハイブリッド車両がベーパをキャニスタ15の吸着剤に吸着させられる状況にあるときにはタンク内圧が上昇している場合があり、タンク内ゲージ圧に応じてベーパ制御弁14aを精度よく開閉制御する必要性が高くなる。
本発明は、このような地域において、特に優れた効果を奏するものである。
もちろん、本発明はハイブリッド車両に限定されず、ガソリン等の揮発性の燃料で駆動する内燃機関を備える車両に広く適用できる。
また、補正値Prevを利用して、制御装置10(図1参照)が燃料タンク2(図1参照)からの燃料のリークを診断する構成とすることも可能である。
例えば、制御装置10は、フューエルリッド3b(図1参照)が開いていない場合にタンク内圧が大気圧と等しいとき、燃料タンク2から燃料がリークしていると判定できる。
しかしながら、大気圧センサPS1(図1参照)とタンク内圧センサPS2(図1参照)に誤差がある場合、燃料タンク2から燃料がリークしていてもタンク内圧センサPS2の検出値PTANKと大気圧センサPS1の検出値PAが等しくならず、制御装置10は燃料タンク2からの燃料のリークを正確に検出できない。
図1に示す制御装置10は、大気圧センサPS1とタンク内圧センサPS2の誤差を補正値Prevとして算出できる。したがって、例えば、大気圧センサPS1の検出値PAとタンク内圧センサPS2の検出値PTANKが等しくない場合であっても、大気圧センサPS1の検出値PAからタンク内圧センサPS2の検出値PTANKを減算した差(PA−PTANK)が補正値Prevと等しいとき、制御装置10は、タンク内圧が大気圧と等しいと判定することができ、燃料タンク2から燃料がリークしていると判定できる。
このように、大気圧センサPS1とタンク内圧センサPS2に誤差がある場合であっても、制御装置10は、補正値Prevを利用して燃料タンク2からの燃料のリークを判定できる。
1,1a 蒸発燃料処理装置
2 燃料タンク
3b フュエルリッド
10 制御装置
14 ベーパ通路
14a ベーパ制御弁(制御弁)
15 キャニスタ
30 三方弁(切替手段)
E エンジン(内燃機関)
PS1 大気圧センサ(大気圧検出手段)
PS2 タンク内圧センサ(タンク内圧検出手段)

Claims (7)

  1. 内燃機関に供給する燃料を貯留する燃料タンクのタンク内圧を検出するタンク内圧検出手段と、
    大気圧を検出する大気圧検出手段と、
    前記燃料タンクに発生する蒸発燃料を吸着して回収するキャニスタと前記燃料タンクを連通するベーパ通路の途中に設けられる制御弁と、
    所定の状態のときに、前記タンク内圧検出手段の検出値と前記大気圧検出手段の検出値と予め学習された補正値に基づいて前記制御弁を開閉制御する制御装置と、を有することを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  2. 前記制御装置は、
    前記タンク内圧検出手段の検出値と前記大気圧検出手段の検出値に基づいて大気圧を基準とする前記タンク内圧のゲージ圧を算出するとともに、算出した前記タンク内圧のゲージ圧を前記補正値で補正した補正ゲージ圧に基づいて前記制御弁を開閉制御することを特徴とする請求項1に記載の蒸発燃料処理装置。
  3. 前記制御装置は、前記タンク内圧が大気圧と等しくなる状態のときの前記タンク内圧検出手段の検出値と前記大気圧検出手段の検出値の差に基づいて前記補正値を学習することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蒸発燃料処理装置。
  4. 前記タンク内圧が大気圧と等しくなる状態は、前記燃料タンクの給油口を開閉可能に備わるフュエルリッドのロック状態が解除された状態であることを特徴とする請求項3に記載の蒸発燃料処理装置。
  5. 前記タンク内圧が大気圧と等しくなる状態は、前記制御弁が開弁した後に、前記タンク内圧検出手段の検出値の変動量が予め設定された閾値より小さい状態であることを特徴とする請求項3に記載の蒸発燃料処理装置。
  6. 前記タンク内圧検出手段が前記タンク内圧を検出する第1状態と、前記タンク内圧検出手段が大気圧を検出する第2状態と、を切り替える切替手段を備え、
    前記制御装置は、前記所定の状態のときに前記切替手段を前記第1状態に切り替えて、前記タンク内圧検出手段の検出値と前記大気圧検出手段の検出値と前記補正値に基づいて前記制御弁を開閉制御し、
    前記所定の状態以外のときに前記切替手段を前記第2状態に切り替えて、前記補正値を学習することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蒸発燃料処理装置。
  7. 前記制御装置は、
    前記切替手段を前記第2状態に切り替えたときの前記タンク内圧検出手段の検出値と前記大気圧検出手段の検出値の差に基づいて前記補正値を学習することを特徴とする請求項6に記載の蒸発燃料処理装置。
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