JP2001304054A - 燃料蒸気パージシステムの故障診断装置 - Google Patents

燃料蒸気パージシステムの故障診断装置

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JP2001304054A
JP2001304054A JP2000280218A JP2000280218A JP2001304054A JP 2001304054 A JP2001304054 A JP 2001304054A JP 2000280218 A JP2000280218 A JP 2000280218A JP 2000280218 A JP2000280218 A JP 2000280218A JP 2001304054 A JP2001304054 A JP 2001304054A
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    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M25/00Engine-pertinent apparatus for adding non-fuel substances or small quantities of secondary fuel to combustion-air, main fuel or fuel-air mixture
    • F02M25/08Engine-pertinent apparatus for adding non-fuel substances or small quantities of secondary fuel to combustion-air, main fuel or fuel-air mixture adding fuel vapours drawn from engine fuel reservoir
    • F02M25/0809Judging failure of purge control system
    • F02M25/0818Judging failure of purge control system having means for pressurising the evaporative emission space

Abstract

(57)【要約】 【課題】圧力センサの出力誤差ばらつきに関わらず、燃
料蒸気の発生量の測定精度を向上することができ、よっ
て漏れ診断の精度を向上することができる燃料蒸気パー
ジシステムの故障診断装置を提供する。 【解決手段】燃料蒸気パージシステムは、燃料タンク1
内で発生する燃料蒸気をキャニスタ2に捕集し、捕集し
た燃料蒸気をパージ通路8を介して内燃機関の吸気通路
9へパージする。ECU10は、燃料タンク1及びキャ
ニスタ2を含むパージ経路に大気圧を導入して密閉し圧
力センサ1aにて測定した燃料タンク1内での燃料蒸気
の発生量と、パージ経路の内圧と外圧との間に差圧を設
けてパージ経路を密閉して測定した内圧の挙動とに基づ
いてパージ経路の故障診断を行う。この際、圧力センサ
1aによりパージ経路の所定圧力が検出された後、所定
時間経過したとき、ECU10はパージ経路が大気圧状
態である判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車両に
搭載される内燃機関に用いられる燃料蒸気パージシステ
ムの故障診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両に搭載される燃料蒸気パ
ージシステムでは、燃料タンク内で発生する燃料蒸気を
燃料蒸気導入通路を通じてキャニスタ内に導入して捕集
し、キャニスタ内に大気を導入しつつその捕集された燃
料蒸気を適宜キャニスタからパージ通路を通じて吸気通
路に排出(パージ)するようにしている。
【0003】また、このような燃料蒸気パージシステム
の故障、すなわちパージ経路(燃料タンク、燃料蒸気導
入通路、キャニスタ、及びパージ通路を含んで構成され
る)の穴開き等に起因する漏れの有無を診断するための
装置もよく知られている。そして、同装置の多くは、例
えば内燃機関の運転時における吸気通路内の負圧をパー
ジ通路を通じてパージ経路内に導入した後、一旦これを
密閉し、圧力センサによりその後のパージ経路内におけ
る圧力変化を測定し圧力上昇速度が所定値より大きいと
きに上記故障が発生していると診断するようにしてい
る。
【0004】また、燃料蒸気パージシステムの故障を正
確に判定するためには、燃料タンク内の燃料蒸気の発生
量が所定範囲内に収まっていることが必要とされる。こ
れは、燃料蒸気パージシステムの故障診断を行う際にパ
ージ経路を負圧状態にして密閉し、同経路内における内
圧の経時変化を検出するのであるが、パージ経路の穴開
きや裂傷等に起因して大気圧が導入されてパージ経路内
の内圧が上昇したのか、燃料蒸気の発生量が多いために
パージ経路内の内圧が上昇したのかを診断することがで
きないことによる。
【0005】そこで、本願出願人は、特開平6−741
04号公報において、パージ経路への負圧導入による漏
れ検出の後、パージ経路に大気圧を導入して密閉した後
の燃料タンク内での燃料蒸気の発生量を前記圧力センサ
により測定し、その測定結果に基づいて漏れ検出結果を
補正するようにした診断装置を提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
燃料蒸気パージシステムにおいて使用される圧力センサ
には製造ばらつきによる出力誤差があり、大気圧状態で
所定の出力誤差範囲(例えば、大気圧を基準として−
0.133kPa(=−1mmHg)〜+0.133k
Pa(=+1mmHg))内の圧力センサの使用が許容
されている。そして、この診断装置においては、パージ
経路が負圧状態から大気圧状態にされるため、前記出力
誤差範囲の最小値が大気圧状態と判定されるようになっ
ている。これは、例えば、0kPaを大気圧状態に設定
した場合、パージ経路に漏れがありかつ燃料蒸気の発生
量がほとんどない場合には、前記出力誤差範囲の最小値
を出力する圧力センサの出力は−0.133kPaを維
持したままとなり、診断装置は未だパージ経路が大気圧
に達していないと判断し、燃料蒸気の発生量の測定が行
われなくなることによる。
【0007】ところが、前記出力誤差範囲の最小値は該
出力誤差範囲の最大値を出力する圧力センサにとっては
パージ経路の内圧が大気圧への上昇中であり、最小値に
おいてパージ経路を密封して燃料蒸気の発生量の測定を
行うと、燃料蒸気の発生量の測定精度が低下し、ひいて
はパージ経路の漏れ診断の精度が低下する。
【0008】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、圧力センサの出力誤差ばらつきに
関わらず、燃料蒸気の発生量の測定精度を向上すること
ができ、よって漏れ診断の精度を向上することができる
燃料蒸気パージシステムの故障診断装置を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。請求
項1に記載の発明は、燃料タンク内で発生する燃料蒸気
をキャニスタに捕集し、キャニスタに捕集した燃料蒸気
を同燃料タンクを含むパージ経路を介して内燃機関の吸
気通路へパージするようにした燃料蒸気パージシステム
と、前記燃料タンク内の空間の圧力を測定する圧力セン
サを備え、パージ経路の内圧と外圧との間に差圧を設け
てパージ経路を密閉して測定した内圧の変化と、前記パ
ージ経路に大気圧を導入して密閉した後の燃料タンク内
での燃料蒸気の発生量とに基づいてパージ経路の漏れ診
断を行う診断手段とを備える燃料蒸気パージシステムの
故障診断装置において、前記パージ経路に大気圧の導入
を開始した後の所定状態を検出して前記パージ経路が大
気圧状態に達したと判定する判定手段と、前記診断手段
は、前記判定手段により前記パージ経路が大気圧に達し
たと判定されたとき、前記燃料蒸気の発生量の測定を行
うことを要旨とする。
【0010】請求項1に記載の発明によれば、燃料タン
ク内での燃料蒸気の発生量の測定を行うためにパージ経
路内を大気圧状態とするのであるが、大気圧の導入が完
了する状態を予め設定し、その状態が検出されたときパ
ージ経路が大気圧に達したと判定するため、圧力センサ
の出力誤差ばらつきに関係なくパージ経路の大気圧状態
を精度よく判定することができ、よって漏れ診断の精度
を向上することができる。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の燃料蒸気パージシステムの故障診断装置において、前
記所定状態は、前記圧力センサにより所定圧力が検出さ
れた後、第1の所定時間経過した状態であることを要旨
とする。
【0012】請求項2に記載の発明によれば、圧力セン
サの出力誤差ばらつきや燃料タンク内の燃料残量を考慮
しても、パージ経路への大気圧導入時において、大気圧
になるために必要な第1の所定時間を経過すれば、パー
ジ経路は確実に大気圧状態になっていることとなる。
【0013】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の燃料蒸気パージシステムの故障診断装置において、前
記所定圧力は、所定の出力誤差を有する圧力センサにて
大気圧として検出される最も低い圧力であることを要旨
とする。
【0014】請求項3に記載の発明によれば、パージ経
路への負圧導入による漏れ検出の後、パージ経路に大気
圧を導入する際には、すべての圧力センサの出力が、そ
の最も低い圧力を検出するため、その圧力が測定された
時点から所定時間経過すると、パージ経路は確実に大気
圧状態であることを判定することができる。
【0015】また、パージ経路への正圧導入による漏れ
検出の後、パージ経路に大気圧を導入する際には、圧力
センサの出力誤差ばらつきの最小値であるため、この圧
力センサによって大気圧が検出されたことになり、パー
ジ経路が実際に大気圧状態になっていることを検出する
ことができる。
【0016】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
の燃料蒸気パージシステムの故障診断装置において、前
記所定状態は、大気圧導入開始後、第2の所定時間経過
した状態であることを要旨とする。
【0017】請求項4に記載の発明によれば、燃料タン
ク内の燃料残量を考慮しても、パージ経路への大気圧導
入時において、大気圧になるために必要な第2の所定時
間を経過すれば、パージ経路は確実に大気圧状態になっ
ていることとなる。
【0018】請求項5に記載の発明は、請求項1に記載
の燃料蒸気パージシステムの故障診断装置において、前
記所定状態は、所定の出力誤差を有する圧力センサの
内、最も高い圧力で大気圧を測定する圧力センサにて大
気圧が測定された状態であることを要旨とする。
【0019】請求項5に記載の発明によれば、パージ経
路への負圧導入による漏れ検出の後、パージ経路に大気
圧を導入する際には、圧力センサの出力誤差ばらつきの
最大値であるため、この圧力センサによって大気圧が検
出されたことになり、パージ経路が実際に大気圧状態に
なっていることを検出することができる。
【0020】また、パージ経路への正圧導入による漏れ
検出の後、パージ経路に大気圧を導入する際には、すべ
ての圧力センサの出力が、その最も高い圧力を検出する
ため、その圧力が測定された時点から所定時間経過する
と、パージ経路は確実に大気圧状態であることを判定す
ることができる。
【0021】請求項6に記載の発明は、請求項1に記載
の燃料蒸気パージシステムの故障診断装置において、前
記所定状態は、圧力変化が燃料タンク内に大気圧を導入
する時の所定の圧力変化度合いよりも小となる状態であ
ることを要旨とする。
【0022】請求項6に記載の発明によれば、燃料タン
ク内の燃料残量を考慮してもパージ経路が大気圧に達し
ていなければ、それより大となる圧力変化度合いにて判
定しているため、パージ経路は実際に大気圧状態になっ
ていることとなる。
【0023】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
の燃料蒸気パージシステムの故障診断装置において、前
記所定状態は、圧力変化が燃料タンク内に大気圧を導入
する時の所定の圧力変化度合いよりも小となる状態が第
3の所定時間継続している状態であることを要旨とす
る。
【0024】請求項7に記載の発明によれば、圧力変化
が燃料タンク内に大気圧を導入する時の所定の圧力変化
度合いよりも小となる状態が第3の所定時間継続してい
るため、パージ経路は確実に大気圧状態になっているこ
ととなる。
【0025】請求項8に記載の発明は、請求項2、請求
項4、請求項6、及び請求項7のいずれかに記載の燃料
蒸気パージシステムの故障診断装置において、前記所定
状態を検出するための判定基準量を、前記燃料タンク内
の燃料残量に基づいて補正するようにしたことを要旨と
する。
【0026】請求項8に記載の発明によれば、燃料タン
ク内の燃料残量が少なくなればなるほど空間部の容積は
大きくなり、燃料タンク内の圧力変化の速度が異なるた
め、燃料残量に基づいて所定状態を検出するための判定
基準量を補正することにより、パージ経路が大気圧状態
に達したことを好適に判定することができる。
【0027】請求項9に記載の発明は、請求項2、請求
項4、請求項6、及び請求項7のいずれかに記載の燃料
蒸気パージシステムの故障診断装置において、前記所定
状態を検出するための判定基準量を、大気圧導入開始後
の大気戻り速度に基づいて補正するようにしたことを要
旨とする。
【0028】請求項9に記載の発明によれば、大気圧導
入開始後の大気戻り速度は燃料タンク内の空間部の容
積、穴開きの有無、及び燃料蒸気の発生量による影響を
受ける。例えば、パージ経路内に負圧を導入して内圧の
変化を測定した後、パージ経路に大気圧を導入するよう
にした場合には、燃料タンク内の空間部の容積が大きい
ほど、穴開きの度合いが小さいほど、あるいは燃料蒸気
の発生量が少ないほど大気戻り速度は遅くなる。逆に、
燃料タンク内の空間部の容積が小さいほど、穴開きの度
合いが大きいほど、あるいは燃料蒸気の発生量が多いほ
ど大気戻り速度は速くなる。従って、この大気戻り速度
に基づいて所定状態を検出するための判定基準量を補正
することにより、パージ経路が大気圧状態に達したこと
をより好適に判定することができる。
【0029】また、このような所定状態を検出するため
の判定基準量は、請求項10に記載の発明のように、前
記第1の所定時間、第2の所定時間、第3の所定時間及
び前記所定の圧力変化度合いのいずれかとすることがで
きる。
【0030】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明に
かかる燃料蒸気パージシステムの故障診断装置の第1実
施形態について、図1〜図4を参照して説明する。
【0031】図1は、本実施形態としての燃料蒸気パー
ジシステム全体を表す概略説明図である。本燃料蒸気パ
ージシステムは車両に搭載されるガソリンエンジンに対
して取り付けられている。
【0032】ガソリンエンジンの燃料タンク1には、そ
の内部で発生する燃料蒸気をキャニスタ2に導入する燃
料蒸気導入通路3の一端がフロート3aを介して開口し
接続されている。この燃料蒸気導入通路3の他端はキャ
ニスタ2上部に設けられた圧力緩衝室4を介して、キャ
ニスタ2と接続されている。この圧力緩衝室4内にはオ
リフィス4aが設けられ、オリフィス4aは燃料タンク
1内部とキャニスタ2内部とを常時連通させ、燃料タン
ク1の内部空間の圧力とキャニスタ2の内圧とを等しく
するようになっている。
【0033】また、燃料タンク1には給油時に開弁する
差圧弁5が設けられている。この差圧弁5はブリーザ通
路7によりキャニスタ2と接続されている。従って、給
油時に差圧弁5が開弁すると、燃料タンク1内の燃料蒸
気はブリーザ通路7を通じてキャニスタ2内に導入され
る。
【0034】キャニスタ2の内部はパージ通路8によっ
てエンジン吸気通路9の一部をなすサージタンク9aと
連通されている。このパージ通路8には、パージ制御弁
11が設けられている。パージ制御弁11はマイクロコ
ンピュータとして構成されているECU(電子制御ユニ
ット)10からの制御信号に基づいて駆動回路11aに
より開閉駆動されている。
【0035】例えば、パージ制御弁11は、パージ制御
において、パージによりキャニスタ2側からエンジン吸
気通路9へ供給される燃料量を調整し、故障診断制御で
はパージ通路8の遮断・開放を行う。このパージ制御弁
11としては例えばバキュームスイッチングバルブ(V
SV)等が用いられる。
【0036】キャニスタ2の内部は上下方向に延びる仕
切板15によって、2つの室に区画され、圧力緩衝室4
の下方に位置する主室16と、大気側制御弁14の下方
に位置し内容積が前記主室16より小さい副室17とが
それぞれ形成されている。また、主室16及び副室17
上部にはそれぞれ空気層18a,18bが形成され、空
気層18a,18bの下方には活性炭吸着材19a,1
9bが充填された吸着材層20a,20bがそれぞれ形
成されている。
【0037】吸着材層20a,20bの上方及び下方に
はフィルタ20c,20dが設けられており、活性炭吸
着材19a,19bは両フィルタ20c,20dの間に
充填されている。また、フィルタ20dから下方の空間
は拡散室21とされ、この拡散室21により主室16と
副室17とは連通されている。
【0038】主室16の上方におけるキャニスタ2上面
にはブリーザ通路7の一端が接続されている。ブリーザ
通路7の開口位置の図示左側にはパージ通路8が同様に
主室16に接続されている。
【0039】そして、特にパージ制御弁11が開弁状態
にあり、キャニスタ2内に大気圧よりも低い圧力が導入
されている状態で、パージ通路8内の空間が、順次、主
室16→圧力緩衝室4→燃料蒸気導入通路3→燃料タン
ク1に連通することとなる。また、ブリーザ通路7内の
空間も本来主室16と連通しているため、パージ通路8
と同一空間を共有することとなる。以下、本明細書にお
いて、大気圧を基準としてそれよりも低い圧力を負圧と
いい、大気圧を基準としてそれよりも高い圧力を正圧と
いう。このように、キャニスタ2内に負圧が導入されて
いる状態で互いに連通する燃料蒸気パージシステム内の
共有空間がパージ経路となる。本実施の形態にかかる燃
料蒸気パージシステムの故障診断装置は、このパージ経
路の漏れの有無を判定することによってその故障の有無
を診断することとなる。
【0040】更に、副室17の上方におけるキャニスタ
2上面には、通気ポート25が形成されている。この通
気ポート25に連通するように大気側制御弁14が設け
られている。なお、通気ポート25の中間部には圧力封
鎖弁25aが配置されている。この圧力封鎖弁25aは
通常は開かれているが、ECU10により後述のごとく
故障診断時に開閉制御される。圧力封鎖弁25aとして
は例えばVSV等が用いられる。
【0041】大気側制御弁14は、大気開放制御弁12
と大気導入制御弁13とが図示左右に対向して配置され
ることで形成されている。大気開放制御弁12に備えら
れたダイヤフラム12aの図示左側には大気圧室12b
が形成され、大気導入制御弁13に備えられたダイヤフ
ラム13aの図示右側には負圧室13bが形成されてい
る。これら2つのダイヤフラム12a,13aによって
挟まれた空間は、隔壁28により2つの圧力室に区画さ
れている。そして、両圧力室の一方は大気開放制御弁1
2の正圧室12dとされ、他方は大気導入制御弁13の
大気圧室13dとされている。また、負圧室13bはパ
ージ通路8に連通されており、負圧室13b内にはパー
ジ通路8に発生する圧力が導入されている。
【0042】前記隔壁28の一部には圧力ポート28a
が形成されるとともに、その先端開口部はダイヤフラム
13aによって閉塞可能とされている。大気圧室13d
には大気導入通路27が連通している。そして、ダイヤ
フラム13aは負圧室13bに配設されたスプリング1
3cの付勢力によって圧力ポート28aの先端開口部側
に押圧されているため、大気導入制御弁13は閉弁状態
となっている。
【0043】また、大気側制御弁14の上部には大気開
放制御弁12の大気圧室12bに通じる大気開放ポート
29が形成され、大気圧室12bの内部は常時大気圧と
されている。大気側制御弁14にはキャニスタ2内で燃
料成分が捕集された後の気体を外部に導出する大気排出
ポート26が設けられている。ORVR(Onboard Refu
eling Vapor Recovery)処理時においては大量の空気
(燃料成分が除去された気体)が大気排出ポート26を
通じて外部に放出されるため、大気排出ポート26はブ
リーザ通路7とほぼ等しい通路断面積を有している。大
気排出ポート26の先端開口部は大気開放制御弁12の
ダイヤフラム12aによって閉塞可能とされている。そ
して、ダイヤフラム12aは、大気圧室12bに配設さ
れたスプリング12cの付勢力により大気排出ポート2
6の開口部側に押圧されている。このため、大気開放制
御弁12はキャニスタ2の内圧が規定圧以上になるまで
閉弁状態に保持される。
【0044】給油時にブリーザ通路7からキャニスタ2
内にキャニスタ2内の圧力よりも高い圧力がかかると、
大気開放制御弁12の正圧室12dの圧力が高まる。そ
して、この正圧室12d内の圧力と大気開放ポート29
から大気圧室12bに導入される大気圧との差圧が、規
定圧差に達した時に大気開放制御弁12が開弁する。こ
のことにより、主室16と副室17とを経て燃料蒸気が
吸着されて除かれた気体が通気ポート25及び大気排出
ポート26を介して外部に排出される。
【0045】次に、燃料タンク1の上部には嵌挿孔31
が形成され、この嵌挿孔31にはブリーザ通路7の一部
をなす筒状のブリーザ管32が挿入され固定されてい
る。ブリーザ管32の下部にはフロート弁33が形成さ
れている。また、燃料タンク1の上部にはブリーザ管3
2の上端開口部32aを覆うように差圧弁5が配設され
ている。差圧弁5の内部はダイヤフラム5aによって上
下に区画され、ダイヤフラム5aの上側には第1圧力室
5bが、下側には第2圧力室5cがそれぞれ形成されて
いる。ダイヤフラム5aは第1圧力室5bに配設された
スプリング5dの付勢力により、第2圧力室5c内に導
入されたブリーザ通路7の上端開口部7a側に押圧され
ている。このようにダイヤフラム5aによってブリーザ
通路7の上端開口部7aは閉塞可能とされている。
【0046】差圧弁5の第1圧力室5bは、燃料タンク
1に設けられた燃料注入管36の上部と圧力通路34を
介して連通されている。この燃料注入管36の下部側先
端部には絞り36aが形成されている。給油された燃料
がこの絞り36aを通過すると、燃料注入管36内部の
燃料蒸気の流れ方向は給油口36bから燃料タンク1側
に流れる方向に規制される。従って、給油口36bから
燃料蒸気が外部に漏出することを防止できる。なお、燃
料タンク1の上部と燃料注入管36の上部とを連通させ
る循環ライン管37が設けられており、給油時において
燃料タンク1内の燃料蒸気を燃料注入管36との間で循
環させて円滑な注油を可能としている。
【0047】また、燃料タンク1の上部には燃料タンク
1内の圧力を検出するための圧力センサ1aが設けられ
ている。本実施形態において、圧力センサ1aには大気
圧を基準とする相対圧力を検出するものが用いられてい
る。なお、圧力センサ1aには製造ばらつきによる出力
誤差があり、大気圧状態で所定の出力誤差範囲−PA
(=−0.133kPa(=−1mmHg))〜+PB
(=+0.133kPa(=+1mmHg))内の出力
誤差が許容されている。圧力センサ1aによる検出信号
はパージ制御や故障診断制御を行っているECU10に
出力されている。なお、ECU10へはエンジン吸気通
路9に設けられたエアフローメータ9c等の各種センサ
からの信号も出力されている。
【0048】上記構成を備える燃料蒸気パージシステム
は以下のように機能する。燃料タンク1内において燃料
が蒸発し、燃料タンク1の内圧が規定圧力値以上に増加
すると、燃料蒸気導入通路3内には燃料タンク1からキ
ャニスタ2に向かう燃料蒸気の流れが形成される。この
ため、燃料タンク1の燃料蒸気は圧力緩衝室4のオリフ
ィス4aを介してキャニスタ2側に導入される。この場
合、差圧弁5の第1圧力室5bと第2圧力室5cの内圧
は等しいため、差圧弁5は閉弁状態に保持されブリーザ
通路7は閉鎖されている。
【0049】燃料蒸気導入通路3を介してキャニスタ2
内部に到達した燃料蒸気は、まず、主室16側の吸着材
層20aに充填された活性炭吸着材19aによって燃料
成分が捕集される。続いて、燃料蒸気は吸着材層20a
を抜けて拡散室21に達する。さらに、燃料蒸気は拡散
室21を通過して副室17に導入され、副室17側の吸
着材層20bにおいて、主室16側の吸着材層20aで
捕集しきれなかった燃料成分が捕集される。このように
燃料蒸気はキャニスタ2内部をU字状の移動経路に沿っ
て流れるため、吸着材層20a,20bの活性炭吸着材
19a,19bに接触する時間が長くなり燃料成分が効
果的に捕集される。
【0050】そして、燃料成分の大部分が吸着材層20
a,20bの活性炭吸着材19a,19bによって捕集
された気体は大気開放制御弁12を開弁するとともに、
大気排出ポート26を通じて外部に放出される。この
時、大気導入制御弁13の負圧室13bの内圧は大気圧
室13dの内圧より大きい正圧となっているため、大気
導入制御弁13は開弁しない。従って、大気導入制御弁
13を介して、大気導入通路27から燃料蒸気が外部に
漏出することはない。
【0051】次に、キャニスタ2内に捕集された燃料成
分は以下のようにしてエンジン吸気通路9に供給され
る。エンジンが始動されるとパージ通路8のサージタン
ク9a側開口部近傍は負圧に転じる。そして、ECU1
0の制御信号によりパージ制御弁11が開放駆動される
毎に、パージ通路8の内部にはキャニスタ2側からサー
ジタンク9a側へ向かう燃料蒸気の流れが形成される。
【0052】従って、キャニスタ2内部は負圧となり、
大気導入制御弁13が開弁するとともに、大気導入通路
27を通してキャニスタ2内部に副室17側から空気が
導入される。そして、活性炭吸着材19a,19bに吸
着されている燃料成分はその空気により離脱され、空気
中に吸収される。
【0053】このようにして導入された空気により燃料
蒸気はパージ通路8内に導かれ、パージ制御弁11を介
してサージタンク9a内に放出される。サージタンク9
a内において、燃料蒸気はエアクリーナ9b、エアフロ
ーメータ9c及びスロットルバルブ9dを通過した吸入
空気と混合され、シリンダ(図示略)内に供給される。
そして、吸入空気と混合された燃料蒸気は、燃料タンク
1内の燃料ポンプ38を介し燃料噴射弁39から吐出さ
れた燃料とともに、シリンダ内において燃焼される。
【0054】一方、エンジン停止状態での長時間の駐車
等により、燃料タンク1が冷却され、燃料タンク1内の
燃料蒸気の発生が止まり、燃料タンク1内部の圧力が相
対的にキャニスタ2内部より低くなった場合には、圧力
緩衝室4の圧力は負圧となる。従って、キャニスタ2内
の燃料蒸気はオリフィス4a及び燃料蒸気導入通路3を
通じて燃料タンク1に戻される。
【0055】次に、ECU10により実行される燃料蒸
気パージシステムの故障診断処理について説明する。こ
の故障診断処理は大きくは、燃料タンク1内での燃料蒸
気の発生量に基づく内圧の変化量(以下、「圧力変化量
ΔP1」という)の測定、パージ経路への負圧の導入及
び同経路の密閉、密閉後における燃料タンク1の内圧の
変化速度(以下、「圧力変化速度ΔP15」という)の
測定、上記圧力変化量ΔP1並びに圧力変化速度ΔP1
5に基づくリーク診断といった各処理に分けられる。以
下、これら各処理の概要、並びにその実行に伴う圧力封
鎖弁25aの開閉動作等について図2のタイミングチャ
ートを参照して説明する。
【0056】<圧力変化量ΔP1の測定>この圧力変化
量ΔP1は、燃料タンク1内におけるベーパの発生量を
示すものであり、その測定は、パージ制御の開始前に行
われる他、同パージ制御の開始後にあっては、上記故障
判定を行う際に前回の測定時から所定時間(例えば「3
min.」)経過していることを条件に行われる。
【0057】また、その測定に際しては、パージ制御の
開始前にあっては、パージ経路内が大気圧状態になると
圧力封鎖弁25aが強制的に閉じられ(タイミングt
1)、パージ制御の開始後にあっても、パージ経路内が
大気圧状態になるとこの圧力封鎖弁25aの他、パージ
制御弁11も強制的に閉じられるようになる(タイミン
グt7)。そして、このようにパージ経路が密閉された
状態のもとでの所定時間(例えば「15sec.」)内にお
ける燃料タンク1の内圧の変化量が圧力変化量ΔP1と
して測定される。
【0058】なお、本実施形態の故障診断処理において
は、この圧力変化量ΔP1の測定の基準となる大気圧状
態の判定を、図3,4に示すように圧力センサ1aにて
所定圧力−PA(=−0.133kPa)が測定されて
から所定時間T1(本実施形態では10秒)経過後に設
定している。圧力センサ1aには製造ばらつきによる出
力誤差があり、大気圧状態で所定の出力誤差範囲−PA
(=−0.133kPa)〜+PB(=+0.133k
Pa)内の出力誤差が許容されている。そして、本実施
形態においては、パージ経路が負圧状態から大気圧状態
にされる。燃料残量が「空」の場合においても、タンク
内圧が大気圧状態で最大値PBを出力する圧力センサ1
aによって最小値−PAが測定された後、所定時間T1
経過すればタンク内圧は確実に大気圧状態になるためで
ある。そのため、大気圧状態で最大値PBを出力する圧
力センサ1aを使用した場合にも燃料蒸気の発生量の測
定精度が向上する。なお、所定時間T1は圧力封鎖弁2
5aを開弁したときのパージ経路内圧と、オリフィス4
aの直径と、燃料残量「空」の状態での燃料タンク1の
空間部の容積とに基づいて算出することができる。ま
た、タンク内圧が大気圧状態で最小値−PAを出力する
圧力センサ1aでは最小値−PAが測定された時点でタ
ンク内圧は確実に大気圧状態になっており、燃料蒸気の
発生量の測定が確実に行われる。
【0059】<パージ経路への負圧の導入及び同経路の
密閉>パージ経路に負圧を導入する際には、まず、故障
診断の前提条件が成立している否かが判断される。この
前提条件としては、パージ経路のリーク診断が未完了で
あること、パージ制御実行中であること、標高が所定高
さ(例えば2400m)以下、すなわち気圧が所定値以
上であること、エンジンの始動時の冷却水温が所定の範
囲(例えば、−10℃〜35℃)内にあること、登降坂
走行中でないこと等々が含まれ、それらが全て満たされ
ているときに前提条件が成立しているものとみなされ
る。
【0060】そして、上記前提条件が成立している場合
には、圧力封鎖弁25aが閉弁される(タイミングt
3)。その結果、サージタンク9a内の負圧がパージ通
路8を通じてパージ経路内に導入され、燃料タンク1の
内圧、換言すればパージ経路の内圧が徐々に低下するよ
うになる。その後、この燃料タンク1の内圧が所定圧
(例えば「−2.67kPa」=「−20mmHg」)
に達したことを条件に、パージ制御弁11が閉じられる
(タイミングt4)。その結果、パージ経路への負圧の
導入が停止されるとともに、同経路内が密閉されること
となる。
【0061】また、上記のようにパージ経路内に負圧が
導入される際、燃料タンク1の内圧は、キャニスタ2の
内圧よりも遅れて低下する傾向がある。このため、パー
ジ経路を密閉しても、燃料タンク1の内圧は、キャニス
タ2との間の内圧差によって更に低下するようになる。
このようにキャニスタ2と燃料タンク1との内圧の不均
衡に起因して、パージ経路の密閉後においても燃料タン
ク1の内圧が大きく変化することがあると、その後に行
われる圧力変化速度ΔP15の測定に悪影響を及ぼすお
それがある。
【0062】このため、本実施形態では、上記のように
燃料タンク1の内圧が上記所定圧に達した後、圧力封鎖
弁25aを所定期間の間だけ一時的に開弁させること
で、キャニスタ2の内圧を強制的に増大させるようにし
ている。即ち、キャニスタ2と燃料タンク1との間の内
圧の不均衡を速やかに是正することにより、こうした内
圧の不均衡に伴う燃料タンク1の内圧の変化を極力抑制
するようにしている。
【0063】<圧力変化速度ΔP15の測定>上記のよ
うにしてパージ経路内に負圧を導入して密閉した後、圧
力変化速度ΔP15を測定する。例えば、この測定に際
しては、燃料タンク1の内圧が、負圧の導入を終了した
ときの圧力値よりも高い所定圧(例えば「−2.0kP
a」=「−15mmHg」)に達したとき(タイミング
t5)から、所定時間(例えば「5sec.」)が経過する
までの間(タイミングt5〜t6)の圧力変化量が圧力
変化速度ΔP15として測定される。圧力変化速度ΔP
15の測定が終了した後(タイミングt6)、圧力封鎖
弁25aは再び開弁状態に保持される。
【0064】<圧力変化量ΔP1並びに圧力変化速度Δ
P15に基づくリーク診断>この故障判定に際しては、
まず、圧力変化速度ΔP15と所定の正常判定値とが比
較される。ここで圧力変化速度ΔP15が正常判定値未
満である場合には、パージ経路に穴によるリークの発生
は無いと判断できるため、システムは正常である旨診断
される。
【0065】一方、圧力変化速度ΔP15が正常判定値
以上である場合には、同圧力変化速度ΔP15が正常判
定値よりも大きく設定された異常判定値と比較される。
ここで圧力変化速度ΔP15が異常判定値以上である場
合には、更に圧力変化量ΔP1と所定値(例えば「0.
267kPa」=「2mmHg」)とを比較する。そし
て、ここで圧力変化量ΔP1が所定値以下である場合、
即ち、ベーパの発生に伴う燃料タンク1の内圧上昇が小
さい場合には、圧力変化速度ΔP15が異常判定値以上
になった原因がパージ経路のリークに起因するものと判
断できるため、システムが異常である旨診断される。
【0066】これに対して、圧力変化速度ΔP15が異
常判定値以上であっても圧力変化量ΔP1が所定値より
大きい場合、或いは圧力変化速度ΔP15が異常判定値
未満である場合にはいずれも、正確なリーク診断が困難
であるため、システムの正常或いは異常の診断は一旦保
留される。
【0067】次に、上記圧力変化量ΔP1を測定する際
の処理手順について図5に示すフローチャートを参照し
て説明する。図5のフローチャートに示す一連の処理
は、ECU10により所定時間毎の割込処理として実行
される。
【0068】この処理に際し、ECU10は、ステップ
102において、圧力変化速度ΔP15の測定が完了し
たか否かを判断する。ここで、圧力変化速度ΔP15の
測定が完了していない旨判断すると、ECU10は処理
を一旦終了する。
【0069】一方、圧力変化速度ΔP15の測定が完了
している旨判断すると、ECU10は、ステップ104
において、圧力封鎖弁25aを開弁し、パージ経路内に
大気圧を導入する。
【0070】そして、ステップ106において、ECU
10は、タンク内圧が−PA(=−0.133kPa)
より大きいか否かを判断する。このステップ106にお
いて、タンク内圧が−PA以下であると判断すると、E
CU10は処理を一旦終了し、ステップ106におい
て、タンク内圧が−PAより大きいと判断すると、ステ
ップ108に進む。
【0071】ステップ108において、ECU10は、
タンク内圧が−PAより大きくなった後所定時間T1経
過したか否かを判断する。このステップ108におい
て、タンク内圧が−PAより大きくなった後所定時間T
1経過していないと判断するとステップ114に進み、
タンク内圧が−PAより大きくなった後所定時間T1経
過したと判断するとステップ110に進む。
【0072】ステップ114において、ECU10は、
タンク内圧がPB未満か否かを判断する。このステップ
114において、タンク内圧がPB未満であると判断す
ると、ECU10は処理を一旦終了し、タンク内圧がP
B以上であると判断するとステップ110に進む。
【0073】ステップ110では、ECU10はタンク
内圧が確実に大気圧以上になっているとして圧力封鎖弁
25aを閉弁する。そして、ステップ112において、
ECU10は圧力封鎖弁25aの閉弁後15秒間の圧力
変化量ΔP1を測定する。ECU10はこの圧力変化量
ΔP1と圧力変化速度ΔP15との基づいてパージ経路
の漏れ診断を行う。
【0074】以上説明した本実施形態によれば以下に記
載した効果を奏することができるようになる。 ・ 本実施形態の故障診断装置においては、圧力変化量
ΔP1の測定の基準となる大気圧状態の判定を、圧力セ
ンサ1aにて所定圧力−PA(=−0.133kPa)
が測定されてから所定時間T1(本実施形態では10
秒)経過後に設定している。従って、タンク内圧が大気
圧状態で最大値PBを出力する圧力センサ1aによって
最小値−PAが測定された後、所定時間T1経過すれば
タンク内圧は確実に大気圧状態になり、燃料蒸気の発生
量の測定精度を向上することができ、よって漏れ診断の
精度を向上することができる。また、タンク内圧が大気
圧状態で最小値−PAを出力する圧力センサ1aでは最
小値−PAが測定された時点でタンク内圧は確実に大気
圧状態になっており、燃料蒸気の発生量の測定を確実に
行ってその測定精度を向上することができ、よって漏れ
診断の精度を向上することができる。
【0075】・ また、本実施形態では、図4に示すよ
うに、圧力センサ1aにて所定圧力−PA(=−0.1
33kPa)が測定されてから所定時間T1以内にタン
ク内圧がPB以上になったときには大気圧状態と判定す
るようにしているので、大気圧状態で測定値がPBとな
る圧力センサ1aであっても確実に大気圧状態を測定す
ることでき、燃料蒸気の発生量の測定精度を向上するこ
とができ、よって漏れ診断の精度を向上することができ
る。
【0076】(第2実施形態)次に、本発明に係る第2
実施形態について、上記第1実施形態との相違点を中心
に説明する。なお、この第2実施形態にかかる故障診断
装置は、先の第1実施形態で説明したものと同様の構成
を有したものを想定しているため、その構成についての
説明は省略する。
【0077】前記第1実施形態では、パージ経路への大
気圧の導入後、圧力センサ1aによってタンク内圧が−
PAより大きくなった時点から所定時間T1経過する
と、パージ経路は大気圧状態であると判定するようにし
た。これに対し、本実施形態では、図2に示すように圧
力変化速度ΔP15の検出後の大気導入開始時点(圧力
封鎖弁25aの開弁時)から第2の所定時間T2経過後
にパージ経路は大気圧状態であると判定するようにした
ものである。なお、この第2の所定時間T2も圧力封鎖
弁25aを開弁したときのパージ経路内圧と、オリフィ
ス4aの直径と、燃料残量「空」の状態での燃料タンク
1の空間部の容積とに基づいて算出することができる。
【0078】以下、こうした故障診断処理の詳細につい
て、図6に示すフローチャートを参照して説明する。な
お、同図6における処理においては、図5におけるステ
ップ106及びステップ108の処理を省略し、ステッ
プ120の処理が追加された点が図5の処理と異なり、
それ以外は同様の処理内容であるため、その詳細な説明
は省略する。
【0079】すなわち、ステップ102において、EC
U10が圧力変化速度ΔP15の測定が完了したと判断
し、ステップ104において、圧力封鎖弁25aを開弁
する。そして、ステップ120において、ECU10は
圧力封鎖弁25aの開弁後所定時間T2経過したか否か
を判断する。
【0080】このステップ120において、圧力封鎖弁
25aの開弁後所定時間T2経過していないと判断する
とステップ114に進み、圧力封鎖弁25aの開弁後所
定時間T2経過したと判断するとステップ110に進
む。そして、ステップ110では、ECU10はタンク
内圧が確実に大気圧以上になっているとして圧力封鎖弁
25aを閉弁する。
【0081】以上説明した本実施形態によれば以下に記
載した効果を奏することができるようになる。 ・ 本実施形態の故障診断装置においては、圧力変化量
ΔP1の測定の基準となる大気圧状態の判定を、圧力変
化速度ΔP15の測定後の圧力封鎖弁25aの開弁時か
ら所定時間T2経過後としたので、圧力センサ1aの出
力誤差のばらつきに関係なく、パージ経路内圧を確実に
大気圧状態にすることができ、燃料蒸気の発生量の測定
を確実に行ってその測定精度を向上することができ、よ
って漏れ診断の精度を向上することができる。
【0082】(第3実施形態)次に、本発明に係る第3
実施形態について、上記第1実施形態との相違点を中心
に説明する。なお、この第3実施形態にかかる故障診断
装置は、先の第1実施形態で説明したものと同様の構成
を有したものを想定しているため、その構成についての
説明は省略する。
【0083】前記第1実施形態では、パージ経路への大
気圧の導入後、圧力センサ1aによってタンク内圧が−
PAより大きくなった時点から所定時間T1経過する
と、パージ経路が大気圧状態であると判定するようにし
た。これに対し、本実施形態では、パージ経路への大気
圧の導入後、圧力センサ1aによってタンク内圧が−P
Aより大きくなった時点から所定時間T1経過する以前
であっても、タンク内圧の上昇量が所定値PC/秒未満
の状態が所定時間継続すると、パージ経路は大気圧状態
であると判定するようにした。これは、図4に示すよう
にパージ経路内に大気圧を導入する際、燃料残量が
「空」の時のタンク内圧の上昇量をPCとすると、パー
ジ経路内圧が実際に大気圧状態では燃料蒸気の発生量が
所定値PC未満となることによる。なお、パージ経路内
に大気圧を導入する際、タンク内圧の上昇量は燃料残
量、すなわち燃料タンク1の空間部の容積に基づいて変
化するため、図8に示すように、所定値PCの値は燃料
残量に応じて可変の値としてもよい。
【0084】以下、こうした故障診断処理の詳細につい
て、図7に示すフローチャートを参照して説明する。な
お、同図7における処理においては、図5におけるステ
ップ114の処理の後段にステップ130の処理が追加
された点が図5の処理と異なり、それ以外は同様の処理
内容であるため、その詳細な説明は省略する。
【0085】すなわち、ステップ114において、EC
U10は、タンク内圧がPB未満か否かを判断する。こ
のステップ114において、タンク内圧がPB未満であ
ると判断すると、ECU10はステップ130に進み、
タンク内圧がPB以上であると判断するとステップ11
0に進む。
【0086】ステップ130において、ECU10は、
タンク内圧上昇量が所定値PC/秒未満である状態が所
定時間T3継続したか否かを判断する。このステップ1
30における否定判断の場合にはECU10は処理を一
旦終了し、肯定判断の場合にはステップ110に進む。
【0087】ステップ110では、ECU10はタンク
内圧が確実に大気圧以上になっているとして圧力封鎖弁
25aを閉弁する。そして、ステップ112において、
ECU10は圧力封鎖弁25aの閉弁後15秒間の圧力
変化量ΔP1を測定する。ECU10はこの圧力変化量
ΔP1と圧力変化速度ΔP15との基づいてパージ経路
の漏れ診断を行う。
【0088】以上説明した本実施形態によれば以下に記
載した効果を奏することができるようになる。 ・ 本実施形態の故障診断装置においては、パージ経路
への大気圧の導入後、圧力センサ1aによって測定され
たタンク内圧が−PAより大きくなった時点から所定時
間T1経過する以前であっても、タンク内圧の上昇量が
所定値PC/秒未満の状態が所定時間T3継続すると、
パージ経路は大気圧状態であると判定するようにした。
そのため、圧力センサ1aの出力誤差のばらつきに関係
なく、パージ経路内圧を確実に大気圧状態にすることが
でき、燃料蒸気の発生量の測定を確実に行ってその測定
精度を向上することができ、よって漏れ診断の精度を向
上することができる。
【0089】(第4実施形態)次に、本発明に係る第4
実施形態について、上記第1実施形態との相違点を中心
に説明する。なお、この第4実施形態にかかる故障診断
装置は、先の第1実施形態で説明したものと同様の構成
を有したものを想定しているため、その構成についての
説明は省略する。
【0090】前記第1実施形態では、パージ経路への大
気圧の導入開始後、圧力センサ1aによって測定された
タンク内圧が−PAより大きくなった時点から所定時間
T1経過すると、パージ経路が大気圧状態であると判定
するようにした。タンク内圧が−PAから上昇して確実
に大気圧に達していると判定するためには、上記の所定
時間T1を大きな値に設定しておく必要がある。
【0091】これに対し、本実施形態では、パージ経路
への大気圧の導入開始後においてタンク内圧の大気戻り
速度、すなわちタンク内圧が大気圧側へ上昇する上昇速
度を算出し、その大気戻り速度に応じて第1の所定時間
としての大気復帰判定時間を補正し、タンク内圧が−P
Aより大きくなったことが圧力センサ1aによって測定
された時点から大気復帰判定時間を経過すると、パージ
経路は大気圧状態であると判定するようにした。なお、
本実施形態においては大気戻り速度は、タンク内圧が所
定圧力範囲を変化するのに要する大気戻り時間で代用す
るようにしている。パージ経路内に大気圧を導入する
際、大気戻り時間は燃料タンク内の空間部の容積、穴開
きがある場合には穴の大きさ、燃料蒸気の発生量による
影響を受けたものとなる。
【0092】本実施形態のように、パージ経路内に負圧
を導入して内圧の変化を測定した後、パージ経路に大気
圧を導入する場合には、燃料タンク内の空間部の容積が
大きいほど、穴開きの度合いが小さいほど、あるいは燃
料蒸気の発生量が少ないほど大気戻り時間は長くなる。
逆に、燃料タンク内の空間部の容積が小さいほど、穴開
きの度合いが大きいほど、あるいは燃料蒸気の発生量が
多いほど大気戻り時間は短くなる。従って、この大気戻
り速度に基づいて補正された判定基準量である大気復帰
判定時間は燃料タンク内の空間部の容積、穴開きの度合
い、及び燃料蒸気の発生量による影響を含むものとな
り、パージ経路が大気圧状態に達したことをより早く判
定することができる。
【0093】次に、ECU10により実行される燃料蒸
気パージシステムの故障診断処理について説明する。こ
の故障診断処理は大きくは、パージ経路への負圧の導入
及び同経路の密閉、密閉後における燃料タンク1の圧力
変化速度ΔP15の測定、パージ経路への大気導入開始
後における大気戻り時間の取込み、燃料タンク1内での
燃料蒸気の発生量に基づく圧力変化量ΔP1の測定、上
記圧力変化量ΔP1並びに圧力変化速度ΔP15に基づ
くリーク診断といった各処理に分けられる。以下、これ
ら各処理の概要、並びにその実行に伴う圧力封鎖弁25
aの開閉動作等について図9のタイミングチャートを参
照して説明する。なお、図9において圧力センサ1aは
大気圧状態で所定の出力誤差範囲−PA(=−0.13
3kPa)〜+PB(=+0.133kPa)の最大値
PBを出力する圧力センサが使用されているものとす
る。
【0094】<パージ経路への負圧の導入及び同経路の
密閉>パージ経路への負圧の導入及び同経路の密閉は、
前記故障診断の前提条件が成立している場合には、圧力
封鎖弁25aが閉弁される(タイミングt3)。その結
果、サージタンク9a内の負圧がパージ通路8を通じて
パージ経路内に導入され、燃料タンク1の内圧が徐々に
低下するようになる。その後、この燃料タンク1の内圧
が所定圧(例えば「−2.67kPa」=「−20mm
Hg」)に達したことを条件に、パージ制御弁11が閉
じられる(タイミングt4)。その結果、パージ経路へ
の負圧の導入が停止されるとともに、同経路内が密閉さ
れることとなる。また、上記のようにパージ経路内に負
圧が導入される際、燃料タンク1の内圧が上記所定圧に
達した後、圧力封鎖弁25aを所定期間の間だけ一時的
に開弁させることで、キャニスタ2の内圧を強制的に増
大させ、キャニスタ2と燃料タンク1との間の内圧の不
均衡を速やかに是正するようにしている。
【0095】<圧力変化速度ΔP15の測定>圧力変化
速度ΔP15の測定も前記と同様にパージ経路内に負圧
を導入して密閉した後、燃料タンク1の内圧が、負圧の
導入を終了したときの圧力値よりも高い所定圧(例えば
「−2.0kPa」=「−15mmHg」)に達したと
き(タイミングt5)から、所定時間(例えば「5se
c.」)が経過するまでの間(タイミングt5〜t6)の
圧力変化量が圧力変化速度ΔP15として測定される。
圧力変化速度ΔP15の測定が終了した後(タイミング
t6)、圧力封鎖弁25aは再び開弁状態に保持され
る。
【0096】<大気戻り時間の取り込み>パージ経路内
への大気圧の導入開始後、タンク内圧が所定圧力(例え
ば「−1.33kPa」=「−10mmHg」)に達し
たとき(タイミングt9)から、所定圧力(例えば「−
0.665kPa」=「−5mmHg」)に達したとき
(タイミングt10)までの時間が大気戻り時間Trと
して取り込まれる。
【0097】<圧力変化量ΔP1の測定>圧力変化量Δ
P1の測定に際しては、パージ制御の開始後にあって
も、パージ経路内が大気圧状態になるとこの圧力封鎖弁
25aの他、パージ制御弁11も強制的に閉じられるよ
うになる(タイミングt7)。そして、このようにパー
ジ経路が密閉された状態のもとでの所定時間(例えば
「15sec.」)内における燃料タンク1の内圧の変化量
が圧力変化量ΔP1として測定される。
【0098】なお、本実施形態の故障診断処理において
は、この圧力変化量ΔP1の測定の基準となる大気圧状
態の判定は、圧力センサ1aにて所定圧力−PA(=−
0.133kPa)が測定された時点(タイミングT1
1)から大気戻り時間Trに応じた大気復帰判定時間T
j経過後に設定されている。圧力センサ1aは大気圧状
態で最大値PBを出力するのであるが、圧力センサ1a
によって最小値−PAが測定された後、大気復帰判定時
間Tj経過すればタンク内圧は確実に大気圧状態になる
ためである。また、タンク内圧が大気圧状態で最小値−
PAを出力する圧力センサ1aが使用されている場合に
は、同センサ1aによって最小値−PAが出力された時
点でタンク内圧は確実に大気圧状態になっており、大気
復帰判定時間Tj経過後も同センサ1aの出力は−PA
に維持される。
【0099】<圧力変化量ΔP1並びに圧力変化速度Δ
P15に基づくリーク診断>この故障判定に際しては、
まず、圧力変化速度ΔP15と所定の正常判定値とが比
較される。ここで圧力変化速度ΔP15が正常判定値未
満である場合には、パージ経路に穴によるリークの発生
は無いと判断できるため、システムは正常である旨診断
される。
【0100】一方、圧力変化速度ΔP15が正常判定値
以上である場合には、同圧力変化速度ΔP15が正常判
定値よりも大きく設定された異常判定値と比較される。
ここで圧力変化速度ΔP15が異常判定値以上である場
合には、更に圧力変化量ΔP1と所定値(例えば「0.
267kPa」=「2mmHg」)とを比較する。そし
て、ここで圧力変化量ΔP1が所定値以下である場合、
即ち、ベーパの発生に伴う燃料タンク1の内圧上昇が小
さい場合には、圧力変化速度ΔP15が異常判定値以上
になった原因がパージ経路のリークに起因するものと判
断できるため、システムが異常である旨診断される。
【0101】これに対して、圧力変化速度ΔP15が異
常判定値以上であっても圧力変化量ΔP1が所定値より
大きい場合、或いは圧力変化速度ΔP15が異常判定値
未満である場合にはいずれも、正確なリーク診断が困難
であるため、システムの正常或いは異常の診断は一旦保
留される。
【0102】次に、本実施形態において上記圧力変化量
ΔP1を測定する際の処理手順について図10に示すフ
ローチャートを参照して説明する。図10のフローチャ
ートに示す一連の処理も、ECU10により所定時間毎
の割込処理として実行される。
【0103】この処理に際し、ECU10は、ステップ
202において、圧力変化速度ΔP15の測定が完了し
たか否かを判断する。ここで、圧力変化速度ΔP15の
測定が完了していない旨判断すると、ECU10は処理
を一旦終了する。
【0104】一方、圧力変化速度ΔP15の測定が完了
している旨判断すると、ECU10は、ステップ204
において、圧力封鎖弁25aを開弁し、パージ経路内に
大気圧を導入する。
【0105】そして、ステップ206において、ECU
10は、大気戻り時間Trを取込む。次のステップ20
8において、ECU10は大気戻り時間Trに応じた大
気復帰判定時間Tjを図11に示すマップを参照して求
める。なお、パージ経路内に大気圧を導入する際、タン
ク内圧の大気戻り速度は燃料タンク内の空間部の容積、
穴開きがある場合には穴の大きさ、燃料蒸気の発生量に
基づいて変化するため、図11に示すように、大気戻り
時間Trが大きければ大きいほど大気復帰判定時間Tj
は大きな値に設定されるようになっている。
【0106】そして、ステップ210において、ECU
10は、タンク内圧が−PA(=−0.133kPa)
より大きいか否かを判断する。このステップ210にお
いて、タンク内圧が−PA以下であると判断すると、E
CU10は処理を一旦終了し、ステップ210におい
て、タンク内圧が−PAより大きいと判断すると、ステ
ップ108に進む。
【0107】ステップ212において、ECU10は、
タンク内圧が−PAより大きくなった後大気復帰判定時
間Tj経過したか否かを判断する。このステップ212
において、タンク内圧が−PAより大きくなった後時間
Tj経過していないと判断するとECU10は処理を一
旦終了し、タンク内圧が−PAより大きくなった後時間
Tj経過したと判断するとステップ214に進む。
【0108】ステップ214では、ECU10はタンク
内圧が確実に大気圧になっているとして圧力封鎖弁25
aを閉弁する。そして、ステップ216において、EC
U10は圧力封鎖弁25aの閉弁後15秒間の圧力変化
量ΔP1を測定する。ECU10はこの圧力変化量ΔP
1と圧力変化速度ΔP15との基づいてパージ経路の漏
れ診断を行う。
【0109】以上説明した本実施形態によれば以下に記
載した効果を奏することができるようになる。 ・ 本実施形態の故障診断装置においては、圧力変化量
ΔP1の測定の基準となる大気圧状態の判定を、圧力セ
ンサ1aにて所定圧力−PA(=−0.133kPa)
が測定されてから大気戻り時間Trに応じた大気復帰判
定時間Tj経過後に設定している。大気戻り時間Trは
燃料タンク1内の空間部の容積、穴開きの度合い、及び
燃料蒸気の発生量による影響を含むものであるため、大
気復帰判定時間Tjも燃料タンク1内の空間部の容積、
穴開きの度合い、及び燃料蒸気の発生量による影響を考
慮したものとなり、パージ経路が大気圧状態に達したこ
とを確実に、かつ、より早く判定することができ、燃料
蒸気の発生量の測定を確実かつ早期に行うことができ
る。
【0110】なお、実施形態は上記に限定されるもので
はなく、次のように変更してもよく、その場合でも同様
の作用及び効果を得ることができる。 ・ 上記第1〜第4実施形態では燃料蒸気パージシステ
ムとして燃料タンク1とキャニスタ2とをオリフィス4
aを介して常時連通するタイプのものに具体化したが、
これに代えてキャニスタにはタンク内圧制御弁を設けて
通常時には燃料タンク内とキャニスタとを遮断するタイ
プの燃料蒸気パージシステムに具体化してもよい。
【0111】・ 上記第1〜第3実施形態のいずれかに
おいて、パージ経路が大気圧状態に達したと判定するた
めの所定状態を検出するための判定基準量である所定時
間T1、所定時間T2、及び所定時間T3のいずれか
を、燃料タンク1の燃料残量に基づいて補正するように
してもよい。このようにすれば、パージ経路を確実に大
気圧状態にすることができ、燃料蒸気の発生量の測定を
確実に行ってその測定精度を向上することができ、よっ
て漏れ診断の精度を向上することができる。
【0112】・ 上記第4実施形態では大気戻り時間を
大気戻り速度の代用としたが、大気戻り速度に基づいて
大気復帰判定時間を補正するようにしたり、又は所定時
間における圧力変化量を大気戻り速度の代用として大気
復帰判定時間を補正するようにしてもよい。
【0113】・ 上記第1〜第4実施形態ではパージ経
路に負圧を導入して漏れ診断を実行する故障診断装置に
具体化したが、これに代えてパージ経路に正圧を導入し
て漏れ診断を実行する故障診断装置に具体化してもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の燃料蒸気パージシステム全体を
表す概略説明図。
【図2】第1実施形態の制御態様を示すタイムチャー
ト。
【図3】圧力センサの出力誤差を示す説明図。
【図4】燃料蒸気の発生によるタンク内圧の上昇と、大
気導入によるタンク内圧の上昇との関係を示す説明図。
【図5】第1実施形態の測定処理の手順を示すフローチ
ャート。
【図6】第2実施形態の測定処理の手順を示すフローチ
ャート。
【図7】第3実施形態の測定処理の手順を示すフローチ
ャート。
【図8】燃料残量と大気導入時におけるタンク内圧との
関係を示す説明図。
【図9】第4実施形態の制御態様を示すタイムチャー
ト。
【図10】第4実施形態の測定処理の手順を示すフロー
チャート。
【図11】大気戻り時間と大気復帰判定時間との関係を
示すマップ。
【符号の説明】
1…燃料タンク、2…キャニスタ、3…燃料蒸気導入通
路、4…圧力緩衝室、4a…オリフィス、9…吸気通
路、10…診断手段及び判定手段としてのECU(電子
制御ユニット)、11…パージ制御弁、25a…圧力封
鎖弁、27…大気導入通路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 兵道 義彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 Fターム(参考) 2G067 AA27 BB31 DD02 DD06 3D038 CA25 CB01 CC02 3G044 BA18 BA22 CA03 DA02 EA18 EA33 EA53 FA04 FA06 FA10 FA13 FA23 FA38 FA39 GA03 GA04 GA05 GA06 GA20 GA22 GA26

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料タンク内で発生する燃料蒸気をキャニ
    スタに捕集し、キャニスタに捕集した燃料蒸気を同燃料
    タンクを含むパージ経路を介して内燃機関の吸気通路へ
    パージするようにした燃料蒸気パージシステムと、 前記燃料タンク内の空間の圧力を測定する圧力センサを
    備え、パージ経路の内圧と外圧との間に差圧を設けてパ
    ージ経路を密閉して測定した内圧の変化と、前記パージ
    経路に大気圧を導入して密閉した後の燃料タンク内での
    燃料蒸気の発生量とに基づいてパージ経路の漏れ診断を
    行う診断手段とを備える燃料蒸気パージシステムの故障
    診断装置において、 前記パージ経路に大気圧の導入を開始した後の所定状態
    を検出して前記パージ経路が大気圧状態に達したと判定
    する判定手段を備え、 前記診断手段は、前記判定手段により前記パージ経路が
    大気圧に達したと判定されたとき、前記燃料蒸気の発生
    量の測定を行うようにした燃料蒸気パージシステムの故
    障診断装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の燃料蒸気パージシステム
    の故障診断装置において、 前記所定状態は、前記圧力センサにより所定圧力が検出
    された後、第1の所定時間経過した状態である燃料蒸気
    パージシステムの故障診断装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の燃料蒸気パージシステム
    の故障診断装置において、 前記所定圧力は、所定の出力誤差を有する圧力センサに
    て大気圧として検出される最も低い圧力である燃料蒸気
    パージシステムの故障診断装置。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の燃料蒸気パージシステム
    の故障診断装置において、 前記所定状態は、大気圧導入開始後、第2の所定時間経
    過した状態である燃料蒸気パージシステムの故障診断装
    置。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の燃料蒸気パージシステム
    の故障診断装置において、 前記所定状態は、所定の出力誤差を有する圧力センサの
    内、最も高い圧力で大気圧を測定する圧力センサにて大
    気圧が測定された状態である燃料蒸気パージシステムの
    故障診断装置。
  6. 【請求項6】請求項1に記載の燃料蒸気パージシステム
    の故障診断装置において、 前記所定状態は、圧力変化が燃料タンク内に大気圧を導
    入する時の所定の圧力変化度合いよりも小となる状態で
    ある燃料蒸気パージシステムの故障診断装置。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の燃料蒸気パージシステム
    の故障診断装置において、 前記所定状態は、圧力変化が燃料タンク内に大気圧を導
    入する時の所定の圧力変化度合いよりも小となる状態が
    第3の所定時間継続している状態である燃料蒸気パージ
    システムの故障診断装置。
  8. 【請求項8】請求項2、請求項4、請求項6、及び請求
    項7のいずれかに記載の燃料蒸気パージシステムの故障
    診断装置において、 前記所定状態を検出するための判定基準量を、前記燃料
    タンク内の燃料残量に基づいて補正するようにした燃料
    蒸気パージシステムの故障診断装置。
  9. 【請求項9】請求項2、請求項4、請求項6、及び請求
    項7のいずれかに記載の燃料蒸気パージシステムの故障
    診断装置において、 前記所定状態を検出するための判定基準量を、大気圧導
    入開始後の大気戻り速度に基づいて補正するようにした
    燃料蒸気パージシステムの故障診断装置。
  10. 【請求項10】請求項8及び請求項9のいずれかに記載
    の燃料蒸気パージシステムの故障診断装置において、 前記判定基準量は、前記第1の所定時間、第2の所定時
    間、第3の所定時間及び前記所定の圧力変化度合いのい
    ずれかである燃料蒸気パージシステムの故障診断装置。
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