JP2012090575A - チーズおよびその製造方法 - Google Patents

チーズおよびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2012090575A
JP2012090575A JP2010240981A JP2010240981A JP2012090575A JP 2012090575 A JP2012090575 A JP 2012090575A JP 2010240981 A JP2010240981 A JP 2010240981A JP 2010240981 A JP2010240981 A JP 2010240981A JP 2012090575 A JP2012090575 A JP 2012090575A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cheese
substance
taste
taste substance
pasty
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010240981A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Sasaki
正弘 佐々木
Hozumi Tanaka
穂積 田中
Toyoji Hagino
豊治 萩野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Snow Brand Milk Products Co Ltd
Original Assignee
Snow Brand Milk Products Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Snow Brand Milk Products Co Ltd filed Critical Snow Brand Milk Products Co Ltd
Priority to JP2010240981A priority Critical patent/JP2012090575A/ja
Publication of JP2012090575A publication Critical patent/JP2012090575A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dairy Products (AREA)

Abstract

【課題】
チーズの表面に呈味物質が糊状物質によって付着しているチーズおよびその製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】
呈味物質を糊状物質によってチーズ表面に付着しているチーズ、および呈味物質と糊状物質を混合する工程と、前記糊状物質を混合した呈味物質をチーズカードまたはチーズに添加する工程を有するチーズの製造方法により解決することができる。
呈味物質を糊状物質によってチーズ表面に付着させることにより、チーズ表面に付着させた呈味物質が剥がれにくいことを特徴とするチーズを提供することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、香辛料などの呈味物質を添加した、ナチュラルチーズおよびプロセスチーズ、ならびにその製造方法に関連する。さらに詳しくは、チーズ表面に呈味物質を付着させる方法で、呈味物質が糊状物質によって付着しているチーズ、およびその製造方法に関する。
チーズはナチュラルチーズとプロセスチーズに分類される。ナチュラルチーズは、原料乳、製造条件、製造方法により品質が多種多様に変化し、市場において品種は数千種類以上あると言われている。ナチュラルチーズの分類法としては、製造方法、特徴により大きく分類した7つの分類((1)フレッシュ、(2)白カビ、(3)青カビ、(4)ウォッシュ、(5)シェーブル、(6)セミハード、(7)ハードチーズ)が代表的である。一方、プロセスチーズは数種のナチュラルチーズを乳化剤、溶融塩を添加して混合したものであり、安定的な風味を楽しむことができる。
近年、さらに嗜好が多様化しており、ナチュラルチーズとプロセスチーズに、風味、外観および組織に特徴を持たせることを目的として香辛料、ハーブ、調味料、ナッツ類、果物、果物加工品、野菜、野菜加工品、畜肉製品、乳製品などの風味物質が加えられた商品が販売されている。それらはチーズ表面に風味物質をまぶしたり、チーズ中に何らかの方法で風味物質を添加したものが販売されている。例えば、香辛料などの食品類を熟成途中でチーズカードを水平に切断などしてチーズカード間に挟み込んだタイプの白カビチーズを製造する方法が報告されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開2005-176725号公報 特開2007-074958号公報
チーズ表面に風味物質をまぶす方法は最も容易に風味を付与することができるが、チーズ表面に呈味物質を添加する場合、呈味物質の付着力が弱い場合が多く、チーズ表面から呈味物質が剥がれ落ちてしまう場合があった。また、チーズ表面に呈味物質を添加したチーズを切断する場合には、呈味物質があることによって、呈味物質が切断機械に付着したり、剥がれ落ちたりして、きれいに切断されず、その後の個包装などの工程に支障をきたす場合があった。
上記に記載したように、呈味物質をまぶす方法で製造されたチーズや該チーズのポーションカット品を市場に提供するためには、多くの問題点が認められるが、ポーションカットタイプ、つまり「切れてる」タイプのチーズは、冷蔵庫から取り出してすぐに気軽につまんで食べることができるといったメリットがある。しかし、呈味物質を添加したチーズや該チーズのポーションカットタイプのチーズ、特にクリームチーズなどのフレッシュチーズ、カマンベールなどの白カビ熟成チーズは柔らかいため、きれいに切断することが容易ではなく、ポーションカットタイプ、つまり「切れてる」タイプのチーズの提供が特に強く望まれていた。
上記に記載した課題解決の為に鋭意検討を行った結果、本発明者らは、第一に呈味物質をチーズにまぶす場合に、呈味物質を付着できる性質を有する物質(糊状物質)と共に呈味物質をまぶすという付着手段を用いることにより、まぶしてから極めて短い処理時間で呈味物質がチーズに付着することを見出した。また、その後の機械を用いたポーションカット工程、個包装工程も問題なく行われ、上記に記載した課題を解決できることを見出し本発明を完成するに至った。
さらに、呈味物質を糊状物質と合わせて、可食性で水溶性の性質を有するシート状の形態に加工することにより、可食性のシートをチーズ表面に載せて添加するという付着手段を用いた場合でも、先の方法と同様にチーズ表面に付着することができることを見出した。この場合は呈味物質を付着させる工程がより単純になると共に呈味物質の製造環境への飛散がほとんど起こらないので、呈味物質の他製品への混入なども防ぐことができる。
よって、本発明は、下記のいずれかの構成からなる発明である。
(1)チーズの表面に呈味物質が糊状物質によって付着しているチーズ。
(2)前記糊状物質が、増粘安定剤である上記(1)に記載のチーズ。
(3)前記チーズが白カビチーズである上記(1)または(2)に記載のチーズ。
(4)上記(1)〜(3)に記載のチーズをポーションカットしたチーズ。
(5)呈味物質と糊状物質を混合する工程と、前記糊状物質を混合した呈味物質をチーズカードまたはチーズに添加する工程を有するチーズの製造方法。
(6)呈味物質をチーズカードまたはチーズに添加する工程と、前記呈味物質を添加したチーズカードまたはチーズに糊状物質を添加する工程を有するチーズの製造方法。
(7)糊状物質をチーズカードまたはチーズに添加する工程と、前記糊状物質を添加したチーズカードまたはチーズに呈味物質を添加する工程を有するチーズの製造方法。
(8)呈味物質と糊状物質を混合してシート状に加工する工程と、前記シート状に加工した呈味物質をチーズカードまたはチーズに添加する工程を有するチーズの製造方法。
(9)前記糊状物質が増粘安定剤である上記(5)〜(8)に記載のチーズの製造方法。
(10)前記チーズが白カビチーズである上記(5)〜(9)に記載のチーズの製造方法。
本発明により、チーズ表面に呈味物質が糊状物質によって付着しているチーズを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
本発明によって製造されるチーズは、ナチュラルチーズおよびプロセスチーズのすべてである。チーズであれば特に限定はされないが、例えばクリームチーズ、モッツアレラ、リコッタ、マスカルポーネ、フロマージュ・ブランなどのフレッシュチーズ、カマンベール、ブリーなどの白カビチーズ、ゴルゴンゾーラ、スチルトン、ロックフォールなどのブルーチーズなどのナチュラルチーズ、プロセスチーズ、チーズフードや乳等を主原料とする食品などを挙げることができる。
チーズに添加される呈味物質としては、チーズに添加できる食品類であれば特に限定されるものではないが、例えば、ハム・ソーセージなどの畜肉類、魚肉類、海苔などの海草類、トマト・ピーマンなどの野菜類、レーズン・あんず・バナナ・パイナップル・マンゴー・イチゴ・ブルーベリーなどの果物類、ハーブ類(バジル、ミント、オレガノなど)・スパイス類(ペッパー、シナモン、ガーリック、ナツメグ、カレーパウダーなど)・山椒・とうがらし・わさび・ラー油・コチュジャンなどの香辛料や塩や砂糖などを含む調味料、ゆずピール、ゴマ、アーモンド・ピーナッツなどのナッツ類、松の実、きな粉、脱脂粉乳・チーズパウダーなどの乾燥乳製品、シリアル、食物繊維やアミノ酸、フレーバーなどの香料などの不溶性の食品添加物も使用することができる。これらの呈味物質は未加工でも用いることができるし、乾燥させた加工品なども用いることができる。また、これらの呈味物質は、1種類でも用いることができるし、2種類以上を組み合わせて使用することも可能である。呈味物質の形態としては、加工が施されていないものから粉末状、顆粒状、フレーク状、カット品など加工が施されているものなど、形態は特に限定されず、目的の食品に合わせて適宜選択することができるが、粉末状、顆粒状の形態にすると付着が良好である。なお、餡・練りわさび・からし・はちみつ・ジャムなどのペースト状食品、しょうゆやドレッシングなどの液状食品も目的によりあわせて用いることができる。
本発明における糊状物質の例としては、カラギーナン、グアガム、タラガム、ペクチン、ゼラチン、寒天、プルラン、カゼインナトリウムやアルギン酸ナトリウムなどの増粘安定剤をあげることができる。
これらの糊状物質は1種類あるいは2種類以上を水や含水アルコール溶液に溶解などして使用することができる。このようにして得られた糊状物質は、チーズに添加される際にあらかじめ呈味物質と混合して添加したり、呈味物質を添加した後に添加したり、呈味物質を添加する前に糊状物質を添加する方法を用いることができる。
例えば、呈味物質としてバジルを、糊状物質としてタラガムを用いた場合であるが、1%タラガム水溶液とバジルを混合した溶液をチーズまたはチーズカードの表面に塗布、もしくは該溶液にチーズまたはチーズカードを浸漬することにより、チーズ表面に呈味物質を付着させることができる。さらに、バジルを先にチーズまたはチーズカード表面にまぶした後、タラガム水溶液を滴下などして添加することもできるし、タラガム水溶液を先にチーズまたはチーズカード表面に添加した後、バジルを添加することもできる。
糊状物質を水に溶かす濃度や、呈味物質と糊状物質の添加量の比率などは、糊状物質や呈味物質の種類、添加量、添加方法によって付着効果が変わるため、適宜調整することができるが、例えば、呈味物質1に対して糊状物質を0.5〜30%にすることもできる。糊状物質の添加量は味や外観などへの影響を考慮して、できるだけ少ない量が用いられるように決定することが望ましい。これらの呈味物質のチーズへの付着量については、それぞれの風味や食感に応じて適宜決定するものであるが、チーズの表面全体に、均一に付着させることが好ましく、例えばチーズの表面の10〜100%に付着させることができる。呈味物質をチーズに添加する方法としては、手でふりかけたり、スプーンや茶こしなどでふりかけたり、専用の機械などを用いることもできるが、特に限定されるものではない。
呈味物質は、チーズの表面全体や、チーズの複数の面のうち少なくとも1つの面に付着させることができる。例えば、円盤型のチーズの上面に呈味物質を付着させた場合に、呈味物質が安定的に付着する。
なお、本発明における付着とは、呈味物質を付着させたチーズを5回程度反転させた(ひっくり返した)場合に、チーズに付着させた呈味物質がほとんど残存する(5回程度反転させた場合に、落下した呈味物質量が、チーズに付着していた呈味物質の15%以下である)ことをいう。
また、呈味物質を糊状物質や可食性のある水溶液などに溶解・分散させた後に冷却・乾燥などによりシート状の形状にして利用できる。糊状物質や可食性のある食品としてデンプンなどをシート状食品の基本素材として使用し、そこに呈味物質を添加してフィルム状にした可食性シートを調製することができる。例えば、糊状物質として増粘安定剤であるプルラン5〜15%、呈味物質としてバジル10〜30%程度を混合した水溶液を、好ましくはぬれ指数30以上、より好ましくは40以上であるポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルムなどの親水性の表面に塗布・乾燥してシートを作成したり、呈味物質添加前のプルラン溶液をあらかじめシート作成用の表面上に塗布し、呈味物質を完全に乾燥する前に均一に添加するなどした後乾燥させ、シート状としたものを用いることができる。シート状の呈味物質を用いることにより、よりチーズ表面への付着が容易かつ強固になる。なお、ぬれ指数とはフィルムやシート表面の親水性度合を示す値であり、数値が大きいほど親水性が高くなるものである。ぬれ指数が低すぎると可食性シート調製のために添加した水溶液がフィルム上ではじかれて広がらないため、可食性シートを作成するのが難しい場合がある。
本発明におけるチーズ表面に呈味物質が糊状物質によって付着しているチーズの製造方法であるが、呈味物質を糊状物質によって付着させる以外は、通常の各チーズの製造方法に従って製造することができる。
呈味物質を糊状物質によってチーズに付着させる方法としては、以下の方法が挙げられるが、特に限定されるものではない。
例えば、原料乳に乳酸菌、レンネット、乳酸菌やカビなどを用いて常法によりチーズカ
ードを成型させ、成型されたチーズカードの表面に呈味物質を糊状物質によって付着させることができる。さらに、呈味物質を糊状物質により付着させたチーズカードを熟成させてチーズを得ることもできる。プロセスチーズ、チーズフードや乳等を主原料とする食品の場合にも、チーズカードまたはチーズ表面に呈味物質を糊状物質によって付着させることができる。
呈味物質をシート状の形態で添加する方法は、添加する呈味物質が可食性シート内に保持された状態で添加されることにより、製造環境中に呈味物質の飛散などを生じるおそれがなく、一定量の呈味物質を添加することが可能になり、製造工程への負荷が軽減されるという効果も有している。シート状に形成された呈味物質をチーズまたはチーズカードに載せて添加することができる。
さらに、呈味物質を糊状物質によってチーズ表面に付着させた後、常法に従って包装処理を行うことができるし、熟成させた後に包装処理を行うこともできる。一般的なチーズに用いられる包装材や包装機械をそのまま用いることができる。
また、得られたチーズを加熱することにより、保存期間の長いチーズを得ることができる。例えば、70℃以上のレトルト殺菌を行うことができるし、チーズの殺菌に用いる一般的な殺菌条件、殺菌方法、殺菌装置などをそのまま用いることができる。
上記方法などにより得られたチーズをポーションカットすることにより、ポーションカットされたチーズを製造することができる。
例えば、カマンベールのポーションカット品の場合、チーズカードの成型後、熟成途中でポーションカット、包装のための移送、個包装処理を行い、必要によっては個包装、さらに熟成を行った後に加熱殺菌処理を行って製造することができる。呈味物質は、ポーションカット前の熟成期間に、カード表面にまぶすなどの方法により添加して、呈味物質が固定されるまで保存された後、ポーションカットおよび個包装することができる。
個包装に用いられる包装材は、通常のポーションカット品と同様の包装材を使用することができる。また、個包装において留意すべき条件についても、切断面に包装材が密着するように包装することなど、通常のポーションカット品の個包装と同様の条件で行えばよく、工業的には通常のポーションカット品の包装に使用する包装機をそのまま使用して包装を行えば良い。個包装されたチーズは、本熟成された後、70℃以上でレトルト殺菌処理を行うことができる。
このようにして得られたチーズは、呈味物質とともに添加された糊状物質や可食性シートの糊状物質などが原因となる食感は実質的に感じられず、添加した呈味物質とチーズの風味を有するものとなる。
以上より、チーズ表面に呈味物質が付着したチーズを安定的に収率良く製造することができる。さらに、呈味物質と糊状物質の添加をシート形状で行う場合には呈味物質の他製品への混入防止も図ることができ、また呈味物質の種類の選択の幅を広げることができるという効果も有している。
次に実施例を示し、本発明を詳細に説明する。なお、以下に記載する実施例は本発明を説明するものであり、本発明は実施例の記述に限定されるものではない。
[実施例1]
一般的な製造工程に従ってカマンベールのチーズカード(100g)を成型した。そのチーズカードを7日間10℃で熟成させ、白カビが表面に生育したチーズ上面に、バジル(ヱスビー食品社製)と1%のタラガム(三栄源エフ・エフ・アイ社製、ビストップD-2101)水溶液を1対2の割合で混合した呈味物質1、バジル(ヱスビー食品社製)と1.5%の寒天(伊那食品工業社製、UX-30)水溶液を1対2の割合で混合した呈味物質2、およびバジル(ヱスビー食品社製)と無水バターオイル(コールマン社製)を1対2の割合で混合した呈味物質3をカマンベールチーズカードにそれぞれ2g添加した。呈味物質1〜3をそれぞれ添加して、チーズカード上の温度の低下などによって呈味物質が固定された後、ポリプロピレン包材で包装後、さらに10℃で14日間熟成させて、本発明に係るカマンベールを製造した(実施品1〜3)。
また、糊状物質を有さない(上記呈味物質のみ(バジルのみ))以外は上記と同様の方法により製造したカマンベールを比較品とした(比較品1)。
得られた各カマンベールについて、以下に記載した評価方法により、カマンベールと呈味物質との付着について評価を行った。評価は訓練されたパネラー5名で行った。
「評価方法」
(1)付着性…呈味物質の付着率(チーズを5回反転(ひっくり返す)させたときに、落下
した呈味物質の量を評価した)
◎:チーズに付着させた呈味物質がほとんど落下しない(落下した呈味物質
量がチーズに付着していた呈味物質の5%以下)。
○:チーズに付着させた呈味物質がほとんど残存する(落下した呈味物質量
がチーズに付着していた呈味物質の15%以下)。
△:2/3程度残存する(落下した呈味物質量がチーズに付着していた呈味物
質の33%以下)。
×:1/2以上落下する(落下した呈味物質量がチーズに付着していた呈味物
質の50%以上)。
(2)外観…呈味物質の状態
○:呈味物質がチーズの表面に均一に付着している。
△:呈味物質がチーズの表面でやや不均一に付着している。
×:呈味物質がチーズの表面に不均一に付着している。
Figure 2012090575
結果を表1に示した。呈味物質を糊状物質によってチーズ上面に付着させた実施品1〜3は、呈味物質が均一に付着しており、良好な付着性を示した。糊状物質は水溶液に溶解することで隣接した分子が互いに結びついて機械的な安定性を発揮する網状連続体を形成して網目構造となり、最後に粘性の高いゲル状態になる。呈味物質を混合するとこの網目構造にからまり固定化する。この状態はゲルが乾燥しても維持されることにより、糊状物質により呈味物質を付着させることができる。
一方、呈味物質のみ添加した比較品1は、呈味物質がチーズ表面から落下してしまい、チーズ表面の呈味物質も不均一であり、付着性が悪かった。
〔実施例2〕
脂肪を9.5%に調整をしたチーズ原料乳を均質、高温短時間殺菌後、冷却した。ジャケット付タンクにチーズ原料乳を22℃に調整してから乳酸菌スターター(クリスチャンハンセン社製R608)とレンネットを添加し、充分に撹拌し発酵させた。発酵後に加温およびホエー分離を行い、ホエー分離したカードに安定剤を添加してクリームチーズを製造した。
得られたクリームチーズ100gに対して、実施例1と同様に調製した各呈味物質1〜3を2gずつクリームチーズの上面に添加して本発明に係るクリームチーズを製造した(実施品4〜6)。
また、糊状物質を有さない(上記呈味物質のみ)以外は上記と同様の方法により製造しクリームチーズを比較品とした(比較品2)。
得られたクリームチーズについて、実施例1と同様の評価方法により評価を行った。なお、評価は訓練されたパネラー5名で行った。
Figure 2012090575
結果を表2に示した。呈味物質を糊状物質によってチーズ上面に付着させた実施品4〜6は、呈味物質が均一に付着しており、良好な付着性を示した。一方、呈味物質のみを用いた比較品2は、呈味物質がチーズカード表面から落下してしまい、チーズ表面の呈味物質も不均一であり、付着性が悪かった。
〔実施例3〕
乳化釜にゴーダーチーズ(雪印乳業社製)50.0%、チェダーチーズ(雪印乳業社製)48.7%、リン酸塩1.0%、食塩0.3%を添加後、前撹拌を行い、蒸気で加熱して乳化を行なった。乳化後、ある程度チーズカードが固まった段階でチーズカードに、実施例1と同様に調製した各呈味物質1〜3を上記チーズカード100gに対して5gずつチーズカードの上面に添加して本発明に係るプロセスチーズを製造した(実施品7〜9)。
また、糊状物質を有さない(上記呈味物質のみ)以外は上記と同様の方法により製造したプロセスチーズを比較品とした(比較品3)。
得られたプロセスチーズについて、実施例1と同様の評価方法により評価を行った。なお、評価は訓練されたパネラー5名で行った。
Figure 2012090575
結果を表3に示した。呈味物質を糊状物質によってチーズ上面に付着させた実施品7〜9は、呈味物質が均一に付着しており、良好な付着性を示した。一方、呈味物質のみを用いた比較品3は、呈味物質がチーズカード表面から落下してしまい、チーズ表面の呈味物質も不均一であり、付着性が悪かった。
一般的な製造工程に従ってカマンベールのチーズカード(100g)を成型した。そのチーズカードを7日間10℃で熟成させ、白カビが表面に生育したチーズの表面に、以下に記載する呈味物質と糊状物質により調製した可食性シート1、2をそれぞれ1gチーズカードの上面に載せて添加した。可食性シートを載せた後、ポリプロピレン包材で包装し、さらに10℃で14日間熟成させて、本発明に係るカマンベールを製造した(実施品10、11)。
得られた各カマンベールチーズについて、実施例1と同様の評価方法により、カマンベールチーズと呈味物質との付着について評価を行った。評価は訓練されたパネラー5名で行った。
「可食性シートの調製」
ペパーミント(ヱスビー食品社製)0.2g、ペパーミントオイル(高砂香料工業社製)0.05mlと5%デンプン(松谷化学工業社製)水溶液100gを70℃で混合した。その後、ポリエチレンの板面に薄く塗布して乾燥させて、可食性シート1を調製した。
ドライフルーツ(メルファーム社製)20gと4%プルラン(林原商事社製)水溶液100gを70℃で混合した。その後、ポリエチレンの表面に薄く塗布して乾燥させて、可食性シート2を調製した。
Figure 2012090575
結果を表4に示した。可食性シートを用いた実施品10、11は、呈味物質が均一に付着しており、良好な付着性を示した。
〔実施例5〕
一般的な製造工程に従ってカマンベールのチーズカード(100g)を成型した。そのチーズカードを7日間10℃で熟成させ、白カビが表面に生育したチーズを、実施例1で調製した各呈味物質1〜3をそれぞれ満たした各バットに入れて、チーズの表面に各呈味物質を付着させた。呈味物質が固定された後、縦方向に6等分に切断して個装包装を行い、さらに熟成が完了するまで14日間熟成を継続した。熟成終了後、加熱殺菌を行ない、呈味物質を添加したカマンベールを製造した(実施品12〜14)。
その結果、呈味物質を糊状物質によりチーズ表面に付着させた実施品12〜14は、呈味物質が均一に付着しており、実施例1(切断していないカマンベール)と同様に良好な付着性を示した。
呈味物質を糊状物質によってチーズ表面に付着させることにより、チーズ表面に付着させた呈味物質が剥がれにくいことを特長とする、呈味物質をチーズ表面に付着したチーズおよびその製造方法を提供することができる。

Claims (10)

  1. チーズの表面に呈味物質が糊状物質によって付着しているチーズ。
  2. 前記糊状物質が、増粘安定剤である請求項1に記載のチーズ。
  3. 前記チーズが白カビチーズである請求項1または2に記載のチーズ。
  4. 請求項1〜3に記載のチーズをポーションカットしたチーズ。
  5. 呈味物質と糊状物質を混合する工程と、前記糊状物質を混合した呈味物質をチーズカードまたはチーズに添加する工程を有するチーズの製造方法。
  6. 呈味物質をチーズカードまたはチーズに添加する工程と、前記呈味物質を添加したチーズカードまたはチーズに糊状物質を添加する工程を有するチーズの製造方法。
  7. 糊状物質をチーズカードまたはチーズに添加する工程と、前記糊状物質を添加したチーズカードまたはチーズに呈味物質を添加する工程を有するチーズの製造方法。
  8. 呈味物質と糊状物質を混合してシート状に加工する工程と、前記シート状に加工した呈味物質をチーズカードまたはチーズに添加する工程を有するチーズの製造方法。
  9. 前記糊状物質が増粘安定剤である請求項5〜8に記載のチーズの製造方法。
  10. 前記チーズが白カビチーズである請求項5〜9に記載のチーズの製造方法。









JP2010240981A 2010-10-27 2010-10-27 チーズおよびその製造方法 Pending JP2012090575A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010240981A JP2012090575A (ja) 2010-10-27 2010-10-27 チーズおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010240981A JP2012090575A (ja) 2010-10-27 2010-10-27 チーズおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012090575A true JP2012090575A (ja) 2012-05-17

Family

ID=46384698

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010240981A Pending JP2012090575A (ja) 2010-10-27 2010-10-27 チーズおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012090575A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015035962A (ja) * 2013-08-12 2015-02-23 雪印メグミルク株式会社 食品類を添加したカビによる表面熟成軟質チーズ及びその製造方法
JP2015035961A (ja) * 2013-08-12 2015-02-23 雪印メグミルク株式会社 食品類を添加したカビによる表面熟成軟質チーズ及びその製造方法
JP2019170319A (ja) * 2018-03-29 2019-10-10 森永乳業株式会社 チーズ類製品の製造方法及びチーズ類製品
JP2020006984A (ja) * 2018-07-04 2020-01-16 株式会社明治 容器入りチーズ
CN115812795A (zh) * 2022-12-23 2023-03-21 光明乳业股份有限公司 一种芥末味涂抹奶酪及其制备方法

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07274822A (ja) * 1995-02-09 1995-10-24 Osaka Kagaku Gokin Kk 加工食肉製品およびチーズ製品の製造法
JPH09212A (ja) * 1995-06-16 1997-01-07 Koichi Sanada 多層構造嗜好食品とその製造方法
JP3057906U (ja) * 1998-09-22 1999-06-08 株式会社ビンショー 化粧されたチーズ加工品
JP2006075012A (ja) * 2004-09-07 2006-03-23 Meiji Milk Prod Co Ltd ナチュラルチーズ及びその製造法
JP2007074958A (ja) * 2005-09-13 2007-03-29 Meiji Milk Prod Co Ltd 風味物質を添加したカビによる表面熟成軟質チーズ及びその製造方法
JP2007267694A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Meiji Milk Prod Co Ltd 風味物質が添加された白カビチーズ及びその製造方法
WO2008114442A1 (ja) * 2007-03-20 2008-09-25 Meiji Dairies Corporation 風味物質を添加したカビによる表面熟成軟質チーズ及びその製造方法
JP2010508830A (ja) * 2006-11-11 2010-03-25 エルテーエス ローマン テラピー−ジステーメ アーゲー 可食性スパイス含有フィルムおよびその製造方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07274822A (ja) * 1995-02-09 1995-10-24 Osaka Kagaku Gokin Kk 加工食肉製品およびチーズ製品の製造法
JPH09212A (ja) * 1995-06-16 1997-01-07 Koichi Sanada 多層構造嗜好食品とその製造方法
JP3057906U (ja) * 1998-09-22 1999-06-08 株式会社ビンショー 化粧されたチーズ加工品
JP2006075012A (ja) * 2004-09-07 2006-03-23 Meiji Milk Prod Co Ltd ナチュラルチーズ及びその製造法
JP2007074958A (ja) * 2005-09-13 2007-03-29 Meiji Milk Prod Co Ltd 風味物質を添加したカビによる表面熟成軟質チーズ及びその製造方法
JP2007267694A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Meiji Milk Prod Co Ltd 風味物質が添加された白カビチーズ及びその製造方法
JP2010508830A (ja) * 2006-11-11 2010-03-25 エルテーエス ローマン テラピー−ジステーメ アーゲー 可食性スパイス含有フィルムおよびその製造方法
WO2008114442A1 (ja) * 2007-03-20 2008-09-25 Meiji Dairies Corporation 風味物質を添加したカビによる表面熟成軟質チーズ及びその製造方法

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6014046974; Paprika Flavoured Camembert, [online], May 2008.[retrieved on 30 October 2014]Retrieved From: Mintel *
JPN6014046976; Encian Camembert Cheese, [online], June 2010.[retrieved on 30 October 2014]Retrieved From: Mintel GN *
JPN6014046979; Camembert z Ziolami Cheese, [online], August 2004.[retrieved on 30 October 2014]Retrieved From: Mint *

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015035962A (ja) * 2013-08-12 2015-02-23 雪印メグミルク株式会社 食品類を添加したカビによる表面熟成軟質チーズ及びその製造方法
JP2015035961A (ja) * 2013-08-12 2015-02-23 雪印メグミルク株式会社 食品類を添加したカビによる表面熟成軟質チーズ及びその製造方法
JP2019170319A (ja) * 2018-03-29 2019-10-10 森永乳業株式会社 チーズ類製品の製造方法及びチーズ類製品
JP7098380B2 (ja) 2018-03-29 2022-07-11 森永乳業株式会社 チーズ類製品の製造方法及びチーズ類製品
JP2020006984A (ja) * 2018-07-04 2020-01-16 株式会社明治 容器入りチーズ
CN115812795A (zh) * 2022-12-23 2023-03-21 光明乳业股份有限公司 一种芥末味涂抹奶酪及其制备方法
CN115812795B (zh) * 2022-12-23 2024-01-30 光明乳业股份有限公司 一种芥末味涂抹奶酪及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN109699755B (zh) 一种再制干酪零食及其制备方法
JP2012090575A (ja) チーズおよびその製造方法
AU766053B2 (en) Method for making novel cheese products by processing an initial material
JP4428711B2 (ja) 風味物質を添加したカビによる表面熟成軟質チーズ及びその製造方法
JP4603995B2 (ja) 風味物質が添加された白カビチーズ及びその製造方法
JP4905984B2 (ja) チーズ類の製造法
JP6324002B2 (ja) 食品類を添加したカビによる表面熟成軟質チーズ及びその製造方法
JP6548351B2 (ja) 食品類を添加したカビによる表面熟成軟質チーズ及びその製造方法
JP5835880B2 (ja) チーズおよびその製造方法
JP5751778B2 (ja) 白カビチーズおよびその製造方法
CN102834017B (zh) 再制奶酪类及其制造方法
JP5619308B2 (ja) 表面熟成軟質チーズのポーションカットする方法
US20080038438A1 (en) Portionable, Rapid Melt Dairy Based Product
KR20100014834A (ko) 풍미 물질을 첨가한 곰팡이에 의한 표면 숙성 연질 치즈 및 그 제조 방법
JP3137687U (ja) いなり寿司
EP0813818B1 (en) Processed cheese snack
US20080038439A1 (en) Portionable, Rapid Melt Dairy Based Product
JP7336910B2 (ja) 難消化性デキストリン含有液状チーズ食品
NL1024528C2 (nl) Werkwijze voor het vormen van kaas en gevormde kaas.
JP2012147726A (ja) 白カビチーズ製品およびその製造方法
JP2004350541A (ja) スモークナチュラルチーズ
JP2023153069A (ja) 繊維状チーズ
JP2023153070A (ja) 繊維状チーズ
WO1995027409A1 (en) Integrated tomato sauce and cheese-product spread
EP2747576A1 (en) Gel particles in cheese

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130925

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141008

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150608

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20151016