JP5619308B2 - 表面熟成軟質チーズのポーションカットする方法 - Google Patents

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Description

本発明は、香辛料等の風味物質を添加した、ポーションカットされたカビによる表面熟成軟質チーズ及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、熟成途中のカードをカットした後、カット面に風味物質を挟み込む方法で風味物質を添加した該チーズをポーションカット前に冷却することにより、その後のポーションカット、個包装工程をスムーズ、かつ、歩留まり良く行うことができる、風味物質が添加された、ポーションタイプのカビによる表面熟成軟質チーズ及びその製造方法に関する。
一般に、ナチュラルチーズは硬質チーズ、半硬質チーズ、軟質チーズ等に大別され、さらにそれぞれ熟成や発酵方法によって分類すると、全世界でも2000種類以上のチーズが製造されている。その中でもカマンベールチーズ等を代表とする表面熟成軟質チーズは日本人の嗜好にも合い、その消費量も増加している。しかし、さらなる市場の開発や消費者の要望に応じ、チーズが有する独自の風味に幅広いその他の風味のバリエーションを持たせるため、様々な食品類を初めとする風味物質を添加したチーズが開発されている。
ここで、表面熟成軟質チーズは、一般的にはこれには限定されないが、以下のような工程を経て製造される。まず、殺菌冷却された生乳に乳酸菌及びレンネット等の凝固剤を加えることでカード(凝乳)と呼ばれる豆腐状の固体が得られる。このカードからホエー(乳清)を排出させ、カードを成形し、加塩処理、白カビ菌体噴霧の後、特定の温湿度の条件下で一次熟成を行う。次いで包装過程を経て、二次熟成、出荷前の最終工程となり、製品としての表面熟成軟質チーズが製造される。一般的には、表面に生じたカビにより生成される酵素の作用によって、熟成前には硬かったカードは、その外側から内側に熟成が進行していき、内部が軟らかいチーズとなっていく。
上記のような表面熟成軟質チーズの風味、外観及び組織に特徴を持たせることを目的として香辛料、調味料、果物、野菜、獣肉製品、乳製品などの風味物質を加えることが検討されている。従来のこの種のチーズを製造する方法としては、例えば、カード表面に風味物質をまぶす方法、カード中に何らかの方法で風味物質を添加し熟成させる方法、あるいは熟成後に風味物質をカード上にふりかける方法などが挙げられる。ただし、これらの方法で製造された表面熟成軟質チーズの多くは製造工程中に加熱殺菌を行うことなく製品化されている場合が多い。
しかしながらカード中に風味物質を混ぜ合わせた後に型詰めする方法では、得られるホエー中に風味物質が混入したり、風味物質の香気が移行したりして、ホエーの使用範囲が著しく限定されたり廃棄されたりすることとなる。また、熟成後のカードに風味物質をふりかける方法では、風味物質の量のコントロールが困難で、食した際にもチーズと風味物質を一体として味わうことができず、こうした目的には不向きである。
一方、賞味期限の延長を目的として熟成後に加熱殺菌を行うチーズ製品の製造方法において、上記目的に対応するホールタイプの白カビチーズを製造する方法が知られている(特許文献1)。この技術においては、成型後、熟成途中のカードを水平にカットし、分けられたカード間に香辛料等の食品類を挟み込み再度結着するように切断面を接触合致させ、その後の熟成によって上下のカードが結着して食品類がチーズ内に内包された状態となる。これによりその後工程である加熱殺菌時に間に挟んだ食品類の漏洩やチーズの型くずれを起こさないホールタイプの白カビチーズを製造することが可能となる。
上記の成型されたカードをカットしてカット面に風味物質を挟み込む方法で添加した場合、ホエーへの風味物質の影響はなくなる。しかし、このホールタイプチーズに基づいた技術を、ポーションカットされたいわゆる「切れてる」タイプのチーズ製品に直接適用することはできないという問題点があった。特に、風味物質が挟み込まれたカード部分はカード同士の接合後も接着力が弱いかほとんどなく、ポーションカット後は風味物質が添加された部分から剥がれが生じてしまうため、機械による移送、包装工程が正常に行われない場合がある。そのために製品の歩留まりが低下してしまう。この点が、風味物質を添加した、ポーションカットされたカビによる表面熟成軟質チーズを提供するにあたって、まず解決しなければならない問題点であった。
日本特許第3748266号公報
以上のような従来技術によれば、熟成途中のカードをカットしてカード間に風味物質を挟み込むという方法をポーションカットタイプの製品に適用すると、カードの剥がれが生じ易くなってしまうという課題があり、この課題を解決する為に、本発明者らは風味物質を挟み込んだ後に1〜2日程度静置した後にポーションカットするという方法を見出した(特開2007−020536公報)。しかし、この方法では、日程のコントロールが煩雑になるという欠点があった。
また、風味物質が添加された製品をポーションカットまでの期間静置する場合には、通常製品への影響を防ぐために通常製品とは別に静置する室を確保する必要がある。これを解消するために、製造工程上は風味物質を挟み込んでから出来るだけ間をおかずにポーションカット、個包装できる方法が望まれていた。従ってポーションカット後にカードの剥がれを防止するにあたり、出来るだけその工程に要する時間を短縮することが第二の課題となった。
先の課題解決の為に鋭意検討を行った結果、本発明者らは表面に白カビが生育した熟成途中のカードをカットしてカード間に風味物質を挟み込んだ後、ポーションカットする前にカードを冷却すること、特に7℃以下の温度まで冷却することで、短時間で必要十分なカード同士の結着状態が得られ、その後の機械による搬送工程、ポーションカット工程、個包装工程を問題なく行うことができることを見出し、本発明を完成した。また、その後の熟成工程を経て加熱殺菌処理を行ったところ、冷却に起因する製品の外観、風味、食感への実質的な影響は認められないことを確認した。
即ち、本発明は以下の(1)〜(6)に関する。
(1)熟成途中のカードをカットすることと;
カットしたカードの間に食品及び/又は風味物質を挟み込んだ後、カットしたカードのカット面を接触合致させることと;
合致させたカード表面又はカード全体温度を7℃以下に冷却することと;
冷却したカードをポーションタイプ製品状態にカットすることと;
を含む、風味物質が添加された、ポーションタイプのカビによる表面熟成軟質チーズのポーションカットする方法。
(2)上記冷却において、緩慢冷却によりカード表面又はカード全体温度を−3℃乃至7℃に冷却することを特徴とする(1)に記載の表面熟成軟質チーズのポーションカットする方法。
(3)上記冷却において、急速冷却によりカード表面温度を−10℃乃至0℃に冷却することを特徴とする(1)に記載の表面熟成軟質チーズのポーションカットする方法。
(4)熟成途中のカードを水平方向にカットすることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1に記載の表面熟成軟質チーズのポーションカットする方法。
(5)熟成途中のカードを水平方向にカットし、カットしたカード間に食品及び/又は風味物質を挟み込んだ後、
ポーションカット時のカード同士の結着の程度が、上部カードを持ち上げた際に下部カードが離れない状態となることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1に記載の表面熟成軟質チーズのポーションカットする方法。
(6)カードをカットする前の熟成(一次熟成)が、13℃乃至18℃の熟成温度で6日間以上行われることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1に記載の表面熟成軟質チーズのポーションカットする方法。
本発明によれば、風味物質が添加され熟成後に加熱殺菌処理を行う、切断面にチーズや風味物質が露出した状態の、ポーションカットタイプのカビによる表面熟成軟質チーズを、安定的に歩留まりよく製造することができる。またポーションカット工程とそれに続く個包装工程とを、風味物質添加の工程と同日に行うことができる。したがって通常製品と同様の日程で製造を行うことができ、製造期間の延長は必要ではなく、製造効率も低下しない。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下に述べる個々の形態には限定されない。なお、本発明はカビによる表面熟成軟質チーズであるが、本発明について説明を行う場合に便宜上「表面熟成軟質チーズ」、「表面熟成チーズ」、「軟質チーズ」等と称する場合があるが、これらは全て本発明の範囲に含まれるものである。
本発明によって調製されるチーズは、カビによる表面熟成軟質チーズである。カビによる表面熟成軟質チーズであれば特に限定はされないが、例えば、カマンベールチーズ、ブリーチーズ等を挙げることができる。
本発明の表面熟成軟質チーズに添加される食品や風味物質の例としては、これらには限定されないが、オレガノ、ディル、バジル、ローズマリー等のハーブ類、山椒、生姜、ブラックペッパー、ホワイトペッパー、シナモン、ガーリック、クミン等のスパイス類等の香辛料;各種塩、しょうゆ、ソース、酢、だし、味噌、旨味調味料等の調味料;干しぶどう等のドライフルーツなどに代表される果実調製品;野菜類;ナッツ類;ベーコン、サラミ、ハム等の獣肉製品などの食品;香料などの食品添加物、等が挙げられる。これらの風味物質及び/又は食品は、1種類、あるいは複数種を組み合わせて使用することが可能である。
以下、カマンベールチーズを例として製造工程について説明を行う。この種の表面熟成軟質チーズのポーションカット品を製造する場合、カードの成型後、まず所定条件で熟成(あるいは一次熟成と称す)を所定時間行う。その後に、ポーションカット工程、包装のための搬送工程及び個包装処理工程が行われる。そして個包装後、再び所定時間、所定条件で熟成(あるいは二次熟成と称す)を行った後に加熱殺菌処理を行い製品とする。
本発明においては、カード表面にカビがある程度生育するまで熟成(一次熟成)を行った後(即ち熟成途中にて)、カードをカットする。ここで、カードをカットする方向は特に限定されないが、水平方向であることが望ましい。なお、本明細書における「水平方向」とは、正確な水平方向のみに限定されず、実質的に水平とみなされる方向をも包含するものとする。そして、このカットしたカード間に、食品及び/又は風味物質を挟み込む等の方法により添加し、その後カードのカット面を接触合致させる。ここで、ポーションカット前の一次熟成として、例えば、13℃乃至18℃の熟成温度で6日間以上、より好ましくは7日間以上の熟成を行うことにより、後のポーションカット時に必要な接着力を得ることが出来る。
風味物質が添加されたカードは、次いでポーションカット前に冷却工程が行われる。この冷却工程では所定温度以下にカード温度を低下させることが好ましい。この時、カード表面又はカード全体温度は7℃以下とすることが好ましい。カードを冷却する方法は特に限定されないが、例えばフリーザー内で冷風により冷却する方法等をあげることが出来る(緩慢冷却)。この時には、カード表面又はカード全体温度は、好ましくは−3℃乃至7℃にまで冷却された後、ポーションカット及び個包装される。このようにして冷却されたカードでは、風味物質を添加した後に接触合致させたカード切断面の粘着性が増し、ポーションカット時に必要な結着状態が得られる。冷却されたカード温度が上記範囲上限よりも高い場合には、冷却によって必要なカード間の結着状態を得ることができない場合があり、好ましくない。また、冷却されたカード温度が上記範囲下限よりも低い場合には、カードが凍結して正常にポーションカットすることが出来なくなることがあり、好ましくない。
さらに、本発明の冷却工程としては、液体窒素等を使用した急速冷却を行うことも出来る。この場合、液体窒素中にごく短時間(例えば、5秒〜20秒程度)浸漬する方法や、液体窒素をカードに噴霧する方法などの方法を採用することができる。このようにして冷却されたカードでは、カードの表面部分が一時的に凍結することにより保形性が得られ、ポーションカット時にも上下のカードが凍結した表面部分により結着している。この場合にはカードの表面と内部に温度差が生じるが、過度に表面が凍結するとポーションカット時に破砕を生じるため、カード表面温度は−10℃乃至0℃、好ましくは−10℃乃至−5℃とすることが望ましい。
尚、本発明において、カードをカットして食品及び/又は風味物質を挟み込み、再度カット面を接触合致させカード同士が結着しているか否かの基準は、その後のポーションカット工程でカットされたチーズ片において、結着している上部カードを持ち上げた際に下部カードが離れない状態となるか否かである。この評価基準としては、上部カードと下部カードとが結着したまま10秒間以上保持されるものを結着していると評価する。
本発明によれば、風味物質の添加からポーションカットまでに要する時間は数分乃至数時間にて行うことができる。したがって、カード間が再結着する静置期間は不要となる。
そのため、製造工程数が少なくなり且つその制約条件も減じられ、さらにカード切断面が必要十分な程度に接着することによりポーションカット工程や個包装工程の製造安定性も向上し、結果的に製品の歩留まりが向上する。
以上の方法により風味物質が添加され所定温度まで冷却されたカードは、通常のポーションカット品と同様にポーションカットされ、個包装することができる。なお、ポーションカットする際のカットの方向は特に限定されないが、熟成途中のカードをカットした際の方向と少なくとも交差することが好ましく、熟成途中のカードをカットした際の方向と垂直な方向にカットすることが特に好ましい。
個包装に用いられる包装材は通常のポーションカット品と同様の包装材を使用することができる。特に、開封時にポーションカット切断面と包装材との剥がれをより良好にするには日本特許第3610514号明細書に記載のゼラチン等のゲル化剤を塗布した包装材を用いることが好適である。また、個包装において留意すべき条件についても、ポーションカット切断面に包装材が密着するように包装すること等、通常のポーションカット品の個包装と同様の条件で行えばよく、工業的には通常のポーションカット品の包装に使用する包装機をそのまま使用して包装を行うことが出来る。
尚、通常のポーションカット品においても、カットむらや形状の崩れ等を防ぐためにカードの品温を下げてカットすることが行われるが、この場合の冷却は一次熟成温度に対して1〜3℃程度低い温度範囲で行われるものであり、本発明で適用される−3℃乃至7℃の温度までの冷却とはその程度および効果の点で全く異なるものである。
個包装されたカードは、所定条件で二次熟成される(即ち、熟成が継続される)。ここで、二次熟成温度は、一次熟成温度や目的とする製品等によって適宜選択することができ、一次熟成温度と同様であってもよく、異なっていてもよい。また、二次熟成期間も一次熟成期間や目的とする製品によって適宜選択することができる。なお、冷却されたカードを特別な方法で昇温して二次熟成温度としてもよく、あるいは二次熟成を行う室内にて当該室温にて二次熟成温度に自然に到達させてもよい。二次熟成の後、加熱殺菌、例えば80℃以上でレトルト殺菌処理を行って最終製品を得ることができる。
このようにして得られた製品には、カードカット工程時の冷却に起因する変化は実質的に認められず、通常工程にて得られた製品と外観およびチーズ本体の風味は同等のものである。
以下、本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
[実施例1]
一般的なカマンベールチーズの製造方法に従って菌体を付着させたカードを製造した。
一次熟成(13℃、7日間静置)後に白カビが生育したカードを水平にカットして黒胡椒(粗挽き)をカード100gに対して0.5gとなる量でカット面に散布して添加した後、カードのカット面を接触合致させて元の形状に戻した。次いで、庫内温度−20℃に設定した冷凍庫内に保存した。カード温度を測定した後、縦方向に放射状6等分に切断して楔形の6個のチーズ片とした。各チーズ片について、黒胡椒を挟んだ状態にある上部カード及び下部カードの結着状態を評価した。なお、カード温度の測定には、デジタル温度計(横河電機製 MODEL2455)を用いてカード中心部の温度を測定して、この値をカード温度とした。
結着状態の評価方法は、楔形のチーズ片の上部カードを持ってチーズ片全体を持ち上げた際に、下部カードが上部カードと結着した状態を10秒以上保持できるものを結着性良好とし、下部カードが持ち上がらなかったり、持ち上がっても10秒間保持できないものを結着性不良と判断した。また、それぞれのサンプルについて、カット適性を評価した。
カット適性の評価は、チーズナイフでカットした際に割れやカットむらが生じないものを良好と判断した。
得られた結果を表1に示す。
Figure 0005619308
表1に示すとおり、カード温度が6.3℃以下となった場合に良好な結着性が得られたが、カード温度が−4.0℃となると6等分に切断する際にカットむらが生じた。
[実施例2]
冷却工程を除き実施例1と同様の方法で、黒胡椒を挟み込んだカマンベールチーズのポーションカット品を作製した。なお、本実施例における冷却工程では、液体窒素中に所定時間浸漬して冷却した。評価方法等は実施例1と同様に行った。カード温度としては、カード表面温度を測定した。
浸漬時間と得られた結果を表2に示す。
Figure 0005619308
表2に示すとおり、液体窒素中に5秒間浸漬することで良好な結着性が得られたが、カード表面温度が低すぎるとカードの破砕やカットむら等の不具合が生じることが認められた。
[実施例3]
冷却工程を除き実施例1と同様の方法で、黒胡椒を挟み込んだカマンベールチーズのポーションカット品を作製した。冷却工程では、黒胡椒を挟んだカードを冷凍庫内で緩慢冷却して、カード温度が−2℃乃至2℃の範囲となるように調整した。その後、ALPUMA社RT6000を用いて縦方向に6等分に切断して楔形の6個のチーズ片とした。次いで、それぞれの楔形チーズ片を個包装フィルムで各切断面が個包装フィルムと密着するように包装した。個包装されたチーズ片をポリプロピレンのカップに入れ、所定期間、所定条件下にて二次熟成(13℃、7日間静置)を行った。次いで、ナイロンフィルムでシールし、レトルト殺菌処理を施した後に冷蔵温度まで冷却して製品とした。
ポーションカット時及び個包装時にチーズの剥がれや変形等を生じることはなく、通常のポーションカット品と同様に機械によりポーションカット及び個包装することが可能であった。また、得られた製品は冷却に起因する実質的な影響は認められず、良好な外観、風味、食感を有していた。
本発明を特定の態様を参照して詳細に説明したが、本発明の精神と範囲を離れることなく様々な変更および修正が可能であることは、当業者にとって明らかである。
なお、本出願は、2006年10月16日付けで出願された日本特許出願(特願2006−281650)に基づいており、その全体が引用により援用される。
また、ここに引用されるすべての参照は全体として取り込まれる。
本発明により、風味物質が添加された、ポーションカットタイプのカビによる表面熟成軟質チーズを安定的に歩留まりよく製造することができる、また、特別な装置なども必要とせず、通常の搬送装置、カット装置、個包装装置を利用することができ、経済的にも有利である。

Claims (6)

  1. 熟成途中のカードをカットすることと;
    カットしたカードの間に食品及び/又は風味物質を挟み込んだ後、
    カットしたカードのカット面を接触合致させることと;
    合致させたカード全体温度を7℃以下に冷却することと;
    冷却したカードをポーションタイプ製品状態にカット及び包装し、その後
    さらに熟成を所望条件下にて行うことと;
    を含み、上記ポーションカット時にカード同士の結着の程度が、上部カードを持ち上げた際に下部カードが離れない状態となり、その評価基準が、上部カードと下部カードとが結着したまま10秒間保持されるものを結着していると評価することを特徴とする、食品及び/又は風味物質が添加された、ポーションタイプのカビによる表面熟成軟質チーズの製造方法
  2. 上記冷却において、緩慢冷却によりカード表面又はカード全体温度を−3℃乃至7℃に冷却することを特徴とする請求項1に記載の表面熟成軟質チーズの製造方法
  3. 上記冷却において、急速冷却によりカード表面温度を−10℃乃至0℃に冷却することを特徴とする請求項1に記載の表面熟成軟質チーズの製造方法
  4. 熟成途中のカードを水平方向にカットすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表面熟成軟質チーズの製造方法
  5. カードをカットする前の熟成(一次熟成)が、13℃乃至18℃の熟成温度で6日間以上行われることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表面熟成軟質チーズの製造方法
  6. 熟成途中のカードをカットし、当該カットしたカードの間に食品及び/又は風味物質を挟み込んだ後、カットしたカードのカット面を接触合致させたカード全体温度を7℃以下に冷却することにより得られるチーズカードであって、カード同士の結着の程度が、上部カードを持ち上げた際に下部カードが離れない状態となり、その評価基準が、上部カードと下部カードとが結着したまま10秒間保持されるものを結着していると評価することを特徴とするチーズカード。
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