JP6023847B2 - 風味物質が添加されたポーションタイプのカビによる表面熟成軟質チーズ及びその製造方法 - Google Patents
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1)ポーションカット時に風味物質の存在によりきれいに切断されずその後の個包装工程に支障を来す場合がある。
2)特にチーズカードをカット等してカード中に風味物質を添加する方法の場合、カット後に各ポーションを移送する際に、風味物質が添加された部分は接着力が弱いかほとんどなく、剥がれが生じて移送が正常に行われない場合がある。また、個包装時にも同様の問題を生じる場合がある。
3)個包装が問題なく行われた場合でもポーションカットした時点で切断面にチーズや風味物質が露出するため、その状態で個包装後の熟成工程を経てポーションカット面がさらに軟らかくなった後に加熱殺菌を行った場合に、風味物質やチーズが包材から漏洩したりチーズが型くずれを起こし易くなると予想される。
4)風味物質を添加することは製造ラインや製造装置が風味物質にさらされる為、製造方法や工程によっては製造に当たって通常製品にはない負荷を伴う場合があり、切れてるタイプの場合ホールタイプにはない工程がプラスされる分その負荷も大きくなる。
以上のような多くの問題点がある、あるいはあるものと予想されるため、いわゆる「切れてる」タイプであり加熱殺菌処理を行って製造される風味物質を添加したカビによる表面熟成軟質チーズ製品はこれまで提供されていない。しかしながら近年通常製品の場合も「切れてる」タイプの製品はホールタイプの製品より高い人気を博してきており、特に風味物質を添加した製品の場合「つまみ」として食するシーンが通常製品より多いことが予想される為、気軽につまんで食べることができる「切れてる」タイプの製品の提供が強く望まれているという現状があった。
一般的なカマンベールチーズの製造方法に従って製造し、一次熟成途中で白カビが生育したチーズを水平に切断して黒胡椒(粗挽き)を0.5g胡椒/100gチーズの割合で切断面にほぼ一様に添加した後、再び接着させて元の形状に戻した。熟成期間を取ることなくさらに縦方向に6等分に切断して楔形の6個のチーズ片とし、それぞれを手作業により個包装用フィルムで各切断面が個包装フィルムと密着するように包装した。個包装されたチーズ片をポリプロピレンのカップに入れ、残りの期間二次熟成を行った後、ナイロンフィルムでシールし、レトルト加熱殺菌処理を施した後に冷蔵温度まで冷却して製品とした。
一般的なカマンベールチーズの製造方法に従って凝乳したカードを作成し、型詰めする際に最終製品100gに相当する量のカードに対してバジル(粗挽き)0.3gおよびオレガノ(粗挽き)0.1gを添加混合して型詰めを行った。ホエイ排除した後、型から外してカードを食塩水に浸漬して加塩し、一次熟成させた。
以下、チーズの切断、移送、包装はALPMA社RT6000を用いて行った。
熟成途中で白カビが生育したチーズを縦方向に6等分に切断して楔形の6個のチーズ片とし、それぞれを個包装フィルムで各切断面が個包装フィルムと密着するように包装した。個包装されたチーズ片をポリプロピレンのカップに入れ、残りの期間二次熟成を行った後、ナイロンフィルムでシールし、レトルト加熱殺菌処理を施した後、冷蔵温度まで冷却して製品とした。
一般的なカマンベールチーズの製造方法に従って製造し、一次熟成途中で白カビが生育したチーズ(重量約100g)を水平に切断して、唐辛子パウダー0.1gを切断面にほぼ一様に添加した後、再び接着させて元の形状にした。
以下、チーズの切断、移送、包装はALPMA社RT6000を用いて行った。
熟成を1日行った後、縦方向に6等分に切断して楔形の6個のチーズ片とし、それぞれを個包装フィルムで各切断面が個包装フィルムと密着するように包装した。個包装されたチーズ片をポリプロピレンのカップに入れ、残りの期間二次熟成を行った後、ナイロンフィルムでシールし、レトルト加熱殺菌処理を施した後に冷蔵温度まで冷却して製品とした。
一般的なカマンベールチーズの製造方法に従って製造し、熟成途中で白カビが生育したチーズ(重量約100g)を水平に切断して、黒ごま2gを切断面にほぼ一様に添加した後、再び接着させて元の形状にした。
以下、チーズの切断、移送、包装はALPMA社RT6000を用いて行った。 熟成を4日間行った後、縦方向に6等分に切断して楔形の6個のチーズ片とし、それぞれを個包装フィルムで各切断面が個包装フィルムと密着するように包装した。個包装されたチーズ片をポリプロピレンのカップに入れ、残りの期間二次熟成を行った後、ナイロンフィルムでシールし、レトルト加熱殺菌処理を施した後に冷蔵温度まで冷却して製品とした。
Claims (5)
- 一次熟成中で白カビが生育したチーズカードを切断して風味物質を切断面に添加する工程、
切断して得られたチーズ片を接着させてもとの形状に戻す工程、及び
もとの形状に戻したチーズカードを、少なくとも1日間の一次熟成期間をおいた後に、チーズの型くずれ及び風味物質を添加した部分でのチーズの剥がれを生じさせることなく、機械によりポーションカットし、かつ各ポーションを機械的に移送する工程を含む、
風味物質が添加されたポーションタイプのカビによる表面熟成軟質チーズの工業的な製造方法。 - さらに、ポーションカットの切断面に密着包装するように各ポーションを機械により個包装する工程を含む、
請求項1に記載の製造方法。 - さらに、前記移送する工程の後に、各ポーションを二次熟成させる工程を含む、
請求項1又は請求項2に記載の製造方法。 - さらに、前記二次熟成後の各ポーションを加熱殺菌する工程を含む、
請求項3に記載の製造方法。 - 前記風味物質が添加されたポーションタイプのカビによる表面熟成軟質チーズを連続的に製造する
請求項1に記載の製造方法。
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