JP3136113B2 - チーズの包装体及びその製造法 - Google Patents
チーズの包装体及びその製造法Info
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Description
面)にカビが生育していない軟質カビ系チーズ包装体及
びその製造法に関する。本発明のチーズ包装体は、その
チーズのカット面にはカビが生育せずその他の面に生育
しており、加熱殺菌時にチーズが溶けて包材から洩れ出
したり、チーズが包材に付着せず、チーズの保形性を保
ち、長期間冷蔵保存することができる。
系チーズをいくつかのポーションにカットし、このカッ
トしたチーズを加熱殺菌して保存性を付与しようとする
と、加熱殺菌時にチーズのカット面(切断面のカビが生
育していない箇所)から、チーズが溶けだし、チーズを
包装している包材から洩れ出してしまうおそれがあっ
た。また、包材を開封する時に包材と溶けたチーズが付
着して包材がチーズからきれいに剥がれないという問題
もあった。これらのチーズの加熱殺菌時に生ずる問題を
同時に改善することは技術的に難しく、この問題を同時
に解決した製品は現在までみることができない。現在市
販されているポーションタイプの軟質カビ系チーズ、特
にカマンベールチーズはいずれも外国からの輸入品であ
り、生タイプでカット面にカビが生えていないもの、
加熱殺菌タイプでカット面にカビが生育しているもの
の2種類のみである。
キングして型詰めしたチーズを発酵させ、発酵終了時
(少なくとも発酵7日以降)に、チーズのカットおよび
チーズの個包装を同時に行い、カップ包装まで終了さ
せ、このチーズを低温保管し、ユーザーの希望する熟成
度のものを出荷するというものである。このタイプのポ
ーションカマンベールチーズは、加熱殺菌工程がないた
めチーズが洩れだすことがなく、カット面と包材の付着
も起こりにくい。しかし、長時間品質を保持することが
できないという欠点がある。前記の製造方法は、通常
通りカードメーキングして型詰めしたチーズを発酵さ
せ、発酵中にチーズのカットを行い、カット面にカビを
生育させた後これを個包装し、所定の期間発酵させ、カ
ップ包装し、加熱殺菌して製品とするものである。この
タイプのポーションカマンベールチーズは、カット面に
カビが生育しているために加熱殺菌時にチーズが溶けて
洩れだしたりあるいはチーズカット面と包材が付着した
りすることはほとんど起こらない。市販外国製品の包材
の材質は、の生タイプはアルミニウムや紙を基材とし
て、内面にコーティング剤、外面に紙やアルミニウムを
ワックスで貼り合わせたものが、またの加熱殺菌タイ
プはアルミニウムを基材として、内面にコーティング剤
やポリプロピレン、外面にポリエチレンをドライラミネ
ートしたものが使用されている。
熱殺菌されたポーションカマンベールチーズは、円形カ
マンベールチーズを一口サイズに切った形をしていて全
面にカビが生育しているチーズである。このチーズは、
カビが多くなりすぎカビの影響を受けやすい所と受けに
くい所ができる。そのため、チーズも過熟な部分と未熟
な部分ができ熟成のバラツキが生じるため品質が均質化
されず商品性が劣るものである。一方、カット面にカビ
が生育していないチーズは、カット直後のチーズと同じ
形態をしており見栄えが良く、カビの影響を均一に受け
るため熟成のバラツキが生じにくい。このことから、カ
ット面にカビが生育していないカットチーズを個包装し
たものを提供しようとしても、加熱殺菌した時にはチー
ズが溶けだし包材から洩れたり、カット面からも洩れて
くる。又、カット面にカビが生育していないため、包材
を開封する時に包材と溶けたチーズが付着して剥がれず
開けづらい。
は、カット面、特にそのカビマット(表面にカビが生育
している部分)直下の部分が軟化して垂れてくるという
問題が生ずる。又、軟質カビ系チーズは発酵中の水分蒸
発を抑制する目的で発酵途中においてラッピングを行う
が、発酵終了後にカットおよび個包装を行う場合は、こ
のラッピングを一度取り除く必要が生じるため効率が悪
くなる。さらに、発酵終了時のチーズは、柔らかくなり
カットする時にチーズが欠けたり、ナイフへのチーズ付
着およびチーズくずの混入が多くなる。そこで、本発明
は、ラッピングを行わずにカットおよび個包装を行い水
分の蒸発を押さえ、かつ個包装後にカット面にかびが生
育しないチーズ包装体及びその製造法を提供するもので
ある。又、本発明は、従来の個包装したポーションタイ
プの軟質カビ系チーズと異なり、加熱殺菌時にチーズが
溶けて洩れることなく、さらに包材とチーズとの剥離性
が良くて、開封後のチーズの保形性の良い、個包装され
た長期間保存可能な軟質カビ系チーズの包装体、特にカ
マンベールチーズ又はブリーチーズ包装体及びその製造
法を提供することを課題としている。
題を解決するために鋭意検討を重ねたところ、カマンベ
ールチーズ又はブリーチーズの製造時においてチーズを
カットし、そのカット面(切断面)を特定の包材を用い
て特定の方法で個包装することによって、加熱殺菌時に
チーズが溶けて包材から洩れ出ることがなく、包材のチ
ーズカット面からの剥離性がよく、開封後のチーズの保
形性を保つことができることを見出して、本発明を完成
するに至った。すなわち、本発明者らは、次の (1)〜
(4) の点を解決することによって、前記カマンベールチ
ーズ又はブリーチーズ包装体を得ることができたのであ
る。
ズを加熱殺菌した時に起きるチーズの溶融による洩れを
なくするために、チーズのカット面を包材に密着させ
る。すなわち、チーズのカット面を包材と密着させて個
包装し、集積後の周囲を絞り込むことで、チーズの溶融
による洩れを防ぐ。 (2) カット面にカビが生育していないため、包材を開封
する時に包材とチーズが付着せずに開けやすくするため
に、特殊な包材を使うことによってチーズカット面に薄
膜を形成させ、包材チーズのカット面との付着がなく開
封しやすくする。 (3) 熟成の進んだカマンベールチーズ又はブリーチーズ
は、カット面のチーズ、特にカビマット直下部分が軟化
して垂れてくるので、これを防止するために、特殊な包
材を使うことによってチーズのカット面に薄膜を形成さ
せ、チーズの垂れをなくし、開封後の温度が上昇しても
保形性を良くすることができるようにする。 (4) 上記 (1)〜(3) を満足させる最良の包材を選択す
る。
ビ系チーズのカット面を、ぬれ指数42以下のポリオレフ
ィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、およ
びケイ素系樹脂のいずれかの合成樹脂層を有する包材の
該合成樹脂層に密着するように個包装され、加熱殺菌が
なされているチーズ包装体は、加熱殺菌時にチーズが溶
けて包材から洩れ出すことがなく包材のチーズカット面
からの剥離性がよく、開封後のチーズの保形性を保つこ
とができることを見出してなされたものである。そし
て、この包材についてさらに検討を重ねたところ、包材
は、そのぬれ指数と関係があり、前記特定の包材ばかり
ではなく、ぬれ指数42以下の合成樹脂、好ましくはぬれ
指数33以下の合成樹脂の層を有する包材を使用すると、
前記の合成樹脂ばかりではなく、さらに広範囲の合成樹
脂において、前記のように加熱殺菌時にチーズが溶けて
包材から洩れ出すことなく包材のチーズカット面からの
剥離性がよく、開封後のチーズの保形性が保たれること
を見出した。このような合成樹脂としては、フッ素系樹
脂、ケイ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィ
ン系樹脂等を例示することができる。
ット面が、ぬれ指数42以下のポリオレフィン系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、フッ素系樹脂、およびケイ素系樹脂
のいずれかの合成樹脂層を有する該包材の合成樹脂層に
密着するように個包装されており、加熱殺菌処理がなさ
れているチーズ包装体である。さらに、具体的には、本
発明は、上記のチーズ包装体において、包材の合成樹脂
層が、ぬれ指数42以下の延伸ポリプロピレン、ポリエチ
レンテレフタレート又はポリエチレンの合成樹脂層であ
るチーズ包装体である。 さらに、本発明は、軟質カビ系
チーズのカット面が、ぬれ指数42以下のポリオレフィン
系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、およびケ
イ素系樹脂のいずれかの合成樹脂層とアルミニウムとの
少なくとも二層より構成された包材を用い、該合成樹脂
層に密着するように個包装されており、加熱殺菌処理が
なされているチーズ包装体である。 さらに、具体的に
は、本発明は、上記のチーズ包装体において、包材の合
成樹脂層が、ぬれ指数42以下の延伸ポリプロピレン、ポ
リエチレンテレフタレート又はポリエチレンの合成樹脂
層であるチーズ包装体である。ぬれ指数とは、表面張力
が順を追って異なる一連の混合液体を、フイルムの表面
に塗布し、フイルムをぬらすと判定された混合液の表面
張力(dyn/cm)の数値をいう (JIS K 6768-1995 ポリエ
チレン及びポリプロピレンフィルムのぬれ試験方法) 。
ぬれ指数は、フィルムの材質、特性によって数値が異な
り、同じ材質でも加工処理が異なるので数値は一定では
ない。ぬれ指数が変わるのは、フィルムの表面を放電加
熱処理することによって、フィルムに極性基ができるた
めである。フィルムに極性基ができると、ぬれ指数は高
い数値を示す。このぬれ指数が高いとぬれが良くなり、
この包材を用いたチーズ包装体の包材は剥離性が悪くな
る。
包装体において、軟質カビ系チーズが、カマンベールチ
ーズ又はブリーチーズであるチーズ包装体である。さら
に、本発明は、発酵工程中のカマンベールチーズ又はブ
リーチーズなどの軟質カビ系チーズをカットし、ぬれ指
数42以下の延伸ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタ
レート又はポリエチレンの合成樹脂とアルミニウムとの
少なくとも二層より構成される包材を、該合成樹脂層を
チーズのカット面と密着するようにして個包装し、これ
をさらに発酵を継続させた後、加熱殺菌することよりな
るチーズ包装体の製造方法である。すなわち、本発明
は、カットされた軟質カビ系チーズのカット面がぬれ指
数42以下の特定の包材と密着するように個包装されてお
り、個々のカット面にはカビが生育していない長期保存
の可能な軟質カビ系チーズである。本発明では、発酵中
および加熱殺菌時にチーズのカット面と包材との密着が
弱まるのを防ぐために個包装したものを帯などでしば
り、あるいは個包装体を集積してその密着性を高めても
よい。
チーズ又はブリーチーズ等の軟質カビ系チーズをカット
するに当り、ポーション数及びチーズの大きさ、形状は
特に限定されるものではなく、個包装できる形状及び大
きさであれば良い。本発明は、ぬれ指数42以下の合成樹
脂であって、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、フッ素系樹脂、ケイ素系樹脂のいずれかを用いる。
本発明に用いられる包材の具体例としては、ぬれ指数42
以下の延伸ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンなどの合成樹脂が用いられる。また、
通常は、少なくともアルミニウムの層とこれらの合成樹
脂の二層から構成されていて、アルミニウムとこれらの
合成樹脂とが一体となっているフィルムを用いる。その
厚さはアルミニウム及びこれらの合成樹脂のいずれもが
4〜20ミクロン程度のものを使用することが望ましい。
の合成樹脂としては、フッ素系樹脂、ケイ素系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂が用いられる
が、フッ素系樹脂としては、ポリ三フッ化エチレン(2
3)、ポリフッ化ビニリデン(25)、ポリフッ化ビニル(2
8)、ポリ四フッ化エチレン(18)を用いる。ケイ素系樹脂
としては、シリコーンを用いる。ポリエステル系樹脂と
しては、ポリエチレンテレフタレート (31〜42) 、ポリ
エチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレートを
用いる。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン
(31)、ポリプロピレン (31〜39) を用いる。尚、( ) 内
の数字はぬれ指数の値を示す。
の洩れを防ぐためにカット面と密着する包材を検討し
た。その結果、チーズと包材とを密着させるためにはチ
ーズやチョコレートの包材として使われているデッドホ
ールド性(形状保持性)の良いアルミニウムが適してい
ることがわかった。しかし、アルミニウムだけでは溶け
たチーズが流れ出るため、チーズのカット面に接する内
面の材質を検討した。その結果、フッ素系樹脂、ケイ素
系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂が
洩れ防止に効果があり、紙、ニトロセルロース樹脂、ポ
リプロピレン不織布、ポリエチレンテレフタレート不織
布、ポリ塩化ビニリデンは適していないことがわかっ
た。加熱殺菌時のチーズに接触する材質による洩れの状
態をカマンベールチーズについて比較した結果を表1に
示す。
時にカット面にカビが生育していないので包材にチーズ
が付着して開けづらいという欠点がある。そこで、本発
明ではチーズと接する面の材質を種々検討した結果、開
封時にチーズと付着しない材質は延伸ポリプロピレンが
特に優れており、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレンにおいても付着しない効果が認められた。しか
し、ニトロセルロース樹脂、無延伸ポリプロピレン/塩
化ビニリデンコート、ポリプロピレン不織布、ポリエチ
レンテレフタレート不織布、ポリ塩化ビニリデン、塩化
ビニル酢酸ビニル共重合体は、チーズとの付着が起こり
剥離性が悪かった。特に、延伸ポリプロピレンは、カッ
ト面に薄膜を形成するためチーズと付着せずに開封しや
すいことを見出した。ポリプロピレンは、延伸ポリプロ
ピレンと無延伸ポリプロピレンとに分かれる。この延伸
ポリプロピレンとは、ポリプロピレンを縦方向と横方向
に延伸したフィルム(100μm 以下のもの) を示す。チー
ズに接触する材質による剥離性をカマンベールチーズに
ついて比較した結果を表2に示す。
過とともにカット面からチーズが垂れて流出してくるこ
とがしばしば起きる。本発明では、チーズと接する面の
材質を種々検討した結果、開封後もチーズが垂れ出てこ
ない材質は特に延伸ポリプロピレンが優れていた。ま
た、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、無延
伸ポリプロピレンでもこのような効果がみられた。延伸
ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタ
レート、無延伸ポリプロピレンの面をチーズのカット面
に密着させると、カット面に薄膜を形成し、チーズをカ
ビと薄膜で袋のように覆うため垂れて流出しないことが
わかった。
カマンベールチーズのカット面を密着させる種々の材質
について検討した結果、開封時にチーズと付着しない材
質、すなわち剥離性のよい材質は、フッ素系樹脂、ケイ
素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレ
ン、延伸ポリプロピレン、無延伸ポリプロピレン)、ポ
リエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレー
ト)であり、シール性ポリエチレンテレフタレート、ポ
リスチレンは、チーズとの付着が起こり剥離性が悪いこ
とを見出した。無延伸ポリプロピレン/塩化ビニリデン
コートは、チーズを包んだ時の包材同士の付着を良くす
るのに、表面に塩化ビニリデンをコーティングしている
ためチーズ水分50%の6℃、15℃で剥離性が良好である
が、他の温度と水分52%、水分54%の全温度では剥離性
が悪かった。延伸ポリプロピレン、ポリエチレンテレフ
タレート、無延伸ポリプロピレンは、すべての水分と温
度で剥離性が良好であった。ポリエチレンは、チーズの
水分50%の全温度及び水分52%、水分54%の6℃で剥離
性が良好であった。また、ぬれ指数が42以下の材質は、
剥離性が良好であった。延伸ポリプロピレン、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレン、無延伸ポロプロピ
レンは、カット面に薄膜を形成するためチーズと付着せ
ずに開封しやすいことを見出した。チーズの水分が50
%、52%、54%各々にぬれ指数及び異なる材質による開
封時の剥離性をカマンベールチーズについて比較した結
果を表3,4,5 に示す。
法により、評価したものである。なお、評価は経験の充
分なパネラー10名を用い、次の評価基準を用いて行い、
その平均点を評点とした。 1点 付着なし ほとんど付着せず剥離性良好 2点 付着気味 剥がす時にやや付着するが、すぐに剥がれて チーズは包材に残らない 3点 付着あり 1 〜3 カ所程度点状に付着する 4点 付着あり カット面の1/5 以内で面状に付着する 5点 付着あり カット面の1/5 以上で付着する
した。
ブリーチーズについてだけではなく、軟質カビ系チーズ
について適用できるものである。
体的に説明する。
グおよび発酵させたカマンベールチーズを発酵途中で取
り出し、6等分にカットした。カット後すぐに樹脂コー
ティング、アルミニウム (9ミクロン) 、延伸ポリプロ
ピレン (5ミクロン)(ぬれ指数31) の三層構造からなる
包材でチーズのカット面には延伸ポリプロピレンが密着
するように個包装し、発酵を継続した。チーズのカット
面と延伸ポリプロピレンの面とを密着させて、所定の発
酵日数を経過した後、カップに充填して蓋材でシール
し、通常の条件で加熱殺菌した。なお、対照としてカッ
トしていない以外は実施例1と同様の方法で全体を同じ
包材で包装したカマンベールチーズを用いた。加熱殺菌
後これらのチーズ包装体についてチーズの洩れ、開封時
の剥離性、保形性および官能評価を行った。評価結果を
表6に示す。
を用い9点法により、評価し、その平均値を採用した。
なお、評価は経験の充分なパネラー5名を用いて行なっ
た。 9点 良好 欠陥項目(風味、組織、外観)なし 8点 良好 欠陥項目があるが、程度が微弱である 7点 良好 欠陥項目がある 6点 良好 欠陥項目があり、程度がやや強い 1〜5点 不良 欠陥項目があり、程度がかなり強く製
品に出来ない 実施例の製品は、チーズの洩れがまったくなく、包材を
開封する時に包材がチーズに付着せず剥離性は良好であ
り、また、開封後の保形性も良好であった。また、官能
評価の結果は、カットしていない対照チーズと同等の評
価が得られた。
グおよび発酵させたカマンベールチーズを発酵途中で取
り出し、6等分にカットした。カット後すぐに延伸ポリ
プロピレン(8ミクロン)(ぬれ指数31) 、アルミニウム
(9ミクロン) 、延伸ポリプロピレン(8ミクロン)(ぬ
れ指数31) の三層構造の包材にエンボス処理したもので
個包装し、発酵を継続した。個包装の際、包材の延伸ポ
リプロピレンの面がカマンベールチーズカット面に密着
するようにした。所定の発酵日数を経過した後、カップ
に充填して蓋材でシールし、通常の条件で加熱殺菌し
た。加熱殺菌後サンプルのチーズ洩れ、開封時の剥離
性、保形性および官能評価を行った。評価結果を表7に
示す。
グおよび発酵させた直径30cmの円形ブリーチーズを発酵
途中で取り出し、8等分にカットした。カット後すぐに
延伸ポリプロピレン(8ミクロン)(ぬれ指数31) 、アル
ミニウム(9ミクロン)、延伸ポリプロピレン(8ミク
ロン)(ぬれ指数31) の三層構造の包材にエンボス処理し
たもので個包装し、容器に詰めて発酵を継続した。個包
装の際、包材の延伸ポリプロピレンの面がブリーチーズ
カット面に密着するようにした。所定の発酵日数を経過
した後、蓋材でシールし、通常の条件で加熱殺菌した。
加熱殺菌後サンプルのチーズ洩れ、開封時の剥離性、保
形性および官能評価を行った。評価結果を表7に示す。
評価した。対照としてカットしていない以外は実施例2
及び3と同様の方法で全体を同じ包材を包装したカマン
ベールチーズを用いた。実施例2および3の製品は、チ
ーズの洩れがまったくなく、包材を開封する時のチーズ
付着もなく、剥離性は良好であり、開封後の保形性も良
好であった。また、官能評価の結果は、対照のチーズと
同等の評価が得られた。
グおよび発酵させたカマンベールチーズを発酵途中で取
り出し、4等分、6等分および8等分にカットした。カ
ット後すぐにアルミニウム (9ミクロン) 及び延伸ポリ
プロピレン (5ミクロン)(ぬれ指数31) より構成される
包材を用い、その延伸ポリプロピレン面をチーズのカッ
ト面に密着させて個包装し、発酵を継続した。所定の発
酵日数を経過した後、カップに充填して蓋材をシール
し、通常と同じ条件で加熱殺菌した。加熱殺菌後サンプ
ルのチーズ洩れ、開封時の剥離性、保形性および官能評
価を行った。評価結果を表8に示す。
評価したものである。いずれのポーションチーズも包材
からの洩れがまったくなく、包材を開封する時に包材に
チーズの付着はなく、剥離性は良好であり、開封後の保
形性も良好であった。また、官能評価の結果は、すべて
ほぼ同等の評価が得られた。
グしたカマンベールチーズを発酵途中で取り出し、カッ
トし、すぐに樹脂コーティング、アルミニウム(9ミクロ
ン) 、ポリエチレンテレフタレート(12ミクロン)(ぬれ
指数33) の三層構造からなる包材又は樹脂コーティン
グ、アルミニウム(9ミクロン)、ポリエチレンテレフ
タレート(12ミクロン)(ぬれ指数42) の三層構造からな
る包材又は樹脂コーティング、アルミニウム(9ミクロ
ン)、熱シールタイプのポリエチレンテレフタレート
(12ミクロン)(ぬれ指数43) の三層構造からなる包材で
チーズのカット面にはポリエチレンテレフタレートが密
着するように個包装した。個包装後、カットチーズを集
積し、チーズの直径よりも1〜2mm短く絞り込んで周囲
を帯で固定した。そのままの状態で発酵を継続して所定
の発酵日数を経過した後、カップに充填して蓋材でシー
ルし、通常と同じ条件で加熱殺菌した。なお、対照とし
てカットしていない以外は実施例5と同様の方法で全体
を同じ包材で包装したカマンベールチーズを用いた。加
熱殺菌後これらのチーズについてカット面のカビ生育、
チーズの洩れ、保存性および官能評価を行った。評価結
果を表9に示す。
く、チーズの洩れもなかった。また、官能評価の結果
は、カットしていない対照チーズと同等の評価が得られ
た。
グしたカマンベールチーズを発酵途中で取り出し、カッ
トし、すぐにポリエチレン(9ミクロン)(ぬれ指数31) 、
アルミニウム(9ミクロン) 及びポリエチレン(9ミクロ
ン)(ぬれ指数31) より構成される包材を用いチーズのカ
ット面にはポリエチレン層が密着するように個包装し
た。個包装後、カットチーズを集積し、カップに充填
し、そのままの状態で発酵を継続した。所定の発酵日数
を経過した後、カップに充填して蓋材でシールし、通常
と同じ条件で加熱殺菌を行った。なお、対照としてカッ
トしていない以外は実施例6と同様の方法で処理したカ
マンベールチーズを用いた。加熱殺菌後これらのチーズ
についてカット面のカビ生育、チーズの洩れ、保存性お
よび官能評価を行った。評価結果を表10に示す。
評価したものである。いずれのチーズもカット面のかび
生育およびチーズの洩れがまったくなかった。また、官
能評価の結果は、すべて対照と同等の評価が得られた。
チーズなどの軟質カビ系チーズをカットし、カット面
(切断面)に密着するように包材で個包装し、次いで加
熱殺菌処理してなる新しいタイプのポーションチーズで
ある。この包材は、ぬれ指数42以下の合成樹脂が用いら
れる。このような合成樹脂の例としては、フッ素系樹
脂、ケイ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィ
ン系樹脂がある。好適には、この包材は、少なくともア
ルミニウムとぬれ指数42以下の合成樹脂の二層より構成
され、このぬれ指数42以下の合成樹脂層の面をチーズの
カット面に密着して個包装することにより加熱殺菌時に
チーズが包材から洩れることがなく、またチーズが包材
に付着することがなく、容易に開封することができる。
また、開封後もチーズが垂れ出ることがなく、長時間開
封時の形状を保持させることができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 軟質カビ系チーズのカット面が、ぬれ指
数42以下のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、フッ素系樹脂、およびケイ素系樹脂のいずれかの合
成樹脂層を有する包材の該合成樹脂層に密着するように
個包装されており、加熱殺菌がなされているチーズ包装
体。 - 【請求項2】 合成樹脂層が、ぬれ指数42以下の延伸ポ
リプロピレン、ポリエチレンテレフタレート又はポリエ
チレンの合成樹脂層である請求項1記載のチーズ包装
体。 - 【請求項3】 ぬれ指数42以下のポリオレフィン系樹
脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、およびケイ素
系樹脂のいずれかの合成樹脂層とアルミニウムとの少な
くとも二層より構成された包材が用いられている請求項
1記載のチーズ包装体。 - 【請求項4】 合成樹脂層が、ぬれ指数42以下の延伸ポ
リプロピレン、ポリエチレンテレフタレート又はポリエ
チレンの合成樹脂層である請求項3記載のチーズ包装
体。 - 【請求項5】 軟質カビ系チーズが、カマンベールチー
ズ又はブリーチーズである請求項1ないし4のいずれか
に記載のチーズ包装体。 - 【請求項6】 発酵工程中の軟質カビ系チーズをカット
し、ぬれ指数42以下の延伸ポリプロピレン、ポリエチレ
ンテレフタレート又はポリエチレンの合成樹脂とアルミ
ニウムとの少なくとも二層より構成される包材を、該合
成樹脂層をチーズのカット面と密着するようにして個包
装し、さらに発酵を継続させた後、加熱殺菌することを
特徴とするチーズ包装体の製造法。
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---|---|---|---|
JP6909297A JP3136113B2 (ja) | 1996-03-08 | 1997-03-06 | チーズの包装体及びその製造法 |
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JP8-277600 | 1996-09-27 | ||
JP27760096 | 1996-09-27 | ||
JP8-80978 | 1996-09-27 | ||
JP6909297A JP3136113B2 (ja) | 1996-03-08 | 1997-03-06 | チーズの包装体及びその製造法 |
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JPH10150914A JPH10150914A (ja) | 1998-06-09 |
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Cited By (1)
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「乳技協資料」(1985),財団法人日本乳業技術協会発行,Vol.25,No.4,p.14−23 |
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