JP6474187B2 - 白カビ系チーズ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は白カビ系チーズ及びその製造方法に関する。
カマンベールチーズやブリーチーズ等、表面に白カビを生育させる白カビ系チーズはその独特の風味と中身の食感が特徴である。一般に白カビ系チーズの製造方法としては、トラディショナル製法とスタビライズ製法という2つの製造方法が知られている。これらの違いは、トラディショナル製法がチーズカードの最低pHを4.6程度まで低下させるのに対し、スタビライズ製法はカードの最低pHを5.0より高く保持する点にある。このため、スタビライズ製法においては高温性乳酸菌であるストレプトコッカス・サーモフィルスを主なスターター乳酸菌として使用する。ストレプトコッカス・サーモフィルスは15℃程度の温度域で酸生成能が極端に低下するという特徴を有する。
トラディショナル製法の白カビ系チーズの品質課題としては、高水分や過度に熟成が進んだ場合に見られる、切断面からチーズが流れ出す現象(いわゆるランニング)が挙げられる。これは、白カビ系チーズのチーズ中身部分が流動化することによって生じるもので、切った白カビ系チーズを皿などに盛り付けたときに、チーズ中身部分が流れ出し、商品価値が大幅に低下してしまうことになる。スタビライズ製法は、トラディショナル製法で見られるランニング防止のために考案された。スタビライズ製法はトラディショナル製法に比較してカード製造後のpH変動が高く推移するため、イオン化してホエーとともに流れ出すカルシウムの量が少なくなる。その結果、サブミセル間に形成されるリン酸カルシウムの結合が多くなるため、チーズ全体として組織が強固になってランニングが発生しにくくなると考えられる。
ランニングは白カビ系チーズに含まれる水分が多い場合や、熟成の進行が進んでタンパク質が分解されると発生しやすくなる。そのため、その抑制方法としては、製品水分を低くする、熟成を進めない、といったことが必要となる。しかしながら水分値を低下させると製造歩留まりが低下したり、チーズの食感が硬くなりやすいという問題がある。また、熟成をあまり進めない方法では、熟成によるチーズの風味が十分に発現しないため、チーズの風味が弱くなるという問題が生じる。したがって、ランニングの抑制と良好な風味の両立は困難が伴う技術課題となっている。なお、スタビライズ製法を用いた場合、ランニングの抑制効果は認められるが、使用するスターター乳酸菌の種類が限定され、風味がトラディショナル製法にくらべて弱いという問題点がある。
白カビ系チーズにおいては、ラクトパーオキシダーゼを含有させることで常温保形性を高める方法(特許文献1)が知られているが、この方法では別途ラクトパーオキシダーゼを添加する必要があるため、あまり一般的には用いられていないというのが現状である。
特開平10−215767号公報
本発明は、ランニングが抑制された白カビ系チーズ及びその製造方法を提供することを目的とする。なお、本発明において白カビ系チーズとは「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和26年12月27日厚生省令第52号)」で定義されるナチュラルチーズであって、表面に白カビを生育させるタイプのチーズ全てを包含し、例えばカマンベールチーズやブリーチーズ等が挙げられる。また、本発明において「チーズ中身部分」とは白カビ系チーズの白カビ層の内側部分を意味するものとする。
上記課題を解決するために、本発明者らは、チーズの原料乳の乳糖含量を低減することにより、チーズ中のカゼイン結合型カルシウム量を高めることができることを見出し、これによって白カビ層の内側にあるチーズ中身部分のランニングを抑制した白カビ系チーズを提供するものである。
すなわち、本発明は、以下の態様を含むものである。
(1)低温性及び/又は中温性乳酸菌を含有し、かつ、チーズ中身部分のタンパク質1gあたりのカゼイン結合型カルシウムが7.0mg以上であることを特徴とする白カビ系チーズ。
(2)さらに、水分含量が53〜57%及び/又は熟度が20〜26であることを特徴とする(1)記載の白カビ系チーズ。
(3)前記低温性及び/又は中温性乳酸菌が、ラクトコッカス・クレモリス、ラクトコッカス・ラクティス、ロイコノストック・ラクティスから選択されるいずれか1以上であることを特徴とする(1)又は(2)記載の白カビ系チーズ。
(4)前記白カビ系チーズが、発酵工程後に殺菌処理したものであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の白カビ系チーズ。
(5)最初のチーズ品温を10℃とし、これを25℃、30分間の条件下に静置した際の、ランニング重量が、チーズ重量の5.0%以下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の白カビ系チーズ。
(6)前記白カビ系チーズが、カマンベールチーズ又はブリーチーズであることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の白カビ系チーズ。
(7)原料乳を凝固させてチーズカードを生成し、得られたチーズカードの表面に白カビを生育させる白カビ系チーズの製造方法であって、前記原料乳の乳糖含量を1.5%以下に調製することを特徴とする白カビ系チーズの製造方法。
(8)前記原料乳の一部または全部として、1または複数の乳素材を溶解して得られる還元乳を使用することを特徴とする(7)記載の白カビ系チーズ製造方法。
本発明によると、低温性及び/又は中温性乳酸菌を用いた場合に生じる白カビ系チーズのチーズ中身部分のランニングを抑制することができる。
なお、本発明において「熟度」とは、全窒素量中の可溶性窒素量(%)を示すものとする。また、本発明において「原料乳」とはナチュラルチーズの原料となる生乳もしくは成分調整した乳をいう。
本発明の白カビ系チーズの原料とする原料乳としては、生乳(原乳)のほか、濃縮乳や、脱脂乳にバターやクリーム等乳脂肪を多く含む製品を混合したもの、乳タンパク質濃縮物、脱脂粉乳、脱乳糖パーミエートなどの乳素材を適宜配合・溶解したものなど、チーズ製造に用いられるものであればいずれも使用可能であり、これらを適宜混合して用いてもよい。ただし、原料乳の乳糖含量を1.5%以下に調製する。これは原料乳を調製する際に乳糖含量の低い素材を用いるなどして適宜調整すればよい。
高温性乳酸菌のみをスターターとして用いるスタビライズ製法では、チーズカードのpH低下を抑制することが可能であったが、使用可能な乳酸菌スターターが限定され製造される白カビ系チーズの風味が乏しいものであった。本発明は、原料乳の乳糖含量を1.5%以下に調製することで、低温性及び/又は中温性乳酸菌をスターター乳酸菌として用いた場合においても、チーズカードのpHの低下を抑えることができ、チーズ中身部分のタンパク質1g当たりのカゼイン結合型カルシウム含量を7.0mg以上とすることができる。
本発明の白カビ系チーズは、原料乳の乳糖含量を1.5%以下にとするが、その他の工程については、一般的な白カビ系チーズの製造方法に準じて行えばよい。例えば、殺菌した原料乳にスターター乳酸菌、凝乳酵素、白カビを添加してチーズカードを製造し、得られたチーズカードを型枠に流し込んで成型し、ホエーを排除した後、加塩工程を経て熟成を進め、白カビ系チーズを得る。なお、加塩工程の手法や白カビの添加方法については、さまざまな手法が考案されており、いずれも使用可能である。
本発明の白カビ系チーズで使用される乳酸菌スターターは、一般的な白カビ系チーズの製造に用いられる乳酸菌スターターをいずれも用いることが可能であるが、主に、少なくとも1種以上の低温性及び/又は中温性乳酸菌を使用する。低温性及び/又は中温性乳酸菌を使用することで、白カビ系チーズの風味を強化することができるためである。低温性及び/又は中温性乳酸菌としては、ラクトコッカス・クレモリス、ラクトコッカス・ラクティス、ロイコノストック・ラクティス等が例示できる。また市販されているLDスターター(クリスチャン・ハンセン社製)等のチーズスターターを用いてもよい。なお、高温性乳酸菌であるストレプトコッカス・サーモフィルスと、低温性及び/又は中温性乳酸菌を併用することも可能であるが、高温性乳酸菌であるストレプトコッカス・サーモフィルスを主なスターターとして使用するスタビライズド製法で製造された白カビ系チーズは本発明の対象外である。
上述のような方法で製造された白カビ系チーズについて、保存や流通に適した状態にするため、殺菌処理を行ってもよい。殺菌処理は、一般的に発酵工程後に行い、中心部の品温が80℃以上になるように保持して行うが、特にこれに限定されるものではない。
また、白カビ系チーズを発酵工程中あるいは発酵工程後に、6〜12個程度のポーションにカットし、アルミ包装した形態とすることも可能である。
以下に実施例を記載し、本発明を詳細に説明するが、実施例は本発明の態様の1つであり、本発明は実施例に限定されるものではない。
乳糖を0.5%(実施例品1)、1.0%(実施例品2)、1.5%(実施例品3)に成分調整した原料乳を72℃で15秒殺菌し、30℃まで冷却した。原料乳100kgに中温性乳酸菌であるLDスターター(クリスチャン・ハンセン社製)を接種し、pHが6.40になった時点でレンネットと白カビを接種した。レンネット凝固後にカッティングを行い、翌朝の1個あたりの重量が115gになるよう型詰めを行った。カードの最低pHは5.36(実施例品1)、5.25(実施例品2)、5.08(実施例品3)であった。翌朝まで3回の反転を行って、モールドから外し、目標塩分1.2%となるように加塩した。
そのまま12℃で発酵を行い、十分に白カビが生育した後にフィルムでくるみ、引き続き12℃で発酵を行った。各々、水分54%、熟度24となるようチーズカードの熟成条件を適宜調整し、実施例品1〜3のカマンベールチーズを得た。得られたカマンベールチーズは中心部が80℃になるよう殺菌処理し、その後10℃で保管した。
[比較例1]
乳糖を2.0%(比較例品1)、3.0%(比較例品2)、4.7%(比較例品3)に成分調整した原料乳を、72℃で15秒殺菌し、30℃まで冷却した。原料乳100kgにLDスターター(クリスチャン・ハンセン社製)を接種し、pHが6.40になった時点でレンネットと白カビを接種した。レンネット凝固後にカッティングを行い、翌朝の1個あたりの重量が115gになるよう型詰めを行った。カードの最低pHは4.72(比較例品1)、4.64(比較例品2)、4.53(比較例品3)であった。翌朝まで3回の反転を行って、モールドから外し、目標塩分1.2%となるように加塩した。
そのまま12℃で発酵を行い、十分に白カビが生育した後にフィルムでくるみ、引き続き発酵を行った。各々、水分54%、熟度24となるようチーズカードの静置時間、乳酸菌の添加量及びその後の発酵期間を適宜調整し、比較例品1〜3のカマンベールチーズを得た。得られたカマンベールチーズは中心部が80℃になるよう殺菌処理し、その後10℃で保管した。
[比較例2]
乳糖を1.0%(比較例品4)、3.0%(比較例品5)に成分調整した原料乳を、72℃で15秒殺菌し、30℃まで冷却した。原料乳100kgに乳酸菌スターターとして、高温性乳酸菌であるストレプトコッカス・サーモフィルスのみを接種し、pHが6.40になった時点でレンネットと白カビを接種した。レンネット凝固後にカッティングを行い、翌朝の1個あたりの重量が115gになるよう型詰めを行った。カードの最低pHは5.34(比較例品4)、5.17(比較例品5)であった。翌朝まで3回の反転を行って、モールドから外し、目標塩分1.2%となるように加塩した。
そのまま12℃で発酵を行い、十分に白カビが生育した後にフィルムでくるみ、引き続き発酵を行った。各々、水分54%、熟度24となるようチーズカードの静置時間、乳酸菌の添加量及びその後の発酵期間を適宜調整し、比較例品4、比較例品5のカマンベールチーズを得た。得られたカマンベールチーズは中心部が80℃になるよう殺菌処理し、その後10℃で保管した。
[試験例1]
実施例品および比較例品について、チーズ中身部分のタンパク質1g当たりのカゼイン結合型カルシウム量、ランニング率および風味の官能評価を以下の方法により評価した。
(チーズ中身部分のタンパク質1g当たりのカゼイン結合型カルシウム量の測定)
(1)チーズの切り分け
白カビ系チーズを、チーズカッターを用いて上下3mmずつ切断した。次に丸型型枠で外側5mmを切断し、チーズ中身部分を切り出した。

(2)全カルシウム量の測定
(1)で得た試料をホモジナイザーで均一に粉砕した後、粉砕した試料を5g秤量し、45℃程度に温めた0.5Mクエン酸ナトリウム溶液を30ml添加し、ホモジナイザーを用い5分間10,000rpmの条件で懸濁した。得られた懸濁液を50mlに定容し、これを50ml容メスフラスコに5ml採取した。脱イオン水30mlと10%スルホサリチル酸溶液を3ml添加し、最後に水で50mlに定容した。十分な攪拌後、5分間待ち、ろ紙(Advantec No.2)でろ過し、得られたろ液を試料とし、カルシウムE−テストワコー(和光純薬)を用いて全カルシウム量を測定した。測定した値から白カビ系チーズのチーズ中身部分100g中における全カルシウム量を算出した。

(3)遊離カルシウム量の測定
(1)で得た試料をホモジナイザーで均一に粉砕した後、粉砕した試料を5g秤量し、20mlの脱イオン水を加え、ホモジナイザーを用い10,000rpm、5分間懸濁した。得られた懸濁液を牛乳用ろ紙に通し、さらに一部を1.5mlの遠心チューブに移し、8,000rpm、15分間の条件で遠心分離した。上澄みをナノセップ3k(東京硝子器械)に移し、10,000rpm、20分間の条件で遠心分離した。得られたろ液を試料とし、カルシウムE−テストワコー(和光純薬)を用いて遊離カルシウム量を測定した。測定した値から白カビ系チーズのチーズ中身部分100g中における遊離カルシウム量を算出した。

(4)カゼイン結合性カルシウム量の算出
上記で算出したチーズ中身部分100g中における全カルシウム量から、チーズ中身部分100g中における遊離カルシウム量を除き、白カビ系チーズのチーズ中身部分100g中におけるカゼイン結合性カルシウム量(mg)を算出した。

(5)タンパク質量の測定
白カビ系チーズのチーズ中身部分100g中における全窒素量をケルダール法にて測定し、得られた測定値に6.38を乗じてタンパク質量(g/100g)を算出した。

(6)タンパク質1g当たりのカゼイン結合型カルシウム量の算出
(4)で得られたカゼイン結合性カルシウム量と(5)で算出したタンパク質量(g/100g)を用いて、チーズ中身部分のタンパク質1g当たりのカゼイン結合型カルシウム量(mg/g)を算出した。
(ランニング率の測定)
各試料を、重量(チーズ重量)測定後に雰囲気温度10℃で保持し、品温を10℃とした。その後、切断面が垂直になるよう2等分し、雰囲気温度25℃で30分間静置した。30分間静置後の切断面から流れ出したチーズを各個片から切り取り、それぞれ重量を測定した後、合計してランニング重量とした。測定されたランニング重量の全チーズ重量に対する割合を算出し、ランニング率として算定した。
(風味の官能評価)
訓練をうけた専門パネラー5人で各試料を試食し、風味の良さを5段階(5:非常に良い、1:非常に悪い)で評価した。なお各試料は冷蔵庫から室温に出し、15分後に評価した。得られたパネラー五人の評価の平均値を官能評価点として算出した。得られた結果を表1に示す。
表1の結果から、原料乳の乳糖含量を1.5%以下とした実施例品1〜3及びスタビライズ製法で製造した比較例品4、5では、いずれもチーズ中身部分のタンパク質1g当たりのカゼイン結合型カルシウム量が7.0mg以上となった。一方、原料乳の乳糖含量が2.0%以上である比較例品1〜3ではいずれもチーズ中身部分のタンパク質1g当たりのカゼイン結合型カルシウム量が7.0mg未満であった。
次にランニング率は、チーズ中身部分のタンパク質1g当たりのカゼイン結合型カルシウム量が7.0mg以上である実施例品1〜3及び比較例品4、5は、ランニング率も5.0%以下に抑制することができた。
官能評価の結果は、実施例品1〜3、比較例品1〜3ではいずれも中温性乳酸菌特有の豊かな風味が感じられた。一方、比較例品4、5は風味が弱く、穏やかな風味であった。これらの結果から、原料乳の乳糖含量を1.5%以下とすることで、中温性乳酸菌を使用した場合においても、豊かな風味をもち、かつチーズ中身部分のランニングが抑制されたチーズを作製できることが明らかとなった。

Claims (8)

  1. 低温性及び/又は中温性乳酸菌を含有し、かつ、チーズ中身部分のタンパク質1g当たりのカゼイン結合型カルシウム量が12.9mg以上であることを特徴とする白カビ系チーズ。
  2. さらに、水分含量が53〜57%及び/又は熟度が20〜26であることを特徴とする請求項1記載の白カビ系チーズ。
  3. 前記低温性及び/又は中温性乳酸菌が、ラクトコッカス・クレモリス、ラクトコッカス・ラクティス、ロイコノストック・ラクティスから選択されるいずれか1以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の白カビ系チーズ。
  4. 前記白カビ系チーズが、発酵工程後に殺菌処理したものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の白カビ系チーズ。
  5. 最初のチーズ品温を10℃とし、これを25℃、30分間の条件下に静置した際の、ランニング重量が、チーズ重量の5.0%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の白カビ系チーズ。
  6. 前記白カビ系チーズが、カマンベールチーズ又はブリーチーズであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の白カビ系チーズ。
  7. 原料乳を凝固させてチーズカードを生成し、得られたチーズカードの表面に白カビを生育させる白カビ系チーズの製造方法であって、前記原料乳の乳糖含量を1.5%以下に調製し、かつ前記チーズカードの最低pHを5.25以上とすることを特徴とする白カビ系チーズの製造方法。
  8. 前記原料乳の一部または全部として、1または複数の乳素材を溶解して得られる還元乳を使用することを特徴とする請求項7記載の白カビ系チーズ製造方法。
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