JP6169210B2 - 白カビチーズおよびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、白カビチーズ及びその製造方法に関する。
世界には約1,000種類以上ものナチュラルチーズがあるといわれ、一般的には非熟成チーズ(フレッシュ)、山羊乳チーズ(シェーブル)、白カビチーズ、青カビチーズ、ウォッシュチーズ、セミハードチーズ、ハードチーズの7種類に分類される。その中でもカマンベールチーズ(Camembert)、ブリーチーズ(Brie)、クロミエチーズ(Coulommiers)、カレドゥレストチーズ(Carrede l’Est)、シャウルスチーズ(Chaource)、パテ・ソルビリゼ(Pates solubilisees)などの白カビチーズは、世界中で喫食されている。
白カビチーズの特徴は、カビの熟成によって形成される、チーズ内部の滑らかな組織である。白カビチーズに対する好みは喫食者によって異なるが、白カビチーズの内部組織は流動性が高いため保形性が悪く、喫食の際に切り分けた後に室温に放置すると、チーズの品温が上昇して切り口が変形したり、切断面からチーズが溶け出す現象(いわゆるランニング)が起こったりして、喫食が困難になるなどといった問題点が発生することがある。そのため、白カビチーズを製造する際には、チーズの組織を制御し、食べ易くすることが求められる。
このような問題を解決する技術として様々な方法が開発されているが、一般的にチーズの組織を制御する方法としては、酸生成能力の少ない乳酸菌を選定する技術がある。この方法を用いて、ストレプトコッカス・サーモフィルスなどの乳酸菌スターターを添加し、ホエイ排除を約pH5.5で行い、カードpHを5.1以下にすることなくチーズを製造する方法が知られている(非特許文献1)。この方法で調製されたチーズの内部組織は保形性が高くなり、ランニングが生じにくくなることが知られている。
また、チーズの内部組織を改変する技術としては、チーズ中の水分を制御する方法も経験的に知られており、水分が60%程度の白カビチーズは内部組織の流動性が高いため保形成が悪く、一般的に市場に流通している水分含量が50%程度のチーズは保形性が高い。さらに、チーズ固形分中の脂肪含量を変化させることによる内部組織の改変方法も知られている。通常、流通している白カビチーズの固形分中脂肪含量は50%前後のものが主流であるが、固形分中脂肪を60%以上にすると口溶けが良い組織となる。しかし、その反面、流動性の高い組織となることからランニングが発生する可能性が高くなる。そこで、固形分中脂肪含量が高い場合の物性改良技術として、固形分中脂肪が62%以上の白カビ系チーズに用いるクリームの脂肪球径を均質処理などで2.5μm以下に調整した後、該クリームと脱脂乳等から調製した原料乳を発酵する事で、レトルト殺菌処理しても滑らかな組織を有し、かつ適度な粘度と保形性を有する白カビ系チーズを製造する方法が開示されている(特許文献1)。
その他にも、原料乳を精密濾過膜処理し、β-ラクトグロブリンあるいはホエイを除去した後に発酵を行うことで、レトルト殺菌しても、保存中に離水が起こらない軟質ナチュラルチーズを製造する方法が開示されている(特許文献2)。
特開2006-75012号公報 特開2004-118号公報
木村利昭、井越敬司、村山重信,ミルク&チーズサイエンス〜とけるチーズの秘密〜ミクロの視点から(2007),p49−50
非特許文献1に開示されているように、酸生成能力の低い乳酸菌を選定する場合、保形性を維持することができるが、製造工程や最終製品の風味にも影響を及ぼす。
また、チーズの内部組織を改変する技術として知られているチーズ中の水分含量を調整、制御する方法では、原料乳の成分調整やカードメイキングの方法、熟成条件などあらゆるチーズの製造工程を調整、制御する必要があるため多くの労力が必要であり、容易ではない。
チーズの固形分中脂肪含量が高い場合の物性改良技術である特許文献1は、白かび系チーズの製造において、レトルト殺菌時の組織のザラツキを抑制し適度な保形性を与える技術であり、ランニングを抑制することに関しては記載されていない。
特許文献2のβ-ラクトグロブリンの定量方法では、電気泳動法を用いているが、この
方法では遊離β-ラクトグロブリンと非遊離β-ラクトグロブリンが区分されることなく定量されるため、遊離β-ラクトグロブリン量による物性改良効果は記載されておらず、ま
た、特許文献1と同様にランニングを抑制することに関しては記載がない。
本発明は、チーズ中の水分含量や固形分中の脂肪含量に影響されることなく、ランニングが抑制され、保形性が維持される白カビチーズ及びその製造法を提供する事を目的とする。
本発明者らは、上記課題を鑑み検討を進めた結果、白カビチーズを製造する際に、チーズ中に含まれる遊離β-ラクトグロブリン含有量および損失正接とチーズのランニングお
よび保形性の変化に着目して鋭意研究を行い、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の構成からなる。
(1)白カビチーズの製造方法において、原料乳を85℃にて10分間殺菌する工程と、前記殺菌した原料乳を限外濾過膜処理して、たん白質を濃縮した調整乳を得る工程と、前記調整乳を凝固させる工程と、前記凝固工程の後、ホエイを排除する工程と、を有することを特徴とする、1g当りの遊離β-ラクトグロブリン含有量が0.005mg以下の白カビチーズの製造方法。
(2)白カビチーズの製造方法において、たん白質が濃縮された原料乳を85℃にて10分間殺菌して、たん白質を濃縮した調整乳を得る工程と、前記調整乳を凝固させる工程と、前記凝固工程の後、ホエイを排除する工程と、を有することを特徴とする、1g当りの遊離β-ラクトグロブリン含有量が0.005mg以下の白カビチーズの製造方法。
(3)前記たん白質が濃縮された原料乳が、原料を限外濾過膜処理した原料乳であることを特徴とする、(2)の1g当りの遊離β-ラクトグロブリン含有量を0.005mg以下の白カビチーズの製造方法。

本発明によれば、チーズ1g当りの遊離β−ラクトグロブリンの含有量を0.005mg以下に低減させ損失正接を0.5以下にすることによって、保形性が良く室温に放置しても切り口からチーズが漏れにくい白カビチーズを提供することができる。
本発明における白カビチーズ中の遊離β-ラクトグロブリンを0.005mg以下に低減するためには、チーズ製造に用いる原料乳を78℃以上で殺菌する方法があるが、生乳を78℃以上で殺菌するとレンネット凝固しなくなりカードを得る事ができない。そのため、本発明では、原料乳を殺菌した後、限外濾過膜処理する方法、原料乳を限外濾過膜により処理した後、殺菌する方法およびMPC(ミルクプロテインコンセントレート)などの粉乳を還元した還元たん白質濃縮物を殺菌する方法により得た調整乳を用いて、一般的な方法にて白カビチーズを製造することにより、チーズ1gに対して遊離のβ-ラクトグロブリン含有量が0.005mg以下となるような白カビチーズを製造することが出来る。
また、殺菌方法としては、タンク内で温度調節しながら殺菌することもできるし、通常工業的に使用されているシェル&チューブ式熱交換機やプレート式熱交換機、直接加熱式熱交換機等を用いることができるが、殺菌することができれば特に限定されるものではない。また、条件としては、80℃にて10分や120℃にて4秒などがあげられるが、本発明の目的に合った条件を適宜選択すればよい。
本発明においては、調整乳を得る方法を除いて、一般的な白カビチーズの製法に準じて白カビチーズを製造することができる。すなわち、調整乳を作製後、調整乳を75℃にて15秒間殺菌して冷却した後、乳酸菌スターターとレンネットを添加して乳を凝固させる。この凝固したカードを切断し一定時間保持した後、フープに入れてカードとホエイを完全に分離し成型し、食塩溶液に浸漬して加塩し、P.camemberti、あるいはP.candidumの胞子を含有する懸濁液を表面に噴霧する。次に、温度14℃、相対湿度75%の乾燥室内で1〜2日間表面を乾燥させ、その後温度14℃、相対湿度95%の熟成室内で熟成を行う方法である[F.Kosikowski:Cheese and fermented milk foods, second edition,p.342〜345(1982)]。この伝統的製法で製造された白カビチーズは、熟成開始3日目頃からチーズの表面に白カビが発生し、10日目を過ぎるころになると表面から熟成が進み、熟成された部分は硬いカード状から、ペースト状の組織に変化する。さらに30〜45日間熟成すると、熟成したペースト状の部分は中心部まで進み、風味も白カビチーズ独特のものになる。
また、海外産の白カビチーズは発酵、成型後にレトルト殺菌していない生タイプが主流であり、国内では主にレトルト殺菌処理を施しているタイプが主流であるが、本発明ではどちらのタイプにおいても同様の効果が得られる。
本発明の白カビチーズの製造に用いる原料乳とは、ウシ、ヒツジ、ヤギ、水牛等の生乳、一部または全ての脂肪分を除去した脱脂乳、乳脂、植物脂を加えた還元乳などを使用することができる。また、たん白質含量が4%以上30%以下に調整された液状又はスラリー状の乳をたん白質濃縮物といい、濃縮乳、脱脂濃縮乳、全粉乳、脱脂粉乳、ホエイパウダー、たん白質濃縮ホエイパウダー、バターミルクパウダー、MPC、調整粉乳などを水溶して還元し、たん白質含量を4%以上30%以下に調整した液状又はスラリー状の乳を還元たん白質濃縮物という。
本発明において、たん白質濃縮物を得る際には、分画分子量が1,000〜30,000Da程度のUF膜を用いることができ、濃縮温度は5℃から60℃の範囲で行うことができる。
β-ラクトグロブリンとは乳中に含まれるホエイたん白質の一種であり、遊離β-ラクトグロブリンとは、チーズの水分中に存在するβ-ラクトグロブリンをいう。遊離β-ラクトグロブリンは、以下の方法により定量する。
1)チーズを蒸留水と0.5Mクエン酸ナトリウムで5倍希釈し粉砕・懸濁後、25℃の水浴中に30分間静置する。
2)1)の試料溶液を塩酸を用いてpH4.6に調整する。調整後の溶液を25℃の水浴中に30分間静置する。
3)2)の試料を1,000×gで30分間遠心分離し、上清を分取したものを測定試料とする。
4)3)の測定試料を高速液体クロマトグラフィーに供し、分画及び定量を行なう。
高速液体クロマトグラフィーの測定条件としては、0.1%トリフルオロ酢酸、55%アセトニトリル溶液を用い、流速0.3ml/分、40℃の条件で測定した。45分後のピーク面積を未変性βラクトグロブリン量として検出した
尚、上記の測定方法にて定量される遊離β-ラクトグロブリンの検出限界は0.005mgである。
本発明においては、チーズ中の水分含量は乾燥重量法、脂肪含量はレーゼゴットリーブ法による測定値である。
本発明において、損失正接は、動的粘弾性測定装置を用いて測定する。この測定原理は、試料に周期的な変位を与えて、弾性要素である貯蔵弾性率、および粘性要素である損失弾性率の値を測定するものであり、損失弾性率/貯蔵弾性率の比で損失正接を表すことができる。これらの測定値から試料の弾性的特性、粘性的特性および流動性を評価した。測定は、動的粘弾性測定装置(ARES:TAインスツルメント製)にて、ギャップを1mm、周波数:1Hz、歪み:0.1%の条件にて5℃から測定を開始し、毎分1℃ずつ昇温させながら20℃まで測定を行った際の、損失正接の変化を確認した。
以下に、実施例および試験例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等に何ら限定されるものではない。
脱脂乳を分画分子量10,000DaのUF膜を用いて、5倍濃縮後、チーズの固形分中脂肪が50%となる様に、40%クリームを添加し調整乳を得た。その後、調整乳を85℃にて10分間殺菌した。これにストレプトコッカス ラクチス(Streptococcus lactis)、スレプトコッカス クレモリス(S.cremoris)の混合菌からなる乳酸菌スターターを2.0%と、力価15000のレンネットを0.01%添加し、乳を凝固させた。この凝固によって生成したカードを25mm角にカッティングして約1時間保持後、フープに充填しホエイを排除した。ホエイを排除して約1時間保持後にフープから取り出し、23%の食塩溶液のブラインに浸漬し、ペニシリュウム カマンバーティ(P.camemberti)、の胞子の分散液をカードの表面に均一に噴霧し、チーズカードを調製した。このチーズカードを温度14℃、湿度75%の乾燥室で1日間乾燥し、次いで温度14℃、湿度95%の熟成室で40日間熟成させて、実施例品1の白カビチーズを得た。
脱脂乳を分画分子量10,000DaのUF膜を用いて、3倍濃縮後、チーズの固形分中脂肪が50%となる様に、40%クリームを添加し調整乳を得た。その後、調整乳を90℃にて5分間殺菌し、実施例1と同様の製造方法によりチーズを作製し、実施例品2を得た。
脱脂乳を120℃にて2分間加熱した後、分画分子量10,000DaのUF膜を用いて、5倍濃縮後、チーズの固形分中脂肪が50%となる様に、40%クリームを添加し調整乳を得た。その後は実施例1と同様の製造方法によりチーズを作製し、実施例品3を得た。
MPC(Ingredia Dairy Ingredients製)をたん白質濃度が16%になるように還元し、還元たん白質濃縮物を得た。還元たん白質濃縮物に、チーズの固形分中脂肪が50%となる様に、40%クリームを添加し調整乳を得た。その後、調整乳を85℃にて10分間殺菌し、実施例1と同様の製造方法によりチーズを作製し、実施例品4を得た。
[比較例1]
脱脂乳に脂肪率3%となるように40%クリームを添加し、脂肪率を調整した調整乳を85℃にて2秒間殺菌した。その後は実施例1と同様の製造方法によりチーズを作製し、比較例品1を得た。
[比較例2]
脱脂乳に脂肪率3%となるように40%クリームを添加し、脂肪率を調整した調整乳を80℃にて10秒間殺菌し、これにストレプトコッカス ラクチス(Streptococcus lactis)、スレプトコッカス クレモリス(S.cremoris)の混合菌からなる乳酸菌スターターを2.0%と力価15000のレンネットを0.01%添加し、乳を凝固させた。この凝固によって成したカードを25mm角にカッティングして約30分保持後、フープに充填しホエイを排除した。その後の処理は比較例1と同様に実施し、比較例品2を得た。
[比較例3]
脱脂乳を分画分子量10,000DaのUF膜を用いて、5倍濃縮後、チーズの固形分中脂肪が50%となる様に、40%クリームを添加し調整乳を得た。その後、調整乳を80℃にて10秒間殺菌した。その後は実施例1と同様の製造方法によりチーズを作製し、比較例品3を得た。
[比較例4]
脱脂乳を分画分子量10,000DaのUF膜を用いて、3倍濃縮後、チーズの固形分中脂肪が50%となる様に、40%クリームを添加し調整乳を得た。その後、調整乳を85℃にて2秒間殺菌した。その後は実施例1と同様の製造方法によりチーズを作製し、比較例品4を得た。
[試験例1]
実施例品1〜4および比較例品1〜4について、水分、固形分中脂肪、損失正接を測定し、チーズ1g当りの遊離β-ラクトグロブリン含有量(表中では遊離β-Lgと略記)を算出した。また、室温下でのチーズ内部組織流出状態からランニングを、変形率から保形性を評価した。ここで、室温は25℃に調整し、室温下での内部組織流出は円盤状の白カビチーズを扇型に4等分に切り分けた後、室温に30分静置した後の状態を、○:流出なし △:若干の流出あり ×:流出あり として評価した。また、4等分に切り分けた直後の切り口の稜の高さ(H0)を100%とし、室温に30分静置した後の稜の高さ(H30)との比較から変形率を算出した(変形率%=H0/H30×100)。変形率が高いほど切り口が変形していないことを示している。
結果を表1に示す。
表1の結果から、実施例品1〜4は、チーズの水分含量にかかわらず、室温下においても内部組織の流出は見られず、変形率が80%以上と変形が抑えられていた。
上記の結果より、チーズ1g当りの遊離β-ラクトグロブリン含有量を低減させ、かつ、損失正接が0.5以下である本発明品では、膜濃縮前後のどちらで殺菌してもランニング抑制効果を有し、変形率が高く、保形性も良好であった。また、チーズを製造するための調整乳として還元たん白質濃縮物を用いた場合でも、UF膜処理したたん白質濃縮物を用いた場合と同様にランニング抑制効果を有し、保形性も良好であることが確認された。
脱脂乳を分画分子量10,000DaのUF膜を用いて、5倍濃縮後、チーズの固形分中脂肪が65%となる様に、40%クリームを添加し調整乳を得た。その後、調整乳を78℃にて30分間殺菌した。その後は実施例1と同様の製造方法によりチーズを作製し、実施例品5を得た。
[比較例5]
脱脂乳を分画分子量10,000DaのUF膜を用いて、5倍濃縮後、チーズの固形分中脂肪が65%となる様に、40%クリームを添加し調整乳を得た。その後、原料乳を75℃にて15秒間殺菌した。その後は実施例1と同様の製造方法によりチーズを作製し、比較例品5を得た。
[試験例2]
実施例品5および比較例品5について、水分、固形分中脂肪、損失正接を測定し、チーズ1g当りの遊離β-ラクトグロブリン含有量(表中では遊離β-Lgと略記)を算出した。また、室温下でのチーズの内部組織流出状態からランニングを、変形率から保形性を評価した。ランニングおよび保形性の評価は試験例1と同様に行った。表2に結果を示す。
表2の結果より、実施例品5は、室温下でも内部組織の流出は見られず、変形率が80%以上と変形が抑えられていた。
上記の結果より、チーズの固形分中脂肪が高い場合でも、チーズ1g当りの遊離β-ラ
クトグロブリン量が0.005mg/g以下であり、かつ、損失正接が0.5以下であれば、ランニングの抑制効果を有し、保形性も良好であることが確認された。

Claims (3)

  1. 白カビチーズの製造方法において、
    原料乳を85℃にて10分間殺菌する工程と
    前記殺菌した原料乳を限外濾過膜処理して、たん白質を濃縮した調整乳を得る工程と、
    前記調整乳を凝固させる工程と、
    前記凝固工程の後、ホエイを排除する工程と、
    を有することを特徴とする、1g当りの遊離β-ラクトグロブリン含有量が0.005mg以下の白カビチーズの製造方法。
  2. 白カビチーズの製造方法において、
    たん白質が濃縮された原料乳を85℃にて10分間殺菌して、たん白質を濃縮した調整乳を得る工程と、
    前記調整乳を凝固させる工程と、
    前記凝固工程の後、ホエイを排除する工程と、
    を有することを特徴とする、1g当りの遊離β-ラクトグロブリン含有量が0.005mg以下の白カビチーズの製造方法。
  3. 前記たん白質が濃縮された原料乳が、原料を限外濾過膜処理した原料乳であることを特徴とする、請求項2に記載の1g当りの遊離β-ラクトグロブリン含有量が0.005mg以下の白カビチーズの製造方法。
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