JP6501767B2 - 展着性高たんぱく質クリームチーズ製品およびその製造方法 - Google Patents

展着性高たんぱく質クリームチーズ製品およびその製造方法 Download PDF

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Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2013年6月21日に出願された米国仮出願第61/837,990号からの米国特許法第119条(e)に基づく利益を主張するものであり、参照によりその全体を本明細書に援用する。
技術分野は、一般に、クリームチーズおよびクリームチーズ関連製品に関し、より具体的には、たんぱく質含量の高い展着性(塗るタイプの)クリームチーズ組成物、およびその製造方法に関する。
クリームチーズは、典型的には、クリームと乳の混合物から作られた柔らかく、弱酸で凝固した未熟成のチーズである。クリームチーズの製造の際には、新鮮な全乳および/又は脱脂乳と新鮮なクリームを混合して、特定の脂肪含量を有するクリームチーズ混合物を形成する。クリームチーズ混合物は約10%〜約16%の脂肪含量を有することができる。クリームチーズ混合物は、一般に、殺菌され、均質化され、多くの場合約62〜約92°F(約16.7〜約33.3℃)の温度まで冷却される。次いで、クリームチーズ混合物は乳酸菌で発酵される。レンネットを用いて、クリームチーズ混合物の凝固を補助することができる。凝固中に、遠心分離または他の技術によってカードをホエーから分離することができる。例えば、塩、安定剤、および香料等の任意成分を、分離されたカード片に添加することができる。最終的に、クリームチーズ製品を包装し冷却することができる。最終クリームチーズ製品は、少なくとも33重量%の乳脂肪と、最大で55重量%の含水量と、約4.4〜約4.9の範囲のpHを有することができる。この製法の多くの変形が長年にわたり導入されている(例えば、米国特許第5,656,320号、米国特許第5,079,024号、米国特許第5,180,604号、米国特許第6,419,975号、米国特許第6,406,736号、米国特許第6,558,761号、米国特許第6,416,797号、および米国特許第4,597,971号を参照されたい)。
クリームチーズおよび他の乳製品は、一般に、たんぱく質および他の栄養素の優れた供給源である。全米科学アカデミーの食品栄養委員会によって公表されたように、現在のたんぱく質の推奨栄養所要量(RDA)は、年齢に関わらず、大人に対しては、0.8 gたんぱく質/kg体重/日である。例えば、平均的な成人女性のRDAは46g/日であり、平均的な成人男性では56g/日である。従来のクリームチーズは、1食28g当たり約2gのたんぱく質を含んでおり、これは、典型的にはたんぱく質の約4〜約6%となり、また、約83〜125mg/100gのカルシウムを含んでおり、これはカルシウムのRDAの約2〜4%となる。
従来のクリームチーズ組成物中のたんぱく質水準を増加させる試みは、処理および/または食感上の欠点をもたらす傾向があるため、従来のクリームチーズに比べてたんぱく質量の多いクリームチーズは、食感、滑らかさ、および/または他の官能特性を望ましくないものに落とすおそれがある。
米国特許第5,656,320号 米国特許第5,079,024号 米国特許第5,180,604号 米国特許第6,419,975号 米国特許第6,406,736号 米国特許第6,558,761号 米国特許第6,416,797号 米国特許第4,597,971号
本明細書では、たんぱく質量の低いクリームチーズの官能特性を有する高たんぱく質クリームチーズ組成物を提供する。クリームチーズ組成物は、一般に、チーズカード、培養乳製品液、および1種以上の高たんぱく質粉末の選択された組み合わせから提供される約8〜約20%の全たんぱく質を含むことができる。たんぱく質粉末は、たんぱく質粉末に対して約70%以上のたんぱく質を有し、本明細書における高水準のたんぱく質の提供を補助することができる。また、クリームチーズ組成物は、約14%を超えない範囲の量の総脂肪を含む。低たんぱく質組成物の所望の食感、展着性および官能特性の獲得を補助するために、本明細書のクリームチーズ組成物は、いくつかの試みにおいて、粉末対水分比を約0.08〜約0.25とし、たんぱく質対脂肪比を約0.7〜約3.5とすることができるので、高たんぱく質クリームチーズ組成物は、たんぱく質量の低いクリームチーズの展着性を発揮する。
たんぱく質量の低いクリームチーズの官能特性を有する高たんぱく質クリームチーズ組成物の製造方法も記載する。本方法は、約6〜約10%のたんぱく質、約20〜約25%の脂肪、および約4.3〜約4.6のpHを有するチーズカードを提供し、その後、より高いpHを有する培養乳製品液をチーズカードに添加して、pHを上昇させ、乳製品混合物を形成することを含むことができる。次に、本方法は、乳製品粉末に対して約70%以上のたんぱく質を有する1種以上の高たんぱく質乳製品粉末を乳製品混合物に配合して、クリームチーズ混合物を形成することを含む。混合物を均質化し、約8〜約20%の全たんぱく質と、たんぱく質量の低いクリームチーズの展着性を有する高たんぱく質クリームチーズ組成物を形成することができる。いくつかの試みでは、独自の順序での原料の添加により、適切に水和されたたんぱく質と、タンパク質量の低いクリームチーズと同様の展着性、食感および官能特性を有する高たんぱく質クリームチーズ組成物の形成を補助する。
たんぱく質粉末を低脂肪カード添加することにより、高たんぱく質クリームチーズ製品を製造するフロー図である。 様々な実施形態に従うチーズカードを製造するフロー図である。 様々な実施形態に従う、培養脱脂保持液等の発酵乳製品液を製造するフロー図である。 様々な実施形態に従う、任意の工程を含む高たんぱく質クリームチーズ組成物を製造するフロー図である。 様々な実施形態に従う、任意の工程を含む高たんぱく質クリームチーズ組成物を製造するフロー図である。
添付の図面と併せて以下の説明を考慮することにより、本明細書に記載される種々の非限定的な実施形態をより良く理解することができる。
本開示は、一般に、たんぱく質および/またはカルシウムの量の低いクリームチーズ製品のもつ望ましい食感、滑らかさ、および官能特性を維持しつつも、従来のクリームチーズに比べてたんぱく質および/またはカルシウムを高い水準で含むクリームチーズ組成物、およびその製造方法に関する。いくつかの試みでは、本明細書の組成物および方法は、従来のクリームチーズ組成物および製品に見られるたんぱく質の少なくとも2倍のたんぱく質を含むクリームチーズ組成物を提供する。いくつかの試みでは、本明細書の組成物は、クリームチーズ1食約28g当たり少なくとも約4〜約5gのたんぱく質を含み、他の試みでは、約10〜約20%のたんぱく質を含み、さらに他の試みでは、約12〜約18%のたんぱく質を含み、いくつかの例では、約12〜約15%のたんぱく質を含むことができる。さらに他の試みでは、本明細書の組成物は、クリームチーズ1食約31または約32g当たり少なくとも約4〜約5gのたんぱく質を含むことができる。
いくつかの試みでは、本出願のクリームチーズ組成物は、従来のクリームチーズよりも高い含有量でカルシウムを含む。この理由は、カルシウムが、以下に説明するいくつかの試みで用いられる追加の乳製品液(または他の追加された乳成分)中に保持され、従来のクリームチーズカードでは一般的に失われていたカルシウムの量を補償することができるからである。いくつかの試みでは、カルシウムの量は、組成物約100g当たり約280〜約385mg、または組成物約100g当たりカルシウム約280〜約350mg、または組成物約100g当たり約300〜約338mg、または組成物約100g当たり約332〜約338mgとすることができる。様々な実施形態において、クリームチーズ組成物は、約4超〜約10%のカルシウム、または約6〜約10%のカルシウム、または約6〜約8%のカルシウム等の、最大でRDAの10%までを含むことができる。また、このような組成物は、従来のクリームチーズ組成物および製品に見られる少なくとも2倍、例えば2〜5倍多いカルシウムを含むことができる。様々な実施形態において、この組成物は、追加のカルシウム粉末または塩で強化することなく、カルシウムの水準をより高くすることができる。
一態様では、本明細書の組成物および方法は、従来通りに培養させたクリームチーズのカードに添加される高たんぱく質乳製品粉末および濃縮たんぱく質液(必要に応じて濃縮後に発酵することができる)の独自の選択された配合物を用いて、従来のクリームチーズの食感、滑らかさ、および官能特性を示す高たんぱく質チーズ組成物を達成する。いくつかの試みでは、たんぱく質粉末と濃縮たんぱく質液の配合物は、所望の機能性を達成する。なぜならば、たんぱく質液の添加により、たんぱく質粉末の適切な水和を達成するのに効果的な粉末対水分比を可能にするからである。他の試みでは、濃縮たんぱく質液の使用は、乾燥たんぱく質源(主としてカゼイン)の添加に際して組成物のpHをより高くするので、カゼインが沈殿せず溶液中に残留することができる。このため、本明細書の組成物を、濃縮乳製品液を、粉末の添加前にチーズカードに添加するという独自の順次配合法により製造することができる。
通常、クリームチーズは、冷蔵条件下で保存され、滑らかでバターのような粘稠性を有している。クリームチーズはレンガ状で、またはタブ型容器に入れた柔らかい形態で販売することができる。冷蔵温度でのクリームチーズの食感およびボティは、クリームチーズを薄切りにし、および/または塗り広げることができるようなものである。従来は、クリームチーズのたんぱく質の水準が高いと、食感、粘稠性、口当たり、および/または展着性に有害となる傾向があった。しかし、本明細書の組成物の高いたんぱく質水準でも、本開示のクリームチーズ組成物は、室温(約70〜約75°F;約21〜約24℃)および冷蔵温度(約35〜約45°F;約2〜約7℃)の双方で、従来のクリームチーズの滑らかさ、展着性、および/または口当たりを示す。クリームチーズ様スプレッドまたはクリームチーズ様製品とは、クリームチーズに対する識別基準の全てを満たしていないかもしれないが、クリームチーズの機能特性の多くを有している製品または組成物である。本明細書で用いる「クリームチーズ」または「クリームチーズ組成物」なる用語は、従来型のクリームチーズ製品(例えば、カードとホエーの分離を伴って製造されたクリームチーズ)、カードとホエーの分離を行わずに作られたクリームチーズ製品(いわゆるホエーレスプロセス・クリームチーズ)、代用クリームチーズ製品(例えば、植物油等の非乳脂肪を含むクリームチーズ製品)等を言うものとする。
より具体的には、本明細書の高たんぱく質クリームチーズ製品または組成物は、一般に、高水準のたんぱく質および/またはカルシウムを達成し、かつ、所望の製品特性を維持するよう選択された関係で、チーズカード、培養乳製品液、たんぱく質粉末、および水分を含むことができる。いくつかの試みでは、クリームチーズ組成物は、約89〜約94%の液体成分、約6〜約11%のたんぱく質粉末成分、および任意成分を含むことができるが、組成物は選択した用途に応じて変化しうる。組成物の特徴の各々は、以下でより詳細に説明する。
1つの試みでは、たんぱく質量のより少ないクリームチーズの官能特性を有する本明細書の高たんぱく質クリームチーズ組成物は、一般に、チーズカード、培養乳製品液、および1種以上の高たんぱく質粉末からなる選択された配合物から供給される約8〜約20%の総たんぱく質を含むことができる。ここでさらに説明されるように、いくつかの態様では、高たんぱく質粉末は、一般に、たんぱく質粉末に対して約70%以上のたんぱく質を有している。また、本明細書の組成物は、所定量の、しかし約14%以下である総脂肪を含むことができる。いくつかの態様では、高たんぱく質クリームチーズ組成物は、約0.08〜約0.25の選択された粉末対水分比と、約0.7〜約3.5のたんぱく質対脂肪比を有しており、高たんぱく質クリームチーズ組成物は、たんぱく質量がより低いクリームチーズの展着性を示す。他の態様において、本明細書の組成物は、チーズカード、培養乳製品液、1種以上の高たんぱく質粉末、およびそれらの混合物から提供された、約280〜約385mg/100gのカルシウムを含むことができる。
高水準の総たんぱく質に関して、本明細書の組成物は、カード、培養乳製品液、および1種以上の高たんぱく質粉末から提供される、約10〜約20%の総乳たんぱく質を含むことができる。他の試みでは、組成物は、約10〜約18%、約10〜約15%、約12〜約15%、約4〜約18%、または約16〜約20%の総たんぱく質を含むことができる。以下にさらに説明するように、多量のたんぱく質は。高水準のカゼインを含み、水和したまま、および/または溶液のままであり、滑らかでクリーミーな食感を形成する。様々な実施形態では、チーズカードおよび培養乳製品液は、総たんぱく質の少なくとも約50%を組成物に提供することができる。他の実施形態では、チーズカードおよびたんぱく質粉末は、総たんぱく質の少なくとも約50%を組成物に提供することができる。さらに他の実施形態では、培養乳製品液およびたんぱく質粉末は、総たんぱく質の少なくとも約50%を組成物に提供することができる。いくつかの試みでは、チーズカードは、総たんぱく質の少なくとも約50%を組成物に提供することができ、または、培養乳製品液は、総たんぱく質の少なくとも約50%を組成物に提供することができる。様々な実施形態では、たんぱく質粉末は、総たんぱく質の少なくとも約50%を組成物に提供することができる。
いくつかの試みでは、本明細書の組成物は脂肪を含む。例えば、組成物は、約12%以下、約10%以下、または約8%以下等の、最大で約14%の総脂肪を含む。また、他の試みでは、組成物は、約6〜約14%、約6〜約12%、約8〜約12%、約8〜約10、または約10〜約12%の総脂肪を含むこともできる。様々な実施形態では、チーズカードは、組成物の総脂肪の少なくとも約50%を提供することができる。他の実施形態では、培養乳製品液は、組成物の総脂肪の少なくとも50%を提供することができる。さらに他の試みでは、総脂肪は、チーズカード中の脂肪および培養乳製品液中の脂肪の組成物により提供される。
高たんぱく質クリームチーズはまた、高水準の水分を含むことができる。種々の実施形態において、組成物は、約72%以下等の、最大で約75%の水分を含むことができる。いくつかの試みでは、チーズは、約59〜約75%、約59〜約72%、約60〜約75%、約62〜約68%、約63〜約67%、約64〜約68%、約64〜約71%、約65〜約70%、約61〜約70%、または約68〜約71%の水分を含むことができる。水分は、チーズカード、培養乳製品液、および/または予め水和されたたんぱく質粉末の中の水と水溶性成分を含むことができ、またはこれらから構成することができる。様々な実施形態では、チーズカードは、全水分の少なくとも約50%を組成物に提供することができる。他の実施形態では、培養乳製品液は、全水分の少なくとも約50%を組成物に提供することができる。さらに他の実施形態では、たんぱく質粉末は、スラリーまたはケーキとして予め水和されてもよく、いくつかの試みでは、全水分の一部で少なくとも約50%を組成物に提供する。かかる試みでは、予め水和されたたんぱく質粉末は、約15〜約45%の水分を有するたんぱく質ケーキ、約46〜約76%の水分を有するたんぱく質ペースト、または約77〜約82%の水分を有するたんぱく質スラリーを含むことができる。他の試みでは、クリームチーズ組成物は、典型的なクリームチーズに対する現行の識別基準の下で必要とされるよりも多くの水分を含むことができ、クリームチーズスプレッド、クリームチーズ製品、またはクリームチーズ組成物と考えることができる。
また、本明細書の高たんぱく質クリームチーズ組成物は、高水準のカルシウム強化物を含むことができ、いくつかの試みでは、これを、カルシウム粉末、カルシウム塩、または他の種類の非乳製品カルシウム強化物を添加することなく、達成することができる。様々な試みでは、組成物は、組成物約100g当たり約280〜約345mg、約300〜約365mg、約325〜約365mg、約300〜約338mg、および約330〜約380mg等の、組成物約100g当たり約280〜約385mgのカルシウムを含むことができる。様々な実施形態では、高水準のカルシウムは、チーズカード、培養乳製品液、および/または添加した高たんぱく質粉末の組み合わせにより提供することができる。例えば、いくつかの試みでは、チーズカードおよびたんぱく質粉末は、総カルシウムの少なくとも約50%を組成物に提供することができる。他の試みでは、培養乳製品液およびたんぱく質粉末は、総カルシウムの少なくとも約50%を組成物に提供することができる。さらに他の実施形態では、チーズカードおよび培養乳製品液は、総カルシウムの少なくとも約50%を組成物に提供することができる。さらに別の実施形態では、チーズカードは、総カルシウムの少なくとも約50%を組成物に提供することができ、または、培養乳製品液は、総カルシウムの少なくとも約50%を組成物に提供することができる。いくつかの代替実施形態では、たんぱく質粉末は、総カルシウムの少なくとも約50%を組成物に提供することができる。
本明細書の高水準のたんぱく質を達成するために、クリームチーズ組成物は、たんぱく質の水準を上げたチーズカードまたはチーズカードベースから出発することができる。例えば、いくつかの試みでは、チーズカードは、最大で約10%のたんぱく質および約25%の脂肪を含み、pHを約4〜約5とすることができる。チーズカードは、一般的なクリームチーズカードよりも高水準のたんぱく質を独立して含むことができる。例えば、本明細書の組成物に有用なカードまたはチーズベースは、約6〜約10%のたんぱく質(他の試みでは、約6〜約8%、約7〜約10%、約7〜約9%、約8〜約10%、または約8〜約9%のたんぱく質)を含むことができる。また、カードは脂肪を含むことができ、独立して約20〜約25%の脂肪(他の試みでは、約22〜約24%、約20〜約22%、約21〜約25%、約22〜約24%、または約23〜25%の脂肪)を含むことができる。また、カードは、従来のクリームチーズと一致するpHを有しており、約4〜約5(他の試みでは、約4.2〜約4.8、約4.2〜約4.7、約4.3〜約4.6、約4.4〜約4.8、約4.4〜約4.6、または約4.5〜約4.9)から独立して選択されたpHを有する。チーズカードは、ホエーに対して高水準のカゼインを含むことができる。例えば、カードは、カゼイン対ホエーの比が約85:15,約88:12、約90:10、約92:8、約95:5、または98:2等の、約80:20より高い水準でカゼインを有することができる。1つの試みでは、チーズカードをヌーシャテル等のカードから提供することができる。さらに後述するように、ヌーシャテル等の高たんぱく質カードの使用だけでは、本明細書のクリームチーズ組成物に望まれる高たんぱく質水準を達成するのに十分ではない。
また、組成物中のたんぱく質の総水準を高めるために、組成物は、限外ろ過により濃縮した脱脂乳保持液とすることができる、濃縮乳製品液等の添加乳製品液を含むことができる。また、乳製品液を培養または発酵させ、製品にチーズ様の香調を付加することができる。様々な実施形態において、発酵脱脂乳保持液は、最大で約80%の水分と、最大で約20%のたんぱく質と、最大で約1.5%の脂肪を含み、pHを約4〜約5とすることができる。他の実施形態では、発酵脱脂乳保持液は、約75〜約80%、約75〜約79%、約75〜約77%、約76〜約80%、約76〜約78%、または約77〜約80%の水分を独立して含むことができる。追加された乳製品液は、濃縮されていてもよく、約14〜約20%のたんぱく質(他の試みでは、約14〜約18%、約14〜約16%、約15〜約20%、約15〜約17%、約16〜約20%、約16〜約18%、および約18〜約20%のたんぱく質)を含むことができる。追加された乳製品液は、低脂肪乳製品液であってもよく、約0.1〜約1.5%の脂肪(他の試みでは、約0.5〜約1%、約0.7〜約1.3%、および約1〜約1.5%の脂肪)を含むことができる。また、この乳製品液は、約4.7〜約5.2、約4.7〜約4.9、約4.8〜約5.2、および約4.9〜約5.1から独立して選択されたpHを有することができる。いかなる特定の理論に拘束されることを望まないが、培養脱脂乳保持液は、組成物中の多量のたんぱく質および水分に寄与し得ると考えられる。また、追加された乳製品液は、高水準のカゼインを含むことができる。例えば、および、様々な実施形態において、培養脱脂保持液等の追加された乳製品液は、カゼイン対ホエーの比が約80:20以上の高い水準でカゼインを含むことができる。代替的な試みでは、追加された乳製品液体は、培養されたクリームとすることができる。チーズカードと組み合わせても、追加された乳製品液は、多くの場合、たんぱく質の水準を望まれるものまで引き上げるのに十分ではない。
また、たんぱく質水準をさらに増加させるために、本明細書の組成物は、1種以上の高たんぱく質乳製品粉末等の1種以上の乳たんぱく質粉末を含むこともできる。例えば、たんぱく質粉末は、たんぱく質粉末に対して約70〜約99%、約70〜約80%、約72〜約98%、約75〜約95%、約80〜約90%、約85〜約95%、約88〜約98%、または約90〜約98%のたんぱく質等の、たんぱく質粉末に対して約70〜100%未満のたんぱく質を含むことができる。いくつかの試みでは、たんぱく質粉末は、乳たんぱく質濃縮物、乳たんぱく質単離物、ホエーたんぱく質濃縮物、ホエーたんぱく質単離物、およびそれらの混合物からなる群から選択することができる。いくつかの例では、ホエーたんぱく質源はあまり望ましくない場合がある。あるいは、ホエー源は、天然のホエーたんぱく質とすることができる。たんぱく質粉末は、チーズ製造工程に由来し、または、牛乳または他の液状乳製品源の精密ろ過に由来することができる。また、1種以上の高たんぱく質粉末は、特定の用途の必要に応じて、約85:15、約88:12、約90:10、約92:8、約95:5、または約98:2等の、約80:20以上の水準の高いカゼイン対ホエー比でカゼインを有することができる。
また、代替的な試みでは、組成物は、培養されたクリーム、高たんぱく質粉末および濃縮乳脂肪を含むこともできる。これは、上述の高いたんぱく質カードの代わりに、従来のカードで使用することができる。さらに、本明細書の方法および組成物は、成分の培養を行う。また、この方法および組成物は、培養の代わりに直接酸性化を含むことができ、いくつかの試みでは、すべての成分を一緒に混合するまで酸性化を行わないことで、複数の個別の培養工程ではなく、単一の培養工程とすることができる。
各たんぱく質源からのたんぱく質、水分、および脂肪の水準を釣り合わせることが、本明細書の高たんぱく質組成物に、本明細書のたんぱく質、水分、および/または脂肪の水準にない組成物と同様の望ましい特性を達成させる一つの特徴である。例えば、組成物は、選択した粉末対水分比および/または選択したたんぱく質対脂肪比を含むことができる。例えば、例示的な粉末対水分比は、約0.1〜約0.2、約0.12〜約0.18、約0.12〜約0.15、約0.13〜約0.20、約0.14〜約0.22、約0.16〜約0.20、約0.17〜約0.25、約0.08〜約0.15、または約0.18〜約0.24等の、約0.08〜約0.25から独立に選択することができる。理論によって限定されることは望まないが、いくつかの試みでは、選択した粉末対水分比は、たんぱく質(多くの場合、主にカゼインである)の適切に水和するのと、組成物のたんぱく質水準を高くしつつも滑らかな食感およびクリーミーさを達成するのとを補助すると考えられる。
従来のクリームチーズは、典型的には、脂肪の水準がより高く、かつ、たんぱく質がより少ないか、または、脂肪の水準が極めて低いもしくは全くなく、かつ、たんぱく質がより多いかのいずれかであった。本明細書の組成物は、展着性クリームチーズのクリーミーさを達成しつつも、高たんぱく質と適度な水準の脂肪を達成することができる。例えば、たんぱく質対脂肪比は、約0.7〜約3.3、約1.1〜3.0、約1.1〜約2.5、約1.2〜約1.8、約1.3〜約1.7、約1.4〜約1.9、約1.4〜約1.8、約1.5〜約1.9、または約1.6〜約1.8等の、約0.7〜約3.5から独立して選択することができる。他の実施形態では、クリームチーズ組成物は、水分対たんぱく質粉末の比を85%〜13.5%とすることができる。
また、組成物は、約85:15、約88:12、約90:10、約92:8、約95:5、またはいくつかの試みでは約98:2等の、約80:20以上の水準のカゼイン対ホエーの比でカゼインを有することができる。いくつかの代替実施形態では、ホエー対カゼインの比は、約78:22、約75:25、約70:30等の、約80:20未満とすることができる。
上述して示唆しているように、本明細書の高たんぱく質クリームチーズ組成物は、より高い水準の乳製品たんぱく質を複数の供給源および複数種の供給源(粉末対水分の関係およびたんぱく質対脂肪の関係で釣り合わせた量のカード、乳製品液および乳製品粉末)から得ている。すなわち、高水準のたんぱく質は、たんぱく質の水準の高いチーズカード、濃縮された液状乳製品たんぱく質源(酸性化または培養してもよい)、および1種以上の追加した高たんぱく質粉末により提供されている。
より高いたんぱく質クリームチーズを調製するために、本開示の組成物は、連続式たんぱく質配合工程を用いることができる。例えば一つの試みでは、この方法は、最初にたんぱく質を高めた、またはカゼイン水準を高めたチーズカードから開始する。一つの試みでは、クリームチーズ組成物またはスプレッドは、1食3g当たり約1g〜約2gのたんぱく質、または約6〜約10%のたんぱく質を有する出発チーズベースまたはカードから作ることができる。また、カードに適した開始チーズは、カゼイン対ホエー比をより高くし、高水準のカゼインがホエー分離後のカードに保持されるようにすることができる。いくつかの試みでは、出発チーズのカゼイン対ホエー比は、約85:15であるか、またはカゼインの水準がこれよりも高い。上記のように、クリームチーズの出発チーズベースに適したチーズカードは、ヌーシャテルカード、全脂肪カード、低脂肪カード、およびこれらの配合物を含むことができる。しかし、上記のように、これらのカゼインがより多いチーズカードの使用は、本開示のクリームチーズ組成物に所望のたんぱく質の水準を得るには十分ではない。
クリームチーズカードに高たんぱく質粉末を単独で添加することにより、クリームチーズ組成物中のたんぱく質の水準をさらに増加させることを試みた。図1を参照し、例示的な高たんぱく質クリームチーズ組成物(クリームチーズ組成物1〜3)を、例えば、乳たんぱく質濃縮物(MPC70)、ホエーたんぱく質濃縮物(WPC80)、またはNUTRILAC等の高たんぱく質粉末を、ヌーシャテルチーズのクリームチーズ発酵工程から得られたクリームチーズカードに添加することにより試作し、従来のクリームチーズの約2倍の量のたんぱく質、または1食28g食当たり約4〜約5gのたんぱく質を含むクリームチーズを作成した。NUTRILACは、カルシウムを低減しており、一般的に約75%のたんぱく質を含み、たんぱく質の大部分がカゼインである。例示的な高たんぱく質クリームチーズ組成物は、以下の表に示すように、乳酸、ソルビン酸、糖、乳化剤および/または塩、キャロブ、およびカラギーナン等の安定剤、香料、着色料、ビタミンA等のビタミン、ならびに水等の任意の成分を含むことができる。クリームチーズ組成物1〜3は、以下の表1に示す成分または原料を含んでいた。
混合は、加熱要素(例えば蒸気ジャケット付ケトル)を含むことができる、ブレッド(ミズーリ州カンサスシティ)から入手可能なミキサ等の、乳製品を混合するための任意の適切な調合装置内で実行することができる。この方法は、混合物を、例えば、ケトル内で、約150〜約175°F(約65.5〜約79.4℃)の温度に加熱することを含むことができる。次いで、この方法は、加熱した混合物を均質機内で、約500〜約6000psi(約3450〜約41400Pa)の圧力で均質化し、クリームチーズ製品を形成することを含むことができる。均質化は、圧力を高くして行うことができるが、乳製品の基材を均質化するのに有効な任意の方法を用いることができる。最終的なクリームチーズ製品は、当業で公知の任意の方法により包装することができる。
しかし、クリームチーズ組成物1〜3(表1)の最終生成物は、従来のクリームチーズの食感、滑らか、および官能特性を欠いていた。食感は、ざらつき、粒っぽく、砂のようで、かつ、食欲を損なうものであった。最終生成物は完全に水和されていなかったものと考えられる。いかなる特定の理論に拘束されることも望まないが、水を奪う乾燥粉末が多すぎ、および/または乾燥粉末中のカゼインたんぱく質が、脂肪カードの低pHでは溶液に溶解せず、または溶液から沈殿するため、、溶解度を超えた高たんぱく質粉末により提供される高水準のたんぱく質は、適切に水和されていないものと考えられる。
従来のクリームチーズ製法で形成されたカードは、典型的には、(ガム、香料、ミネラル、塩等の助剤の追加の前の)pHが約4.3〜約4.6である。ヌーシャテルチーズから形成されたクリームチーズカードは、同様のpHを有する。高たんぱく質粉末は、典型的には、高い水準のカゼインを有し、かつ、カゼインは、pH4.6以下で溶液から沈殿する傾向がある。したがって、高い水準のたんぱく質粉末を従来のクリームチーズカードに添加することは、粉末が水分を奪い、適切に水和しないという水和の問題を有するのみならず、たんぱく質粉末中のカゼインの水準が高いために、従来のクリームチーズカードのpH水準で添加された場合に、少なくとも部分的に溶液から沈殿し得る。いずれの欠点も、得られる製品を砂のようで、粒っぽい食感とする傾向がある。
現在の識別基準では、クリームチーズは55%以下の水分を含むことが必要である。したがって、カードにより多くの水を添加して、たんぱく質粉末の溶解性および水和を増大させることは、現在の基準で認められているもの以上の水分をもたらすこととなる。さらに、クリームチーズ中で増加した水分水準は、多くの場合、柔らかすぎ、通常の、より高脂肪なクリームチーズの望ましい硬さを持っていないクリームチーズ製品につながる。したがって、伝統的に、強固な食感を付与するために、ガム類を低脂肪クリームチーズに添加してきた。また、残念ながら、余分なゴム類等の添加は、通常のクリームチーズの滑らかでクリーミーな食感に比べて望ましくなく、通常のクリームチーズのように広がらない、よりゲル状の食感をもたらす。
クリームチーズカードの調製に適した例示的なクリームチーズ製造方法は、上述の高たんぱく質開始チーズベースの使用を除いて従来と同じであり、例えば、米国特許第7,687,095号、米国特許第7,655,267号、米国特許第7,611,743号、米国特許第6,406,736号、および米国特許公開第2009/0297660号に記載されており、参照によりこれらの全体を本明細書に援用する。クリームチーズの従来の製造方法では、、未培養の全乳および/または脱脂乳、および新鮮なクリームを予め選択された比で配合して、クリームチーズ混合物を形成する。クリームチーズ混合物は、殺菌および均質化の後、通常は約16.7〜約43℃の間の温度まで冷却され、次いで、乳酸菌カルチャーを接種される。従来は、クリームと乳の混合物を乳酸形成細菌とともに培養し、混合物中のラクトースを乳酸に変換する。pHがカードを形成するのに十分に低下するまで培養を継続する。また、レンネットを添加してもよい。少量のレンネットと長い凝乳時間を用いて、ヌーシャテルカードを調製することができる。様々な実施形態では、全脂肪カードを調製することができる。チーズカードは、一般に、乳およびクリームの脂肪対たんぱく質比が異なり、これは開始チーズベースの脂肪に関連し得る。カードをホエーから分離し、クリームチーズカードを形成するよう処理することができる。
さらに、従来のクリームチーズ製法に任意選択の乳成分を組み込んだハイブリッドプロセスを用いることもできる。「任意選択の乳製品成分」なる用語は、連邦規則集第12編第133条124(d)において、「クリーム、乳、脱脂乳、バターミルク、チーズホエー、一部の水が除去された上記のいずれか、無水乳脂肪、脱水クリーム、製造用脱脂乳チーズ、およびチーズホエーからのアルブミン」と定義されている。これらの製法において、塩および安定剤を含む追加成分が、典型的に添加される。
食感およびたんぱく質水和の観点からは、単にカードおよびたんぱく質粉末のたんぱく質水準を高めただけではあまり望ましい結果が得られなかったので、その後に、カード乳製品液、および粉末の選択した配合物を用いて、所望のたんぱく質水準および最終製品の一貫性を達成していた。一般に図2〜5に示す一つの例示的な試みでは、高たんぱく質クリームチーズ製品、または本開示の組成物を調製するための方法は、図2に示すように、最初にチーズベースまたはカードを形成し、(a)乳製品ベースを加熱し、(b)乳製品ベースを均質化し、均質化混合物を形成し、(c)約62〜約92°F(約16.7〜約33.3℃)までの設定温度に均質化し、混合物を加熱し、(d)均質化混合物に、クリームチーズカルチャーを添加し(e)工程(d)の混合物を約8〜約20時間培養し。(f)必要に応じて、食用酸(例えば、クエン酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、塩酸、硫酸、リン酸、およびそれらの組み合わせ)を添加する等により、pHを4.6以下に調整し、その後、(g)任意選択で、ホエーからカードを分離する、ことを含む。次に、例えば、(e1)1種以上の追加たんぱく質成分(乳製品液および1種以上の高たんぱく質粉末)を添加し、(e2)任意選択で、安定剤および他の原料を分離したカードに添加し、クリームチーズ混合物を形成し、(f)クリームチーズ混合物を均質化して、最終的なクリームチーズ製品を形成することにより、一般に図4および4に示すように、たんぱく質強化成分および任意選択の他の原料を添加する。その後、最終的なクリームチーズ製品は、例えば、低温または高温充填技術を含む従来の技術を使用して包装することができる。最終的なクリームチーズ製品は、クリームチーズ「ブリック」の形態、またはより典型的にはプラスチック容器入で販売される軟らかい形態とすることができる。
いくつかの態様では、乳製品ベースは、生乳とクリームの組み合わせを含む。また、所望であれば、他の乳製品液を乳製品ベースに含むことができる。乳製品ベースは、発酵クリーム、濃縮乳脂肪(CMF)、およびホエーレスクリームチーズを含むことができる。チーズカードの製造方法を図2に示す。また、例えば、乳たんぱく質濃縮物およびホエーたんぱく質濃縮物等を含む乳製品ベースにたんぱく質源を含むこともできる。
クリームチーズ製品に含めるのに適した安定剤には、例えば、ガム、塩、乳化剤、およびこれらの混合物が含まれる。適当なガムには、例えば、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、カラギーナン、キャロブ等、およびそれらの混合物が含まれる。好適な塩には、例えば、塩化ナトリウム、他の食用塩等、およびそれらの混合物が含まれる。好適な乳化剤には、例えば、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸アルミニウム、トリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、リン酸二カリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム等、およびそれらの混合物が含まれる。クリームチーズの含水量は、配合物に添加される水の量によって制御される。必要に応じて、蒸発またはさらなる水の添加によってさらに調整することができる。様々な実施形態では、クリームチーズ製品は、トリポリリン酸ナトリウム、および他の乳化剤塩等の、乳化剤または乳化塩フリーとすることができる。本明細書では、「を含まない又はフリー」とは、一般に、約0.5%未満、約0.1%未満、約0.05%未満、または全く存在しないことを意味する。
上述したように、追加の乳たんぱく質成分は、濃縮たんぱく質スラリーまたは乳製品液(任意選択で濃縮後に培養したもの)、高たんぱく質粉末、およびそれらの組み合わせを含むことができる。1つの試みでは、追加の乳たんぱく質は、培養した脱脂乳保持物から得られた濃縮たんぱく質スラリーまたは液体と、1種以上の高たんぱく質粉末の混合物である。様々な実施形態において、高水準のたんぱく質を達成するための本明細書の組成物中のたんぱく質の比は、たんぱく質液対たんぱく質粉末の重量百分率比で、約55/45〜約75/25、およびいくつかの試みでは約69/31〜約72/28とすることができる。様々な実施形態では、培養脱脂保持液対たんぱく質粉末の比は、約39〜約49%のヌーシャテルカード、約18〜約26%の培養脱脂保持液、および約6〜約11%のたんぱく質粉末とすることができる。
他の実施形態では、添加された乳たんぱく質成分は、乳たんぱく質濃縮物、乳たんぱく質単離物、ホエーたんぱく質濃縮物、ホエーたんぱく質単離物、またはそれらの混合物から得られる乳製品粉末を選択量で含むことができる。乳たんぱく質濃縮物およびミルクたんぱく質単離物の例には、NUTRILACRM−4620、NUTRILACRM−7020、NUTRILACCH−7813、NUTRILACQU−7560、NUTRILACYO−7700、NUTRILACLD−350、NUTRILAC561、PSMDT42、T43PSMD、およびSA−55−5(アリア、デンマーク)、MPC42、MPC70、MPC75、MPC80、およびMPC85(デアリーマネジメント社)、MPC80(WMBニュートリション社、ランチョクカモンガ、カリフォルニア州)、MPC5170、MPC5180、MPC80 Proteint乳たんぱく質単離物5003(プロテイント社、セントポール、ミネソタ州)、およびULTRANOR乳たんぱく質(ケリー・デアリー・イングリディエント、アイルランド)が含まれるが、これらに限定されない。ホエーたんぱく質濃縮物およびホエーたんぱく質単離物の例には、ホエーたんぱく質濃縮物7034H耐熱(プロティエント社、セントポール、ミネソタ州)、NUTRILAC7020(アリア、デンマーク)、THERMAX34およびTHERMAX70ホエーたんぱく質濃縮物、THERMAX690ホエーたんぱく質単離物、PROLACTA80およびPROLACTA90天然ホエーたんぱく質(ラクタリス社、レ・プラシス、フランス)、およびSolmiko MPC80およびSolmiko MPI(グランビア・ニュートリション社、モンロー、ウィスコンシン州)が含まれるが、これらに限定されない。乳たんぱく質濃縮物はいくつかの試みでは好ましく、他の試みでは、粉末は、カゼイン対ホエー比が少なくとも80:20であり、または例えば80対約20超等の高水準のカゼインを有する。ホエーたんぱく質およびホエーたんぱく質濃縮物等の非カゼインたんぱく質を相当量含むクリームチーズ製品は、カゼインで作られたクリームチーズと同様の食感を達成できないことがある。粉末は、約70%以上のように高い水準のたんぱく質と、約10%未満(場合によっては約5%未満の水分、または約2〜約7%の水分、または約3〜約5%)のような低水準の水分を有することができる。
また、様々な実施形態において、添加された乳たんぱく質成分は、培養された脱脂濃縮液等の濃縮液状乳成分を含むことができる。例えば、たんぱく質液体は、その後培養される、脱脂乳の限外ろ過から得られる脱脂乳保持液を含むことができる。培養脱脂乳保持液の製造方法を図3に示す。必要に応じて、乳脂肪を生乳から分離し、脱脂乳を作ることができる。脱脂乳を膜分離により分離(分画)して、脱脂保持液を提供することができる。膜分離は、精密ろ過、限外ろ過、ナノろ過、および逆浸透を含むことができる。膜分離は、粒径または分子量に応じて乳成分を分離(分画)することができる。透過液は、例えば、ラクトース、ミネラル、水等の、膜を通過する成分を含むことができる。様々な実施形態において、脱脂乳を限外ろ過により分離して、脱脂乳からカゼインおよびホエーの大部分を含むUF保持液を生成することができる。脱脂UF保持液は、例えば、例えば、約80%のカゼインおよび約20%のホエーたんぱく質等の、膜を通過しない成分を含むことができる。種々の実施形態において、約100%の脱脂乳、または限外ろ過したクリームチーズホエー(約10〜13%の固形分)を最大で約90:10の比で配合した脱脂乳を、限外ろ過により濃縮することができる。UF法は、脱脂乳、または脱脂乳UF酸ホエー配合物を、約5〜約5.5倍(たんぱく質基準で)まで濃縮することができるので、保持液は、約14〜約16%のたんぱく質を有する。保持液中には、カゼインたんぱく質が、噴霧乾燥または他の粉末形成法に起因してあまり機能的で可溶性でない粉末でカゼインとは対照的に、機能的で可溶性な形態で残留している。
市販の膜は、例えば、「H.G. Kessler:Membrane Separation−Processes 」、Verlag A. Kessler、Food and Bio Process Engineering(第5版)、 56−99頁、2002年; 「V.V. Mistry, J.L. Maubois: Application of membrane separation technology to cheese production」、Foxら編、Cheese, Chemistry, Physics and Microbiology第1巻(第3版)、Elsevier Academic Press、261−285頁、2004年; 「M. Cheryan: Handbuch Ultrafiltration」、B. Behr’s Verlag、1990年;「R. Rautenbach, R. Albrecht: Membrane Processes」、John Wiley & Sons、1989年に記載されている。様々な実施形態において、脱脂保持液は、約80%のカゼインおよび約20%のホエーたんぱく質を含むことができる。
いくつかの試みでは、UF脱脂保持液を発酵させ、培養脱脂保持液を生成することができる。この添加された乳製品液の例示的な発酵工程では、未培養の脱脂保持液に接種するために細菌カルチャーを添加することができる。発酵は、従来の方法で、例えば、室温で少なくとも約10時間、最大で1〜2日の間、およびいくつかの試みでは、約15〜約20時間の期間にわたって行うことができる。一態様において、適切なカルチャーは、従来のクリームチーズ製造に使用される乳酸産生菌等の、乳酸菌スターターカルチャーを含むことができる。適当な乳酸産生菌は、ラクトコッカス・ラクティス、ラクトコッカス・クレモリス、ラクトトコッカス・ラクチス亜種、ジアセチルラクチス、ロイコノストック・クレモリス等の、ラクトコッカス属またはロイコノストック属を含む。さらに、エキソポリサッカライドを産生するカルチャーを用いることも可能である。しかし、好ましくは中温性および好熱性の乳酸産生菌、より好ましくは中温菌からなる群から選択される乳酸菌スターターカルチャーを用いる。乳酸産生細菌を1種のみで、または2種以上を組み合わせて用いることができる。発酵中、脱脂保持液のpHを低下させてもよく、発酵後の培養脱脂保持液のpHを、好ましくは約4.4〜約5.2の範囲に調整することが望ましい場合がある。これは、酸と好ましくは未発酵乳の配合物を含む、pH調節剤の添加によって達成することができる。様々な実施形態において、培養脱脂保持液は、約75〜約79%の水分、約0.5〜約1.5%の脂肪、および約14〜約16%のたんぱく質を含むことができる。培養脱脂乳保持液は、約4.75〜約5.2の範囲のpHを有することができる。
図4を参照し、たんぱく質量がより低いクリームチーズの官能特性を有する高たんぱく質クリームチーズの製造方法は、一般に、約6〜約10%のたんぱく質、約20〜約25%の脂肪、約4.3〜約4.6のpHを有するチーズカードを提供し、よりpHの高い培養乳製品液をチーズカードに添加してpHを上昇させ乳製品混合物を形成し、1種以上の高たんぱく質乳製品粉末(乳製品粉末に対して約70%以上のたんぱく質を有する)を乳製品混合物に配合してクリームチーズ混合物を形成し、クリームチーズ混合物を均質化して、約8〜約20%のたんぱく質と、たんぱく質量がより低いクリームチーズの展着性とを有する高たんぱく質クリームチーズ組成物を形成することを含む。様々な実施形態において、高たんぱく質クリームチーズ組成物の製造方法は、本明細書に記載の任意選択原料(図示せず)を、チーズカード、培養乳製品液、および/または1種以上の高たんぱく質乳製品粉末に、配合工程の前、間、または後に提供することを含むことができる。
図4および5を再び参照し、様々な実施形態によれば、高たんぱく質クリームチーズ製品の製造方法は、一般に、培養脱脂保持液、たんぱく質粉末、および乳製品ベースまたはカードを混合してクリームチーズ混合物を形成し、クリームチーズ混合物を均質化および/または殺菌して最終的な高たんぱく質クリームチーズ製品を形成する。いくつかの試みでは、培養脱脂保持液を、たんぱく質粉末および任意の成分を添加する前に、乳製品ベースまたはカードに添加する。追加したたんぱく質のこの順次添加は、培養脱脂保持液のpHが高ければ、カードと保持液の混合物全体のpHをpH4.6超に上げるので、いくつかの試みでは有利となり得る。このように、上述したようにカゼインの多い追加たんぱく質粉末は、溶液からカゼインが沈殿しない傾向がある。殺菌の前または後に均質化を行ってもよい。様々な実施形態において、安定剤、香料、着色剤、pH調整剤、塩、フルーツ、ナッツ等の任意選択の成分をクリームチーズ混合物に添加することができる。最終的なクリームチーズ製品を、タブまたはプラスチック容器または任意の他の適切なパッケージング手段に充填することができる。典型的には、均質化されたクリームチーズは、容器に高温充填され、密封され、冷却される。
図5を参照し、例示的な高たんぱく質クリームチーズ組成物(クリームチーズ組成物4)は、上記の表1に記載の成分または原料を含んでいた。いかなる特定の理論に拘束されることを望まないが、培養された保持液は、クリームチーズ組成物4に水分およびたんぱく質を供給したと考えられ、これはクリームチーズ組成物1〜3では見られなかった。いかなる特定の理論に拘束されることを望まないが、培養された脱脂保持液区画は、クリームチーズ混合物の水分含量を増加させ、および/または、クリームチーズ混合物のpHを増加させることができる。クリームチーズ組成物4中の付加的な水分およびたんぱく質は、ほぼ同じたんぱく質水準を達成するのに必要な水とたんぱく質粉末の量を減少させる。いかなる特定の理論に拘束されることを望まないが、特定量の乳製品ベース、培養された脱脂保持液およびたんぱく質粉末が一緒になって相乗的に働き、3つ全ての成分が特定の制御された量で存在する場合には、最終的なクリームチーズ製品中のたんぱく質の水準をこのように高くすることができると考えられる。これらの結果は、各要素について個別に期待される結果の和よりも大きな値で得られる。また、この相乗効果は、食感、滑らかさ、および官能的特性等の他の所望の特性を維持したままで得られる。
様々な実施形態において、クリームチーズ組成物は、上記表1の試料4および下記表2の成分または原料を含むことができる。様々な実施形態において、クリームチーズ組成物は、約4.7〜約5および約4.8〜約5.0等の約4.5〜約5.2のpHを有することができる。また、組成物は、風味付けすることもでき、さらには、約5〜約7%の糖または他の甘味料を含むことができる。
様々な実施形態において、クリームチーズ組成物は、6〜14%の脂肪、59〜72%の水分、10〜20%のたんぱく質、6〜15%のたんぱく質粉末、18〜26%の培養脱脂保持液、0.7〜1.5の塩、および280〜385mg/100gのカルシウムを含み、pHが4.5〜5.2であり、さらに任意選択で、風味付の高たんぱく質クリームチーズ組成物が望まれる場合には、最大で10%までの糖等の香味料を含むことができる。
様々な実施形態において、クリームチーズ組成物は、8〜12%の脂肪、61〜70%の水分、12〜15%のたんぱく質、8〜9%のたんぱく質粉末、20〜24%培養脱脂保持液、0.8〜1.0%の塩、および332〜3338mg/100gのカルシウムを含み、pHが4.7〜5であり、風味付の高たんぱく質クリームチーズ組成物が望まれる場合には、5〜7%の糖等の香味料を含むことができる。
様々な実施形態において、クリームチーズ組成物は、8〜12%の脂肪、61〜71%の水分、13〜16%のたんぱく質、8〜15%のたんぱく質粉末、19〜25%培養脱脂保持液、0.8〜1.0%の塩、および280〜320mg/100gのカルシウムを含み、pHを4.8〜5とすることができる。様々な実施形態において、クリームチーズ組成物は、9〜11%の脂肪、67〜69%の水分、13〜15%のたんぱく質、8〜9%のたんぱく質粉末、22〜24%培養脱脂保持液、0.8〜1.0%の塩、および280〜320mg/100gのカルシウムを含み、pHを4.8〜5とすることができる。様々な実施形態において、クリームチーズ組成物は、9〜11%の脂肪、62〜64%の水分、13〜15%のたんぱく質、0.8〜1.0%の塩、および280〜320mg/100gのカルシウムを含み、pHを4.8〜5とすることができる。
様々な実施形態において、クリームチーズ組成物は、8〜12%の脂肪、59〜71%の水分、13〜16%のたんぱく質、8〜15%のたんぱく質粉末、19〜25%培養脱脂保持液、0.7〜1.0%の塩、および280〜385mg/100gのカルシウムを含み、任意選択で、5〜7%の糖または香料を含み、pHを4.8〜5.0とすることができる。様々な実施形態において、クリームチーズ組成物は、9〜11%の脂肪、62〜64%の水分、13〜15%のたんぱく質、13〜15%のたんぱく質粉末、20〜22%培養脱脂保持液、0.7〜1.0%の塩、および290〜330mg/100gのカルシウムを含み、任意選択で、5〜7%の糖または香料を含み、pHを4.8〜5.0とすることができる。
様々な実施形態において、クリームチーズ組成物は、8〜12%の脂肪、67〜71%の水分、13〜16%のたんぱく質、8〜15%のたんぱく質粉末、19〜25%培養脱脂保持液、0.8〜1.0%の塩、および280〜320mg/100gのカルシウムを含み、任意選択で、5〜7%の糖または香料を含み、pHを4.8〜5.0とすることができる。様々な実施形態において、クリームチーズ組成物は、9〜11%の脂肪、67〜69%の水分、13〜15%のたんぱく質、8〜9%のたんぱく質粉末、22〜24%培養脱脂保持液、0.8〜1.0%の塩、および280〜320mg/100gのカルシウムを含み、任意選択で、5〜7%の糖または香料を含み、pHを4.8〜5.0とすることができる。
本開示による高たんぱく質クリームチーズ製品を製造する方法は、クリームチーズ、および1種以上の付加的食品成分を含む食品を製造する方法にまで拡張することができる。この製法は、上記で定義された方法に従ってクリームを製造する工程と、製造したクリームチーズを1種以上の付加的食品成分をと混ぜ合わせる工程とを含む。1種以上の付加的食品成分には、例えば、菓子製品およびパン製品が含まれる。クリームチーズと1種以上の付加的食品成分を混ぜ合わせる工程としては、充填工程、塗布工程および積層工程のいずれか一つを例示できる。例えば、クリームチーズを注入により他の食品成分に充填することができ、例えば、菓子製品またはパン製品に注入することができ、また、クリームチーズを他の食品成分に塗布し、塗布後、任意選択でさらに他の食品成分で覆うこともでき、また、クリームチーズを1種以上の付加的食品成分と一緒に共押出しし、積層した食品を形成することもできる。
本明細書に記載の高たんぱく質クリームチーズの利点および実施形態を以下の実施例によりさらに説明するが、これらの実施例に記載の特定の条件、処理手順、材料、および量、並びに他の条件および詳細は、過度にこの方法を限定するものと解釈されるべきではない。特に断らない限り、全ての百分率は重量%である。
(実施例1)
図5を参照し、約25%の培養脱脂保持液、約8.14%のたんぱく質粉末(MPC−70)、約50%のヌーシャテルカード、約0.05%のソルビン酸、約15.51%の水、約0.75%の塩、約0.30%の乳酸、および約0.25%のキャロブガムを75°F(79.4℃)まで加熱しつつ5分間混合することで、種々の実施形態に従う高たんぱく質クリームチーズ組成物を調製した。まず培養脱脂保持液をカードに添加し、次いで他の成分を配合した。混合物を処理し、クリームチーズを製造した。クリームチーズは、10.60%の脂肪、58.80%の全固形分、0.88%の塩、および14%のたんぱく質を含んでいた。クリームチーズ製品のT彼テクスチャは、官能評価に基づいて類似していた。
(実施例2〜14)
種々の実施形態に従う高たんぱく質クリームチーズを、実施例1の方法に従って調製した。高たんぱく質クリームチーズ組成物は、脱脂保持液からの427mg/100gのカルシウムとヌーシャテルカードからの82.2mg/100gを含んでいた。結果を表3および4に示す。
(実施例15〜18)
様々な実施形態に従う風味付高たんぱく質クリームチーズを、培養脱脂保持液およびヌーシャテルカードの量を減らし、水およびたんぱく質粉末の量を増やし、砂糖を添加することを含む、実施例1のものを一部変更した製造方法に従って調製した。高たんぱく質クリームチーズ組成物は、脱脂保持液からの427mg/100gのカルシウムとヌーシャテルカードからの82.2mg/100gを含んでいた。結果を表5および6に示す。
一般的に、本明細書で使用され「1」、「1つ」、「1種」および「その」は、特に断りのない限り、「少なくとも1つ」または「1つ以上」を意味する。一般的に、本明細書で使用される用語「含む」および「有する」は「包含する」を意味する。一般的に、本明細書で使用する用語「約」は、測定の性質または精度を考慮して、測定された量の許容可能な誤差の程度を意味する。典型的例示的な誤差の程度は、所定の値の、または所定の値の範囲の20%以内、10%以内、または5%以内とすることができる。
本明細書で述べたすべての数量は、特に断らない限り、いかなる場合も用語「約」により修正されるものとして理解されるべきである。本明細書に開示された数量は近似であり、各数値は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。少なくとも、かつ、特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限することを意図せず、各数値は、少なくとも、記載された有効数字の数に照らし、かつ、通常の丸め技術を適用することによって解釈されるべきである。ここで述べた数量の近似化にもかかわらず、具体的な実施例において記載されている実測値の数量は、可能な限り正確に報告している。
本明細書で述べた全ての数値範囲は、その中に包含されるすべての下位範囲を含む。例えば、「1〜10」の範囲および「1と10の間」の範囲は、最小値1と最大値10の間でこれらを含む全ての下位範囲を含むことを意図している。本明細書に記載した任意の最大値の限定は、全てのより小さい数値への限定を含むことを意図する。本明細書に記載の任意の最小値の限定は、全てのより大きい数値への限定を含むことを意図する。
特に断らない限り、すべての百分率および比率は、重量基準で計算される。特に断らない限り、すべての百分率および比率は、化合物または組成物の総重量に基づいて計算される。
以上の説明において、本明細書に記載の組成物および方法の種々の非限定的な実施形態を完全な理解するために、特定の詳細を述べている。当業者は、本明細書に記載の非限定的な実施形態はこれらの詳細なしに実施できることを理解するであろう。他の例では、組成物および方法に関連する周知の構造および方法は、本明細書に記載の非限定的な実施形態の不必要に曖昧な記述を避けるために、詳細に図示または説明されない場合がある。
本開示は、組成物および方法の種々の非限定的な実施形態の種々の特徴、態様および利点を記載している。しかし、本開示は、本明細書に記載される種々の非限定的な実施形態の様々な特徴、態様、および利点のいずれかを、当業者が有用であると考えるであろう結合または副結合において組み合わせることによって達成することができる、多数の代替実施形態を包含することが理解されよう。
本発明の非限定的な特定の実施形態を例示し説明してきたが、他の様々な変更および修正を、本発明の精神および範囲を逸脱することなくなし得ることは、当業者には明白であろう。したがって、添付の特許請求の範囲において、本発明の範囲内にある、全てのかかる変更および修正を網羅することを意図している。

Claims (25)

  1. たんぱく質量の低いクリームチーズの官能特性を有する高たんぱく質クリームチーズ組成物であって、
    チーズカード、培養乳製品液、および1種以上の高たんぱく質粉末から提供され、前記高たんぱく質粉末が、そのたんぱく質粉末に対して70%以上のたんぱく質を有する、8〜20%の全たんぱく質と、
    12%以下の量の総脂肪と、
    0.08〜0.25の粉末対水分比、および、0.7〜3.5のたんぱく質対脂肪比
    を含み、前記高たんぱく質クリームチーズ組成物は、たんぱく質量の低いクリームチーズの展着性を発揮し、
    そして、前記チーズカードは、6〜10%のたんぱく質、および、20〜25%の脂肪を含む、ことを特徴とする高たんぱく質クリームチーズ組成物。
  2. 6〜12%の総脂肪と、59〜72%の水分をさらに含む、請求項1に記載の高たんぱく質クリームチーズ組成物。
  3. 前記チーズカードは、4.3〜4.6のpHを有する、請求項1または2に記載の高たんぱく質クリームチーズ組成物。
  4. 前記チーズカードは、85:15以上の水準のカゼイン対ホエーの比でカゼインを有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の高たんぱく質クリームチーズ組成物。
  5. 前記チーズカードはヌーシャテルカードである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の高たんぱく質クリームチーズ組成物。
  6. 前記培養乳製品液は、限外ろ過により生成された発酵脱脂乳保持液を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の高たんぱく質クリームチーズ組成物。
  7. 前記発酵脱脂乳保持液は、75〜80%の水分、14〜20%のたんぱく質、および1.5%以下の脂肪を有する、請求項6に記載の高たんぱく質クリームチーズ組成物。
  8. 前記発酵脱脂乳保持液は、pHが4.7〜5.2である、請求項6または7に記載の高たんぱく質クリームチーズ組成物。
  9. 前記1種以上の高たんぱく質粉末は、乳たんぱく質濃縮物、乳たんぱく質単離物、ホエーたんぱく質濃縮物、ホエーたんぱく質単離物、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の高たんぱく質クリームチーズ組成物。
  10. 前記1種以上の高たんぱく質粉末は、80:20以上の水準のカゼイン対ホエー比でカゼインを有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の高たんぱく質クリームチーズ組成物。
  11. 前記チーズカード、前記培養乳製品液、前記1種以上の高たんぱく質粉末、およびそれらの混合物から提供された、280〜385mg/100gのカルシウムをさらに含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の高たんぱく質クリームチーズ組成物。
  12. 前記高たんぱく質クリームチーズ組成物は、添加乳化塩フリーである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の高たんぱく質クリームチーズ組成物。
  13. 前記高たんぱく質クリームチーズ組成物は、80:20以上のカゼイン対ホエー比を有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の高たんぱく質クリームチーズ組成物。
  14. たんぱく質量の低いクリームチーズの官能特性を有する高たんぱく質クリームチーズ組成物の製造方法であって、
    6〜10%のたんぱく質、20〜25%の脂肪、および4.3〜4.6のpHを有するチーズカードを提供し、
    より高いpHを有する培養乳製品液を前記チーズカードに添加して、pHを上昇させ、乳製品混合物を形成し、
    1種以上の高たんぱく質乳製品粉末であって、前記乳製品粉末に対して70%以上のたんぱく質を有する乳製品粉末を乳製品混合物に配合して、クリームチーズ混合物を形成し、
    前記クリームチーズ混合物を均質化し、8〜20%の全たんぱく質と、たんぱく質量の低いクリームチーズの展着性を有する高たんぱく質クリームチーズ組成物を形成することを特徴とする方法。
  15. 前記クリームチーズ組成物は、8〜14%の総脂肪、および59〜72%の水分を有する、請求項14に記載の方法。
  16. 前記チーズカードは、85:15以上の水準のカゼイン対ホエーの比でカゼインを有する、請求項14または15に記載の方法。
  17. 前記チーズカードはヌーシャテルカードである、請求項14〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記培養乳製品液は、限外ろ過により生成された発酵脱脂乳保持液である、請求項14〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記発酵脱脂乳保持液は、75〜80%の水分、14〜20%のたんぱく質、および1.5%以下の脂肪を有する、請求項18に記載の方法。
  20. 前記発酵脱脂乳保持液は、pHが4.7〜5.2である、請求項19に記載の方法。
  21. 前記1種以上の高たんぱく質粉末は、乳たんぱく質濃縮物、乳たんぱく質単離物、ホエーたんぱく質濃縮物、ホエーたんぱく質単離物、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項14〜20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記1種以上の高たんぱく質粉末は、80:20以上の水準のカゼイン対ホエー比でカゼインを有する、請求項14〜21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記チーズカード、前記培養乳製品液、前記1種以上の高たんぱく質粉末、およびそれらの混合物から提供された、280〜385mg/100gのカルシウムをさらに含む、請求項14〜22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記高たんぱく質クリームチーズ組成物は、添加乳化塩フリーである、請求項14〜23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記高たんぱく質クリームチーズ組成物は、80:20以上のカゼイン対ホエー比を有する、請求項14〜24のいずれか1項に記載の方法。
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