JP5751778B2 - 白カビチーズおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、白カビチーズの表面に呈味物質が付着されている白カビチーズおよびその製造方法に関する。
さらに詳しくは、チーズ表面に呈味物質を付着させる方法であり、一定期間の発酵後に呈味物質を付着させ、一定期間熟成することで、チーズ表面に付着させた呈味物質の付着性を向上させた白カビチーズおよびその製造方法に関する。
従来よりカビによる表面熟成軟質チーズなどに食品類を混合した成型品として、チーズ全体に香辛料、調味料、果物、野菜、獣肉製品、乳製品などの風味物質が加えられた製品が販売されている。
チーズ内部を含むチーズ全体に食品類を混合したカビによる表面熟成軟質チーズは、原料となる乳に食品類を混合し、通常の製造方法と同じように乳を凝固させた後、ホエイを排除して得られた食品類含有カードを成型するか、あるいは乳から調製したカードに食品類を混合した後、そのカードを成型し、熟成工程を得て製造されている。
また、香辛料などの食品類を熟成途中でカードを水平にカットしてカード間に挟みこみ、場合によっては、ポーションにカット後、熟成によって上下のカードが結着して食品類がチーズ内に挟み込まれた白カビチーズを製造する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、香辛料などの食品類を熟成途中のカードに注射器などで注入することで、食品類がチーズ内に内包された白カビチーズを製造する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。これら、食品類が白カビチーズの内部に保持された白カビチーズは、食品類がチーズと一体となっているため、製造時の食品類の飛散がなく製造適正に優れており
、喫食時、食品類が白カビチーズと分離することがないため、非常に手軽に白カビチーズと食品類を同時に摂食でき、白カビチーズのバラエティーとして市場でも好まれている製品群となっている。
一方で、製品の表面に香辛料などの食品類を圧着または結着させて得られた白カビチーズがある。このようなチーズは、通常の方法で成型した白カビチーズを大量の液状あるいは粉末状の食品類中に入れて表面に食品類を付着させるか、またはチーズ表面に食品類を圧着または塗布することで製造されている。
特開2007−020536号公報 特開2007−267694号公報
特許文献1に記載される白カビチーズは、香辛料などの食品類を熟成途中でカードを水平にカットしてカード間に挟みこんだものであり、さらに、特許文献2は香辛料などの食品類を熟成途中でカードに注射器などで注入後することで食品類がチーズ内に内包された白カビチーズを製造する方法に関するものであり、呈味物質を表面に付着させた本発明とは形態が全く異なるものである。
また、製品の表面に香辛料などの食品類を圧着または結着させることによって得られた白カビチーズは、表面に付着した食品類の付着性、結着性が悪く、包装時に付着した食品類がはがれ、製造ラインや製造装置が食品類にさらされてしまい、製造適正、生産効率が悪いという問題点が認められる。また、喫食時にも付着した食品類が、はがれ落ちるなどハンドリングが悪いという課題があった。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、呈味物質をチーズ表面に付着させた白カビチーズの製造方法を検討した結果、成型されたチーズカードの表面に白カビが生育するまで発酵させた後に呈味物質などを載せて、さらに熟成させることにより、呈味物質とチーズの付着が良好で、付着させた食品がチーズからはがれにくい白カビチーズが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明はチーズ表面に付着させた呈味物質がはがれにくいことを特徴とする呈味物質をチーズ表面に付着させた白カビチーズおよびその製造方法に関するものである
よって、本発明は、下記のいずれかの構成からなる発明である。
(1)白カビが生育したチーズの表面に呈味物質が付着し、前記チーズの表面を反 転させたときにチーズの表面から落下する呈味物質の量が、反転させる前に前記チ ーズの表面に付着していた呈味物質の15%以下である、前記呈味物質をチーズ表 面に付着させてから熟成させた後で加熱して得られたことを特徴とする白カビチー ズ。
(2)前記白カビが生育したチーズの表面は、複数の面によって構成され、前記複 数の面のうち少なくとも1つの面に前記呈味物質が付着した上記(1)に記載の白 カビチーズ。
(3)上記(1)または(2)に記載の白カビチーズをポーションカットした白カ ビチーズ。
(4)チーズカードを成型する工程と、前記成型されたチーズカードの表面に白カ ビが生育するまで発酵させる工程と、前記白カビが生育したチーズカードの表面に 呈味物質を付着させる工程と、前記呈味物質を載せたチーズカードを本熟成させる 工程と、前記本熟成させたチーズカードを加熱する工程とを有する白カビチーズの 製造方法。
(5)前記発酵工程は2〜10日間である上記(4)に記載の白カビチーズの製造方 法。
(6)チーズカードを成型する工程と、前記成型されたチーズカードの表面に白カ ビが生育するまで発酵させる工程と、前記白カビが生育したチーズカードの表面に 呈味物質を付着させる工程と、前記呈味物質を載せたチーズカードをポーションカ ットする工程と、前記ポーションカットしたチーズカードを本熟成させる工程と、 前記本熟成させたチーズカードを加熱する工程とを有する白カビチーズの製造方法
(7)チーズカードを成型する工程と、前記成型されたチーズカードの表面に白カ ビが生育するまで発酵させる工程と、前記白カビが生育したチーズカードの表面に 呈味物質を付着させる工程と、前記呈味物質を載せたチーズカードを1〜7日間前 熟成させる工程と、前記前熟成をさせたチーズカードをポーションカットする工程 と、前記ポーションカットしたチーズカードを本熟成させる工程と、前記本熟成さ せたチーズカードを加熱する工程とを有する白カビチーズの製造方法。

チーズカードの表面に白カビが生育した後、呈味物質をチーズ表面に付着させて製造することで、チーズ表面に付着させた呈味物質がはがれにくいことを特徴とする呈味物質をチーズ表面に付着させた白カビチーズおよびその製造方法を提供することが可能となる。
以下、本発明を詳しく説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
本発明において製造されるチーズは、白カビチーズである。白カビチーズとしては、特に限定されないが、カマンベール、ブリー、ブルソー、サンタンドレ、パペダフィアノ、ブレスブルー、カプリス・デ・デュー、シュプレムなどが挙げられるが、大きさや一般的に用いられる白カビの種類などから特にカマンベールが好ましく製造することができる。
本発明において、チーズ表面に付着させる呈味物質としては、白カビチーズの表面に載せられる物質であれば特に限定されるものではないが、例えば、ハム・ソーセージなどの畜肉類、魚肉類、海苔などの海草類、トマト・ピーマンなどの野菜類、レーズン・あんず・バナナ・パイナップル・マンゴー・イチゴ・ブルーベリーなどの果物類、ゆずピール、塩、砂糖、カレーパウダー・胡椒・ナツメグ・シナモン・ガーリック・ハーブ、とうがらし、ラー油、コチュジャンなどの香辛料などを含む調味料、ゴマ、アーモンド・ピーナッツなどのナッツ類、松の実、きな粉、脱脂分乳・チーズパウダーなどの乾燥乳製品、シリアル、餡・練りわさび・からし・はちみつ・ジャムなどのペースト状食品、しょうゆやドレッシングなどの液状食品、食物繊維やアミノ酸、フレーバーなどの香料などの食品添加物も使用することができる。これらの呈味物質は未加工でも用いることができるし、乾燥させた加工品なども用いることができる。また、これらの呈味物質は、1種類でも用いることができるし、2種類以上を組み合わせて使用することも可能である。
呈味物質の形態としては、加工が施されていないものから粉末状、顆粒状、フレーク状、カット品など加工が施されているものなど、形態は特に限定されず、目的の食品に合わせて適宜選択することができるが、粉末状、顆粒状の形態にすると付着性が良好である。
これらの呈味物質のチーズへの付着量については、それぞれの風味や食感に応じて適宜決定するものであるが、チーズの表面全体に、均一に付着させることが好ましく、例えばチーズの表面の10〜100%に付着させることができる。呈味物質をチーズに付着させる方法としては、手でふりかけたり、スプーンや茶こしなどでふりかけたり、専用の機械などを用いることもできるが、特に限定されるものではない。呈味物質は、白カビチーズの表面全体や、白カビチーズの複数の面のうち少なくとも1つの面に付着させることができる。例えば、円盤型の白カビチーズの上面に呈味物質を付着させた場合に、呈味物質が安定的に付着する。
なお、本発明における付着とは、呈味物質を付着させた白カビチーズを1〜5回程度反
転させた(ひっくり返した)場合に、白カビチーズに付着させた呈味物質がほとんど残存する(1〜5回程度反転させた場合に、落下した呈味物質量が、白カビチーズに付着していた呈味物質の15%以下である)ことをいう。
本発明の呈味物質が付着した白カビチーズの製造方法であるが、原料乳に乳酸菌、レンネットや白カビを用いて常法によりチーズカードを成型させ、成型されたチーズカードの表面に白カビが生育するまで成型されたチーズカードを発酵させる。その際、通常の白カビチーズの発酵温度域にて、白カビを生育させることができるが、チーズカードを発酵させる期間としては、2〜10日間、好ましくは2〜7日間、さらに好ましくは3〜5日間である。つまり、白カビがある程度生育して、なおかつ生育余力がある状態にて呈味物質を付着させることにより、白カビの菌糸と呈味物質がからみあい、チーズカード表面に呈味物質を付着させることができる。よって、白カビが全く生育しない状態で呈味物質をチーズカードの表面に載せてしまうと、呈味物質がチーズカード表面から落ちやすく、逆に白カビが生育しきった状態で呈味物質を載せても、白カビの菌糸と呈味物質がうまくからみあわないからである。
さらに、呈味物質を付着させたチーズカードを熟成させることにより、より呈味物質とチーズカードの付着をより強固にすることができる。使用する呈味物質の種類、呈味物質の付着量、付着させた面積などによって熟成期間などが変動する可能性があるため、適宜調整することにより、より強固に付着させた白カビチーズを得ることができる。
また、熟成終了後に、得られたチーズカードを加熱することにより、保存期間の長い白カビチーズを得ることができる。例えば、80℃以上のレトルト殺菌を行うことができるし、チーズの殺菌に用いる一般的な殺菌条件、殺菌方法、殺菌装置などをそのまま用いることができる。
なお、呈味物質をチーズカードに付着させた後、常法に従って包装処理を行うことができるし、熟成させた後に包装処理を行うこともできる。一般的なチーズに用いられる包装材や包装機械をそのまま用いることができる。
また、上記方法などにより得られた白カビチーズをポーションカットすることにより、ポーションカットされた白カビチーズを製造することができる。
すなわち、上記に記載した方法によって、白カビが生育したチーズカードの表面に呈味物質を載せた後に、常法に従って適宜カット処理を行うことによりポーションカットされた白カビチーズを得ることができる。
白カビチーズが生育したチーズカードの表面に呈味物質を載せた後にポーションカット処理を行うことができるが、呈味物質を載せたチーズカードを熟成させた(前熟成という)後にポーションカット処理を行うことによって、呈味物質とチーズカードとの付着をより強固にすることができる。ポーションカット前の前熟成させる期間であるが、白カビが生育することにより伸長する菌糸と呈味物質とがからみ合うことにより、呈味物質がより強く付着するため、呈味物質を付着させるタイミングによっても異なるが、呈味物質を載せた後1〜7日間、好ましくは1〜5日間、さらに好ましくは1〜4日間前熟成させることによって、より強く呈味物質をチーズカードに付着させることができる。カット後は、通常の白カビチーズと同様にさらに熟成(本熟成という)を行うことができる。
また、本熟成終了後に、得られたチーズカードを加熱することにより、保存期間の長い白カビチーズを得ることができる。例えば、80℃以上のレトルト殺菌を行うことができるし、チーズの殺菌に用いる一般的な殺菌条件、殺菌方法、殺菌装置などをそのまま用いることができる。
なお、ポーションカット後に包装処理を行うこともできるし、熟成させた後に包装処理を行うこともできる。一般的なポーションチーズに用いられる包装材やポーションカットの包装に用いられる包装装置をそのまま用いることができる。
本発明により、加圧や圧縮などの手段を用いず、また、結着剤も使用することなく、白カビの生育によって呈味物質を付着させることができる。
次に実施例を示し、本発明を詳細に説明する。なお、以下に記載する実施例は本発明を説明するものであり、本発明は実施例の記述に限定されるものではない。
[実施例1]
一般的な製造工程に従ってチーズカード(100g)を成型した。成型されたチーズカードの表面に白カビが生育するまで、12℃で7日間発酵させた。発酵後のチーズカードをブラックペッパー(エスビー食品社製)、アーモンド微粉(正栄食品工業社製)またはドライフルーツ微粉(正栄食品工業社製)を満たした各バットに入れて、それぞれの呈味物質をチーズカード全面に付着させた。付着されなかった過剰な各呈味物質を除去した後、ポリプロピレン包材で包装後、さらに10℃で14日間本熟成させて、本発明に係るカマンベールチーズを製造した(実施品1〜3)。
また、チーズカードを成型した後すぐにそれぞれの呈味物質を付着させ、呈味物質の付着させるタイミング以外は上記と同様の方法により製造したカマンベールチーズを比較品とした(比較品1〜3)。
得られた各カマンベールチーズについて、以下に記載した評価方法により、カマンベールチーズと呈味物質との付着について評価を行った。なお、評価は、訓練されたパネラー5名で行った
「評価方法」
(1)付着性…呈味物質の付着率(白カビチーズを1〜5回反転(ひっくり返す)させたときに、落下した呈味物質の量を評価した)
◎:白カビチーズに付着させた呈味物質がほとんど落下しない(落下した呈味物質量 が白カビチーズに付着していた呈味物質の5%以下)。
○:白カビチーズに付着させた呈味物質がほとんど残存する(落下した呈味物質量が 白カビチーズに付着していた呈味物質の15%以下)。
△:2/3程度残存する(落下した呈味物質量が白カビチーズに付着していた呈味物質 の33%以下)。
×:1/2以上落下する(落下した呈味物質量が白カビチーズに付着していた呈味物質 の50%以上)。
(2)外観…呈味物質の状態
○:呈味物質が白カビチーズの表面に均一に付着している。
△:呈味物質が白カビチーズの表面でやや不均一に付着している。
×:呈味物質が白カビチーズの表面に不均一に付着している。
Figure 0005751778
結果を表1に示した。白カビが生育した後に呈味物質を載せた実施品1〜3は、カマンベールチーズの表面に呈味物質が均一に付着しており、良好な付着性を示した。一方、チーズカードを成型した後すぐに呈味物質を載せた比較品1〜3は、呈味物質がチーズ表面から落下してしまい、チーズ表面の呈味物質も不均一であり、付着性が悪かった。
〔実施例2〕
一般的な製造工程に従ってチーズカード(100g)を成型した。成型されたチーズカードの表面に白カビが生育するまで、12℃で5日間発酵させた。発酵後のチーズカードをブラックペッパー(エスビー食品社製)、アーモンド微粉(正栄食品工業社製)またはドライフルーツ微粉(正栄食品工業社製)を満たした各バットに入れて、それぞれの呈味物質をチーズカード全面に付着させた。付着されなかった過剰な各呈味物質を除去した後、6等分に切断して櫛型の6個のチーズ片にカットした後、それぞれ個包装を行い、さらに10
℃で7日間本熟成させて、本発明に係るカマンベールチーズを製造した(実施品4〜6)

また、チーズカードを成型した後すぐにそれぞれの呈味物質を付着させ、呈味物質を付着させるタイミング以外は上記と同様の方法により製造したカマンベールチーズを比較品とした(比較品4〜6)。
得られた各カマンベールチーズについて、実施例1と同様の評価方法により、カマンベールチーズと呈味物質との付着について評価を行った。なお、評価は、訓練されたパネラー5名で行った。
Figure 0005751778
結果を表2に示した。白カビが生育した後に呈味物質を付着させた実施品4〜6は、カマンベールチーズの表面に呈味物質が均一に付着しており、ポーションカットを行わなかった実施品1〜3と同様の良好な付着性を示した。一方、チーズカードを成型した後すぐに呈味物質を付着させた比較品4〜6は、呈味物質がチーズ表面から落下してしまい、チーズ表面の呈味物質も不均一であり、付着性が悪かった。
〔実施例3〕
一般的な製造工程に従ってチーズカード(100g)を成型した。成型されたチーズカードの表面に白カビが生育するまで、12℃で2日間発酵させた。発酵後のチーズカードに黒ゴマ(正栄食品工業社製)、アーモンド微粉(正栄食品工業社製)またはドライフルーツ微粉(正栄食品工業社製)を満たした各バットに入れて、それぞれの呈味物質をチーズカード全面に付着させた。付着されなかった過剰な各呈味物質を除去した後、ポリプロピレン包材で包装後、10℃で21日間本熟成が完了するまで熟成させた。本熟成終了後、ナイロンフィルムでシールをして、80℃でレトルト加熱殺菌処理を行った後に冷蔵温度まで冷却して、本発明に係るカマンベールチーズを製造した(実施品7〜9)。
得られた各カマンベールチーズについて、実施例1と同様の評価方法により、カマンベールチーズと呈味物質との付着について評価を行った。なお、評価は、訓練されたパネラー5名で行った。
Figure 0005751778
結果を表3に示した。実施品7〜9は、カマンベールチーズの表面に呈味物質が均一に付着しており、良好な付着性を示した。
〔実施例4〕
一般的な製造工程に従ってチーズカード(100g)を成型した。成型されたチーズカードの表面に白カビが生育するまで、12℃で3日間発酵させた。発酵後のチーズカードをバジル(エスビー食品社製)、スイートオニオン(ヱスビー食品社製)、ガーリック(ヱスビー食品社製)またはホワイトペッパー(ヱスビー食品社製)を満たした各バットに入れて、それぞれの呈味物質をチーズカード全面に付着させた。付着されなかった過剰な各呈味物質を除去した後、10℃で2日間前熟成させた。その後、6等分に切断して櫛型の6個のチーズ片にカットし、それぞれ個包装を行い、さらに10℃で14日間本熟成させた。本熟成終了後、ナイロンフィルムでシールをし、80℃でレトルト加熱殺菌処理を行った後に冷蔵温度まで冷却して、本発明に係るカマンベールチーズを製造した(実施品10〜13)。
得られた各カマンベールチーズについて、実施例1と同様の評価方法により、カマンベールチーズと呈味物質との付着について評価を行った。なお、評価は、訓練されたパネラー5名で行った。
Figure 0005751778
結果を表4に示した。実施品10〜13は、カマンベールチーズの表面に呈味物質が均一に付着しており、呈味物質の種類は異なるが、ポーションカットを行わなかった実施品7〜9と同様な良好な付着性を示した。また、ポーションカットによる影響も少なく、呈味物質がカマンベールチーズの表面に均一に付着していた。
〔実施例5〕
一般的な製造工程に従ってチーズカード(100g)を成型した。成型されたチーズカードの表面に白カビが生育するまで、12℃で10日間発酵させた。発酵後のチーズカードの上面部分にバジル(エスビー食品社製)5gとスイートオニオン(エスビー食品社製)5gを混合しながらチーズカードの上面一面に載せて、10℃で4日間前熟成させた。その後、6等分に切断して櫛型の6個のチーズ片にカットし、それぞれ個包装を行い、さらに10℃で10日間本熟成させた。本熟成終了後、ナイロンフィルムでシールをし、85℃でレトルト加熱殺菌処理を行った後に、冷蔵温度まで冷却して、本発明に係るカマンベールチーズを製造した(実施品14)。
実施品14は、ポーションカットの影響も少なく、カマンベールチーズの上面に呈味物質が均一に付着していた。
〔実施例6〕
一般的な製造工程に従ってチーズカード(100g)を成型した。成型されたチーズカードの表面に白カビが生育するまで、12℃で4日間発酵させた。発酵後のチーズカードの上面部分にみじんきりにしたハム10gをチーズカードの上面一面に載せて、10℃で16日間本熟成させた。本熟成終了後、ナイロンフィルムでシールをし、85℃でレトルト加熱殺菌処理を行った後に、冷蔵温度まで冷却して、本発明に係るカマンベールチーズを製造した(実施品15)。
実施品15は、カマンベールチーズの上面に呈味物質が均一に付着しており、良好な付着性を示した。
チーズカードの表面に白カビが生育した後、呈味物質をチーズ表面に付着させて製造することで、チーズ表面に付着させた呈味物質がはがれにくいことを特徴とする呈味物質をチーズ表面に付着させた白カビチーズおよびその製造方法を提供することができる。

Claims (7)

  1. 白カビが生育したチーズの表面に呈味物質が付着し、前記チーズの表面を反転させ たときにチーズの表面から落下する呈味物質の量が、反転させる前に前記チーズの表 面に付着していた呈味物質の15%以下である、前記呈味物質をチーズ表面に付着さ せてから熟成させた後で加熱して得られたことを特徴とする白カビチーズ。
  2. 前記白カビが生育したチーズの表面は、複数の面によって構成され、前記複数の面 のうち少なくとも1つの面に前記呈味物質が付着した請求項1に記載の白カビチーズ 。
  3. 請求項1または2に記載の白カビチーズをポーションカットした白カビチーズ。
  4. チーズカードを成型する工程と、前記成型されたチーズカードの表面に白カビが生育 するまで発酵させる工程と、前記白カビが生育したチーズカードの表面に呈味物質を 付着させる工程と、前記呈味物質を載せたチーズカードを本熟成させる工程と、前記 本熟成させたチーズカードを加熱する工程とを有する白カビチーズの製造方法。
  5. 前記発酵工程は2〜10日間である請求項4に記載の白カビチーズの製造方法。
  6. チーズカードを成型する工程と、前記成型されたチーズカードの表面に白カビが生育 するまで発酵させる工程と、前記白カビが生育したチーズカードの表面に呈味物質を 付着させる工程と、前記呈味物質を載せたチーズカードをポーションカットする工程 と、前記ポーションカットしたチーズカードを本熟成させる工程と、前記本熟成させ たチーズカードを加熱する工程とを有する白カビチーズの製造方法。
  7. チーズカードを成型する工程と、前記成型されたチーズカードの表面に白カビが生育 するまで発酵させる工程と、前記白カビが生育したチーズカードの表面に呈味物質を 付着させる工程と、前記呈味物質を載せたチーズカードを1〜7日間前熟成させる工 程と、前記前熟成をさせたチーズカードをポーションカットする工程と、前記ポーシ ョンカットしたチーズカードを本熟成させる工程と、前記本熟成させたチーズカード を加熱する工程を有する白カビチーズの製造方法。
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