JP2012087264A - 扁平ガラス繊維含有熱可塑性樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウェルド部の耐衝撃性、耐熱性、剛性に優れ、実用的なウェルド部の表面外観を有する熱可塑性樹脂組成物の提供。
【解決手段】ポリアミド樹脂(A)10〜80重量部、ゴム質重合体20〜80重量%に、芳香族ビニル系単量体10〜70重量%およびこれと共重合可能な他の単量体10〜70重量%をグラフト重合して得られるグラフト共重合体(B)10〜80重量部、不飽和カルボン酸系単量体0.5〜20重量%、芳香族ビニル系単量体50〜89.5重量%およびこれと共重合可能な他の単量体10〜49.5重量%を重合して得られる不飽和カルボン酸変性共重合体(C)1〜40重量部、芳香族ビニル系単量体30〜90重量%およびこれと共重合可能な他の単量体10〜70重量%を重合して得られる共重合体(D)0〜50重量部を含む樹脂組成物100重量部に対し、扁平率が2.0以上の扁平形状を有するガラス繊維(E)1〜19重量部を配合していることを特徴とする扁平ガラス繊維含有熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明はポリアミド樹脂、グラフト共重合体および不飽和カルボン酸変性共重合体を含む樹脂組成物に対し、特定の扁平形状を有するガラス繊維を含有している、ウェルド部の耐衝撃性(高速落錘衝撃)、耐熱性、剛性およびウェルド外観に優れた扁平ガラス繊維含有熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
昨今、車輛用外装部品及び外板部品においては、車輛重量の軽量化として金属製部品から各種プラスチック材料の使用が促進されている。また従来からある樹脂製部品についても、高機能化に加えて、高外観、高意匠性が求められている。とりわけ、バンパー、ホイールキャップ、スポイラーのような外装部品やドアパネル、フロントフェンダー、テールゲートパネルのような外板パネルにおいては成形品の耐衝撃性、耐熱性と良外観が強く要望されている。
6−ナイロンに代表されるポリアミド樹脂は、優れた成形性、耐熱性、耐衝撃性、耐薬品性などを有する反面、乾燥状態での衝撃強度の低下、吸湿による寸法変化や抗張力の低下といった問題を有している。また、ABS樹脂に代表されるゴム強化スチレン系樹脂も優れた耐衝撃性、成形性、光沢などを有するが、耐薬品性が劣ると言った問題がある。
ポリアミド樹脂とゴム強化スチレン系樹脂の特長を残しながら、ポリアミド樹脂の欠点である吸湿時の寸法変化やゴム強化スチレン系樹脂の欠点である耐薬品性の向上を図るために、不飽和カルボン酸変性共重合体を相溶化剤として配合してなるポリマーアロイや、ガラス繊維を配合した樹脂組成物が提案されている(特許文献1:特開平1−158号公報、特許文献2:特開平10−158508号公報、特許文献3:特開2000−17170号公報)。しかしながら、従来のガラス繊維で十分な剛性を得るためには、多量のガラス繊維の配合が必要であり、流動性の低下や表面外観の悪化など実用上の問題があった。また、ポリアミド樹脂とゴム強化スチレン系樹脂を含むポリマーアロイに特定の形状を有するガラス繊維を配合することで剛性や寸法安定性、表面外観に優れる樹脂組成物が提案されているが成形品とした際のウェルド部の強度や外観に劣るという問題があった。(特許文献4:特開2009−179675号公報)
特開平1−158号公報
特開平10−158508号公報
特開2000−17170号公報
特開2009−179675号公報
本発明の目的は、ポリアミド樹脂/ゴム強化スチレン系樹脂アロイの特長を有するとともに、ウェルド部の耐衝撃性(高速落錘衝撃)、耐熱性、剛性に優れ、実用的なウェルド部の表面外観を有する熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
すなわち、本発明は、ポリアミド樹脂(A)10〜80重量部、ゴム質重合体20〜80重量%に、芳香族ビニル系単量体10〜70重量%およびこれと共重合可能な他の単量体10〜70重量%をグラフト重合して得られるグラフト共重合体(B)10〜80重量部(グラフト共重合体(B)を基準(100重量%)とする。)、不飽和カルボン酸系単量体0.5〜20重量%、芳香族ビニル系単量体50〜89.5重量%およびこれと共重合可能な他の単量体10〜49.5重量%を重合して得られる不飽和カルボン酸変性共重合体(C)1〜40重量部(不飽和カルボン酸変性共重合体(C)を基準(100重量%)とする。)、芳香族ビニル系単量体30〜90重量%およびこれと共重合可能な他の単量体(ただし、不飽和カルボン酸系単量体を除く。)10〜70重量%を重合して得られる共重合体(D)0〜50重量部(共重合体(D)を基準(100重量%)とする。)を含む樹脂組成物100重量部((A)、(B)、(C)および(D)の合計を100重量部とする)に対し、扁平率(断面の長径/短径の比)が2.0以上の扁平形状を有するガラス繊維(E)1〜19重量部を配合していることを特徴とする扁平ガラス繊維含有熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。
本発明の扁平ガラス繊維含有熱可塑性樹脂組成物は、ウェルド部の耐衝撃性(高速落錘衝撃)、耐熱性、剛性に優れ、実用的なウェルド部の表面外観を提供することができ、車輛用外装及び外板部品として好適に使用することができるものである。
以下、本発明の扁平ガラス繊維含有熱可塑性樹脂組成物につき詳細に説明する。
本発明の扁平ガラス繊維含有熱可塑性樹脂組成物は特定の樹脂組成物100重量部に対し、特定のガラス繊維1〜19重量部を配合して得られる。
本発明において用いることの出来る樹脂組成物とは、ポリアミド樹脂(A)10〜80重量部、グラフト共重合体(B)10〜80重量部、不飽和カルボン酸変性共重合体(C)1〜40重量部、共重合体(D)0〜50重量部((A)、(B)、(C)および(D)の合計を100重量部とする。)から構成され、この範囲外では本発明の目的とする組成物が得られない。
本発明の樹脂組成物を構成するポリアミド樹脂(A)としては、ナイロン3、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン116、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6I、ナイロン6/66、ナイロン6T/6I、ナイロン6/6T、ナイロン66/6T、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド、ポリビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド、ポリメタキシリレンアジパミド、ナイロン11T、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロテレフタルアミド等が挙げられる。なお、上記”I”はイソフタル酸成分、”T”はテレフタル酸成分を示す。これらのうち、特にナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12が好ましい。
ポリアミド樹脂(A)は樹脂組成物中に10〜80重量部含まれている必要があるが、10重量部未満では、ウェルド強度と耐熱性に劣り、80重量部を超えると、ウェルド強度に劣り好ましくない。20〜70重量部含まれることが好ましく、25〜60重量部含まれることがより好ましい。
本発明の樹脂組成物を構成するグラフト共重合体(B)とは、ゴム質重合体20〜80重量%に、芳香族ビニル系単量体10〜70重量%およびこれと共重合可能な他の単量体10〜70重量%(グラフト共重合体(B)を基準(100重量%)とする。)をグラフト重合して得られるグラフト共重合体である。最終組成物の物性バランスの観点から、ゴム質重合体20〜70重量%、芳香族ビニル系単量体20〜60重量%およびこれと共重合可能な他の単量体10〜60重量%から得られることが好ましい。
グラフト共重合体(B)を構成するゴム質重合体としては、ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、イソブチレン−イソプレン共重合体等のジエン系(共)重合体、さらにはこれらジエン系(共)重合体の水素添加ゴム、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体、エチレン−ブテン−1−非共役ジエン共重合体、アクリルゴム等が挙げられ、1種または2種以上使用できる。これらのうち、ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体、アクリルゴムが好ましく、特にポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体が好ましい。
ゴム質重合体の重量平均粒子径については特に制限はないが、0.05〜2.0μmであることが好ましい。さらに好ましくは0.10〜1.0μmである。当該粒子径を有するゴム質重合体は、乳化重合ゴム(ラテックス)、または短時間の乳化重合による小粒子径ゴムラテックスを機械的・化学的に処理して肥大化したゴム(ラテックス)でもよい。さらには、ドライゴムを裁断後、単量体または溶剤にて溶解することにより得た溶解ゴムでも可能である。
グラフト共重合体(B)を構成する芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、メチル−α−メチルスチレン、臭素化スチレン等が挙げられ、1種または2種以上使用できるが、特に、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
また、共重合可能な他の単量体としては、シアン化ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、不飽和カルボン酸系単量体、マレイミド系単量体の群から選ばれた少なくとも1種の単量体が挙げられる。
シアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等が挙げられるが、特にアクリロニトリルが好ましい。(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等が挙げられるが、特にメタクリル酸メチルが好ましい。不飽和カルボン酸系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられるが、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸が好ましい。マレイミド系単量体としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(2−メチルフェニル)マレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等が挙げられるが、特にN−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドが好ましい。
グラフト共重合体(B)におけるグラフト率については特に制限はないが、好ましくは20〜150%である。
なお、グラフト率とは、グラフト重合で得られたグラフト共重合体をアセトンにて溶解し、可溶分と不溶分に分離の後、次式により求めたものである。
グラフト率(%)=[アセトン不溶分重量−グラフト共重合体中のゴム質重合体重量]/[グラフト共重合体中のゴム質重合体重量]×100
グラフト率は、グラフト重合時のゴム質重合体と単量体との比率、単量体の添加速度などの重合条件の変更により適宜調整することができる。またグラフト共重合体(B)の製造方法については特に制限はなく、塊状重合、溶液重合、塊状懸濁重合、懸濁重合、乳化重合など通常の公知の方法が用いられる。グラフト率の面より、乳化重合が好ましい。
グラフト共重合体(B)は樹脂組成物中に10〜80重量部含まれている必要があるが、10重量部未満では、ウェルド強度と引っ張り破壊応力に劣り、80重量部を超えると、引っ張り破壊応力と耐熱性に劣り好ましく無い。グラフト共重合体(B)が、20〜70重量部含まれる事が好ましく、25〜60重量部含まれる事がより好ましい。また、物性バランスの観点から、樹脂組成物に占めるゴム質重合体の含有量が3〜30重量%の範囲であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物を構成する不飽和カルボン酸変性共重合体(C)とは、不飽和カルボン酸系単量体0.5〜20重量%、芳香族ビニル系単量体50〜89.5重量%およびこれと共重合可能な他の単量体10〜49.5重量%(不飽和カルボン酸変性共重合体(C)を基準(100重量%)とする。)を重合して得られる共重合体である。
不飽和カルボン酸変性共重合体(C)を構成する不飽和カルボン酸系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられ、1種または2種以上使用できるが、特にメタクリル酸が好ましい。
芳香族ビニル系単量体およびこれと共重合可能な他の単量体としては、グラフト共重合体(B)の項で例示したものと同様のものを使用することができる。
共重合可能な他の単量体としては、アクリロニトリル、メタクリル酸メチルなどが好ましい。
上記不飽和カルボン酸変性共重合体(C)の製造においては公知の乳化重合法、塊状重合法、懸濁重合法、溶液重合法を採用することができる。
不飽和カルボン酸変性共重合体(C)の還元粘度については特に制限はないが、0.2〜1.2dl/gであることが好ましい。なお、還元粘度は、重合温度、単量体の添加方法、使用する開始剤および例えばt−ドデシルメルカプタン等の重合連鎖移動剤の種類および量により適宜調整することができる。
不飽和カルボン酸変性共重合体(C)は樹脂組成物中に1〜40重量部含まれている必要があるが、1重量部未満では、ウェルド強度とウェルド外観に劣り、40重量部を超えると、引っ張り破壊応力と耐熱性に劣り好ましく無い。不飽和カルボン酸変性共重合体(C)が、3〜30重量部含まれていることが好ましく、5〜20重量部含まれている事がより好ましい。
本発明において用いることのできる共重合体(D)とは、芳香族ビニル系単量体30〜90重量%およびこれと共重合可能な他の単量体(ただし、不飽和カルボン酸系単量体を除く。)10〜70重量%(共重合体(D)を基準(100重量%)とする。)を重合して得られる共重合体である。
共重合体(D)を構成する芳香族ビニル系単量体およびこれと共重合可能な他の単量体としては、グラフト共重合体(B)の項で例示したものと同様のものを使用することができる。
芳香族ビニル系単量体としては、スチレンが好ましく、他の共重合可能な単量体としてはアクリロニトリル、メタクリル酸メチル、N−フェニルマレイミドが好ましい。
上記共重合体(D)の製造においては、公知の乳化重合法、塊状重合法、懸濁重合法、溶液重合法を採用することができる。
共重合体(D)の還元粘度については、何ら限定はないが、物性バランスの観点から0.3〜1.2dl/gの範囲であることが好ましい。なお、還元粘度は、重合温度、単量体の添加方法、使用する開始剤および例えばt−ドデシルメルカプタン等の重合連鎖移動剤の種類および量により適宜調整することができる。
本発明の扁平ガラス繊維含有熱可塑性樹脂組成物を構成するガラス繊維(E)は、扁平率(断面の長径/短径の比)が2.0以上の扁平形状を有するガラス繊維である。扁平率が2.0未満では、ウェルド部の耐衝撃性(高速落錐衝撃)に劣り、成形品のウェルド部の表面外観も損なわれるため好ましくない。好ましくは2.0〜10.0、さらに好ましくは2.5〜6.0である。また繊維長については特に制限はないが、2〜50mmであることが好ましい。このようなガラス繊維としては、例えば日東紡績(株)製 異形断面ガラス繊維 CSG 3PA−830、CSH 3PA−870として入手可能である。
また、本発明の扁平ガラス繊維含有熱可塑性樹脂組成物は、上記ポリアミド樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、不飽和カルボン酸変性共重合体(C)および共重合体(D)を含む樹脂組成物100重量部に対し、扁平率(断面の長径/短径の比)が2.0以上の扁平形状を有するガラス繊維(E)1〜19重量部を配合するものである。該ガラス繊維(E)の含有量が1重量部未満では、ウェルド部の耐衝撃性(高速落錐衝撃)及び耐熱性が十分でなく、また19重量部を超えると、成形品ウェルドの外観が悪くなるため好ましくない。好ましくは3〜10重量部である。
ポリアミド樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、不飽和カルボン酸変性共重合体(C)、共重合体(D)および扁平形状を有するガラス繊維(E)の混合順序ならびにその状態には何ら制限はなく、パウダー、ペレットなどの形態による、(A)、(B)、(C)、(D)および(E)成分の一括同時混合、特定の二成分を予備混合した後残る成分を混合する方法が例示される。これらの溶融混合に際してはバンバリーミキサー、ロール、押出機等を用いることができる。
混合に際し、必要に応じてポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリ乳酸や熱可塑性デンプンに代表される植物由来の熱可塑性樹脂などの他樹脂、さらには酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、染料、顔料、可塑剤、難燃剤、離型剤、タルク、金属繊維、炭素繊維、金属フレーク等の公知の添加剤、補強材、充填材等を配合することができる。
本発明の扁平ガラス繊維含有熱可塑性樹脂組成物は、各種成形部品として使用可能であるが、特に車輛用外装及び外板部品として例えばバンパー、ホイールキャップ、スポイラーやドアパネル、フロントフェンダー、テールゲートパネル成形部品等として好適に使用することができる。
以下に本発明について詳細に説明する。尚、本発明はこれにより何ら制限を受けるものでは無い。また、部および%は何れも重量基準で示した。
<ポリアミド樹脂(A)>
ユニチカ株式会社製 「ユニチカナイロン6 A1030BRL」
<グラフト共重合体B>
ポリブタジエンゴムラテックスの製造:
窒素置換した耐圧容器に1,3−ブタジエン100部、t−ドデシルメルカプタン0.3部、過硫酸カリウム0.25部、ロジン酸ナトリウム2.5部、水酸化ナトリウム0.1部、純水170部を仕込み、80℃に昇温したのち重合を開始した。重合は10時間で終了させた。得られたポリブタジエンゴムラテックスは、固形分37%、重量平均粒子径0.10μmであった。
凝集肥大化ポリブタジエンゴムラテックスの製造:
ガラスリアクターに、ポリブタジエンゴムラテックス270部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1部を添加して10分間攪拌混合した後、5%リン酸水溶液20部を10分間にわたり添加した。次いで10%水酸化カリウム水溶液10部を添加し、固形分34%、重量平均粒子径0.33μmの凝集肥大化ポリブタジエンゴムラテックスを得た。
窒素置換したガラスリアクターに、凝集肥大化ポリブタジエンゴムラテックス50部(固形分)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.5部、過硫酸カリウム0.3部を仕込み、70℃に昇温した後、スチレン35部およびアクリロニトリル15部からなる単量体混合物を5時間に亘って連続添加し、グラフト率38%のグラフト共重合体ラテックスを得た。
その後、硫酸を用いて塩析、脱水・乾燥し、グラフト共重合体(B)を得た。
<不飽和カルボン酸変性共重合体(C)>
窒素置換したガラスリアクターに、純水120部および過硫酸カリウム0.3部を仕込んだ後、攪拌下に65℃に昇温した。その後、スチレン67部、アクリロニトリル30部、メタクリル酸3部およびt−ドデシルメルカプタン1.5部からなる混合モノマー溶液およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2部を含む乳化剤水溶液30部を各々5時間に亘って連続添加し、その後重合系を70℃に昇温、3時間熟成して重合を完結した。その後、塩化カルシウムを用いて塩析、脱水・乾燥し、不飽和カルボン酸変性共重合体(C)を得た。得られた不飽和カルボン酸変性共重合体(C)の還元粘度は0.31dl/gであった。
<共重合体(D)>
窒素置換したガラスリアクターに、純水120部および過硫酸カリウム0.3部を仕込んだ後、攪拌下に65℃に昇温した。その後、スチレン70部、アクリロニトリル30部およびt−ドデシルメルカプタン0.3部からなる混合モノマー溶液およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2部を含む乳化剤水溶液30部を各々5時間に亘って連続添加し、その後重合系を70℃に昇温し、3時間熟成して重合を完結した。その後、硫酸を用いて塩析、脱水・乾燥し、共重合体(D)を得た。得られた共重合体(D)の還元粘度は0.60dl/gであった。
<扁平形状ガラス繊維(E)>
E−1:日東紡績社製 チョップドストランド CSG 3PA−830、扁平率=4
E−2:日東紡績社製 チョップドストランド CSH 3PA−870、扁平率=2
E−3:オーウェンスコーニングジャパン社製 チョップドストランド RES03−TP89Z、扁平率=1
〔実施例および比較例〕
表1および表2に示す組成比率に基づき、上記のポリアミド樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、不飽和カルボン酸変性共重合体(C)、共重合体(D)およびガラス繊維(E)を2軸押出機(設定温度250℃)で一括混練し、ペレット化して各種組成物を得た。
このようにして得られた各種組成物を、射出成形機(設定温度250℃、金型温度60℃)にて各種試験片を作成し、物性を評価した結果を表1および表2に示す。なお、それぞれの評価方法を以下に示す。
(1)ウェルド部の耐衝撃性(高速落錘衝撃):2点ゲートを設け中央にウェルド部位を有する90mm×150mm×3mmtの寸法の平板作成用金型にて射出成形を実施し、得られた平板を23℃、50%RH恒温室内に24時間静置した。東洋精機製高速落錘試験機にて、先端形状が円形で、半径が1/4インチである落下治具を成形品中央のウェルド部位に−30℃で、20cmの高さから重量7.5kgの重りを落下させ(衝撃速度2m/s)、評価を行った。単位:J
(2)引っ張り破壊応力:ISO 527準拠。単位:MPa
(3)耐熱性(荷重たわみ温度):ISO 75準拠(0.46MPa)。単位:℃
(4)ウェルド部の表面外観:2点ゲートを設け中央にウェルド部位を有する90mm×150mm×1mmtの寸法の平板作成用金型にて射出成形を実施し、得られた平板を23℃、50%RH恒温室内に24時間静置した。成形品中央ウェルド部の表面外観をデジタルマイクロスコープ(株)キーエンス社VHX−100F)にて観察し、判定した。
○:ウェルド部にウェルドラインが見えるがほとんど目立たない
△;ウェルド部にウェルドラインが見え、若干ウェルドラインが目立つ
×:ウェルド部にウェルドラインが見え、かなりウェルドラインが目立つ
表1および表2に示すように、本発明の扁平ガラス繊維含有熱可塑性樹脂組成物は、ウェルド部の耐衝撃性(高速落錐衝撃)と耐熱性、剛性及びウェルド部の表面外観のバランスに優れる良好な結果であった。また、樹脂組成と扁平形状を有するガラス繊維が特定の範囲にあるものは、物性バランスとウェルド部の表面外観が特に優れていることが分かる。
比較例1に示すように、扁平ガラス繊維(E)を含有しない場合は、ウェルド部の耐衝撃性(高速落錐衝撃)と耐熱性が低いため好ましくない。比較例2に示すように、扁平ガラス繊維(E)の含有量が19重量部を超えると、成形品ウェルドの外観が悪くなるため好ましくない。比較例3に示すように、扁平ガラス繊維(E)の扁平率が2.0未満では、ウェルド部の耐衝撃性(高速落錐衝撃)に劣り、成形品のウェルド部の表面外観も損なわれるため好ましくない。 比較例4に示すように、ポリアミド樹脂(A)が10部未満では、ウェルド部の耐衝撃性(高速落錐衝撃)と耐熱性に劣り好ましくない。
本発明の扁平ガラス繊維含有熱可塑性樹脂組成物はウェルド部の耐衝撃性、耐熱性、剛性およびウェルド部の表面外観に優れているため、バンパー、ホイールキャップ、スポイラーのような外装部品やドアパネル、フロントフェンダー、テールゲートパネルのような外板パネルなどに好適に用いる事ができる。

Claims (2)

  1. ポリアミド樹脂(A)10〜80重量部、ゴム質重合体20〜80重量%に、芳香族ビニル系単量体10〜70重量%およびこれと共重合可能な他の単量体10〜70重量%をグラフト重合して得られるグラフト共重合体(B)10〜80重量部(グラフト共重合体(B)を基準(100重量%)とする。)、不飽和カルボン酸系単量体0.5〜20重量%、芳香族ビニル系単量体50〜89.5重量%およびこれと共重合可能な他の単量体10〜49.5重量%を重合して得られる不飽和カルボン酸変性共重合体(C)1〜40重量部(不飽和カルボン酸変性共重合体(C)を基準(100重量%)とする。)、芳香族ビニル系単量体30〜90重量%およびこれと共重合可能な他の単量体(ただし、不飽和カルボン酸系単量体を除く。)10〜70重量%を重合して得られる共重合体(D)0〜50重量部(共重合体(D)を基準(100重量%)とする。)を含む樹脂組成物100重量部((A)、(B)、(C)および(D)の合計を100重量部とする)に対し、扁平率(断面の長径/短径の比)が2.0以上の扁平形状を有するガラス繊維(E)1〜19重量部を配合していることを特徴とする扁平ガラス繊維含有熱可塑性樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の扁平ガラス繊維含有熱可塑性樹脂組成物から得られた車輛用外装及び外板部品である成形品。
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